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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043453
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】ソケット
(51)【国際特許分類】
   H01R 33/76 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
H01R33/76 503Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151103
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚貴
(72)【発明者】
【氏名】井上 昌士
【テーマコード(参考)】
5E024
【Fターム(参考)】
5E024CA13
5E024CB04
(57)【要約】
【課題】部品の種類を減らして電子部品の搭載位置精度を向上させたソケットを提供する。
【解決手段】ソケット10は、ハウジング20と、多数のコンタクト(不図示)と、ばね部材30とを有する。ハウジング20は、底板部21と枠体部22が同一材料で一体成型された成型品である。底板部21には、第1面211と第2面212とに貫通したコンタクト支持孔(不図示)が複数配列されコンタクトが1本ずつ挿し込まれている。枠体部22は、第1面211の縁に立設してその縁に沿って延び、電子部品を搭載する際の第1面211の面内方向の位置決めを担っている。ばね部材30は、被支持部31とばね部32を有する。被支持部31は、枠体部22の第1辺に設けられている支持部226に支持される。また、ばね部32は、搭載された電子部品により押されて弾性変形し電子部品を第1辺と対面する第2辺に押し当てる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な第1面と第2面を有し該第1面と該第2面とに貫通したコンタクト支持孔が複数配列された平板状の底板部と、該第1面の縁に立設して該縁に沿って延び多数の接触パッドが下面に形成された電子部品を搭載する際の該第1面の面内方向の位置決めとなる枠体部とが一体成型されたハウジング、
前記コンタクト支持孔に挿し込まれた状態に前記底板部に支持された多数のコンタクト、および
前記枠体部の一辺に支持される被支持部と、搭載された前記電子部品により押されて弾性変形し該電子部品を該第1辺と対面する第2辺に押し当てるばね部とを有するばね部材を備えたことを特徴とするソケット。
【請求項2】
前記ハウジングが、前記底板部の前記第1面の、前記ばね部材が配置される箇所に窪み部を有し、
前記ばね部材が、該ばね部材の一部が前記窪み部に入り込んだ状態に、前記枠体部に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のソケット。
【請求項3】
前記コンタクトが、前記コンタクト支持孔に挿し込まれた挿通部と、前記第1面側に突き出て前記電子部品との接触を担う第1接触部と、前記第2面側に突き出て回路基板との接触を担う第2接触部とを有し、
前記底板部が、前記第1面側に、搭載された前記電子部品に押されて弾性変形した前記第1接触部を収容する第1凹部を有し、前記第2面側に、回路基板に押されて弾性変形した前記第2接触部を収容する第2凹部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のソケット。
【請求項4】
前記ばね部材が、左右に延び前記被支持部を左右両側に有するとともに前記ばね部を中央部に有し、該ばね部が該被支持部よりも前記第2辺側に突き出た形状のばね部材であって、
前記枠体部が、前記被支持部を支持する支持部を有することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のソケット。
【請求項5】
前記ばね部材が、片持ち梁形状に左右方向に延び、自由端側に前記ばね部を有することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触パッドが底面に2次元的に配列された電子部品が装着されるソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
大規模な電子部品は、回路基板に搭載する際に、その回路基板に直接に半田付けするのではなく、ソケットを介して実装されることが多い。すなわち、ソケットが回路基板上に置かれ、そのソケットに電子部品が装着されることが多い。そのソケットには、電子部品の底面に配列された接触パッドの各々に接触する多数のコンタクトが、平板状のハウジングの第1面から突き出るようにして配列される。
【0003】
ここで、特許文献1には、多数のコンタクトが配列される平板状のハウジングに、そのハウジングの縁に沿って延び搭載された電子部品の側面に接して電子部品を位置決めする枠体を取り付けた構造のソケットが開示されている。この特許文献1のソケットでは、枠体の一辺にばね部材を配置して搭載された電子部品をばね部材が配置された辺と対面する側の辺に押し当てることで電子部品の搭載位置精度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-072175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上掲の特許文献1のソケットは、平板状のハウジングに枠体を取り付けた構造を有する。このため、ハウジングへの枠体の取付けの公差を考慮する必要があり、その公差の分は、電子部品の搭載位置精度の低下を免れない。
【0006】
また、この特許文献1のソケットでは、電子部品をハウジングの第1面上に直接に押し当てることはできず、ハウジングの上に着座部材を配置して電子部品をハウジングから適度に離れた状態に搭載させる必要がある。このため、着座部材の高さの公差の分、電子部品の高さ方向の位置精度が低下する。
【0007】
さらに、この特許文献1のソケットでは、ハウジングの第2面側に半田ボールを配列する必要があり、ハウジングの第2面と、半田付けの相手である回路基板を密着させることはできず、ハウジングの第2面にスタンドオフ部材を配置してハウジングの第2面と回路基板との間に適度の間隔を保つ必要がある。
【0008】
このように、この特許文献1のソケットは部品の種類が多く、組立工程数の多い構造となっている。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、部品の種類を減らして電子部品の搭載位置精度を向上させたソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明のソケットは、
互いに平行な第1面と第2面を有し第1面と第2面とに貫通したコンタクト支持孔が複数配列された平板状の底板部と、底板部の第1面の縁に立設してその縁に沿って延び、多数の接触パッドが下面に形成された電子部品を搭載する際の第1面の面内方向の位置決めとなる枠体部とが一体成型されたハウジング、
コンタクト支持孔に挿し込まれた状態に底板部に支持された多数のコンタクト、および
枠体部の第1辺に支持される被支持部と、搭載された電子部品により押されて弾性変形し電子部品を第1辺と対面する第2辺に押し当てるばね部とを有するばね部材を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のソケットによれば、底板部と枠体部とが一体成型されたハウジングを有する。これにより、部品の種類を減らし、かつ、ばね部材による第2辺への押し当てにより電子部品の搭載位置精度が向上する。
【0012】
ここで、本発明のソケットにおいて、ハウジングが、底板部の第1面の、ばね部材が配置される箇所に窪み部を有し、ばね部材が、そのばね部材の一部が窪み部に入り込んだ状態に、枠体部に支持されていることが好ましい。
【0013】
上記の窪み部を有し、ばね部材を枠体部に、ばね部の一部が窪み部に入り込んだ状態に、支持する構造を採用すると、厚みの薄い電子部品であっても十分なばね力で上記の第2辺に押し当てることができる。
【0014】
さらに、本発明のソケットにおいて、
コンタクトが、コンタクト支持孔に挿し込まれた挿通部と、第1面側に突き出て電子部品との接触を担う第1接触部と、第2面側に突き出て回路基板との接触を担う第2接触部とを有し、
底板部が、第1面側に、搭載された電子部品に押されて弾性変形した第1接触部を収容する第1凹部を有し、第2面側に、回路基板に押されて弾性変形した第2接触部を収容する第2凹部を有することが好ましい。
【0015】
この構造を採用すると、電子部品の底面を底板部の第1面に直接に押し当てるとともに底板部の第2面を回路基板に直接に押し当てることができる。したがって、この構造を採用すると、上掲の特許文献1に記載された着座部材やスタンドオフ部材が不要となり、部品の種類をさらに減らすことができる。
【0016】
ここで、本発明のソケットにおいて、
ばね部材が、左右に延び被支持部を左右両側に有するとともにばね部を中央部に有し、ばね部が被支持部よりも上記の第2辺側に突き出た形状のばね部材であって、
枠体部が、被支持部を支持する支持部を有することが好ましい。
【0017】
この形状のばね部材、すなわち両持ち梁状のばね部材とすることにより、ばね部材を枠体部に容易にかつ確実に支持させることができる。
【0018】
あるいは、ばね部材は、片持ち梁形状に左右方向に延び、自由端側にばね部を有していてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上の本発明のソケットによれば、部品の種類を減らし、かつ、電子部品の搭載位置精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態としてのソケットの斜視図(A)と、円R1の部分の拡大図(B)である。
図2】第1実施形態のソケットの分解斜視図(A)と、円R2の部分の拡大図(B)である。
図3図1に示したソケットの平面図(A)と、円R3の部分の拡大図(B)である。
図4】ソケットに電子部品を搭載した状態の平面図(A)と、円R4の部分の拡大図である。
図5】ソケットの一部の拡大斜視図(A)と、矢印X-Xに沿う断面図(B)である。
図6】ハウジングの底板部の一部を拡大して示した平面図(A)と、斜視図(B)である。
図7】ハウジングの底板部の、図6に示した部分の正面図(A)、側面図(B)、および、図6(A)に示す矢印Y-Yに沿う断面図(C)である。
図8】第2実施形態のソケットの、第1実施形態の図5に対応する、ソケットの一部の拡大斜視図(A)と、矢印Z-Zに沿う断面図(B)である。
図9】第3実施形態の1本のばね部材の部分を示した斜視図である。
図10】第4実施形態の1本のばね部材の部分を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態としてのソケットの斜視図(A)と、円R1の部分の拡大図(B)である。
【0023】
また、図2は、第1実施形態のソケットの分解斜視図(A)と、円R2の部分の拡大図(B)である。
【0024】
これら図1図2では、ハウジングのコンタクト支持孔およびコンタクトは図示を省略してある。
【0025】
このソケット10は、ハウジング20とばね部材30とを備えている。ハウジング20は、底板部21と枠体部22とを有し、これら底板部21と枠体部22が一体に、好ましくは同一材料または同一成分配合で成型された成型品である。ただし、底板部21と枠体部22は、互いに異なる材料または互いに異なる成分配合で2色成型された成形品であってもよい。
【0026】
底板部21は、互いに平行に広がる第1面211と第2面212(図7参照)とを有する。図1図2には第1面211のみ現れている。第2面212は、第1面211に対するうら面である。この底板部21には、複数の、例えば10,000個ものコンタクト支持孔213(図7参照)が配列され、少なくともいずれか複数のコンタクト支持孔213の各々には、コンタクト40が1本ずつ挿し込まれている。
【0027】
また、枠体部22は、底板部21の第1面211の縁に立設してその縁に沿って、ほぼ一周に亘って延びている。ただし、左右の2か所には、搭載した電子部品50(図4参照)の取り外しの便宜のために、枠体部22が存在しない切欠き部221が形成されている。
【0028】
この枠体部22は、以下に説明するばね部材30とともに、電子部品50を搭載する際の第1面211の面内方向の位置決めとして作用する。また、この枠体部22の少なくとも1つの辺であって好ましくは、2つ以上の辺223,225には、内側に突き出た突起部228が形成されている。これらの突起部228が形成されていることによって、電子部品50が正しい向きにあるときのみ、搭載可能となっている(図4参照)。
【0029】
この枠体部22の4辺のうち図1図2の左側の辺222と上側の辺223の少なくともいずれかには、ばね部材30が各辺(222,223)につき少なくとも1つ、好ましくは2つづつ配置されている。それらの辺222,223には、ばね部材30を支持するためのスリット状の支持部226が、各ばね部材30に対応して形成されている。
【0030】
また、この枠体部22の4辺のうち、ばね部材30が配置されている辺(222,223)と対面する辺(224,225)には、各ばね部材30と対面する位置に、内向きに膨出した受け部227が形成されている。この受け部227には、搭載された電子部品50がばね部材30によって押されて突き当てられる。
【0031】
ばね部材30は、全体として左右に延びた形状を有し、左右の両側に、枠体部22のスリット状の支持部226に挿し込まれて支持される被支持部31を有し、中央に、対面する辺(224,225)に向って突き出たばね部32を有する。また、このばね部材30は、さらに、枠体部22の、ばね部材30が支持された辺(222,223)の上に乗る向きに斜めに立ち上がった誘い込み部33と、さらに、枠体部22の外側に向って延びる延在部34を有する。これに対応して、枠体部22には、斜面231と上向き面232とを有する載置部230が形成されている。
【0032】
誘い込み部33は、搭載される電子部品50を枠体部22の内側に誘い込む作用を成し、これにより、電子部品50の搭載を容易にしている。
【0033】
図3は、図1に示したソケットの平面図(A)と、円R3の部分の拡大図(B)である。
【0034】
また、図4は、ソケットに電子部品を搭載した状態の平面図(A)と、円R4の部分の拡大図である。
【0035】
図4(A)に示すように、電子部品50には、枠体部22の突起部228に対応する位置に、長溝51が形成されている。電子部品50をソケット10に搭載するにあたっては、枠体部22の突起部228が電子部品50の長溝51に嵌まり込む向きに電子部品50が搭載され、その向き以外の誤った向きでは搭載されないようになっている。
【0036】
また、図3(B)と図4(B)とを比べると分かるように、電子部品50が搭載されると、ばね部材30のばね部33が、枠体部22の、そのばね部材30を支持している辺に近づく向きに押されて弾性変形する。電子部品50は、その反力で反対側の辺に向かって押されて、受け部227の押し当てられる。これにより、電子部品50は、第1面211の面内方向について高精度に位置決めされる。
【0037】
ここで、枠体部22のうちのばね部材30を支持する辺(222,223)は、本発明にいう第1辺の一例に相当し、それらの辺(222,223)と対面する、受け部227が形成された辺(224,225)は、本発明にいう第2辺の一例に相当する。
【0038】
図5は、ソケットの一部の拡大斜視図(A)と、矢印X-Xに沿う断面図(B)である。
【0039】
図5(B)には、ばね部材30の断面が示されている。また、この図5(B)には、ハウジング20の底板部21から上下に飛び出たコンタクト40も示されている。電子部品50は、搭載されると底板部21の第1面211に直接に接する。これに対し、ばね部材30は、第1面211には接することなく、第1面211からやや上の位置に配置されている。この図5は、第2実施形態(図8参照)の説明の際に対比される。
【0040】
図6は、ハウジングの底板部の一部を拡大して示した平面図(A)と、斜視図(B)である。
【0041】
また、図7は、ハウジングの底板部の、図6に示した部分の正面図(A)、側面図(B)、および、図6(A)に示す矢印Y-Yに沿う断面図(C)である。図7(C)には、ハウジング20の底板部21との位置関係が分かるように、このソケット10に搭載されたときの電子部品50の下面と、このソケット10が載置されたときの回路基板60の上面が示されている。
【0042】
ハウジング20の底板部21には、例えば10,000個のコンタクト支持孔213が形成され、各コンタクト支持孔213には、コンタクト40が1つずつ挿し込まれてそのコンタクト支持孔213の壁に支持されている。
【0043】
各コンタクト40は、コンタクト支持孔213に挿し込まれた挿通部41と、底板部21の第1面211側に突き出た第1接触部42と、底板部21の第2面212側に突き出た第2接触部43とを有する。 挿通部41は、コンタクト支持孔213に挿し込まれて底板部21に支持される部分である。第1接触部42は、このソケット10に搭載された電子部品50との電気的な接触を担っている。また、第2接触部43は、このソケット10が載置される回路基板60との電気的な接触を担っている。
【0044】
電子部品50は、このソケット10に搭載されると、電子部品50の底面が底板部21の第1面211に直接に接触する。このため、この底板部21には、第1面211側の、コンタクト支持孔213に隣接する位置に、第1凹部214が形成されている。このソケット10に電子部品50が搭載されると、搭載された電子部品50に押されて弾性変形した第1接触部42が第1凹部214に収容される。これにより、底板部21上に着座部材等を配置して電子部品50を底板部21から一定間隔を空ける必要がなく、その分、上下方向に関しても、電子部品50が高精度に位置決めされる。
【0045】
また、これと同様に、ソケット10は、回路基板60上に置かれると、底板部21の第2面212が回路基板60に直接に接触する。このため、この底板部21には、第2面212側の、コンタクト支持孔213に隣接する位置に、第2凹部215が形成されている。このソケット10が回路基板60上に置かれると、回路基板60に押されて弾性変形した第2接触部43が第2凹部215に収容される。
【0046】
以上で、第1実施形態の説明を終了し、以下、第2実施形態以降の実施形態について説明する。なお、第2実施形態以降の実施形態については、第1実施形態と異なる点のみ、図示および説明する。ただし、符号については、第1実施形態の説明で用いた符号をそのまま採用する。
【0047】
図8は、第2実施形態のソケットの、第1実施形態の図5に対応する、ソケットの一部の拡大斜視図(A)と、矢印Z-Zに沿う断面図(B)である。
【0048】
第1実施形態の場合、図5(B)に示すように、ばね部材30は、底板部21の第1面211に接することなく、第1面211からやや上の位置に配置されている。これに対し、この第2実施形態の場合、底板部21の第1面211の、ばね部材30が配置される箇所に窪み部216が形成されている。そして、ばね部材30は、一部が窪み部216に入り込んだ状態に、枠体部22に支持されている。そして枠体部22の第1面211からの高さh2は、図5に示す第1実施形態の枠体部22の高さh1よりも低くなっている。ただし、ばね部32の幅wは第1実施形態におけるばね部32の幅wと同一である。
【0049】
高さ方向の厚みの薄い電子部品50を搭載するソケット10の場合、枠体部22の高さh2の低いソケット10が採用される。このとき、幅wの狭いばね部材30を採用すると、ばね力が弱まるおそれがある。そこで、この第2実施形態では、窪み部216を形成して、ばね部材30の一部をその窪み部216に入り込んだ位置に配置することにより、第1実施形態におけるばね部材30と同一のばね部材30を使って十分なばね力を確保しつつ、枠体部22の高さの低いソケット10とすることができる。
【0050】
図9は、第3実施形態の1本のばね部材の部分を示した斜視図である。ここで、図9(A)は、ばね部材30がハウジング20に支持された状態の斜視図、図9(B)は、分解斜視図である。
【0051】
これまで説明してきた第1実施形態および第2実施形態におけるばね部材30は、左右の両側に被支持部31が設けられた両持ち梁形状のばね部材であるが、この第3実施形態におけるばね部材30は、左右の片側に被指示部31が設けられた片持ち梁形状のばね部材である。例えば図9の様に左側に被支持部31が設けられ、右側に斜め内向きに延びて、枠体部22の、このばね部材30が支持される辺から離れた自由端側にばね部32が設けられている。そしてばね部32の上には斜め上向きに形成された誘い込み部33が設けられている。
【0052】
また、この第3実施形態では、枠体部22にスリット233が形成されるとともに底板部21の枠体部22に隣接した箇所に支持孔217が形成されている。これに対応して、ばね部材30の被支持部31には、折れ曲がり部311と突出部312が設けられている。このばね部材30は、折れ曲がり部311がスリット233に差し込まれるとともに支持孔217に突出部312に挿し込まれることにより、ハウジング20に支持される。 また、このソケット10に電子部品が搭載されたときのばね部材30の弾性変形の邪魔にならないように、この枠体部22には、切欠き部234が形成されている。
【0053】
図10は、第4実施形態の1本のばね部材の部分を示した斜視図である。ここで、図10(A)は、ばね部材30がハウジング20に支持された状態の斜視図、図10(B)は、分解斜視図である。
【0054】
この第4実施形態におけるばね部材30は、図10の左側に被支持部31が設けられ、枠体部22の、このばね部材30が支持される辺に沿って右側に延び、さらに右の自由端側が内向きに折り曲げられてばね部32が設けられている。そして、ばね部32に上には斜め上向きに形成された誘い込み部33が設けられている。この第4実施形態のばね部材30の支持構造は第3実施形態と同一であり、説明は省略する。
【0055】
図9に示した第3実施形態および図10に示した第4実施形態のように、ばね部材30は片持ち梁形状であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 ソケット
20 ハウジング
21 底板部
211 第1面
212 第2面
213 コンタクト支持孔
214 第1凹部
215 第2凹部
216 窪み部
217 支持孔
22 枠体部
221 切欠き部
222,223,224,225 枠体部の辺
226 支持部
227 受け部
228 突起部
230 載置部
231 斜面
232 上向き面
233 スリット
234 切欠き部
30 ばね部材
31 被支持部
311 折れ曲がり部
312 突出部
32 ばね部
33 誘い込み部
34 延在部
40 コンタクト
41 挿通部
42 第1接触部
43 第2接触部
50 電子部品
51 長溝
60 回路基板


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10