(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043478
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】回転機
(51)【国際特許分類】
H02K 5/06 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
H02K5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151142
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安室 慧
(72)【発明者】
【氏名】山脇 和典
(72)【発明者】
【氏名】内藤 克仁
(72)【発明者】
【氏名】栗原 佳子
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA08
5H605CC01
5H605GG06
(57)【要約】
【課題】フレームの製造性を向上させることのできる回転機を提供すること。
【解決手段】固定子鉄心10の径方向における外側に配置される外郭部40と、外郭部40の軸方向における一端側に配置される固定子当接部45と、回転機1を取り付ける取付部100に対する取付面がそれぞれ独立して形成される形成される第1取付部材31及び第2取付部材34と、を有するフレーム15と、を備え、固定子当接部45は、軸方向における固定子鉄心10の端部に当接し、フレーム15は、周方向において少なくとも2分割されることにより複数の分割部20を有すると共に、第1取付部材31と第2取付部材34とは異なる分割部20に配置され、複数の分割部20は、それぞれ外郭部40と固定子当接部45とを有すると共に、それぞれの固定子当接部45同士が周方向において結合されることにより、フレーム15は周方向における1周に亘って連続して形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の形状で形成される固定子鉄心と、
前記固定子鉄心の径方向における外側に配置されて、前記固定子鉄心の軸方向における幅が前記軸方向における前記固定子鉄心の長さと略同じ大きさで形成される外郭部と、厚み方向が前記軸方向の向きとなる板状であり前記外郭部の前記軸方向における一端側に配置される固定子当接部と、厚み方向が前記軸方向の向きとなる板状であり前記固定子鉄心の外周面の位置よりも前記径方向における外側の位置で前記外郭部の前記軸方向における他端側に配置される端面部と、回転機を取り付けるための他の部材である取付部に対する取付面が形成される第1取付部材と、前記第1取付部材の前記取付面とは独立して前記取付部に対する取付面が形成される第2取付部材と、を有するフレームと、
を備え、
前記固定子当接部は、前記固定子鉄心の内径よりも大きい孔が形成されると共に、前記軸方向における前記固定子鉄心の端部に当接し、
前記フレームは、前記固定子鉄心の軸心を中心とする周方向において少なくとも2分割されることにより複数の分割部を有すると共に、前記第1取付部材と前記第2取付部材とは異なる前記分割部に配置され、
複数の前記分割部は、それぞれ前記外郭部と前記固定子当接部と前記端面部とを有すると共に、少なくともそれぞれの前記固定子当接部同士が前記周方向において結合されることにより、前記フレームは前記周方向における1周に亘って連続して形成されることを特徴とする回転機。
【請求項2】
前記端面部には、内径が前記固定子鉄心の内径よりも大きい円環状の形状で形成されて前記軸方向における前記固定子当接部に当接する側の反対側から前記固定子鉄心の端部に当接することにより、前記固定子鉄心の軸方向への移動を規制する押さえ部材が結合される請求項1に記載の回転機。
【請求項3】
前記フレームは、前記周方向において少なくとも3分割されることにより、それぞれ前記フレームの前記周方向における一部を構成する前記分割部である第1分割部と、第2分割部と、連結分割部とを有し、
前記第1取付部材は、前記第1分割部に配置され、
前記第2取付部材は、前記第2分割部に配置され、
前記連結分割部には、前記連結分割部から前記径方向における外側に向かって突出して配置されると共に、前記第1取付部材及び前記第2取付部材が前記取付部から外れた際に前記回転機及び前記取付部とは異なる部材に当接することにより前記回転機の落下を防止する落下防止部材が配置される請求項1または2に記載の回転機。
【請求項4】
前記連結分割部は、前記固定子鉄心の前記軸心を中心とする周方向において2分割されることにより、それぞれ前記フレームの前記周方向における一部を構成する第3分割部と、第4分割部とを有し、
前記第3分割部と前記第4分割部とは、それぞれ前記外郭部と前記固定子当接部とを有すると共に、少なくともそれぞれの前記固定子当接部同士が前記周方向において結合されることにより前記周方向に連続して形成される請求項3に記載の回転機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、回転機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転機のフレーム構造としては、従来の回転機において用いられる手法として、例えば、特許文献1に記載された回転電機のように、鋳物でフレームを構成する構造が挙げられる。また、回転機の他のフレーム構造としては、特許文献2に記載された回転電機のように、軸方向における固定子鉄心の両側に分割フレームを配置し、これらの分割フレーム同士を、固定子鉄心の一部外周を覆って分割フレーム同士の間に亘って配置される部材により、溶接結合する構成が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2013/069322号
【特許文献2】特開2011-177017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、分割フレーム同士を、固定子鉄心の外周に配置される部材により接合するフレーム構造では、固定子鉄心の周囲に配置する部材を複数用意し、これらの部材を固定子鉄心の周囲に位置合わせを行いながら配置して1つ1つ溶接することになるため、製造が煩雑になる虞がある。このため、従来の回転機は、フレームの製造性の観点で、改良の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、フレームの製造性を向上させることのできる回転機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の回転機は、円筒形の形状で形成される固定子鉄心と、前記固定子鉄心の径方向における外側に配置されて、前記固定子鉄心の軸方向における幅が前記軸方向における前記固定子鉄心の長さと略同じ大きさで形成される外郭部と、厚み方向が前記軸方向の向きとなる板状であり前記外郭部の前記軸方向における一端側に配置される固定子当接部と、厚み方向が前記軸方向の向きとなる板状であり前記固定子鉄心の前記外周面の位置よりも前記径方向における外側の位置で前記外郭部の前記軸方向における他端側に配置される端面部と、回転機を取り付けるための他の部材である取付部に対する取付面が形成される第1取付部材と、前記第1取付部材の前記取付面とは独立して前記取付部に対する取付面が形成される第2取付部材と、を有するフレームと、を備え、前記固定子当接部は、前記固定子鉄心の内径よりも大きい孔が形成されると共に、前記軸方向における前記固定子鉄心の端部に当接し、前記フレームは、前記固定子鉄心の前記軸心を中心とする周方向において少なくとも2分割されることにより複数の分割部を有すると共に、前記第1取付部材と前記第2取付部材とは異なる前記分割部に配置され、複数の前記分割部は、それぞれ前記外郭部と前記固定子当接部と前記端面部とを有すると共に、少なくともそれぞれの前記固定子当接部同士が前記周方向において結合されることにより、前記フレームは前記周方向における1周に亘って連続して形成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る回転機の固定子鉄心とフレームの斜視図である。
【
図3】
図3は、回転機を取付部に取り付けた状態を示す説明図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すフレームを構成する第1分割部と第2分割部のそれぞれの単体の斜視図である。
【
図5】
図5は、フレームに固定子鉄心を挿入した状態を示す説明図である。
【
図6】
図6は、第1分割部に設けられる第1取付部材の異なる形態を示す平面図である。
【
図7】
図7は、第2分割部に設けられる第2取付部材の異なる形態を示す正面図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るフレームの変形例を示す説明図であり、分割部同士がボルトにより結合されるフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0009】
以下、添付の図面を用いて、本実施形態に係る回転機の一例について説明する。
【0010】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る回転機1の固定子鉄心10とフレーム15の斜視図である。なお、
図1では、後述する押さえ部材60を認識し易いように、押さえ部材60にハッチングを施してある。実施形態に係るフレーム15は、回転機1が有する固定子鉄心10を支持することが可能になっている。フレーム15で支持する固定子鉄心10は、略円筒状の形状で形成されており、内周面側に、円筒の軸方向に延びる溝が、円筒の周方向に複数並んで形成されている。
【0011】
なお、以下の説明では、回転機1が有する固定子鉄心10の軸方向を、回転機1における軸方向として説明し、固定子鉄心10の径方向を、回転機1における径方向として説明する。また、径方向における外側とは、径方向において固定子鉄心10の軸心から離れる側をいい、径方向における内側とは、径方向において固定子鉄心10の軸心に近付く側をいう。また、周方向とは、固定子鉄心10の軸心を中心とする周り方向をいう。また、以下の説明では、回転機1の通常の使用状態における上下方向を、回転機1における上下方向として説明し、回転機1の通常の使用状態における上側を、回転機1における上側とし、回転機1の通常の使用状態における下側を、回転機1における下側として説明する。また、回転機1の通常の使用状態における水平方向を、回転機1においても水平方向として説明する。
【0012】
フレーム15は、固定子鉄心10の外周面11を周方向に覆い、外周面11を複数の箇所で支持することにより、固定子鉄心10を支持している。フレーム15は、外郭部40と、端面部41と、固定子当接部45とを有している。外郭部40は、フレーム15で固定子鉄心10を支持する状態において、固定子鉄心10の径方向における外周面11の外側に配置されて固定子鉄心10の外周面11を覆う位置に形成されている。また、外郭部40は、固定子鉄心10の軸方向における幅が、軸方向における固定子鉄心10の長さと略同じ大きさになっており、即ち、外郭部40は、固定子鉄心10の軸方向における幅が、軸方向における固定子鉄心10の長さと実質的に同じ大きさで形成されている。
【0013】
固定子当接部45は、厚み方向が軸方向の向きとなる板状に形成され、固定子鉄心10の軸方向における、外郭部40の一端側に配置されている。端面部41は、厚み方向が固定子鉄心10の軸方向の向きとなる板状に形成され、固定子鉄心10の軸方向における外郭部40の他端側、即ち、軸方向において外郭部40に対して固定子当接部45が配置される側の反対側に配置されている。また、端面部41は、固定子鉄心10の外周面11の位置よりも径方向における外側の位置に配置されている。
【0014】
図2は、
図1に示すフレーム15の斜視図である。外郭部40は、周方向において間隔をあけながら、周方向における複数の箇所に配置されている。各外郭部40は、固定子鉄心10の外周面11よりも固定子鉄心10の径方向における外側に配置されて固定子鉄心10の外周面11を覆う外郭離隔部40bと、外郭離隔部40bから径方向における内側に向かって形成されて固定子鉄心10の外周面11に接触する支持部40aとを有している。外郭離隔部40bは、厚み方向が略径方向となる板状の形状で形成されており、フレーム15によって固定子鉄心10を支持する状態において、固定子鉄心10の外周面11から径方向における外側に離隔して配置される部位になっている。支持部40aは、各外郭部40において、周方向における外郭離隔部40bの両側に配置されており、外郭離隔部40bから周方向に離れるに従って径方向における内側に向かう方向に、外郭離隔部40bに対して傾斜している。支持部40aは、周方向における外郭離隔部40bが位置する側の反対側の端部、即ち、支持部40aの先端部分が、固定子鉄心10の外周面11に接触することが可能になっている。外郭部40は、フレーム15で固定子鉄心10を支持する際には、支持部40aが固定子鉄心10の外周面11に当接することにより、固定子鉄心10の径方向における移動を規制する。
【0015】
端面部41と固定子当接部45とは、板の厚み方向が固定子鉄心10の軸方向となる向きの板状の形状で形成され、いずれも外郭部40に接続されている。このうち、固定子当接部45は、直径が固定子鉄心10の内径よりも大きく、固定子鉄心10の外径よりも小さい大きさの孔が、板の厚み方向に貫通して形成されている。固定子当接部45に形成される孔は、固定子鉄心10の軸心上に中心が位置している。また、固定子当接部45に形成される孔の直径は、固定子鉄心10の内周面側に形成される複数の溝の溝底となる部分、即ち、径方向における当該溝の最も外側に位置する部分を結んだ円の直径よりも大きくなっている。
【0016】
また、端面部41は、周方向において間隔をあけながら、周方向における複数の箇所に配置されており、各端面部41は、外郭部40における固定子当接部45が位置する側の反対側の端部に接続されている。また、端面部41は、外郭部40に接続される位置から、径方向における内側に向かって突出して形成されている。このように形成される端面部41は、径方向における端面部41の内側部分の形状が、フレーム15によって支持する固定子鉄心10の軸心を中心とする円弧状の形状で形成されている。詳しくは、端面部41の径方向における内側部分は、フレーム15によって支持する固定子鉄心10の外径よりも大きい径となる円の一部の形状で形成されている。外郭部40から径方向における内側に向かって突出して形成される複数の端面部41は、径方向における内側部分の形状が、このように固定子鉄心10の軸心の位置を中心とし、固定子鉄心10の外径よりも大きい円の一部の形状となる形状で形成されている。
【0017】
また、固定子鉄心10の軸方向における端面部41と固定子当接部45との距離は、端面部41における固定子当接部45側の面と、固定子当接部45における側の面との距離が、固定子鉄心10の軸方向における長さと同程度の距離になっている。つまり、端面部41と固定子当接部45との距離は、双方の対向する面同士の距離が、固定子鉄心10の軸方向における固定子鉄心10の一方の端面と他方の端面との距離と同程度の大きさになっている。
【0018】
このように形成されるフレーム15には、フレーム15で固定子鉄心10を支持する状態において、固定子鉄心10の軸方向における移動を規制する押さえ部材60(
図1参照)が端面部41側に配置される。フレーム15は、押さえ部材60と固定子当接部45とにより、フレーム15に対する固定子鉄心10の軸方向への移動を規制する。
【0019】
詳しくは、フレーム15で固定子鉄心10を支持する状態において、フレーム15に形成される固定子当接部45は、固定子鉄心10の軸方向における端部に当接することにより、固定子鉄心10の軸方向への移動を規制する。即ち、固定子当接部45は、固定子当接部45における端面部41に対向する側の面が、固定子鉄心10の軸方向における端部に当接することにより、固定子鉄心10の、固定子当接部45が位置する側への軸方向の移動を規制する。
【0020】
また、フレーム15の端面部41側に配置される押さえ部材60は、円環状の形状で形成されており、外径が、端面部41の径方向における内側の円弧の径と同程度の大きさで形成され、内径が、固定子鉄心10の内径よりも大きくなっている。具体的には、円環状に形成される押さえ部材60の内径は、固定子当接部45に形成される孔の径と同程度の形状で形成されている。このため、押さえ部材60は、外周部分を端面部41に結合させることが可能になっている。押さえ部材60は、フレーム15で固定子鉄心10を支持する状態において、端面部41に結合させることにより、固定子鉄心10の軸方向における固定子当接部45に当接する側の反対側から固定子鉄心10に当接し、固定子鉄心10の軸方向への移動を規制する。即ち、端面部41に取り付けられる押さえ部材60は、押さえ部材60における固定子当接部45に対向する側の面が、固定子鉄心10の軸方向における端部に当接することにより、固定子鉄心10の、押さえ部材60が位置する側への軸方向への移動を規制する。
【0021】
図3は、回転機1を取付部100に取り付けた状態を示す説明図である。回転機1は、例えば、鉄道車両の台車に取り付けられ、鉄道車両を走行させるための動力源として用いられている。回転機1を鉄道車両の台車に取り付ける際には、回転機1に設けられる取付部材30を、台車が有する台車枠における取付部100に取り付けることにより、回転機1を台車に対して取り付ける。取付部100は、回転機1を取り付けるための他の部材であり、即ち、回転機1の外部の部材になっている。回転機1を台車に取り付ける際には、台車枠の取付部100と、鉄道車両の車輪の回転軸である車軸110との間に回転機1を配置する。また、回転機1は、回転機1が有する回転軸の向きが水平方向にとなり、回転軸が車軸110に対して平行となる向きで、取付部100に取り付ける。
【0022】
回転機1を取付部100に取り付けるための取付部材30は、回転機1を取付部100に取り付ける状態における、上側と下側との2箇所に配置されており、2箇所の取付部材30は、取付部100に設置した状態における回転機1の回転軸に対して、水平方向において同じ側に配置されている。即ち、回転機1には、回転機1を取付部100に取り付けるための部材として、回転機1を取付部100に取り付ける状態における上側に位置する第1取付部材31と、第1取付部材31の下側に位置する第2取付部材34とが設けられている。第1取付部材31と第2取付部材34とは、取付部100における異なる面に独立して取り付けられる。第1取付部材31は、取付部100の上面に取り付けられ、第2取付部材34は、取付部100における側面のうち、回転機1に対向する面に取り付けられる。回転機1は、このように設けられる2箇所の取付部材30を、台車枠における取付部100に取り付けることにより、回転機1を鉄道車両の台車に取り付ける。
【0023】
また、回転機1には、取付部100に設置した状態における回転機1の回転軸に対して、水平方向において取付部100が位置する側の反対側に、セーフティノーズ37が配置されている。セーフティノーズ37は、第1取付部材31及び第2取付部材34が取付部100から外れた際に、回転機1及び取付部100とは異なる部材に当接することにより、回転機1の落下を防止する落下防止部材として設けられている。セーフティノーズ37は、回転機1を取付部100に取り付ける状態における、上側寄りの位置で回転機1から突出して配置されており、回転機1を取付部100に取り付けた状態において、車軸110よりも上側に位置している。
【0024】
このように設けられるセーフティノーズ37は、取付部100に対して取付部材30によって回転機1を取り付ける構造が損傷した際に、セーフティノーズ37が車軸110の上側から車軸110に対して引っ掛かることにより、回転機1の落下を防止することが可能になっている。即ち、車軸110は、セーフティノーズ37が当接する部材になっており、セーフティノーズ37は、第1取付部材31及び第2取付部材34が取付部100から外れた際に、車軸110に当接することにより、回転機1の落下を防止することが可能になっている。
【0025】
これらのように構成される回転機1が有するフレーム15は、固定子鉄心の軸心を中心とする周方向において、少なくとも2分割されることにより、それぞれフレーム15の周方向における一部を構成する複数の分割部20を有している。フレーム15は、例えば、周方向において少なくとも3分割されることにより、それぞれフレーム15の周方向における一部を構成する分割部20である第1分割部21と、第2分割部22と、連結分割部25とを有して形成される(
図2参照)。第1分割部21と、第2分割部22と、連結分割部25とは、それぞれ外郭部40と固定子当接部45と端面部41を有している。このうち、外郭部40は、各分割部20のそれぞれにおいて、外郭離隔部40bと、周方向における外郭離隔部40bの両側に配置される支持部40aとを備えている。フレーム15は、これらのように分割される第1分割部21と、第2分割部22と、連結分割部25とが、周方向において結合されることにより、周方向における1周に亘って連続するフレーム15として形成される。
【0026】
このうち、第1分割部21は、第1分割部21が有する外郭部40の支持部40aが、固定子鉄心10の外周面11に実質的に接触することにより、固定子鉄心10の外周面11の周方向における一部を支持することが可能になっている。この場合における、外郭部40の支持部40aが、固定子鉄心10の外周面11に実質的に接触するとは、支持部40aが固定子鉄心10の外周面11に対して直接接触するほか、支持部40aと外周面11との間に隙間がある場合でも、支持部40aが、固定子鉄心10の外周面11に対して溶接されることにより、溶接部分を介して接触する状態を含む。
【0027】
また、第2分割部22は、第2分割部22が有する外郭部40の支持部40aが、固定子鉄心10の外周面11に実質的に接触することにより、固定子鉄心10の外周面11の周方向における第1分割部21が支持する位置とは異なる位置を支持することが可能になっている。第1取付部材31と第2取付部材34とは、異なる分割部20に配置されており、第1取付部材31は第1分割部21に配置され、第2取付部材34は第2分割部22に配置されている。
【0028】
また、連結分割部25は、連結分割部25が有する外郭部40の支持部40aが、固定子鉄心10の外周面11に実質的に接触することにより、固定子鉄心10の外周面11の周方向における第1分割部21及び第2分割部22が支持する位置とは異なる位置を支持する部材になっている。本実施形態では、連結分割部25は、固定子鉄心10の軸心を中心とする周方向において2分割されることにより、それぞれフレーム15の周方向における一部を構成する第3分割部26と第4分割部27とを有している。第3分割部26と第4分割部27とは、それぞれ外郭部40と固定子当接部45と端面部41を有している。このうち、外郭部40は、第3分割部26と第4分割部27とのそれぞれにおいて、外郭離隔部40bと、周方向における外郭離隔部40bの両側に配置される支持部40aとを備えている。
【0029】
第3分割部26は、第3分割部26が有する外郭部40の支持部40aが、固定子鉄心10の外周面11に実質的に接触することにより、固定子鉄心10の外周面11の周方向における一部を支持することが可能になっている。第4分割部27は、第4分割部27が有する外郭部40の支持部40aが、固定子鉄心10の外周面11に実質的に接触することにより、固定子鉄心10の外周面11の周方向における第3分割部26が支持する位置とは異なる位置を支持することが可能になっている。
【0030】
第1分割部21と第2分割部22はいずれも、略円筒状の形状で形成される固定子鉄心10の外周面11の周方向において、外周面11の1周に対して1/4に近い範囲に亘って形成される。また、連結分割部25は、略円筒状の形状で形成される固定子鉄心10の外周面11の周方向において、外周面11の1周に対して1/2に近い範囲に亘って形成される。即ち、連結分割部25を構成する第3分割部26と第4分割部27とは、いずもれ固定子鉄心10の外周面11の周方向において、外周面11の1周に対して1/4に近い範囲に亘って形成される。
【0031】
固定子鉄心10を支持するフレーム15を構成する、これらの第1分割部21と、第2分割部22と、第3分割部26と、第4分割部27とは、いずれも鋳造により製造される、鋳物の部材になっている。第1分割部21と、第2分割部22と、第3分割部26と、第4分割部27とは、固定子鉄心10の周方向に並んで配置され、それぞれ周方向における端部が、他の分割部20に溶接により結合されることより、固定子鉄心10に対して、周方向における1周に亘って形成されるフレーム15として構成される。本実施形態では、第1分割部21と、第2分割部22と、第3分割部26と、第4分割部27とは、それぞれの固定子当接部45同士が周方向において結合される。また、第1分割部21の端面部41と第4分割部27の端面部41とが、周方向において結合され、第2分割部22の端面部41と第3分割部26の端面部41とも、周方向において結合される。
【0032】
即ち、第1分割部21と第2分割部22とは、それぞれの周方向における端部である結合部28で結合され、第2分割部22と第3分割部26とは、それぞれの周方向における端部である結合部28で結合される。第1分割部21と第2分割部22との結合部28は、それぞれの固定子当接部45の周方向における端部になっており、第2分割部22と第3分割部26との結合部28は、それぞれの固定子当接部45の周方向における端部と、それぞれの端面部41の周方向における端部になっている。また、第3分割部26と第4分割部27とは、それぞれの周方向における端部である結合部28で結合され、第4分割部27と第1分割部21とは、それぞれの周方向における端部である結合部28で結合される。第3分割部26と第4分割部27との結合部28は、それぞれの固定子当接部45の周方向における端部になっており、第4分割部27と第1分割部21との結合部28は、それぞれの固定子当接部45の周方向における端部と、それぞれの端面部41の周方向における端部になっている。
【0033】
なお、以下の説明では、第1分割部21、第2分割部22、第3分割部26、第4分割部27について、いずれかを特定しない場合は、単に分割部20と呼ぶこともある。
【0034】
図4は、
図2に示すフレーム15を構成する第1分割部21と第2分割部22のそれぞれの単体の斜視図である。第1分割部21と第2分割部22とには、それぞれ取付部材30が配置されており、第1分割部21には第1取付部材31が配置され、第2分割部22には第2取付部材34が配置されている。
【0035】
詳しくは、第1取付部材31が配置される第1分割部21は、回転機1を取付部100(
図3参照)に取り付けた状態において、フレーム15により支持をする固定子鉄心10の、周方向における上端付近から、固定子鉄心10の上下方向における中央付近までの範囲に亘って配置されるように形成されている。即ち、第1分割部21は、回転機1を取付部100に取り付けた状態におけるフレーム15の上端を、固定子鉄心10の周方向における0°とした場合に、約0°から約90°の範囲に亘って配置されるように形成されている。第1分割部21は、フレーム15に対して第1分割部21が構成する範囲における、外郭部40と、端面部41と、固定子当接部45とを有している。
【0036】
第1取付部材31は、このように形成される第1分割部21における、外郭部40よりも径方向における外側の位置で、端面部41と固定子当接部45とに亘って配置されている。端面部41と固定子当接部45とに亘って配置される第1取付部材31は、回転機1を取付部100に取り付けた向きにおいて、固定子鉄心10に軸方向に対して直交する水平方向における、フレーム15の外側方向に向かって第1分割部21から突出して形成されている。このように形成される第1取付部材31は、回転機1を取付部100に取り付けた向きにおいて、板の厚み方向が上下方向となる板状の形状で形成されており、下側の面が、回転機1を取付部100に対して取り付ける際における取付部100の取付面31aになっている。
【0037】
第1取付部材31には、回転機1を取付部100に対して取り付ける際に用いる締結部材であるボルトを通すための孔であるボルト孔32が形成されている。ボルト孔32は、第1取付部材31の厚み方向に第1取付部材31を貫通する孔になっており、本実施形態では、ボルト孔32は、固定子鉄心10に軸方向に沿った方向に3つが並んで形成されている。
【0038】
このように形成される第1取付部材31は、フレーム15により支持をする固定子鉄心10の周方向における、第1分割部21の端部から離れた位置に形成されている。即ち、第1分割部21が有する固定子当接部45の周方向における端部と、第1分割部21に設けられる第1取付部材31とは、互いに離隔している。
【0039】
また、第2取付部材34が配置される第2分割部22は、回転機1を取付部100(
図3参照)に取り付けた状態において、フレーム15により支持をする固定子鉄心10の、周方向における上端と下端との中央付近から、周方向における下端付近までの範囲に亘って配置されるように形成されている。即ち、第2分割部22は、回転機1を取付部100に取り付けた状態におけるフレーム15の上端を、固定子鉄心10の周方向における0°とした場合に、約90°から約180°の範囲に亘って配置されるように形成されている。第2分割部22は、フレーム15に対して第2分割部22が構成する範囲における、外郭部40と、端面部41と、固定子当接部45とを有している。
【0040】
第2取付部材34は、このように形成される第2分割部22における、外郭部40よりも径方向における外側の位置で、端面部41と固定子当接部45とに亘って配置されている。端面部41と固定子当接部45とに亘って配置される第2取付部材34は、回転機1を取付部100に取り付けた状態において、固定子鉄心10に軸方向に対して直交する水平方向における、フレーム15の外側方向に向かう面を有して形成されている。このように形成される第2取付部材34は、水平方向に向かう面が、回転機1を取付部100に対して取り付ける際における取付部100への取付面34aになっている。第2取付部材34は、固定子鉄心10に軸方向において離隔する2箇所、即ち、端面部41側と固定子当接部45側との2箇所に、このような取付部100への取付面34aを有して、第2分割部22に形成されている。第2取付部材34の取付面34aは、第1取付部材31の取付面31aとは独立して取付部100に対して取り付けられる取付面になっている。
【0041】
第2取付部材34には、回転機1を取付部100に対して取り付ける際に用いる締結部材であるボルトを螺合させるねじ孔35が形成されている。ねじ孔35は、第2取付部材34において固定子鉄心10に軸方向に離隔する2箇所の取付面34aのそれぞれに1つずつ形成されており、ねじ孔35は、第2取付部材34における取付面34aに対して法線方向となる向きで形成されている。つまり、ねじ孔35は、回転機1を取付部100に取り付ける状態において、深さ方向が水平方向となる向きで形成されている。
【0042】
このように形成される第2取付部材34は、フレーム15により支持をする固定子鉄心10の周方向における、第2分割部22の端部から離れた位置に形成されている。即ち、第2分割部22が有する固定子当接部45の周方向における端部と、第2分割部22に設けられる第2取付部材34とは、互いに離隔している。
【0043】
フレーム15は、連結分割部25を構成する第3分割部26(
図2参照)と第4分割部27(
図2参照)も、同様に形成されている。つまり、第3分割部26は、回転機1を取付部100(
図3参照)に取り付けた状態において、フレーム15により支持をする固定子鉄心10の、周方向における下端付近から、固定子鉄心10の上下方向における第2分割部22が位置する側の反対側の中央付近までの範囲に亘って配置されるように形成されている。即ち、第3分割部26は、回転機1を取付部100に取り付けた状態におけるフレーム15の上端を、固定子鉄心10の周方向における0°とした場合に、約180°から約270°の範囲に亘って配置されるように形成されている。第3分割部26は、フレーム15に対して第3分割部26が構成する範囲における、外郭部40と、端面部41と、固定子当接部45とを有している。
【0044】
また、第4分割部27は、回転機1を取付部100に取り付けた状態において、フレーム15により支持をする固定子鉄心10の、周方向における上端と下端との間における第1分割部21が位置する側の反対側の中央付近から、周方向における上端付近までの範囲に亘って配置されるように形成されている。即ち、第4分割部27は、回転機1を取付部100に取り付けた状態におけるフレーム15の上端を、固定子鉄心10の周方向における0°とした場合に、約270°から約360°の範囲に亘って配置されるように形成されている。第4分割部27は、フレーム15に対して第4分割部27が構成する範囲における、外郭部40と、端面部41と、固定子当接部45とを有している。
【0045】
また、回転機1における落下防止部材であるセーフティノーズ37は、第4分割部27に配置されている。第4分割部27に配置されるセーフティノーズ37は、第4分割部27における外郭部40から、径方向における外側に向かって突出して形成されている。セーフティノーズ37は、フレーム15により支持をする固定子鉄心10の周方向における、第4分割部27の端部から離れた位置に形成されている。即ち、フレーム15により支持をする固定子鉄心10の周方向における第4分割部27の端部と、第4分割部27に設けられるセーフティノーズ37とは、互いに離隔している。
【0046】
これらのように形成される第1分割部21と、第2分割部22と、第3分割部26と、第4分割部27とは、それぞれ鋳造により形成されている。つまり、第1分割部21は、第1取付部材31を含んで一体に形成された鋳物になっており、第2分割部22は、第2取付部材34を含んで一体に形成された鋳物になっており、第4分割部27は、セーフティノーズ37を含んで一体に形成された鋳物になっている。
【0047】
次に、本実施形態に係るフレーム15の組み立てについて説明する。本実施形態では、固定子鉄心10を支持するフレーム15は、組み立て時には固定子鉄心10を含めずに、まずフレーム15単体で組み立てる。フレーム15の組み立ては、それぞれ鋳造により製造した第1分割部21と、第2分割部22と、第3分割部26と、第4分割部27とを結合する。これらの結合は、溶接により行う。これらの分割部20は、周方向における各分割部20の端部を、他の分割部20に対して溶接により結合する。
【0048】
例えば、第1分割部21は、
図2に示すように、周方向において第1取付部材31から離れた位置で、周方向における一端側が第2分割部22に結合され、他端側が連結分割部25の第4分割部27に結合される。また、第2分割部22は、周方向において第2取付部材34から離れた位置で、周方向における一端側が第1分割部21に結合され、他端側が連結分割部25の第3分割部26に結合される。また、連結分割部25が有する第3分割部26は、周方向における一端側が第4分割部27に結合され、他端側が第2分割部22に結合される。また、連結分割部25が有する第4分割部27は、周方向においてセーフティノーズ37から離れた位置で、周方向における一端側が第1分割部21に結合され、他端側が第3分割部26に結合される。
【0049】
具体的には、第1分割部21と第2分割部22とは、第1分割部21が有する固定子当接部45の周方向における第2分割部22側の端部と、第2分割部22が有する固定子当接部45の周方向における第1分割部21側の端部とを突き合わせ、この部分を結合部28として溶接する。このように溶接によって結合した結合部28により、第1分割部21と第2分割部22とを結合する。
【0050】
また、第2分割部22と第3分割部26とは、第2分割部22が有する固定子当接部45の周方向における第3分割部26側の端部と、第3分割部26が有する固定子当接部45の周方向における第2分割部22側の端部とを突き合わせ、この部分を結合部28として溶接する。また、第2分割部22と第3分割部26とは、第2分割部22が有する端面部41の周方向における第3分割部26側の端部と、第3分割部26が有する端面部41の周方向における第2分割部22側の端部とを突き合わせ、この部分を結合部28として溶接する。これらのように溶接によって結合した結合部28により、第2分割部22と第3分割部26とを結合する。
【0051】
また、第3分割部26と第4分割部27とは、第3分割部26が有する固定子当接部45の周方向における第4分割部27側の端部と、第4分割部27が有する固定子当接部45の周方向における第3分割部26側の端部とを突き合わせ、この部分を結合部28として溶接する。このように溶接によって結合した結合部28により、第3分割部26と第4分割部27とを結合する。
【0052】
また、第4分割部27と第1分割部21とは、第4分割部27が有する固定子当接部45の周方向における第1分割部21側の端部と、第1分割部21が有する固定子当接部45の周方向における第4分割部27側の端部とを突き合わせ、この部分を結合部28として溶接する。また、第4分割部27と第1分割部21とは、第4分割部27が有する端面部41の周方向における第1分割部21側の端部と、第1分割部21が有する端面部41の周方向における第4分割部27側の端部とを突き合わせ、この部分を結合部28として溶接する。これらのように溶接によって結合した結合部28により、第4分割部27と第1分割部21とを結合する。
【0053】
第1分割部21と、第2分割部22と、第3分割部26と、第4分割部27とは、これらのように、第1分割部21と第2分割部22を結合し、第2分割部22と第3分割部26を結合し、第3分割部26と第4分割部27を結合し、第4分割部27と第1分割部21を結合することにより、略円環状のフレーム15として構成する。即ち、第1分割部21と、第2分割部22と、連結分割部25とは、周方向において結合されることにより、周方向における1周に亘って連続して形成され、固定子鉄心10を1周に亘って支持することが可能なフレーム15として構成される。
【0054】
なお、この場合における、固定子鉄心10を1周に亘って支持する、とは、フレーム15が固定子鉄心10に対して1周に亘って接触することを意味するものではなく、フレーム15に対する固定子鉄心10の径方向の相対移動を、固定子鉄心10の1周に亘るいずれの方向においても規制することができるようにフレーム15によって固定子鉄心10を支持することを示している。
【0055】
各分割部20を結合することにより、一体のフレーム15にしたら、フレーム15全体を焼鈍する。これにより、切削性を高めたり、残留応力の除去を行って割れの抑制を図ったりする。フレーム15に対して焼鈍を行ったら、次に、フレーム15における、固定子鉄心10を支持する部分の加工を行う。つまり、第1分割部21と、第2分割部22と、第3分割部26と、第4分割部27とは、いずれも鋳造により形成されているため、寸法精度が低くなっている。このため、フレーム15における固定子鉄心10を支持する部分の加工を行うことにより、固定子鉄心10を適切に支持することができるようにする。
【0056】
具体的には、フレーム15の外郭部40における、固定子鉄心10の外周面11に接触する部分である支持部40aに対してターニング加工をする。即ち、フレーム15における、固定子鉄心10の外周面11を覆う部分である外郭部40は、フレーム15で固定子鉄心10を支持する際には、固定子鉄心10の周方向における数か所に位置する支持部40aで、固定子鉄心10の外周面11に対して実質的に接触する。このため、フレーム15の外郭部40に対しては、固定子鉄心10の外周面11に接触する支持部40aを、ターニング加工をする。
【0057】
また、フレーム15の固定子当接部45に対しても、ターニング加工を行う。即ち、各分割部20を結合することにより、固定子当接部45は、それぞれの分割部20に形成されていた固定子当接部45が結合され、固定子当接部45は、中央に孔が形成された1枚の板状の形状になる。このように形成される固定子当接部45における、固定子鉄心10が当接する側の面、即ち、端面部41に対向する側の面に対してターニング加工を施すことにより、表面の凹凸を極力除去し、平坦な面にする。
【0058】
また、フレーム15の端面部41に対しても、ターニング加工を行う。フレーム15によって固定子鉄心10を支持する際には、端面部41には、径方向における内側の端部、即ち、円弧状に形成される部分に、押さえ部材60が結合される。このため、端面部41は、径方向における内側の端部に対してターニング加工を施すことにより、押さえ部材60と結合される部分の精度を確保する。
【0059】
図5は、フレーム15に固定子鉄心10を挿入した状態を示す説明図である。フレーム15に対して加工を施したら、フレーム15に固定子鉄心10を挿入する。固定子鉄心10は、フレーム15に対して、端面部41が位置する側からフレーム15の内側に挿入する。つまり、フレーム15の端面部41は、径方向における内側部分が、固定子鉄心10の外径よりも大きい径となる円の一部の形状で形成されているため、固定子鉄心10は、端面部41の径方向における内側を通すことができる。固定子鉄心10は、このように端面部41の径方向における内側を通すことにより、フレーム15の内側に挿入する。
【0060】
フレーム15の内側に挿入した固定子鉄心10は、軸方向における端部を、固定子当接部45に当接させる。即ち、固定子当接部45に形成される孔は、直径が固定子鉄心10の内径よりも大きく、固定子鉄心10の外径よりも小さいため、固定子鉄心10は、固定子当接部45に形成される孔を通り抜けることなく、軸方向における端部が固定子当接部45に当接する。
【0061】
ここで、固定子鉄心10の軸方向における端面部41と固定子当接部45との距離は、固定子鉄心10の軸方向における長さと同程度の距離になっている。このため、固定子鉄心10が固定子当接部45に当接した状態では、固定子鉄心10の軸方向における、固定子当接部45に当接する側の反対側の端部が、軸方向において、端面部41における固定子当接部45に対向する側の面の近傍の位置に位置する。
【0062】
フレーム15の内側に挿入された固定子鉄心10は、固定子当接部45に当接することにより、軸方向において固定子当接部45が位置する方向への固定子鉄心10の移動が、固定子当接部45により規制される。
【0063】
また、フレーム15の内側に固定子鉄心10が挿入された状態では、固定子鉄心10の外周面11が、フレーム15の外郭部40が有する支持部40aにより、周方向における複数の箇所で支持される。即ち、フレーム15の内側に固定子鉄心10が挿入したら、外郭部40が有する支持部40aを、固定子鉄心10の外周面11に対して溶接する。これにより、外郭部40が有する支持部40aは、溶接部分を介して固定子鉄心10の外周面11に接触し、固定子鉄心10の外周面11を支持する。外郭部40が有する支持部40aが外周面11に溶接された固定子鉄心10は、フレーム15に対する径方向への相対移動が、フレーム15の外郭部40における固定子鉄心10を支持する部分である支持部40aにより規制される。
【0064】
フレーム15の内側に固定子鉄心10を挿入したら、フレーム15を構成する第1分割部21と、第2分割部22と、第3分割部26と、第4分割部27とにそれぞれ形成される複数の端面部41に対して押さえ部材60を溶接する(
図1参照)。これにより、端面部41に押さえ部材60を結合する。
【0065】
押さえ部材60を端面部41に結合する際には、押さえ部材60を固定子鉄心10に押し付ける方向に加圧した状態で、押さえ部材60の外周部分を端面部41に対して溶接する。即ち、押さえ部材60を端面部41に取り付ける際には、押さえ部材60を固定子鉄心10に押し付け、固定子鉄心10を固定子当接部45に対して押し付けた状態で、押さえ部材60の外周部分を端面部41に対して溶接する。
【0066】
これにより、固定子鉄心10を、固定子鉄心10の軸方向における両側から圧力を付与して挟み込んだ状態で、固定子鉄心10の軸方向における両側から固定子当接部45と押さえ部材60とにより支持する。フレーム15は、このように固定子鉄心10の軸方向における一方の端部を固定子当接部45で支持した状態で、押さえ部材60を固定子鉄心10に押し付けることにより、フレーム15に対する軸方向への相対移動が、固定子当接部45と押さえ部材60とにより規制される。
【0067】
フレーム15に固定子鉄心10を挿入し、固定子鉄心10をフレーム15で支持したら、回転機1を構成する他の部材を組み付けて、回転機1の組み立てを行う。組み立てた回転機1は、鉄道車両の台車が有する取付部100に取付部材30を取り付けることにより、回転機1を取付部100に取り付ける。取付部材30のうち、第1取付部材31は、取付部100の上面に接触させ、ボルトを用いて取付部100に対して第1取付部材31を結合させる。取付部材30のうち、第2取付部材34は、取付部100の側面に接触させ、ボルトを用いて取付部100に対して第2取付部材34を結合させる。これらにより、取付部材30を取付部100に取り付け、回転機1を鉄道車両の台車に設置する。
【0068】
その際に、第1分割部21は、第1取付部材31から周方向に離れた位置で、第2分割部22や第4分割部27に結合されている。回転機1が取付部100に取り付けられて回転機1が駆動する場合、第1分割部21では、第1取付部材31の部分に大きな応力が発生するが、第1分割部21が第2分割部22や第4分割部27に結合される結合部28は、第1取付部材31から周方向に離れている。このため、第1分割部21と第2分割部22との結合部28、及び第1分割部21と第4分割部27との結合部28には、第1取付部材31を取付部100に取り付けることに伴う大きな応力は発生し難くなっている。これにより、第1分割部21は、第2分割部22と第4分割部27とに対して、結合部28で強固に結合される。
【0069】
同様に、第2分割部22は、第2取付部材34から周方向に離れた位置で、第1分割部21や第3分割部26に結合されている。回転機1が取付部100に取り付けられて回転機1が駆動する場合、第2分割部22では、第2取付部材34の部分に大きな応力が発生するが、第2分割部22が第1分割部21や第3分割部26に結合される結合部28は、第2取付部材34から周方向に離れている。このため、第2分割部22と第1分割部21との結合部28、及び第2分割部22と第3分割部26との結合部28には、第2取付部材34を取付部100に取り付けることに伴う大きな応力は発生し難くなっている。これにより、第2分割部22は、第1分割部21と第3分割部26とに対して、結合部28で強固に結合される。
【0070】
回転機1は、これらのようにフレーム15が有する取付部材30を取付部100に取り付けることにより、取付部100に対して取り付けられるが、本実施形態では、回転機1が取り付けられる可能性がある取付部100の形態に応じて、第1分割部21の鋳造に用いる型と、第2分割部22の鋳造に用いる型とを、複数準備しておく。
【0071】
図6は、第1分割部21に設けられる第1取付部材31の異なる形態を示す平面図である。
図7は、第2分割部22に設けられる第2取付部材34の異なる形態を示す正面図である。取付部100の形態が異なる場合、回転機1を取付部100に取り付ける取付部材30の形態を、取付部100に合わせる必要がある。例えば、固定子鉄心10の軸方向における、取付部100に形成されるボルト用の孔やねじ孔の位置が、
図2等で示す取付部材30が取り付けられる取付部100に形成されるボルト用の孔やねじ孔の位置とは異なる場合は、取付部材30の形状を取付部100に合わせる必要がある。
【0072】
この場合、第1分割部21に設けられる第1取付部材31は、例えば、一例として
図6に示すように、固定子鉄心10の軸方向における第1取付部材31の幅を、端面部41と固定子当接部45との間隔よりも大きくする。同様に、第2分割部22に設けられる第2取付部材34は、例えば、一例として
図7に示すように、固定子鉄心10の軸方向における第2取付部材34の幅を、端面部41と固定子当接部45との間隔よりも大きくする。
【0073】
第1分割部21の鋳造に用いる型と、第2分割部22の鋳造に用いる型とは、
図2等で示す取付部材30を形成することができるものと、
図6、
図7で示す取付部材30を形成することができるものとを用意しておく。これらにように、本実施形態では、取付部材30を有する第1分割部21と第2分割部22の鋳造に用いる型を、回転機1が取り付けられる可能性がある取付部100に合わせて複数用意しておき、回転機1を取り付ける取付部100の仕様に応じた型を用いて第1分割部21と第2分割部22を鋳造することにより、フレーム15の製造を行う。
【0074】
また、回転機1の落下を防止するためのセーフティノーズ37の形状が、セーフティノーズ37が当接する部材の形態に応じて複数の形状が想定される場合には、第4分割部27の鋳造に用いる型も、形状が異なるセーフティノーズ37ごとに複数準備しておく。セーフティノーズ37の形状が複数の想定される場合は、第4分割部27の鋳造に用いる型についても、形状が異なるセーフティノーズ37に合わせて複数用意しておき、セーフティノーズ37が当接する部材の形態に応じた型を用いて第4分割部27を鋳造することにおり、フレーム15の製造を行う。
【0075】
以上の実施形態に係る回転機1では、フレーム15は、固定子鉄心10の周方向に少なくとも分割されることにより複数の分割部20を有し、回転機1を取り付ける取付部100に対してそれぞれ独立して取り付けられる第1取付部材31と第2取付部材34とは、互いに異なる分割部20に配置される。また、これらの複数の分割部20は、個別に鋳造して周方向に結合することにより、周方向における1周に亘って連続して形成される形状にし、固定子鉄心10を1周に亘って支持することを可能にしている。これにより、鋳造を行う1つ1つの部材の大きさを小さくすることができ、鋳造を行い易くすることができるため、鋳造によって部材を製造する際における製造性を高めることができる。また、フレーム15の製造を行う際には、固定子鉄心10を用いずに、フレーム15単体で組み立てを行うため、固定子鉄心10の周囲に配置する部材を、固定子鉄心10に対して1つ1つ位置合わせを行うことなく、フレーム15の製造を行うことができる。
【0076】
また、フレーム15の製造時には、回転機1を取り付ける取付部100の仕様に合わせた第1取付部材31や第2取付部材34を形成することのできる型を用いて、分割部20の鋳造を行うため、回転機1を取り付ける取付部100の仕様に応じた第1取付部材31、第2取付部材34有するフレーム15を形成することができる。これにより、回転機1を取り付ける可能性のある取付部100の仕様が複数存在する場合でも、取付部100に合わせた型を用いて複数の分割部20を鋳造し、鋳造した複数の分割部20を結合することにより、仕様が異なる取付部100に対して容易に対応させることができる。この結果、本実施形態に係る回転機1は、フレームの20の製造性を向上させることができる。
【0077】
また、第1取付部材31や第2取付部材34、即ち、取付部材30は、分割部20に対して鋳造により一体に形成するため、取付部材30の強度を容易に確保することができる。これにより、取付部材30に対して補強部材を設けることなく取付部材30の強度を確保することができ、取付部材30に形成するボルト孔32やねじ孔35を、取付部100に応じた位置に形成することができる。
【0078】
つまり、取付部材30が、フレーム15に板材等を溶接することにより設けられる場合、取付部材30の強度を確保するために、板材等からなる補強部材によって補強を行うことが必要になることがある。この場合、回転機1を取り付ける取付部100に対して、取付部材30を取り付ける際に用いるボルトの孔の位置に制約が出るため、様々な取付部100に対応させて、取付部材30を取付部100に取り付け可能にするのが困難になる虞がある。
【0079】
これに対し、本実施形態では、取付部材30は、分割部20に対して鋳造により一体に形成されるため、補強部材を設けることなく取付部材30の強度を確保することができる。これにより、取付部材30に形成するボルト孔32やねじ孔35の位置を、補強部材に阻害されることなく、取付部100に応じた位置に形成することができる。従って、取付部材30に形成するボルト孔32やねじ孔35の位置を、取付部100に対応する位置に容易に設けることができる。この結果、より製造性を向上させることができる。
【0080】
また、フレーム15の製造を行う際に、フレーム15単体で組み立てを行うため、フレーム15単体で焼鈍を行うことができる。つまり、フレーム15を構成する複数の部材を、固定子鉄心10の周囲に配置しながら溶接を行うことによりフレーム15を製造する場合、フレーム15が組み立てられた際には、既にフレーム15で固定子鉄心10を支持する状態になる。固定子鉄心10は、電磁鋼板が用いられることにより、フレーム15を構成する材料と同様の焼鈍を行うことができないため、フレーム15を組み立てた後、固定子鉄心10を支持するフレーム15に対して、残留応力の除去等を目的とする焼鈍を行うのが困難になる。
【0081】
これに対し、本実施形態では、フレーム15で固定子鉄心10を支持する前に、フレーム15単体で組み立てを行うため、フレーム15に対して焼鈍を行う際には、フレーム15単体に対して容易に行うことができる。この結果、より製造性を向上させることができる。
【0082】
また、各分割部20は、軸方向における固定子鉄心10の端部に当接する固定子当接部45を有しており、また、各分割部20の端面部41には、固定子鉄心10における固定子当接部45に当接する側の反対側から固定子鉄心10に当接する押さえ部材60が結合される。これにより、固定子鉄心10を固定子当接部45に対して当接する方向に加圧しながら、押さえ部材60を、端面部41に対して溶接するのみで、フレーム15に対する固定子鉄心10の軸方向への相対移動を適切に規制することができる。この結果、固定子鉄心10を適切に支持すフレーム15の製造性を向上させることができる。
【0083】
また、フレーム15は、周方向において少なくとも3分割され、第1取付部材31が配置される第1分割部21と、第2取付部材34が配置される第2分割部22と、セーフティノーズ37が配置される連結分割部25とを有している。これにより、セーフティノーズ37が接触する部材の形態に応じて、形状が異なるセーフティノーズ37が複数想定される場合でも、適切なセーフティノーズ37を形成することのできる型を用いて連結分割部25を鋳造し、鋳造した複数の分割部20を結合することにより、セーフティノーズ37が接触する部材の形態に容易に対応させることができる。この結果、フレームの20の製造性をより向上させることができる。
【0084】
また、連結分割部25は、固定子鉄心10の外周面11の周方向における互いに異なる位置を支持する第3分割部26と第4分割部27とを有するため、フレーム15を構成する部材を鋳造によって製造する際に、鋳造を行う1つ1つの部材の大きさを、より小さくすることができる。これにより、鋳造を行い易くすることができるため、鋳造によって部材を製造する際における製造性をより高めることができる。この結果、より製造性を向上させることができる。
【0085】
[変形例]
なお、上述した実施形態では、フレーム15において個別に鋳造した分割部20同士は、溶接により結合しているが、分割部20同士の結合は、溶接以外により行ってもよい。
図8は、実施形態に係るフレーム15の変形例を示す説明図であり、分割部20同士がボルトにより結合されるフレーム15の斜視図である。
図9は、
図8のA部詳細図である。フレーム15が有する分割部20同士の結合部28での結合は、ボルト75とナット76を用いて行ってもよい。例えば、
図8に示すように、フレーム15を構成する第1分割部21と第4分割部27との結合、及び第2分割部22と第3分割部26との結合を、ボルト75とナット76を用いて行ってもよい。
【0086】
ボルト75とナット76とを用いて分割部20同士の結合を行う際には、例えば、第1分割部21の周方向における端部と第4分割部27の周方向における端部とが突き合わされる部分と、第2分割部22の周方向における端部と第3分割部26の周方向における端部とが突き合わされる部分とのそれぞれに、結合部材70を配置する。結合部材70は、ボルト75が通る孔が形成される板状、或いはブロック状の部材により形成される。結合部材70は、それぞれの分割部20における、端面部41と固定子当接部45とに配置する。
【0087】
つまり、第1分割部21には、端面部41と固定子当接部45とのそれぞれの第4分割部27側の端部に結合部材70が配置され、第4分割部27には、端面部41と固定子当接部45とのそれぞれの第1分割部21側の端部における、第1分割部21の結合部材70に対向する位置に、結合部材70が配置される。また、第2分割部22には、端面部41と固定子当接部45とのそれぞれの第3分割部26側の端部に結合部材70が配置され、第3分割部26には、端面部41と固定子当接部45とのそれぞれの第2分割部22側の端部における、第2分割部22の結合部材70に対向する位置に、結合部材70が配置される。
【0088】
これらの結合部材70のそれぞれには、結合部材70を有する分割部20の端部が突き合わされた状態で、双方の分割部20に形成される結合部材70をボルト75が貫通することができるボルト孔(図示省略)が、双方の結合部材70に形成されている。
【0089】
分割部20を結合する際には、結合部材70を有する分割部20の端部を突き合わせた状態で、一方の分割部20側の結合部材70から、結合部材70に形成されるボルト孔にボルト75を通し、他方の結合部材70のボルト孔から露出したボルト75にナット76を螺合させてナット76を締め付ける。これにより、端部同士が突き合わされた分割部20に対して、双方が近付く方向に力をボルト75とナット76とにより付与し、分割部20同士を結合部28で結合する。
【0090】
具体的には、第1分割部21と第4分割部27との結合は、第1分割部21の端面部41に配置される結合部材70と第4分割部27の端面部41に配置される結合部材70とをボルト75とナット76とにより結合し、第1分割部21の固定子当接部45に配置される結合部材70と第4分割部27の固定子当接部45に配置される結合部材70とをボルト75とナット76とにより結合することにより行う。また、第2分割部22と第3分割部26との結合は、第2分割部22の端面部41に配置される結合部材70と第3分割部26の端面部41に配置される結合部材70とをボルト75とナット76とにより結合し、第2分割部22の固定子当接部45に配置される結合部材70と第3分割部26の固定子当接部45に配置される結合部材70とをボルト75とナット76とにより結合することにより行う。
【0091】
フレーム15において個別に鋳造した分割部20同士の結合部28での結合は、これらのように、ボルト75とナット76とを用いて行ってもよく、溶接により行ってもよく、分割部20同士を結合する際の手法は問わない。
【0092】
また、上述した実施形態では、連結分割部25は、第3分割部26と第4分割部27とを有しているが、連結分割部25は、第3分割部26と第4分割部27とを有していなくてもよい。連結分割部25は、例えば、複数に分割されておらず、一体で形成されていてもよい。フレーム15は、少なくとも、第1取付部材31を有する第1分割部21と、第2取付部材34を有する第2分割部22と、第1分割部21と第2分割部22とが結合される側の端部の反対側の端部側で第1分割部21と第2分割部22との間に配置される連結分割部25とを有していれば、連結分割部25の構成は問わない。
【0093】
また、上述した実施形態では、フレーム15は、回転機1の落下防止部材であるセーフティノーズ37を有しているが、フレーム15は、セーフティノーズ37を有していなくてもよい。この場合、第1取付部材31や第2取付部材34が配置されない分割部20は、個別の分割部20として分割してもよく、個別の分割部20として分割しなくてもよい。フレーム15は、周方向において少なくとも2分割されることにより複数の分割部20を有し、第1取付部材31と第2取付部材34とが異なる分割部20に配置されていていればよい。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 回転機
10 固定子鉄心
11 外周面
15 フレーム
20 分割部
21 第1分割部
22 第2分割部
25 連結分割部
26 第3分割部
27 第4分割部
28 結合部
30 取付部材
31 第1取付部材
31a、34a 取付面
32 ボルト孔
34 第2取付部材
35 ねじ孔
37 セーフティノーズ
40 外郭部
40a 支持部
40b 外郭離隔部
41 端面部
45 固定子当接部
60 押さえ部材
70 結合部材
75 ボルト
76 ナット
100 取付部
110 車軸