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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043648
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】工事用安全柵
(51)【国際特許分類】
   E01F 13/00 20060101AFI20230322BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
E01F13/00 301
G09F7/18 M
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151372
(22)【出願日】2021-09-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】509170213
【氏名又は名称】トリノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武陵 篤志
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA11
2D101EA09
2D101FA23
2D101FA33
2D101FB12
2D101GA25
(57)【要約】
【課題】 低重心で転倒し難い安定した構造体を有し、注意書き、広告等の情報伝達表示内容を容易に切替可能な工事用安全柵を提供する。
【解決手段】 工事用安全柵1は、逆V字状に形成する脚13、23と、脚33、43に対し、上段では両脚13、23と両脚33、43を各連結する平板状の上段補強部材14、34、下段では両脚13、23と両脚33、43を各連結する方形中空角材の下段補強部材15、35を用いている。上段は軽量化、相対的に大荷重を受ける下段は高剛性化を図っている。上段補強部材14、34を繋ぐ方形中空角材の上繋ぎ部材18と、下段補強部材15、35を繋ぐ方形中空角材の下繋ぎ部材28との間は、上パネルレール17と下パネルレール27で形成されるパネル挿入用溝51、61に嵌まる差し替え可能、表示可能な樹脂製パネル11が用いられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に設置することにより人の立ち入りを抑制する工事用安全柵であって、
逆V字状に形成する第1脚(13)及び第2脚(23)と、
前記第1脚と前記第2脚を連結する第1上段補強部材(14)と、
前記第1脚と前記第2脚を連結し、前記第1上段補強部材に平行に設けられる第1下段補強部材(15)と、
逆V字状に形成する第3脚(33)及び第4脚(43)と、
前記第3脚と前記第4脚を連結する第2上段補強部材(34)と、
前記第3脚と前記第4脚を連結し、前記第2上段補強部材に平行に設けられる第2下段補強部材(35)と、
一端を前記第1上段補強部材に接合し、他端を前記第2上段補強部材に接合する上繋ぎ部材(18)と、
一端を前記第1下段補強部材に接合し、他端を前記第2下段補強部材に接合する下繋ぎ部材(28)と、
前記上繋ぎ部材に接合し、前記上繋ぎ部材の外壁との間にパネル挿入用溝(51)を形成する上パネルレール(17)と、
前記下繋ぎ部材に接合し、前記下繋ぎ部材の外壁との間にパネル挿入用溝(61)を形成する下パネルレール(27)と、
前記上パネルレール及び前記下パネルレールに沿って差し替え可能なパネル(11)と、を備える工事用安全柵。
【請求項2】
前記第1上段補強部材と前記第2上段補強部材は、平板である請求項1記載の工事用安全柵。
【請求項3】
前記第1下段補強部材と第2下段補強部材は、断面方形状の中空角材である請求項1又は2記載の工事用安全柵。
【請求項4】
前記下繋ぎ部材は、断面方形状の中空角材である請求項1から3のいずれか一項記載の工事用安全柵。
【請求項5】
前記上繋ぎ部材の天面位置との全高位置との高さ距離(b)は、前記下繋ぎ部材の天面位置の地上高距離(a)の2倍以上の長さである請求項1から4のいずれか一項記載の工事用安全柵。
【請求項6】
前記第1脚と前記第2脚とを連結するキャップ部材(16)並びに前記第3脚と前記第4脚とを連結するキャップ部材(16)を備えた請求項1記載の工事用安全柵。
【請求項7】
前記第1脚、前記第2脚、前記第3脚、前記第4脚、前記第1上段補強部材、前記第2上段補強部材、前記第1下段補強部材、前記第2下段補強部材、前記上パネルレール、前記下パネルレール、前記上繋ぎ部材、前記下繋ぎ部材は、鉄製である請求項1記載の工事用安全柵。
【請求項8】
前記パネルは樹脂製である請求項1記載の工事用安全柵。
【請求項9】
前記上繋ぎ部材、前記下繋ぎ部材、前記上パネルレール及び前記下パネルレールの長手方向の長さを変更可能な長さ調節可能な請求項1記載の工事用安全柵。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事用安全柵に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工事現場では、看板や安全柵を設置する。通行人は、看板、安全柵、または注意書きを確認し、通行の安全を確保する。
従来から工事現場で用いられる安全柵は、カラーコーン(登録商標)、バー、またはプラスチック製のバリケード等であり、区画の整理や通行を防止するために用いられている。
【0003】
工事用バリケードとして、例えば、特許文献1に記載されたものは、バリケードに上下に上部連結溝、下部連結溝を備えた上部横杆を用いることにより安全標識灯、チューブライト、表示板等の取付けを容易にしている。
【0004】
工事用安全柵として、例えば、特許文献2に記載されたものは、左右に配置した脚の間に手摺レールを渡し、手摺レールの下方に表示板を前後に揺動自在に吊り下げたものである。
【0005】
工事用安全柵として、例えば、特許文献3に記載されたものは、外形が正面視ほぼ逆V字状又は正面視ほぼ逆U字状に構成された支持脚の一対と、これら一対の支持脚を所定間隔に隔てて配置した状態で、支持脚の少なくとも上端に備えさせたクランプ部にて挟持されるパイプ部を支持脚配置方向両端に備えた短形状のパネル体とからなる。
しかし、パネルにより差し替え可能な安全柵は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平05-016817号公報
【特許文献2】実登3100041号公報
【特許文献3】特開2004-211452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1から3のいずれも工事現場の区切りを示すもので、工事現場への人の立ち入りを抑制し、安全を促す防壁である。
このほか、一般に周知な工事用安全柵としては、黄色と黒色の動物のトラの体の模様を似せて接近禁止を促す効果を狙ったいわゆるトラ柵と呼称される工事用安全柵もよく知られている。
近年、人々の侵入を阻止する防壁や障害物としては、周囲の者に警告をする機能を持つ表示であればよく、そのような伝達方法としては、多様な表示方法が考えられる。
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、低重心で転倒し難い安定した構造体を有し、注意書き、広告等の情報伝達表示内容を容易に切替可能な工事用安全柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の工事用安全柵は、路面に設置することにより人の立ち入りを抑制する工事用安全柵であって、逆V字状に形成する第1脚(13)及び第2脚(23)と、前記第1脚と前記第2脚を連結する第1上段補強部材(14)と、前記第1脚と前記第2脚を連結し、前記第1上段補強部材に平行に設けられる第1下段補強部材(15)と、逆V字状に形成する第3脚(33)及び第4脚(43)と、前記第3脚と前記第4脚を連結する第2上段補強部材(34)と、前記第3脚と前記第4脚を連結し、前記第2上段補強部材に平行に設けられる第2下段補強部材(35)と、一端を前記第1上段補強部材に接合し、他端を前記第2上段補強部材に接合する上繋ぎ部材(18)と、一端を前記第1下段補強部材に接合し、他端を前記第2下段補強部材に接合する下繋ぎ部材(28)と、前記上繋ぎ部材に接合し、前記上繋ぎ部材の外壁との間にパネル挿入用溝(51)を形成する上パネルレール(17)と、前記下繋ぎ部材に接合し、前記下繋ぎ部材の外壁との間にパネル挿入用溝(61)を形成する下パネルレール(27)と、前記上パネルレール及び前記下パネルレールに沿って差し替え可能なパネル(11)と、を備える構成を採用する。
【0009】
本発明の工事用安全柵によると、通路に設置する工事用安全柵の周辺を通行する者に対し、本件の工事用安全柵を超えての現場への侵入を防止する意思表示を確実に伝達することができる。したがって、本発明の工事用安全柵の設置により、設置場所において区分された区画の整理や通行を阻止する効果が大きい。
【0010】
また、通路に設置される工事用安全柵の意味合いを通行人に対し視覚を通じて確実に伝達することができる。
【0011】
さらに本発明の工事用安全柵によると、全高が低い構成であるから、低重心で安定した構造物となっている。そのため、本発明の工事用安全柵によれば、風に煽られにくく、設置場所から移動を抑止する効果は大きい。
【0012】
さらにまた、本発明の工事用安全柵によれば、高剛性及び軽量の観点から上段と下段とで区分した適材適所の補強材を用い、全高が低く低重心の安定した構造体を実現する効果は大きい。
【0013】
さらに、本発明の工事用安全柵を構成する部材について、パネル以外の構成要素に鉄製の部材を多用しているから、比重の大きな素材の利用により上記の設置場所からの安易な移動を抑止する効果を増大している。
【0014】
組立加工時には、部品点数が少なく構成する部材に使用する材料が加工しやすい鉄を使用しているから、加工が容易で相対的に廉価に製造することができる。
【0015】
運搬時には、相対的に軽量であるから運搬しやすいという効果がある。
【0016】
本発明の工事用安全柵によると、設置場所の周辺を歩行する者に対し現場への侵入防止を確実に注意喚起することができることはもちろん、パネルに表記したメッセージを通行する者に伝達することができ、現場への侵入阻止機能と併せて宣伝広告機能を発揮することができる。
【0017】
本来の侵入を阻止する防壁や障害物としての役割と併せてパネルに表示する注意書きや広告表示により、宣伝広告機能を発揮することができる。
【0018】
またパネルを容易に差し替え交換可能な構成を有するから、表示内容を容易に差し替え可能であるから、工事用安全柵が侵入阻止機能のほかに宣伝広告媒体としての機能を併せもつことができるという効果がある。
【0019】
本発明の工事用安全柵は、工事用安全柵は、鉄製であり、全高が低く、短脚であって、低重心の構成にされている。
【0020】
通行人の視覚に入れば、侵入抑止の効果があり、強風時に転倒しにくい。また、表示部の上部と下部にレールがあり、パネルが固定され、風に表示部があおられることがない。
【0021】
本発明の工事用安全柵によれば、パネルが差し替え可能であり、注意書きや広告を表示する効果がある。通行人は、設置だけでなく、視覚により、安全柵の、注意書きまたは広告を確認し、情報を取得し、通行の安全を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第一実施形態の工事用安全柵を示す斜視図。
図2】第一実施形態の工事用安全柵を示す正面図。
図3図2に示すIII方向矢視図。
図4図2に示すIV方向矢視図。
図5図2に示すV-V線断面図。
図6図5のVI部分拡大断面図。
図7】第一実施形態の注意書きを表示時の工事用安全柵を示す正面図。
図8】第二実施形態の工事用安全柵を示す斜視図。
図9】第二実施形態の工事用安全柵を示す正面図。
図10図9に示すX方向矢視図。
図11図9に示すXI-XI線断面図。
図12】第二実施形態の広告を表示時の工事用安全柵を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態による工事用安全柵を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0024】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について図1から図7に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、工事用安全柵1は、4つの脚13、23、33、43、2つのキャップ部材16、2つの上段補強部材14、34、2つの下段補強部材15、35、2つの繋ぎ部材18、28、1つの上パネルレール17、1つの下パネルレール27、4つの繋ぎキャップ部材19、29、複数個のボルトナット(不図示)、及び1つのパネル11を備える。
【0026】
脚13、23、33、43、キャップ部材16、上段補強部材14、34、下段補強部材15、35、上繋ぎ部材18、下繋ぎ部材28、上パネルレール17、下パネルレール27及び繋ぎキャップ部材19、29の材質は、鉄である。パネル11の材質は、樹脂である。
【0027】
2つの脚13、23は、逆V字状に三角脚を形成し、脚13、23の一端が地面に接し、第1脚13の他端131が第2脚23の他端231と接続する。脚13の他端131と他方の脚23の他端231は、溶接により接合し、天面でねじ結合により平板状のキャップ部材16と固定する。
【0028】
脚は、例えば横断面形状方形の管状であって、縦50mm×横50mm、厚さが1.2mm、であり、仕上げが溶接後溶融亜鉛めっきである。
【0029】
キャップ部材16は、方形状の平板であって、中央に2個の穴を有する。キャップ部材16は、水平方向に設けられ、2つの脚13、23の各々の他端131、231に接続し、ねじ結合により2つの脚13、23を連結し固定する。
【0030】
キャップ部材16は、平板、厚さが2.5mmであり、仕上げが溶接後溶融亜鉛めっきである。
【0031】
他方の2つの脚33、43については、上述した2つの脚13、23の構成と同様である。2つの脚33、43は、逆V字状に三角脚を形成し、脚33、43の一端が地面に接し、第3脚33の他端331が第4脚43の他端431と接続する。脚33の他端331と他方の脚43の他端431は、溶接により接合し天面でねじ結合により平板状のキャップ部材16と固定する。
【0032】
上段補強部材14、34は、平板材であって中央に穴を有する。上段補強部材14、34は、脚13、23と脚33、43を補強する部材であって、天面から距離b離れた低位置に水平方向に設けられている。上段補強部材14、34は、一端が脚13、33の上部と接続し、他端が他方の脚23、43の上部と接続し、2つの脚13と23、脚33と43を連結している。上段補強部材14、34は、中央の穴において、繋ぎキャップ部材19の一端の穴とねじ結合する。上段補強部材14、34は、平板、厚さが5mmであり、仕上げが溶接後に溶融亜鉛めっき処理される。
【0033】
図1及び図3に示すように、上段補強部材14、34の位置は、全高hの安全柵の天面よりも距離bだけ低い位置に設けられている。この距離bは、後述する下段補強部材15、35の地面からの距離aよりも2倍以上大きい。そして、上段補強部材14、34に相対的に低い位置に軽量化した平板を設け、下段補強部材15、35に相対的に低い位置に高剛性で重量化した中空角材を設けている。
【0034】
下段補強部材15、35は、横断面方形状の管材(中空角材)であって中央に穴を有する。下段補強部材15、35は、脚13と脚23、脚33と脚43を補強する部材であって、地面から距離aの(距離aは距離bより2分の1以下に小さい)低位置に水平方向に設けられている。下段補強部材15、35は、一端151、351が脚13、33の下部と接続され、他端152、352が他方の脚23、43の下部と接続され、2つの脚13と23、脚33と43を低位置で連結している。下段補強部材15、35は、接続する2つの脚13、23、脚33、43に対し、左右対称に中央より充分に低い位置で接続する。下段補強部材15、35は、中央の穴において、後述する繋ぎキャップ部材29の一端の穴と連結する。
【0035】
下段補強部材15、35は、大きさ50mm×50mmの管材(中空角材)、板厚さが1.2mmであり、仕上げが溶接後溶融亜鉛めっき処理されている。
【0036】
上繋ぎ部材18は、中空角材で、大きさが50mm×50mm、厚さが1.2mm、長さが2mである。
【0037】
上繋ぎ部材18は、図6に示すように、横断面方形状の管材(中空管材)であって、外壁に横断面形状L字状の上パネルレール17の短辺の端面171が溶接されている。上繋ぎ部材18の長手方向の外壁と上パネルレール17との隙間にパネル挿入用の挿入溝51が形成されている。
【0038】
上繋ぎ部材18は、一端が縦断面形状L字状の上繋ぎキャップ部材19と溶接により接合され、他端が他方の縦断面形状L字状の上繋ぎキャップ部材19と溶接により接合されている。
【0039】
上繋ぎ部材18、上パネルレール17、2つの上繋ぎキャップ部材19の溶接後に溶融亜鉛めっき処理される。
【0040】
上繋ぎ部材18は、水平方向に設けられ、一方の端部が逆V字状の脚13、23側の平板からなる第1上段補強部材14と、他方の端部が逆V字状の脚33、43側の第2上段補強部材34と、それぞれ図示しないボルトナットでねじ結合し連結されている。
【0041】
下繋ぎ部材28は、上繋ぎ部材18と同様に、中空角材で、大きさが50mm×50mm、厚さが1.2mm、長さが約2mである。
【0042】
下繋ぎ部材28は、図6に示すように、横断面方形状の管材(中空管材)であって、外壁に横断面形状L字状の下パネルレール27の短辺の端面271が溶接されている。下繋ぎ部材28の長手方向の外壁と下パネルレール27との隙間にパネル挿入用の挿入溝61が形成されている。
【0043】
下繋ぎ部材28は、一端が縦断面形状L字状の下繋ぎキャップ部材29と溶接により接合され、他端が他方の縦断面形状L字状の下繋ぎキャップ部材29と溶接により接合されている。
【0044】
下繋ぎ部材28、下パネルレール27、2つの下繋ぎキャップ部材29の溶接後に溶融亜鉛めっき処理される。
【0045】
下繋ぎ部材28は、水平方向に設けられ、一方の端部が逆V字状の脚13、23側の中空角材からなる第1下段補強部材15と、他方の端部が逆V字状の脚33、43側の第2下段補強部材35と、それぞれ図示しないボルトナットでねじ結合し連結されている。
【0046】
パネル11は1枚である。パネル11は、上パネルレール17と下パネルレール27の端部から挿入溝51、61に出し入れ可能であり、差し替え可能である。
【0047】
パネル11は、例えば図7に示すように、注意書きや広告を表示することができる。図7に示す例示のように、「工事中は大変ご迷惑をおかけします。関係者以外は立ち入らないようにお願いします。」の表記によって、工事の安全な遂行を通行人に促すとともに協力を要請することができる。さらには、工事責任者の表示、工事に関係する情報だけでなく、広告宣伝に関する表示をも表示することができる。これにより、通行人は、設置だけでなく、視覚により、安全柵に表示される注意書き情報を取得し、通行の安全を確保することができる。
【0048】
また、宣伝広告に関する表示をすることができる。
【0049】
組付時、上繋ぎ部材18と上パネルレール17の両端の上繋ぎキャップ部材19は、平板からなる第1上段補強部材14の上面中央にボルトナットによりねじ結合する。また下繋ぎ部材28と下パネルレール27の両端の下繋ぎキャップ部材29は、中空角材からなる第1下段補強部材15の上面中央にボルトナットによりねじ結合される。
【0050】
その後に上パネルレール17と下パネルレール27の一方の端部からパネル挿入用の挿入溝51、61に樹脂製の平板からなるパネル11を挿入する。
【0051】
本実施形態の工事用安全柵によると、通路に設置する工事用安全柵の周辺を通行する者に対し、路面の設置場所において区分された区画の整理や通行を阻止する効果が大きい。
【0052】
本実施形態の工事用安全柵によると、工事用安全柵を超えての現場への侵入を防止する意思表示を確実に伝達することができる。
【0053】
また、通路に設置される工事用安全柵の意味合いを通行人に対し視覚を通じて確実に伝達することができる。
【0054】
さらに本発明の工事用安全柵によると、全高が低い構成で、しかも、低重心にする構造にしている。上段を天面から距離bの低位置で軽量の平板を採用し、下段をできるだけ低位置で地面から距離aの位置に高剛性の中空角材の部材の下段補強部材15、35を採用している。これにより、低重心でパネルの荷重を支持するに耐える高剛性の中空鉄材により風に煽られても転倒し難い安定した構造になっている。
【0055】
かかる構成は、構造物を構成する各要素の位置、材質、形状、重量、風による煽り、天候等を考慮した工夫を実現したものとなっている。各要素について、適切な材料、形状、重量、大きさ、長さを考慮し、軽量化と高剛性を両立し、耐食性、防錆性を確保した構造物に造りあげている。
【0056】
比重を考慮した材料の適材適所と、構造形態の適材適所との併用により、一様でなく工夫を実現化した優れた構造体になっている。
【0057】
さらに、本発明の工事用安全柵を構成する部材について、パネル以外の構成要素に鉄製の部材を多用しているから、比重の大きな素材の利用により上記の設置場所からの安易な移動を抑止する効果を増大している。
【0058】
そのため、本発明の工事用安全柵によれば、全高が低く低重心の構成であることから風に煽られにくい。
【0059】
組立加工時には、部品点数が少なく加工が容易で相対的に廉価に製造することができる。
【0060】
運搬時には、全高をできるだけ低くする構成により重量を可能な限り軽量化し運搬しやすいという効果がある。
【0061】
本発明の工事用安全柵によると、設置場所の周辺を歩行する者に対し現場への侵入防止を確実に注意喚起することができることはもちろん、パネルに表記したメッセージを通行する者に伝達することができ、現場への侵入阻止機能と併せて宣伝広告機能を発揮することができる。
【0062】
本来の侵入を阻止する防壁や障害物としての役割と併せてパネルに表示する注意書きや広告表示により、宣伝広告機能を発揮することができる。
【0063】
またパネルの表示内容を容易に差し替え可能であるから、工事用安全柵が侵入阻止機能のほかに宣伝広告媒体としての機能を併せもつことができるという効果がある。
【0064】
本実施形態の工事用安全柵によると、上段補強部材14、34は平板を採用し、軽量にする一方、下段補強部材15、35は横断面方形状の中空角材である管状の高剛性の部材を採用し、上段に比べ負荷のかかる下段を堅固な構造にしている。
【0065】
以上説明したように、上記実施形態では、下段補強部材15、35の中空角材の厚さ50mmであるのに対し、上段補強部材14、34の平板の厚さ5mmである。低重心で風に煽られにくく転倒しがたい。
【0066】
下繋ぎ部材28は、横断面方形状の中空角材であるから高い剛性が確保されている。
【0067】
上繋ぎ部材18の天面位置との全高位置との高さ距離bは、下繋ぎ部材28の天面位置の地上高距離aの2倍以上の長さである。これにより、低重心の構成にしている。
【0068】
第1脚13、及び第2脚23の接合部並びに前記第1脚及び前記第2脚の接合部を連結するキャップ部材16を備えているから、安全で外傷が発生しにくい。
【0069】
前記第1脚、前記第2脚、前記第3脚、前記第4脚、前記第1上段補強部材、前記第2上段補強部材、前記第1下段補強部材、前記第2下段補強部材、前記上パネルレール、前記下パネルレール、前記上繋ぎ部材、前記下繋ぎ部材は、鉄製であるから、安定し、転倒しがたい。
【0070】
パネル11は樹脂製であるから軽量である。
【0071】
前記上繋ぎ部材、前記下繋ぎ部材、前記上パネルレール及び前記下パネルレールの長手方向の長さを変更可能な長さ調節可能であるから、設置する場所の状況に応じて部材を変更して使えばよいから、効率がよい。
【0072】
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態について図8から図12に基づいて説明する。
【0073】
図8に示すように、工事用安全柵2は、4つの脚13、23、33、43、2つのキャップ部材16、2つの上段補強部材14、34、2つの下段補強部材15、35、2つの繋ぎ部材78、88、1つの上パネルレール77、1つの下パネルレール87、4つの繋ぎキャップ部材19、29、複数個のボルトナット(不図示)、及び1つのパネル11を備える。
【0074】
脚13、23、33、43、キャップ部材16、2つの上段補強部材14、34、下段補強部材15、35、繋ぎキャップ部材19、29及び複数個のボルトナットは、第一実施形態と同様である。
【0075】
繋ぎ部材78、88は、長さが約4mである。
【0076】
上パネルレール77、下パネルレール87は、長さが約4mである。
【0077】
パネル31は、2枚である。
【0078】
繋ぎ部材及びパネルレールの長さにより、工事用安全柵の長さを調節できる。第二実施形態において、繋ぎ部材は4m、パネルレールは4mを用いる。工事用安全柵の長さは、4mである。2mのパネルが2枚連結する。パネルは2枚それぞれ差し替え可能である。
【0079】
図12に示すように、工事用安全柵2は、脚13、23、33、43、キャップ部材16、繋ぎ部材78、88、パネルレール77、87、繋ぎキャップ部材19、29、及びパネル31を備える。パネル31には、注意書きや宣伝広告事項などを印刷する。2枚のパネルは各々差し替え可能である。
【0080】
注意書きや広告を表示するパネル31をみた通行人は、視覚により、安全柵の、注意書きまたは広告を確認し、情報を取得し、通行の安全を確保することができる。
【0081】
第二実施形態の他の基本的構成は、第一実施形態と同様である。
【0082】
(その他の実施形態)
繋ぎ部材の長さは、2つの逆V字状の脚により支えられる長さなら、他の長さでもよい。
【0083】
パネルレールの長さは、2つの逆V字状の脚により支えられる長さなら、他の長さでもよい。
【0084】
パネルの長さは、2つの三角脚により支えられる長さなら、他の長さでもよい。
【0085】
パネルは複数枚でもよい。
【0086】
その他の実施形態の他の基本的構成は、第一実施形態と同様である。
【0087】
本発明の脚について、材料、形状、大きさは、上記実施形態の脚の材料、形状、大きさに限られない。
【0088】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0089】
1、2 工事用安全柵、
11、31 パネル、
13、23、33、43 脚、
14、34 上段補強部材、
15、35 下段補強部材、
16 キャップ部材、
17、77 上パネルレール、
18、78 上繋ぎ部材、
19、79 上繋ぎキャップ部材、
27、87 下パネルレール、
28、88 下繋ぎ部材、
29、89 下繋ぎキャップ部材、
51、61 パネル挿入用溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記上繋ぎ部材の天面位置と全高位置との高さ距離(b)は、前記下繋ぎ部材の天面位置の地上高距離(a)の2倍以上の長さである請求項1から4のいずれか一項記載の工事用安全柵。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項9】
前記上繋ぎ部材、前記下繋ぎ部材、前記上パネルレール及び前記下パネルレールの長手方向の長さを変更可能な請求項1記載の工事用安全柵。