(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043745
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】光検出器、及び光集積素子
(51)【国際特許分類】
H01L 31/10 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
H01L31/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151528
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】下山 峰史
【テーマコード(参考)】
5F149
5F849
【Fターム(参考)】
5F149AA04
5F149AB02
5F149BA01
5F149BA03
5F149BB01
5F149DA06
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5F149LA01
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5F849AA04
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5F849BB01
5F849DA06
5F849DA39
5F849DA44
5F849GA04
5F849LA01
5F849XB19
5F849XB37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】受光感度と高速動作を両立させた光検出器を提供する。
【解決手段】光検出器は、基板100の上に第1半導体で形成され使用波長の光に対して透明な光入力層102と、光入力層の上に前記第1半導体よりもバンドギャップが小さい第2半導体で形成された光吸収層104とを有する。光吸収層は、第1導電型の不純物がドープされた第1極性領域105と、第1導電型と異なる第2導電型の不純物がドープされた第2極性領域106と、第1極性領域と第2極性領域に挟まれたアンドープの領域を、基板と水平な方向に有し、第1極性領域と第2極性領域の間に、有効屈折率が光吸収層の他の部分よりも高い領域を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に第1半導体で形成され、使用波長の光に対して透明な光入力層と、
前記光入力層の上に、前記第1半導体よりもバンドギャップが小さい第2半導体で形成された光吸収層と、
を有し、
前記光吸収層は、第1導電型の不純物がドープされた第1極性領域と、前記第1導電型と異なる第2導電型の不純物がドープされた第2極性領域と、前記第1極性領域と前記第2極性領域に挟まれたアンドープの領域を、前記基板と水平な方向に有し、前記第1極性領域と前記第2極性領域の間に、有効屈折率が前記光吸収層の他の部分よりも高い領域を有する、
光検出器。
【請求項2】
前記光吸収層は、前記第1極性領域と前記第2極性領域の間に、部分的に膜厚が大きい領域を有する、
請求項1に記載の光検出器。
【請求項3】
前記光入力層は、前記光吸収層の前記膜厚が大きい領域に対応する位置に、リセスを有する、請求項2に記載の光検出器。
【請求項4】
前記光吸収層は、前記膜厚が大きい領域に突起を有する、
請求項2または3に記載の光検出器。
【請求項5】
前記膜厚が大きい領域の膜厚変化は、前記使用波長の1/10以上である、
請求項2から4のいずれか1項に記載の光検出器。
【請求項6】
前記光吸収層を覆う誘電体層、
を有し、前記誘電体層は、前記光吸収層の前記第1極性領域と前記第2極性領域の間を覆う領域で、部分的に膜厚が大きくなっている、
請求項1に記載の光検出器。
【請求項7】
前記第1極性領域と前記第2極性領域は、前記光吸収層の表面から、前記光吸収層の平均厚さの1/2以上の深さに達する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の光検出器。
【請求項8】
前記第1半導体はSi、前記第2半導体はGe、SiGe、またはGeSnである、
請求項1から7のいずれか1項に記載の光検出器。
【請求項9】
前記第1極性領域と電気的に接続される第1電極と、前記第2極性領域と電気的に接続される第2電極、
を有し、前記第1極性領域と前記第2極性領域に逆バイアスが印加される、
請求項1から8のいずれか1項に記載の光検出器。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の光検出器と、
前記光検出器に光学的に接続される光回路と、
を有する光集積素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光検出器、及び光集積素子に関する。
【背景技術】
【0002】
通信容量の増大に対応するため、シリコンフォトニクスと呼ばれる分野の研究・開発が注目されている。シリコン(Si)基板、またはSOI(Silicon-on-Insulator)基板上に光回路を形成することで、同じ基板に形成された電子回路との集積が可能になる。光集積回路により、電気信号と光信号の間の変換効率の向上と、小型で大容量、低消費電力の光トランシーバの実現が期待される。
【0003】
光集積回路のうち、光の合分波、変調などの導波部分は、過剰損失を抑制するために光を吸収しない性質が求められる。一方、光を電気に変換する光検出器には、光を吸収する性質が必要である。これらの要求を満たす組み合わせとして、光検出器にゲルマニウム(Ge)を用い、それ以外の導波部分にSiを用い、波長1.2μmから1.6μmの近赤外光を用いる構成が有力である。この波長帯域の光はSiに対して透明であり、Geに吸収される。
【0004】
Si導波路に接続されるGe光検出器からフォトキャリアを引き出す場合、
図1の構成をとり得る。Ge光検出器(Ge-PD)に接合されるSi導波路(Si-WG)にp型不純物をドープし、Ge-PDの上部にn型不純物をドープすることで整流作用が働く。p型に対してn型が高電位となる逆バイアスを印加すると、Ge内の光吸収で生じたフォトキャリアのうち、電子がn電極に、ホールがp電極に引き抜かれる。この構成はSiとGeのヘテロ界面を有し、基板と垂直な方向にPIN構造が形成されるため、ヘテロ接合縦型PIN構造と呼ばれている。
【0005】
SOI(Silicon-on-Insulator)基板のSiアイランド上に形成されたストライプ型のGe光検出器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。このGe光検出器は、高濃度のp型不純物領域とn型不純物領域が、基板と水平な方向に配置されたヘテロ接合を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
PIN構造が基板と垂直か、水平かにかかわらず、フォトキャリアの移動経路にヘテロ接合を含む構成では、フォトキャリアはエネルギーバンドが不連続なヘテロ界面を通過する。
図1の構成では、ホールがSi/Geヘテロ界面を通過する際に、価電子帯に生じた障壁により、ホールの一部が界面に溜り込む。界面に溜まったホールは、外部からの印加電圧を遮蔽し、空乏層の電界強度の低下を引き起こす。その結果、光検出器の応答特性が劣化し、高速動作が妨げられる。
【0008】
本開示は、受光感度と高速動作を両立させた光検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、光検出器は、
基板の上に第1半導体で形成され、使用波長の光に対して透明な光入力層と、
前記光入力層の上に、前記第1半導体よりもバンドギャップが小さい第2半導体で形成された光吸収層と、を有し、
前記光吸収層は、第1導電型の不純物がドープされた第1極性領域と、前記第1導電型と異なる第2導電型の不純物がドープされた第2極性領域と、前記第1極性領域と前記第2極性領域に挟まれたアンドープの領域を、前記基板と水平な方向に有し、前記第1極性領域と前記第2極性領域の間に、有効屈折率が前記光吸収層の他の部分よりも高い領域を有する。
【発明の効果】
【0010】
受光感度と高速動作を両立させた光検出器が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ヘテロ接合縦型PIN構造の光検出器の模式図である。
【
図2】Si/Geヘテロ界面でのホールの溜り込みを示す図である。
【
図3】実際に作製したヘテロ接合型光検出器の応答特性の評価結果を示す図である。
【
図4A】ホモ接合型光検出器の技術課題を示す図である。
【
図4B】ホモ接合型光検出器の技術課題を示す図である。
【
図4C】ホモ接合型光検出器の技術課題を示す図である。
【
図4D】ホモ接合型光検出器の技術課題を示す図である。
【
図5】第1実施形態の光検出器の上面模式図と断面模式図である。
【
図8】第2実施形態の光検出器の断面模式図である。
【
図9】第3実施形態の光検出器の断面模式図である。
【
図10】第4実施形態の光検出器の断面模式図である。
【
図11】実施形態の光検出器を用いたトランシーバ用の光集積素子の平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態の光検出器の具体的な構成を説明する前に、ヘテロ接合型の光検出器に生じる技術課題をより詳しく説明し、次いで、ホモ接合型の光検出器に生じる課題を説明する。
【0013】
図2は、Si/Geヘテロ界面でのホールの溜り込みを示す図である。SiとGeの界面で、価電子帯EvのエネルギーレベルがSi側で落ち込み、Ge側で高くなる。このエネルギーバンドの不連続は、Ge内の光吸収で生じたホールにとってポテンシャル障壁となる。
【0014】
ホールは、量子トンネル効果により、ある確率でこの障壁を超えることができるが、一部は界面に溜り込む。溜まり込んだホールは外部からの印加電圧を遮蔽し、空乏層の電界強度が低下する。定常状態において、空乏層内でのフォトキャリアの輸送速度は、電界強度に対してほぼ比例関係にある。空乏層の電界強度の低下により、キャリア輸送速度が低下する。キャリアの溜まり込みが多いほど遮蔽効果が大きくなり、輸送速度の低下の割合が大きくなる。最終的にキャリア輸送速度の低下は、光入力に対する電気信号への変換レート、すなわち光検出器の応答特性の劣化につながる。
【0015】
光検出器の応答速度の劣化の程度はフォトキャリアの量に依存するため、入射光の強度が大きいほど、応答速度が劣化する。コヒーレント伝送用の光レシーバでは、信号光と同時に局発光を受信フロントエンド回路に導入して、ヘテロダインもしくはホモダイン検波を行う。受信感度を上げるために局発光の強度を高くする傾向にあり、光強度が強いときの帯域劣化は特に問題となる。
【0016】
図3は、実際に作製した
図1のヘテロ接合型光検出器の応答特性の評価結果である。横軸を周波数(GHz)、縦軸を相対的な応答強度(dB)とし、複数のバイアス電圧で応答特性を評価する。低周波(0GHz近傍)の信号に対する応答強度から3dB低下するときの周波数を、光検出器の応答帯域と呼ぶ。図中で、3dB低下ラインを横軸と水平な破線で示している。
図3の(a)は、光入力強度が弱い場合の評価結果、
図3の(b)は光入力強度が強い場合の評価結果である。
【0017】
光入力強度が強い場合に、応答帯域が狭くなりやすく、応答速度が低下することがわかる。また、バイアス電圧の絶対値を大きくすることで、応答特性の劣化が緩和されることがわかる。バイアス電圧の絶対値を大きくすると、電界ポテンシャルによってSi/Ge界面のエネルギー障壁を超えることのできるエネルギーを持つフォトキャリアの割合が増えるからである。印加電圧を高くすることで、フォトキャリアの溜まり込みを緩和し得るが、実際に光集積回路に光検出器を実装して受信器として用いる際には、光検出器に印加可能なバイアス電圧に制限がある。現実的には、応答劣化を防ぐだけの高電圧を印加することは困難である。
【0018】
これらの課題を緩和する方策として、ホモ接合型のPIN-PDを用いることが考えられる。ホモ接合であれば、フォトキャリアの移動経路にエネルギーバンド不連続にともなうポテンシャル障壁がないので、フォトキャリアの局所的な溜まり込みは生じない。空乏層の電界強度の低下がほとんどないので、光入射強度が高くなっても帯域劣化が生じにくい。ただし、ホモ接合に特有の課題がある。
【0019】
図4Aから
図4Dは、ホモ接合型の光検出器に生じ得る課題を示す。使用波長に対して透明なSi-WGに、使用波長の光を吸収するGe-PDが接続されている。ホモ接合型のGe-PDでは、光吸収層の内部に、互いに逆極性の高濃度不純物領域が基板と水平な方向または横方向に設けられる。Ge-PDは、アンドープのGe層を間に挟んで、高濃度のn型不純物領域(図中で「n+」と表記)とp型不純物領域(図中で「p+」と表記)を有する。本明細書中では、光吸収層におけるこれらの高濃度の不純物領域を「極性領域」と呼ぶ。n型の極性領域はn電極(n‐ELC)に接続され、p型の極性領域はp電極(p-ELC)に接続されている。
【0020】
極性領域に光が入射すると、フリーキャリア吸収と呼ばれる現象が発生するので、理想的には、光がアンドープのGe層だけで吸収されることが望ましい。フリーキャリア吸収は、新たにフォトキャリアを生成するバンド間吸収ではなく、既に存在しているキャリアに光子のエネルギーを与える光吸収である。フリーキャリア吸収は光電流の増加に寄与しないので、いわゆる「無効吸収」となる。
【0021】
光検出器の重要な性能指標のひとつである受光感度は、入射光強度に対する出力電流の比で与えられる。受光感度を高めるには、無効吸収を抑制することが一つの方策である。ホモ接合型では、無効吸収を最小にするために光の強度分布と極性領域との関係が問題となる。
【0022】
Si-WGからGe-PDのアンドープの光吸収領域に光が入射した直後は、
図4Aのようにn型の極性領域とp型の極性領域の間に光B1が分布している。しかし、
図4Bに示すように、一定距離を伝搬した光B2はGe層全体に広がり、極性領域内に入り込む。
図4Cのように、電界強度を高めるために極性領域を深く形成する場合は、特に光B3と極性領域の重なりが大きくなり、極性領域における無効吸収が起きやすくなる。結果として、受光感度が低下する。
【0023】
図4B、及び
図4Cで生じる無効吸収を避けるため、
図4Dのように、極性領域を光吸収層の浅い領域にとどめることが考えられる。
図4の構成で無効吸収は抑制されるが、光B4の強度分布が極性領域から離れる。逆極性の極性領域の間の電位差によって生じる電界強度(図中、模式的に破線の矢印で表示)が、光B4が導波する領域で弱くなり、応答速度が低下する。電界強度の低下はキャリア輸送速度の低下を引き起こすため、
図4Aから
図4Dに示すホモ接合型の構造では、高速動作と高い受光感度を両立させることが難しい。
【0024】
<第1実施形態>
図5は、第1実施形態の光検出器10の模式図である。
図5の(a)は上面図、
図5の(b)はX-X'断面図である。座標軸として、積層方向または膜厚方向をZ方向、Z方向と直交する面内をX-Y面とする。実施形態では、効率的な電界印加を維持しつつ、極性領域での無効吸収を抑制した光検出器の構成を提供する。
【0025】
光検出器10は、基板100上の誘電体層101の上に設けられ、光入力層102と、光吸収層104を有する。光入力層102は光導波路120の延長として形成され、伝搬光を光吸収層104へと導く。光閉じ込めのために、光導波路120と光検出器10の全体は、誘電体層101及び116に取り囲まれている。誘電体層101と116が同じ材料で形成される場合、最終的には一体的な層となるが、光入力層102と光吸収層104に対する層構造の観点から、光吸収層104の上面を覆う部分の誘電体層を「誘電体層116」とする。
【0026】
光通信に用いられる波長1.2μm~1.6μm(近赤外域)の光を前提とすると、光導波路120と光入力層102は、上記の波長の光に対して透明な第1半導体で形成される。光吸収層104は、上記の波長の光を吸収する第2半導体で形成される。第1半導体は、例えば、上記波長の光を吸収しないバンドギャップを有するSiである。第2半導体は、Siよりもバンドギャップが狭く、上記波長の光を吸収するGe、SiGe、GeSnなどである。
【0027】
GeとSnは、Siと同じIV族材料であり、III-V族混晶を用いる場合と比較して、製造工程にける汚染の影響が少ないという利点はあるが、光吸収層104の材料は、これらの材料に限定されない。波長1.2μm~1.6μmの光を吸収できるのであれば、適切にバンドギャップが設計されたその他の半導体材料を用いてもよい。
【0028】
Siの光導波路120と光入力層102は、シリコンフォトニクスの技術を利用して、光集積回路の一部として作製され得る。誘電体層101、116は、第1半導体と第2半導体に対して屈折率差の大きい材料、たとえば二酸化ケイ素(SiO2)の層である。SOI基板を用いる場合は、基板100はSi基板、誘電体層101はSOI基板のBOX(Buried Oxide)層であってもよい。この場合、BOX層上のSi層(いわゆるSOI層)をパターニングして、光導波路120と光入力層102が形成される。
【0029】
光導波路120は、一定幅の光導波路121と、光入力層102に向かって連続的に幅が広がるテーパ導波路122を含んでいてもよい。光導波路120から光入力層102に入射した光は、エバネッセント型光結合により光吸収層104に結合する。GeはSiよりも屈折率が高いため、Siの光導波路120を導光してきた光は、そのエバネッセント場によりGe内へ結合し、Ge内で吸収される。
【0030】
光吸収層104は、内部に第1導電型の極性領域105と、第2導電型の極性領域106を有する。極性領域105は、たとえばn型不純物が高濃度にドープされており、極性領域106は、p型不純物が高濃度にドープされている。互いに逆極性の極性領域105と106の間は、アンドープの光吸収層104である。これにより横型のPIN構造が形成される。光の進行方向をY方向とすると、PIN構造は、Y方向と直交するX-Z面で基板100と水平な方向に配置されている。PIN構造がGeの光吸収層104の内部にあり、電流経路にヘテロ界面をもたないので、ホモ接合型のPIN構造となる。
【0031】
実施形態では、極性領域105と106での無効吸収を最小限にし、かつ、光電流を効率よく取り出す。これを実現するために、光吸収層104に入射した光を極性領域105と106の間に効率よく閉じ込め、極性領域105と106への光の広がりを抑制する。具体的には、極性領域105と106の間の領域で、光入力層102と、光吸収層104と、誘電体層116の少なくともひとつの膜厚を、部分的に変化させる。
【0032】
第1実施形態では、光入力層102にリセス103を形成して、光吸収層104の膜厚を部分的に大きくする。光吸収層104の上面が平坦な場合、光入力層102の膜厚がリセス103で薄くなった分、リセス103に対応する領域での光吸収層104の膜厚が増える。極性領域105と106の間で部分的に厚くなった光吸収層104に光が閉じ込められ、極性領域105、106での無効吸収が抑制される。極性領域105と106の間に閉じ込められた光は、十分な電界強度を受け、光吸収により生成されたフォトキャリアが効率よく取り出される。これにより、受光感度と応答速度を両立させることができる。
【0033】
図6Aと
図6Bは、
図5の構成の効果を示す図である。リセス103内で膜厚が増大した光吸収層104の上下を逆にすると、光吸収層104はいわゆるリブ型導波路になり、光は膜厚の大きいリブ部分に閉じ込められる。
【0034】
図6Aで、光入力層102から光吸収層104に光が結合した直後の状態では、リセス103により光吸収層104が厚くなった空間に、光130Aが存在する。ここで、光入力層102、光吸収層104、及び誘電体層116の3層の有効屈折率を考える。有効屈折率は、媒質が占める空間割合(空間占有率)に比例する。
【0035】
基板100と垂直な方向で、Geの光吸収層104の屈折率は、Siの光入力層102の屈折率よりも大きく、かつSiO2の誘電体層116の屈折率よりも大きいので、光130Aは光吸収層104に閉じ込められる。水平方向では、光吸収層104の膜厚が厚くなっている部分の有効屈折率は、リセス103の両側で膜厚が相対的に小さくなっている領域の有効屈折率よりも高くなり、光130Aは膜厚の大きい領域に閉じ込められる。光130Aは、有効屈折率が低い領域に形成された極性領域105、106に拡がりにくくなる。
【0036】
光130Aを効率よく閉じ込めるためには、膜厚変化による有効屈折率の変化が十分に大きいことが望ましい。たとえば、光130Aの波長の1/10以上の割合で膜厚を変化させることが望ましい。光130Aの波長が1500nmの場合、リセス103内で増加する光吸収層104の膜厚の変化は、150nm以上であることが望ましい。膜厚変化が光130Aの波長の1/10未満だと、有効屈折率の差が不十分になって、横方向の光の閉じ込めが不十分になるおそれがあるからである。
【0037】
上記の構成により、
図6Bのように光130Bが光吸収層104内を一定距離伝搬した後でも、光130Bが光吸収層104の全体に広がることが抑制される。光130Bは、光の進行方向と直交する面内で、光吸収層104の中央部、すなわち極性領域105と106の間の領域に支配的な強度分布をもつ。極性領域105、106と、光130Bの分布を分離できるので、フリーキャリア吸収による無効吸収を抑制して、受光感度を高く保つことができる。
【0038】
図5に戻って、光吸収層104で生成されたフォトキャリアを光電流として取り出すために、電極111と112から光吸収層104に電界が印加される。電極111は、誘電体層116に形成されたプラグ電極107を介して、n型の極性領域105に電気的に接続されている。電極112は、誘電体層116に形成されたプラグ電極108を介して、p型の極性領域106に接続されている。
【0039】
電極111に正のバイアス電圧を印加し、電極112に負のバイアス電圧を印加することで、極性領域105と106の間に電位差が生じ、かつ、極性領域105が逆バイアス状態となる。光吸収層104で生成された電子は電極111から引き出され、ホールは電極112から引き出される。極性領域105と106における無効吸収が最小限に抑制されているので、電極111と112から光入射量に応じた光電流が取り出され、高い受光感度が実現される。また、フォトキャリアに十分な強度の電界がかかり、応答速度が高く維持される。
【0040】
光130A、及び130B(以下、「光130」と総称することがある)が極性領域105、106と分離されているので、極性領域105と106を光吸収層104の深い位置まで配置することができる。これにより、光分布が支配的な領域に効率よく電界が印加され、キャリア輸送速度の向上と、受光感度を両立させることができる。
【0041】
光吸収層104に十分な電界を印加する観点から、極性領域105と106の深さは、光吸収層104の平均膜厚の1/2以上の深さに達していることが望ましい。電界強度の強い領域に光130を閉じ込めることで、フォトキャリア生成領域と電界強度が強い領域が一致する。キャリア輸送時間が短縮されて、高速動作が実現される。
【0042】
極性領域105、106と光130の分布を分離する観点からは、光吸収層104の膜厚が厚くなっている領域の幅、すなわちリセス103の幅は、極性領域105と106の間のアンドープの領域の幅よりも狭いことが望ましい。リセス103の幅とは、膜厚(Z)方向と光進行(Y)方向の両方に直交する(X)方向の寸法である(
図5参照)。適切な幅で膜厚を制御して有効屈折率分布を調整することで、光130の広がりを抑制し、極性領域105、106でのフリーキャリア吸収に起因する受光感度の劣化を抑制する。
【0043】
<光検出器の作製工程>
図7Aから
図7Fは、実施形態の光検出器の作製工程図である。
図7Aから
図7Fのそれぞれで、上面図(a)とX-X'断面図(b)を並列で示す。以下の説明で、各構成部分の材料、サイズ、形成方法などは一例であって、本開示を限定するものではない。
【0044】
図7Aで、基板100上の誘電体層101の上に、光入力層102と、この光入力層102に接続される光導波路120をSiで形成する。SOI基板を用いる場合、一例として、基板100となるSi基板の厚さは750μm、誘電体層101として用いられるSiO2層の厚さは2μm、SiO2層上のSi層(いわゆるSOI層)の厚さは250nmである。光導波路120と光入力層102は、たとえば、電子線ビーム(EB)リソグラフィーと誘電結合方式のプラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチングにより、SOI層をパターニングして形成される。
【0045】
光導波路120は、光導波路121と、テーパ導波路122を含んでいてもよい。光導波路121は、光集積回路の他の光素子(90°ハイブリッド光ミキサ、波長フィルタ等)に接続されていてもよい。テーパ導波路122は、光導波路121から光入力層102に向かって連続的に幅が広がっている。光導波路121の幅は、たとえば500nmである。テーパ導波路122で、幅は1μmまで広げられてもよい。光入力層102の光伝搬方向(Y方向)のサイズはたとえば35μm、幅方向(X方向)のサイズはたとえば10μmである。
【0046】
図7Bで、フォトリソグラフィにより光入力層102の一部領域だけを露出するレジストマスク124を形成する。レジストマスク124の開口125の幅は1μmである。開口125から、ドライエッチングにより、光入力層102のSiを100nmの深さまで除去して、リセス103を形成する。
【0047】
図7Cで、レジストマスク124を除去し、全面にSiO2膜114を20nmの厚みで成膜する。SiO2膜は透明であるが、製造工程の理解を容易にするために、上面図(a)では、SiO2舞う114に覆われた光入力層102と光導波路120を、点線で示している。SiO2膜114上にフォトリソグラフィによりレジストマスクを形成し、レジストマスクを用いてSiO2膜114をドライエッチングでパターニングしてGe成長用のマスクを形成する。SiO2膜114のマスクに形成された開口115により、Siの光入力層102の一部領域が露出する。その後、レジストマスクを除去する。
【0048】
図7Dで、SiO2膜114で覆われていない領域(開口115内)に、減圧化学気相成長(LP-CVD:Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、Ge層をエピタキシャル成長して、光吸収層104を形成する。Ge層の厚さは500nmとする。光吸収層104のサイズは、光伝搬方向(Y方向)に30μm、幅方向(X方向)に8μmである。
【0049】
図7Eで、フォトリソグラフィによりレジストマスクを形成して、光吸収層104の一部を露出させ、ボロン(B)をイオン注入してn型の極性領域105を形成する。不純物濃度は、たとえば1E20[cm-3]とする。その後、レジストマスクを除去し、再度、フォトリソグラフィによりレジストマスクを形成して、光吸収層104の異なる領域を露出させる。リン(P)をイオン注入してp型の極性領域106を形成する。その後、レジストマスクを除去する。
【0050】
図7Fで、CVD法により全面に誘電体層116として、SiO2膜を1μmの厚さに成膜し、アニールにより、注入した不純物を活性化する。たとえば、600℃の雰囲気中での10秒程度のアニールでGe層内の不純物が活性化される。その後、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、誘電体層116に極性領域105と106に達するコンタクトホールを形成する。続いて、スパッタリングにより全面にアルミニウム(Al)膜を成膜し、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、Al膜を加工する。これにより、極性領域105、106に接続される電極111と112が形成される。コンタクトホール内を埋め込むAl膜は、プラグ電極107、108となる。
【0051】
上記のプロセスで、部分的に光吸収層104の膜厚が厚くなった光検出器10Aが完成する。光検出器10Aは、SOI基板上で光集積回路の他の光導波路や光デバイスと同時に作製されるが、ここでは、その他の光デバイスの形成手順については省略する。
【0052】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態の光検出器20の断面模式図である。第2実施形態では、光入力層にリセスを設けずに、光吸収層の上面で膜厚を部分的に厚くする。
【0053】
光検出器20は、基板200上の誘電体層201の上に設けられ、光吸収層204と、光吸収層204へ光を導く光入力層202を有する。光検出器20の全体は、誘電体層101及び216に取り囲まれている。光入力層202は、使用波長の光に対して透明な第1半導体で形成され、光吸収層204は、使用波長の光を吸収する第2半導体で形成されている。一例として、第1半導体をSi、第2半導体をGeとする。
【0054】
光吸収層204は、内部に第1導電型の極性領域205と、第2導電型の極性領域206を有する。極性領域205は、たとえばn型不純物が高濃度にドープされており、極性領域206は、p型不純物が高濃度にドープされている。互いに逆極性の極性領域205と206の間は、アンドープの光吸収層204である。光検出器20は、電流経路にヘテロ界面をもたないホモ接合型のPIN構造を有する。
【0055】
光吸収層は、極性領域205と206の間に突起215を有する。この突起215により、光吸収層204の厚さが部分的に厚くなり、リブ型の導波路が形成される。突起215により膜厚が増大した領域での有効屈折率は、両側の極性領域105、106が形成される領域の有効屈折率よりも高い。光入力層202から光吸収層204に結合した光は、極性領域205と206の間に効率よく閉じ込められる。極性領域205と206への光の広がりが抑制され、無効吸収が抑制される。
【0056】
電極211とプラグ電極207を介して極性領域205に正バイアスが印加され、電極212とプラグ電極208を介して極性領域206に負バイアスが印加される。光吸収層204で生成されたフォトキャリアは、極性領域205と206の間で十分な電界強度を受けて、対応する電極211、212に引き出される。
【0057】
光吸収層204の突起215は、第1実施形態のリセス103を形成せずに、
図7Dでエピタキシャル成長したGe層をドライエッチングすることで形成される。一例として、エピタキシャル成長したGe層のY方向に沿った両側の領域を100nmエッチングすることで、Ge層の上面に高さ100nmの突起215を形成できる。第2実施形態の構成でも、受光感度と応答速度を両立させることができる。
【0058】
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態の光検出器30の断面模式図である。第3実施形態では、光検出器を覆う誘電体層の膜厚を部分的に変化させる。
【0059】
光検出器30は、基板300上の誘電体層301の上に設けられ、光吸収層304と、光吸収層304へ光を導く光入力層302を有する。光検出器30の全体は、誘電体層301及び316に取り囲まれている。光入力層302は、使用波長の光に対して透明な第1半導体で形成され、光吸収層304は、使用波長の光を吸収する第2半導体で形成されている。一例として、第1半導体をSi、第2半導体をGeとする。
【0060】
光吸収層304は、内部に第1導電型の極性領域305と、第2導電型の極性領域306を有する。極性領域305は、たとえばn型不純物が高濃度にドープされており、極性領域306は、p型不純物が高濃度にドープされている。互いに逆極性の極性領域305と306の間は、アンドープの光吸収層304である。光検出器30は、電流経路にヘテロ界面をもたないホモ接合型のPIN構造を有する。
【0061】
光吸収層304を覆う誘電体層316は、光吸収層304の極性領域305と306の間のアンドープの領域に対応する部分に、突起315を有する。ここでは、光入力層302、光吸収層304、誘電体層316、及び空気層の4層スラブを考える。空気層と比較して誘電体層316が厚くなっている領域のトータルの有効屈折率は、誘電体層316が薄い領域のトータルの有効屈折率よりも高い。したがって、光入力層302から光吸収層304に結合した光は、極性領域305と306の間の有効屈折率の高い領域に閉じ込められる。極性領域305と306への光の広がりが抑制され、無効吸収が抑制される。
【0062】
電極311とプラグ電極307を介して極性領域305に正バイアスが印加され、電極312とプラグ電極308を介して極性領域306に負バイアスが印加される。光吸収層304で生成されたフォトキャリアは、極性領域305と306の間で十分な電界強度を受けて、対応する電極311、312に引き出される。
【0063】
誘電体層316の突起315は、第1実施形態のリセス103を形成せずに、
図7Eの後に全面を覆う誘電体層316を形成し、この誘電体層316をドライエッチングすることで形成される。たとえば、誘電体層316として全面にSiO2層を形成し、ドライエッチングによりSiO2層を500nmエッチングすることで、高さ500nmの突起を形成してもよい。第3実施形態の構成でも、受光感度と応答速度を両立させることができる。
【0064】
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態の光検出器40の断面模式図である。第4実施形態では、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせることで、光吸収層の厚さを部分的に厚くする。
【0065】
光検出器40は、基板400上の誘電体層401の上に設けられ、光吸収層404と、光吸収層404へ光を導く光入力層402を有する。光検出器40の全体は、誘電体層401及び416に取り囲まれている。光入力層402は、使用波長の光に対して透明な第1半導体で形成され、光吸収層404は、使用波長の光を吸収する第2半導体で形成されている。一例として、第1半導体をSi、第2半導体をGeとする。
【0066】
光吸収層404は、内部に第1導電型の極性領域405と、第2導電型の極性領域406を有する。極性領域405は、たとえばn型不純物が高濃度にドープされており、極性領域406は、p型不純物が高濃度にドープされている。互いに逆極性の極性領域405と406の間は、アンドープの光吸収層404である。光検出器40は、電流経路にヘテロ界面をもたないホモ接合型のPIN構造を有する。
【0067】
光入力層402はリセス403を有し、光吸収層404は、極性領域405と406の間の領域に突起415を有する。光吸収層404において、極性領域405と406のアンドープの領域の膜厚が大きくなっているので、この部分の有効屈折率は、両側の有効屈折率と比較して大きい。光入力層402から光吸収層404に結合した光は、極性領域405と406の間の有効屈折率の高い領域に閉じ込められる。極性領域405と406への光の広がりが抑制され、無効吸収が抑制される。
【0068】
電極411とプラグ電極407を介して極性領域405に正バイアスが印加され、電極412とプラグ電極408を介して極性領域406に負バイアスが印加される。光吸収層404で生成されたフォトキャリアは、極性領域405と406の間で十分な電界強度を受けて、対応する電極411、412に引き出される。第4実施形態の構成でも、受光感度と応答速度を両立させることができる。
【0069】
図11は、実施形態の光検出器を用いたトランシーバ用の光集積素子50の模式図である。光集積素子50は、光送信器TXと光受信器RXを含む。光集積素子50は、コヒーレント伝送用トランシーバ用途であり、ポートP2から入力される局発光が、光送信器TXと光受信器RXに供給される。
【0070】
光受信器RXにおいて、ポートP1で受信される信号光は、偏光ビームスプリッタPBSにより、互いに直交する2つの偏波に分離される。一方の偏波は、90°ハイブリッド光ミキサ51aに入力される。他方の偏波は、偏波ローテータPRによって偏光軸が90度回転されて、90°ハイブリッド光ミキサ51bに入力される。
【0071】
90°ハイブリッド光ミキサ51aは、入力された信号光(偏波)を局発光で検波し、90°ずつ位相のずれた4つの光を出力する。4つの光は光検出器10-1~10-4で検出される。90°ハイブリッド光ミキサ51bは、入力された信号光(偏波)を局発光で検波し、90°ずつ位相のずれた4つの光を出力する。4つの光は光検出器10-5~10-8で検出される。
【0072】
光検出器10-1と10-2、及び、光検出器10-3と10-4で、それぞれバランスドフォトダイオードが形成されてもよい。この場合、光検出器10-1と10-2の出力の差分が第1偏波の同相(I)成分として取り出され、光検出器10-3と10-4の出力の差分が第1偏波の直交位相(Q)成分として取り出される。
【0073】
同様に、光検出器10-5と10-6、及び、光検出器10-7と10-8で、それぞれバランスドフォトダイオードが形成されてもよい。この場合、光検出器10-5と10-6の出力の差分が第2偏波の同相(I)成分として取り出され、光検出器10-7と10-8の出力の差分が第2偏波の直交位相(Q)成分として取り出される。
【0074】
偏光ビームスプリッタPBS、偏波ローテータPR、90°ハイブリッド光ミキサ51a、51bは、光検出器10-1~10-8に接続される光回路に含まれる。光検出器10-1~10-8の各々で、無効吸収が抑制され、かつ電界印加効率が向上しており、受光感度が高く、高速動作可能である。光検出器10-1~10-8から出力される光電流はトランスインピーダンスアンプを含む電気回路で増幅されて、後段のデジタル信号プロセッサ(DSP)に入力される。
【0075】
光送信器TXは、光変調器53aと53bを有する。光変調器53aと53bは、この例ではマッハツェンダ干渉計型のIQ変調器である。DSPから光変調器53aと53bの各々に入力されるデータ信号により、搬送波となる局発光を変調する。光変調器53bの出力光は偏波ローテータPRで回転された後に、偏波ビームコンバイナPBCにより、光変調器53aの出力と合波される。合波された光は、偏波多重方式の信号光としてポートP3から出力される。
【0076】
光集積素子50は偏波多重方式のトランシーバ用途に限定されず、QPSK方式、多値QAM方式の光トランシーバ用途であってもよい。複数の光検出器10は、一次元アレイだけではなく、二次元アレイとして配列されてもよい。いずれの場合も、高い受光感度と動作速度により、高速、高感度の光検出動作が可能になる。
【0077】
光検出器10に替えて、光検出器20、30、または40を用いても同様の効果が得られることはいうまでもない。また、Ge光検出器に替えて、SiGe光検出器、GeSn光検出器を用いる場合も、同様の光閉じ込め構成により、無効吸収の抑制と、効率的な電界印加が可能である。
【符号の説明】
【0078】
10、10A、20、30、40 光検出器
50 光集積素子
100、200、300、400 基板
101、116、201、216、301、316、401、416 誘電体層
102、202、302、402 光入力層
103、403 リセス
104、204、304、404 光吸収層
105、106、205、206、305、306、405、406 極性領域
120 光導波路
130、130A、130B 光
215、315、415 突起