(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043807
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】コンテンツ再生制御プログラムおよびコンテンツ再生制御システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20230322BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20230322BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20230322BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20230322BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/35
A63F13/55
A63F13/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151616
(22)【出願日】2021-09-16
(71)【出願人】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100155402
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 真
(72)【発明者】
【氏名】相馬 文志
(72)【発明者】
【氏名】三宅 陽一郎
(57)【要約】
【課題】プレイヤがゲームをプレイする際に、ゲーム内のオブジェクトが多様な表現を行うようなコンテンツ再生制御を実現する。
【解決手段】コンテンツ再生制御プログラムが、プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するサーバに、前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知機能と、前記感知機能による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録機能と、記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択機能と、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生機能と、を実現させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するサーバに、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知機能と、
前記感知機能による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録機能と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択機能と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生機能と、
を実現させるための、コンテンツ再生制御プログラム。
【請求項2】
前記選択機能では、前記オブジェクトに対応する複数のコンテンツの中から、再生時間が所定の値と同じであるか、または前記所定の値より小さいものを選択する機能を
実現させるための、請求項1に記載のコンテンツ再生制御プログラム。
【請求項3】
前記選択機能では、記録されている前記再生時間に応じた選択確率に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する機能を
実現させるための、請求項1に記載のコンテンツ再生制御プログラム。
【請求項4】
前記記録機能では、前記再生時間を、前記感知範囲の基準位置と前記オブジェクトとの間の相対距離に基づいた重みを付けて記録する機能を
実現させるための、請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のコンテンツ再生制御プログラム。
【請求項5】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する、コンテンツ再生制御システムであって、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知手段と、
前記感知手段による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録手段と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択手段と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生手段と、を含む、
コンテンツ再生制御システム。
【請求項6】
プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するユーザ端末に、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知機能と、
前記感知機能による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録機能と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択機能と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生機能と、
を実現させるための、コンテンツ再生制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも一つは、コンテンツ再生制御プログラムおよびコンテンツ再生制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤがキャラクタを操作し、2次元仮想空間上や3次元仮想空間上などで活躍させるゲームが開発されている。プレイヤは、仮想空間を表現したゲーム画面を見ながらゲームをプレイする。ゲーム画面には、ゲームに登場する様々なオブジェクトが表示される。ゲームに登場するオブジェクトには、例えばプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、乗り物、および建物などが含まれる。
【0003】
特許文献1には、3次元仮想空間に配置されるオブジェクトの画像を表示装置に表示させる画像処理装置のコンピュータで実行されるプログラムが記載されている。プログラムはコンピュータを、記録部にあらかじめ記録されている、プレイヤキャラクタを撮影するために設定された仮想カメラの基準位置および基準撮影方向を読み出す読出手段として機能させる。プログラムはコンピュータを、プレイヤキャラクタに倒された敵キャラクタの位置に応じて、読出手段によって読み出された基準位置および基準撮影方向の少なくとも一方を補正する補正手段として機能させる。プログラムはコンピュータを、補正後の仮想カメラの位置および撮影方向を、プレイヤキャラクタを撮影するための仮想カメラの位置および撮影方向として設定する設定手段として機能させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ゲームに登場するオブジェクトには、所定のアニメーションが設定されているものがある。ここでいうアニメーションにはモーションが含まれる。所定のアニメーションが設定されているオブジェクトの一例として、例えばモブキャラクタが挙げられる。
【0006】
ユーザがプレイするゲームのゲーム画面に映り込んだモブキャラクタは、設定されているアニメーションが再生されることにより、常に同じ動作を行う。しかし、モブキャラクタが常に同じ動作しか行わない場合、ユーザにとってはモブキャラクタの動作は単調であり、飽きがくることがある。すなわちユーザにとっての満足度が低くなることがある。
【0007】
また、モブキャラクタに対して複数のアニメーションが設定されることもある。当該モブキャラクタは、設定された複数のアニメーションの中からランダムに選択された動作を行う。このようなアニメーションのランダム再生を行う場合であっても、そのモブキャラクタがゲーム画面に映り込むタイミングによっては、いつも同じ種類の動作アニメーションが再生されることがある。よって、当該ユーザにとってモブキャラクタの動作は単調になり、飽きがくることがある。すなわち、アニメーションのランダム再生を行う場合であっても、当該ユーザにとっての満足度が低くなることがある。
【0008】
一方、キャラクタに設定されるアニメーションは、アニメータ等が時間と労力をかけて製作するのが通常である。そのため、上記のアニメータを含むゲーム製作者としては、なるべく多くの種類のアニメーションをユーザに見て欲しいという希望がある。
【0009】
なお、上記はゲーム画面に表示されるモブキャラクタが行うアニメーションを例示して説明したが、キャラクタに設定されるセリフ等の音声データや、その他のコンテンツについても同様のことが言える。
【0010】
本発明の少なくとも一つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、プレイヤがゲームをプレイする際に、ゲーム内のオブジェクトが多様な表現を行うようなコンテンツ再生制御を実現させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生制御プログラムは、プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するサーバに、前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知機能と、前記感知機能による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録機能と、記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択機能と、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生機能と、を実現させるためのものである。
【0012】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生制御システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する、コンテンツ再生制御システムであって、前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知手段と、前記感知手段による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録手段と、記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択手段と、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生手段と、を含むものである。
【0013】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生制御プログラムは、プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するユーザ端末に、前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知機能と、前記感知機能による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録機能と、記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択機能と、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生機能と、を実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
【
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、再生時間の記録例を示す概念図である。
【
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローやシーケンスを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0017】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の概要について説明をする。以下では、第1の実施形態として、コンピュータの一例であるサーバにおいて実行されるコンテンツ再生制御プログラムを例示して説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。ゲーム処理システム100は、ゲーム処理サーバ10(サーバ10)と、ゲーム処理システム100のユーザ(ゲームのプレイヤ等)が使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。ゲーム処理システム100の構成はこれに限定されない。例えば、ゲーム処理システム100は、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。ゲーム処理システム100が複数のサーバを備えてもよい。なお、ゲームはビデオゲームであってよく、XR技術を用いた現実空間を活用するゲームなどであってもよい。
【0019】
サーバ10とユーザ端末20は、コンピュータの一例である。サーバ10とユーザ端末20は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30とサーバ10との間の接続、および通信ネットワーク30とユーザ端末20との間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、ユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0020】
ゲーム処理システム100は、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0021】
サーバ10はゲームの進行を制御する。サーバ10はプレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御してよい。サーバ10は、ゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。
【0022】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0023】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ゲーム処理システム100にて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0024】
サーバ10は、ゲーム画像をレンダリング可能なゲームサーバなどの情報処理装置によって構成されてよい。
【0025】
ユーザ端末20はユーザによって管理され、ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末の例として、例えば携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム装置、VRゴーグル、ARグラス、スマートグラス、ARコンタクト、所謂ウェアラブルデバイスなどがある。ゲーム処理システム100が含み得るユーザ端末の構成はこれらに限定されず、ユーザが合成画像、音声または振動などのゲームに係る情報を認識し得る構成であればよい。ユーザ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0026】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)およびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0027】
ユーザ端末20は表示装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して、表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。なお、表示装置は極めて一般的な構成であるため、ここでは図示を省略している。ゲーム画面は例えば、前述の合成画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの合成画像を認識する。ゲーム画面は例えば、ユーザ端末が備える表示装置の一例であるディスプレイや、ユーザ端末と接続された表示装置の一例であるディスプレイに表示される。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置、XR表示を行う装置なども含まれる。XRには、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、およびSR(Substitutional Reality)などが含まれる。
【0028】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0029】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、携帯電話端末が備えるタッチパネル画面、キーボード、マウス、ゲームパッド、ジョイスティック、その他のコントローラなどがある。また、ユーザ端末20に内蔵またはこれと接続されたカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0030】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して音声、振動、その他の各種の情報を出力する。
【0031】
図2は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Aは、感知部101と、記録部102と、選択部103と、再生部104とを少なくとも備える。サーバ10Aが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたコンテンツ再生制御プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、感知部101と、記録部102と、選択部103と、再生部104とを機能的に実現する。
【0032】
感知部101は、ゲーム内のオブジェクトを感知する機能を有する。記録部102は、感知部101による感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する機能を有する。選択部103は、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する機能を有する。再生部104は、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる機能を有する。
【0033】
次に、本発明の第1の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。
図3は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0034】
記録部102は、感知部101による感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する(St11)。選択部103は、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する(St12)。再生部104は、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる(St13)。
【0035】
ゲーム内のオブジェクトとは、ゲームに登場するオブジェクトを意味する。オブジェクトは、プレイヤキャラクタ(PC)またはノンプレイヤキャラクタ(NPC)であってよい。ノンプレイヤキャラクタは敵キャラクタ等を含む。また、オブジェクトは、乗り物オブジェクト、アイテムオブジェクト、建物オブジェクト、背景オブジェクトなどの、キャラクタ以外のオブジェクトであってもよい。
【0036】
感知部101はゲームに対して配置され、ゲーム内のオブジェクトを感知する。例えば、オブジェクトの画像を取得する機能を有する仮想カメラ等が、感知部101に該当する。オブジェクトが発する音声を感知する仮想マイクもまた、感知部101に該当する。その他、オブジェクトが発する熱、振動等を感知する仮想的なセンサもまた、感知部101に該当する。感知部101は、ゲームをプレイするユーザの知覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚など)に対応する。
【0037】
なお、現実空間を活用したゲームの場合、ゲーム内オブジェクトは現実空間に存在することがある。この場合の感知部101は、現実空間に存在するカメラ、マイク、または各種のセンサなどの感知装置であってもよい。また、感知部101は、感知装置が行う情報処理を制御する制御装置であってもよい。感知装置または制御装置は、サーバ10Aまたはユーザ端末20に内蔵されてよい。感知装置または制御装置は、サーバ10Aまたはユーザ端末20と通信可能に接続されてもよい。
【0038】
感知範囲とは、感知部101がゲーム内のオブジェクトを感知できる範囲のことを言う。例えば感知部101が仮想カメラである場合、仮想カメラに映りこむ範囲(画角など)が、感知範囲に相当する。感知部101が仮想マイクである場合、仮想マイクが収音可能な範囲が感知範囲に相当する。
【0039】
オブジェクトに対応するコンテンツとは、オブジェクトに対して設定されたコンテンツを意味する。例えば、オブジェクトに設定された一以上のアニメーションまたはモーション、エフェクト、音声、コントローラの振動態様を制御する振動情報などが、オブジェクトに対応するコンテンツに該当する。
【0040】
再生装置は、選択されたコンテンツを再生することが可能な装置を意味する。例えば選択されたコンテンツが、オブジェクトに設定されたアニメーションまたはエフェクトである場合は、このアニメーションまたはエフェクトを表示可能な表示装置が再生装置に該当する。選択されたコンテンツが、オブジェクトに設定された音声である場合は、この音声を出力可能なスピーカなどの音声出力装置が再生装置に該当する。選択されたコンテンツが、上述の振動情報である場合は、振動機能を有するゲームパッド等が再生装置に該当する。なお、再生装置が配置されている場所については特に限定しない。例えば、再生装置がユーザ端末20に内蔵またはこれと一体化されていていてよい。再生装置がサーバ10Aまたはユーザ端末20と通信可能に接続されていてもよい。
【0041】
第1の実施形態の一側面として、プレイヤがゲームをプレイする際に、ゲーム内のオブジェクトが多様な表現を行うようなコンテンツ再生制御を実現することができる。
【0042】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の概要について説明をする。以下では、第2の実施形態として、コンピュータの一例であるサーバにおいて実行されるコンテンツ再生制御プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、
図1に記載のゲーム処理システム100が備えるサーバ10であってよい。
【0043】
図4は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Bは、感知部101と、記録部102と、選択部103Bと、再生部104とを少なくとも備える。サーバ10Bが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたコンテンツ再生制御プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、感知部101と、記録部102と、選択部103Bと、再生部104とを機能的に実現する。
【0044】
感知部101は、ゲーム内のオブジェクトを感知する機能を有する。記録部102は、感知部101による感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する機能を有する。選択部103Bは、オブジェクトに対応する複数のコンテンツの中から、再生時間が所定の値と同じであるか、または所定の値より小さいものを選択する機能を有する。再生部104は、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる機能を有する。
【0045】
次に、本発明の第2の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。
図5は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0046】
記録部102は、感知部101による感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する(St21)。選択部103Bは、オブジェクトに対応する複数のコンテンツの中から、再生時間が所定の値と同じであるか、または所定の値より小さいものを選択する(St22)。再生部104は、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる(St23)。
【0047】
ゲーム内のオブジェクト、感知部101、感知範囲、オブジェクトに対応するコンテンツ、および再生装置については、第1の実施形態と同様であるため、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0048】
選択部103Bは、オブジェクトに対応する複数のコンテンツの中から、再生時間が所定の値と同じであるか、または所定の値より小さいものを選択する。所定の値の具体的な決定方法については特に限定はしないが、例えば、オブジェクトについての再生時間の平均値よりも小さい値を所定の値としてよい。これにより選択部103Bは、オブジェクトについて再生時間が比較的少ないコンテンツを選択することになる。そのため、複数のコンテンツがオブジェクトに対して設定されている場合に、ユーザに対してバランスよく複数のコンテンツを再生することができる。
【0049】
また、選択部103Bは、オブジェクトに対応する複数のコンテンツの中から、再生時間が最も小さいものを選択してもよい。この場合、前述の最も小さい再生時間を、所定の値としてもよい。
【0050】
第2の実施形態の一側面として、プレイヤがゲームをプレイする際に、再生時間が比較的少ないコンテンツを選択して再生装置に再生させることができる。これにより、複数のコンテンツがオブジェクトに対して設定されている場合に、ユーザに対してバランス良く複数のコンテンツを再生することができる。
【0051】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の概要について説明をする。以下では、第3の実施形態として、コンテンツ再生制御システムを例示して説明する。
【0052】
図6は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理システム100Aの構成の例を示すブロック図である。コンテンツ再生制御システムの一例であるゲーム処理システム100Aは、ゲーム処理サーバ10(サーバ10)と、ゲーム処理システム100Aのユーザ(ゲームのプレイヤ等)が使用するユーザ端末20とを備える。ユーザ端末20A、20B、および20Cはそれぞれ、ユーザ端末20の一例である。ゲーム処理システム100Aの構成はこれに限定されない。例えば、ゲーム処理システム100Aは、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成であってよい。ゲーム処理システム100Aが複数のサーバを備えてもよい。なお、ゲームはビデオゲームであってよく、XR技術を用いた現実空間を活用するゲームなどであってもよい。
【0053】
サーバ10とユーザ端末20は、コンピュータの一例である。サーバ10とユーザ端末20は、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に通信可能に接続されている。通信ネットワーク30とサーバ10との間の接続、および通信ネットワーク30とユーザ端末20との間の接続は有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、ユーザ端末20は、通信事業者が管理する基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことにより、通信ネットワーク30と接続してよい。
【0054】
ゲーム処理システム100Aは、サーバ10とユーザ端末20とを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0055】
サーバ10はゲームの進行を制御する。サーバ10はプレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御してよい。サーバ10は、ゲーム処理システム100Aの管理者によって管理され、複数のユーザ端末20に対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。
【0056】
サーバ10は、プロセッサ11と、メモリ12と、記憶装置13とを備える。プロセッサ11は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、メモリ12に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ11にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置13に記憶させる。
【0057】
記憶装置13は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置13の構成は特に限定されないが、ユーザ端末20にかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ゲーム処理システム100Aにて行われる制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶装置は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0058】
サーバ10は、ゲーム画像をレンダリング可能なゲームサーバなどの情報処理装置によって構成されてよい。
【0059】
ユーザ端末20はユーザによって管理され、ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。ネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末の例として、例えば携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム装置、VRゴーグル、ARグラス、スマートグラス、ARコンタクト、所謂ウェアラブルデバイスなどがある。ゲーム処理システム100Aが含み得るユーザ端末の構成はこれらに限定されず、ユーザが合成画像、音声または振動などのゲームに係る情報を認識し得る構成であればよい。ユーザ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0060】
ユーザ端末20は、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)およびソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20のそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0061】
ユーザ端末20は表示装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して、表示装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。なお、表示装置は極めて一般的な構成であるため、ここでは図示を省略している。ゲーム画面は例えば、前述の合成画像として表示装置によって表示され、ユーザがこの合成画像を認識する。ゲーム画面は例えば、ユーザ端末が備える表示装置の一例であるディスプレイや、ユーザ端末と接続された表示装置の一例であるディスプレイに表示される。表示装置には、例えば、ホログラム表示が可能なホログラムディスプレイ装置や、画像(ゲーム画面を含む)をスクリーン等に映写する映写装置、XR表示を行う装置なども含まれる。XRには、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)、およびSR(Substitutional Reality)などが含まれる。
【0062】
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、記憶装置23とを備える。プロセッサ21は、例えば、各種の演算および制御を行うCPU(Central Processing Unit)等の中央処理装置である。また、ユーザ端末20がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。ユーザ端末20は、メモリ22に読み出したデータを用いて各種の情報処理をプロセッサ21にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置23に記憶させる。記憶装置23は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。
【0063】
ユーザ端末20には入力装置が内蔵されていてよい。また、ユーザ端末20に対して入力装置が無線接続あるいは有線接続されていてもよい。入力装置はユーザによる操作入力を受け付ける。ユーザによる操作入力に応じて、サーバ10が備えるプロセッサまたはユーザ端末20が備えるプロセッサが、各種の制御処理を実行する。入力装置の例として、携帯電話端末が備えるタッチパネル画面、キーボード、マウス、ゲームパッド、ジョイスティック、その他のコントローラなどがある。また、ユーザ端末20に内蔵またはこれと接続されたカメラも入力装置に相当し得る。ユーザはカメラの前で手を動かす等のジェスチャーにより、操作入力を行う(ジェスチャー入力)。
【0064】
その他、ユーザ端末20はスピーカ等の他の出力装置を備えていてよい。他の出力装置は、ユーザに対して音声や振動、その他の各種の情報を出力する。
【0065】
図7は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御システムの構成を示すブロック図である。コンテンツ再生制御システムの一例であるゲーム処理システム100Aは、感知部501と、記録部502と、選択部503と、再生部504とを少なくとも備える。ゲーム処理システム100Aが備える一つ以上のプロセッサは、ゲーム処理システム100Aが備える一つ以上の記憶装置に保持されたコンテンツ再生制御プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、感知部501と、記録部502と、選択部503と、再生部504とを機能的に実現する。
【0066】
感知部501は、ゲーム内のオブジェクトを感知する機能を有する。記録部502は、感知部501による感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する機能を有する。選択部503は、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する機能を有する。再生部504は、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる機能を有する。
【0067】
次に、本発明の第3の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。
図8は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0068】
記録部502は、感知部501による感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する(St31)。選択部503は、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する(St32)。再生部504は、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる(St33)。
【0069】
ゲーム内のオブジェクトとは、ゲームに登場するオブジェクトを意味する。オブジェクトは、プレイヤキャラクタ(PC)またはノンプレイヤキャラクタ(NPC)であってよい。ノンプレイヤキャラクタは敵キャラクタ等を含む。また、オブジェクトは、乗り物オブジェクト、アイテムオブジェクト、建物オブジェクト、背景オブジェクトなどの、キャラクタ以外のオブジェクトであってもよい。
【0070】
感知部501は、ゲームに対して配置され、ゲーム内のオブジェクトを感知する。例えば、オブジェクトの画像を取得する機能を有する仮想カメラ等が、感知部501に該当する。オブジェクトが発する音声を感知する仮想マイクもまた、感知部501に該当する。その他、オブジェクトが発する熱、振動等を感知する仮想的なセンサもまた、感知部501に該当する。感知部501は、ゲームをプレイするユーザの知覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚など)に対応する。
【0071】
なお、現実空間を活用したゲームの場合、ゲーム内オブジェクトは現実空間に存在することがある。この場合の感知部501は、現実空間に存在するカメラ、マイク、または各種のセンサなどの感知装置であってもよい。また、感知部501は、感知装置が行う情報処理を制御する制御装置であってもよい。感知装置または制御装置は、サーバ10またはユーザ端末20に内蔵されてよい。感知装置または制御装置は、サーバ10またはユーザ端末20と通信可能に接続されてもよい。
【0072】
感知範囲とは、感知部501がゲーム内のオブジェクトを感知できる範囲のことを言う。例えば感知部501が仮想カメラである場合、仮想カメラに映りこむ範囲(画角など)が、感知範囲に相当する。感知部501が仮想マイクである場合、仮想マイクが収音可能な範囲が感知範囲に相当する。
【0073】
オブジェクトに対応するコンテンツとは、オブジェクトに対して設定されたコンテンツを意味する。例えば、オブジェクトに設定された一以上のアニメーションまたはモーション、エフェクト、音声、コントローラの振動態様を制御する振動情報などが、オブジェクトに対応するコンテンツに該当する。
【0074】
再生装置は、選択されたコンテンツを再生することが可能な装置を意味する。例えば選択されたコンテンツが、オブジェクトに設定されたアニメーションまたはエフェクトである場合は、このアニメーションまたはエフェクトを表示可能な表示装置が再生装置に該当する。選択されたコンテンツが、オブジェクトに設定された音声である場合は、この音声を出力可能なスピーカなどの音声出力装置が再生装置に該当する。選択されたコンテンツが、上述の振動情報である場合は、振動機能を有するゲームパッド等が再生装置に該当する。なお、再生装置が配置されている場所については特に限定しない。例えば、再生装置がユーザ端末20に内蔵またはこれと一体化されていていてよい。再生装置がサーバ10またはユーザ端末20と通信可能に接続されていてもよい。
【0075】
第3の実施形態の一側面として、プレイヤがゲームをプレイする際に、ゲーム内のオブジェクトが多様な表現を行うようなコンテンツ再生制御を実現することができる。
【0076】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の概要について説明をする。以下では、第4の実施形態として、ユーザ端末において実行されるコンテンツ再生制御プログラムを例示して説明する。なお、ユーザ端末20Xは、
図1または
図6に示された複数のユーザ端末20、20A~20Cのうちのいずれかであってよい。
【0077】
図9は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するユーザ端末20Xの構成を示すブロック図である。ユーザ端末20Xは、感知部201と、記録部202と、選択部203と、再生部204とを少なくとも備える。ユーザ端末20Xが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたコンテンツ再生制御プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、感知部201と、記録部202と、選択部203と、再生部204とを機能的に実現する。
【0078】
感知部201は、ゲーム内のオブジェクトを感知する機能を有する。記録部202は、感知部201による感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する機能を有する。選択部203は、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する機能を有する。再生部204は、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる機能を有する。
【0079】
次に、本発明の第4の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。
図10は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0080】
記録部202は、感知部201による感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する(St41)。選択部203は、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する(St42)。再生部104は、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる(St43)。
【0081】
ゲーム内のオブジェクトとは、ゲームに登場するオブジェクトを意味する。オブジェクトは、プレイヤキャラクタ(PC)またはノンプレイヤキャラクタ(NPC)であってよい。ノンプレイヤキャラクタは敵キャラクタ等を含む。また、オブジェクトは、乗り物オブジェクト、アイテムオブジェクト、建物オブジェクト、背景オブジェクトなどの、キャラクタ以外のオブジェクトであってもよい。
【0082】
感知部201はゲームに対して配置され、ゲーム内のオブジェクトを感知する。例えば、オブジェクトの画像を取得する機能を有する仮想カメラ等が、感知部201に該当する。オブジェクトが発する音声を感知する仮想マイクもまた、感知部201に該当する。その他、オブジェクトが発する熱、振動等を感知する仮想的なセンサもまた、感知部201に該当する。感知部201は、ゲームをプレイするユーザの知覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚など)に対応する。
【0083】
なお、現実空間を活用したゲームの場合、ゲーム内オブジェクトは現実空間に存在することがある。この場合の感知部201は、現実空間に存在するカメラ、マイク、または各種のセンサなどの感知装置であってもよい。また、感知部201は、感知装置が行う情報処理を制御する制御装置であってもよい。感知装置または制御装置は、サーバ10またはユーザ端末20Xに内蔵されてよい。感知装置または制御装置は、サーバ10またはユーザ端末20Xと通信可能に接続されてもよい。
【0084】
感知範囲とは、感知部201がゲーム内のオブジェクトを感知できる範囲のことを言う。例えば感知部201が仮想カメラである場合、仮想カメラに映りこむ範囲(画角など)が、感知範囲に相当する。感知部201が仮想マイクである場合、仮想マイクが収音可能な範囲が感知範囲に相当する。
【0085】
オブジェクトに対応するコンテンツとは、オブジェクトに対して設定されたコンテンツを意味する。例えば、オブジェクトに設定された一以上のアニメーションまたはモーション、エフェクト、音声、コントローラの振動態様を制御する振動情報などが、オブジェクトに対応するコンテンツに該当する。
【0086】
再生装置は、選択されたコンテンツを再生することが可能な装置を意味する。例えば選択されたコンテンツが、オブジェクトに設定されたアニメーションまたはエフェクトである場合は、このアニメーションまたはエフェクトを表示可能な表示装置が再生装置に該当する。選択されたコンテンツが、オブジェクトに設定された音声である場合は、この音声を出力可能なスピーカなどの音声出力装置が再生装置に該当する。選択されたコンテンツが、上述の振動情報である場合は、振動機能を有するゲームパッド等が再生装置に該当する。なお、再生装置が配置されている場所については特に限定しない。例えば、再生装置がユーザ端末20Xに内蔵またはこれと一体化されていていてよい。再生装置がサーバ10またはユーザ端末20Xと通信可能に接続されていてもよい。
【0087】
第4の実施形態の一側面として、プレイヤがゲームをプレイする際に、ゲーム内のオブジェクトが多様な表現を行うようなコンテンツ再生制御を実現することができる。
【0088】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態の概要について説明をする。以下では、第5の実施形態として、サーバにおいて実行されるコンテンツ再生制御プログラムを例示して説明する。なお、サーバは、
図1または
図6に記載のサーバ10であってよい。
【0089】
図11は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。サーバ10の構成の例であるサーバ10Zは、感知部101Zと、記録部102Zと、選択部103Zと、再生部104Zとを少なくとも備える。サーバ10Zが備えるプロセッサは、記憶装置に保持されたコンテンツ再生制御プログラムを参照し、そのプログラムを実行することにより、感知部101Zと、記録部102Zと、選択部103Zと、再生部104Zとを機能的に実現する。
【0090】
感知部101Zは、ゲーム内のオブジェクトを感知する機能を有する。記録部102Zは、感知部101Zによる感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する機能を有する。選択部103Zは、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する機能を有する。再生部104Zは、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる機能を有する。
【0091】
次に、本発明の第5の実施形態におけるプログラム実行処理について説明する。
図12は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示すフローチャートである。
【0092】
記録部102Zは、感知部101Zによる感知範囲に入り込んだオブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する(St51)。選択部103Zは、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する(St52)。再生部104Zは、選択されたコンテンツを再生装置に再生させる(St53)。
【0093】
ゲーム内のオブジェクトとは、ゲームに登場するオブジェクトを意味する。オブジェクトは、プレイヤキャラクタ(PC)またはノンプレイヤキャラクタ(NPC)であってよい。ノンプレイヤキャラクタは敵キャラクタ等を含む。また、オブジェクトは、乗り物オブジェクト、アイテムオブジェクト、建物オブジェクト、背景オブジェクトなどの、キャラクタ以外のオブジェクトであってもよい。
【0094】
感知部101Zはゲームに対して配置され、ゲーム内のオブジェクトを感知する。例えば、オブジェクトの画像を取得する機能を有する仮想カメラ等が、感知部101Zに該当する。オブジェクトが発する音声を感知する仮想マイクもまた、感知部101Zに該当する。その他、オブジェクトが発する熱、振動等を感知する仮想的なセンサもまた、感知部101Zに該当する。感知部101Zは、ゲームをプレイするユーザの知覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚など)に対応する。
【0095】
なお、現実空間を活用したゲームの場合、ゲーム内オブジェクトは現実空間に存在することがある。この場合の感知部101Zは、現実空間に存在するカメラ、マイク、または各種のセンサなどの感知装置であってもよい。また、感知部101Zは、感知装置が行う情報処理を制御する制御装置であってもよい。感知装置または制御装置は、サーバ10Zまたはユーザ端末20に内蔵されてよい。感知装置または制御装置は、サーバ10Zまたはユーザ端末20と通信可能に接続されてもよい。
【0096】
感知範囲とは、感知部101Zがゲーム内のオブジェクトを感知できる範囲のことを言う。例えば感知部101Zが仮想カメラである場合、仮想カメラに映りこむ範囲(画角など)が、感知範囲に相当する。感知部101Zが仮想マイクである場合、仮想マイクが収音可能な範囲が感知範囲に該当する。
【0097】
オブジェクトに対応するコンテンツとは、オブジェクトに対して設定されたコンテンツを意味する。例えば、オブジェクトに設定された一以上のアニメーションまたはモーション、エフェクト、音声、コントローラの振動態様を制御する振動情報などが、オブジェクトに対応するコンテンツに該当する。
【0098】
再生装置は、選択されたコンテンツを再生することが可能な装置を意味する。例えば選択されたコンテンツが、オブジェクトに設定されたアニメーションまたはエフェクトである場合は、このアニメーションまたはエフェクトを表示可能な表示装置が再生装置に該当する。選択されたコンテンツが、オブジェクトに設定された音声である場合は、この音声を出力可能なスピーカなどの音声出力装置が再生装置に該当する。選択されたコンテンツが、上述の振動情報である場合は、振動機能を有するゲームパッド等が再生装置に該当する。なお、再生装置が配置されている場所については特に限定しない。例えば、再生装置がユーザ端末20に内蔵またはこれと一体化されていていてよい。再生装置がサーバ10Zまたはユーザ端末20と通信可能に接続されていてもよい。
【0099】
図13は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する、再生時間の記録例を示す概念図である。
【0100】
上述のように、記録部102Zはコンテンツの再生時間をオブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する。
図13は、一つのオブジェクトに対して設定されたコンテンツである、アニメーションの再生時間についての記録例を示している。なお、オブジェクトが属するグループに対して、再生時間を記録してもよい。記録対象となる再生時間はアニメーションの再生時間には限られない。
【0101】
再生時間の記録データは、例えばサーバ10Zのメモリ12または記憶装置13等に記憶される。ただし、サーバ10Zからみた外部記憶装置に記録データが記憶されてもよい。例えば、サーバ10Zに直接接続された記憶装置や、通信ネットワークを経由してサーバ10と通信可能に接続された記憶装置などに、記録データが記憶されてよい。
【0102】
一つのオブジェクトに対して、記録データは、アニメーションIDと再生時間との2つのデータ項目を有する。なお、記録データがデータ項目として、オブジェクトを識別するためのオブジェクトIDや、オブジェクトが属するグループを識別するためのオブジェクトグループID等をさらに有していてもよいことは、当業者であれば容易に理解できる。
【0103】
アニメーションIDは、オブジェクトに対して設定するアニメーションの内容を識別するためのIDである。具体例を示すと、アニメーションID=0は、オブジェクトが笑うアニメーションである。アニメーションID=1は、オブジェクトが退屈そうに足を組むアニメーションである。アニメーションID=2は、オブジェクトが他のオブジェクトと会話をするアニメーションである。アニメーションID=3は、オブジェクトが考え事をしながら歩き回るアニメーションである。アニメーションID=4は、オブジェクトがプレイヤキャラクタの方を見るアニメーションである。これらはあくまで一例であり、当業者はアニメーションIDとアニメーションの内容を適宜設定することができる。
【0104】
記録データとして記録されているアニメーションIDは常に固定である必要はない。例えば、プレイヤキャラクタがゲーム内の街Aに移動した場合にはアニメーションID=0、1、2が有効であり、プレイヤキャラクタがゲーム内の街Bに移動した場合にはアニメーションID=3、4、5が有効である、などのように、ゲーム内の各種の状況に応じて記録データを動的に変更することができる。もしくは、アニメーションIDの有効または無効を示すフラグを、記録データのデータ項目としてさらに含めるようにしてもよい。
【0105】
記録データに含まれるデータ項目である再生時間は、アニメーションIDに対応するアニメーションが、ユーザが感知し得るような状態で再生された時間の累積時間を示している。当業者は、累積時間をゼロにリセットするタイミングを、ゲームの内容や状況により適宜設定することができる。
【0106】
図14は、本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するコンテンツ再生制御プログラムの処理例を示す概念図である。
【0107】
プレイヤはゲーム内のプレイヤキャラクタを操作する。プレイヤによる操作に応じて、カメラCAMの位置または方向が変わる。カメラCAMは、本実施の形態ではゲーム内に配置された仮想カメラである。図中の参照符号A1は、カメラCAMの感知範囲を示している。カメラCAMはズーム機能を有していてもよい。カメラCAMは感知部101Zに相当する。なお、現実世界を活用したゲームの場合、カメラCAMは現実のカメラであってもよい。
【0108】
ゲームの進行に応じて、カメラCAMだけでなく、ゲーム内のオブジェクトOBJもまた移動することがある。本実施の形態におけるオブジェクトOBJはゲームに登場するモブキャラクタである。ただし、オブジェクトOBJの種類は、モブキャラクタには限定しない。
【0109】
図14に示されているように、オブジェクトOBJが、感知部101ZであるカメラCAMによる感知範囲A1に入り込んだ。選択部103Zは、オブジェクトOBJについて再生すべきアニメーションIDを選択して、選択されたアニメーションIDに対応するアニメーションをオブジェクトOBJに割り当てる。
【0110】
アニメーションが割り当てられたオブジェクトOBJは、アニメーション動作を行う。例えばアニメーションID=0のアニメーションが割り当てられたオブジェクトOBJは、笑う動作を行う。オブジェクトOBJの動作制御はサーバ10Zが備えるプロセッサ11が行ってよい。
【0111】
記録部102Zは、感知部101Zによる感知範囲に入り込んだオブジェクトOBJに対応するアニメーションの再生時間を、オブジェクトまたはオブジェクトが属するグループごとに記録する(St51)。再生時間の記録タイミングは、オブジェクトOBJが感知部101Zの感知範囲の外に出た時であってよいが、他のタイミングであってもよい。例えば記録部102Zは、アニメーションの再生中に、所定の時間間隔で再生時間を自動記録してもよい。記録部102Zは、アニメーションの再生終了時に再生時間を自動記録してもよい。記録部102Zは、これら以外のタイミングで再生時間を記録してもよい。
【0112】
なお、記録部102Zは、再生時間の累積値を記録してよい。例えば、あるアニメーションIDについての現時点でのアニメーションの累積再生時間が10秒であって、そこからさらに5秒、そのアニメーションIDについてのアニメーションが再生された場合は、10+5=15秒と記録してよい。
【0113】
オブジェクトOBJが感知部101Zによる感知範囲に再び入り込んだ際に、選択部103Zは、記録されている再生時間に応じた所定の基準に基づいて、オブジェクトについてのコンテンツを選択する(St52)。
【0114】
選択部103Zが用いる所定の基準として、種々のものが考えられる。例えば所定の基準は、再生時間が所定の値と同じであるか、または所定の値より小さいものを選択するという基準であってよい。所定の値の具体的な決定方法については特に限定はしないが、例えば、オブジェクトについての再生時間の平均値よりも小さい値を所定の値としてよい。これにより選択部103Zは、オブジェクトについて再生時間が比較的少ないコンテンツを選択することになる。そのため、複数のコンテンツがオブジェクトに対して設定されている場合に、ユーザに対してバランスよく複数のコンテンツを再生することができる。
【0115】
図13に示した例においては、アニメーションID=0~4について、あるオブジェクトについての再生時間の平均値は(20+0+25+17+3)/5=13であるから、所定の値を13秒と設定する。選択部103Zは、再生時間が13秒以下となっているアニメーションID=1もしくはアニメーションID=4を選択する。なお、複数の選択候補がある場合に選択部103ZがどのアニメーションIDを選択するかは、ゲームの内容や状況に応じて当業者が適宜設定してよい。
【0116】
また、選択部103Zは、オブジェクトに対応する複数のコンテンツの中から、再生時間が最も小さいものを選択してもよい。この場合、前述の最も小さい再生時間を、所定の値としてもよい。
図13に示した例においては、アニメーションID=0~4に係るアニメーションの中から、再生時間が最も小さいアニメーションID=1(再生時間は0秒)を選択する。
【0117】
なお、再生時間が0秒であるアニメーションIDが複数ある場合も考えられる。特にゲームの開始時点や再生時間をリセットした直後においては、すべてのアニメーションIDについての再生時間が0秒となる。このような場合に選択部103ZがどのアニメーションIDを選択するかは、ゲームの内容や状況に応じて当業者が適宜設定してよい。
【0118】
所定の基準を上述のように定めることにより、プレイヤがゲームをプレイする際に、再生時間が比較的少ないコンテンツを選択して再生装置に再生させることができる。これにより、複数のコンテンツがオブジェクトに対して設定されている場合に、ユーザに対してバランスよく複数のコンテンツを再生することができる。
【0119】
また、選択部103が用いる所定の基準を、記録されている再生時間に応じた選択確率として定めてもよい。例えば選択部103Zは、アニメーションID=0~4のうち、再生時間の多いにものついての選択確率を低く設定し、再生時間の少ないものについての選択確率を高く設定する。そして選択部103Zは、設定された選択確率に基づいて、オブジェクトOBJについてのコンテンツであるアニメーションを選択する(ステップSt52)。
【0120】
所定の基準を上述のように定めることにより、再生時間が少ないコンテンツほど、より高い確率で再生対象として選択されるようにすることができる。したがって、複数のコンテンツがオブジェクトに対して設定されている場合に、ユーザに対してバランスよく複数のコンテンツを再生することができる。
【0121】
なお、選択確率の設定方法は上記のものには限られない。例えば、アニメータを含むゲーム製作者が、アニメーションID=0のアニメーションをユーザになるべく高い頻度で見て欲しい場合、アニメーションID=0についての選択確率を高く設定することができる。これは例えば、再生時間に応じた選択確率を計算するための計算式において、アニメーションID=0について高い重み(ウェイト)を設定すればよい。これにより、再生時間に加えて、ゲーム製作者の意図にも応じたコンテンツ再生制御を行うことができる。
【0122】
記録部102Zは、再生時間を、感知範囲の基準位置とオブジェクトとの間の相対距離に基づいた重みを付けて記録する機能を有する。
【0123】
感知範囲の基準位置とは、感知部101Zがオブジェクトの感知を行う基準となる位置を意味する。例えば感知部101ZがカメラCAMに対応する場合、感知範囲の基準位置は、カメラCAMが仮想空間または現実空間で配置された位置を意味する。一人称視点のゲームにおいては、プレイヤキャラクタの位置と、感知範囲の基準位置(カメラCAMの位置)とが一致するのが通常である。一方、三人称視点のゲームにおいて、感知範囲の基準位置はカメラCAMの位置であっても、プレイヤキャラクタの位置であってもよい。感知部101ZがカメラCAM以外のマイクやセンサ等に対応する場合も、感知範囲の基準位置は上記と同様である。例えばマイクやセンサ等が仮想的にもしくは現実に配置された位置を感知範囲の基準位置としてよい。また、プレイヤキャラクタの位置を感知範囲の基準位置としてもよい。
【0124】
重みを付けて記録するとは、例えば、計測された再生時間に対して重み係数(ウェイト)を乗算した値を、記録されている再生時間に加算(累積)することなどを意味する。ただし、重み係数の乗算以外の方法で重みを付けてもよい。例えば、計測された再生時間を重み係数で除算してから、記録されている再生時間に加算(累積)してもよく、計測された再生時間に対して相対距離に応じた所定のボーナス値を加算してから、これを記録されている再生時間に加算(累積)してもよい。これら以外の方法によって重み付けを行ってもよい。
【0125】
重み付けを行う場合、感知範囲の基準位置とオブジェクトとの間の相対距離が小さいほど、計測された再生時間の値が増加するようにする。例えば、重み係数の乗算によって重み付けを行う場合、重み係数の値は、感知範囲の基準位置とオブジェクトとの間の相対距離に応じて定められる。相対距離が小さい程、重み係数の値を大きくする。
【0126】
例えば再生対象となるコンテンツがオブジェクトOBJのアニメーションである場合、オブジェクトOBJがカメラCAMまたはプレイヤキャラクタの視点から近い位置にいるほど、そのオブジェクトOBJについて再生されるアニメーションがユーザに対してより強い印象を与える。逆に、オブジェクトOBJがカメラCAMまたはプレイヤキャラクタの視点から遠い位置にいる場合は、そのオブジェクトOBJについて再生されるアニメーションはあまり目立たない。再生対象となるコンテンツがアニメーション以外のものである場合も同様に考えられる。そこで、上記のように再生時間に対して重みを付けて記録することにより、再生されるコンテンツがユーザに与える印象の強さも考慮して、多様なコンテンツをユーザに対して鑑賞させることができる。
【0127】
なお、相対距離に応じた重みの決定方法として、例えばLOD(Level of Detail)に基づいて重みが決定されてよい。
【0128】
第5の実施形態の一側面として、プレイヤがゲームをプレイする際に、ゲーム内オブジェクトが多様な表現を行うようなコンテンツ再生制御を実現することができる。
【0129】
第5の実施形態の一側面として、プレイヤがゲームをプレイする際に、再生時間が比較的少ないコンテンツを選択して再生装置に再生させることができる。これにより、複数のコンテンツがオブジェクトに対して設定されている場合に、ユーザに対してバランス良く複数のコンテンツを再生することができる。
【0130】
第5の実施形態の一側面として、再生時間が少ないコンテンツほど、より高い確率で再生対象として選択されるようにすることができる。したがって、複数のコンテンツがオブジェクトに対して設定されている場合に、ユーザに対してバランスよく複数のコンテンツを再生することができる。
【0131】
また、再生時間に加えて、ゲーム製作者の意図にも応じたコンテンツ再生制御を行うこともできる。
【0132】
第5の実施形態の一側面として、再生されるコンテンツがユーザに与える印象の強さも考慮して、多様なコンテンツをユーザに対して鑑賞させることができる。
【0133】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0134】
上述した各実施形態では、ユーザ端末20およびサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、コンテンツ再生制御プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。また、ユーザ端末20やサーバ10に限られない他のコンピュータが、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、コンテンツ再生制御プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行してもよい。
【0135】
また、ゲーム処理システム100および100Aの構成は、上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されない。例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバが実行する構成としてもよいし、サーバが実行する処理として説明した処理の一部または全部をユーザ端末が実行する構成としてもよい。また、サーバが備える記憶部(記憶装置)の一部または全部をユーザ端末が備える構成としてもよい。すなわち、ゲーム処理システム100および100Aにおける、ユーザ端末とサーバのどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0136】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0137】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するサーバに、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知機能と、
前記感知機能による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録機能と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択機能と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生機能と、
を実現させるための、コンテンツ再生制御プログラム。
[2]
前記選択機能では、前記オブジェクトに対応する複数のコンテンツの中から、再生時間が所定の値と同じであるか、または前記所定の値より小さいものを選択する機能を
実現させるための、[1]に記載のコンテンツ再生制御プログラム。
[3]
前記選択機能では、記録されている前記再生時間に応じた選択確率に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する機能を
実現させるための、[1]に記載のコンテンツ再生制御プログラム。
[4]
前記記録機能では、前記再生時間を、前記感知範囲の基準位置と前記オブジェクトとの間の相対距離に基づいた重みを付けて記録する機能を
実現させるための、[1]から[3]のうちいずれか一項に記載のコンテンツ再生制御プログラム。
[5]
[1]から[4]のうちいずれか一項に記載のコンテンツ再生制御プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのプログラム。
[6]
[1]から[4]のうちいずれか一項に記載のコンテンツ再生制御プログラムがインストールされたサーバ。
[7]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する、コンテンツ再生制御システムであって、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知手段と、
前記感知手段による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録手段と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択手段と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生手段と、を含む、
コンテンツ再生制御システム。
[8]
プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するユーザ端末に、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知機能と、
前記感知機能による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録機能と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択機能と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生機能と、
を実現させるための、コンテンツ再生制御プログラム。
[9]
[8]に記載のコンテンツ再生制御プログラムがインストールされたユーザ端末。
[10]
プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するコンピュータ装置に、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知機能と、
前記感知機能による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録機能と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択機能と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生機能と、
を実現させるための、コンテンツ再生制御プログラム。
[11]
プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御するコンピュータ装置によるコンテンツ再生制御方法であって、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知処理と、
前記感知処理による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録処理と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択処理と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生処理と、を含む、
コンテンツ再生制御方法。
[12]
プレイヤの操作に応じてゲームの進行を制御する、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるシステムによるコンテンツ再生制御方法であって、
前記ゲーム内のオブジェクトを感知する感知処理と、
前記感知処理による感知範囲に入り込んだ前記オブジェクトに対応する一以上のコンテンツの再生時間を、前記オブジェクトまたは前記オブジェクトが属するグループごとに記録する記録処理と、
記録されている前記再生時間に応じた所定の基準に基づいて、前記オブジェクトについての前記コンテンツを選択する選択処理と、
選択されたコンテンツを再生装置に再生させる再生処理と、を含む、
コンテンツ再生制御方法。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明の実施形態の一つによれば、プレイヤがゲームをプレイする際に、ゲーム内オブジェクトが多様な表現を行うようなコンテンツ再生制御プログラムおよびコンテンツ再生制御システムとして有用である。
【符号の説明】
【0139】
10、10A、10B、10Z
11 プロセッサ
12 メモリ
13 記憶装置
20、20A、20B、20C、20X
21 プロセッサ
22 メモリ
23 記憶装置
30 通信ネットワーク
100、100A ゲーム処理システム
101、101Z、201、501 感知部
102、102Z、202、502 記録部
103、103B、103Z、203、503 選択部
104、104Z、204、504 再生部