(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043838
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20230322BHJP
H02J 15/00 20060101ALI20230322BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20230322BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230322BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J15/00 D
H02J7/35 K
H02J7/00 S
H02H7/18
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120868
(22)【出願日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202111085638.6
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】511268432
【氏名又は名称】台達電子企業管理(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F&7F&8F, Building 1, No.1675, Huadong Road, Pudong, Shanghai, 201209, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】官威
(72)【発明者】
【氏名】高志光
(72)【発明者】
【氏名】陳俊
(72)【発明者】
【氏名】陸岩松
(72)【発明者】
【氏名】王長永
【テーマコード(参考)】
5G053
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G053AA01
5G053AA02
5G053BA01
5G053CA01
5G053EC01
5G053EC05
5G053FA01
5G066AA09
5G066HA13
5G066HB04
5G066HB09
5G066JA01
5G066JA13
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CC02
5G503FA17
5G503GB06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エネルギー貯蔵システムを提供する。
【解決手段】エネルギー貯蔵システム1は、電力網に電気的に接続されており、且つ、複数のバッテリークラスター11と、複数のパワーコンディショナーと、変圧器13と、集中型コントローラー14と、を備える。複数のパワーコンディショナーは、複数のバッテリークラスターの充電及び放電を制御する。各パワーコンディショナーは、対応の最大で2つのバッテリークラスターに電気的に結合されている。集中型コントローラーは、複数のパワーコンディショナー及び複数のバッテリークラスターを制御するように、複数のパワーコンディショナー及び複数のバッテリークラスターに電気的に結合されている。集中型コントローラーと複数のパワーコンディショナーは、光ファイバーを介して通信し、光ファイバーのデータ通信速度は、1Mbit/sよりも速い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵システムであって、電力網に電気的に接続され、複数のバッテリークラスターと複数のパワーコンディショナーと変圧器と集中型コントローラーとを備え、
前記複数のパワーコンディショナーは、前記複数のバッテリークラスターの充電及び放電を制御するように構成され、各パワーコンディショナーは、対応の最大で2つのバッテリークラスターに電気的に結合され、
前記変圧器の第1端部は、前記複数のパワーコンディショナーに電気的に結合され、前記変圧器の第2端部は、前記電力網に電気的に結合され、
前記集中型コントローラーは、前記複数のパワーコンディショナー及び前記複数のバッテリークラスターを制御するように、前記複数のパワーコンディショナー及び前記複数のバッテリークラスターに電気的に結合され、前記集中型コントローラーと前記複数のパワーコンディショナーとの間に、光ファイバーを介して通信し、前記光ファイバーのデータ通信速度は1Mbit/sよりも速い、ことを特徴とするエネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
前記パワーコンディショナーは、第1制御ユニットと第2制御ユニットとを備え、任意の前記パワーコンディショナーにおいて、前記第1制御ユニットは、前記パワーコンディショナーの動作情報を前記第2制御ユニットに送信し、前記第2制御ユニットは、前記動作情報を第1光ファイバー信号に変換して前記光ファイバーを介して前記第1光ファイバー信号を前記集中型コントローラーに送信し、前記集中型コントローラーは制御指令を生成して前記制御指令を第2光ファイバー信号に変換し、前記第2制御ユニットは、前記光ファイバーを介して、前記集中型コントローラーから前記第2光ファイバー信号を受信して前記第2光ファイバー信号を前記制御指令に変換して前記第1制御ユニットに送信し、前記第1制御ユニットは、前記制御指令に従って前記パワーコンディショナーを制御する、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
任意の前記パワーコンディショナーにおいて、前記第1制御ユニットと前記第2制御ユニットとの間は、パラレルポート通信方式で通信し、且つ前記パラレルポート通信方式のデータ通信速度は1Mbit/sよりも速い、ことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記集中型コントローラーは、第3制御ユニットと第4制御ユニットとを備え、前記集中型コントローラー及び任意の前記パワーコンディショナーにおいて、前記第3制御ユニットは、前記光ファイバーを介して、前記第2制御ユニットから前記第1光ファイバー信号を受信し、前記第1光ファイバー信号を前記動作情報に変換して前記第4制御ユニットに送信し、前記第4制御ユニットは、前記制御指令を生成して前記第3制御ユニットに送信し、前記第3制御ユニットは、前記制御指令を前記第2光ファイバー信号に変換し、前記光ファイバーを介して前記第2制御ユニットに送信する、ことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記集中型コントローラーの前記第3制御ユニットと前記第4制御ユニットとは、パラレルポート通信方式で通信し、且つ前記パラレルポート通信方式のデータ通信速度は1Mbit/sよりも速い、ことを特徴とする請求項4に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
前記複数のパワーコンディショナーに電気的に結合される前記複数のバッテリークラスターの電圧が完全に等しくない、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
各前記パワーコンディショナーは、対応の2つの前記バッテリークラスターに電気的に結合され、且つ2つのDC端部を有し、前記2つのDC端部は、それぞれ、対応の2つの前記バッテリークラスターに電気的に結合される、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
各前記バッテリークラスターは保護スイッチを備え、前記保護スイッチは、前記バッテリークラスターにおける複数のバッテリーモジュールと対応の前記パワーコンディショナーとの間に電気的に結合され、且つ前記保護スイッチは過電流保護機能を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
少なくとも1つのACスイッチをさらに備え、前記ACスイッチの第1端部は、対応の複数の前記パワーコンディショナーに電気的に結合され、前記ACスイッチの第2端部は、前記変圧器の前記第1端部に電気的に結合される、ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵システムは、複数の前記ACスイッチを備え、且つ複数の前記ACスイッチに電気的に結合される前記パワーコンディショナーの個数は異なる、ことを特徴とする請求項9に記載のエネルギー貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力及び電気技術分野に属し、特にエネルギー貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、エネルギーの需要も高まっている。炭素排出量を可能な限り削減しながらエネルギー需要を満たすためには、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー源を大規模に利用する必要がある。しかし、再生可能エネルギーは出力が不安定であるという特徴があり、風力発電が弱い場合や太陽光が不足している場合など、対応する風力発電や太陽光発電では安定してエネルギーを出力できないという問題がある。また、再生可能エネルギーの不安定な出力が電力網の安全な運用に影響を与えるのを防ぐために、エネルギー貯蔵システム(ESS,energy storage system)を使用して、電力網のピークおよび周波数変調を実行し、電力網を安定させる必要がある。
【0003】
既存のエネルギー貯蔵システムでは、通常、複数のバッテリークラスターが並列に接続され、単一の高電力パワーコンディショナー(PCS,power conditioning system)がバッテリークラスターによって提供されるDC電流をAC電流に変換した後、AC電流を電力網に出力する。ただし、複数のバッテリークラスターを並列に接続すると、各バッテリークラスターのバッテリーの内部抵抗や不均一な特性により、バッテリークラスター間の環電流、バッテリー容量の不足、バッテリーの過剰な短絡電流などの問題が発生する。これは、エネルギー貯蔵システム全体の使用可能容量、使用安全性、耐用年数、効率などに影響を与える。
【0004】
したがって、上記の既知の技術を改善することができるエネルギー貯蔵システムをどのように開発するかは、実際には緊急且つ必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、エネルギー貯蔵システムを提供することである。各パワーコンディショナーは、最大で2つのバッテリークラスターに電気的に結合されており、あまりにも多くのバッテリークラスターが並列に接続された後、各バッテリークラスターにおけるバッテリーの内部抵抗又は不均一な特性により、バッテリー間の環電流が形成され、バッテリー容量を十分に活用できず、またバッテリーの短絡電流が大きすぎるなどの問題を回避でき、エネルギー貯蔵システムの使用安全性、使用可能容量、耐用年数及び効率を向上させることができ、エネルギー貯蔵システムのモジュール化及び拡張性を実現するのに有益である。また、各パワーコンディショナーと集中型コントローラーとの間は、光ファイバーを介して通信し、光ファイバーの高速データ通信速度により、通信遅延を低減でき、usレベルに制御可能となるので、エネルギー貯蔵システムの全体的な応答時間を改善し、応答時間を短縮することができる。
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、電力網に電気的に接続され、且つ複数のバッテリークラスターと複数のパワーコンディショナーと変圧器と集中型コントローラーとを備える、エネルギー貯蔵システムを提供する。複数のパワーコンディショナーは、複数のバッテリークラスターの充電及び放電を制御するように構成され、各パワーコンディショナーは、対応の最大で2つのバッテリークラスターに電気的に結合される。変圧器の第1端部は、複数のパワーコンディショナーに電気的に結合され、変圧器の第2端部は、電力網に電気的に結合される。集中型コントローラーは、複数のパワーコンディショナー及び複数のバッテリークラスターに電気的に結合され、複数のパワーコンディショナー及び複数のバッテリークラスターを制御し、集中型コントローラーと複数のパワーコンディショナーとの間は、光ファイバーを介して通信し、光ファイバーのデータ通信速度は1Mbit/sよりも速い。
【発明の効果】
【0007】
本発明の有利な効果は以下である。本発明は、エネルギー貯蔵システムを提供しており、各パワーコンディショナーは、最大で2つのバッテリークラスターに電気的に結合され、あまりにも多くのバッテリークラスターが並列に接続された後、各バッテリークラスターにおけるバッテリーの内部抵抗又は不均一な特性により形成されたバッテリー間の環電流、バッテリー容量を十分に活用できず、又はバッテリーの短絡電流が大きすぎるなどの問題を回避でき、エネルギー貯蔵システムの使用安全性、使用可能容量、耐用年数及び効率を向上させることができる。また、従来のエネルギー貯蔵システムと比較して、本発明では、複数の低電力パワーコンディショナーで高電力パワーコンディショナーを置き換え、エネルギー貯蔵システムのモジュール化及び拡張性を実現するのに有益である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるエネルギー貯蔵システムの構造概念図である。
【
図2】本発明の第2実施形態におけるエネルギー貯蔵システムの構造概念図である。
【
図3】本発明の第3実施形態におけるエネルギー貯蔵システムの構造概念図である。
【符号の説明】
【0009】
1:エネルギー貯蔵システム
2:電力網
11:バッテリークラスター
12:パワーコンディショナー
121:第1制御ユニット
122:第2制御ユニット
13:変圧器
14:集中型コントローラー
141:第3制御ユニット
142:第4制御ユニット
1a:エネルギー貯蔵システム
111:保護スイッチ
1b:エネルギー貯蔵システム
Q1、Qm:ACスイッチ
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴及び利点を具体化するいくつかの典型的な実施形態は、以下の説明において詳細に説明される。本発明は、さまざまな方法で変更を加えることができ、そのすべてが本発明の範囲から逸脱することはなく、その中の説明及び図は、本発明を制限するものではなく、本質的に説明として使用されることを留意されたい。
【0011】
図1は、本発明の第1実施形態におけるエネルギー貯蔵システム1の構造概念図である。
図1に示すように、本発明のエネルギー貯蔵システム1は、電力網2に電気的に接続されており、複数のバッテリークラスター11と複数のパワーコンディショナー12と変圧器13と集中型コントローラー14とを備えている。エネルギー貯蔵システム1は、電力網2から電気エネルギーを受け取ることができ、受け取った電気エネルギーは、変圧器13によって変換され、各バッテリークラスター11に貯蔵される。エネルギー貯蔵システム1は、そのバッテリークラスター11から電気エネルギーを供給することもでき、供給された電気エネルギーは、変圧器13によって変換された後、電力網2に出力され、電力網2を安定させることができる。また、エネルギー貯蔵システム1は、パワーコンディショナー12によって、電力網2のピーク抑制及び周波数変調、並びに動的電圧サポート(dynamic voltage support)などの機能を実現することができる。
【0012】
前記複数のパワーコンディショナー12は、前記複数のバッテリークラスター11の充電及び放電を制御するように構成され、各パワーコンディショナー12は、対応の最大で2つのバッテリークラスター11に電気的に結合されている。本実施形態では、各パワーコンディショナー12は、対応の1つのバッテリークラスター11に電気的に結合されているが、実際には、これに限定されない。他の実施形態では、各パワーコンディショナー12は、対応の2つのバッテリークラスター11に電気的に結合されても良い。なお、各バッテリークラスター11の電圧は、対応のパワーコンディショナー12で調整可能であり、異なるパワーコンディショナー12に電気的に結合されたバッテリークラスター11の電圧は、互いに影響を及ぼさないことに留意されたい。従って、異なるパワーコンディショナー12に電気的に結合されたバッテリークラスター11の電圧は、等しくても等しくなくてもよく、結果として、エネルギー貯蔵システム1の適合性の改善を実現することができる。
【0013】
ある実施形態では、各バッテリークラスター11は、直列または並列に電気的に接続された複数のバッテリーモジュール1~バッテリーモジュールnを備え、ここでは、nが1よりも大きい整数である。各バッテリーモジュールは、複数のバッテリーを備える。また、バッテリークラスター11に備えたバッテリーの種類は、特に限定されないが、例えば、リチウムバッテリー、鉛バッテリー、又はニッケル系バッテリーなどを含み、且つ、異なるバッテリークラスター11は、同じまたは異なるバッテリーの種類を使用しても良い。なお、本発明はこれに限定されない。
【0014】
変圧器13の第1端部は、すべてのパワーコンディショナー12に電気的に結合されており、具体的には、すべてのパワーコンディショナー12のAC端部が並列に接続された後、変圧器13の第1端部に電気的に結合されている。変圧器13の第2端部は、電力網2に電気的に結合されている。変圧器13の第1端部及び第2端部は、それぞれ、変圧器13の一次側及び二次側であるが、二次側及び一次側を交換して電気的に結合されても良い。
【0015】
集中型コントローラー14は、すべてのパワーコンディショナー12及びバッテリークラスター11に結合されて、すべてのパワーコンディショナー12及びバッテリークラスター11を制御することができる。また、エネルギー貯蔵システムの応答速度に対する通信遅延の影響を最小限にするために、集中型コントローラー14は、データ通信速度が1Mbit/sよりも速い光ファイバーを介して各パワーコンディショナー12と通信する。
【0016】
各パワーコンディショナー12が最大で2つのバッテリークラスター11に電気的に結合されているので、あまりにも多くのバッテリークラスター11が並列に接続された後、各バッテリークラスター11におけるバッテリーの内部抵抗又は特性によってバッテリークラスター間の環電流を形成することと、バッテリー容量の不足、及びバッテリーの短絡電流が大きすぎるなどの問題を回避でき、エネルギー貯蔵システム1の使用可能容量、使用の安全性、使用寿命及び効率などを向上させることができる。また、各パワーコンディショナー12は、光ファイバーを介して集中型コントローラー14と通信しており、光ファイバーの高速データ通信速度により、通信遅延を効果的に低減し、エネルギー貯蔵システム1の全体的な電力応答時間を短縮することができる。
【0017】
ある実施形態では、各パワーコンディショナー12は、第1制御ユニット121と第2制御ユニット122とを備え、第1制御ユニット121は、対応のパワーコンディショナー12内部のアルゴリズム制御、論理的管理の実行及び内部動作情報の収集及び記録などに構成され、第2制御ユニット122は、第1制御ユニット121及び集中型コントローラー14と通信し、保護ロジックの処理、信号変換の実行及び光ファイバー信号の受送信などに構成されている。任意のパワーコンディショナー12では、第1制御ユニット121は、パワーコンディショナー12の動作情報を第2制御ユニット122に送信し、第2制御ユニット122は、動作情報を第1光ファイバー信号に変換して光ファイバーを介して第1光ファイバー信号を集中型コントローラー14に送信する。集中型コントローラー14は、制御指令を生成し、制御指令を第2光ファイバー信号に変換する。第2制御ユニット122は、光ファイバーを介して、集中型コントローラー14から第2光ファイバー信号を受信し、第2光ファイバー信号を制御指令に変換して第1制御ユニット121に送信する。第1制御ユニット121は、制御指令に従って、対応のパワーコンディショナー12を制御する。ある実施形態では、同じパワーコンディショナー12における第1制御ユニット121及び第2制御ユニット122は、パラレルポート通信方式で通信し、パラレルポート通信方式のデータ通信速度は1Mbit/sよりも速い。
【0018】
ある実施形態では、集中型コントローラー14は、第3制御ユニット141と第4制御ユニット142とを備え、第4制御ユニット142は、すべてのパワーコンディショナー12の動作情報を収集して各パワーコンディショナー12の制御指令を形成するように構成され、第3制御ユニット141は、第4制御ユニット142及び各パワーコンディショナー12の第2制御ユニット122と通信し、信号変換の実行及び光ファイバー信号の受送信のために構成されている。集中型コントローラー14及び任意のパワーコンディショナー12において、第3制御ユニット141は、光ファイバーを介して第2制御ユニット122から第1光ファイバー信号を受信し、第1光ファイバー信号をパワーコンディショナー12の動作情報に変換して第4制御ユニット142に送信する。第4制御ユニット142は、制御指令を生成して第3制御ユニット141に送信し、第3制御ユニット141は、当該制御指令を第2光ファイバー信号に変換して光ファイバーを介して当該第2制御ユニット122に送信する。ある実施形態では、同じ集中型コントローラー14における第3制御ユニット141及び第4制御ユニット142は、パラレルポート通信方式で通信し、パラレルポート通信方式のデータ通信速度は1Mbit/sよりも速い。
【0019】
さらに、ある実施形態では、集中型コントローラー14と各バッテリークラスター11との間、及び、パワーコンディショナー12とそれに対応するバッテリークラスター11との間は、互いに通信できる。具体的な通信方法は、例えば、光ファイバー、CAN、又はLINなどであるが、これらに限定されない。
【0020】
図2は、本発明の第2実施形態におけるエネルギー貯蔵システムの構造概念図である。
図1及び
図2では、同じ構造及び機能を有する構成要素は、同じ参照番号で表されており、その詳細について省略する。
図1と比較して、
図2に示す実施形態では、エネルギー貯蔵システム1aの各パワーコンディショナー12は、対応の2つのバッテリークラスター11に電気的に結合されており、且つ各パワーコンディショナー12は、2つのDC端部を有する。パワーコンディショナー12の2つのDC端部は、それぞれ、対応の2つのバッテリークラスター11に電気的に結合されている。また、各バッテリークラスター11は、保護スイッチ111を備え、保護スイッチ111は、バッテリークラスター11における複数のバッテリーモジュールと対応のパワーコンディショナー12との間に電気的に結合されている。保護スイッチ111は、過電流保護機能を備えており、流れる電流が設定値を超えると回路を遮断して保護することができる。保護スイッチ111は、例えば、回路遮断器、ヒューズと絶縁スイッチの組み合わせ、又はヒューズと接触器の組み合わせなどである。これによって、各バッテリークラスター11の合流点にDC保護スイッチを設置する必要がなく、コスト削減を実現することができる。
【0021】
図3は、本発明の第3実施形態におけるエネルギー貯蔵システムの構造概念図である。
図1~
図3では、同じ構造及び機能を有する構成要素は、同じ参照番号で表されており、その詳細について省略する。
図1及び
図2と比較して、
図3に示す実施形態では、エネルギー貯蔵システム1bは、少なくとも1つのACスイッチQ1、・・・、Qmを備え、各ACスイッチQ1、・・・、Qmの第1端部は、対応の複数のパワーコンディショナー12に電気的に結合され、各ACスイッチQ1、・・・、Qmの第2端部は、変圧器13の第1端部に電気的に結合されている。各ACスイッチQ1、・・・、Qmに電気的に結合されたパワーコンディショナー12の個数は、同じであっても異なっていても良いが、特に限定されない。
図3に例示するように、ACスイッチQ1及びQmに電気的に結合されたパワーコンディショナー12の個数は、同じであっても異なっていても良いが、特に限定されない。ここで、mが1よりも大きい整数である。ACスイッチQ1、・・・、Qmは、例えば、回路遮断器、ヒューズと絶縁スイッチの組み合わせ、又はヒューズと接触器の組み合わせなどであるが、これらに限定されない。
【0022】
既存のエネルギー貯蔵システムでは、通常、パワーコンディショナーごとに、ACスイッチを設置する。本発明のエネルギー貯蔵システム1bでは、複数のパワーコンディショナー12が1つのACスイッチを共用しており、ACスイッチの個数を減らし、コスト削減を実現することができる。また、ACスイッチの個数が減少することにつれて、メンテナンス中、ACスイッチを操作する時間も短縮できるため、現場でのメンテナンス時間と人件費を節約できる。
【0023】
なお、説明及び理解を容易にするために、前述の説明は、それぞれ
図2及び3を使用して、本発明のエネルギー貯蔵システムにおける保護スイッチ及びACスイッチを示しているが、実際には、本発明のエネルギー貯蔵システムは、同時に、
図2及び
図3に例示されている保護スイッチ111及びACスイッチQ1、・・・、Qmを使用することもできる。また、図面を簡潔にするために、
図2及び
図3では、
図1の集中型コントローラー14及び各制御ユニットを省略して示している。
【0024】
上述したように、本発明は、エネルギー貯蔵システムを提供している。各パワーコンディショナーは、最大で2つのバッテリークラスターに電気的に結合されており、多くのバッテリークラスターが並列に接続された後、各バッテリークラスターにおけるバッテリーの内部抵抗又は不均一な特性により形成されたバッテリー間の環電流、バッテリー容量を十分に活用できず、又はバッテリーの短絡電流が大きすぎるなどの問題を回避でき、エネルギー貯蔵システムの使用安全性、使用可能容量、耐用年数及び効率を向上させることができる。また、従来のエネルギー貯蔵システムの構造と比較して、本発明では、複数の低電力パワーコンディショナーを使用して高電力パワーコンディショナーを置き換え、エネルギー貯蔵システムのモジュール化及び拡張性を実現するのに有益である。さらに、各パワーコンディショナーと集中型コントローラーとの間に、光ファイバーを介して通信し、光ファイバーの高速データ通信速度によって、通信遅延を低減でき、エネルギー貯蔵システムの全体的な電力応答時間を短縮することができる。さらに、各バッテリークラスターは、過電流保護機能付きの保護スイッチを備え、各バッテリークラスターの合流点に、DC保護スイッチを設置する必要がなくなり、コスト削減を実現することができる。さらに、複数のパワーコンディショナーがACスイッチを共用できるので、ACスイッチの個数を減らし、現場でのメンテナンス時間と人件費を節約できる。
【0025】
上記内容は、本発明を説明するための好ましい実施形態にすぎず、本発明は、記載された実施形態に限定されないことに留意されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。また、本発明は、当業者によって多くの方法で変更することができるが、それらのいずれも、添付の特許請求の範囲によって意図される保護から逸脱するものではない。