IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼロックス コーポレイションの特許一覧

<>
  • 特開-印刷されるドキュメントの自動強調 図1
  • 特開-印刷されるドキュメントの自動強調 図2
  • 特開-印刷されるドキュメントの自動強調 図3
  • 特開-印刷されるドキュメントの自動強調 図4
  • 特開-印刷されるドキュメントの自動強調 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043844
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】印刷されるドキュメントの自動強調
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/525 20060101AFI20230322BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20230322BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230322BHJP
   H04N 1/58 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
B41J2/525
B41J21/00 Z
B41J2/01 123
B41J2/01 451
B41J2/01 401
H04N1/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135465
(22)【出願日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】17/477,417
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・エス.・コンデッロ
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・ティー.・レストレンジ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・シー.・シェフリン
(72)【発明者】
【氏名】パルガット・エス.・ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・クナウスドルフ
【テーマコード(参考)】
2C056
2C187
2C262
5C079
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EB58
2C056EC79
2C056EE17
2C056FA13
2C056HA44
2C187AC06
2C187AC08
2C187AE01
2C187AF03
2C187CD17
2C187GA06
2C262AA02
2C262AA05
2C262BA14
2C262BA17
2C262BA19
2C262CA03
5C079HB03
5C079KA15
5C079LA10
5C079LA15
5C079NA04
5C079PA03
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】MFDが開示される。例えば、MFDは、印刷材料を吐出するための印刷ヘッドと、強調印刷流体を吐出するための強調印刷ヘッドと、プロセッサと、複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、を含む。命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、自動化された強調機能が選択されたことを決定することと、印刷される画像の各画素を分析して、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素を決定することと、印刷ヘッドを制御して、画像を印刷することと、強調印刷ヘッドを制御して、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素上に強調印刷流体を吐出することと、を含む動作を実行させる。
【効果】印刷画像を自動的に明瞭化できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷材料を吐出するための印刷ヘッドと、
強調印刷流体を吐出するための強調印刷ヘッドと、
プロセッサと、
複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備える、多機能デバイス(MFD)であって、前記複数の命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
自動化された強調機能が選択されたことを決定することと、
印刷される画像の各画素を分析して、前記強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素を決定することと、
前記印刷ヘッドを制御して、前記画像を印刷することと、
前記強調印刷ヘッドを制御して、前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素上に前記強調印刷流体を吐出することと、
を含む動作を実行させる、
MFD。
【請求項2】
前記自動化された強調機能を用いた前記画像及び前記自動化された強調機能を用いない前記画像のプレビューを示すための、又は強調のレベルを調整するためのインターフェースを含むためのディスプレイと、を更に備える、請求項1に記載のMFD。
【請求項3】
前記強調印刷流体が、光沢のあるクリアコートを含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項4】
前記強調印刷流体が、マット仕上げコートを含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項5】
前記印刷ヘッドを前記制御すること及び前記強調印刷ヘッドを前記制御することが、前記印刷材料及び前記強調印刷流体を単一パスで吐出することを含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項6】
前記印刷ヘッドを前記制御することが、第1のパスを介して実行され、前記強調印刷ヘッドを前記制御することが、第2のパスで実行される、請求項1に記載のMFD。
【請求項7】
前記分析することが、
前記各画素の色値を決定することと、
前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素を、前記1つ以上の画素が閾値を下回る前記色値を有することに基づいて決定することと、
を含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項8】
前記分析することが、
印刷される前記画像の周りの境界を決定することと、
前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素を、前記1つ以上の画素が前記境界に含まれることに基づいて決定することと、
を含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項9】
前記分析することが、
印刷される前記画像のエッジを検出することと、
前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素を、前記1つ以上の画素が前記エッジに含まれることに基づいて決定することと、
を含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項10】
前記分析することが、
前記各画素の色値を決定することと、
前記強調流体を受け取る前記1つ以上の画素の第1のサブセットを、前記1つ以上の画素の前記第1のサブセットが第1の閾値を下回る前記色値を有することに基づいて決定することと、
前記強調流体をハーフトーンパターンで受け取る前記1つ以上の画素の第2のサブセットを、前記1つ以上の画素の前記第2のサブセットが、前記第1の閾値を超えるが、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値を下回る前記色値を有することに基づいて、決定することと、
を含む、請求項1に記載のMFD。
【請求項11】
プロセッサを介して、自動化された強調機能が選択されたことを決定することと、
前記プロセッサによって、印刷される画像の各画素を分析して、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素を決定することと、
前記プロセッサによって、前記画像を印刷するように印刷材料を吐出することと、
前記プロセッサによって、前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素上に前記強調印刷流体を吐出することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記強調印刷流体が、光沢のあるクリアコートを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記強調印刷流体が、マット仕上げコートを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記印刷材料を前記吐出すること及び前記強調印刷流体を前記吐出することが、単一パスで実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記印刷材料を前記吐出することが、第1のパスで実行され、前記強調印刷流体を前記吐出することが、第2のパスで実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記分析することが、
前記プロセッサによって、前記各画素の色値を決定することと、
前記プロセッサによって、前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素を、前記1つ以上の画素が閾値を下回る前記色値を有することに基づいて決定することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記分析することが、
前記プロセッサによって、印刷される前記画像の周りの境界を決定することと、
前記プロセッサによって、前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素を、前記1つ以上の画素が前記境界に含まれることに基づいて決定することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記分析することが、
前記プロセッサによって、印刷される前記画像のエッジを検出することと、
前記プロセッサによって、前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素を、前記1つ以上の画素が前記エッジに含まれることに基づいて決定することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記分析することが、
前記プロセッサによって、前記各画素の色値を決定することと、
前記プロセッサによって、前記強調流体を受け取る前記1つ以上の画素の第1のサブセットを、前記1つ以上の画素の前記第1のサブセットが第1の閾値を下回る前記色値を有することに基づいて決定することと、
前記プロセッサによって、前記強調流体をハーフトーンパターンで受け取る前記1つ以上の画素の第2のサブセットを、前記1つ以上の画素の前記第2のサブセットが、前記第1の閾値を超えるが、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値を下回る前記色値を有することに基づいて決定することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
印刷材料を吐出するための印刷ヘッドと、
強調印刷流体を吐出するための強調印刷ヘッドと、
プロセッサと、
複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、
を備える、多機能デバイス(MFD)であって、前記複数の命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
選択された自動化された強調機能のタイプであって、コントラスト強調、フェザリングされたコントラスト強調、境界強調、又はエッジ強調のうちの少なくとも1つを含む、選択された自動化された強調機能のタイプを決定することと、
印刷される画像の各画素を分析して、選択された前記自動化された強調機能のタイプに従って、前記強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素を決定することと、
前記印刷ヘッドを制御して、前記画像を印刷することと、
前記強調印刷ヘッドを制御して、前記強調印刷流体を受け取る前記1つ以上の画素上に前記強調印刷流体を吐出することと、
を含む動作を実行させる、
MFD。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、印刷ドキュメントに関し、より具体的には、印刷されるドキュメントの選択された部分に強調を自動的に追加するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷デバイスを使用して、基材の上に画像を印刷することができる。画像は、基材の所望の部分の上に印刷流体又はトナーを吐出することによって印刷することができる。プロセッサは、印刷ヘッドの動き及び基材の選択された部分上に吐出される印刷流体の量を制御し得る。印刷流体は、画像を印刷するために様々な色を含み得る。あるいは、レーザプリンタは、黒色又は様々な異なる色で基材の所望の部分の上にトナーを適用し、トナーを溶解させて画像を印刷してもよい。
【0003】
しかしながら、著しい再設計及びコストなしに印刷品質を改善することは困難であり得る。最も暗い黒色と最も明るい白色との間のコントラストがより高い画像は、より鮮明でリアルに見える場合がある。これは、現実の世界のコントラスト比がどの印刷で再現できるものよりも大きいためである。したがって、印刷画像を改善するためには、コントラスト比を増加させることができる。しかしながら、印刷画像のコントラスト比を増加させることは困難であり得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に示される態様によれば、印刷されるドキュメントを自動的に明瞭化するための多機能デバイス(multi-function device、MFD)及び方法が提供される。実施形態の開示された特徴の1つは、印刷材料を吐出するための印刷ヘッドと、強調印刷流体を吐出するための強調印刷ヘッドと、プロセッサと、複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体と、を含むMFDである。命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、自動化された強調機能が選択されたことを決定することと、印刷される画像の各画素を分析して、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素を決定することと、印刷ヘッドを制御して、画像を印刷することと、強調印刷ヘッドを制御して、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素上に強調印刷流体を吐出することと、を含む動作を実行させる。
【0005】
別の開示された特徴は、印刷されるドキュメントを自動的に明瞭化するための方法である。MFDのプロセッサによって実行される方法は、自動化された強調機能が選択されたことを決定することと、印刷される画像の各画素を分析して、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素を決定することと、印刷材料を吐出して、画像を印刷することと、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素上に強調印刷流体を吐出することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の教示は、以下の添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態を考慮することによって容易に理解することができる。
図1】本開示による、印刷されるドキュメントの自動化された強調を実行するための印刷ヘッドを含む例示的なMFDのブロック図を示す。
図2】本開示の強調を有する画像及び当該強調を有しない画像の比較を示す。
図3】本開示の強調をどの画素が受けるかを決定するための画素の例示的な分析のブロック図を示す。
図4】本開示の印刷されるドキュメントを自動的に明瞭化する方法のフローチャートを示す。
図5】本明細書で説明される機能を実行する際の使用に好適な例示的なコンピュータのハイレベルブロック図を示す。
【0007】
理解を容易にするために、可能な限り、同一の参照番号は、図面に共通している同一の要素を示すために使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、印刷されるドキュメントを自動的に明瞭化するための方法及び装置を広く開示する。上述のように、著しい再設計及びコストなしに印刷品質を改善することは困難であり得る。最も暗い黒色と最も明るい白色のコントラストが高い画像は、より鮮明でリアルに見える場合がある。これは、実際のコントラスト比がどの印刷でも再現できるよりも大きいためである。したがって、印刷画像を改善するために、コントラスト比を増加させることができる。しかしながら、印刷画像のコントラスト比を増加させることは困難であり得る。
【0009】
本開示は、印刷画像を強調印刷流体で自動的に明瞭化する能力をユーザに提供する。ユーザは、本開示のMFDのユーザインターフェース上で自動強調機能を選択し得る。自動強調機能は、画像のコントラスト比を改善するために、強調印刷流体を受け取る画素を自動的に選択し得る。
【0010】
一実施形態では、強調印刷流体は、暗い画素上に吐出され得るクリアコート印刷流体であってもよい。例えば、暗い画素は、8ビットの色値システムにおける画素色値閾値を下回る画素であり得、ここで、0は黒色であり、255は白色である。別の実施形態では、強調印刷流体は、マットコート印刷流体であってもよい。
【0011】
図1は、本開示の例示的な多機能デバイス(MFD)100を示す。一実施形態では、MFD100は、プロセッサ102、メモリ104、印刷ヘッド106、強調印刷流体印刷ヘッド108、及びディスプレイ114を含み得る。プロセッサ102は、メモリ104、印刷ヘッド106、強調印刷流体印刷ヘッド108、及びディスプレイ114に通信可能に結合され得る。
【0012】
一実施形態では、メモリ104は、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。例えば、メモリ104は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)などであり得る。
【0013】
メモリ104は、様々な情報を記憶し得る。例えば、メモリ104は、プロセッサ102によって実行される命令を記憶して、本明細書に記載の機能を実行し得る。メモリ104は、様々なプロセス及び/又はアルゴリズムを記憶して、強調印刷流体印刷ヘッド108によって吐出された強調印刷流体112を受け取る画像の画素を自動的に選択し得る。メモリ104はまた、以下で更に詳細に論じられるように、どの画素が選択されるかを決定するために、プロセッサ102によって使用された閾値を記憶し得る。
【0014】
一実施形態では、プロセッサ102は、印刷ヘッド106及び強調印刷流体印刷ヘッド108の動作を制御し得る。プロセッサ102は、印刷材料110を基材150の上に吐出して画像を印刷するように、印刷ヘッド106を制御し得る。一実施形態では、基材150は、紙であってもよい。本開示は、より高価であり得る光沢基材の使用を必要とするのではなく、標準紙に印刷される画像の画質を改善することができる。
【0015】
印刷ヘッド106は、インクジェット印刷ヘッドであってもよく、印刷材料110は、印刷流体又はインクであってもよい。例えば、印刷ヘッド106は、単一色の印刷ヘッド(例えば、黒色)、又は異なる色のインクのためのいくつかの異なる色インクリザーバを含む多色の印刷ヘッドを含み得る。例えば、印刷ヘッド106は、シアン、黄色、マゼンタ、及び黒色(CYMK)印刷ヘッドであり得る。
【0016】
一実施形態では、いくつかの印刷ヘッド106は、各々が異なる色印刷材料110を保持するように配備されてもよい。例えば、シアン、黄色、マゼンタ、及び黒色のために別個の印刷ヘッド106を配備してもよい。プロセッサ102は、特定の色を生成するために、各色が基材150上の所望の場所にどの程度吐出されるかを制御し得る。プロセスは、所望の画像を印刷するために、基材150上の様々な場所について繰り返され得る。
【0017】
一実施形態では、印刷ヘッド106は、レーザプリンタの一部であり得、印刷材料110は、トナーであり得る。トナーは、基材150上の所望の場所に印刷ヘッド106によって吐出され得、画像を印刷するように溶解され得る。
【0018】
プロセッサ102はまた、強調印刷流体印刷ヘッド108を制御して、基材150上の所望の場所の上に所望の量の強調印刷流体112を吐出し得る。強調印刷流体112は、クリアコート印刷流体又はマットコート印刷流体であり得る。強調印刷流体112の例は、「Xerox Color/1000 Clear Toner」として知られるクリアトナーであり得る。強調印刷流体112は、画像のコントラストを増加させ、全体的な画質を改善するために所望の場所で吐出され得る。例えば、強調印刷流体112を追加することにより、色印刷流体110のみによって達成可能なコントラストレベルを超えて、暗い色と明るい色との間のコントラストを増加させてもよい。
【0019】
強調印刷流体112を受け取る基材150上の場所は、配備される強調のタイプに基づいて決定され得る。例えば、様々なタイプの強調は、コントラスト強調、フェザリングされたコントラスト強調、境界強調、エッジ強調、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、フェザリングされた境界)を含み得る。
【0020】
一実施形態では、MFD100は、印刷ヘッド106により基材150上に画像を第1のパスで印刷することによって、動作することができる。次いで、MFD100は、画像の画素の決定されたサブセット上に強調印刷流体112を第2のパスで吐出し得る。別の実施形態では、印刷材料110及び強調印刷流体112は、単一パスで吐出されてもよい。例えば、印刷材料110は、ある場所に吐出され得、次いで、必要に応じて、強調印刷流体112が同じ場所に吐出され得る。印刷ヘッド106及び強調印刷流体印刷ヘッド108は、画像が所望の強調で印刷されるまで、印刷材料110及び/又は強調印刷流体112などを吐出するために次の場所に移動され得る。
【0021】
一実施形態では、ディスプレイ114は、グラフィカルユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)116を含み得る。ディスプレイ114は、タッチスクリーンディスプレイであってもよく、又は別個の入力デバイス(例えば、キーボード、トラックパッド、マウスなど)を含んでもよい。GUI116は、ユーザがMFD100の自動強調機能を有効にすることを可能にするためのウィンドウを提示し得る。自動拡張機能が有効にされると、別のウィンドウ(図示せず)が、利用可能な異なるタイプの自動拡張を提示し得、ユーザが異なるタイプの自動拡張のうちの1つを選択することを可能にし得る。
【0022】
一実施形態において、GUI116は、プレビュー画面118を提示し得る。プレビュー画面118は、自動強調で印刷される画像のプレビュー画像を示し得る。自動拡張機能が削除又は選択解除されると、プレビュー画面118は、自動強調なしで印刷される画像を示すように変更することができる。
【0023】
一実施形態では、GUI116はまた、適用される強調のレベルを調整するためのインターフェースを含み得る。例えば、インターフェースは、強調の量を調整し得るダイヤル、スライダーバー、パーセンテージを入力するためのボックスなどであってもよい。例えば、ユーザは、印刷画像に部分的な強調を適用したい場合がある。GUI116は、ユーザが強調のレベルを調整することを可能にし得、GUIはまた、ユーザによって設定された部分的な強調で画像がどのように現れ得るかを、プレビュー画面118に提示し得る。
【0024】
本開示のMFD100は説明を容易にするために簡略化されており、図示されていない追加の構成要素を含んでもよいことに留意されたい。例えば、MFD100は、スキャン機能及びコピー機能を実行するための光学スキャナなどの追加の構成要素を含み得る。MFD100は、インターネットへの有線又は無線ネットワーク接続を確立するか、又は電子メールを伝送するためのネットワークインターフェースを含み得る。MFD100は、印刷ジョブ要求をプリンタ記述言語(printer description language、PDL)などに変換するための紙トレイ、デジタルフロントエンド(digital front end、DFE)を含み得る。
【0025】
図2は、自動強調を用いない例示的な画像202と、自動強調を用いる例示的な画像204を示す。一例では、画像204は、「暗い」画素(例えば、0の値が黒色である閾値を下回る色値を有する画素)が位置するコントラスト強調を受けている。画像202と画像204との比較で見られるように、画像204は、より暗い黒色を有する。したがって、画像204内のコントラストレベルは増加し、画像202と比較してより自然に見える。
【0026】
図3は、プロセッサ102によって行うことができる自動強調の例を示す。上記のように、適用され得る異なるタイプの自動強調が存在し得る。異なるタイプは、コントラスト強調、フェザリングされたコントラスト強調、境界強調、又はエッジ強調を含み得る。
【0027】
一例では、自動強調は、印刷される画像の各画素を分析して、どの画素が強調印刷流体112を受け取り得るかを決定することによって実行され得る。図3は、画素302~302を有する画像300の例示的な部分を示している(以下、個別に画素302とも呼ばれるか、又は集合的に画素302としても呼ばれる)。図3には、9個の画素が一例として示されているが、印刷される画像は、更に多くの画素(例えば、数千)を含み得ることに留意されたい。
【0028】
図3に記載の実施例は、各画素302が0~255の色値を有し得る8ビットの色スキームに基づく。0の値は黒色に関連付けられ得、255の値は白色に関連付けられ得る。図3に示される例は、単一の色値を有する各画素302を示す(例えば、画像は黒色及び白色の画像であり得る)。しかしながら、分析は、各画素302が赤色、緑色、及び青色の3つの色値、又は任意の他の色スキームを有する、フルカラー(例えば、赤色、緑色、及び青色(red, green, blue、RGB))画像に拡張され得ることに留意されたい。
【0029】
一実施形態では、コントラスト強調のために、閾値が設定され得、メモリ104に記憶され得る。ある例では、図3に示される30の第1の閾値が、閾値として設定され得る。プロセッサ102は、各画素302の色値を決定し得、色値を閾値(例えば、30)と比較し得る。画素302の色値が閾値を下回る場合、画素302は、強調印刷流体112を受け取ることができる。図3に例示される例では、画素302、302、及び302は、強調印刷流体112を受け取り得る1つ以上の画素302であると識別又は決定され得る。
【0030】
一実施形態では、フェザリングされたコントラスト強調について、複数の閾値が設定され得、強調印刷流体112は、最も暗い画素に向かって徐々に追加され得る。ある例では、強調印刷流体112は、強調印刷流体112をハーフトーンパターンで吐出することによって「フェザリング」され得る。
【0031】
例えば、図3は、30の第1の閾値及び30~60の第2の閾値を示す。30の第1の閾値を下回る色値を有する画素302は、強調印刷流体112を受け取ることができる。30~60の第2の閾値内の色値を有する画素302は、強調印刷流体112をハーフトーンパターンで受け取ることができる。
【0032】
ある例として画像300を使用すると、画素302、302、及び302は、30の第1の閾値を下回る色値を有し得る。結果として、画素302、302、及び302は、それぞれ、強調印刷流体112を受け取ることができる。画素302、302、及び302は、30~60の第2の閾値内の色値を有し得る。結果として、画素302、302、及び302は、強調印刷流体112をハーフトーンパターンで受け取り得る。言い換えれば、画素302は、強調印刷流体112を受け取り得、画素302は、スキップされ得、画素302は、拡張印刷流体112を受け取り得る。
【0033】
一実施形態では、強調印刷流体112は、3つ以上の線にわたって「フェザリング」され得る。例えば、第3の閾値を使用して、第3の画素ごとなどで、強調印刷流体112を吐出することができる。結果として、強調印刷流体112は、低密度パターン(すべての他の画素302か、又は中間閾値を下回る画素302のすべてよりも少ない)から徐々に適用され得、完全に密なパターン(例えば、第1の閾値を下回るすべての画素302)に徐々に適用され得る。
【0034】
上記のように、コントラスト強調及びフェザリングされたコントラスト強調は、色画像にも適用され得る。色画素が分析されると、各色は閾値と関連付けられ得る。例えば、RGB画像では、赤色、緑色、及び青色の30の第1の閾値が存在し得る。別の実施形態では、第1の閾値は異なっていてもよい。例えば、第1の閾値は、赤色の場合は30、緑色の場合は50、青色の場合は20であってもよい。したがって、各色画素を分析し、それぞれの色閾値と比較して、どの色画素が強調印刷流体112を受け取り得る画素のサブセットとして識別されるかを決定することができる。
【0035】
別のタイプの強調は、エッジ強調であり得る。例えば、色値に基づいて強調印刷流体112を追加するのではなく、強調印刷流体112は、画素302の場所に基づいて吐出され得る。例えば、エッジ検出関数(例えば、カンニーエッジ検出アルゴリズム)を画像300に適用して、画像300内の物体のエッジを決定することができる。強調印刷流体112は、「光沢のあるエッジポップ(glossy edge pop)」を提供するために、エッジとして画定された部分に沿って位置する画素上に吐出され得る。
【0036】
例えば、画像204の図2に戻って参照すると、エッジは、物体の輪郭を描く場所であり得る。例えば、画像204は、例示的なエッジ206、208、及び210を示す。エッジ206は、毛を額から分離する線であり得る。エッジ208は、手を頬から分離する線であり得る。エッジ210は、手の背部を暗い背景から分離する線などであり得る。したがって、強調印刷流体112は、エッジ206、208、及び210に沿って画素上に、並びに画像204内で検出される任意の他のエッジに沿って吐出され得る。
【0037】
別のタイプの強調は、境界強調であり得る。境界強調は、画像300の外側の周りに強調印刷流体112を吐出して、フレームポップを作成することができる。境界は、長方形、正方形、円などの任意の形状であり得る。境界は、心臓などの物体の形状であり得る。一実施形態では、境界はまた、フェザリングされたコントラスト強調のようなハーフトーンを介してフェザリングされ得る。
【0038】
例えば、図3では、正方形の境界について、外側の周りの画素302は、強調印刷流体112を受け取って、「境界ポップ」を作成することができる。言い換えれば、画素302、302、302、302、302、302、及び302は、強調印刷流体112を受け取ることができる。境界強調は、境界の所望の厚さに基づいて、画像の外側の周りの任意の数の画素の線を含み得る。例えば、画像の周りの外側の2つの線、画像の周りの外側3つの線などは、強調印刷流体112を受け取り、境界強調を適用することができる。
【0039】
したがって、本開示は、ユーザが印刷画像に強調を自動的に適用して、印刷画像のコントラスト及び画質を改善することを可能にする。言い換えれば、印刷後に印刷画像を調整し、ユーザが強調される領域又は画素を選択することを必要とし得る他のソフトウェアプログラムとは異なり、本開示は、画像を印刷する同じMFD100を用いて強調を実行することができる。更に、本開示は、ユーザが、単に強調機能を可能にすることができ、MFD100は、選択される強調のタイプに基づいて、強調印刷流体112を受け取る画素を自動的に選択することができる。
【0040】
したがって、本開示は、より費用効率の高い方法で、標準的な紙又はマットな基材上に印刷された画像の自動化された強調を提供する。拡張は、MFD100のGUI上に提示された選択可能なオプションを介して要求に適用することができる。
【0041】
図4は、本開示の印刷されるドキュメントを自動的に明瞭化するための例示的な方法400のフローチャートを示す。一実施形態では、方法400は、MFD100によって、又は図5に例示され、以下で論じられる装置500などの装置によって実行されてもよい。
【0042】
一実施形態では、方法400は、ブロック402で開始する。ブロック404で、方法400は、自動化された強調機能が選択されたと決定する。例えば、ユーザは、MFDのディスプレイ上に示されるGUIを介して自動化された強調のためのオプションを提示され得る。ユーザは、印刷画像に適用される自動化された強調機能を選択することができる。異なるタイプの自動化された強調機能が選択され得る。例えば、異なるタイプの自動化された強調機能は、コントラスト強調、フェザリングされたコントラスト強調、境界強調、又はエッジ強調を含み得る。
【0043】
ブロック406で、方法400は、印刷される画像の各画素を分析して、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素を決定する。一実施形態では、各画素の色値を決定し、閾値と比較して、画素が強調印刷流体を受け取るかどうかを決定することができる。強調印刷流体は、クリアコート印刷流体又はマットコート印刷流体であり得る。一実施形態では、強調が徐々にフェザリングされるべき場合、複数の閾値を使用することができる。強調印刷流体は、上記のように、第2の閾値内にある画素のハーフトーンプロセスを使用して、「フェザリング」され得る。
【0044】
一実施形態では、各画素を分析して、画素の場所を決定することができる。例えば、エッジ強調又は境界強調の場合、画素の場所は、画素が強調印刷流体を受け取るか否かを決定することができる。
【0045】
ブロック408で、方法400は、印刷材料を吐出して、画像を印刷する。例えば、印刷材料は、画像を基材上に印刷するために所望の場所に吐出され得る。
【0046】
ブロック410において、方法400は、強調印刷流体を受け取る1つ以上の画素上に強調印刷流体を吐出する。例えば、ブロック406で実行された分析に基づいて識別される画像内の画素のサブセットは、強調印刷流体を受け取り得る。
【0047】
一実施形態では、ブロック408の動作は、基材を横切る第1のパスで実行され得る。次いで、基材は、MFDを通して戻され、ブロック410の動作は、第2のパスを介して実行され得る。一実施形態では、ブロック408の動作及びブロック410の動作は、単一パスで実行され得る。例えば、画素に関連付けられた基材の場所は、印刷材料及び/又は強調印刷流体を受け取り得る。第2の画素に関連付けられた基材上の次の場所は、色印刷及び/又は強調印刷流体などを受け取ることができる。
【0048】
更に、方法400は、単一のMFDによって実行されることに留意されたい。例えば、MFDは、印刷材料及び強調印刷流体の両方を吐出するための印刷ヘッドを含み得る。したがって、ユーザは、サードパーティソフトウェアプログラムを使用して別のデバイス上で印刷された画像に対して強調を実行する必要はない。むしろ、MFDで利用可能である利用可能な自動強調オプションのうちの1つを選択することによって、MFD上で強調を実行することができる。ブロック412において、方法400は、終了する。
【0049】
図5は、本明細書で説明された機能の実行専用であるコンピュータのハイレベルブロック図を描写する。図5に描写されるように、コンピュータ500は、1つ以上のハードウェアプロセッサ要素502(例えば、中央処理装置(central processing unit、CPU)、マイクロプロセッサ、又はマルチコアプロセッサ)、メモリ504、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み取り専用メモリ(ROM)、印刷されるドキュメントを自動的に明瞭化するためのモジュール505、並びに様々な入力/出力デバイス506(例えば、テープドライブ、フロッピドライブ、ハードディスクドライブ又はコンパクトディスクドライブを含むが、これらに限定されない記憶デバイス、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、音声合成装置、出力ポート、入力ポート、及びユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウス、マイクロフォンなど))を備える。プロセッサ要素は1つしか示されていないが、コンピュータには複数のプロセッサ要素が採用され得ることに留意されたい。
【0050】
本開示が、例えば、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)を含むプログラマブルロジックアレイ(programmable logic array、PLA)、若しくはハードウェアデバイス上に展開されたステートマシン、コンピュータ、又は任意の他のハードウェア等価物、例えば、上で考察された方法に付属し、上で開示した方法のステップ、機能、及び/又は動作を行うようにハードウェアプロセッサを構成するのに使用され得るコンピュータ可読命令を使用して、ソフトウェアにおいてかつ/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装され得ることに留意されたい。一実施形態では、印刷されるドキュメントを自動的に明瞭化するための、本モジュール又はプロセス505に対する命令及びデータ(例えば、コンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアプログラム)は、メモリ504にロードされ、ハードウェアプロセッサ要素502によって実行され、上で考察されたステップ、機能又は動作を実装することができる。また、ハードウェアプロセッサが命令を実行して「動作」を行う場合、これは、ハードウェアプロセッサが直接動作を行う、かつ/又は別のハードウェアデバイス若しくは構成要素(例えば、コプロセッサなど)を、動作を行うように促進する、指示する、又はそれと協働することを含み得る。
【0051】
上記の方法に関係するコンピュータ可読命令又はソフトウェア命令を実行するプロセッサは、プログラムされたプロセッサ又は専門プロセッサとして認識され得る。このように、本開示の印刷されるドキュメントを自動的に明瞭化するための本モジュール505(関連するデータ構造を含む)は、有形の又は物理的(広義には非一時的な)コンピュータ可読記憶デバイス又は媒体、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、RAMメモリ、磁気ドライブ若しくは光学ドライブ、デバイス、又はディスケットなどに記憶され得る。より具体的には、コンピュータ可読記憶デバイスは、プロセッサ、又はコンピュータ若しくはアプリケーションサーバなどのコンピューティングデバイスによってアクセスされるデータ及び/又は命令などの情報を格納する能力を提供する任意の物理的デバイスを備え得る。
【0052】
上記で開示されたものの変形、並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることは、理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5