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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043846
(43)【公開日】2023-03-29
(54)【発明の名称】ハードウェア自動締結装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/06 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
B23P19/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135714
(22)【出願日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0124241
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジ ウン
(57)【要約】
【課題】締結された製品の生産性向上、品質均一化、及び人件費節減を図るハードウェア自動締結装置を提供する。
【解決手段】本発明によるハードウェア自動締結装置は、ボルト又はナット又はクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを貯蔵及び供給するために外縁に形成されたレバーを含むマガジンと、マガジンに結合され、マガジンを回転させてハードウェアを所定の位置に位置させる回転部と、上昇の際に、回転部によって位置されたハードウェアを上昇させる昇降機構が設けられ、上昇したハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が備えられたトルク発生ツールと、を含み、レバーは、ラッチ構造である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルト又はナット又はクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを貯蔵及び供給するために外縁に形成されたレバーを含むマガジンと、
前記マガジンに結合され、前記マガジンを回転させて前記ハードウェアを所定の位置に位置させる回転部と、
上昇の際に、前記回転部によって位置された前記ハードウェアを上昇させる昇降機構が設けられ、上昇した前記ハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が備えられたトルク発生ツールと、を含み、
前記レバーは、ラッチ構造であることを特徴とするハードウェア自動締結装置。
【請求項2】
前記レバーは、前記ハードウェアが外側に離脱しないように前記ハードウェアを収容する挿入溝を備え、前記挿入溝を囲んで外方に突出して形成されたヤットコ部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項3】
前記ヤットコ部は、前記挿入溝の方向に突出するように形成され、前記ハードウェアが外側に離脱しないように前記ハードウェアを案内する突出ピンをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項4】
前記マガジンは、回転による前記ハードウェアの位置変更を制限するために、前記マガジンの外周面に備えられた回転ガイドをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項5】
前記マガジンは、前記挿入溝と回転中心とを連結する連結線上に位置する開口部付きの小型スリットと、
前記回転ガイドに結合されて前記回転中心の方向にセンサー信号を伝播及び受信する定位置感知センサーと、をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項6】
前記昇降機構は、上方に1段前進又は下方に1段後進するにつれて、前記レバーの上端部が固定又は固定解除されるように、複数の突出部位が形成されたフィンガー部を備える1段シリンダーを含むことを特徴とする請求項1に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項7】
前記昇降機構は、上方に2段前進するにつれて上昇した前記ハードウェアにトルクを印加する前記トルク印加部が設けられた2段シリンダーをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項8】
前記トルク発生ツールは、前記1段シリンダーを上方に1段前進又は下方に1段後進させる、或いは前記2段シリンダーを上方に2段前進又は下方に2段後進させるモーターを備えるナットランナーをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項9】
前記トルク発生ツールは、前記昇降機構の上昇又は下降による振動を防止するために、前記昇降機構の外周面を囲む形で形成された昇降ガイドをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項10】
前記レバーは、回転軸を中心に反時計回り又は時計回りに回転し、回転軸上に位置し、回転に応じて前記レバーが固定されるようにする中心ピンと、前記レバーの回転方向とは反対方向に復元力を形成するばねとを含むラッチ構造であることを特徴とする請求項6に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項11】
前記回転部は、前記マガジンと結合又は分離させることができるように前記マガジンに対して着脱可能な開口部付きのシリンダーと、前記マガジンに回転力を加えるサーボモーターと、前記サーボモーターと前記マガジンとを連結して前記マガジンに回転力を伝達するベルトと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項12】
ボルト又はナット又はクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを貯蔵及び供給するために外縁に形成されたレバーを含むマガジンと、
前記マガジンに結合され、前記マガジンを回転させて前記ハードウェアを所定の位置に位置させる回転部と、
上昇の際に、前記回転部によって位置された前記ハードウェアを上昇させる昇降機構が設けられ、上昇した前記ハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が備えられたトルク発生ツールと、を含み、
前記レバーは、前記ハードウェアが外側に散布しないように、磁性を帯びた前記ハードウェアを磁力で収容する磁石を含み、ラッチ構造であることを特徴とするハードウェア自動締結装置。
【請求項13】
前記レバーは、回転軸を中心に反時計回り又は時計回りに回転し、回転軸上に位置し、回転に応じて前記レバーが固定されるようにする中心ピンと、前記レバーの回転方向とは反対方向に復元力を形成するばねとを含むラッチ構造であることを特徴とする請求項12に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項14】
前記昇降機構は、上方に1段前進又は下方に1段後進するにつれて前記レバーの上端部が固定又は固定解除されるように、複数の突出部位が形成されたフィンガー部を備える1段シリンダーを含むことを特徴とする請求項12に記載のハードウェア自動締結装置。
【請求項15】
前記昇降機構は、上方に2段前進するにつれて上昇した前記ハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が設けられた2段シリンダーをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のハードウェア自動締結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードウェア自動締結装置に係り、より詳細には、ボルトとナット、クリップを自動締結する際に、種類を問わずに一つの装置を共用化して複数個を同時に移送させ、上部締結だけでなく、下部締結においても自動化することにより、種類の差異と移送による締結干渉を防止し、これにより、締結された製品の生産性向上、品質均一化、及び人件費節減を図るハードウェア自動締結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の組立ライン(Assembly Line)では、各種部品上にボルトとナット、クリップなどを投入した後、締結して部品を組み立てる。ボルトとナット、クリップは、2つ以上の部品を結合するために広く用いられる機械要素である。これらの締結工程は、両位置を一致させた後、締結工具でナット又はクリップをボルト方向に回転させることにより行われる。必要に応じて、ボルトとナットを予め結合しておくことができ、或いは組み立てた後で排出される作業が併行できる。
【0003】
これらの工程は、作業者の手作業で行われる場合、過ちにより不良が発生する可能性があり、人件費がかかることであり、生産性も一定レベル以上に向上させることができない。よって、ボルトとナット、クリップとの組立工程は、作業者なしにロボットと連動して全ての装置の締結作業が行われることが好ましい。
【0004】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進するためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20-0419980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、ボルトとナット、クリップを自動締結する際に、種類を問わずに一つの装置を共用化して複数個を同時に移送させ、上部締結だけでなく、下部締結においても自動化することにより、種類の差異と移送による締結干渉を防止し、これにより、締結された製品の生産性向上、品質均一化、及び人件費節減を図るハードウェア自動締結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるハードウェア自動締結装置は、ボルト又はナット又はクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを貯蔵及び供給するために外縁に形成されたレバーを含むマガジンと、前記マガジンに結合され、前記マガジンを回転させて前記ハードウェアを所定の位置に位置させる回転部と、上昇の際に、前記回転部によって位置された前記ハードウェアを上昇させる昇降機構が設けられ、上昇した前記ハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が備えられたトルク発生ツールと、を含み、前記レバーは、ラッチ構造であることを特徴とする。
【0008】
前記レバーは、前記ハードウェアが外側に離脱しないように前記ハードウェアを収容する挿入溝を含み、前記挿入溝を囲んで外方に突出して形成されたヤットコ部をさらに備え得る。
前記ヤットコ部は、前記挿入溝の方向に突出するように形成され、前記ハードウェアが外側に離脱しないように前記ハードウェアを案内する突出ピンをさらに備え得る。
前記マガジンは、回転による前記ハードウェアの位置変更を制限するために、前記マガジンの外周面に備えられた回転ガイドをさらに含み得る。
前記マガジンは、前記挿入溝と回転中心とを連結する連結線上に位置する開口部付きの小型スリットと、前記回転ガイドに結合されて前記回転中心の方向にセンサー信号を伝播及び受信する定位置感知センサーをさらに備え得る。
前記昇降機構は、上方に1段前進又は下方に1段後進するにつれて、前記レバーの上端部が固定又は固定解除されるように、複数の突出部位が形成されたフィンガー部を備える1段シリンダーを含み得る。
前記昇降機構は、上方に2段前進するにつれて上昇した前記ハードウェアにトルクを印加する前記トルク印加部が設けられた2段シリンダーをさらに含み得る。
前記トルク発生ツールは、前記1段シリンダーを上方に1段前進又は下方に1段後進させるか、或いは前記2段シリンダーを上方に2段前進又は下方に2段後進させるモーターを備えるナットランナーをさらに含み得る。
前記トルク発生ツールは、前記昇降機構の上昇又は下降による振動を防止するために、前記昇降機構の外周面を囲む形で形成された昇降ガイドをさらに含み得る。
前記レバーは、回転軸を中心に反時計回り又は時計回りに回転し、回転軸上に位置し、回転に応じて前記レバーが固定されるようにする中心ピンと、前記レバーの回転方向とは反対方向に復元力を形成するばねとを含むラッチ構造であり得る。
前記回転部は、前記マガジンと結合又は分離させることができるように前記マガジンと着脱可能な開口部付きのシリンダーと、前記マガジンに回転力を加えるサーボモーターと、前記サーボモーターと前記マガジンとを連結して前記マガジンに回転力を伝達するベルトと、を含み得る。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるハードウェア自動締結装置は、ボルト又はナット又はクリップのうちの少なくとも1種を含むハードウェアを貯蔵及び供給するために外縁に形成されたレバーを含むマガジンと、前記マガジンに結合され、前記マガジンを回転させて前記ハードウェアを所定の位置に位置させる回転部と、上昇の際に、前記回転部によって位置された前記ハードウェアを上昇させる昇降機構が設けられ、上昇した前記ハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が備えられたトルク発生ツールと、を含み、前記レバーは、前記ハードウェアが外側に散布しないように、磁性を帯びた前記ハードウェアを磁力で収容する磁石を含み、ラッチ構造であることを特徴とする。
【0010】
前記レバーは、挿入溝を囲んで外方に突出して形成されたヤットコ部をさらに備え得る。
前記レバーは、回転軸を中心に反時計回り又は時計回りに回転し、回転軸上に位置し、回転に応じて前記レバーが固定されるようにする中心ピンと、前記レバーの回転方向とは反対方向に復元力を形成するばねとを含むラッチ構造であり得る。
前記昇降機構は、上方に1段前進又は下方に1段後進するにつれて前記レバーの上端部が固定又は固定解除されるように、複数の突出部位が形成されたフィンガー部を備える1段シリンダーを含み得る。
前記昇降機構は、上方に2段前進するにつれて上昇した前記ハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が設けられた2段シリンダーをさらに含み得る。
【発明の効果】
【0011】
本発明のハードウェア自動締結装置によれば、ボルトとナット、クリップを自動締結する際に、種類を問わずに一つの装置を共用化して複数個を同時に移送させ、上部締結だけでなく、下部締結においても自動化することにより、種類の差異と移送による締結干渉を防止し、これにより、締結された製品の生産性向上、品質均一化、及び人件費節減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置のマガジンを示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の一部を示す図である。
図3】本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の外周縁上のラッチ構造を示す図である。
図4】本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の回転部を示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置のトルク発生ツールを示す図である。
図6】本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の外周縁上のラッチ構造の締結メカニズムを示す図である。
図7】本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置にハードウェアを供給する供給部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に開示されている本発明の実施形態についての特定の構造的または機能的説明は、本発明による実施形態を説明するために例示されたものであり、本発明による実施形態は、様々な形態で実施でき、本明細書で説明された実施形態に限定されるものではない。以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
ここで、ハードウェアは、ボルト又はナット又はクリップの少なくとも1種を含む。ボルトは、上面に締結溝が形成されたヘッドを有する締結装置であり、ナットは、一側端部に外周面の周りに沿ってフランジが形成された締結装置であり、クリップは、頭部及び頭部の下側に左右に突出するように形成された締結部材からなる締結装置である。クリップは、互いに重なり合うように締結される。
【0015】
図1は本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置のマガジンを示す図、図2は本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の一部を示す図、図3は本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の外周縁上のラッチ構造を示す図、図4は本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の回転部を示す図、図5は本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置のトルク発生ツールを示す図、図6は本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の外周縁上のラッチ構造の締結メカニズムを示す図、図7は本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置にハードウェアを供給する供給部を示す図である。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置を示す図である。図1に示すように、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置において、マガジンは、回転しても同じ位置にあるように円形であってもよい。また、マガジンは、ハードウェアを貯蔵し、一側方向に供給するために外縁に挿入溝が形成されたレバー111を含む。このようなレバーは、外周面に沿って複数個離隔して形成される。
【0017】
図1に示すように、レバー111は、外縁に挿入溝が形成される。よって、レバー111のラッチ構造116を除いた残りの部分は、挿入溝を囲んだ複数の突出部位が形成されたヤットコを備える。ここで、挿入溝は、ボルト、クリップのようにヘッド部を備えたハードウェアを貯蔵又は供給するための装置である。
【0018】
したがって、図1に示されているのとは異なり、ヘッド部を備えていないハードウェアであるナットを貯蔵又は供給するための装置として、レバー111は、外縁に挿入溝が形成されず、レバー111のラッチ構造116を除いた残りの部分は、複数の突出部位が形成されたヤットコを備えず、上部を完全に覆う構造で形成され得る。
【0019】
図1に示すように、レバー111は、ラッチ構造で構成される。ここで、ラッチ構造(latch structure、flip-flop)とは、力の方向に対して垂直な方向に倒れてから戻ってくる復元構造を意味する。ラッチ構造が形成されたレバーは、上昇する力の方向に対して垂直な方向に倒れてから戻ってくるか、或いは下降する力の方向に対して垂直な方向に反対に倒れてから戻ってくる復元力を形成する。
【0020】
ここで、このような力を、トルク発生ツールのうち、上昇する方向に動く昇降機構である開口部付きのシリンダーが作用させると、特定の位置に固定されたハードウェアが上昇力を受けながら、ラッチ構造のレバーが力に対して垂直な方向に広がると同時に、ハードウェアが自由落下によってシリンダーの特定の空間に取り出される。それと同時に、シリンダーは、復元力によって上昇と同時に後進する。これにより、取り出されたハードウェアは、互いに重なり合いながら、又はトルク発生ツールのトルク印加部によってトルクの印加を受けながら自動的に締結される。
【0021】
図1のラッチ構造は、レバー111に備えられた中心ピン117とばね118とを介して実現される。中心ピン117は、レバーが広がるように倒れてから戻ってくる中心軸を形成するようにレバー111を固定させる。ばね118は、弾性力によってレバーが一方向に広がっても再び戻ってくることができる復元力を提供する。したがって、上述した原理によって、ハードウェアが取り出され、締結される。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の一部を示す図である。本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置は、図1のラッチ構造を形成したレバー111を含み、ハードウェアを貯蔵及び供給するために外縁に挿入溝が形成されたマガジン110と、マガジンに結合され、マガジンを回転させてハードウェアを所定の位置に位置させる回転部120と、上昇の際に、回転部によって位置されたハードウェアを上昇させる昇降機構が設けられ、上昇したハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が備えられたトルク発生ツール130と、を含む。このようなハードウェア自動締結装置は、ハードウェアに含まれたクリップ、ボルト、ナットごとに3種が同時に備えられる。さらに、3種の自動締結装置同士を連結するためのブラケット100dが備えられる。そして、締結するハードウェアの締結順序に応じて、各締結装置を昇降させるロボット300が備えられる。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の外周縁上のラッチ構造を示す図である。図1で説明したように、マガジン110に含まれたレバー111は、ラッチ構造116を含み、ラッチ構造を形成するために中心ピン117とばね118とを備える。これに加えて、マガジン110は、レバー111の端部両側に突出ピン112を備え、突出ピン112は、挿入溝方向に突出するように形成される。これにより、ハードウェアは、所定の位置に物理力によって正確に固定される。したがって、図3に示すように、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置は、挿入溝と共に突出ピン112をさらに備えることにより、ハードウェアの安定した位置に位置させる固定力を強化する。
【0024】
一方、図3の突出ピン112と異なり、磁性を帯びたボルトやナットを締結するハードウェア自動締結装置の場合、レバー111に磁石が備えられる。すなわち、レバー111に備えられた磁石の磁力によってボルトやナットの位置を固定する。レバー111に備えられた磁石は、挿入溝が備えられた箇所に配置される。また、レバー111に備えられた磁石は、挿入溝が備えられた箇所よりも回転中心側方向に離れたところに配置され、挿入溝と回転中心とを連結した連結線と対称になるレバー内の両点に配置される。
【0025】
さらに、図3を参照すると、マガジン110は、回転可能であり、回転時にハードウェアの位置が変更されることを制限するために、マガジンの外側に回転ガイド113をさらに備える。回転ガイドは、レバー111の外側であり、レバー111の外側端が回転する外周縁上の曲面である。曲面は、回転に伴う慣性力によってハードウェアが跳ね出すことを、跳ね返すことにより防止する。
【0026】
図3に示すように、マガジン110は、挿入溝と回転中心とを連結する連結線上に位置する開口部付きの小型スリット114、及び回転ガイド113に結合されて回転中心方向にセンサー信号を伝播及び受信する定位置感知センサー115をさらに備える。上述したように、ハードウェアは、回転によって散布される。よって、マガジン110の挿入溝の中心である定位置上にハードウェアが位置するか否かを感知するように設計される。したがって、本発明は、小型スリット114をさらに備え、小型スリット114と対向の小型スリット114とを連結する第1連結線上における、定位置感知センサーのセンサー信号が感知される地点を回転中心として感知する。そして、回転中心を基準に小型スリット114同士を連結した第2連結線上にハードウェアが位置しているか否かを感知することにより、ハードウェアの散布度とそれによる定位置制御を行うようにする。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の回転部を示す図である。図4を参照すると、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置では、回転部120は、マガジンと結合又は分離させることができるようにマガジンに対して着脱可能なシリンダー121と、マガジンを回転させるサーボモーター122と、サーボモーターとマガジンとを連結するベルト123とが備えられる。すなわち、マガジン110は、トルク発生ツール130の昇降によってハードウェアを取り出して締結した後、回転部120によって回転することにより、マガジンに多数積層された複数のハードウェアが同時に移動できるように設計される。このような役割を回転部120のシリンダー121及びサーボモーター122が行う。ここで、シリンダー121は、マガジンと結合してサーボモーターの回転力を伝達することができるように、サーボモーターと結合される部分に開口部が形成される。
【0028】
マガジン110は、シリンダー121との嵌合を実現するためにマガジンと平行であり、回転部120の回転軸のいずれか一箇所を質量中心として一定の厚さに形成された支持部を含み、シリンダー121は、マガジン110と結合させるために支持部が嵌め込まれるように一定の厚さだけ離隔した空間を形成し、サーボモーター122の回転力を伝達する。
【0029】
もちろん、図4に示されているのとは異なり、本発明の他の実施形態によるハードウェア自動締結装置は、サーボモーターの代わりに回転体を使用することができる。
【0030】
図5は、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置のトルク発生ツールを示す図である。図5を参照すると、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置のトルク発生ツール130は、上方に1段前進又は下方に1段後進するにつれてレバー111の上端部が固定又は固定解除されるように、複数の突出部位が形成されたフィンガー部を備える1段シリンダー131と、1段シリンダーを上方に1段前進又は下方に一段後進させる、或いは2段シリンダーを上方に2段前進又は下方に2段後進させるモーターを備えるナットランナー135と、1段シリンダーの1段前進を介してレバー111の上端部が持ち上げられないように固定されることにより、ハードウェアが装着されるように支持する開口部付きの締結ソケット132と、締結ソケット132の下側と結合され、締結ソケット132に装着されたハードウェアを貯蔵するレバー111を上昇させてマガジン111からハードウェアを取り出し、レバーを下降させてレバーを原位置に移動させる昇降機構と、昇降機構の上昇又は下降による振動を防止するために、昇降機構の外周面を囲む形で形成された昇降ガイド133と、上昇したハードウェアにトルクを印加するトルク印加部が設けられ、上方に2段前進しながらハードウェアにトルク印加部がトルクを印加して加圧することによりハードウェアを締結する2段シリンダー134と、を含む。
【0031】
言い換えれば、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置は、ナットランナー135によって1段シリンダー131の1段前後進に応じてレバー111の上端部を固定解除し、これと同時に、昇降機構が、マガジン110に固定されたハードウェアを取り出し、その後、2段シリンダー134によってハードウェアが締結される。ここで、1段シリンダーの1段前進時に上昇する高さは、レバー111が持ち上げられない最大高さに指定されることが好ましい。これにより、定位置に位置したハードウェアをトルク発生ツール133に装着させる上でその安定性を高めることができる。
【0032】
ただし、ここで、ナットランナー135は、1段シリンダーを上方に1段前進又は下方に1段後進させる、或いは2段シリンダーを上方に2段前進又は下方に2段後進させるモーターを備えるものであり、図5に示されているのとは異なり、他の形態の回転ツールに変形することができる。
【0033】
一方、本発明の一実施形態によるハードウェア装置は、1段前進によって締結ソケットの中心部に装着されたハードウェアが、昇降機構の上昇を介して締結ソケット132の開口部も上昇してレバーの上端部の固定が解放されると同時に、ハードウェアが自由落下することにより、トルク発生ツール133にハードウェアを取り出すことができるようにする。
【0034】
ただし、このような取出原理は、図3に示されている突出ピン112がハードウェアに備えられた場合に好ましい。すなわち、挿入溝方向に突出した突出ピン112の物理力によって弱く固定されたハードウェアが、昇降機構の上昇を介してその接触が解除されながら物理力が作用しない形態で、上述したような取出原理が導出される。
【0035】
したがって、図3に示されている突出ピン112とは異なり、磁石を介してハードウェアが固定される本発明の他の実施形態によるハードウェア自動締結装置では、1段シリンダーの1段前進及び昇降機構の上昇のみではその磁力の作用が解除されないことがある。また、ハードウェアのうち、ボルトとナットの角張った構造(特に六角構造)により単純な昇降機構の上昇のみでは締結ソケット132の正確な位置に装着させることができないことがある。
【0036】
したがって、本発明の他の実施形態によるハードウェア自動締結装置は、1段シリンダー131の1段前進及び昇降機構の上昇と同時に締結ソケット132に装着できるように、ナットランナーは前後進と共にトルクを加えることができるように設計できる。このようなナットランナーを介したトルク発生ツール133の回転力は、角張った構造による加圧摩擦力よりも高い範囲内において最大角速度に指定できる。やはり、この場合にも、レバー111は、1段シリンダー131の1段前進時にレバー111が持ち上げられない最大高さに指定された分だけ上昇する。
【0037】
もちろん、ここでのナットランナー135も、本発明の一実施形態と同様に、1段シリンダーを上方に1段前進又は下方に1段後進させる、或いは2段シリンダーを上方に2段前進又は下方に2段後進させるモーターを備えるものであり、図5に示されているのとは異なり、他の形態の回転ツールに変形することができる。
【0038】
図6は、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置の外周縁上のラッチ構造の締結メカニズムを示す図である。特に、図6は本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置のレバー111のラッチ構造116による締結メカニズムを示す。本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置において、トルク発生ツール130の昇降機構の昇降のみでハードウェアを取り出して締結される解決原理は、マガジン111のレバーのラッチ構造116のためである。
【0039】
次に、取出及び締結の手順について、図6を参照して説明する。(1)1段シリンダー131の1段前進によってレバー111の上端部が固定されることにより、ハードウェアの位置を調整する。(2)1段シリンダー131の1段後進及びトルク発生ツール130の昇降機構の上昇、又は上昇力と同時に加わる回転力によってハードウェアが自由落下することにより、ハードウェアが取り出される。(3)このとき、図6に示されているように、レバー111は、ラッチ構造に応じて、上昇力の垂直方向に広がる。(4)取り出されたハードウェアは、2段シリンダー134に備えられたトルク印加部が上方に2段前進しながらハードウェアにトルクを印加して加圧することにより、ハードウェアを締結する。(5)取り出された後、トルク発生ツール130の昇降機構は下降し、下降により、レバー111のラッチ構造に備えられた弾性力で広がった方向とは反対方向に広がってから原位置に戻ってくる。(6)マガジン110は、回転中心を基準に、予め設定された一定の角度だけ回転し、複数の離隔した他のレバー111に位置した他のハードウェアが定位置に位置するようにする。(7)(1)~(6)を繰り返し行う。
【0040】
つまり、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置は、レバーのラッチ構造が昇降機構の昇降によってハードウェアを取り出すと同時に昇降機構の下降を可能にすることにより、1段シリンダー131及び2段シリンダー134によってハードウェアを固定及び解除し、取り出されたハードウェアを結合する一元化締結ソリューションを提供する。
【0041】
図7は、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置にハードウェアを供給する供給部を示す図である。当該ハードウェアは、ラインフィーダー及び/又はボールフィーダーなどのコンベアベルト形態のフィーダー部(図示せず)を介して供給され、供給部に積載される。供給部200は、締結されたハードウェアを積載するためのところであり、予めハードウェアが積載された新マガジンと締結後の旧マガジンとを交換する交換部230を含む。交換部230は、旧マガジンを再結合するための開口部が形成されたフィーダー部の待機位置を含む。自動締結装置100に連結されたロボットは、自動締結装置100をフィーダー部の待機位置へ移動させる。
【0042】
その後、ロボットは、回転部120に備えられたシリンダー121を、これに結合されていた旧マガジン110を分離するために締結ツール100から脱着させ、新マガジン110を再結合するための開口部が形成されたフィーダー部の待機位置に装着させる。その後、フィーダー部の待機位置を上側に支持する装着プレート231は、予めハードウェアが積載された新マガジンと締結された後、旧マガジン110と交換するために180度以上回転可能に設計されている。交換部230は、装着プレート231を180度回転させることにより交換する。その後、交換が完了すると、ロボット300は、積載済みの新マガジンをシリンダー121を用いて再び回転部120に再結合させる。
【0043】
ここで、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置と結合されるロボットは、自動移動手段であって、力を制御することができるアクチュエータで代替することができる。
【0044】
従来のボルトとナットの自動締結装置は、ナットをマガジンに固定させた後、ボルトを上端で締結する装置であって、人がドライバーを使って組み立てることを自動方式に切り替えた。ただし、この場合、方向が固定されるため、ナットの代わりにボルトをマガジンに固定させ、ナットを別途下部に締結する方式は不可能である。特に、このようなシューティング方式は、ナットやボルトを一つずつ移送するため、高速移送が不可能であり、下部締結による干渉が不可避である。
【0045】
ところが、本発明の一実施形態によるハードウェア自動締結装置100にフィーダー部及びロボット300が結合される場合、旧ハードウェアの締結作業と同時に、新ハードウェアの積載作業が行われるようにする。これと同時に、マガジンの回転による取出及び締結は、ロボットの全高を下げる効果があるため、ハードウェア締結による干渉を避けることができる。
【0046】
以上、本発明の特定の実施形態に関連して図示し説明したが、本発明の技術的思想から逸脱することなく、本発明に多様な改良及び変更を加え得るのは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0047】
100 統合締結ツール
100d ブラケット
110 円形マガジン
111 レバー
112 突出ピン
113 回転ガイド
114 小型スリット
115 定位置感知センサー
116 ラッチ構造
117 中心ピン
118 ばね
120 回転部
121 シリンダー
122 サーボモーター
123 ベルト
130 トルク発生ツール
131 1段シリンダー
132 締結ソケット
133 昇降ガイド
134 2段シリンダー
135 ナットランナー
200 供給部
210 移送部
230 交換部
231 装着プレート
300 ロボット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7