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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043909
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
B25J15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151643
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(72)【発明者】
【氏名】永田 和之
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707DS01
3C707ES01
3C707ES03
3C707ET00
3C707ET02
3C707EU00
3C707EU11
3C707EU12
3C707HS27
3C707KS33
3C707KS37
3C707KV04
3C707KV06
3C707KX07
3C707LT12
(57)【要約】
【課題】簡易な構成により、複雑な形状の対象物であっても安定的に把持することができるロボットハンドを提供する。
【解決手段】
対象物を把持するロボットハンド1であって、上記対象物に少なくとも異なる二面で当接するV字型指V1と、上記対象物を上記二面と共に包囲するワイヤーWと、上記ワイヤーWを引っ張ることにより、上記対象物を上記二面へ押圧して固定すると共に、上記ワイヤーを緩めることにより、固定した上記対象物を解放するプーリPを備えたロボットハンド1を提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を把持するロボットハンドであって、
前記対象物に少なくとも異なる二面で当接する当接手段と、
前記対象物を前記二面と共に包囲するワイヤーと、
前記ワイヤーを引っ張ることにより、前記対象物を前記二面へ押圧して固定すると共に、前記ワイヤーを緩めることにより、固定した前記対象物を解放する張力可変手段を備えたロボットハンド。
【請求項2】
前記当接手段は、隣接する鉛直方向の辺で接合された二つの面からなる請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記当接手段は、さらに、前記二つの面上において前記辺と直交する辺に連設された凸部を含む請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項4】
外部装置と連結するための連結手段と、
接合された前記辺に沿って設けられた回転軸と、
前記連結手段から前記回転軸までの距離を調節する距離調節手段をさらに備えた請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記回転軸と前記当接手段の間に配設されたねじりバネをさらに備え、
前記距離調節手段は、前記距離を調節する弾性体を含む請求項4に記載のロボットハンド。
【請求項6】
前記連結手段と各々の前記面を連結する二つの弾性体をさらに備えた請求項4に記載のロボットハンド。
【請求項7】
前記張力可変手段は、
前記ワイヤーを巻取り、若しくは送出するプーリに連結されてプーリを回転させるモータと、
前記ワイヤーの張力を検出する張力検出手段と、
前記張力検出手段により検出された前記ワイヤーの張力に応じて、前記モータの回転を制御する制御手段を含む請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項8】
前記当接手段は、
第一の面と、
前記第一の面上に位置する回転軸の周りに回転する第二の面と、
対向する前記第一の面と前記第二の面を連結する弾性体を含む請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項9】
前記当接手段は、
第一の面と、
前記第一の面上に位置する回転軸の周りに回転する第二の面と、
前記回転軸の周りに回転する第三の面と、
対向する前記第一の面と前記第二の面を連結する第一の弾性体と、
対向する前記第一の面と前記第三の面を連結する第二の弾性体を含む請求項1に記載のロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を把持するロボットハンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで種々のロボットハンドが考案されているが、例えば特許文献1には、掌部と複数の指部とを備え、指部を屈曲または直動させて対象物を挟み持つようにしたロボットハンドであって、複数の指部のうちの一部の指部が、対象物へ接近する方向及びその反対方向に位置調整可能なロボットハンドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-94643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたロボットハンドは、複雑な形状の対象物を把持するために機構が複雑になっているという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、簡易な構成により、複雑な形状の対象物であっても安定的に把持できるロボットハンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、対象物を把持するロボットハンドであって、上記対象物に少なくとも異なる二面で当接する当接手段と、上記対象物を上記二面と共に包囲するワイヤーと、上記ワイヤーを引っ張ることにより、上記対象物を上記二面へ押圧して固定すると共に、上記ワイヤーを緩めることにより、固定した上記対象物を解放する張力可変手段を備えたロボットハンドを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡易な構成により、複雑な形状の対象物であっても安定的に把持できるロボットハンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係るロボットハンド1の構成を示す横断面図である。
図2図1に示されたプーリPの構成を示す斜視図である。
図3図1に示されたロボットハンド1を直上から見たときの構成を示す平面図である。
図4図1に示されたロボットハンド1の主要部を示す斜視図である。
図5図1に示されたロボットハンド1を正面から見たときの構成を示す正面図である。
図6図1に示されたV字型指V1に替わる他の例を示す斜視図である。
図7図1に示されたV字型指V1の替わりに図6に示されたV字型指V2を採用したロボットハンドを正面から見たときの構成を示す正面図である。
図8図1等に示されたロボットハンド1における張力可変機構の構成を示すブロック図である。
図9図8に示された張力検出部STの一例を示す斜視図である。
図10図9に示された張力センサST1の配置を示す平面図である。
図11図9及び図10に示された張力センサST1の構成を示す平面図である。
図12図9から図11に示された張力センサST1の替わりに採用された張力センサST2の配置を示す斜視図である。
図13図12に示された張力センサST2の構成を示す平面図である。
図14】本発明の実施の形態2に係るロボットハンド12の構成を示す斜視図である。
図15】本発明の実施の形態3に係るロボットハンド13の主要部を示す斜視図である。
図16】本発明の実施の形態3に係るロボットハンド13におけるV字型指V1を直上から見たときの構成を示す平面図である。
図17図15に示されたロボットハンド13におけるV字型指V1の動作を示す遷移図である。
図18】本発明の実施の形態4に係るロボットハンドにおけるV字型指V3を直上から見たときの構成を示す平面図である。
図19】本発明の実施の形態5に係るロボットハンドにおけるV字型指V4を直上から見たときの構成を示す平面図である。
図20図19に示されたV字型指V4の動作を示す遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0010】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係るロボットハンド1の構成を示す横断面図であり、図2図1に示されたプーリPの構成を示す斜視図である。また、図3図1に示されたロボットハンド1を直上から見たときの構成を示す平面図であり、図4図1に示されたロボットハンド1の主要部を示す斜視図である。さらに、図5図1に示されたロボットハンド1を正面から見たときの構成を示す正面図である。
【0011】
これらの図に示されるように、本発明の実施の形態1に係るロボットハンド1は、図5に示されたペットボトルPB等の対象物を把持するロボットハンド1であって、ロボットアーム等の外部装置(図示していない)と連結するための部材であるハンドベースHBと、ハンドベースHBに固定され、図3に示されるように直上から見た場合にV字型をなす異なる二面で上記対象物に当接するV字型指V1と、上記対象物を上記二面と共に包囲するワイヤーWと、ワイヤーWを引っ張ることにより、上記対象物を上記二面へ押圧して固定すると共に、ワイヤーWを緩めることにより固定した対象物を解放する張力可変機構を備える。
【0012】
ここで、V字型指V1は、図3から図5に示されるように、隣接する鉛直方向の辺で接合された二つの面PLからなり、図5に示されるように、対象物がペットボトルの場合には、その蓋の部分がこれらの面PLに当接される。そして、本ペットボトルの蓋と容器の間に上記ワイヤーWを挟んで引っ張ることにより、本ペットボトルが把持される。
【0013】
なお、上記二つの面PLは、例えば、これらの面PL及びワイヤーWと上記蓋との三つの接触点が蓋の外周(円周)上で等間隔となるように、それらのなす角度を120°としても良い。
【0014】
また、V字型指V1は上記のように二つの面PLで対象物に当接するが、例えば直上から見た場合にコの字型をなす形状など、異なる三面以上で対象物へ当接する手段を用いても良い。
【0015】
また、図2に示されるように、プーリPの周りには、ワイヤーWが外に広がらないようにするためのガード2が設けられている。なお、ガード2はワイヤー出口Eを有すると共に、ハンドベースHBに固定されている。
【0016】
また、ロボットハンド1は、一方の端点JAが上記ワイヤー出口Eの近傍でハンドベースHBに固定され、他方の端点JBがV字型指V1に固定された蛇管Jを備える。
【0017】
なお、蛇管JとワイヤーWの摩擦を軽減するために、蛇管J内にフッ素樹脂製のチューブ等を入れたり、ワイヤーWを巻取り、若しくは送り出す時におけるモータMの回転にディザを加えたりしても好適である。
【0018】
そして、上記ワイヤーWは、その一端がプーリPに巻き付き固定されており、端点JAより蛇管J内を通って端点JBより出て、上記のようにV字型指V1の凹側に対してループを形成してV字型指V1に固定される。
【0019】
図6は、図1に示されたV字型指V1に替わる他の例を示す斜視図である。図6に示されるように、上記V字型指V1の替わりに、二つの面PL上において鉛直方向の接合辺と直交する辺に連設された凸部CVをさらに含むV字型指V2を用いても好適である。
【0020】
このようなV字型指V2によれば、図7に示されるように、ペットボトルPBの蓋と容器の間の凹部に上記凸部CVを嵌合させることができるため、より安定的にペットボトルPBを把持することができる。
【0021】
図8は、上記ロボットハンド1における張力可変機構の構成を示すブロック図である。図8に示されるように、この張力可変機構は、ハンドベースHBに固定され、ワイヤーWを巻取り、若しくは送出するプーリPに連結されてプーリPを回転させるモータMと、ワイヤーWの張力を検出する張力検出部STと、張力検出部STにより検出されたワイヤーWの張力に応じてモータMの回転を制御する制御部CTを含む。
【0022】
ここで、制御部CTは、予め格納されたプログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)により構成され、ユーザにより操作部OPへ入力された指令に応じて上記制御を行う。
【0023】
また、上記張力検出部STは、モータMに流れる電流の値からワイヤーWの張力を算出しても良いが、図9及び図10に示されるように、V字型指V1上のワイヤー固定端部に設置された張力センサST1を用いても良い。
【0024】
図11は、図9に示された張力センサST1の構成を示す平面図である。図11に示されるように、張力センサST1は、V字型指V1のワイヤー固定端においてワイヤーWを通すために面PLに穿設された穴Hと、穴Hを通したワイヤーWを受けるプーリP1と、固定部材4を介してV字型指V1に固定され歪みゲージ3が貼付されたビームBMと、ワイヤーWが固定されるビーム先端部5Aを備える。
【0025】
このような構成を有する張力センサST1においては、ワイヤーWに張力が加わるとビームBMに曲げが生じるため、その曲げ歪みを歪みゲージ3で計測することによってワイヤーWの張力が計測される。
【0026】
図12図9から図11に示された張力センサST1の替わりに採用された張力センサST2の配置を示す斜視図であり、図13図12に示された張力センサST2の構成を示す平面図である。
【0027】
図13に示されるように、張力センサST2は、V字型指V1のワイヤー固定端においてワイヤーWを通すために面PLに穿設された穴Hと、穴Hを通したワイヤーWを受けるプーリP1,P2と、固定部材4を介してV字型指V1に固定され歪みゲージ3を含むビームBMと、V字型指V1に固定されワイヤーWを止める部材5Bを備える。ここで、プーリP2はビームBMの端部に取り付けられている。
【0028】
このような構成を有する張力センサST2においても、ワイヤーWに張力が加わるとビームBMに曲げが生じるため、その曲げ歪みを歪みゲージ3で計測することによってワイヤーWの張力を計測することができる。
【0029】
以上のような本発明の実施の形態1に係るロボットハンド1によれば、V字型指V1,V2とワイヤーWで形成される上記ループ内に、直立して置かれた飲料容器(ペットボトルPB)の蓋の部分を、蓋と容器の間にワイヤーWが掛けられ挿入されるようにモータMを回転させ、プーリPによりワイヤーWを巻取り、V字型指V1,V2とワイヤーWで上記の蓋と容器の間を締め付けることによって、当該飲料容器を安定的に把持することができる。
【0030】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係るロボットハンド12は、実施の形態1に係るロボットハンド1と同様な構成を有するため、以下においては共通部分の説明は省略する。
【0031】
実施の形態1に係るロボットハンド1においては、把持対象とされる飲料容器(ペットボトルPB)が所定の位置から誤差のある位置に置かれている場合、ワイヤーWが締められるとV字型指V1,V2側に移動することが前提とされている.
【0032】
しかし、重量が大きかったり、ケースに入っていたりして当該容器が移動できない場合には、ワイヤーWを締めたときにV字型指V1,V2が当該容器側に移動して把持できる仕組みが必要となる。以下に説明するロボットハンド12は、かかるニーズを満たす具体例として考案されたものである。
【0033】
図14は、本発明の実施の形態2に係るロボットハンド12の構成を示す斜視図である。図14に示されるように、ロボットハンド12に係るV字型指V1は、上記二つの面PLが接合された鉛直方向の辺に沿った回転軸を含む回転支持部材7に回転支持されている。そして、回転支持部材7は、上記回転軸までの距離をバネ8で調節するスライダー6を介してハンドベースHBに連結されている。なお、回転支持部材7とV字型指V1の間には、ねじりバネ9が設けられている。
【0034】
以上のような本発明の実施の形態2に係るロボットハンド12によれば、V字型指V1はハンドベースHBに対してスライダー6の軸方向の並進及び回転支持部材7周りの回転を行うことができるため、ワイヤーWを締めたとき、V字型指V1は当該容器へ接近するよう移動し、本容器を確実に把持することができる。
【0035】
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係るロボットハンドは、実施の形態2に係るロボットハンド12と同様な構成を有するため、以下においては共通部分の説明は省略する。
【0036】
図15は、本発明の実施の形態3に係るロボットハンド13の主要部を示す斜視図である。図15に示されるように、本発明の実施の形態3に係るロボットハンド13は、ハンドベースHBと、回転軸を含む回転支持部材7と、ハンドベースHBから回転支持部材7までの距離を調節するスライダー6と、回転支持部材7の周りに回転するV字型指V1と、ハンドベースHBとV字型指V1を構成する各々の面PLを連結するバネ10,11を備える。
【0037】
本発明の実施の形態3に係るロボットハンドは、実施の形態2に係るロボットハンド12におけるバネ8及びねじりバネ9の替わりに、図16に示される二つのバネ10,11を用いたV字型指V1が採用されたものである。
【0038】
このような構成を有するロボットハンド13によれば、図17(a)に示された状態でモータMによりワイヤーWを矢印方向に巻き取ると、図17(b)から図17(d)に示されるように、ハンドベースHBからペットボトルPBへ向かってスライダー6を右矢印の向きへ並進させ、回転支持部材7周りにおいてV字型指V1が矢印の向きに回転することによって、V字型指V1をペットボトルPBと二点で接触させることができる。
【0039】
以上のような本発明の実施の形態3に係るロボットハンド13によっても、上記実施の形態2に係るロボットハンドと同様な効果、すなわち、並進運動するスライダー6と、回転支持部材7周りに回転するV字型指V1との相乗効果によって、安定的な把持を確実に実現することができる。
【0040】
[実施の形態4]
本発明の実施の形態4に係るロボットハンドは、上記実施の形態1から3に係るロボットハンドと同様な構成を有するため、以下においては共通部分の説明は省略する。
【0041】
上記V字型指V1,V2は、上記のように開き角度が一定の構造を有するが、対象物をよりスムーズに把持するため、以下のような構造を採用しても好適である。
【0042】
図18は、本発明の実施の形態4に係るロボットハンドにおけるV字型指V3を直上から見たときの構成を示す平面図である。図18に示されるように、V字型指V3は、ハンドベースHBに固定され第一の面を有する固定側部材B1と、上記第一の面上に位置する回転軸の周りに回転する第二の面を有する回転側部材B2と、対向する上記第一の面と上記第二の面を連結するバネ10を含む。なお、バネ10はねじりバネとしても良い。
【0043】
このような構成を有するV字型指V3によれば、図18(a)に示された状態においてワイヤーWを矢印の向きに牽引すると、図18(b)に示されるように回転側部材B2は固定側部材B1に対して閉じる方向に回転してペットボトルPBを把持することができる。一方、ワイヤーWを緩めるとバネ10により回転側部材B2は元の状態に戻る。
【0044】
[実施の形態5]
図19は、本発明の実施の形態5に係るロボットハンドにおけるV字型指V4を直上から見たときの構成を示す平面図である。図19に示されるように、V字型指V4は、ハンドベースHBに固定され第一の面を有する固定側部材B1と、上記第一の面上に位置する回転軸の周りに回転する第二の面を有する回転側部材B2と、上記回転軸の周りに回転する第三の面を有する回転側部材B3と、対向する上記第一の面と上記第二の面を連結するバネ10と、対向する上記第一の面と上記第三の面を連結するバネ11を含む。なお、バネ10,11はねじりバネとしても良い。
【0045】
このような構成を有するV字型指V4によれば、図19(a)に示された状態においてワイヤーWを矢印の向きに牽引すると、図19(b)に示されるように回転側部材B2,B3は、それぞれ閉じる方向に回転してペットボトルPBを把持することができる。一方、ワイヤーWを緩めるとバネ10,11により回転側部材B2,B3は元の状態に戻る。
【0046】
図20は、図19に示されたV字型指V4の動作を示す遷移図である。図20(a)に示された状態でモータMによりワイヤーWを矢印方向に巻き取ると、図20(b)から図20(d)に示されるように、上記回転軸周りにおいて回転側部材B2,B3がそれぞれ矢印の向きに回転することによって、V字型指V4をペットボトルPBとスムーズに二点で接触させることができる。
【0047】
以上のような本発明の実施の形態5に係るロボットハンドによれば、上記ペットボトルPBが重かったりケースに入っていたりして移動できない場合であっても、V字型指V4が開閉可能であるため、V字型指V4と当該ペットボトルPBを迅速かつ確実に二点接触させることによって、スムーズに安定的な把持を実現することができる。
【符号の説明】
【0048】
1,12,13 ロボットハンド、3 歪みゲージ、4 固定部材、5A ビーム先端部、5B 部材、6 スライダー、7 回転支持部材、8,10,11 バネ、9 ねじりバネ、B1 固定側部材、B2,B3 回転側部材、BM ビーム、CT 制御部、HB ハンドベース、M モータ、P,P1,P2 プーリ、PL 面、ST 張力検出部、ST1,ST2 張力センサ、V1~V4 V字型指、W ワイヤー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20