(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043946
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】車両管理サーバー
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230323BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151706
(22)【出願日】2021-09-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】間 雄大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の利用者が順次利用する車両の管理負担が特定の者に集中しないようにする車両管理サーバーを提供する。
【解決手段】車両管理システムにおいて、車両管理サーバー3は、車両を利用する利用者に対応する、上位アカウント、中位アカウント及び下位アカウントを含む利用者アカウントを管理する管理部32と、利用者が有する端末の少なくとも1つに対して車両の電子鍵を配信する配信部33と、を備える。管理部は、上位アカウントを、当該上位アカウントに対応する中位アカウント及び下位アカウントの登録又は削除を申請する権限が与えられる利用者アカウントとして管理し、中位アカウントを、当該中位アカウントに対応する下位アカウントの登録又は削除を申請する権限が与えられる利用者アカウントとして管理し、下位アカウントを、他の利用者アカウントの登録及び削除を申請する権限が与えられない利用者アカウントとして管理する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を利用する複数の利用者にそれぞれ対応する複数の利用者アカウントを管理する管理部と、
前記複数の利用者がそれぞれ有する複数の端末の少なくとも1つに対して前記車両の電子鍵を配信する配信部と
を備え、
前記複数の利用者アカウントは、上位アカウントと中位アカウントと下位アカウントとを含み、
前記管理部は、
前記上位アカウントと前記中位アカウントとを関連付けて管理し、前記中位アカウントと前記下位アカウントとを関連付けて管理し、
前記上位アカウントを、当該上位アカウントに対応する前記中位アカウント及び前記下位アカウントの登録又は削除を申請する権限が与えられる利用者アカウントとして管理し、
前記中位アカウントを、当該中位アカウントに対応する前記下位アカウントの登録又は削除を申請する権限が与えられる利用者アカウントとして管理し、
前記下位アカウントを、他の利用者アカウントの登録及び削除を申請する権限が与えられない利用者アカウントとして管理する、
車両管理サーバー。
【請求項2】
前記管理部は、
複数の中位アカウントを前記上位アカウントに関連付けて管理し、
前記上位アカウントを、前記複数の中位アカウント毎に前記車両の利用可能期間及び利用可能時間帯を設定する権限が与えられた利用者アカウントとして管理し、
前記配信部は、
前記複数の中位アカウントの各々に対し、前記上位アカウントにより設定された前記車両の利用可能期間及び時間帯において前記車両の利用が可能となるような電子鍵を配信し、
前記管理部は、
複数の下位アカウントを前記中位アカウントに関連付けて管理し、
前記中位アカウントを、前記複数の下位アカウント毎に前記車両の利用可能期間及び利用可能時間帯を前記上位アカウントにより設定された範囲内で設定する権限が与えられた利用者アカウントとして管理し、
前記配信部は、
前記複数の下位アカウントの各々に対し、前記中位アカウントにより設定された前記車両の利用可能期間及び時間帯において前記車両の利用が可能となるような電子鍵を配信する、
請求項1に記載の車両管理サーバー。
【請求項3】
利用者アカウントの登録申請を受け付ける受付部をさらに備え、
前記受付部が前記上位アカウントから下位アカウントの登録申請を受け付けたときに、前記管理部は、前記下位アカウントを前記複数の中位アカウントのいずれかと関連付ける、
請求項2に記載の車両管理サーバー。
【請求項4】
前記管理部は、前記上位アカウントを、前記上位アカウントに対応する複数の中位アカウントの前記車両の利用可能期間及び利用可能時間帯を重複しないように設定する権限が与えられた利用者アカウントとして管理する、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両管理サーバー。
【請求項5】
前記受付部は、
前記下位アカウントから前記車両の利用申請を受け付け、
前記下位アカウントに関連付けられた前記上位アカウント又は前記中位アカウントに対して、前記車両の利用申請があったことを通知し、
前記車両の利用申請に対する前記上位アカウント又は前記中位アカウントによる承認を受け付け、
前記配信部が前記車両の利用申請に応じた電子鍵を前記下位アカウントに対して配信する、
請求項4に記載の車両管理サーバー。
【請求項6】
前記管理部は、
前記上位アカウントを、前記上位アカウントに関連付けられた中位アカウント及び下位アカウントに対し、前記車両に備えられた機能の利用を制限する権限が与えられた利用者アカウントとして管理し、
前記中位アカウントを、前記中位アカウントに関連付けられた中位アカウント及び下位アカウントに対し、前記上位アカウントから与えられた権限の範囲内で、前記車両に備えられた機能の利用を制限する権限が与えられた利用者アカウントとして管理する、
請求項5に記載の車両管理サーバー。
【請求項7】
前記管理部は、
前記上位アカウントの削除申請があった場合に、前記上位アカウントをリストから削除するとともに、前記上位アカウントに関連付けられた前記中位アカウントと前記中位アカウントに関連付けられた前記下位アカウントとを前記リストから削除し、
前記中位アカウントの削除申請があった場合に、前記中位アカウントをリストから削除するとともに、前記中位アカウントに関連付けられた前記下位アカウントを前記リストから削除する、
請求項6に記載の車両管理サーバー。
【請求項8】
前記利用者アカウントの登録申請及び削除申請は、多要素認証により完了する、請求項7に記載の車両管理サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両管理サーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、携帯端末の端末情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記端末情報に基づいて前記携帯端末と通信する通信部と、車両の始動を許可するための認証情報を生成する認証情報生成部と、前記認証情報生成部により生成された前記認証情報を前記車両内に通知する認証情報通知部と、前記認証情報通知部により通知された前記認証情報が、前記通信部によって前記携帯端末から受信された場合、受信された前記認証情報に基づいて前記車両の始動に関わる認証を行う車両始動認証部と、前記車両始動認証部の認証結果に基づいて前記車両の始動を許可する車両始動許可部と、を備えることを特徴とする車両制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術においては、カーシェアリングに用いられて複数の利用者により順次利用される乗用自動車に関して、その乗用自動車の所有者は、特定利用者と非特定利用者とに分けて利用者のアカウントを登録する。非特定利用者は所有者に日時と使用期間を申請し、所有者が承認することで電子鍵が発行される。非特定利用者はその電子鍵を用いて乗用自動車を利用する。利用者のアカウントの登録あるいは承認の権限は、所有者にのみ与えられている一方、特定利用者及び非特定利用者には与えられていない。そのため、所有者にとって車両の管理が煩雑となる可能性がある。
【0005】
本発明は、斯かる状況に鑑み、複数の利用者が順次利用する車両の管理負担が特定の者に集中しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両管理サーバーは、車両を利用する複数の利用者にそれぞれ対応する複数の利用者アカウントを管理する管理部と、前記複数の利用者がそれぞれ有する複数の端末の少なくとも1つに対して前記車両の電子鍵を配信する配信部とを備えている。前記複数の利用者アカウントは、上位アカウントと中位アカウントと下位アカウントとを含む。前記管理部は、前記上位アカウントと前記中位アカウントとを関連付けて管理し、前記中位アカウントと前記下位アカウントとを関連付けて管理し、前記上位アカウントを、当該上位アカウントに対応する前記中位アカウント及び前記下位アカウントの登録又は削除を申請する権限が与えられる利用者アカウントとして管理し、前記中位アカウントを、当該中位アカウントに対応する前記下位アカウントの登録又は削除を申請する権限が与えられる利用者アカウントとして管理し、前記下位アカウントを、他の利用者アカウントの登録及び削除を申請する権限が与えられない利用者アカウントとして管理する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の利用者が順次利用する車両の管理負担が特定の者に集中しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】コネクテッドカー管理サーバーの機能ブロック図である。
【
図3】上位アカウントに対する電子鍵の配信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】中位アカウントに対する電子鍵の配信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】下位アカウントに対する電子鍵の配信処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】カーシェアサービスにおける電子鍵の配信処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
【0010】
図1に示すように、車両管理システムSは、乗用自動車などの車両1と、車両1を順次利用する複数の利用者の各々が有する端末2とを備えている。車両1は、コネクテッドカーであり、データ通信ECU11と電子鍵ECU12とを有する。車両管理システムSはさらに、コネクテッドカー管理サーバー3と、鍵管理サーバー4と、予約管理サーバー5とを備えている。
【0011】
データ通信ECU11と、コネクテッドカー管理サーバー3とは、互いに通信可能なように構成されている。電子鍵ECU12と、端末2とは、BLE(Bluetooth Low Energy)などにより近距離無線通信を行うことができるように構成されている。また、端末2と、コネクテッドカー管理サーバー3とは、互いに通信可能なように構成されている。コネクテッドカー管理サーバー3は、鍵管理サーバー4及び予約管理サーバー5と通信可能なように構成されている。
【0012】
端末2には、車両1を利用するための電子鍵が付与される。この電子鍵の付与は、鍵管理サーバー4からコネクテッドカー管理サーバー3を経由して行うことができる。電子鍵が付与された端末2が施錠状態にある車両1の電子鍵ECU12と近距離無線通信を行うと、電子鍵ECU12はデータ通信ECU11を通じてコネクテッドカー管理サーバー3と通信を行い、端末2に付与されている電子鍵の認証を行う。この電子鍵が正当なものであると認証されると、車両1が開錠され、車両1を始動できるようになる。また、車両1の利用終了時に、端末2は電子鍵ECU12と通信を行って車両1を施錠することができる。
【0013】
図2に示すように、コネクテッドカー管理サーバー3は、受付部31と管理部32と配信部33とを備えている。各部の詳細は後述する。
【0014】
コネクテッドカー管理サーバー3は、車両管理サーバーとも呼ばれ、車両1を順次利用する複数の利用者を管理するリストを有している。このリストにおいて、上記複数の利用者のアカウントは、上位の権限が与えられる上位アカウントと、中位の権限が与えられる中位アカウントと、下位の権限が与えられる下位アカウントとのいずれかに区別されて管理されている。
【0015】
鍵管理サーバー4は、コネクテッドカー管理サーバー3からの要求を受けて、電子鍵を生成し、その電子鍵をコネクテッドカー管理サーバー3に配信する。予約管理サーバー5は、カーシェアサービスにおける車両1の予約管理を行う。
【0016】
コネクテッドカー管理サーバー3は、コンピュータハードウェアにより構成されている。コネクテッドカー管理サーバー3は、図示しないが、CPUと、インタフェース装置と、表示装置と、入力装置と、ドライブ装置と、補助記憶装置と、メモリ装置とを備えており、これらがバスにより相互に接続されている。
【0017】
コネクテッドカー管理サーバー3の機能を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体によって提供される。プログラムを記録した記録媒体がドライブ装置にセットされると、プログラムが記録媒体からドライブ装置を介して補助記憶装置にインストールされる。あるいは、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体により行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータからダウンロードすることもできる。補助記憶装置は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0018】
メモリ装置は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置からプログラムを読み出して格納する。CPUは、メモリ装置に格納されたプログラムにしたがってコネクテッドカー管理サーバー3の機能を実現する。インタフェース装置は、ネットワークを通して他のコンピュータに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置はキーボード及びマウス等である。
【0019】
なお、車両1と端末2と鍵管理サーバー4と予約管理サーバー5とは、コネクテッドカー管理サーバー3と同様のコンピュータハードウェアを有している。
【0020】
図3に、オーナーキーサービスにおけるオーナーキー配信の流れを示す。オーナーキーサービスとは、一般のユーザーであるオーナーが所有する車両をオーナーあるいはその他の者(オーナーの家族、友人など)が利用できるようにするサービスである。
図3に示す処理により、オーナーに対してオーナー権限の鍵が配信される。
まず、ステップS102にて、オーナーの端末2は、オーナーによる入力を受けて、オーナー鍵配信要求をコネクテッドカー管理サーバー3に送る。
続いて行われるステップS104にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の受付部31は、ステップS102にてオーナーの端末2から送られたオーナー鍵配信要求を受け付ける。
続いて行われるステップS106にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、鍵管理サーバー4に対し、オーナー権限の鍵配信要求を送る。
続いて行われるステップS108にて、鍵管理サーバー4は、鍵を生成し、その鍵をコネクテッドカー管理サーバー3に配信する。
続いて行われるステップS110にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の配信部33は、ステップS108にて鍵管理サーバー4から配信された鍵を受信し、その鍵をオーナーの端末2に送る。
【0021】
図4に、オーナーキーサービスにおけるサブオーナーキー配信の流れを示す。本処理により、サブオーナーに対してサブオーナー権限の鍵が配信される。
ステップS202は、サブオーナーに対する鍵の配信がサブオーナー自身の要求によるのか、オーナーの要求によるのかの場合分けのステップである。前者の場合はステップS204が次に行われ、後者の場合はステップS302が次に行われる。このようにシステム上、サブオーナー及びオーナーのどちらからでも鍵の申請ができるようになっている。
ステップS204にて、サブオーナーの端末2は、サブオーナーによる入力を受けて、鍵配信要求をコネクテッドカー管理サーバー3に送る。
続いて行われるステップS206にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の受付部31は、ステップS204にてサブオーナーの端末2から送られた鍵配信要求を受け付ける。
続いて行われるステップS208にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、サブオーナーから鍵配信要求を受け付けたことをオーナーの端末へ通知する。本ステップではさらに、オーナーは、上記通知を受けてサブオーナーへの鍵配信を承認するための入力をオーナーの端末に行う。オーナーの端末はその入力を受けて、鍵配信が承認されたことをコネクテッドカー管理サーバー3に通知する。
続いて行われるステップS210にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、オーナーの端末からの通知を受信し、オーナーによる承認結果を確認する。
続いて行われるステップS212にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、鍵管理サーバー4に対し、サブオーナー権限の鍵配信要求を送る。
続いて行われるステップS214にて、鍵管理サーバー4は、鍵を生成し、その鍵をコネクテッドカー管理サーバー3に配信する。
続いて行われるステップS216にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の配信部33は、ステップS214にて鍵管理サーバー4から配信された鍵を受信し、その鍵をサブオーナーの端末2に送る。
【0022】
ステップS302において、オーナーは、自己の端末を用いて、サブオーナーをユーザーリストに登録するための手続を行う。この手続の内容は、オーナーの端末からコネクテッドカー管理サーバー3へと送られる。コネクテッドカー管理サーバー3内の受付部31が上記手続の内容を受け付けたのち、管理部32は上記リストを更新する。これにより当該利用者がサブオーナーとしてリストに登録される。
続いて行われるステップS304において、オーナーは、自己の端末を用いて、サブオーナーへの鍵の配信をコネクテッドカー管理サーバー3に要求する。続いてステップS212が行われる。
【0023】
図5に、オーナーキーサービスにおけるユーザーキー配信の流れを示す。本処理により、ユーザーに対してユーザー権限の鍵が配信される。
ステップS402及びS404は、ユーザーに対する鍵の配信がユーザー自身の要求とサブオーナーの要求とオーナーの要求とのいずれによるのかの場合分けのステップである。ユーザー自身の要求による場合はステップS406が次に行われ、サブオーナーの要求による場合はステップS502が次に行われ、オーナーの要求による場合はステップS602が次に行われる。このようにシステム上、ユーザー、サブオーナー及びオーナーのいずれからでも鍵の申請ができるようになっている。
ステップS406にて、ユーザーの端末2は、ユーザーによる入力を受けて、鍵配信要求をコネクテッドカー管理サーバー3に送る。
続いて行われるステップS408にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の受付部31は、ステップS204にてユーザーの端末2から送られた鍵配信要求を受け付ける。
続いて行われるステップS410にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、そのユーザーに紐付くサブオーナーが存在するかどうかを判定する。そのユーザーに紐付くサブオーナーが存在すると判定された場合にステップS414が行われ、さもなければステップS412が行われる。
ステップS412において、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、ユーザーから鍵配信要求を受け付けたことをオーナーの端末へ通知する。本ステップではさらに、オーナーは、上記通知を受けてユーザーへの鍵配信を承認するための入力をオーナーの端末に行う。オーナーの端末はその入力を受けて、鍵配信が承認されたことをコネクテッドカー管理サーバー3に通知する。続いてステップS416が行われる。
ステップS414において、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、ユーザーから鍵配信要求を受け付けたことをサブオーナーの端末へ通知する。本ステップではさらに、サブオーナーは、上記通知を受けてユーザーへの鍵配信を承認するための入力をサブオーナーの端末に行う。サブオーナーの端末はその入力を受けて、鍵配信が承認されたことをコネクテッドカー管理サーバー3に通知する。続いてステップS416が行われる。
ステップS416にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、以下に述べる第1処理及び第2処理のいずれかを行う。
第1処理: ステップS412にてオーナーの端末から送られた通知を受信し、オーナーによる承認結果を確認する。
第2処理: ステップS414にてサブオーナーの端末から送られた通知を受信し、サブオーナーによる承認結果を確認する。
続いて行われるステップS418にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の配信部33は、鍵管理サーバー4に対し、ユーザー権限の鍵配信要求を送る。
続いて行われるステップS420にて、鍵管理サーバー4は、鍵を生成し、その鍵をコネクテッドカー管理サーバー3に配信する。
続いて行われるステップS422にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の配信部33は、ステップS214にて鍵管理サーバー4から配信された鍵を受信し、その鍵をユーザーの端末2に送る。
【0024】
ステップS502において、サブオーナーは、自己の端末を用いて、ユーザーをユーザーリストに登録するための手続を行う。この手続の内容は、サブオーナーの端末からコネクテッドカー管理サーバー3へと送られる。コネクテッドカー管理サーバー3内の受付部31が上記手続の内容を受け付けたのち、管理部32は上記リストを更新する。これにより当該利用者がユーザーとしてリストに登録される。
続いて行われるステップS504において、サブオーナーは、自己の端末を用いて、ユーザーへの鍵の配信をコネクテッドカー管理サーバー3に要求する。続いてステップS418が行われる。
【0025】
ステップS602において、オーナーは、自己の端末を用いて、ユーザーをユーザーリストに登録するための手続を行う。この手続の内容は、オーナーの端末からコネクテッドカー管理サーバー3へと送られる。コネクテッドカー管理サーバー3内の受付部31が上記手続の内容を受け付けたのち、管理部32は上記リストを更新する。これにより当該利用者がユーザーとしてリストに登録される。
続いて行われるステップS604において、オーナーは、自己の端末を用いて、ユーザーへの鍵の配信をコネクテッドカー管理サーバー3に要求する。続いてステップS418が行われる。
【0026】
図6に、カーシェアサービスの流れを示す。カーシェアサービスは、法人による利用を想定したサービスであるという点において、一般のユーザーによる利用を想定したオーナーキーサービスとは異なる。
まず、ステップS702にて、カーシェアサービスのユーザーの端末2は、同ユーザーによる車両予約操作を受けて、予約要求をコネクテッドカー管理サーバー3に送る。この予約要求はコネクテッドカー管理サーバー3内の受付部31により受け付けられる。
続いて行われるステップS704にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、予約管理サーバー5へ予約要求を送る。
続いて行われるステップS706にて、予約管理サーバー5は、ステップS704にてコネクテッドカー管理サーバー3から送られた予約要求に基づく車両の予約の可否を確認する。
続いて行われるステップS708にて、予約管理サーバー5は、上記予約要求に基づく車両の予約が可能かどうかを判定する。上記予約要求に基づく車両の予約が可能と判定された場合にステップS710が行われる。
上記予約要求に基づく車両の予約が可能と判定されなかった場合には、車両の予約が不可能であることが、予約管理サーバー5からコネクテッドカー管理サーバー3へ送られるとともに、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32からユーザーの端末へ送られる。続いてステップS702が再び行われる。
ステップS710において、コネクテッドカー管理サーバー3へ予約可否結果すなわちこの場合は予約可能であることが、予約管理サーバー5からコネクテッドカー管理サーバー3へ通知される。
続いて行われるステップS712にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の受付部31は、ユーザーの端末2から送られた鍵配信要求を受け付ける。
続いて行われるステップS714にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の管理部32は、鍵管理サーバー4に対し、ユーザー権限の鍵配信要求を送る。
続いて行われるステップS716にて、鍵管理サーバー4は、鍵を生成し、その鍵をコネクテッドカー管理サーバー3に配信する。
続いて行われるステップS718にて、コネクテッドカー管理サーバー3内の配信部33は、ステップS108にて鍵管理サーバー4から配信された鍵を受信し、その鍵をユーザーの端末2に送る。
【0027】
以上の実施形態において、車両1の利用者アカウントは、管理部32により、上位アカウントと中位アカウントと下位アカウントとに分類されて管理される。
上位アカウントは、車両の所有者に対応する利用者アカウントとすることができる。
上位アカウントは、中位アカウント及び下位アカウントの登録又は削除を申請する権限を有する。
中位アカウントは、上位アカウントが許可する場合に、下位アカウントの登録又は削除を申請する権限を有する。
下位アカウントは、他の利用者アカウントの登録及び削除を申請する権限を有さない利用者アカウントとして管理される。
上位アカウントは、登録した中位アカウント、下位アカウントと関連付けられて管理される。
中位アカウントは、登録した下位アカウントと関連付けられて管理される。
中位アカウントは、登録した下位アカウント毎に、利用可能期間及び利用可能時間帯を設定する権限を有している。
【0028】
前述のとおり、
図3~
図5に示した各実施形態はオーナーキーサービスで活用することができ、
図6に示した実施形態はカーシェアサービスで活用することができる。すなわち、オーナーキーサービス及びカーシェアサービスのいずれにおいても、上位アカウント、中位アカウント及び下位アカウントという構成を取ることができる。
従来は、上位アカウント(すなわち車両のオーナー)が全ての利用者アカウントを管理していた。しかし、本実施形態によれば、複数の中位アカウント(サブオーナー)を設け、中位アカウントの各々に複数の下位アカウント(ユーザー)が関連付けられる。中位アカウントは、上位アカウントに関連付けられる全ての下位アカウントを管理するのではなく、当該中位アカウントに関連付けられた比較的少数の下位アカウントを管理する。これにより、上位アカウントの管理負担の一部が複数の中位アカウントに分散され、上位アカウントの管理負担が低減する。管理の制度及びセキュリティの向上も期待される。
【0029】
すなわち、鍵管理サーバーは、上位アカウントからの申請に対し、規定の権限を付与しアカウントを管理する。
上位アカウントは、中位アカウント(サブオーナー)に対し、一定期間、車両を貸し出す。
中位アカウント(サブオーナー)は、与えられた権限の範囲内でのオーナーキーサービスあるいはカーシェアサービスとして、下位アカウント(ユーザー)に対し電子鍵を配信できる。
下位アカウント(ユーザー)は、日時と期間を指定し、鍵配信予約をすることで鍵を受け取り、車両を使用できる。
【0030】
また、リストから上位アカウントが削除されると、当該上位アカウントに紐付けされた中位アカウント及び下位アカウントが連動して一括削除される。
リストから中位アカウントが削除されると、中位アカウントに紐付けされた下位アカウントが連動して一括削除される。
上位アカウントは、下位アカウントの登録を申請する際に、下位アカウントを任意の中位アカウントと紐付けすることができる。
このように、あるアカウントを削除すると、そのアカウントに紐付けされたアカウントが連動して一括削除される。そのため、不要なアカウントの削除し忘れが無くなり、管理が容易になる。
【0031】
鍵管理サーバーにより発行される鍵は、3つのアカウント毎に異なる機能・権限が付与される。例えば、以下のような点について異なる機能、権限を付与することができる。
・走行距離のリセット操作の可否
・電子鍵によるリモートイグニッションのオン操作の可否
・電子鍵によるリモートエアコンのオン操作の可否
・電子鍵によるドア、トランク開閉操作の制限の可否
【0032】
上位アカウントは、中位アカウント及び下位アカウントのアカウント情報をコネクテッドカー管理サーバーに登録できる。
中位アカウント、紐付けされた下位アカウントの利用可能な期間・時間帯が設定できる。
上位アカウント、中位アカウント、下位アカウントのアカウント情報を、コネクテッドサーバーから削除できる。
上位アカウントのアカウント情報を削除すると、紐付けされた中位アカウントと下位アカウントのアカウント情報も連動して一括削除される。
同様に、中位アカウントのアカウント情報を削除すると、紐付けした下位アカウントのアカウント情報も連動して一括削除される。
下位アカウントのアカウント情報を、任意の中位アカウントに紐付けできる。
下位アカウントの予約申請を通知で受け取ることが可能である。
【0033】
中位アカウント(サブオーナー)は、下位アカウントを、コネクテッドカー管理サーバーに登録、削除できる。
上位アカウントの権限で、中位アカウントによる登録、削除の権限を制限する(使用不可とする)ことも可能である。
・下位アカウントの予約申請を通知で受け取ることが可能である。
【0034】
下位アカウント(ユーザー)は、他の利用者アカウントを、コネクテッドカー管理サーバーに登録及び削除することが不可能な利用者アカウントとすることができる。
下位アカウントから使用希望条件(日時・時間帯・場所等)を申請されると、車両予約管理サーバーが、予約の空き状況を確認し、空きがあれば予約される。すなわち、その下位アカウントに関連付けられた中位アカウント又は上位アカウントにより自動的に承認される。
あるいは、上位アカウントまたは中位アカウントによる手動承認も可能である。
自動と手動の切替えは、上位アカウントまたは中位アカウントが行うことができる。
【0035】
また、中位アカウントを設けることにより、ユーザーのリスト内で或る下位アカウントを検索する際に、全ての下位アカウントを検索対象とするのではなく、或る中位アカウントに紐付けられている複数の下位アカウントのみを検索対象とすることができる。そのため、中位アカウントが設けられておらず、所有者のアカウントに紐付けられている全てのユーザーアカウントが検索対象となる場合に比べて、検索対象が狭くなり、検索スピードの向上が見込まれる。つまり本発明の各実施形態によれば、コンピュータの性能面での向上が期待できる。
【0036】
上記実施形態に関連し、以下の付記を開示する。
[付記1]
車両を利用する複数の利用者にそれぞれ対応する複数の利用者アカウントを管理する管理部と、
前記複数の利用者がそれぞれ有する複数の端末の少なくとも1つに対して前記車両の電子鍵を配信する配信部と
を備え、
前記複数の利用者アカウントは、上位アカウントと中位アカウントと下位アカウントとを含み、
前記管理部は、
前記上位アカウントと前記中位アカウントとを関連付けて管理し、前記中位アカウントと前記下位アカウントとを関連付けて管理し、
前記上位アカウントを、当該上位アカウントに対応する前記中位アカウント及び前記下位アカウントの登録又は削除を申請する権限が与えられる利用者アカウントとして管理し、
前記中位アカウントを、当該中位アカウントに対応する前記下位アカウントの登録又は削除を申請する権限が与えられる利用者アカウントとして管理し、
前記下位アカウントを、他の利用者アカウントの登録及び削除を申請する権限が与えられない利用者アカウントとして管理する、
車両管理サーバー。
[付記2]
前記管理部は、
複数の中位アカウントを前記上位アカウントに関連付けて管理し、
前記上位アカウントを、前記複数の中位アカウント毎に前記車両の利用可能期間及び利用可能時間帯を設定する権限が与えられた利用者アカウントとして管理し、
前記配信部は、
前記複数の中位アカウントの各々に対し、前記上位アカウントにより設定された前記車両の利用可能期間及び時間帯において前記車両の利用が可能となるような電子鍵を配信し、
前記管理部は、
複数の下位アカウントを前記中位アカウントに関連付けて管理し、
前記中位アカウントを、前記複数の下位アカウント毎に前記車両の利用可能期間及び利用可能時間帯を前記上位アカウントにより設定された範囲内で設定する権限が与えられた利用者アカウントとして管理し、
前記配信部は、
前記複数の下位アカウントの各々に対し、前記中位アカウントにより設定された前記車両の利用可能期間及び時間帯において前記車両の利用が可能となるような電子鍵を配信する、
付記1に記載の車両管理サーバー。
[付記3]
利用者アカウントの登録申請を受け付ける受付部をさらに備え、
前記受付部が前記上位アカウントから下位アカウントの登録申請を受け付けたときに、前記管理部は、前記下位アカウントを前記複数の中位アカウントのいずれかと関連付ける、
付記2に記載の車両管理サーバー。
[付記4]
前記管理部は、前記上位アカウントを、前記上位アカウントに対応する複数の中位アカウントの前記車両の利用可能期間及び利用可能時間帯を重複しないように設定する権限が与えられた利用者アカウントとして管理する、付記1~3のいずれか一項に記載の車両管理サーバー。
[付記5]
前記受付部は、
前記下位アカウントから前記車両の利用申請を受け付け、
前記下位アカウントに関連付けられた前記上位アカウント又は前記中位アカウントに対して、前記車両の利用申請があったことを通知し、
前記車両の利用申請に対する前記上位アカウント又は前記中位アカウントによる承認を受け付け、
前記配信部が前記車両の利用申請に応じた電子鍵を前記下位アカウントに対して配信する、
付記4に記載の車両管理サーバー。
[付記6]
前記管理部は、
前記上位アカウントを、前記上位アカウントに関連付けられた中位アカウント及び下位アカウントに対し、前記車両に備えられた機能の利用を制限する権限が与えられた利用者アカウントとして管理し、
前記中位アカウントを、前記中位アカウントに関連付けられた中位アカウント及び下位アカウントに対し、前記上位アカウントから与えられた権限の範囲内で、前記車両に備えられた機能の利用を制限する権限が与えられた利用者アカウントとして管理する、
付記5に記載の車両管理サーバー。
[付記7]
前記管理部は、
前記上位アカウントの削除申請があった場合に、前記上位アカウントをリストから削除するとともに、前記上位アカウントに関連付けられた前記中位アカウントと前記中位アカウントに関連付けられた前記下位アカウントとを前記リストから削除し、
前記中位アカウントの削除申請があった場合に、前記中位アカウントをリストから削除するとともに、前記中位アカウントに関連付けられた前記下位アカウントを前記リストから削除する、
付記6に記載の車両管理サーバー。
[付記8]
前記利用者アカウントの登録申請及び削除申請は、多要素認証により完了する、付記7に記載の車両管理サーバー。
【0037】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0038】
S 車両管理システム
1 車両
2 端末
3 コネクテッドカー管理サーバー
31 受付部
32 管理部
33 配信部
4 鍵管理サーバー
5 予約管理サーバー