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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023043971
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/74 20180101AFI20230323BHJP
   F24F 1/0087 20190101ALI20230323BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20230323BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20230323BHJP
   F24F 110/22 20180101ALN20230323BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F1/0087
F24F6/00 331
F24F11/89
F24F110:22
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151750
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】大西 優生
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 悠二
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 晴之
【テーマコード(参考)】
3L050
3L055
3L260
【Fターム(参考)】
3L050AA08
3L050BC03
3L055AA01
3L260AB02
3L260AB14
3L260CA33
3L260FB63
3L260HA01
(57)【要約】
【課題】空気調和機において効率よく加湿運転を実行する。
【解決手段】
本開示の一態様の空気調和機は、室内機と室外機とを備える空気調和機であって、室外機に設けられ、室外空気の水分を吸収する吸収材と、吸収材を通過し、室外空気が室外から室外に流れる吸湿流路と、吸湿流路に室外空気の流れを発生させる吸湿ファンと、吸収材を回転駆動するモータと、吸湿ファンと、モータと、を制御する制御部と、を備え、制御部は、室外の相対湿度情報を取得し、室外の相対湿度情報に基づいて、モータの回転速度を制御する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機と室外機とを備える空気調和機であって、
前記室外機に設けられ、室外空気の水分を吸収する吸収材と、
前記吸収材を通過し、室外空気が室外から室外に流れる吸湿流路と、
前記吸湿流路に室外空気の流れを発生させる吸湿ファンと、
前記吸収材を回転駆動するモータと、
前記吸湿ファンと、前記モータと、を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、室外の相対湿度情報を取得し、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記モータの回転速度を制御する、
空気調和機。
【請求項2】
前記制御部は、前記室外の相対湿度が上昇した場合に前記モータの回転速度を減速し、前記室外の相対湿度が下降した場合に前記モータの回転速度を加速する、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記制御部は、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記吸湿ファンの回転速度を制御する、
請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記制御部は、前記室外の相対湿度が上昇した場合に前記吸湿ファンの回転速度を加速し、前記室外の相対湿度が下降した場合に前記吸湿ファンの回転速度を減速する、
請求項3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記吸収材を通過し、室外空気が流れる再生流路と、前記再生流路に室外空気を送る再生ファンと、をさらに備え、
前記制御部は、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記再生ファンの回転数を制御する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記制御部は、前記室外の相対湿度が上昇した場合に前記再生ファンの回転速度を加速し、前記室外の相対湿度が下降した場合に前記再生ファンの回転速度を減速する、
請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記再生流路における前記吸収材に対する上流側で室外空気を加熱するヒータをさらに備え、
前記制御部は、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記ヒータの入力電圧を制御する、
請求項5または6に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記制御部は、前記室外の相対湿度が上昇した場合に、前記ヒータの入力電圧を高くし、前記室外の相対湿度が下降した場合に前記ヒータの入力電圧を低くする、
請求項7に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記吸湿流路の前記吸収材の上流側に配置された相対湿度センサをさらに備え、
前記室外の相対湿度情報は、前記相対湿度センサにより検出される、
請求項1から8のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項10】
前記相対湿度センサを覆い、ラビリンス構造を有するセンサカバー、をさらに備える、
請求項9に記載の空気調和機。
【請求項11】
前記吸収材は、高分子収着材である、
請求項1から10のいずれか1項に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に記載するように、空気調和対象の室内に配置される室内機と、室外に配置される室外機とから構成される空気調和機が知られている。この空気調和機は、室外機から室内機に加湿された室外空気を供給できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-91000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、空気調和機の室外の相対湿度に基づいて効率よく加湿運転を実行したいというニーズがある。
【0005】
そこで、本開示は、室外の相対湿度に基づいて効率よく加湿運転を実行することのできる空気調和機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、
室内機と室外機とを備える空気調和機であって、
前記室外機に設けられ、室外空気の水分を吸収する吸収材と、
前記吸収材を通過し、室外空気が室外から室外に流れる吸湿流路と、
前記吸湿流路に室外空気の流れを発生させる吸湿ファンと、
前記吸収材を回転駆動するモータと、
前記吸湿ファンと、前記モータと、を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、室外の相対湿度情報を取得し、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記モータの回転速度を制御する、空気調和機が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、室外の相対湿度に基づいて効率よく加湿運転を実行することのできる空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態1に係る空気調和機の概略図
図2】換気装置の概略図
図3】換気運転中の換気装置の概略図
図4】加湿運転中の換気装置の概略図
図5】除湿運転中の換気装置の概略図
図6】空気調和機を制御する構成を示すブロック図
図7】加湿運転ONからOFFまでの全体の動作を示すフローチャート
図8】室外空気の相対湿度とモータの回転速度の大小関係を示すグラフ
図9】高分子収着材、シリカゲル、およびゼオライトの水蒸気吸着等温線
図10】変形例1の加湿運転制御のフローチャート
図11】室外空気の相対湿度と第2のファンの回転数との大小関係を示すグラフ
図12】変形例2の加湿運転制御のフローチャート
図13】室外空気の相対湿度と第1のファンの回転数との大小関係を示すグラフ
図14】変形例3の加湿運転制御のフローチャート
図15】室外空気の相対湿度とヒータの入力電圧との大小関係を示すグラフ
図16】実施の形態2に係る空気調和機の構成を示すブロック図
図17】換気装置の一部を示す平面図
図18図17のA-A断面図
図19図18の領域R1を拡大した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係る空気調和機は、室内機と室外機とを備える空気調和機であって、前記室外機に設けられ、室外空気の水分を吸収する吸収材と、前記吸収材を通過し、室外空気が室外から室外に流れる吸湿流路と、前記吸湿流路に室外空気の流れを発生させる吸湿ファンと、前記吸収材を回転駆動するモータと、前記吸湿ファンと、前記モータと、を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、室外の相対湿度情報を取得し、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記モータの回転速度を制御する。
【0010】
このような一態様によれば、室外の相対湿度に基づいて効率よく加湿運転を実行することができる。
【0011】
例えば、前記制御部は、前記室外の相対湿度が第1の閾値より高い場合に前記モータの回転速度を減速し、前記室外の相対湿度が前記第1の閾値より低い第2の閾値より低い場合に前記モータの回転速度を加速してもよい。
【0012】
例えば、前記制御部は、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記吸湿ファンの回転速度を制御してもよい。
【0013】
例えば、前記制御部は、前記室外の相対湿度が第3の閾値より高い場合に前記吸湿ファンの回転速度を加速し、前記室外の相対湿度が前記第3の閾値より低い第4の閾値より低い場合に前記吸湿ファンの回転速度を減速してもよい。
【0014】
例えば、前記吸収材を通過し、室外空気が流れる再生流路と、前記再生流路に室外空気を送る再生ファンと、をさらに備え、前記制御部は、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記再生ファンの回転数を制御してもよい。
【0015】
例えば、前記制御部は、前記室外の相対湿度が第5の閾値より高い場合に前記再生ファンの回転速度を加速し、前記室外の相対湿度が前記第5の閾値より低い第6の閾値より低い場合に前記再生ファンの回転速度を減速してもよい。
【0016】
例えば、前記再生流路における前記吸収材に対する上流側で室外空気を加熱するヒータをさらに備え、前記制御部は、前記室外の相対湿度情報に基づいて、前記ヒータの入力電圧を制御してもよい。
【0017】
例えば、前記制御部は、前記室外の相対湿度が第7の閾値より高い場合に、前記ヒータの入力電圧を高くし、前記室外の相対湿度が前記第7の閾値より低い第8の閾値より低い場合に前記ヒータの入力電圧を低くしてもよい。
【0018】
例えば、前記吸湿流路の前記吸収材の上流側に配置された相対湿度センサをさらに備え、前記室外の相対湿度情報は、前記相対湿度センサにより検出されてもよい。
【0019】
例えば、前記相対湿度センサを覆い、ラビリンス構造を有するセンサカバー、をさらに備えてもよい。
【0020】
例えば、前記吸収材は、高分子収着材であってもよい。
【0021】
以下、本開示の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る空気調和機の概略図である。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態に係る空気調和機10は、空調対象の室内Rinに配置される室内機20と、室外Routに配置される室外機30とを有する。
【0024】
室内機20には、室内空気A1と熱交換を行う室内熱交換器22と、室内空気A1を室内機20内に誘引するとともに、室内熱交換器22と熱交換した後の室内空気A1を室内Rinに吹き出すファン24とが設けられている。
【0025】
室外機30には、室外空気A2と熱交換を行う室外熱交換器32と、室外空気A2を室外機30内に誘引するとともに、室外熱交換器32と熱交換した後の室外空気A2を室外Routに吹き出すファン34とが設けられている。また、室外機30には、室内熱交換器22および室外熱交換器32と冷凍サイクルを実行する圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40が設けられている。
【0026】
室内熱交換器22、室外熱交換器32、圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40それぞれは、冷媒が流れる冷媒配管によって接続されている。冷房運転および除湿運転(弱冷房運転)の場合、空気調和機10は、冷媒が圧縮機36から四方弁40、室外熱交換器32、膨張弁38、室内熱交換器22を順に流れて圧縮機36に戻る冷凍サイクルを実行する。暖房運転の場合、空気調和機10は、冷媒が圧縮機36から四方弁40、室内熱交換器22、膨張弁38、室外熱交換器32を順に流れて圧縮機36に戻る冷凍サイクルを実行する。
【0027】
空気調和機10は、冷凍サイクルよる空調運転の他に、室外空気A3を室内Rinに導入する空調運転を実行する。そのために、空気調和機10は、換気装置50を有する。換気装置50は、室外機30に設けられている。
【0028】
図2は、換気装置の概略図である。
【0029】
図2に示すように、換気装置50は、その内部に室外空気A3、A4が通過する吸収材52を備える。
【0030】
吸収材52は、空気が通過可能な部材であって、通過する空気から水分を捕集するまたは通過する空気に水分を与える部材である。本実施の形態の場合、吸収材52は、円盤状であって、その中心を通過する回転中心線C1を中心にして回転する。吸収材52は、モータ54によって回転駆動される。
【0031】
吸収材52は、空気中の水分を収着する高分子収着材が好ましい。高分子収着材は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体から構成される。高分子収着材は、シリカゲルやゼオライトなどの吸着材に比べて、同一体積当たり水分を吸収する量が多く、低い加熱温度で担持する水分を脱着することができ、そして水分を長時間担持することができる。
【0032】
換気装置50の内部には、吸収材52をそれぞれ通過し、室外空気A3、A4がそれぞれ流れる第1の流路P1と第2の流路P2とが設けられている。第1の流路P1と第2の流路P2は、異なる位置で吸収材52を通過する。なお、第1の流路P1が、本開示の「再生流路」に相当し、第2の流路P2が、本開示の「吸湿流路」に相当する。
【0033】
第1の流路P1は、室内機20内に向かう室外空気A3が流れる流路である。第1の流路P1を流れる室外空気A3は、換気導管56を介して、室内機20内に供給される。
【0034】
本実施の形態の場合、第1の流路P1は、吸収材52に対して上流側に複数の支流路P1a、P1bを含んでいる。なお、本明細書において、「上流」および「下流」は、空気の流れに対して使用される。
【0035】
複数の支流路P1a、P2aは、吸収材52に対して上流側で合流する。複数の支流路P1a、P1bそれぞれには、室外空気A3を加熱する第1および第2のヒータ58、60が設けられている。
【0036】
第1および第2のヒータ58、60は、同一の加熱能力を備えるヒータであってもよいし、異なる加熱能力を備えるヒータであってもよい。また、第1および第2のヒータ58、60は、電流が流れて温度が上昇すると電気抵抗が増加する、すなわち過剰な加熱温度の上昇を抑制することができるPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータが好ましい。ニクロム線やカーボン繊維などを用いるヒータの場合、電流が流れ続けると加熱温度(表面温度)が上昇し続けるため、その温度をモニタリングする必要がある。PTCヒータの場合、ヒータ自体が加熱温度を一定の温度範囲内で調節するために、加熱温度をモニタリングする必要がなくなる。
【0037】
第1の流路P1には、室内機20内に向かう室外空気A3の流れを発生させる第1のファン62が設けられている。本実施の形態の場合、第1のファン62は、吸収材52に対して下流側に配置されている。第1のファン62が作動することにより、室外空気A3が、室外Routから第1の流路P1内に流入し、吸収材52を通過する。なお、第1のファン62が本開示の「再生ファン」に相当する。
【0038】
また、第1の流路P1には、第1の流路P1を流れる室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)または室外Routに振り分けるダンパ装置64が設けられている。本実施の形態の場合、ダンパ装置64は、第1のファン62に対して下流側に配置されている。ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられた室外空気A3は、換気導管56を介して室内機20内に入り、ファン24によって室内Rinに吹き出される。
【0039】
第2の流路P2は、室外空気A4が流れる流路である。第1の流路P1を流れる室外空気A3と異なり、第2の流路P2を流れる室外空気A4は、室内機20に向かうことはない。第2の流路P2を流れる室外空気A4は、吸収材52を通過した後、室外Routに流出する。
【0040】
第1の流路P1には、室外空気A4の流れを発生させる第2のファン66が設けられている。本実施の形態の場合、第2のファン66は、吸収材52に対して下流側に配置されている。第2のファン66が作動することにより、室外空気A4が、室外Routから第2の流路P2内に流入し、吸収材52を通過し、そして室外Routに流出する。なお、第2のファン66が、本開示の「吸湿ファン」に相当する。
【0041】
換気装置50は、吸収材52、モータ54、第1のヒータ58、第2のヒータ60、第1のファン62、ダンパ装置64、および第2のファン66を選択的に使用して換気運転、加湿運転、および除湿運転を選択的に実行する。
【0042】
図3は、換気運転中の換気装置の概略図である。
【0043】
換気運転は、室外空気A3をそのまま換気導管56を介して室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。図3に示すように、換気運転中、モータ54は吸収材52を回転し続ける。第1のヒータ58と第2のヒータ60は、OFF状態であって、室外空気A3を加熱していない。第1のファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。第2のファン66は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
【0044】
このような換気運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、第1および第2のヒータ58、60に加熱されることなく吸収材52を通過する。吸収材52を通過した室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような換気運転により、室外空気A3がそのまま室内Rinに供給され、室内Rinが換気される。
【0045】
図4は、加湿運転中の換気装置の概略図である。
【0046】
加湿運転は、室外空気A3を加湿し、その加湿された室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。図4に示すように、加湿運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。第1のヒータ58と第2のヒータ60は、ON状態であって、室外空気A3を加熱している。第1のファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。第2のファン66は、ON状態であって、それにより第2の流路P2内を室外空気A4が流れている。
【0047】
このような加湿運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、第1および第2のヒータ58、60に加熱されて吸収材52を通過する。このとき、加熱された室外空気A3は、加熱されていない場合に比べて、吸収材52からより多量の水分を奪うことができる。それにより、室外空気A3が多量の水分を担持する。吸収材52を通過して多量の水分を担持する室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような加湿運転により、多量の水分を担持する室外空気A3が室内Rinに供給され、室内Rinが加湿される。
【0048】
なお、第1のヒータ58と第2のヒータ60のいずれか一方をOFF状態にすることによって室外空気A3が吸収材52から奪う水分量を少なくする、すなわち室内Rinの加湿量が少ない弱加湿運転が実行されてもよい。
【0049】
加熱された室外空気A3に水分が奪われることにより、吸収材52の保水量が減少する、すなわち吸収材52が乾燥する。吸収材52が乾燥すると、第1の流路P1を流れる室外空気A3は吸収材52から水分を奪うことができない。その対処として、吸収材52は、第2の流路P2を流れる室外空気A4から水分を奪う。それにより、吸収材52の保水量がほぼ一定に維持され、加湿運転を継続することができる。
【0050】
図5は、除湿運転中の換気装置の概略図である。
【0051】
除湿運転は、室外空気A3を除湿し、その除湿された室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。図5に示すように、除湿運転では、吸着運転と再生運転とが交互に実行される。
【0052】
吸着運転は、室外空気A3に担持されている水分を吸収材52に吸着させ、それにより室外空気A3を除湿する運転である。図5に示すように、吸着運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。第1のヒータ58と第2のヒータ60は、OFF状態であって、室外空気A3を加熱していない。第1のファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。第2のファン66は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
【0053】
このような吸着運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、第1および第2のヒータ58、60に加熱されることなく吸収材52を通過する。このとき、室外空気A3に担持されている水分が吸収材52に吸着する。それにより、室外空気A3の水分の担持量が減少する、すなわち室外空気A3が乾燥される。吸収材52を通過して乾燥した室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような吸着運転により、乾燥した室外空気A3が室内Rinに供給され、室内Rinが除湿される。
【0054】
吸着運転が続くと、吸収材52の保水量が増加し続け、その結果、室外空気A3に担持されている水分に対する吸収材52の吸着能力が低下する。その吸着能力を回復するために吸収材52を再生させる再生運転が実行される。
【0055】
再生運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。第1のヒータ58と第2のヒータ60は、ON状態であって、室外空気A3を加熱している。第1のファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を、室内機20ではなく、室外Routに振り分ける。第2のファン66は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
【0056】
このような再生運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、第1および第2のヒータ58、60に加熱されて吸収材52を通過する。このとき、加熱された室外空気A3は、吸収材52から多量の水分を奪う。それにより、室外空気A3に多量の水分が担持される。それとともに、吸収材52の保水量が減少する、すなわち吸収材52が乾燥してその吸着能力が再生する。吸収材52を通過して多量の水分を担持する室外空気A3は、ダンパ装置64によって室外Routに振り分けられ、室外Routに排出される。これにより、除湿運転における再生運転中に、吸収材52の再生によって多量の水分を担持する室外空気A3が室内Rinに供給されることがない。
【0057】
このような吸着運転と再生運転を交互に行うことにより、吸収材52の吸着能力が維持され、除湿運転を継続的に実行することができる。
【0058】
上述の冷凍サイクルによる空調運転(冷房運転、除湿運転(弱冷房運転)、暖房運転)と換気装置50による空調運転(換気運転、加湿運転、除湿運転)は、別々に実行可能であり、また同時に実行することも可能である。例えば、冷凍サイクルによる除湿運転と換気装置50による除湿運転を同時に実行すれば、室温を一定に維持した状態で室内Rinを除湿することが可能である。
【0059】
空気調和機10が実行する空調運転は、ユーザによって選択される。例えば、図1に示すリモートコントローラ70に対するユーザの選択操作により、その操作に対応する空調運転を空気調和機10は実行する。
【0060】
ここまでは、本実施の形態に係る空気調和機10の構成および動作について概略的に説明してきた。ここからは、本実施の形態に係る空気調和機10の更なる特徴について説明する。
【0061】
図6は、空気調和機を制御する構成を示すブロック図である。
【0062】
図6に示すように、空気調和機10の構成要素は、制御部90によって制御される。制御部90は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。制御部90の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。制御部90は、メモリに格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。本実施の形態の場合、制御部90は、モータ54、第1のヒータ58、第2のヒータ60、第1のファン62、ダンパ装置64および第2のファン66を制御する。
【0063】
制御部90は、例えばインターネットとの接続が可能な通信部(図示省略)を有していることが好ましい。通信部は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、IEEE802.2、IEEE802.3、3G、LTE等の規格に従い通信を行うことができるものであればよい。通信部は、インターネットの他、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等、赤外線、Bluetooth(登録商標)で通信してもよい。
【0064】
<加湿運転のフロー>
図7は、加湿運転ONからOFFまでの全体の動作を示すフローチャートである。なお、図7に示す処理は、制御部90によって空気調和機10の構成要素を制御することによって実施される。なお、図7に示す処理は一例であって、本実施の形態は図7に示す処理に限定されない。
【0065】
図7に示す処理は、例えば、図1に示すリモートコントローラ70に対するユーザの選択操作により、加湿運転がONになったときに開始する。
【0066】
図7に示すように、ステップS10では、制御部90が、開始条件が成立しているか否かを判定する。制御部90が、開始条件が成立していると判定した場合、処理はステップS20に進む。制御部90が、開始条件が成立していないと判定した場合、処理はステップS10を繰り返す。
【0067】
開始条件は、加湿運転を開始するための条件であり、例えば、運転モード、湿度、湿度コントロール、運転周波数、インバータ電流、温度または異常の有無のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0068】
ステップS20では、制御部90が、ダンパ「開」制御を実施する。ダンパ「開」制御とは、ダンパ装置64を開いて、第1の流路P1を流れる室外空気A3を室内機20に振り分ける。これにより、室外空気A3が換気導管56を通って室内機20に流入する。
【0069】
ステップS30では、制御部90が、加湿運転制御を実施する。加湿運転制御では、ヒータのON(ステップS31)、室外Routの相対湿度情報の取得(ステップS32)、およびモータ54の回転速度の制御(ステップS33)が実行される。
【0070】
ステップS31で、制御部90が、ヒータ58、60をONにする。なお、加湿運転制御中、室内Rinの温度または湿度に応じて、制御部90は、ヒータ58、60のいずれか一方をONにする弱加湿運転、またはヒータ58、60の両方をONにする加湿運転を実行することができる。例えば、室内Rinの湿度が目標値に近付いた場合に、制御部90は、ヒータ58、60の一方をON、他方をOFFにして、弱加湿運転を実行し、室内Rinの湿度を適切な値に調整する。
【0071】
制御部90がヒータ58、60のうちいずれか一方をONにする場合、吸収材52の回転方向に対して下流側に配置されるヒータをONにするとよい。例えば、後述する図17に示すように、吸収材52が反時計回りに回転する場合、ヒータ60が回転方向に対して上流側に配置され、ヒータ58が回転方向に対して下流側に配置されるとよい。したがって、吸収材52が反時計回りに回転する場合、ヒータ60をOFF、ヒータ58をONにするとよい。
【0072】
上流側のヒータをONにすると、下流側のヒータを通過した室外空気A3が吸収材52により水分を奪われて除湿される。この場合、除湿された下流側ヒータを通過した室外空気A3と、加湿された上流側ヒータを通過した空気が混合されて、加湿量が低下してしまう。一方で、回転方向に対して上流側のヒータをOFF、下流側のヒータをONにする場合、上流側のヒータ(OFF)を通過した室外空気A3は、水分が飽和に近い状態の吸収材52を通過する。このため、室外空気A3はほとんど水分を奪われることなく吸収材を通過することができる。したがって、消費電力を低減して効率よく加湿運転を行うことができる。
【0073】
次に、ステップS32で制御部90が、第2の流路P2を流れる室外Routの相対湿度情報を取得する。例えば、制御部90は、室外Routの相対湿度情報として、室外Routに配置された湿度計による相対湿度情報を、通信部を介して取得することができる。または、制御部90は、室外Routの相対湿度情報として、天気予報の相対湿度情報等を、インターネットを介して取得することができる。室外Routの相対湿度情報は、例えば、室外Routに配置された湿度計による相対湿度情報、または天気予報の相対湿度情報等を使用することができる。
【0074】
ステップS32で取得した室外Routの相対湿度情報に基づいて、ステップS33で、制御部90は、モータ54の回転速度を制御する。制御部90は、室外Routの相対湿度が上昇するとモータ54の回転速度を減速させ、室外Routの相対湿度が下降するとモータ54の回転速度を加速させる。
【0075】
図8は、室外空気の相対湿度とモータの回転速度の大小関係を示すグラフである。図8に示すように、本実施の形態では、制御部90は、例えば、室外Routの相対湿度が、所定の閾値(第1の閾値)L1より高い場合に、モータ54の回転速度を低速で一定にする。また、制御部90は、例えば、室外Routの相対湿度が第1の閾値L1よりも低い所定の閾値(第2の閾値)L2より低い場合に、モータ54の回転速度を高速で一定にする。また、制御部90は、室外Routの相対湿度が第2の閾値L2以上第1の閾値L1以下の場合に、室外Routの相対湿度の上昇に応じてモータ54の回転速度を減速し、室外Routの相対湿度の下降に応じてモータ54の回転速度を加速する。
【0076】
図9は、高分子収着材の水蒸気吸着等温線である。図9に示すように、高分子収着材は、相対湿度の上昇に伴って水分の吸着量が増加する。本実施の形態のように、吸収材52の材料として高分子収着材を用いる場合、室外Routの相対湿度が上昇すると、吸収材52の吸着量が増加する。
【0077】
したがって、室外Routの相対湿度が高い場合には吸収材52の吸着量が多くなるため、モータ54の回転速度を低速にして吸収材52をゆっくり回転させる。このようにすると、室外Routの相対湿度が高い場合に、吸収材52により多くの水分を吸着させることができる。この場合、第1の流路P1を流れる室外空気A3が吸収材52を通過する際に室外空気A3がより多くの水分を含むことができ、効率よく加湿運転を実行することができる。
【0078】
逆に、室外Routの相対湿度が下降すると、吸収材52の吸着量が減少する。このため、吸収材52をゆっくり回転させると第2の流路P2において、吸収材52に吸着した水分が飽和状態となってしまう。このため、室外Routの相対湿度が第2の閾値L2よりも低い場合には、モータ54の回転速度を高速にして、吸収材52を速く回転させる。このようにすると、第2の流路P2における吸収材52への水分の吸着から、第1の流路P1における吸収材52からの水分の脱離までのサイクルを速くすることができる。このため、吸収材52の保水量を適切に維持しつつ、効率よく加湿運転を実行することができる。
【0079】
ステップS40では、制御部90が、加湿運転制御を終了するか否かを判定する。制御部90が加湿運転制御を終了すると判定した場合、処理は終了する。制御部90が加湿運転制御を終了しないと判定した場合、処理はステップS30を繰り返す。
【0080】
次に、変形例1の加湿運転制御について説明する。図10は、変形例1の加湿運転制御のフローチャートである。変形例1の加湿運転制御では、制御部90が第2のファン66の回転速度を制御する点で、上述した実施の形態の加湿運転制御と異なる。
【0081】
図10に示すように、ステップS32で、制御部90が、室外Routの相対湿度情報を取得した後、ステップS33Aで第2のファン66の回転速度を制御する。制御部90は、室外Routの相対湿度が上昇すると第2のファン66の回転速度を加速させ、室外Routの相対湿度が下降すると第2のファン66の回転速度を減速させる。
【0082】
図11は、室外空気の相対湿度と第2のファンの回転数との大小関係を示すグラフである。図11に示すように、本実施の形態では、制御部90は、例えば、室外Routの相対湿度が、所定の閾値(第3の閾値)L3より高い場合に、第2のファン66の回転速度を高速で一定にする。また、制御部90は、例えば、室外Routの相対湿度が第3の閾値L3よりも低い所定の閾値(第4の閾値)L4より低い場合に、第2のファン66の回転速度を低速で一定にする。また、制御部90は、室外Routの相対湿度が第4の閾値L4以上第3の閾値L3以下の場合に、室外Routの相対湿度の上昇に応じて第2のファン66の回転速度を加速し、室外Routの相対湿度の下降に応じて第2のファン66の回転速度を減速する。
【0083】
上述したように、室外Routの相対湿度が高い場合には、吸収材52の吸着量が増加する。このため、室外Routの相対湿度が高い場合には、制御部90は、第2のファン66の回転速度を加速し、より多くの室外空気A4を第2の流路P2に取り込むことで、吸収材52はより多くの水分を吸着することができる。したがって、第1の流路P1において、室外空気A3が吸収材52からより多くの水分を奪うことができ、効率よく加湿運転を実行することができる。
【0084】
また、室外Routの相対湿度が低い場合には、吸収材52の吸着量が減少する。このため、室外Routの相対湿度が低い場合には、多くの室外空気A4を第2の流路P2に取り込んでも、吸収材52の水分が飽和状態となってしまう。このため、第2のファン66の回転速度を低下させることで、電力消費を抑制することができる。
【0085】
次に、変形例2の加湿運転制御について説明する。図12は、変形例2の加湿運転制御のフローチャートである。変形例2の加湿運転制御では、制御部90が第1のファン62の回転速度を制御する点で、上述した実施の形態の加湿運転制御と異なる。
【0086】
図12に示すように、ステップS32で、制御部90が、室外Routの相対湿度情報を取得した後、ステップS33Bで第1のファン62の回転速度を制御する。制御部90は、室外Routの相対湿度が上昇すると第1のファン62の回転速度を加速させ、室外Routの相対湿度が下降すると第1のファン62の回転速度を減速させる。
【0087】
図13は、室外空気の相対湿度と第1のファンの回転数との大小関係を示すグラフである。図13に示すように、本実施の形態では、制御部90は、例えば、室外Routの相対湿度が、所定の閾値(第5の閾値)L5より高い場合に、第1のファン62の回転速度を高速で一定にする。また、制御部90は、例えば、室外Routの相対湿度が第5の閾値L5よりも低い所定の閾値(第6の閾値)L6より低い場合に、第1のファン62の回転速度を低速で一定にする。また、制御部90は、室外Routの相対湿度が第6の閾値L6以上第5の閾値L5以下の場合に、室外Routの相対湿度の上昇に応じて第1のファン62の回転速度を加速し、室外Routの相対湿度の下降に応じて第1のファン62の回転速度を減速する。
【0088】
例えば、ヒータ58、60がPTCヒータである場合、ヒータ58、60を通過する風量に応じてヒータ58、60の発熱温度が変わる。具体的には、ヒータ58、60を通過する風量が多い場合には、ヒータ58、60の発熱温度が高くなり、ヒータ58、60を通過する風量が少ない場合には、ヒータ58、60の発熱温度が低くなる。
【0089】
このため、室外Routの相対湿度が高く、吸収材52がより多くの水分を吸着する場合には、第1のファン62の回転速度を加速して、第1の流路P1により多くの室外空気を取り込み、ヒータ58、60の発熱温度を上昇させることで、室外空気A3により多くの水分を脱離させることがでる。このため、効率よく加湿運転を実行することができる。
【0090】
一方、室外Routの相対湿度が低く、吸収材52の水分の吸着量が少ない場合には、第1のファン62の回転速度を低速にして、第1の流路P1に取り込まれる室外空気A3の量を減らす。このようにすると、ヒータ58、60の発熱温度が下がり、吸収材52の過乾燥を防止することができる。また、室外Routの相対湿度が低い場合、吸収材52の吸着量も少なくなるため、ヒータ58、60の発熱温度を高くしても第1の流路P1を通過する室外空気A3はそれほど多くの水分を脱離することができない。このため、第1のファン62の回転速度を低速にして、ヒータ58、60の発熱温度を下げることにより、消費電力を低減することができる。
【0091】
次に、変形例3の加湿運転制御について説明する。図14は、変形例3の加湿運転制御のフローチャートである。変形例3の加湿運転制御では、制御部90がヒータ58、60の入力電圧を制御する点で、上述した実施の形態の加湿運転制御と異なる。
【0092】
図14に示すように、ステップS32で、制御部90が、室外Routの相対湿度情報を取得した後、ステップS33Cでヒータ58、60の入力電圧を制御する。制御部90は、室外Routの相対湿度が上昇するとヒータ58、60の入力電圧を上昇させ、室外Routの相対湿度が下降するとヒータ58、60の入力電圧を下降させる。
【0093】
図15は、室外空気の相対湿度とヒータの入力電圧との大小関係を示すグラフである。図15に示すように、本実施の形態では、制御部90は、例えば、室外Routの相対湿度が、所定の閾値(第7の閾値)L7より高い場合に、ヒータ58、60の入力電圧を高入力で一定にする。また、制御部90は、例えば、室外Routの相対湿度が第7の閾値L7よりも低い所定の閾値(第8の閾値)L8より低い場合に、ヒータ58、60の入力電圧を低入力で一定にする。また、制御部90は、室外Routの相対湿度が第8の閾値L8以上第7の閾値L7以下の場合に、室外Routの相対湿度の上昇に応じてヒータ58、60の入力電圧を上昇させ、室外Routの相対湿度の下降に応じてヒータ58、60の入力電圧を加工させる。
【0094】
室外Routの相対湿度が高い場合、吸収材52の吸着量が増加するため、吸収材52を通過する室外空気A3により多くの水分を含ませることができる。このため、室外Routの相対湿度が高い場合に、制御部90は、ヒータ58、60の入力電圧を高くする。このようにすると、ヒータ58、60を通過する室外空気A3の温度を上昇させて、室外空気A3により多くの水分を含ませることができ、効率よく加湿運転を実行することができる。
【0095】
一方で、室外Routの相対湿度が低い場合、吸収材52の吸着量が減少するため、ヒータ58、60の入力電圧を低くしても、吸収材52を通過する室外空気A3が脱離する水分量は減らない。このため、消費電力を低減することができる。
【0096】
なお、制御部90は、室外Routの相対湿度情報に基づいて、モータ54の回転速度の制御、第2のファン66の回転速度の制御、第1のファン62の回転速度の制御、およびヒータ58、60の入力電圧の制御、を組み合わせて実行してもよい。
【0097】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る空気調和機について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
【0098】
図16は、実施の形態2に係る空気調和機の構成を示すブロック図である。図17は、換気装置の一部を示す平面図である。
【0099】
図16および図17に示すように、実施の形態2では、空気調和機10が相対湿度センサ82を有する点で、実施の形態1と異なる。
【0100】
相対湿度センサ82は、図17に示すように、第2の流路P2において、吸収材52の上流側に配置される。相対湿度センサ82は、室外Routの相対湿度を検出することができる。相対湿度センサ82は、室外Routの相対湿度および温度を検出することのできる温湿度センサであってもよい。
【0101】
したがって、本実施の形態では、室外Routの相対湿度情報は、相対湿度センサ82により検出され、制御部90は、相対湿度センサ82により検出した値を、室外Routの相対湿度情報として取得する。
【0102】
図18は、図17のA-A断面図である。図19は、図18の領域R1を拡大した図である。図18および図19に示すように、本実施の形態では、空気調和機10は、相対湿度センサ82を覆うセンサカバー84を備える。センサカバー84は、換気装置50の筐体51の底部に配置される。また、センサカバー84には、図19に示すように、筐体51の底部に向かって延びる外壁84aと内壁84bとが設けられている。センサカバー84の外壁84aと内壁84bとは、筐体51の底部から延びる壁51aと組み合わせて、ラビリンス構造を形成する。具体的には、センサカバー84の外壁84aと内壁84bとの間に筐体51の壁51aが配置されている。さらに、筐体51の壁51aと、センサカバー84の外壁84aおよび内壁84bとの間に隙間が形成されている。このため、センサカバー84の内部に蛇行した流路(ラビリンス構造)が形成される。このラビリンス構造には、室外空気A4を通過させることができる。このような構造により、図19の矢印で示すように室外空気A4はラビリンス構造を通過することができる一方で、センサカバー84の内部への水の浸入を防止することができる。
【0103】
すなわち、センサカバー84の内部に室外空気A4を取り入れつつ雨水等の侵入を防止することができるため、相対湿度センサ82により正確な相対湿度を検出することができる。
【0104】
なお、本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、説明のためだけに用いられるものであり、相対的な重要性または技術的特徴の順位を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。「第1」と「第2」と限定されている特徴は、1つまたはさらに多くの当該特徴を含むことを明示または暗示するものである。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示は、室内機と室外機を備える空気調和機であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
10 空気調和機
20 室内機
30 室外機
40 四方弁
50 換気装置
52 吸収材
54 モータ
56 換気導管
58 第1のヒータ
60 第2のヒータ
62 第1のファン(再生ファン)
64 ダンパ装置
66 第2のファン(吸湿ファン)
70 リモートコントローラ
82 相対湿度センサ
90 制御部
P1 第1の流路(吸湿流路)
P2 第2の流路(再生流路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19