(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044059
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20230323BHJP
【FI】
G06F3/0484 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151893
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】520203714
【氏名又は名称】株式会社LeanGo
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】平井 翔吏
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA26
5E555BA02
5E555BA69
5E555BB02
5E555BC04
5E555CA02
5E555CB05
5E555CB49
5E555CB53
5E555CC05
5E555DB56
5E555DC09
5E555DC60
5E555DC73
5E555EA16
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】表示画面の具体的な変更方法、および、変更後の表示画面の状態がユーザにとって分かりやすい態様で表示画面の改善に関する情報を提供する。
【解決手段】情報処理装置2の情報処理部10は、表示画面の一部分を構成する閉じた領域である対象領域の指定をユーザから受け付け、対象領域の分類を認識し、認識した対象領域の分類に基づき対象領域のレイアウトとして推奨される推奨レイアウトを示す画像が表示画面の対象領域に重畳される一方、対象領域以外の領域には変化がない画像である重畳画像を提供し、これにより、ユーザが指定した領域にだけ、その領域の分類を鑑みて推奨されるレイアウトが重ねられた画像をユーザが参照できるようにしている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面の一部分を構成する閉じた領域である対象領域の指定をユーザから受け付け、前記対象領域の分類を認識し、認識した前記対象領域の分類に基づき前記対象領域のレイアウトとして推奨される推奨レイアウトを示す画像が前記表示画面の前記対象領域に重畳される一方、前記対象領域以外の領域には変化がない画像である重畳画像を提供する情報処理部を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示画面は、Webページの画面であり、
前記情報処理部は、インターネット上で公開されているWebページの前記対象領域の分類に属する領域において、レイアウトとして推奨レイアウトが採用されている程度を示す情報、または、インターネット上で公開されているWebページであって、前記対象領域の分類に属する領域が形成されているWebページのうち、前記対象領域の分類に属する領域のレイアウトとして推奨レイアウトが採用されているWebページの程度を示す情報を前記重畳画像と併せて提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示画面は、Webページの画面であり、
前記情報処理部は、前記対象領域の分類に属する領域を含み、当該領域のレイアウトとして前記推奨レイアウトが採用されているWebページへのリンクを前記重畳画像と併せて提供する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示画面は、Webページの画面であり、
前記情報処理部は、前記対象領域の分類に属する領域を含み、当該領域のレイアウトとして前記推奨レイアウトが採用されているWebページの画面を示す画像を前記重畳画像と併せて提供する
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理部は、前記表示画面を示す画像と前記重畳画像とを並べた状態で表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理部は、任意の形状の領域をユーザが指定可能な状態で、または、区分けされた複数の領域のうちの1つの領域をユーザが指定可能な状態で前記表示画面を示す画像を表示装置に表示し、前記表示画面を示す画像に対するユーザの指定に基づいて前記対象領域の指定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理部は、最も推奨度が高い前記推奨レイアウトを示す画像が重畳された前記重畳画像と共に、最も推奨度が高い前記推奨レイアウトよりも推奨度が低い前記推奨レイアウトを示す画像が重畳された1つ以上の前記重畳画像を順位付けした状態で提供する
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記対象領域が属し得る分類の種類ごとに、1つ以上の前記推奨レイアウトのそれぞれについて前記推奨レイアウトを示す画像の画像データ或いは当該画像を生成するための情報が推奨度を示す情報と対応付けて記憶部に記憶され、
前記情報処理部は、前記推奨レイアウトの推奨度に応じて複数の前記重畳画像を表示する際、前記記憶部に記憶された推奨度を示す情報に基づいて前記推奨レイアウトを順位付けする
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報処理装置は、ユーザから指示があったときに、
前記重畳画像に加えて、前記推奨レイアウトに基づいて前記表示画面を改善する作業を行うかどうかを検討する際に利用可能な情報、または、当該作業を行うときに利用可能な情報が記入された提案書を提供する
ことを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置の情報処理部が、表示画面の一部分を構成する閉じた領域である対象領域の指定をユーザから受け付けるステップと、
前記情報処理装置の前記情報処理部が、前記対象領域の分類を認識し、認識した前記対象領域の分類に基づき前記対象領域のレイアウトとして推奨される推奨レイアウトを示す画像が前記表示画面の前記対象領域に重畳される一方、前記対象領域以外の領域には変化がない画像である重畳画像を提供するステップとを含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面の改善に関する情報を提供する情報処理装置、および、情報処理装置による情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Webページ、その他の表示画面について、表示画面の効果を高めるように表示画面を改善するための有益な情報を提供する技術が存在する。例えば特許文献1には、Webページ(ウェブサイト)を解析してキーワード群を抽出し、キーワード群に基づいてWebページの型式を特定し、特定した型式に対応する改善提案情報を記憶部から読み出して提供するウェブサイト分析システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の従来のシステムでは、表示画面の改善に際して表示画面について具体的にどのように変更すればよいか、および、実際に変更した場合に表示画面がどのようになるのかに関するユーザの分かりやすさについて改善の余地があった。例えば特許文献1では、改善提案情報の提供に関して、改善策を示す文章が箇条書きによって列挙される構成のため(特に
図10(C)参照)、これを参照したユーザにとって、どのように表示画面を変更すればよいか、および、変更後の表示画面はどのようになるのかが分かりにくい。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、表示画面の具体的な変更方法、および、変更後の表示画面の状態がユーザにとって分かりやすい態様で表示画面の改善に関する情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明は、表示画面の一部分を構成する閉じた領域である対象領域の指定をユーザから受け付け、対象領域の分類を認識し、認識した対象領域の分類に基づき対象領域のレイアウトとして推奨する推奨レイアウトを示す画像が表示画面の対象領域に重畳される一方、対象領域以外の領域には変化がない画像である重畳画像を提供するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明によれば、表示画面の全領域のうち、改善に関する情報の提供を望む閉じられた領域(対象領域)がユーザによって指定されると、その領域の分類を鑑みて推奨されるレイアウトが表示画面の対象領域に重ねられた状態で示される。このためユーザは、表示画面の改善のために対象領域のレイアウトを具体的にどのように変更すればよいかを直感的に把握でき、ユーザにとって表示画面を具体的にどのように変更すればよいかが分かりやすい。更に本発明によれば、推奨レイアウトを示す画像が表示画面の対象領域に重ねられる一方、対象領域以外の領域には変化がない画像がユーザに提供される。このためユーザは、対象領域の変更後のレイアウトと対象領域以外の領域の状態との関係を意識しつつ、変更後の表示画面の全体像をイメージすることができ、ユーザにとって変更後の表示画面の状態が分かりやすい。すなわち上記のように構成した本発明によれば、表示画面の具体的な変更方法、および、変更後の表示画面の状態がユーザにとって分かりやすい態様で表示画面の改善に関する情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置および端末の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】画面パーツのワイヤフレームの一例を示す図である。
【
図5】各種データベースのレコードの内容を示す図である。
【
図6】情報処理部の処理の説明に利用する図である。
【
図10】提案書記入情報入力画面の一例を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1で示すように情報処理システム1は、情報処理装置2と1つ以上の端末3とを含んで構成されている。情報処理装置2および端末3は共に、インターネット、電話網、その他の通信網を含むネットワークNに接続可能である。
図1では、無数に存在する端末3のいくつかを例示的に示している。
【0010】
端末3は、ユーザが使用するコンピュータであり、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置4が接続されるか、或いは、表示装置4を備えて構成されている。本実施形態では、ユーザは、Webサイトを開設し、或いは、Webサイトを開設する組織に所属する者であるものとする。例えばWebサイトを開設する企業、その他の組織に所属する者、または、Webサイトを開設する個人個人が「ユーザ」となり得る。端末3はブラウザが搭載されているコンピュータであれば、そのタイプはどのようなものであってもよく、例えばデスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ(いわゆるスマートフォンを含む)を端末3として機能させることができる。
【0011】
情報処理装置2は、端末3をクライアントの1つとするサーバ装置であり、特に、クラウドシステムにおけるクラウドサーバに係るサーバ装置である。後に詳述する通り情報処理装置2は、端末3および端末3を利用するユーザに対して、Webページの画面の改善に関するサービス(改善提案サービス)を提供する。
図1では、情報処理装置2を1つのブロックで表しているが、情報処理装置2は単一のサーバ装置である必要はなく、例えば複数のサーバ装置により構成されてもよく、また所定のシステムの一部であってもよい。
【0012】
図2は、情報処理装置2および端末3の機能構成例を示すブロック図である。
図2で示すように、情報処理装置2は機能構成として、情報処理部10および通信部11を備えている。また端末3は機能構成として、端末制御部12および端末通信部13を備えている。上記機能ブロック10~13は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記機能ブロック10~13は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROM等を備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。また情報処理装置2は記憶手段として、記憶部14を備えている。
【0013】
通信部11は、ネットワークNに接続された機器と所定のプロトコルに従って通信する。また端末通信部13は、ネットワークNに接続された機器と所定のプロトコルに従って通信する。以下の説明では情報処理装置2と端末3との間での通信は、通信部11および端末通信部13により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。
【0014】
情報処理装置2が処理を行うシーンは、「情報収集シーン」と「サービス提供シーン」との2つに大きく分けられる。以下、シーン毎に情報処理装置2の動作について説明する。
【0015】
<情報収集シーン>
情報収集シーンでは、まず複数のWebページ関連情報20が収集され、記憶部14に記憶される(
図2参照)。1つのWebページ関連情報20は、インターネット上で公開されている1つのWebページに関する情報である。Webページ関連情報20は、WebページのHTMLファイルそのもののほか、WebページのURL、HTMLファイルから文字が抜き出されたもの、「HTMLファイルにリンクが貼られた(つまりWebページ内で表示される)静止画、動画、その他のコンテンツのデータ」、Webページの画面の画像データ、その他のページ分析処理(後述)において必要な情報が不足なく含まれている。なお本実施形態では画像データとは、画素毎に色の情報を有するビットマップデータ(当然、JPEG等の所定の圧縮方式で圧縮されたデータであってもよい)を意味するものとする。従ってWebページの画面の画像データとは、HTMLファイルに基づいてブラウザによりWebページとして表示される画面のイメージのビットマップデータを意味する。
【0016】
Webページ関連情報20は、インターネット上で公開されている相当数(例えば、千個或いは一万個以上)のWebページを対象として収集される。以下、Webページ関連情報20が収集されたWebページを「収集Webページ」といい、Webページ一般と区別する。Webページ関連情報20の収集は、情報処理部10がロボット型のWebページ収集用のエンジンの機能により行う構成でもよく、また、情報処理部10が当該機能を備える外部の装置と協働して行う構成でもよい。またWebページ関連情報20の収集の少なくとも一部の処理に、人間が行う人為的な作業が含まれてもよい。またWebページを無差別に対象とするのではなく、アクセス数が一定以上のWebサイトのWebページに限定したり、情報処理装置2のサービスを利用するユーザを想定し、想定されるユーザが開設するWebサイトと関連性のあるWebページに限定したりしてもよいことは勿論である。
【0017】
情報収集シーンにおいて、情報処理装置2の情報処理部10は、記憶部14に記憶されたWebページ関連情報20のそれぞれについてページ分析処理を実行する。以下、ある1つのWebページのWebページ関連情報20を処理対象として情報処理部10が実行するページ分析処理について説明する。以下のページ分析処理の説明において、処理対象となるWebページを処理対象Webページといい、処理対象WebページのWebページ関連情報20を処理対象Webページ関連情報という。
【0018】
ページ分析処理において情報処理部10は、処理対象Webページ関連情報を情報処理により分析し、処理対象Webページの画面に含まれる画面パーツを抽出する。画面パーツとは、共通する機能或いは目的を持つまとまった領域のことであり、特に、Webページの画面の全域ではなく、当該画面の一部分を構成する閉じた領域である。後に明らかとなる通り、画面パーツは、パーツ分類によって区別される単位である。
図3は、Webページの画面の一例を示す図である。
図3では、Webページの画面上に存在する画面パーツを破線で囲むことによって示している。
【0019】
次いで情報処理部10は、処理対象Webページ関連情報を情報処理により分析し、抽出した画面パーツ毎に、画面パーツが属するパーツ分類(分類)を認識し、その分類のパーツ分類IDを認識する。本実施形態では、画面パーツについて、複数のパーツ分類が予め定義され、各パーツ分類についてパーツ分類ID(パーツ分類を識別するための識別情報)が付与されている。パーツ分類は、画面パーツの目的および機能に着目して定義された分類であり、画面パーツが何れかのパーツ分類に属するように十分に多くの種類が用意される。パーツ分類は例えば、記事カセット(何らかの記事、および、記事に関連/付随する情報が含まれる矩形の領域を示す分類)や、求人カセット(求人に関する情報が含まれる矩形の領域を示す分類)、商品カセット(商品に関する情報が含まれる矩形の領域を示す分類、CTA(ただし、CTAを内容によって更に細かく分けてもよい)、入力フォーム(ただし、入力フォームを内容によって更に細かく分けてもよい)である。
【0020】
情報処理部10は、事前に生成されたプログラムの機能により、画面パーツを抽出し、それぞれのパーツ分類を認識する処理を実行する。このプログラムには、機械学習されたモデルが含まれていてもよい。この場合のモデルは、単純化した例で説明すると、Webページ関連情報(当然、必要に応じて情報のベクトル化や正規化が行われる)を入力すると、画面パーツを抽出し、画面パーツ毎のパーツ分類IDを出力するモデルである。ただし画面パーツを抽出し、それぞれのパーツ分類を認識する処理に、人間が行う人為的な処理が含まれていてもよい。
【0021】
次いで情報処理部10は、処理対象Webページ関連情報を情報処理により分析し、抽出した画面パーツ毎にワイヤフレーム内容情報を生成する。ワイヤフレーム内容情報とは、画面パーツのワイヤフレーム(レイアウト)の態様を示す情報である。
図4(A)、(B)はそれぞれ、画面パーツのワイヤフレームの一例を説明に適した態様で模式的に示す図である。
図4(A)、(B)で示すように本実施形態では、画面パーツのワイヤフレームは、画面パーツが区画されて形成された複数のブロック(ただしブロックの形状は矩形に限らない)と、各ブロックの種別とにより定義される。以下、ブロックの種別を「ブロック種別」という。ブロック種別は、ブロックに含まれる情報の種類(テキスト/静止画/動画)や、ブロックに含まれる情報の目的、ブロックが実現する機能等に着目して定義された種別であり、ブロックが何れかのブロック種別に属するように十分に多くの種類が予め用意される。ブロック種別としては、
図4で示すサムネイル画像、タイトル、記事内容、アロー(矢印のアイコン)の他に例えば、過去記事、関連記事、動画像、バナー、リンク、ロゴ、入力欄、ボタン、コピーライト、広告等がある。
【0022】
情報処理部10が生成するワイヤフレーム内容情報には、画面パーツにおいて各ブロックが占める領域と、各ブロックのブロック種別を示す情報とが含まれる。本実施形態ではワイヤフレーム内容情報は、ブロック毎に、画面パーツの左上の隅を原点とする座標系におけるポリゴン情報(頂点のそれぞれの座標および座標を辿る順番によってブロックが占める領域を特定する情報)と、ブロック種別IDとが含まれて構成されている。ブロック種別IDは、ブロック種別を識別するための識別情報であり、用意されたブロック種別毎に事前に付与されている。ただしワイヤフレーム内容情報の具体的な内容は本実施形態で例示するものに限られない。
【0023】
情報処理部10は、事前に生成されたプログラムの機能により、画面パーツ毎のワイヤフレーム内容情報を生成する。このプログラムには、機械学習されたモデルが含まれていてもよい。この場合のモデルは、単純化した例で説明すると、Webページ関連情報および前段の処理の処理結果を示す情報(当然、必要に応じて情報のベクトル化や正規化が行われる)を入力し、画面パーツ毎のワイヤフレーム内容情報を出力するモデルである。またワイヤフレーム内容情報を生成する処理に、人間が行う人為的な処理が含まれていてもよい。
【0024】
次いで情報処理部10は、抽出した画面パーツ毎に、処理対象Webページ関連情報を利用して画面パーツデータベース21(
図2)にレコードを登録する。
図5(A)は、画面パーツデータベースの1件のレコードの内容を示す図である。
図5(A)で示すように画面パーツデータベースの1件のレコードは、画面パーツIDと、対応Webページ関連情報と、対応パーツ分類IDと、対応ワイヤフレーム内容情報と、対応ワイヤフレームクラスタIDとを含む。ある一の画面パーツに対応するレコードについて、画面パーツIDは当該一の画面パーツを識別するための識別情報であり、対応Webページ関連情報は当該一の画面パーツが設けられているWebページのWebページ関連情報20であり、対応パーツ分類IDは当該一の画面パーツのパーツ分類IDであり、対応ワイヤフレーム内容情報は当該一の画面パーツのワイヤフレーム内容情報である。対応ワイヤフレームクラスタIDについては後述する。情報処理部10はこの段階では、対応ワイヤフレームクラスタIDの値をヌル値とする。
【0025】
以上の処理が処理対象Webページを処理対象として情報処理部10が実行するページ分析処理である。情報処理部10は、記憶部14に記憶されたWebページ関連情報20のそれぞれについてページ分析処理を実行する。この結果、収集Webページのそれぞれについて、画面パーツのそれぞれに対応するレコードが画面パーツデータベース21に登録された状態となる。
【0026】
全ての収集Webページについてページ分析処理を実行した後、情報処理部10は更に以下の処理を実行する。すなわち、この段階では、画面パーツデータベース21にレコードが登録された画面パーツのそれぞれについて、ワイヤフレーム内容情報が存在する状態である。例えば画面パーツデータベース21に二万個のレコードが登録されているとすると、二万個の画面パーツについてワイヤフレーム内容情報が存在する状態である。
【0027】
以上を踏まえ、情報処理部10は、画面パーツのそれぞれのワイヤフレーム内容情報を処理対象として情報処理による分析を行う。そして情報処理部10は、画面パーツのブロック種別も考慮したブロックの配置状態の一致性/近似性に着目して画面パーツをグループ分けし、複数のクラスタを形成する。すなわち情報処理部10は、異なる2つの画面パーツについて、ブロック種別も考慮したブロックの配置状態が似ているほど同じクラスタに属する可能性が高くなる一方、似ていないほど異なるクラスタに属する可能性が高くなるように複数のクラスタを形成する。次いで情報処理部10は、ルールに従ってクラスタのそれぞれにワイヤフレームクラスタIDを付与する。ワイヤフレームクラスタIDは、クラスタを識別するための識別情報である。
【0028】
更に情報処理部10は、クラスタ毎に代表ワイフレームを導出し、代表ワイヤフレームをに係る代表ワイヤフレーム内容情報を生成する。一のクラスタに係る代表ワイヤフレームとは、当該一のクラスタに属する画面パーツのそれぞれのワイヤフレームを代表するワイヤフレームである。情報処理部10は、ある1つのクラスタに係る代表ワイヤフレームに関し、その1つのクラスタに属する画面パーツのそれぞれのワイヤフレームと代表ワイヤフレームとの「ブロック種別も考慮したブロックの配置状態についての差分」ができるだけ小さくなるように、代表ワイヤフレームを導出する。
【0029】
情報処理部10は、事前に生成されたプログラムの機能により、クラスタを形成する処理、および、クラスタ毎に代表ワイフレームを導出し、代表ワイヤフレームを示す代表ワイヤフレーム内容情報を生成する処理を実行する。このプログラムには、機械学習されたモデルが含まれていてもよい。この場合のモデルは、単純化した例で説明すると、画面パーツのそれぞれのワイヤフレーム内容情報(当然、必要に応じて情報のベクトル化や正規化が行われる)を入力すると、クラスタを形成し、各クラスタの代表ワイヤフレーム内容情報を出力するモデルである。クラスタを形成する処理、および、クラスタ毎に代表ワイフレームを導出し、代表ワイヤフレームを示す代表ワイヤフレーム内容情報を生成する処理に、人間が行う人為的な処理が含まれていてもよい。
【0030】
次いで情報処理部10は、画面パーツデータベース21の各レコードの対応ワイヤフレームクラスタIDの値を、各レコードに係る画面パーツが属するクラスタのワイヤフレームクラスタIDの値とする。更に情報処理部10は、クラスタの種類毎に、記憶部14に記憶されたワイヤフレームクラスタデータベース22(
図2参照)にレコードを登録する。
図5(B)は、ワイヤフレームクラスタデータベース22の1件のレコードの内容を示す図である。
図5(B)で示すようにワイヤフレームクラスタデータベース22の1件のレコードは、ワイヤフレームクラスタIDと、代表ワイヤフレーム内容情報とを含む。
【0031】
以上の処理の後、更に情報処理部10は、以下の処理を実行する。すなわち情報処理部10は、パーツ分類の種類毎に、記憶部14に記憶されたパーツ分類データベース23(
図2参照)にレコードを登録する。
図5(C)は、パーツ分類データベース23の1件のレコードの内容を示す図である。
図5(C)で示すようにパーツ分類データベース23の1件のレコードは、パーツ分類IDに加えて、1つ以上の推奨ワイヤフレーム関連情報を含んでいる。
図5(C)で示すように1つの推奨ワイヤフレーム関連情報は、推奨ワイヤフレームクラスタIDと、推奨ワイヤフレーム内容情報と、推奨度情報と、採用率情報と、補足文章情報と、採用WebページURL情報とを含んでいる。
【0032】
パーツ分類データベース23へのレコードの登録にあたって情報処理部10は、パーツ分類毎に、以下の処理を実行する。以下、ある1つのパーツ分類を処理対象としてパーツ分類データベース23に1つのレコードを登録するときに情報処理部10が実行する処理を説明する。以下の説明では処理対象とするパーツ分類を「処理対象パーツ分類」という。
【0033】
図6は、情報処理部10の処理の説明に利用する図である。まず情報処理部10は、画面パーツデータベース21を参照し(
図6(A)参照)、対応パーツ分類IDの値が「処理対象パーツ分類のパーツ分類IDの値」であるレコードを抽出する(
図6(B)参照)。
図6(B)では、「処理対象パーツ分類のパーツ分類IDの値」が「A」であり、対応パーツ分類IDの値が「A」である10件のレコードが抽出された様子を示している。ここで抽出されたレコードは、処理対象パーツ分類に属する画面パーツのレコードである。
【0034】
次いで情報処理部10は、抽出したレコードを対応ワイヤフレームクラスタIDの値が一致するグループによってグループ分けする。つまり異なる2つのレコードについて、対応ワイヤフレームクラスタIDの値が一致する場合、これらは同じグループに属することになり、一致しない場合、違うグループに属することになる。ある1つのグループに属するレコードの群は、パーツ分類が処理対象パーツ分類であり、かつ、代表ワイヤフレームが共通するレコードの群である。
図6(C)は、抽出したレコードが3つのグループGR1、GR2、GR3に分けられた様子を示している。以下の説明では、ある1つのグループの代表ワイヤフレームを「推奨ワイヤフレーム」という。
【0035】
次いで情報処理部10は、推奨ワイヤフレーム毎(つまりグループ毎)に、推奨度を導出する。本実施形態では情報処理部10は、ある1つのグループについて、その1つのグループに属するレコードの個数を「推奨度」として導出する。
図6(D)は、情報処理部10が、グループGR1の推奨度を「5」と導出し、グループGR2の推奨度を「3」と導出し、グループGR3の推奨度を「2」と導出した様子を示している。
【0036】
次いで情報処理部10は、推奨ワイヤフレーム毎(つまりグループ毎)に、ワイヤフレーム採用率を導出する。情報処理部10は、ある1つの推奨ワイヤフレーム(ある1つのグループ)について、画面パーツデータベース21から抜き出した「対応パーツ分類IDの値が処理対象パーツ分類のパーツ分類IDの値であるレコード」(
図6(B)参照)の個数に対して、その推奨ワイヤフレームのグループに属するレコードの個数の割合を導出し、これをワイヤフレーム採用率とする。なお本実施形態では、ワイヤフレーム採用率は百分率で表されるものとする。
【0037】
図6(E)は、グループGR1に係る推奨ワイヤフレームについてワイヤフレーム採用率が情報処理部10により「50%」と導出された様子を示している。これは、「対応パーツ分類IDの値が処理対象パーツ分類のパーツ分類IDの値であるレコード」の個数が「10個」であるのに対して、グループGR1に属するレコードの個数が「5個」だからである。また
図6(E)は、グループGR2に係る推奨ワイヤフレームについてのワイヤフレーム採用率が「30%」、グループGR3に係る推奨ワイヤフレームについてのワイヤフレーム採用率が「20%」と導出された様子を示している。
【0038】
ここで処理対象パーツ分類に対応する一の推奨ワイヤフレームのワイヤフレーム採用率は、インターネット上で公開されているWebページ(収集Webページ)の画面パーツのうち、処理対象パーツ分類に属する画面パーツにおいて、当該一の推奨ワイヤフレームが採用されている割合(程度)を示す情報である。ワイヤフレーム採用率は、特許請求の範囲の「インターネット上で公開されているWebページの対象領域の分類に属する領域において、レイアウトとして推奨レイアウトが採用されている程度を示す情報」に相当する。
【0039】
以上のようにして推奨ワイヤフレーム毎(グループ毎)に推奨度およびワイヤフレーム採用率を導出した後、情報処理部10は、更に推奨ワイヤフレーム毎(グループ毎)に推奨ワイヤフレーム関連情報を生成する。上述したように推奨ワイヤフレームは、ワイヤフレームクラスIDが一致するか否かによって分けられた各グループの代表ワイヤフレームである。以下、ある1つの推奨ワイヤフレームに係る推奨ワイヤフレーム関連情報を生成するときの処理に着目して情報処理部10の処理を説明する。以下では処理対象とする推奨ワイヤフレームを「処理対象推奨ワイヤフレーム」という。なお
図5(C)で示すように、推奨ワイヤフレーム関連情報は、推奨ワイヤフレームクラスタIDと、推奨ワイヤフレーム内容情報と、推奨度情報と、採用率情報と、補足文章情報と、採用WebページURL情報とを含んでいる。
【0040】
情報処理部10は、推奨ワイヤフレームクラスタIDの値を処理対象推奨ワイヤフレームのワイヤフレームクラスタIDとする。
図6のグループGR1に係る推奨ワイヤフレームの場合、ワイヤフレームクラスタIDは「X」である。また情報処理部10は、推奨ワイヤフレーム内容情報を、処理対象推奨ワイヤフレームに対応する代表フレームの代表ワイヤフレーム内容情報とする。情報処理部10は、代表ワイヤフレーム内容情報をワイヤフレームクラスタデータベース22から取得する。推奨ワイヤフレーム内容情報は、特許請求の範囲の「推奨レイアウトを示す画像を生成するための情報」に相当する。ただし後に明らかとなる通り、推奨ワイヤフレーム内容情報に代えて、推奨レイアウトを示す画像の画像データがレコードに含められる構成でもよい。
【0041】
情報処理部10は、推奨度情報の値を、処理対象推奨ワイヤフレームについて導出した推奨度とする。情報処理部10は、採用率情報の値を、処理対象推奨ワイヤフレームについて導出したワイヤフレーム採用率とする。情報処理部10は、補足文章情報の値をヌル値とする。
【0042】
情報処理部10は、採用WebページURL情報の値を、以下の値とする。すなわち、処理対象推奨ワイヤフレームのグループに属するレコードのそれぞれについて、対応する画面パーツが設けられているWebページのURLを示す値とする(ただし、URLが重複している場合にはマージする)。例えば
図6(C)の例では、グループGR1には5つのレコードが含まれている。この場合、情報処理部10は、グループGR1に係る推奨ワイヤフレームについての採用WebページURL情報の値を、5つのレコードのそれぞれに対応する画面パーツが設けられたWebページのURLのそれぞれを示す情報とする。情報処理部10は、各画面パーツのURLを画面パーツデータベース21の対応Webページ関連情報から取得する。以下、採用WebページURL情報に含まれるURLを「採用WebページURL」といい、採用WebページURLに対応するWebページを「採用Webページ」という。
【0043】
情報処理部10は、全ての推奨ワイヤフレームについて推奨ワイヤフレーム関連情報を生成した後、処理対象パーツ分類のパーツ分類IDと、推奨ワイヤフレームのそれぞれに係る推奨ワイヤフレーム関連情報のそれぞれとが対応付けられた1件のレコードをパーツ分類データベース23に登録する。
【0044】
以上の処理が、パーツ分類データベース23に1つのレコードを登録するときの情報処理部10の処理である。情報処理部10は、全ての種類のパーツ分類について、以上の処理を行って、パーツ分類毎のレコードをパーツ分類データベース23に登録する。
【0045】
ここで上述した通り、推奨ワイヤフレーム関連情報には、補足文章情報が含まれている。この補足文章情報は、初期値はヌル値であるが、所定の手段によって担当者(人間)が値を登録する。ある推奨ワイヤフレームについての補足文章情報は、その推奨ワイヤフレームについての補足を文章によって表現した補足文章を値として持つ。ある推奨ワイヤフレームについての補足とは、その推奨ワイヤフレームの特徴や、効果、留意点等、その推奨ワイヤフレームに関連する情報であり、特にユーザが推奨ワイヤフレームを採用するかどうかを検討するにあたって、或いは、ユーザが推奨ワイヤフレームを採用し実際にWebページの画面の内容を変更するにあたって有益な情報とされる。
【0046】
なお本実施形態では、あるパーツ分類に対応するある推奨ワイヤフレームについて、対応するグループに属するレコードの個数を推奨度としていた。この点に関し、情報処理部10が推奨度を別の方法で導出する構成でもよい。一例として、推奨ワイヤフレームを採用したとしたときの効果を推定できる場合に、推奨度を、採用したときの効果が高いほど大きくなるような値としてもよい。推奨ワイヤフレームを採用したとしたときの効果は、一例としてPVやCV、UUがどの程度改善されるかである。
【0047】
また、あるパーツ分類に対応するある推奨ワイヤフレームのワイヤフレーム採用率を以下としてもよい。すなわち、そのパーツ分類に属する画面パーツが形成されている収集Webページ(インターネット上で公開されているWebページ)のうち、そのパーツ分類に属する画面パーツのレイアウトとしてその推奨ワイヤフレームが採用されているWebページの程度を示す情報としてもよい。おの場合、ワイヤフレーム採用率は、「インターネット上で公開されているWebページであって、対象領域の分類に属する領域が形成されているWebページのうち、対象領域の分類に属する領域のレイアウトとして推奨レイアウトが採用されているWebページの程度を示す情報」に相当する。またワイヤフレーム採用率を、採用されている度合をレベルによって表す情報に代えてもよい。
【0048】
またパーツ分類データベース23へのレコードの登録、或いは、当該データベースに登録されたレコードの内容の更新に関し、人間による人為的な作業が行われてもよい。例えば推奨度を人間が定め、或いは、人間が調整する構成としてもよい。
【0049】
以上の処理が情報収集シーンにおける情報処理装置2の動作である。なお記憶部14にWebページ関連情報が随時、追加され、情報処理部10が追加されたWebページ関連情報に基づいて随時、画面パーツデータベース21にレコードを登録してもよいことは勿論である。更に情報処理部10が、最新の画面パーツデータベース21に基づいて、ワイヤフレームクラスタデータベース22およびパーツ分類データベース23を随時、更新してもよいことは勿論である。
【0050】
<サービス提供シーン>
次にサービス提供シーンにおける情報処理装置2の動作について説明する。サービス提供シーンにおいて、まずユーザは、自身が使用する端末3のブラウザを立ち上げ、情報処理装置2の所定のURLへのアクセスを指示する。当該指示に応じて端末3の端末制御部12は、ブラウザの機能により当該所定のURLにアクセスする。情報処理装置2の情報処理部10は、当該所定のURLへのアクセスがあると、適切に認証を行った上、メイン画面を表示させるためのHTMLファイル、その他のデータを端末3に応答する。端末3の端末制御部12は、HTMLファイルを受信し、ブラウザの機能によりHTMLファイルに基づいてメイン画面を表示装置4に表示する。
【0051】
以下では情報処理装置2の情報処理部10から送信されたHTMLファイルに基づいて端末3の表示装置4に表示された各種画面に対する操作の検出、各種画面へ入力された情報の取得、各種画面の動的な変更、その他の画面に関する各種処理は、CGI、JavaScript(登録商標)、Ajax、DHTML、その他の既存の技術を用いて適切に実行されるものとし、詳しい説明は行わない。また情報処理装置2の情報処理部10がHTMLファイルを端末3に送信し、HTMLファイルに基づく画面を端末3の表示装置4に表示させることを「情報処理部10が○○画面を端末3の表示装置4に表示する」、或いは単に「情報処理部10が○○画面を表示する」のように表現することがある。
【0052】
ユーザは、メイン画面(或いはメイン画面から遷移可能な画面)から、情報処理装置2から受けるサービスを選択できる。本実施形態ではサービスとして少なくとも「改善提案サービス」が存在する。改善提案サービスとは、ユーザが、所望のWebページについて、Webページの画面の改善に関する有益な情報の提供を情報処理装置2から受けるサービスである。本実施形態では改善提案サービスの提供時の情報処理装置2の処理に特徴があるため、以下、ユーザにより改善提案サービスが選択されるものとして情報処理装置2の動作について説明する。以下の説明において、ユーザが改善を希望するWebページを特に「改善希望Webページ」という。後に明らかとなる通り、ユーザは、改善提案サービスを通して、Webページについて画面パーツ単位で改善の提案を受けることが可能である。
【0053】
ユーザにより改善提案サービスが選択されると情報処理装置2の情報処理部10は、端末3の表示装置4に表示画面登録画面G1を表示する。
図7は、表示画面登録画面G1の一例を示す図である。表示画面登録画面G1は、改善希望Webページの画像データをアップロードするか、或いは、改善希望WebページのURLを入力する画面である。
図7を参照しユーザは、改善希望Webページの画像データをドラッグ&ドロップにより領域A1に移動させることによって当該画像データをアップロードするか、または、入力欄N1にURLを入力する。次いでユーザは、ステップを次へ移行するためのボタンB1を操作する。
【0054】
表示画面登録画面G1のボタンB1が操作されると情報処理部10は、端末3の表示装置4に領域指定画面G2を表示する。
図8(A)は、領域指定画面G2の一例を示す図である。
図8(A)で示すように領域指定画面G2の領域A21には、改善希望Webページの画面(表示画面)を示す画像が表示される。以下の説明では、改善希望Webページの画面を示す画像のことを「改善提案前画像KA」という。改善提案前画像KAは、後述する推奨レイアウト画像が重畳されていない画像ということになる。情報処理部10は、ユーザから改善希望Webページの画像データがアップロードされた場合には、当該画像データに基づいて改善提案前画像KAを表示する。また情報処理部10は、ユーザから改善希望WebページのURLが入力された場合には、当該URLにアクセスし必要な情報(HTMLファイルおよびこれに付随する静止画ファイルや動画ファイル等のデータを含む)を取得して改善提案前画像KAを表示する。
【0055】
ユーザは、領域指定画面G2に表示された改善提案前画像KAについて、マウスを利用した矩形領域指定を行って、自身が改善を望む(或いは改善に関する提案を受けたいと考える)画面パーツを指定する。つまりユーザは、マウスを利用した矩形領域指定により、自身が改善を望む画面パーツの領域を矩形の枠で囲むことによって指定する。ここで指定された画面パーツ(の領域)は、特許請求の範囲の「表示画面の一部分を構成する閉じた領域である対象領域」に相当する。以下の説明では、領域指定画面G2によりユーザが指定した画面パーツを「改善希望画面パーツ」という。
【0056】
情報処理部10は、改善希望画面パーツの指定をユーザから受け付け、改善希望画面パーツの拡大図を、領域A21の右方の領域A22に表示する。
図8(B)は、領域指定画面G2において、ユーザがマウスを利用した矩形領域指定によって改善希望画面パーツを指定し、これに伴って領域A22に改善希望画面パーツの拡大図が表示された様子を示している。ユーザは領域A22に表示された拡大図を参照し、問題がなければステップを次へ移行するためのボタンB2を操作する。
【0057】
ここで本実施形態では、マウスを利用した矩形領域指定によりユーザが画面パーツ(の領域)を指定する構成であった。つまり情報処理部10は、改善提案前画像KA(表示画面を示す画像)を、任意の形状の領域をユーザが指定可能な状態で表示装置4に表示していた。この点に関し、以下の構成でもよい。すなわち情報処理部10は、ユーザから改善希望Webページの画像データがアップロードされた場合には当該画像データを分析し、一方、ユーザから改善希望WebページのURLが入力された場合には当該URLにアクセスすることによって取得した情報を分析し、改善提案前画像KAに含まれる画面パーツを抽出する。ここで抽出された画面パーツは、特許請求の範囲の「区分けされた複数の領域」に相当する。
【0058】
そして情報処理部10は、改善提案前画像KAのあるポイントにカーソルが置かれた状態でユーザがマウスをクリックしたことを検出すると、そのポイントが属する画面パーツを改善希望画面パーツとして認識し、その指定を受け付ける。この構成の場合、情報処理部10は、改善提案前画像KA(表示画面を示す画像)を、区分けされた複数の領域のうちの1つの領域をユーザが指定可能な状態で表示装置4に表示していることになる。
【0059】
領域指定画面G2のボタンB2が操作されると情報処理部10は、端末3の表示装置4にパーツ分類選択画面G3を表示する。
図9は、パーツ分類選択画面G3の一例を示す図である。
図9で示すようにパーツ分類選択画面G3では、改善提案前画像KAに加えて、パーツ分類選択欄R3が表示される。パーツ分類選択欄R3では、全ての種類のパーツ分類について、その名称が一覧表示されると共に、ラジオボタンによって何れか1つのパーツ分類を選択できるようになっている。ユーザは、ラジオボタンを利用して改善希望画面パーツが属するパーツ分類(ただし、ユーザが主観的に考えるものでよい)を選択する。以下の説明では、選択されたパーツ分類(=改善希望画面パーツのパーツ分類)を「今回パーツ分類」という。その後ユーザは、ステップを次へ移行するためのボタンB3を操作する。
【0060】
パーツ分類選択画面G3のボタンB3が操作されると情報処理部10は、ユーザにより選択されたパーツ分類(つまり、改善希望画面パーツが属するパーツ分類。特許請求の範囲の「対象領域の分類」に相当)を認識する。更に情報処理部10は、端末3の表示装置4に提案書記入情報入力画面G4を表示する。
図10は、提案書記入情報入力画面G4の一例を示す図である。提案書記入情報入力画面G4は、後述する提案書に記入する情報を入力するための画面である。提案書記入情報入力画面G4の意義は後に明らかとなる。
【0061】
図10で示すように本実施形態では、ユーザは、提案書記入情報入力画面G4を通して、案件名、改善希望Webページの画面名、改善希望Webページを表示する対象となるデバイスのタイプ、改善希望WebページのURLおよび担当者の氏名を入力(選択も含む)できる。ただし入力は任意であり、一部或いは全部の情報について入力しなくてもよい。なお
図10で例示した、提案書記入情報入力画面G4を通して入力できる情報は、あくまで一例であり、当該情報は、提案書に記入される情報に応じて適切に設定される。ユーザは、所望の情報を入力した後、ステップを次へ移行するためのボタンB4を操作する。
【0062】
提案書記入情報入力画面G4のボタンB4が操作されると情報処理部10は、端末3の表示装置4に改善提案画面G5を表示する。
図11は、初期状態の改善提案画面G5の一例を示す図である。
図11で示すように、初期状態の改善提案画面G5は、第1推奨ワイヤフレーム領域A51と第2推奨ワイヤフレーム領域A52とに分かれている。ここで第1推奨ワイヤフレーム領域A51には、“今回パーツ分類に対応する”推奨ワイヤフレームのうち、最も推奨度の高い推奨ワイヤフレームに関する情報が表示される。以下、この推奨ワイヤフレームを「第1推奨ワイヤフレーム」という場合がある。また第2推奨ワイヤフレーム領域A52には、“今回パーツ分類に対応する”推奨ワイヤフレームのうち、2番目に推奨度の高い推奨ワイヤフレームに関する情報が表示される。以下、この推奨ワイヤフレームを「第2推奨ワイヤフレーム」という場合がある。
【0063】
ここで今回パーツ分類に対応する推奨ワイヤフレームとは、パーツ分類データベース23(
図5(C)参照)において、今回パーツ分類と対応付けられた推奨ワイヤフレームである。より正確には、パーツ分類データベース23において、今回パーツ分類のパーツ分類IDと対応付けられた推奨ワイヤフレーム情報に係る推奨ワイヤフレームである。本実施形態では、情報処理部10は、推奨度に応じて、推奨ワイヤフレームを順位付けし、最も高い推奨度の推奨ワイヤフレームに関する情報を第1推奨ワイヤフレーム領域A51に、二番目に高い推奨度の推奨ワイヤフレームに関する情報を第2推奨ワイヤフレーム領域A52に表示する。
【0064】
図11で示すように第1推奨ワイヤフレーム領域A51では、改善提案前画像KAが表示されると共に、これと隣り合うようにこれの右方に第1重畳画像K51(重畳画像)が表示される。第1重畳画像K51は、第1推奨ワイヤフレーム画像K52が、改善希望Webページの画面の改善希望画面パーツの領域に重畳される一方、改善希望画面パーツの領域以外の領域には変化がない画像である。つまり第1重畳画像K51は、改善希望画面パーツの領域に第1推奨ワイヤフレーム画像K52(特許請求の範囲の「認識した分類に基づき対象領域のレイアウトとして推奨される推奨レイアウトを示す画像」に相当)が重畳されている点でのみ改善提案前画像KAと相違している。
【0065】
第1推奨ワイヤフレーム画像K52は、第1推奨ワイヤフレームを、見た目に分かりやすい態様で表した画像である。本実施形態では第1推奨ワイヤフレーム画像K52は、
図11で示すように、線によってブロックが表されると共に、各ブロック内にブロック種別が記入された画像とされる。
【0066】
情報処理部10は、以下の方法で第1重畳画像K51を生成する。すなわち情報処理部10は、今回パーツ分類(改善希望画面パーツが属するパーツ分類)を認識した上で、画面パーツデータベース21を参照し、認識した今回パーツ分類のパーツ分類IDに対応するレコード(
図5(C)参照)を特定する。以下、ここで特定したレコードを「対象レコード」という。
【0067】
次いで情報処理部10は、特定した対象レコードに含まれる推奨ワイヤフレーム関連情報のうち、推奨度情報の値(つまり推奨度)が最も高い推奨ワイヤフレーム関連情報を特定する。次いで情報処理部10は、特定した推奨ワイヤフレーム関連情報に含まれる推奨ワイヤフレーム内容情報を参照し、当該情報に基づいて第1推奨ワイヤフレーム画像K52を生成する。上述したように推奨ワイヤフレーム内容情報には、画面パーツにおいて各ブロックが占める領域と、各ブロックのブロック種別を示す情報とが含まれるため、情報処理部10は、推奨ワイヤフレーム内容情報に基づいて第1推奨ワイヤフレーム画像K52を生成することが可能である。そして情報処理部10は、改善提案前画像KAの改善希望画面パーツの領域のサイズ(縦横比を含む概念)に応じて第1推奨ワイヤフレーム画像K52のサイズを調整した上で、改善提案前画像KAの改善希望画面パーツの領域に第1推奨ワイヤフレーム画像K52を重畳することにより第1重畳画像K51を生成する。
【0068】
図11で示すように、第1重畳画像K51の右方には第1採用率表示欄R51が形成されており、この第1採用率表示欄R51には、第1推奨ワイヤフレームについてのワイヤフレーム採用率を示す情報が表示されている。情報処理部10は、パーツ分類データベース23の今回パーツ分類に対応するレコードの第1推奨ワイヤフレームについての採用率情報に基づいて第1採用率表示欄R51を表示する。なお第1採用率表示欄R51(これと同様の機能をもつ表示欄を含む)に表示された「ワイヤフレーム採用率」は、特許請求の範囲の「対象領域の分類に属する領域を含むWebページのうち、対象領域の分類に属する領域のレイアウトとして推奨レイアウトが採用されているWebページの程度を示す情報」に相当する。
【0069】
また第1採用率表示欄R51の下方には第1補足文章表示欄R52が形成されており、この第1補足文章表示欄R52には第1推奨ワイヤフレームについての補足文章を示す情報が表示されている。情報処理部10は、パーツ分類データベース23の今回パーツ分類に対応するレコードの第1推奨ワイヤフレームについての補足文章情報に基づいて第1補足文章表示欄R52を表示する。
【0070】
また第1補足文章表示欄R52の下方には第1採用Webページ表示欄R53が形成されている。この第1採用Webページ表示欄R53には、第1推奨ワイヤフレームについての採用WebページURLを示す情報が1つ以上、表示されると共に、当該情報のそれぞれと対応付けて、各採用WebページURLにアクセスしたときに表示されるWebページ(採用Webページ)の画面の画像が表示されている。採用WebページURLを示す情報は、採用Webページとリンクしており、ユーザは、当該情報をクリックすることにより、採用Webページにアクセスできる。第1採用Webページ表示欄R53の採用WebページURLを示す情報は、特許請求の範囲の「対象領域の分類に属する領域を含み、当該領域のレイアウトとして推奨レイアウトが採用されているWebページへのリンク」に相当する。また第1採用Webページ表示欄R53の「採用Webページの画面の画像」は、特許請求の範囲の「対象領域の分類に属する領域を含み、当該領域のレイアウトとして推奨レイアウトが採用されているWebページの画面を示す画像」に相当する。
【0071】
情報処理部10は、画面パーツデータベース21の今回パーツ分類に対応するレコードの第1推奨ワイヤフレームについての採用WebページURL情報に基づいて第1採用Webページ表示欄R53を表示する。特に「採用WebページURLにアクセスしたときに表示されるWebページの画面の画像」については、情報処理部10は、採用WebページURLにアクセスして得られる情報に基づいて表示する。「採用WebページURLにアクセスしたときに表示されるWebページの画面の画像」の表示に関し、情報処理部10が都度、採用WebページURLにアクセスするのではなく、Webページの画面の画像の画像データを事前に記憶しておき、これを利用して表示する構成でもよい。本実施形態では、「採用WebページURLにアクセスしたときに表示されるWebページの画面の画像」を表示するにあたっての法律上の問題および契約上の問題は全てクリアになっているものとする。
【0072】
第2推奨ワイヤフレーム領域A52には、第2推奨ワイヤフレームに関して、第1推奨ワイヤフレーム領域A51と同等の情報が表示される。簡単に説明すると、改善提案前画像KAの右方に第2重畳画像K53(重畳画像)が表示される。第2重畳画像K53には、改善希望画面パーツの領域に、第2推奨ワイヤフレームの第2推奨ワイヤフレーム画像K54が重畳される。第2重畳画像K53の右方には、第2推奨ワイヤフレームについてのワイヤフレーム採用率を示す情報が表示された第2採用率表示欄R54が形成されており、この欄の下方には第2推奨ワイヤフレームについての補足文章を示す情報が表示された第2補足文章表示欄R55が形成されている。第2補足文章表示欄R55の下方には第2採用Webページ表示欄R56が形成されており、第2採用Webページ表示欄R56には、第2推奨ワイヤフレームについての採用WebページURLを示す情報(何れも対応する採用Webページにリンク可能)が1つ以上、表示されると共に、当該情報のそれぞれと対応付けて、採用WebページURLにアクセスしたときに表示されるWebページの画面が表示されている。
【0073】
初期状態の改善提案画面G5では、2つの推奨ワイヤフレームに関する情報が提供されるが、ユーザは、ボタンB51を操作することによって、情報が提供される対象となる推奨ワイヤフレームを1つずつ増やすことが可能である(当然、今回パーツ分類に対応する推奨ワイヤフレームの個数を限度とする)。情報処理部10は、ボタンB51が操作されたことを検出すると、パーツ分類データベース23の今回パーツ分類に対応するレコードを参照し、第1推奨ワイヤフレーム領域A51に準じた領域を形成する。なお
図11で例示した改善提案画面G5の態様はあくまで一例であり、他の態様でもよい。例えば、推奨度を示す情報を表示してもよい。また初期状態の改善提案画面G5に今回パーツ分類に対応する全ての推奨ワイヤフレームに関する情報が表示される構成でもよい。
【0074】
ユーザは、改善提案画面G5の内容を確認し、提案書を参照したい或いは提案書をファイルとして出力したいと考えた場合にはボタンB52を操作する。改善提案画面G5のボタンB52が操作されると情報処理部10は、端末3の表示装置4に提案書画面G6を表示する。
図12は、提案書画面G6の一例を示す図である。本実施形態において、「提案書」とは、推奨レイアウトに基づいて改善希望Webページの画面(表示画面)を改善する作業を行うかどうかを検討する際に利用可能な情報、または、当該作業を行うときに利用可能な情報が記入された対象であり、具体的には改善提案画面G5に含まれる情報の群、および、改善提案画面G5に基づいて出力される提案書ファイル(後述)に含まれる情報の群が「提案書」に相当する。
【0075】
図12で示すように提案書画面G6には、提案書記入情報入力画面G4(
図10)に入力された情報が表示された基礎情報表示領域A61が形成されている。ユーザは、基礎情報表示領域A61の各情報の内容を自由に入力し、変更することができる。この基礎情報表示領域A61の右方には、追加情報表示領域A62が形成されている。追加情報表示領域A62には、Webページをリリースするにあたってテストを実施するかどうかを入力する欄、リリース日(リリースの予定日)を入力する欄、改善後のWebページを実際に反映する日を入力する欄、Webページの改善の進捗状況をパーセンテージで入力する欄が設けられている。更に追加情報表示領域A62には、改善希望Webページを改善するにあたっての課題を入力する欄およびメモを入力する欄が形成されている。ユーザは、追加情報表示領域A62の各情報の内容を自由に入力し、変更することができる。追加情報表示領域A62の下方には、改善提案画面表示領域A63が形成されている。改善提案画面表示領域A63には、改善提案画面G5を示す画像(ただし改善提案画面G5の内容と同等の内容の画像であればよい)が表示されている。
図12で例示する提案書には、採用Webページの画面が含まれていないが、これを含めるようにしてもよいことは勿論である。
【0076】
ユーザは、提案書画面G6の内容を確認し、提案書を提案書ファイルとして出力したいと考えた場合、ボタンB6を操作する。ボタンB6が操作されると情報処理部10は、ファイル名や、ファイル種類、ファイルを記憶する場所等を指定するための画面を表示してこれらをユーザに指定させ、ユーザが指定したファイル名、ファイル種類(データ形式)に準じてファイルを生成すると共に、ユーザが指定した場所にファイルを記憶させる。ここで記憶されたファイルが提案書ファイルである。ユーザは、任意のタイミングで提案書ファイルを開き提案書を確認できると共に、提案書の内容を更新することができる。
【0077】
なお提案書画面G6および提案書ファイルの内容は、本実施形態で例示された内容に限られない。例えば、一部の情報が含まれない構成でもよく、異なる情報が含まれる構成でもよい。
【0078】
以上説明したように本実施形態に係る情報処理装置2の情報処理部10は、改善希望Webページの画面(表示画面)の一部分を構成する閉じた領域である改善希望画面パーツ(対象領域)の指定をユーザから受け付け、改善希望画面パーツのパーツ分類(分類)を認識する。情報処理部10は、認識したパーツ分類に基づき改善希望画面パーツのワイヤフレーム(レイアウト)として推奨する推奨ワイヤフレーム(推奨レイアウト)を示す画像が、改善希望Webページの画面(表示画面)の改善希望画面パーツの領域に重畳される一方、「改善希望画面パーツの領域」以外の領域には変化がない重畳画像(第1重畳画像K51、第2重畳画像K53)を提供する。
【0079】
このような構成ためユーザは、改善提案画面G5或いは提案書の重畳画像を参照することにより、改善希望Webページの画面の改善のために改善希望画面パーツのレイアウトを具体的にどのように変更すればよいかを直感的に把握でき、ユーザにとって改善希望Webページの画面を具体的にどのように変更すればよいかが分かりやすい。更に上記の構成によればユーザは、重畳画像を参照することにより、改善希望画面パーツの領域の変更後のワイヤフレームと、「改善希望画面パーツの領域」以外の領域の状態(内容)との関係を意識しつつ、変更後の改善希望Webページの画面の全体像をイメージすることができ、ユーザにとって変更後の画面の状態が分かりやすい。すなわち上記構成によれば、表示画面の具体的な変更方法、および、変更後の表示画面の状態がユーザにとって分かりやすい態様で表示画面の改善に関する情報を提供できる。
【0080】
特に本実施形態では、ユーザに提案される推奨ワイヤフレーム(レイアウト)は、改善希望Webページで採用されていたワイヤフレームの構造を単に変更したもの(例えば、既存のブロックの配置状態を単に変更したもの)ではなく、改善希望Webページ以外のWebページで採用されているワイヤフレームを鑑みて推奨されるものである。従って、元々のワイヤフレームにはない要素を含んでいたり、元々のワイヤフレームの内容から発想の転換を必要とする内容であったりする可能性がある。このため本実施形態によれば、元々のワイヤフレームの内容に束縛されることなく、有効なワイヤフレームを提案することが可能である。更に本実施形態では、Webページを閲覧する閲覧者の行動履歴を分析することなく、Webページの改善を提案することが可能であり、処理効率がよい。
【0081】
また本実施形態では情報処理部10は、改善提案画面G5および提案書において、推奨ワイヤフレーム(本実施形態では第1推奨ワイヤフレームおよび第2推奨ワイヤフレーム)のワイヤフレーム採用率を重畳画像と併せて提供する。このためユーザは、世の中で推奨ワイヤフレームがどの程度、採用されているのかを客観的に認識することができる。
【0082】
また本実施形態では情報処理部10は、採用Webページへのリンクを重畳画像と併せて提供する。このためユーザは、簡易な作業で迅速に採用Webページの内容を参照し、参考とすることができる。特に本実施形態では情報処理部10は、採用Webページの画面を示す画像を重畳画像と併せて提供する。このためユーザは、重畳画像と比べつつ、採用Webページの内容を参照し、参考とすることができる。
【0083】
また本実施形態では情報処理部10は、改善提案画面KAと重畳画像とを並べた状態で表示装置4に表示する。この構成のため、ユーザは、改善した場合としなかった場合のWebページの画面の見た目をより的確に把握できる。
【0084】
また本実施形態では情報処理部10は、最も推奨度が高い推奨レイアウトを示す画像が重畳された重畳画像(第1重畳画像K51)と共に、最も推奨度が高い推奨レイアウトよりも推奨度が低い推奨レイアウトを示す画像が重畳された1つ以上の重畳画像(第2重畳画像K53)を順位付けした状態で提供する。この構成によれば、ユーザは、推奨度を把握した上で、複数の異なる推奨レイアウトを見比べて、より柔軟に推奨レイアウトを採用するかどうか、および、どの推奨レイアウトを採用するかを決めることができる。
【0085】
次に情報処理装置2による情報処理方法について説明する。
図13は情報処理装置2の主要な動作を示すフローチャートである。情報処理装置2の情報処理部10は、表示画面の一部分を構成する閉じた領域である対象領域の指定をユーザから受け付ける(ステップSA1)。情報処理装置2の情報処理部10は、対象領域の分類を認識し、認識した分類に基づき対象領域のレイアウトとして推奨される推奨レイアウトを示す画像が表示画面の対象領域に重畳される一方、対象領域以外の領域には変化がない画像である重畳画像を提供する(ステップSA2)。
【0086】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0087】
例えば上述した実施形態では、情報処理装置2が記憶部14を備える構成であった。この点に関し、情報処理装置2と通信可能な他の装置に記憶部14が設けられ、情報処理装置2が適宜、他の装置にアクセスする構成でもよい。
【0088】
また上述した実施形態では、情報処理装置2は、インターネットを含むグローバルなネットワークNに接続されたクラウドサーバに係るサーバ装置であったが、情報処理装置2はクラウドサーバに係るサーバ装置である必要はない。一例として、ユーザが所属する組織のローカルネットワークに設けられたサーバ装置であってもよい。この場合、情報処理装置2は、ローカルネットワークに接続する端末3をクライアントとして各種サービスを提供する。
【0089】
また上述した実施形態では、情報処理装置2により改善が提案される対象となる表示画面は「Webページの画面」であった。しかしながら情報処理装置2により改善が提案される対象となる表示画面はWebページの画面に限られない。一例として、アプリケーションを実行したときに表示される各種画面や、専用機(カーナビゲーションやDVDプレーヤー等)、電子広告等であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
2 情報処理装置
4 表示装置
10 情報処理部
K51 第1重畳画像(重畳画像)
K52 第2重畳画像(重畳画像)