(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044110
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】電磁アクチュエータ及び振動発生装置
(51)【国際特許分類】
H02K 33/16 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
H02K33/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151974
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】稲毛 康介
【テーマコード(参考)】
5H633
【Fターム(参考)】
5H633BB03
5H633GG02
5H633GG04
5H633GG08
5H633GG17
5H633HH03
5H633HH06
5H633JA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】弾性体の復元力を小さくした電磁アクチュエータ及び振動発生装置を提供する。
【解決手段】電磁アクチュエータA1は、永久磁石Mを有する可動部100と、可動部100に対してZ-Z’方向に配置され且つコイルCaを有する非可動部200aと、可動部100と非可動部200aの間に配置された空隙Gを有する弾性体300aとを備える。永久磁石M及びコイルCaは、コイルCaに電流が印加され、可動部100を非可動部200aに対してX方向に移動させる。弾性体300aは可動部100を非可動部200aに対して初期位置で保持する。可動部100が非可動部200aに対してX方向に移動し、弾性体300aの可動部100固定の第1固定部301aが弾性体300aの非可動部200a固定の第2固定部302bに対してX方向に移動する。可動部100が初期位置に対してX方向に移動し、弾性体300aが弾性変形する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部と、
前記可動部に対して第1方向に配置された第1非可動部と、
前記可動部と前記第1非可動部との間に配置された少なくとも一つの空隙を有する少なくとも一つの第1弾性体とを備えており、
前記可動部及び前記第1非可動部のうちの一方は、永久磁石を有しており、
前記可動部及び前記第1非可動部のうちの他方は、前記永久磁石に対して前記第1方向に配置されたコイルを有しており、
少なくとも前記永久磁石及び前記コイルが、前記コイルに対して電流が印加されることによって、前記可動部を前記第1非可動部に対して相対的に第2方向の一方に移動させる第1駆動力を発生させる第1磁気回路を構成しており、前記第1方向は、前記可動部及び前記第1非可動部の並び方向であり、前記第2方向は、前記第1方向に略直交しており、
前記少なくとも一つの第1弾性体は、前記可動部に固定された第1固定部と、前記第1非可動部に固定された第2固定部とを有しており、且つ、前記可動部を前記第1非可動部に対して初期位置で保持しており、
前記可動部が前記第1非可動部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動することにより、前記第1固定部が前記第2固定部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動することにより、前記少なくとも一つの第1弾性体が弾性変形する電磁アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記少なくとも一つの第1弾性体は、前記第1固定部に対して前記第2方向の一方側の第1非固定部と、前記第2固定部に対して前記第2方向の一方側の第2非固定部とを更に有しており、
前記第1非固定部は、前記可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記第1非固定部の前記対向面は、前記第1固定部に対して前記第2方向の一方側に位置しており且つ前記可動部に接触する接触領域と、前記第1非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の一方側に位置しており且つ前記可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記第1非固定部の前記非接触領域と前記可動部との前記第1方向の間隔は、前記第2方向の一方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記第2非固定部は、前記第1非可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記第2非固定部の前記対向面は、前記第2固定部に対して前記第2方向の一方側に位置しており且つ前記第1非可動部に接触する接触領域と、前記第2非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の一方側に位置しており且つ前記第1非可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記第2非固定部の前記非接触領域と前記第1非可動部との間隔が前記第2方向の一方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記可動部が前記初期位置に位置している状態における前記第1非固定部の前記接触領域、前記第1非固定部の前記非接触領域、前記第2非固定部の前記接触領域及び前記第2非固定部の前記非接触領域が初期領域となっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動するにしたがって、(1)前記第1非固定部の前記接触領域の前記可動部からの離反が、前記第1非固定部の前記接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記第1非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第1非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、且つ、(2)前記第2非固定部の前記非接触領域の前記第1非可動部に対する接触が、前記第2非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記第2非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第2非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加する電磁アクチュエータ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記少なくとも一つの第1弾性体は、前記第1固定部に対して前記第2方向の他方側の第3非固定部と、前記第2固定部に対して前記第2方向の他方側の第4非固定部とを更に有しており、
前記第3非固定部は、前記可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記第3非固定部の前記対向面は、前記第1固定部に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記可動部に接触する接触領域と、前記第3非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記第3非固定部の前記非接触領域と前記可動部との前記第1方向の間隔は、前記第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記第4非固定部は、前記第1非可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記第4非固定部の前記対向面は、前記第2固定部に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記第1非可動部に接触する接触領域と、前記第4非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記第1非可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記第4非固定部の前記非接触領域と前記第1非可動部との間隔が前記第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記可動部が前記初期位置に位置している状態における前記第3非固定部の前記接触領域、前記第3非固定部の前記非接触領域、前記第4非固定部の前記接触領域及び前記第4非固定部の前記非接触領域が初期領域となっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動するにしたがって、(3)前記第3非固定部の前記非接触領域の前記可動部に対する接触が、前記第3非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記第3非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第3非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、且つ、(4)前記第4非固定部の前記接触領域の前記第1非可動部からの離反が、前記第4非固定部の前記接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記第4非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第4非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加する電磁アクチュエータ。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第1磁気回路は、前記コイルに対して極性を所定の間隔で交互に反転させた電流が印加されることによって、前記可動部を第2位置から第1位置へ前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる前記第1駆動力と、前記可動部を前記第1位置から前記第2位置へ前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の他方に移動させる第2駆動力とを交互に発生させるようになっており、
前記第1位置は、前記初期位置に対して前記第1方向の一方側の位置であり、前記第2位置は、前記初期位置に対して前記第1方向の他方側の位置であり、前記初期位置は、前記第1方向において前記第1位置と前記第2位置との間の位置であり、
前記可動部が前記第2位置から前記第1位置へ移動すると共に、前記第1固定部が前記第2固定部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動し、前記可動部が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に、前記第1固定部が前記第2固定部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の他方に移動することにより、前記少なくとも一つの第1弾性体が弾性変形する電磁アクチュエータ。
【請求項5】
請求項2記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記少なくとも一つの第1弾性体は、前記第1固定部に対して前記第2方向の他方側の第3非固定部と、前記第2固定部に対して前記第2方向の他方側の第4非固定部とを更に有しており、
前記第3非固定部は、前記可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記第3非固定部の前記対向面は、前記第1固定部に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記可動部に接触する接触領域と、前記第3非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記第3非固定部の前記非接触領域と前記可動部との前記第1方向の間隔は、前記第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記第4非固定部は、前記第1非可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記第4非固定部の前記対向面は、前記第2固定部に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記第1非可動部に接触する接触領域と、前記第4非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記第1非可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記第4非固定部の前記非接触領域と前記第1非可動部との間隔が前記第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記可動部が前記初期位置に位置している状態における前記第3非固定部の前記接触領域、前記第3非固定部の前記非接触領域、前記第4非固定部の前記接触領域及び前記第4非固定部の前記非接触領域が初期領域となっており、
前記第1磁気回路は、前記コイルに対して極性を所定の間隔で交互に反転させた電流が印加されることによって、前記可動部を第2位置から第1位置へ前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる前記第1駆動力と、前記可動部を前記第1位置から前記第2位置へ前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の他方に移動させる第2駆動力とを交互に発生させるようになっており、
前記第1位置は、前記初期位置に対して前記第1方向の一方側の位置であり、前記第2位置は、前記初期位置に対して前記第1方向の他方側の位置であり、前記初期位置は、前記第1方向において前記第1位置と前記第2位置との間の位置であり、
前記可動部が前記第2位置から前記第1位置へ移動すると共に、前記第1固定部が前記第2固定部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動し、前記可動部が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に、前記第1固定部が前記第2固定部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の他方に移動することにより、前記少なくとも一つの第1弾性体が弾性変形するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動するにしたがって、(1)前記第1非固定部の前記接触領域の前記可動部からの離反が、前記第1非固定部の前記接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記第1非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第1非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、(2)前記第2非固定部の前記非接触領域の前記第1非可動部に対する接触が、前記第2非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記第2非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第2非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、(3)前記第3非固定部の前記非接触領域の前記可動部に対する接触が、前記第3非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記第3非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第3非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、且つ、(4)前記第4非固定部の前記接触領域の前記第1非可動部からの離反が、前記第4非固定部の前記接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記第4非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第4非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の他方に移動するにしたがって、(5)前記第3非固定部の前記接触領域の前記可動部からの離反が、前記第3非固定部の前記接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記第3非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第3非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、(6)前記第4非固定部の前記非接触領域の前記第1非可動部に対する接触が、前記第4非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記第4非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第4非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、(7)前記第1非固定部の前記非接触領域の前記可動部に対する接触が、前記第1非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記第1非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第1非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、且つ、(8)前記第2非固定部の前記接触領域の前記第1非可動部からの離反が、前記第2非固定部の前記接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記第2非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記第2非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加する電磁アクチュエータ。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第1非可動部は、前記可動部に対して前記第1方向の一方側に配置されており、
前記電磁アクチュエータは、前記可動部に対して前記第1方向の他方側に配置された第2非可動部と、
前記可動部と前記第2非可動部との間に配置された少なくとも一つの空隙を有する少なくとも一つの第2弾性体とを更に備えており、
前記可動部が前記永久磁石を有しており、
前記第1非可動部は、前記可動部の前記永久磁石に対して前記第1方向の一方側に配置された前記コイルを有しており、
前記第2非可動部は、前記可動部の前記永久磁石に対して前記第1方向の他方側に配置されたコイルを有しており、
少なくとも前記可動部の前記永久磁石及び前記第2非可動部の前記コイルが、前記第2非可動部の前記コイルに対して電流が印加されることによって、前記可動部を前記第2非可動部に対して前記相対的に前記第2方向の一方に移動させる第3駆動力を発生させる第2磁気回路を構成しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体は、前記可動部に固定された第1固定部と、前記第2非可動部に固定された第2固定部とを有しており、
前記少なくとも一つの第1弾性体及び前記少なくとも一つの第2弾性体が、前記可動部を前記第1非可動部及び前記第2非可動部に対して前記初期位置で保持しており、
前記可動部が前記第2非可動部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動すると共に、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部が前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動することにより、前記少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形する電磁アクチュエータ。
【請求項7】
請求項1~5の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第1非可動部は、前記可動部に対して前記第1方向の一方側に配置されており、
前記電磁アクチュエータは、前記可動部に対して前記第1方向の他方側に配置された第2非可動部と、
前記可動部と前記第2非可動部との間に配置された少なくとも一つの空隙を有する少なくとも一つの第2弾性体とを更に備えており、
前記可動部が前記コイルを有しており、
前記第1非可動部は、前記可動部の前記コイルに対して前記第1方向の一方側に配置された前記永久磁石を有しており、
前記第2非可動部は、前記可動部の前記コイルに対して前記第1方向の他方側に配置された永久磁石を有しており、
少なくとも前記可動部の前記コイル及び前記第2非可動部の前記永久磁石が、前記可動部の前記コイルに対して電流が印加されることによって、前記可動部を前記第2非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる第3駆動力を発生させる第2磁気回路を構成しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体は、前記可動部に固定された第1固定部と、前記第2非可動部に固定された第2固定部とを有しており、
前記少なくとも一つの第1弾性体及び前記少なくとも一つの第2弾性体が、前記可動部を前記第1非可動部及び前記第2非可動部に対して前記初期位置で保持しており、
前記可動部が前記第2非可動部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動すると共に、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部が前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の一方に相対的に移動するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動することにより、前記少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形する電磁アクチュエータ。
【請求項8】
請求項6又は7記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記少なくとも一つの第2弾性体は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部に対して前記第2方向の一方側の第1非固定部と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の一方側の第2非固定部とを更に有しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部は、前記可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記対向面は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部に対して前記第2方向の一方側に位置しており且つ前記可動部に接触する接触領域と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の一方側に位置しており且つ前記可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記非接触領域と前記可動部との前記第1方向の間隔は、前記第2方向の一方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部は、前記第2非可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記対向面は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の一方側に位置しており且つ前記第2非可動部に接触する接触領域と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の一方側に位置しており且つ前記第2非可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記非接触領域と前記第2非可動部との間隔が前記第2方向の一方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記可動部が前記初期位置に位置している状態における前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記非接触領域、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記接触領域及び前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記非接触領域が初期領域となっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動するにしたがって、(9)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域の前記可動部からの離反が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、且つ、(10)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記非接触領域の前記第2非可動部に対する接触が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加する電磁アクチュエータ。
【請求項9】
請求項6~8の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記少なくとも一つの第2弾性体は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部に対して前記第2方向の他方側の第3非固定部と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の他方側の第4非固定部とを更に有しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部は、前記可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記対向面は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記可動部に接触する接触領域と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域と前記可動部との前記第1方向の間隔は、前記第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部は、前記第2非可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記対向面は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記第2非可動部に接触する接触領域と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記第2非可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域と前記第2非可動部との間隔が前記第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記可動部が前記初期位置に位置している状態における前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域及び前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域が初期領域となっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動するにしたがって、(11)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域の前記可動部に対する接触が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、且つ、(12)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域の前記第2非可動部からの離反が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加する電磁アクチュエータ。
【請求項10】
請求項6~9の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第1磁気回路は、前記第1非可動部又は前記可動部の前記コイルに対して極性を所定の間隔で交互に反転させた電流が印加されることによって、前記可動部を第2位置から第1位置へ前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる前記第1駆動力と、前記可動部を前記第1位置から前記第2位置へ前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の他方に移動させる第2駆動力とを交互に発生させるようになっており、
前記第2磁気回路は、前記第2非可動部又は前記可動部の前記コイルに対して極性を所定の間隔で交互に反転させた電流が印加されることによって、前記可動部を前記第2位置から前記第1位置へ前記第2非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる前記第3駆動力と、前記可動部を前記第1位置から前記第2位置へ前記第2非可動部に対して相対的に前記第2方向の他方に移動させる第4駆動力とを交互に発生させるようになっており、
前記第1位置は、前記初期位置に対して前記第1方向の一方側の位置であり、前記第2位置は、前記初期位置に対して前記第1方向の他方側の位置であり、前記初期位置は、前記第1方向において前記第1位置と前記第2位置との間の位置であり、
前記可動部が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部が前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の他方に相対的に移動するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動することにより、前記少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形し、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の他方に移動することにより、前記少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形する電磁アクチュエータ。
【請求項11】
請求項8記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記少なくとも一つの第2弾性体は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部に対して前記第2方向の他方側の第3非固定部と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の他方側の第4非固定部とを更に有しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部は、前記可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記対向面は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記可動部に接触する接触領域と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域と前記可動部との前記第1方向の間隔は、前記第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部は、前記第2非可動部側に凸の円弧面である対向面を有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記対向面は、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記第2非可動部に接触する接触領域と、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域に対して前記第2方向の他方側に位置しており且つ前記第2非可動部に非接触である非接触領域とを有しており、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域と前記第2非可動部との間隔が前記第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大しており、
前記可動部が前記初期位置に位置している状態における前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域及び前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域が初期領域となっており、
前記第1磁気回路は、前記第1非可動部又は前記可動部の前記コイルに対して極性を所定の間隔で交互に反転させた電流が印加されることによって、前記可動部を第2位置から第1位置へ前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる前記第1駆動力と、前記可動部を前記第1位置から前記第2位置へ前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の他方に移動させる第2駆動力とを交互に発生させるようになっており、
前記第2磁気回路は、前記第2非可動部又は前記可動部の前記コイルに対して極性を所定の間隔で交互に反転させた電流が印加されることによって、前記可動部を前記第2位置から前記第1位置へ前記第2非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる前記第3駆動力と、前記可動部を前記第1位置から前記第2位置へ前記第2非可動部に対して相対的に前記第2方向の他方に移動させる第4駆動力とを交互に発生させるようになっており、
前記第1位置は、前記初期位置に対して前記第1方向の一方側の位置であり、前記第2位置は、前記初期位置に対して前記第1方向の他方側の位置であり、前記初期位置は、前記第1方向において前記第1位置と前記第2位置との間の位置であり、
前記可動部が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部が前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部に対して前記第2方向の他方に相対的に移動するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動することにより、前記少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形し、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の他方に移動することにより、前記少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形するようになっており、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の一方に移動するにしたがって、(9)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域の前記可動部からの離反が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、(10)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記非接触領域の前記第2非可動部に対する接触が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、(11)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域の前記可動部に対する接触が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、且つ、(12)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域の前記第2非可動部からの離反が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、
前記可動部が前記初期位置に対して前記第2方向の他方に移動するにしたがって、(13)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域の前記可動部からの離反が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第3非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、(14)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域の前記第2非可動部に対する接触が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記非接触領域が漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第4非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、(15)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記非接触領域の前記可動部に対する接触が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記非接触領域の前記第2方向の他方側から前記第2方向の一方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記非接触領域が漸次減少する一方、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1非固定部の前記接触領域がその前記初期領域から漸次増加し、且つ、(16)前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記接触領域の前記第2非可動部からの離反が、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記接触領域の前記第2方向の一方側から前記第2方向の他方側に漸次進行して、前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2非固定部の前記接触領域が漸次減少する一方、前記第2非固定部の前記非接触領域がその前記初期領域から漸次増加する電磁アクチュエータ。
【請求項12】
請求項1~11の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第1非可動部が、磁性体を更に有しており、
前記第1磁気回路は、前記可動部及び前記第1非可動部のうちの前記一方の前記永久磁石、前記可動部及び前記第1非可動部のうちの前記他方の前記コイル及び前記第1非可動部の前記磁性体で構成されている電磁アクチュエータ。
【請求項13】
請求項6記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第2非可動部が、磁性体を更に有しており、
前記第2磁気回路は、前記可動部の前記永久磁石、前記第2非可動部の前記コイル及び前記第2非可動部の前記磁性体で構成されている電磁アクチュエータ。
【請求項14】
請求項7記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第2非可動部が、磁性体を更に有しており、
前記第2磁気回路は、前記可動部の前記コイル、前記第2非可動部の前記永久磁石及び前記第2非可動部の前記磁性体で構成されている電磁アクチュエータ。
【請求項15】
請求項1~14の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記少なくとも一つの第1弾性体は、複数であり、
前記複数の第1弾性体の各々が、前記可動部と前記第1非可動部との間に配置されている電磁アクチュエータ。
【請求項16】
請求項6~11、13及び14の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記少なくとも一つの第2弾性体は、複数であり、
前記複数の第2弾性体の各々が、前記可動部と前記第2非可動部との間に配置されている電磁アクチュエータ。
【請求項17】
請求項1~16の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第1非可動部は、前記第1非可動部の前記コイル又は前記永久磁石と前記少なくとも一つの第1弾性体との間に位置する被固定部を更に有しており、
前記少なくとも一つの第1弾性体の前記第2固定部は、前記第1非可動部の前記被固定部に固定されている電磁アクチュエータ。
【請求項18】
請求項6~11、13、14及び16の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第2非可動部は、前記第2非可動部の前記コイル又は前記永久磁石と前記少なくとも一つの第2弾性体との間に位置する被固定部を更に有しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第2固定部は、前記第2非可動部の前記被固定部に固定されている電磁アクチュエータ。
【請求項19】
請求項1~18の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記可動部は、前記可動部の前記永久磁石又は前記コイルと前記少なくとも一つの第1弾性体との間に位置する被固定部を更に有しており、
前記少なくとも一つの第1弾性体の前記第1固定部は、前記可動部の前記被固定部に固定されている電磁アクチュエータ。
【請求項20】
請求項6~11、13、14、16及び18の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記可動部は、前記可動部の前記永久磁石又は前記コイルと前記少なくとも一つの第2弾性体との間に位置する被固定部を更に有しており、
前記少なくとも一つの第2弾性体の前記第1固定部は、前記可動部の前記被固定部に固定されている電磁アクチュエータ。
【請求項21】
請求項1~3の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第1磁気回路は、前記コイルに対して一方の極性を有する電流が間欠的に印加されることによって、前記可動部を前記第1非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる前記第1駆動力を間欠的に発生させるようになっており、
前記少なくとも一つの第1弾性体が復元することによって、前記可動部を前記第1非可動部に対して前記第2方向の他方に相対的に移動させる電磁アクチュエータ。
【請求項22】
請求項6~11の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記第2磁気回路は、前記コイルに対して一方の極性を有する電流が間欠的に印加されることによって、前記可動部を前記第2非可動部に対して相対的に前記第2方向の一方に移動させる前記第3駆動力を間欠的に発生させるようになっており、
前記少なくとも一つの第1弾性体及び前記少なくとも一つの第2弾性体が復元することによって、前記可動部を前記第1非可動部及び前記第2非可動部に対して前記第2方向の他方に相対的に移動させる電磁アクチュエータ。
【請求項23】
請求項1~22の何れかに記載の電磁アクチュエータを備えており、
前記可動部の移動によって振動を発生させる振動発生装置。
【請求項24】
請求項23記載の電磁アクチュエータにおいて、
前記可動部の共振周波数が、前記可動部の振動周波数よりも小さい振動発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁アクチュエータ及び振動発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、従来の電磁アクチュエータが記載されている。この電磁アクチュエータは、支持体と、可動部と、第1、第2弾性体とを備えている。可動部は、略四角枠状のヨークと、第1、第2磁石とを有している。ヨークは、第1方向で互いに対向する第1、第2内面と、第1、第2内面の反対側の第1、第2外面とを有している。第1、第2磁石は、第1、第2内面に接着等によって固定されている。支持体は、第1、第2カバーと、ホルダと、コイルを有している。コイルは、ホルダに保持されており且つ第1、第2磁石の間に配置されている。第1、第2カバーはホルダを保持しており且つ第1、第2外面に対して間隔をあけて配置されている。第1弾性体は、第1カバーとヨークの第1外面との間に介在しており、第2弾性体は、第2カバーとヨークの第2外面との間に介在している。コイルに電流が印加されることによって、可動部の第1、第2磁石及びヨークが支持体のコイルに対して第1方向に略直交する第2方向に移動し、第1、第2弾性体が第1方向に交差するせん断方向に変形する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1、第2弾性体は、中実の矩形状であって、せん断方向に変形するため、第1、第2弾性体の復元力が強い。
【0005】
本発明は、弾性体の復元力を小さくした電磁アクチュエータ及び振動発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の電磁アクチュエータは、可動部と、可動部に対して第1方向に配置された第1非可動部と、可動部と第1非可動部との間に配置された少なくとも一つの空隙を有する少なくとも一つの第1弾性体とを備えている。
【0007】
可動部及び第1非可動部のうちの一方は、永久磁石を有しており、可動部及び第1非可動部のうちの他方は、永久磁石に対して第1方向に配置されたコイルを有する構成とすることが可能である。少なくとも永久磁石及びコイルが、コイルに対して電流が印加されることによって、可動部を第1非可動部に対して相対的に第2方向の一方に移動させる第1駆動力を発生させる第1磁気回路を構成することが可能である。第1方向は、可動部及び第1非可動部の並び方向とすることが可能である。第2方向は、第1方向に略直交しているとよい。
【0008】
少なくとも一つの第1弾性体は、可動部に固定された第1固定部と、第1非可動部に固定された第2固定部とを有しており、且つ、可動部を第1非可動部に対して初期位置で保持する構成とすることが可能である。可動部が第1非可動部に対して第2方向の一方に相対的に移動することにより、第1固定部が第2固定部に対して第2方向の一方に相対的に移動してもよい。可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動することにより、少なくとも一つの第1弾性体が弾性変形する構成とすることが可能である。
【0009】
このような態様の電磁アクチュエータは、少なくとも一つの第1弾性体が少なくとも一つの空隙を有しているため、少なくとも一つの第1弾性体の復元力を小さくできる。
【0010】
少なくとも一つの第1弾性体は、第1固定部に対して第2方向の一方側の第1非固定部と、第2固定部に対して第2方向の一方側の第2非固定部とを更に有していてもよい。
【0011】
第1非固定部は、可動部側に凸の円弧面である対向面を有していてもよい。第1非固定部の対向面は、第1固定部に対して第2方向の一方側に位置しており且つ可動部に接触する接触領域と、第1非固定部の接触領域に対して第2方向の一方側に位置しており且つ可動部に非接触である非接触領域とを有していてもよい。第1非固定部の非接触領域と可動部との第1方向の間隔は、第2方向の一方にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。
【0012】
第2非固定部は、第1非可動部側に凸の円弧面である対向面を有していてもよい。第2非固定部の対向面は、第2固定部に対して第2方向の一方側に位置しており且つ第1非可動部に接触する接触領域と、第2非固定部の接触領域に対して第2方向の一方側に位置しており且つ第1非可動部に非接触である非接触領域とを有していてもよい。第2非固定部の非接触領域と第1非可動部との間隔が第2方向の一方にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。
【0013】
可動部が初期位置に位置している状態における第1非固定部の接触領域、第1非固定部の非接触領域、第2非固定部の接触領域及び第2非固定部の非接触領域が初期領域となっていてもよい。
【0014】
可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動するにしたがって、(1)第1非固定部の接触領域の可動部からの離反が、第1非固定部の接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、第1非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第1非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加し、且つ、(2)第2非固定部の非接触領域の第1非可動部に対する接触が、第2非固定部の非接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、第2非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第2非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加するようになっていてもよい。
【0015】
少なくとも一つの第1弾性体は、第1固定部に対して第2方向の他方側の第3非固定部と、第2固定部に対して第2方向の他方側の第4非固定部とを更に有していてもよい。
【0016】
第3非固定部は、可動部側に凸の円弧面である対向面を有していてもよい。第3非固定部の対向面は、第1固定部に対して第2方向の他方側に位置しており且つ可動部に接触する接触領域と、第3非固定部の接触領域に対して第2方向の他方側に位置しており且つ可動部に非接触である非接触領域とを有していてもよい。第3非固定部の非接触領域と可動部との第1方向の間隔は、第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。
【0017】
第4非固定部は、第1非可動部側に凸の円弧面である対向面を有していてもよい。第4非固定部の対向面は、第2固定部に対して第2方向の他方側に位置しており且つ第1非可動部に接触する接触領域と、第4非固定部の接触領域に対して第2方向の他方側に位置しており且つ第1非可動部に非接触である非接触領域とを有していてもよい。第4非固定部の非接触領域と第1非可動部との間隔が第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。
【0018】
可動部が初期位置に位置している状態における第3非固定部の接触領域、第3非固定部の非接触領域、第4非固定部の接触領域及び第4非固定部の非接触領域が初期領域となっていてもよい。
【0019】
可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動するにしたがって、(3)第3非固定部の非接触領域の可動部に対する接触が、第3非固定部の非接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、第3非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第3非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、且つ、(4)第4非固定部の接触領域の第1非可動部からの離反が、第4非固定部の接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、第4非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第4非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加するようになっていてもよい。
【0020】
第1磁気回路は、コイルに対して極性を所定の間隔で交互に反転させた電流が印加されることによって、可動部を第2位置から第1位置へ第1非可動部に対して相対的に第2方向の一方に移動させる第1駆動力と、可動部を第1位置から第2位置へ第1非可動部に対して相対的に第2方向の他方に移動させる第2駆動力とを交互に発生させるようになっていてもよい。第1位置は、初期位置に対して第1方向の一方側の位置としてもよい。第2位置は、初期位置に対して第1方向の他方側の位置としてもよい。初期位置は、第1方向において第1位置と第2位置との間の位置としてもよい。可動部が第2位置から第1位置へ移動すると共に、第1固定部が第2固定部に対して第2方向の一方に相対的に移動し、可動部が第1位置から第2位置へ移動すると共に、第1固定部が第2固定部に対して第2方向の一方に相対的に移動するようになっていてもよい。可動部が初期位置に対して第2方向の他方に移動することにより、少なくとも一つの第1弾性体が弾性変形するようになっていてもよい。
【0021】
少なくとも一つの第1弾性体が第1非固定部~第4非固定部を有しており且つ第1磁気回路が上記第1駆動力と上記第2駆動力とを交互に発生させるようになっている場合、可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動するにしたがって、(1)第1非固定部の接触領域の可動部からの離反が、第1非固定部の接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、第1非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第1非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加し、(2)第2非固定部の非接触領域の第1非可動部に対する接触が、第2非固定部の非接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、第2非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第2非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、(3)第3非固定部の非接触領域の可動部に対する接触が、第3非固定部の非接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、第3非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第3非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、且つ、(4)第4非固定部の接触領域の第1非可動部からの離反が、第4非固定部の接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、第4非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第4非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加し、可動部が初期位置に対して第2方向の他方に移動するにしたがって、(5)第3非固定部の接触領域の可動部からの離反が、第3非固定部の接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、第3非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第3非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加し、(6)第4非固定部の非接触領域の第1非可動部に対する接触が、第4非固定部の非接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、第4非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第4非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、(7)第1非固定部の非接触領域の可動部に対する接触が、第1非固定部の非接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、第1非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第1非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、且つ、(8)第2非固定部の接触領域の第1非可動部からの離反が、第2非固定部の接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、第2非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第2非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加するようになっていてもよい。
【0022】
上記した何れかの態様の電磁アクチュエータは、可動部に対して第1方向の他方側に配置された第2非可動部と、可動部と第2非可動部との間に配置された少なくとも一つの空隙を有する少なくとも一つの第2弾性体とを更に備えていてもよい。第1非可動部は、可動部に対して第1方向の一方側に配置されていてもよい。
【0023】
可動部が永久磁石を有しており、第1非可動部は、可動部の永久磁石に対して第1方向の一方側に配置されたコイルを有しており、第2非可動部は、可動部の永久磁石に対して第1方向の他方側に配置されたコイルを有していてもよい。少なくとも可動部の永久磁石及び第2非可動部のコイルが、第2非可動部のコイルに対して電流が印加されることによって、可動部を第2非可動部に対して相対的に第2方向の一方に移動させる第3駆動力を発生させる第2磁気回路を構成していてもよい。
【0024】
又は、可動部がコイルを有しており、第1非可動部は、可動部のコイルに対して第1方向の一方側に配置された永久磁石を有しており、第2非可動部は、可動部のコイルに対して第1方向の他方側に配置された永久磁石を有していてもよい。少なくとも可動部のコイル及び第2非可動部の永久磁石が、可動部のコイルに対して電流が印加されることによって、可動部を第2非可動部に対して相対的に第2方向の一方に移動させる第3駆動力を発生させる第2磁気回路を構成していてもよい。
【0025】
少なくとも一つの第2弾性体は、可動部に固定された第1固定部と、第2非可動部に固定された第2固定部とを有していてもよい。少なくとも一つの第1弾性体及び少なくとも一つの第2弾性体が、可動部を第1非可動部及び第2非可動部に対して初期位置で保持していてもよい。可動部が第2非可動部に対して第2方向の一方に相対的に移動すると共に、少なくとも一つの第2弾性体の第1固定部が少なくとも一つの第2弾性体の第2固定部に対して第2方向の一方に相対的に移動するようになっていてもよい。可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動することにより、少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形するようになっていてもよい。
【0026】
少なくとも一つの第2弾性体は、少なくとも一つの第2弾性体の第1固定部に対して第2方向の一方側の第1非固定部と、少なくとも一つの第2弾性体の第2固定部に対して第2方向の一方側の第2非固定部とを更に有していてもよい。
【0027】
少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部は、可動部側に凸の円弧面である対向面を有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の対向面は、少なくとも一つの第2弾性体の第1固定部に対して第2方向の一方側に位置しており且つ可動部に接触する接触領域と、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域に対して第2方向の一方側に位置しており且つ可動部に非接触である非接触領域とを有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の非接触領域と可動部との第1方向の間隔は、第2方向の一方にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。
【0028】
少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部は、第2非可動部側に凸の円弧面である対向面を有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の対向面は、少なくとも一つの第2弾性体の第2固定部に対して第2方向の一方側に位置しており且つ第2非可動部に接触する接触領域と、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の接触領域に対して第2方向の一方側に位置しており且つ第2非可動部に非接触である非接触領域とを有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の非接触領域と第2非可動部との間隔が第2方向の一方にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。
【0029】
可動部が初期位置に位置している状態における少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の非接触領域、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の接触領域及び少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の非接触領域が初期領域となっていてもよい。
【0030】
可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動するにしたがって、(9)少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域の可動部からの離反が、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加し、且つ、(10)少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の非接触領域の第2非可動部に対する接触が、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の非接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加するようになっていてもよい。
【0031】
少なくとも一つの第2弾性体は、少なくとも一つの第2弾性体の第1固定部に対して第2方向の他方側の第3非固定部と、少なくとも一つの第2弾性体の第2固定部に対して第2方向の他方側の第4非固定部とを更に有していてもよい。
【0032】
少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部は、可動部側に凸の円弧面である対向面を有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の対向面は、少なくとも一つの第2弾性体の第1固定部に対して第2方向の他方側に位置しており且つ可動部に接触する接触領域と、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の接触領域に対して第2方向の他方側に位置しており且つ可動部に非接触である非接触領域とを有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域と可動部との第1方向の間隔は、第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。
【0033】
少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部は、第2非可動部側に凸の円弧面である対向面を有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の対向面は、少なくとも一つの第2弾性体の第2固定部に対して第2方向の他方側に位置しており且つ第2非可動部に接触する接触領域と、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域に対して第2方向の他方側に位置しており且つ第2非可動部に非接触である非接触領域とを有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の非接触領域と第2非可動部との間隔が第2方向の他方にいくにしたがって漸次拡大していてもよい。
【0034】
可動部が初期位置に位置している状態における少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の接触領域、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域及び少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の非接触領域が初期領域となっていてもよい。
【0035】
可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動するにしたがって、(11)少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域の可動部に対する接触が、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、且つ、(12)少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域の第2非可動部からの離反が、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加するようになっていてもよい。
【0036】
第1磁気回路が上記第1駆動力と上記第2駆動力とを交互に発生させる場合、第2磁気回路は、第2非可動部又は可動部のコイルに対して極性を所定の間隔で交互に反転させた電流が印加されることによって、可動部を第2位置から第1位置へ第2非可動部に対して相対的に第2方向の一方に移動させる第3駆動力と、可動部を第1位置から第2位置へ第2非可動部に対して相対的に第2方向の他方に移動させる第4駆動力とを交互に発生させるようになっていてもよい。
【0037】
可動部が第1位置から第2位置へ移動すると共に、少なくとも一つの第2弾性体の第1固定部が少なくとも一つの第2弾性体の第2固定部に対して第2方向の他方に相対的に移動するようになっていてもよい。可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動することにより、少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形し、可動部が初期位置に対して第2方向の他方に移動することにより、少なくとも一つの第2弾性体が弾性変形するようになっていてもよい。
【0038】
少なくとも一つの第2弾性体が第1非固定部~第4非固定部を有しており且つ第2磁気回路が上記第3駆動力と上記第4駆動力とを交互に発生させるようになっている場合、可動部が初期位置に対して第2方向の一方に移動するにしたがって、(9)少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域の可動部からの離反が、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加し、(10)少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の非接触領域の第2非可動部に対する接触が、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の非接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、(11)少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域の可動部に対する接触が、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、且つ、(12)少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域の第2非可動部からの離反が、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加し、可動部が初期位置に対して第2方向の他方に移動するにしたがって、(13)少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の接触領域の可動部からの離反が、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第3非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加し、(14)少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の非接触領域の第2非可動部に対する接触が、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の非接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第4非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、(15)少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の非接触領域の可動部に対する接触が、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の非接触領域の第2方向の他方側から第2方向の一方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、少なくとも一つの第2弾性体の第1非固定部の接触領域がその初期領域から漸次増加し、且つ、(16)少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の接触領域の第2非可動部からの離反が、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の接触領域の第2方向の一方側から第2方向の他方側に漸次進行して、少なくとも一つの第2弾性体の第2非固定部の接触領域がその初期領域から漸次減少する一方、第2非固定部の非接触領域がその初期領域から漸次増加するようになっていてもよい。
【0039】
第1非可動部が、磁性体を更に有していてもよい。第1磁気回路は、可動部及び第1非可動部のうちの一方の永久磁石、可動部及び第1非可動部のうちの他方のコイル及び第1非可動部の磁性体で構成可能である。
【0040】
第2非可動部が、磁性体を更に有していてもよい。第2磁気回路は、可動部の永久磁石、第2非可動部のコイル及び第2非可動部の磁性体で構成可能である。又は、第2磁気回路は、可動部のコイル、第2非可動部の永久磁石及び第2非可動部の磁性体で構成可能である。
【0041】
可動部が磁性体を更に有していてもよい。第1磁気回路は、可動部の磁性体を更に有していてもよい。第2磁気回路が設けられている場合、第2磁気回路は、可動部の磁性体を更に有していてもよい。
【0042】
少なくとも一つの第1弾性体は、複数とすることが可能である。複数の第1弾性体の各々が、可動部と第1非可動部との間に配置されていてもよい。
【0043】
少なくとも一つの第2弾性体は、複数とすることが可能である。複数の第2弾性体の各々が、可動部と第2非可動部との間に配置されていてもよい。
【0044】
第1非可動部は、第1非可動部のコイル又は永久磁石と少なくとも一つの第1弾性体との間に位置する被固定部を更に有していてもよい。少なくとも一つの第1弾性体の第2固定部は、第1非可動部の被固定部に固定されていてもよい。
【0045】
第2非可動部は、第2非可動部のコイル又は永久磁石と少なくとも一つの第2弾性体との間に位置する被固定部を更に有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第2固定部は、第2非可動部の被固定部に固定されていてもよい。
【0046】
可動部は、可動部の永久磁石又はコイルと少なくとも一つの第1弾性体との間に位置する被固定部を更に有していてもよい。少なくとも一つの第1弾性体の第1固定部は、可動部の被固定部に固定されていてもよい。
【0047】
可動部は、可動部の永久磁石又はコイルと少なくとも一つの第2弾性体との間に位置する被固定部を更に有していてもよい。少なくとも一つの第2弾性体の第1固定部は、可動部の被固定部に固定されていてもよい。
【0048】
第1磁気回路は、コイルに対して一方の極性を有する電流が間欠的に印加されることによって、可動部を第1非可動部に対して相対的に第2方向の一方に移動させる第1駆動力を間欠的に発生させるようになっていてもよい。少なくとも一つの第1弾性体が復元することによって、可動部を第1非可動部に対して第2方向の他方に相対的に移動させるようになっていてもよい。
【0049】
第2磁気回路は、コイルに対して一方の極性を有する電流が間欠的に印加されることによって、可動部を第2非可動部に対して相対的に第2方向の一方に移動させる第3駆動力を間欠的に発生させるようになっていてもよい。少なくとも一つの第1弾性体及び少なくとも一つの第2弾性体が復元することによって、可動部を第1非可動部及び第2非可動部に対して第2方向の他方に相対的に移動させるようになっていてもよい。
【0050】
本発明の一態様の振動発生装置は、上記した何れかの態様の電磁アクチュエータを備えており、可動部の移動によって振動を発生させるようになっている。
【0051】
可動部の共振周波数が、可動部の振動周波数よりも小さくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1A】本発明の実施例1に係る振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図1B】実施例1の振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が第1位置に位置した状態を示す図である。
【
図1C】実施例1の振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が第2位置に位置した状態を示す図である。
【
図2A】実施例1の振動発生装置の第1設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図2B】第1設計変形例の振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が第1位置に位置した状態を示す図である。
【
図2C】第1設計変形例の振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が第2位置に位置した状態を示す図である。
【
図3】実施例1の振動発生装置の第2設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図4】実施例1の振動発生装置の第3設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図5】実施例1の振動発生装置の第4設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図6】実施例1の振動発生装置の第5設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図7A】本発明の実施例2に係る振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図7B】実施例2の振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が第1位置に位置した状態を示す図である。
【
図7C】実施例2の振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が第2位置に位置した状態を示す図である。
【
図8A】実施例2の振動発生装置の第1設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図8B】実施例2の第1設計変形例の振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が第1位置に位置した状態を示す図である。
【
図8C】実施例2の第1設計変形例の振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が第2位置に位置した状態を示す図である。
【
図9】本発明の実施例3に係る振動発生装置の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図10】実施例3の振動発生装置の第1設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図11】実施例3の振動発生装置の第2設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【
図12】実施例3の振動発生装置の第3設計変形例の模式的断面図であって、前記振動発生装置の可動部が初期位置に位置した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、本発明の実施例1、2、3及びこれらの設計変形例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変形例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変形することが可能であることにも留意されたい。
【実施例0054】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る振動発生装置B1について、
図1A~
図6を参照しつつ説明する。
図1A~
図1Cには、実施例1に係る振動発生装置B1が示されている。
図1A~
図1Cには、実施例1の振動発生装置B1の第1設計変型例が示されている。
図3には、実施例1の振動発生装置B1の第2設計変型例が示されている。
図4には、実施例1の振動発生装置B1の第3設計変型例が示されている。
図5には、実施例1の振動発生装置B1の第4設計変型例が示されている。
図6には、実施例1の振動発生装置B1の第5設計変型例が示されている。
図1A~
図6には、Z-Z’方向(第1方向)が示されている。Z-Z’方向は、Z方向(第1方向の一方)と、Z’方向(第1方向の他方)とを含む。
図1A~
図6には、Z-Z’方向に略直交するX-X’方向(第2方向)が示されている。X-X’方向は、X方向(第2方向の一方)と、X’方向(第2方向の他方)とを含む。
【0055】
振動発生装置B1は、電磁アクチュエータA1(以下、単にアクチュエータA1とも称する。)を備えている。アクチュエータA1は、可動部100と、第1非可動部200aと、第2非可動部200bとを備えている。
【0056】
可動部100は、Z-Z’方向において第1非可動部200aと第2非可動部200bとの間に、第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対して相対的にX-X’方向に移動可能に配置されている。可動部100は、少なくとも初期位置(
図1A及び
図2A、
図3~
図6参照)と第1位置(
図1B及び
図2B参照)との間をX-X’方向に移動可能となっている。可動部100は、第1位置(
図1B及び
図2B参照)と第2位置(
図1C及び
図2C参照)との間をX-X’方向に移動可能になっていてもよい。第1位置は初期位置に対してX方向側に位置する。第2位置は初期位置に対してX’方向側に位置する。以下、説明の便宜上、可動部100が初期位置に位置している状態を「初期状態」とも称し、可動部100が第1位置と第2位置との間を移動する態様を「第1移動態様」と称し、可動部100が初期位置と第1位置との間を移動する態様を「第2移動態様」と称する。第1移動態様の場合、初期位置は、X-X’方向において第1位置と第2位置との間に位置しており、可動部100は、第1位置から第2位置へ移動及び第2位置から第1位置への移動において初期位置を経由する。第2移動態様の場合、第2位置は省略される。なお、Z-Z’方向は、可動部100、第1非可動部200a及び第2非可動部200bの並び方向である。X-X’方向は可動部100の移動方向である。
【0057】
可動部100は永久磁石Mを有している。永久磁石Mは、例えば、X-X’方向に延びた板又は円柱状若しくは多角柱状の柱である。永久磁石Mは、Z方向側の部分とZ’方向側の部分とを有している。永久磁石MのZ方向側の部分がS極、永久磁石MのZ’方向側の部分がN極となっていてもよいし、その逆であってもよい。又は、永久磁石MのZ方向側の部分のX方向側、X’方向側がS極、N極であり且つ永久磁石MのZ’方向側の部分のX方向側、X’方向側がN極、S極であってもよいし、永久磁石MのZ方向側の部分のX方向側、X’方向側がN極、S極であり且つ永久磁石MのZ’方向側の部分のX方向側、X’方向側がS極、N極であってもよい。
【0058】
可動部100は図示しないホルダを更に有していてもよい。ホルダは、樹脂等の非磁性体で構成されており且つ永久磁石Mを保持している。例えば、ホルダは、環状体であって、その内部に永久磁石Mが嵌合(FIT IN)された構成、任意の形状のブロックであって、その内部に永久磁石Mがインサート成形された構成、又は、箱体であって、その内部に永久磁石Mが収容された構成とすることが可能である。なお、可動部100のホルダは省略可能である。
【0059】
可動部100は、第1被固定部及び第2被固定部を有している。可動部100のホルダが設けられていない場合、第1被固定部は、永久磁石MのZ方向側の面であり、第2被固定部は、永久磁石MのZ’方向側の面である。可動部100のホルダが設けられている場合、第1被固定部は、ホルダの永久磁石Mに対してZ方向側の部分であり、第2被固定部は、ホルダの永久磁石Mに対してZ’方向側の部分である。
【0060】
第1非可動部200aは可動部100に対してZ方向側に配置されている。第1非可動部200aはコイルCaを有している。コイルCaが可動部100の永久磁石Mに対してZ方向側に配置されている。コイルCaは、例えば、スパイラルコイルである。コイルCaは、振動発生装置B1の外部の第1発振回路(図示しない。)に電気的に接続可能である。又は、第1発振回路は、振動発生装置B1の外部ではなく、振動発生装置B1に設けられており、第1発振回路がコイルCaに電気的に接続されていてもよい。何れの場合も、第1発振回路によって、コイルCaに矩形波又は正弦波の電流が印加される。
【0061】
第1非可動部200aは軟鉄(ヨーク)等の磁性体Yaを更に有していてもよい。磁性体Yaは、X-X’方向に延びており且つコイルCaに対してZ方向側に配置されている。磁性体YaのX-X’方向の寸法は、コイルCaのX-X’方向の寸法より大きい又は略同じにするとよいが、小さくても構わない。磁性体YaのX-X’方向及びZ-Z’方向に略直交する直交方向の寸法は、コイルCaの直交方向の寸法より大きい又は略同じにするとよいが、小さくても構わない。なお、磁性体Yaは省略可能である。
【0062】
磁性体Yaが設けられていない場合、可動部100の永久磁石M及び第1非可動部200aのコイルCaが第1磁気回路を構成している。この場合、コイルCaは、その導線が永久磁石Mに対してZ方向側で生じる第1磁界を横切るように当該第1磁界内に配置されている。磁性体Yaが設けられている場合、可動部100の永久磁石M、第1非可動部200aのコイルCa及び第1非可動部200aの磁性体Yaが第1磁気回路を構成している。この場合、コイルCaは、その導線が可動部100の永久磁石Mと磁性体Yaとの間に生じる第2磁界を横切るように当該第2磁界内に配置されている。
【0063】
第2非可動部200bは可動部100に対してZ’方向側に配置されている。第2非可動部200bはコイルCbを有している。コイルCbが可動部100の永久磁石Mに対してZ’方向側に配置されている。コイルCbは、例えば、スパイラルコイルである。コイルCbは、振動発生装置B1の外部の第2発振回路(図示しない。)に電気的に接続可能である。又は、第2発振回路は、振動発生装置B1の外部ではなく、振動発生装置B1に設けられており、第2発振回路がコイルCbに電気的に接続されていてもよい。何れの場合も、第2発振回路によって、コイルCbに矩形波又は正弦波の電流が印加される。
【0064】
第2非可動部200bは軟鉄(ヨーク)等の磁性体Ybを更に有することが可能である。磁性体Ybは、X-X’方向に延びており且つコイルCbに対してZ’方向側に配置されている。磁性体YbのX-X’方向の寸法は、コイルCbのX-X’方向の寸法より大きい又は略同じにするとよいが、小さくても構わない。磁性体YbのX-X’方向及びZ-Z’方向に略直交する直交方向の寸法は、コイルCbの直交方向の寸法より大きい又は略同じにするとよいが、小さくても構わない。なお、磁性体Ybは省略可能である。
【0065】
磁性体Ybが設けられていない場合、可動部100の永久磁石M及び第2非可動部200bのコイルCbが第2磁気回路を構成している。コイルCbは、その導線が永久磁石Mに対してZ’方向側で生じる第3磁界を横切るように当該第3磁界内に配置されている。磁性体Ybが設けられている場合、可動部100の永久磁石M、第2非可動部200bのコイルCb及び第2非可動部200bの磁性体Ybが第2磁気回路を構成している。コイルCbは、その導線が可動部100の永久磁石Mと磁性体Ybとの間に生じる第4磁界を横切るように当該第4磁界内に配置されている。
【0066】
上記第1移動態様の場合、第1磁気回路は、極性(正極及び負極)が所定の間隔で交互に反転する電流がコイルCaに印加されることによって、永久磁石MをX方向に移動させる第1駆動力(ローレンツ力)と永久磁石MをX’方向に移動させる第2駆動力(ローレンツ力)とを交互に発生させ、且つ、第2磁気回路は、極性(正極及び負極)が所定の間隔で交互に反転する電流がコイルCbに印加されることによって、永久磁石MをX方向に移動させる第3駆動力(ローレンツ力)と永久磁石MをX’方向に移動させる第4駆動力(ローレンツ力)とを交互に発生させる。具体的には、第1磁界又は第2磁界と、第1磁界又は第2磁界を横切るようにコイルCaに流れる電流との電磁相互作用によって、永久磁石MをX方向に移動させる第1駆動力(ローレンツ力)と永久磁石MをX’方向に移動させる第2駆動力(ローレンツ力)とが交互に発生し、且つ、第3磁界又は第4磁界と、第3磁界又は第4磁界を横切るようにコイルCbに流れる電流との電磁相互作用によって、永久磁石MをX方向に移動させる第3駆動力(ローレンツ力)と永久磁石MをX’方向に移動させる第4駆動力(ローレンツ力)とが交互に発生する。可動部100は永久磁石Mを有しているので、第1駆動力及び第3駆動力と、第2駆動力及び第4駆動力とが交互に発生することによって、可動部100が、第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対して相対的に、第2位置から第1位置へのX方向の移動と、第1位置から第2位置へのX’方向の移動とを交互に繰り返すようになっている。
【0067】
上記第2移動態様の場合、第1磁気回路は、一方の極性(正極又は負極)を有する電流がコイルCaに間欠的に印加されることによって、永久磁石MをX方向に移動させる第1駆動力(ローレンツ力)を間欠的に発生させ、且つ、第2磁気回路は、一方の極性(正極又は負極)を有する電流がコイルCbに間欠的に印加されることによって、永久磁石MをX方向に移動させる第3駆動力(ローレンツ力)を間欠的に発生させる。具体的には、第1磁界又は第2磁界と、第1磁界又は第2磁界を横切るようにコイルCaに流れる電流との電磁相互作用によって、永久磁石MをX方向に移動させる第1駆動力(ローレンツ力)が間欠的に発生し、且つ、第3磁界又は第4磁界と、第3磁界又は第4磁界を横切るようにコイルCbに流れる電流との電磁相互作用によって、永久磁石MをX方向に移動させる第3駆動力(ローレンツ力)が間欠的に発生する。可動部100が永久磁石Mを有しているので、第1駆動力及び第3駆動力が間欠的に発生することによって、可動部100が、第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対して相対的に、初期位置から第1位置へのX方向の移動を間欠的に繰り返すようになっている。
【0068】
第1非可動部200aは、ホルダ210aを更に有する構成とすることが可能である。ホルダ210aは、樹脂等の非磁性体で構成されており且つ少なくともコイルCaを保持している。例えば、ホルダ210aは、任意の形状のブロック(
図1A~
図6参照)であって、その内部にコイルCaがインサート成形された構成、箱体であって、その内部にコイルCaが収容された構成、又は、環状体であって、その内部にコイルCaが嵌合(FIT IN)された構成等とすることが可能である。磁性体Yaが設けられている場合、磁性体Yaは、ブロックであるホルダ210a内にコイルCaと共にインサート成形された構成、箱体であるホルダ210a内にコイルCaと共に収容された構成、環状体、ブロック又は箱体であるホルダ210aのZ方向側の面に接着剤やネジ等で構成された構成(
図1A~
図6参照)とすることが可能である。ホルダ210aは、コイルCaに対してZ’方向側に位置する被固定部201aを有する構成とすることが可能である。
【0069】
ホルダ210aは省略可能である。ホルダ210aが設けられておらず且つ磁性体Yaが設けられている場合、コイルCaは、磁性体YaのZ’方向側の面に固定されているとよい。この場合、コイルCaのZ’方向側の面が被固定部となっているとよい。ホルダ210a及び磁性体Yaが設けられていない場合、第1非可動部200aのコイルCaのZ’方向側の面が被固定部となっているとよい。
【0070】
第1非可動部200aは、ホルダ210aに代えて、樹脂等の非磁性体で構成されたスペーサである被固定部を更に有する構成とすることが可能である。被固定部はコイルCaに対してZ’方向側に位置する。コイルCaは、被固定部にZ方向側から固定されている。
【0071】
第2非可動部200bは、ホルダ210bを更に有する構成とすることが可能である。ホルダ210bは、樹脂等の非磁性体で構成されており且つ少なくともコイルCbを保持している。例えば、ホルダ210bは、任意の形状のブロック(
図1A~
図6参照)であって、その内部にコイルCbがインサート成形された構成、箱体であって、その内部にコイルCbが収容された構成、又は、環状体であって、その内部にコイルCbが嵌合(FIT IN)された構成等とすることが可能である。磁性体Ybが設けられている場合、磁性体Ybは、ブロックであるホルダ210b内にコイルCbと共にインサート成形された構成、箱体であるホルダ210b内にコイルCbと共に収容された構成、環状体、ブロック又は箱体であるホルダ210bのZ’方向側の面に接着剤やネジ等で構成された構成(
図1A~
図6参照)とすることが可能である。ホルダ210bは、コイルCbに対してZ方向側に位置する被固定部201bを有する構成とすることが可能である。
【0072】
ホルダ210bは省略可能である。ホルダ210bが設けられておらず且つ磁性体Ybが設けられている場合、コイルCbは、磁性体YbのZ方向側の面に固定されているとよい。この場合、コイルCbのZ方向側の面が被固定部となっているとよい。ホルダ210b及び磁性体Ybが設けられていない場合、第2非可動部200bのコイルCbのZ方向側の面が被固定部となっているとよい。
【0073】
第2非可動部200bは、ホルダ210bに代えて、樹脂等の非磁性体で構成されたスペーサである被固定部を更に有する構成とすることが可能である。被固定部はコイルCbに対してZ方向側に位置する。コイルCbは、被固定部にZ’方向側から固定されている。
【0074】
アクチュエータA1は、第1弾性体300aと、第2弾性体300bとを更に備えている。
【0075】
第1弾性体300aは、ゴム(例えば、天然ゴム、ジエン系ゴム(例えば、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム)、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、非ジエン系ゴム(例えば、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)、又は熱可塑性エラストマー等)で構成されていてもよいし、金属や樹脂等で構成されていてもよい。
【0076】
第1弾性体300aは、少なくとも一つの空隙Gを有する。第1弾性体300aが一つの空隙Gを有する場合、第1弾性体300aは、一つの空隙Gを有する中空体とすることが可能である。例えば、第1弾性体300aは、Z-Z’方向及びX-X’方向の断面視において、中空(空隙G)の楕円形(
図1A~
図1C及び
図3参照)、中空(空隙G)の長方形(
図2A~
図2C及び
図4参照)、X方向側が円弧状であり且つX’方向側が略コ字状である中空(空隙G)の片側楕円形(以下、第1片側楕円形と称する。(
図5参照))、又は、X’方向側が円弧状であり且つX方向側が略コ字状である中空(空隙G)の片側楕円形(以下、第2片側楕円形と称する。(
図6参照))とすることが可能である。中空体である第1弾性体300aは、ゴム、金属又は樹脂等の材料をブロー成形(例えば、押出ブロー成形、多次元ブロー成形、エクスチェンジブロー成形又はインジェクションブロー成形等)、二枚のシート使用した熱成形(シートブロー成形)、射出成形(例えば、ガスアシスト射出成形、ダイスライド成形(DSI)又はハイホールド成形(H2M)等)、ロストコア成形又は回転成形を行うことによって作成してもよいし、ゴム、金属又は樹脂等の材料で中空ではない成形品を作成した後に、後融着法等によって成形品に中空(空隙G)を形成することによって作成してもよい。
【0077】
第1弾性体300a内には、複数の空隙Gが設けられていてもよい。なお、第1弾性体300aが中空である場合であっても、第1弾性体300a内には、中空をなす一つの空隙Gとは別に、一又は複数の空隙Gが設けられていてもよい。
【0078】
第1弾性体300aは、可動部100と第1非可動部200aとの間に配置されている。第1弾性体300aは、第1固定部301aと、第2固定部302aとを有している。
図1A~
図6においては、説明の便宜上、第1固定部301aが仮想線L1a及びL2aによって区画され、第2固定部302aが仮想線L1b及びL2bによって区画されている。
【0079】
第1固定部301aは可動部100に固定されている。例えば、第1固定部301aは可動部100の上記第1被固定部に接着又は溶着されていてもよい(
図1A~
図6参照)。又は、第1固定部301a及び可動部100の第1被固定部の一方が、他方側に凸の係合凸部を有しており、他方が係合凹部を有していてもよい(図示なし)。この場合、係合凸部が係合凹部に嵌合(FIT IN)することによって、第1固定部301aが可動部100に固定されている。
【0080】
第2固定部302aは、第1非可動部200aに固定されている。例えば、第2固定部302aは第1非可動部200aの上記被固定部に接着又は溶着されていてもよい(
図1A~
図2C及び
図5~
図6参照)。又は、第2固定部302a及び第1非可動部200aの上記被固定部の一方が、他方側に凸の係合凸部を有しており、他方が係合凹部を有していてもよい(
図3及び
図4参照)。この場合、係合凸部が係合凹部に嵌合(FIT IN)することによって、第2固定部302aが第1非可動部200aに固定されている。なお、
図3及び
図4では、第1弾性体300aの第2固定部302aが係合凸部であり、可動部100の被固定部201aが係合凹部である。
【0081】
第2弾性体300bは、次の構成で相違する以外、上記した何れかの態様の第1弾性体300aと同様の構成とすることが可能である。第2弾性体300bは、可動部100と第2非可動部200bとの間に配置されている。第2弾性体300bの第1固定部301bは、第1弾性体300aの第1固定部301aと同様に、可動部100の上記第2被固定部に固定されている(
図1~
図6参照)。第2弾性体300bの第2固定部302bは、第1弾性体300aの第2固定部302aと同様に、第2非可動部200bの上記被固定部に固定されている(
図1~
図6参照)。
【0082】
第1弾性体300a及び第2弾性体300bが、可動部100を第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対する初期位置で保持している。換言すると、第1弾性体300a及び第2弾性体300bが弾性変形する前の状態で、可動部100の第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対するX-X’方向の位置が可動部100の初期位置となる。可動部100が初期位置に位置している状態(上記初期状態)で、第1弾性体300aの第1固定部301aの第2固定部302aに対するX-X’方向の位置は任意に決定可能である。例えば、上記初期状態で、第1固定部301aのX-X’方向の位置と第2固定部302aのX-X’方向の位置とが一致するように第1固定部301aが第2固定部302aに対して配置されていてもよい(
図1A、
図2A及び
図3~
図5参照)。又は、可動部100が初期位置に位置している状態で、第1固定部301aのX方向側の端部が第2固定部302aのX方向側の端よりもX方向側に位置するように又は第1固定部301aのX’方向側の端部が第2固定部302aのX’方向側の端よりもX’方向側に位置するように第1固定部301aが第2固定部302aに対して配置されていてもよい(図示なし)。上記初期状態における第2弾性体300bの第1固定部301bの第2固定部302bに対するX-X’方向の位置も、第1弾性体300aの第1固定部301aの第2固定部302aに対するX-X’方向の位置と同様に、決定できる。
【0083】
上記第1移動態様の場合、可動部100が、第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対して相対的に、第2位置から第1位置へのX方向の移動と、第1位置から第2位置へのX’方向の移動とを交互に繰り返すことにより、第1弾性体300aの第1固定部301aが第1弾性体300aの第2固定部302aに対して相対的にX方向の移動とX’方向の移動とを交互に繰り返すと共に、第2弾性体300bの第1固定部301bが第2弾性体300bの第2固定部302bに対して相対的にX方向の移動とX’方向の移動とを交互に繰り返す。可動部100が初期位置に対してX方向に移動することにより(可動部100が初期位置を越えてX方向に移動することにより)、第1弾性体300a及び第2弾性体300bが弾性変形(以下、第1弾性変形という。)する。可動部100が初期位置に対してX’方向に移動することにより(可動部100が初期位置を越えてX’方向に移動することにより)、第1弾性体300a及び第2弾性体300bが弾性変形(以下、第2弾性変形という。)する。第1弾性体300a及び第2弾性体300bが第1弾性変形から復元することにより、可動部100を第1位置から第2位置へX’方向に移動させる第1復元力が可動部100に付与される。第1弾性体300a及び第2弾性体300bが第2弾性変形から復元することにより、可動部100を第2位置から第1位置へX方向に移動させる第2復元力が可動部100に付与される。上記第1移動態様の場合、可動部100は、上記第1駆動力及び第3駆動力と第1弾性体300a及び第2弾性体300bの第2復元力とによる第2位置から第1位置へのX方向の移動と、上記第2駆動力及び第4駆動力と第1弾性体300a及び第2弾性体300bの第1復元力とによる第1位置から第2位置へのX’方向の移動とを交互に繰り返すことによって、振動が発生する。
【0084】
上記第2移動態様の場合、可動部100が、第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対して相対的に、初期位置から第1位置へのX方向の移動を間欠的に繰り返すことにより、第1弾性体300aの第1固定部301aが第1弾性体300aの第2固定部302aに対して相対的にX方向の移動を間欠的に繰り返す。可動部100が初期位置に対してX方向に移動することにより(可動部100が初期位置を越えてX方向に移動することにより)、第1弾性体300a及び第2弾性体300bが弾性変形(以下、第3弾性変形という。)する。コイルCa及びコイルCbに対する電流の印加が間欠的に休止している間に、第1弾性体300a及び第2弾性体300bが第3弾性変形から復元し、この第3復元力によって可動部100が第1位置から初期位置にかけて間欠的に移動する。上記第2移動態様の場合、可動部100が、間欠的に発生する上記第1駆動力及び第3駆動力の初期位置から第1位置へのX方向の移動と、間欠的に発生する第1弾性体300a及び第2弾性体300bの第3復元力による第1位置から初期位置へのX’方向の移動とを交互に繰り返すことによって、振動が発生する。
【0085】
第1弾性体300aが上記中空の楕円形である場合(
図1A~
図1C及び
図3参照)、第1弾性体300aは、第1非固定部311aと、第2非固定部312aと、第3非固定部313aと、第4非固定部314aとを更に有している。
【0086】
第1非固定部311aは第1固定部301aに対してX方向側に位置している。第1非固定部311aは、Z’方向側の対向面を有している。第1非固定部311aの対向面は、Z’方向側(可動部100側)に凸の円弧面であって、接触領域311a1と、非接触領域311a2とを有している。接触領域311a1は、第1非固定部311aの対向面のうち、第1固定部301aに対してX方向側に位置しており且つ可動部100の第1被固定部に接触する領域である。非接触領域311a2は、第1非固定部311aの対向面のうち、接触領域311a1に対してX方向側に位置しており且つ可動部100の第1被固定部に非接触である領域である。第1非固定部311aの非接触領域311a2と可動部100の第1被固定部とのZ-Z’方向の間隔は、X方向にいくにしたがって漸次拡大している。
【0087】
第2非固定部312aは第2固定部302aに対してX方向側に位置している。第2非固定部312aは、Z方向側の対向面を有している。第2非固定部312aの対向面は、Z方向側(第1非可動部200a側)に凸の円弧面であって、接触領域312a1と、非接触領域312a2とを有している。接触領域312a1は、第2非固定部312aの対向面のうち、第2固定部302aに対してX方向側に位置しており且つ第1非可動部200aの被固定部に接触する領域である。非接触領域312a2は、第2非固定部312aの対向面のうち、接触領域312a1に対してX方向側に位置しており且つ第1非可動部200aの被固定部に対して非接触である領域である。第2非固定部312aの非接触領域312a2と第1非可動部200aの被固定部とのZ-Z’方向の間隔がX方向側にいくにしたがって漸次拡大している。
【0088】
第3非固定部313aは第1固定部301aに対してX’方向側に位置している。第3非固定部313aは、Z’方向側の対向面を有している。第3非固定部313aの対向面は、Z’方向側(可動部100側)に凸の円弧面であって、接触領域313a1と、非接触領域313a2とを有している。接触領域313a1は、第3非固定部313aの対向面のうち、第1固定部301aに対してX’方向側に位置しており且つ可動部100の第1被固定部に接触する領域である。非接触領域313a2は、第3非固定部313aの対向面のうち、接触領域313a1に対してX’方向側に位置しており且つ可動部100の第1被固定部に非接触である領域である。第3非固定部313aの非接触領域313a2の第1被固定部と可動部100とのZ-Z’方向の間隔は、X’方向にいくにしたがって漸次拡大している。
【0089】
第4非固定部314aは第2固定部302aに対してX’方向側に位置している。第4非固定部314aは、Z方向側の対向面を有している。第4非固定部314aの対向面は、Z方向側(第1非可動部200a側)に凸の円弧面であって、接触領域314a1と、非接触領域314a2とを有している。接触領域314a1は、第4非固定部314aの対向面のうち、第2固定部302aに対してX’方向側に位置しており且つ第1非可動部200aの被固定部に接触する領域である。非接触領域314a2は、第4非固定部314aの対向面のうち、接触領域314a1に対してX’方向側に位置しており且つ第1非可動部200aの被固定部に対して非接触である領域である。第4非固定部314aの非接触領域314a2と第1非可動部200aの被固定部とのZ-Z’方向の間隔がX’方向側にいくにしたがって漸次拡大している。
【0090】
以下、説明の便宜上、初期状態における第1弾性体300aの接触領域311a1、非接触領域311a2、接触領域312a1、非接触領域312a2、接触領域313a1、非接触領域313a2、接触領域314a1、非接触領域314a2の領域のそれぞれを「初期領域」という。
【0091】
図1A、
図2A及び
図3においては、第1非固定部311aの接触領域311a1の初期領域が仮想線L1a及び仮想線L3aによって区画され、第1非固定部311aの非接触領域311a2の初期領域が仮想線L3a及び仮想線L4aによって区画され、第2非固定部312aの接触領域312a1の初期領域が仮想線L1b及び仮想線L3bによって区画され、第2非固定部312aの非接触領域312a2の初期領域が仮想線L3b及び仮想線L4bによって区画され、第3非固定部313aの接触領域313a1の初期領域が仮想線L2a及び仮想線L5aによって区画され、第3非固定部313aの非接触領域313a2の初期領域が仮想線L5a及び仮想線L6aによって区画され、第4非固定部314aの接触領域314a1の初期領域が仮想線L2b及び仮想線L5bによって区画され、第4非固定部314aの非接触領域314a2の初期領域が仮想線L5b及び仮想線L6bによって区画されている。また、
図1A、
図2A及び
図3においては、仮想線L3aは、初期状態における第1非固定部311aの接触領域311a1と非接触領域311a2との境界線を示しており、仮想線L3bは、初期状態における第2非固定部312aの接触領域312a1と非接触領域312a2との境界線を示しており、仮想線L5aは、初期状態における第3非固定部313aの接触領域313a1と非接触領域313a2との境界線を示しており、仮想線L5bは、初期状態における第4非固定部314aの接触領域314a1と非接触領域314a2との境界線を示している。
【0092】
第2弾性体300bが上記中空の楕円形である場合、第2弾性体300bは、第1非固定部311bと、第2非固定部312bと、第3非固定部313bと、第4非固定部314bとを更に有している。
【0093】
第1非固定部311bは第1固定部301bに対してX方向側に位置している。第1非固定部311bは、Z方向側の対向面を有している。第1非固定部311bの対向面は、Z方向側(可動部100側)に凸の円弧面であって、接触領域311b1と、非接触領域311b2とを有している。接触領域311b1は、第1非固定部311bの対向面のうち、第1固定部301bに対してX方向側に位置しており且つ可動部100の第2被固定部に接触する領域である。非接触領域311b2は、第1非固定部311bの対向面のうち、接触領域311b1に対してX方向側に位置しており且つ可動部100の第2被固定部に非接触である領域である。第1非固定部311bの非接触領域311b2と可動部100の第2被固定部とのZ-Z’方向の間隔は、X方向にいくにしたがって漸次拡大している。
【0094】
第2非固定部312bは第2固定部302bに対してX方向側に位置している。第2非固定部312bは、Z’方向側の対向面を有している。第2非固定部312bの対向面は、Z’方向側(第2非可動部200b側)に凸の円弧面であって、接触領域312b1と、非接触領域312b2とを有している。接触領域312b1は、第2非固定部312bの対向面のうち、第2固定部302bに対してX方向側に位置しており且つ第2非可動部200bの被固定部に接触する領域である。非接触領域312b2は、第2非固定部312bの対向面のうち、接触領域312b1に対してX方向側に位置しており且つ第2非可動部200bの被固定部に対して非接触である領域である。第2非固定部312bの非接触領域312b2と第2非可動部200bの被固定部とのZ-Z’方向の間隔がX方向側にいくにしたがって漸次拡大している。
【0095】
第3非固定部313bは第1固定部301bに対してX’方向側に位置している。第3非固定部313bは、Z方向側の対向面を有している。第3非固定部313bの対向面は、Z方向側(可動部100側)に凸の円弧面であって、接触領域313b1と、非接触領域313b2とを有している。接触領域313b1は、第3非固定部313bの対向面のうち、第1固定部301bに対してX’方向側に位置しており且つ可動部100の第2被固定部に接触する領域である。非接触領域313b2は、第3非固定部313bの対向面のうち、接触領域313b1に対してX’方向側に位置しており且つ可動部100の第2被固定部に非接触である領域である。第3非固定部313bの非接触領域313b2と可動部100の第2被固定部とのZ-Z’方向の間隔は、X’方向にいくにしたがって漸次拡大している。
【0096】
第4非固定部314bは第2固定部302bに対してX’方向側に位置している。第4非固定部314bは、Z’方向側の対向面を有している。第4非固定部314bの対向面は、Z’方向側(第2非可動部200b側)に凸の円弧面であるって、接触領域314b1と、非接触領域314b2とを有している。接触領域314b1は、第4非固定部314bの対向面のうち、第2固定部302bに対してX’方向側に位置しており且つ第2非可動部200bの被固定部に接触する領域である。非接触領域314b2は、第4非固定部314bの対向面のうち、接触領域314b1に対してX’方向側に位置しており且つ第2非可動部200bの被固定部に対して非接触である領域である。第4非固定部314bの非接触領域314b2と第2非可動部200bの被固定部とのZ-Z’方向の間隔がX’方向側にいくにしたがって漸次拡大している。
【0097】
以下、説明の便宜上、初期状態における第2弾性体300bの接触領域311b1、非接触領域311b2、接触領域312b1、非接触領域312b2、接触領域313b1、非接触領域313b2、接触領域314b1、非接触領域314b2の領域のそれぞれを「初期領域」という。
【0098】
なお、
図1A、
図2A及び
図3においては、第2弾性体300bの第1非固定部311bの接触領域311b1の初期領域は第1弾性体300aの第1非固定部311aの接触領域311a1の初期領域と同様の領域となっており、第2弾性体300bの第1非固定部311bの非接触領域311b2の初期領域は第1弾性体300aの第1非固定部311aの非接触領域311a2の初期領域と同様の領域となっており、第2弾性体300bの第2非固定部312bの接触領域312b1の初期領域は第1弾性体300aの第2非固定部312aの接触領域312a1の初期領域と同様の領域となっており、第2弾性体300bの第2非固定部312bの非接触領域312b2の初期領域は第1弾性体300aの第2非固定部312aの非接触領域312a2の初期領域と同様の領域となっており、第2弾性体300bの第3非固定部313bの接触領域313b1の初期領域は第1弾性体300aの第3非固定部313aの接触領域313a1の初期領域と同様の領域となっており、第2弾性体300bの第3非固定部313bの非接触領域313b2の初期領域は第1弾性体300aの第3非固定部313aの非接触領域313a2の初期領域と同様の領域となっており、第2弾性体300bの第4非固定部314bの接触領域314b1の初期領域は第1弾性体300aの第4非固定部314aの接触領域314a1の初期領域と同様の領域となっており、第2弾性体300bの第4非固定部314bの非接触領域314b2の初期領域は第1弾性体300aの第4非固定部314aの非接触領域314a2の初期領域と同様の領域となっている。
【0099】
上記中空の楕円形の第1弾性体300aが第1移動態様の通りに移動する場合、第1弾性体300aは、可動部100が初期位置に対してX方向に移動することにより、上記第1弾性変形をしつつ、第1非固定部311a~第4非固定部314aが下記(A)の通り動作する(
図1B参照)一方、第1弾性体300aは、可動部100が初期位置に対してX’方向に移動することにより、上記第2弾性変形をしつつ、第1非固定部311a~第4非固定部314aが下記(B)の通り動作する(
図1C参照)。
【0100】
(A)可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、(1)第1非固定部311aの接触領域311a1の可動部100からの離反が、第1非固定部311aの接触領域311a1のX方向側からX’方向側に漸次進行して(換言すると、第1非固定部311aの接触領域311a1と非接触領域311a2との境界線(仮想線L3a参照)がX’方向に移動して)、第1非固定部311aの接触領域311a1がその初期領域から漸次減少する一方、第1非固定部311aの非接触領域311a2がその初期領域から漸次増加し、(2)第2非固定部312aの非接触領域312a2の第1非可動部200aに対する接触が、第2非固定部312aの非接触領域312a2のX’方向側からX方向側に漸次進行して(換言すると、第2非固定部312aの非接触領域312a2と接触領域312a1との境界線(仮想線L3b参照)がX方向に移動して)、第2非固定部312aの非接触領域312a2がその初期領域から漸次減少する一方、第2非固定部312aの接触領域312a1がその初期領域から漸次増加し、(3)第3非固定部313aの非接触領域313a2の可動部100に対する接触が、第3非固定部313aの非接触領域313a2のX方向側からX’方向側に漸次進行して(換言すると、第3非固定部313aの非接触領域313a2と接触領域313a1との境界線(仮想線L5a参照)がX’方向に移動して)、第3非固定部313aの非接触領域313a2がその初期領域から漸次減少する一方、第3非固定部313aの接触領域313a1がその初期領域から漸次増加し、且つ、(4)第4非固定部314aの接触領域314a1の第1非可動部200aからの離反が、第4非固定部314aの接触領域314a1のX’方向側からX方向側に漸次進行して(換言すると、第4非固定部314aの接触領域314a1と非接触領域314a2との境界線(仮想線L5b参照)がX方向に移動して)、第4非固定部314aの接触領域314a1がその初期領域から漸次減少する一方、第4非固定部314aの非接触領域314a2がその初期領域から漸次増加する。
【0101】
(B)可動部100が初期位置に対してX’方向に移動するにしたがって、(5)第3非固定部313aの接触領域313a1の可動部100からの離反が、第3非固定部313aの接触領域313a1のX’方向側からX方向側に漸次進行して(換言すると、第3非固定部313aの接触領域313a1と非接触領域313a2との境界線(仮想線L5a参照)がX方向に移動して)、第3非固定部313aの接触領域313a1がその初期領域から漸次減少する一方、第3非固定部313aの非接触領域313a2がその初期領域から漸次増加し、(6)第4非固定部314aの非接触領域314a2の第1非可動部200aに対する接触が、第4非固定部314aの非接触領域314a2のX方向側からX’方向側に漸次進行して(換言すると、第4非固定部314aの非接触領域314a2と接触領域314a1との境界線(仮想線L5b参照)がX’方向に移動して)、第4非固定部314aの非接触領域314a2がその初期領域から漸次減少する一方、第4非固定部314aの接触領域314a1がその初期領域から漸次増加し、(7)第1非固定部311aの非接触領域311a2の可動部100に対する接触が、第1非固定部311aの非接触領域311a2のX’方向側からX方向側に漸次進行して(換言すると、第1非固定部311aの非接触領域311a2と接触領域311a1との境界線(仮想線L3a参照)がX方向に移動して)、第1非固定部311aの非接触領域311a2がその初期領域から漸次減少する一方、第1非固定部311aの接触領域311a1がその初期領域から漸次増加し、且つ、(8)第2非固定部312aの接触領域312a1の第1非可動部200aからの離反が、第2非固定部312aの接触領域312a1のX方向側からX’方向側に漸次進行して(換言すると、第2非固定部312aの接触領域312a1と非接触領域312a2との境界線(仮想線L3b参照)がX’方向に移動して)、第2非固定部312aの接触領域312a1がその初期領域から漸次減少する一方、第2非固定部312aの非接触領域312a2がその初期領域から漸次増加する。
【0102】
上記中空の楕円形の第2弾性体300bが第1移動態様の通りに移動する場合、第2弾性体300bは、可動部100が初期位置に対してX方向に移動することにより、上記第1弾性変形をしつつ、第1非固定部311b~第4非固定部314bが下記(C)の通り動作する(
図1B参照)一方、第2弾性体300bは、可動部100が初期位置に対してX’方向に移動することにより、上記第2弾性変形をしつつ、第1非固定部311b~第4非固定部314bが下記(D)の通り動作する(
図1C参照)。
【0103】
(C)可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、(9)第1非固定部311bの接触領域311b1の可動部100からの離反が、第1非固定部311bの接触領域311b1のX方向側からX’方向側に漸次進行して(換言すると、第1非固定部311bの接触領域311b1と非接触領域311b2との境界線がX’方向に移動して)、第1非固定部311bの接触領域311b1がその初期領域から漸次減少する一方、第1非固定部311bの非接触領域311b2がその初期領域から漸次増加し、(10)第2非固定部312bの非接触領域312b2の第2非可動部200bに対する接触が、第2非固定部312bの非接触領域312b2のX’方向側からX方向側に漸次進行して(換言すると、第2非固定部312bの非接触領域312b2と接触領域312b1との境界線がX方向に移動して)、第2非固定部312bの非接触領域312b2がその初期領域から漸次減少する一方、第2非固定部312bの接触領域312b1がその初期領域から漸次増加し、(11)第3非固定部313bの非接触領域313b2の可動部100に対する接触が、第3非固定部313bの非接触領域313b2のX方向側からX’方向側に漸次進行して(換言すると、第3非固定部313bの非接触領域313b2と接触領域313b1との境界線がX’方向に移動して)、第3非固定部313bの非接触領域313b2がその初期領域から漸次減少する一方、第3非固定部313bの接触領域313b1がその初期領域から漸次増加し、且つ、(12)第4非固定部314bの接触領域314b1の第2非可動部200bからの離反が、第4非固定部314bの接触領域314b1のX’方向側からX方向側に漸次進行して(換言すると、第4非固定部314bの接触領域314b1と非接触領域314b2との境界線がX方向に移動して)、第4非固定部314bの接触領域314b1がその初期領域から漸次減少する一方、第4非固定部314bの非接触領域314b2がその初期領域から漸次増加する。
【0104】
(D)可動部100が初期位置に対してX’方向に移動するにしたがって、(13)第3非固定部313bの接触領域313b1の可動部100からの離反が、第3非固定部313bの接触領域313b1のX’方向側からX方向側に漸次進行して(換言すると、第3非固定部313bの接触領域313b1と非接触領域313b2との境界線がX方向に移動して)、第3非固定部313bの接触領域313b1がその初期領域から漸次減少する一方、第3非固定部313bの非接触領域313b2がその初期領域から漸次増加し、(14)第4非固定部314bの非接触領域314b2の第2非可動部200bに対する接触が、第4非固定部314bの非接触領域314b2のX方向側からX’方向側に漸次進行して(換言すると、第4非固定部314bの非接触領域314b2と接触領域314b1との境界線がX’方向に移動して)、第4非固定部314bの非接触領域314b2がその初期領域から漸次減少する一方、第4非固定部314bの接触領域314b1がその初期領域から漸次増加し、(15)第1非固定部311bの非接触領域311b2の可動部100に対する接触が、第1非固定部311bの非接触領域311b2のX’方向側からX方向側に漸次進行して(換言すると、第1非固定部311bの非接触領域311b2と接触領域311b1との境界線がX方向に移動して)、第1非固定部311bの非接触領域311b2がその初期領域から漸次減少する一方、第1非固定部311bの接触領域311b1がその初期領域から漸次増加し、且つ、(16)第2非固定部312bの接触領域312b1の第2非可動部200bからの離反が、第2非固定部312bの接触領域312b1のX方向側からX’方向側に漸次進行して(換言すると、第2非固定部312bの接触領域312b1と非接触領域312b2との境界線がX’方向に移動して)、第2非固定部312bの接触領域312b1がその初期領域から漸次減少する一方、第2非固定部312bの非接触領域312b2がその初期領域から漸次増加する。
【0105】
上記中空の楕円形の第1弾性体300aが第2移動態様の通りに移動する場合、第1弾性体300aは、可動部100が初期位置に対してX方向に移動することにより、上記第3弾性変形をしつつ、第1非固定部311a~第4非固定部314aが以下の通り動作する(
図1Bを借りて参照)。可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第1非固定部311aが上記(1)のとおり動作し、第2非固定部312aが上記(2)のとおり動作し、第3非固定部313aが上記(3)のとおり動作し、且つ、第4非固定部314aが上記(4)の通り動作する。
【0106】
上記中空の楕円形の第2弾性体300bが第2移動態様の通りに移動する場合、第2弾性体300bは、可動部100が初期位置に対してX方向に移動することにより、上記第3弾性変形をしつつ、第1非固定部311b~第4非固定部314bが以下の通り動作する(
図1Bを借りて参照)。可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第1非固定部311bが上記(9)のとおり動作し、第2非固定部312bが上記(10)のとおり動作し、第3非固定部313bが上記(11)のとおり動作し、且つ、第4非固定部314bが上記(12)のとおり動作する。
【0107】
第1弾性体300a及び第2弾性体300bが第3弾性変形から復元し、第1弾性体300aの第1固定部301aが第1弾性体300aの第2固定部302aに対してX’方向に相対的に移動すると共に、第2弾性体300bの第1固定部301bが第2弾性体300bの第2固定部302bに対してX’方向に相対的に移動することにより、可動部100が初期位置に復帰する。これにより、第1弾性体300aの接触領域311a1、非接触領域311a2、接触領域312a1、非接触領域312a2、接触領域313a1、非接触領域313a2、接触領域314a1、非接触領域314a2が、それぞれ、自身の初期領域に復帰し、且つ、第2弾性体300bの接触領域311b1、非接触領域311b2、接触領域312b1、非接触領域312b2、接触領域313b1、非接触領域313b2、接触領域314b1、非接触領域314b2が、それぞれ、自身の初期領域に復帰する。
【0108】
第1弾性体300aが上記中空の長方形である場合、初期状態における第1弾性体300aは、X-X’方向及びZ-Z’方向の断面視において中空の長方形である(
図2A及び
図4参照)。第2弾性体300bが上記中空の長方形である場合、初期状態における第2弾性体300bは、X-X’方向及びZ-Z’方向の断面視において中空の長方形である(
図2A及び
図4参照)。
【0109】
上記中空の長方形である第1弾性体300aが第1移動態様のとおりに移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動することによって、第1弾性体300aがX-X’方向及びZ-Z’方向の断面視において中空の略平行四辺形となるように上記第1弾性変形をし(
図2B参照)、可動部100が初期位置に対してX’方向に移動することによって、第1弾性体300aが、断面視において第1弾性変形時の中空の平行四辺形とは逆向きの中空の略平行四辺形となるように上記第2弾性変形をする(
図2C参照)。
【0110】
上記中空の長方形である第2弾性体300bが第1移動態様のとおりに移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動することによって、第2弾性体300bがX-X’方向及びZ-Z’方向の断面視において中空の略平行四辺形となるように上記第1弾性変形をし(
図2B参照)、可動部100が初期位置に対してX’方向に移動することによって、第2弾性体300bが、断面視において第1弾性変形時の中空の平行四辺形とは逆向きの中空の略平行四辺形となるように上記第2弾性変形をする(
図2C参照)。
【0111】
上記中空の長方形である第1弾性体300aが第2移動態様のとおりに移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動することによって、第1弾性体300aがX-X’方向及びZ-Z’方向の断面視において中空の略平行四辺形となるように上記第3弾性変形をする(
図2Bを借りて参照)。
【0112】
上記中空の長方形である第2弾性体300bが第2移動態様のとおりに移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動することによって、第2弾性体300bがX-X’方向及びZ-Z’方向の断面視において中空の略平行四辺形となるように上記第3弾性変形をする(
図2Bを借りて参照)。
【0113】
第1弾性体300a及び第2弾性体300bが第3弾性変形から復元し、第1弾性体300aの第1固定部301aが第1弾性体300aの第2固定部302aに対してX’方向に相対的に移動すると共に、第2弾性体300bの第1固定部301bが第2弾性体300bの第2固定部302bに対してX’方向に相対的に移動することにより、可動部100が初期位置に復帰する。
【0114】
第1弾性体300aが上記第1片側楕円形である場合(
図5参照)、第1弾性体300aは、第1非固定部311a及び第2非固定部312aを更に有している。この場合、第1弾性体300aの第3非固定部313a及び第4非固定部314aは省略されている。第2弾性体300bが上記第1片側楕円形である場合(
図5参照)、第2弾性体300bは、第1非固定部311b及び第2非固定部312bを更に有している。この場合、第2弾性体300bの第3非固定部313b及び第4非固定部314bは省略されている。
【0115】
上記第1片側楕円形の第1弾性体300aが第1移動態様のとおり移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第1弾性体300aが上記第1弾性変形をしつつ、第1非固定部311aが上記(1)のとおりに動作し、第2非固定部312aが上記(2)のとおりに動作し、且つ、第1弾性体300aのX’方向側の端部が傾斜し、可動部100が初期位置に対してX’方向に移動するにしたがって、第1弾性体300aが上記第2弾性変形をしつつ、第1非固定部311aが上記(7)のとおり動作し、第2非固定部312aが上記(8)のとおり動作し、且つ、第1弾性体300aのX’方向側の端部が、第1弾性変形時とは逆向きに傾斜する。
【0116】
上記第1片側楕円形の第2弾性体300bが第1移動態様のとおりに移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第2弾性体300bが上記第1弾性変形をしつつ、第1非固定部311bが上記(9)のとおり動作し、第2非固定部312bが上記(10)のとおり動作し、且つ、第2弾性体300bのX’方向側の端部が傾斜し、可動部100が初期位置に対してX’方向に移動するにしたがって、第2弾性体300bが上記第2弾性変形をしつつ、第1非固定部311bが上記(15)のとおり動作し、第2非固定部312bが上記(16)のとおり動作し、且つ、第2弾性体300bのX’方向側の端部が、第1弾性変形時とは逆向きに傾斜する。
【0117】
上記第1片側楕円形の第1弾性体300aが第2移動態様のとおり移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第1弾性体300aが上記第3弾性変形をしつつ、第1非固定部311aが上記(1)のとおりに動作し、第2非固定部312aが上記(2)のとおりに動作し、且つ、第1弾性体300aのX’方向側の端部が傾斜する。
【0118】
上記第1片側楕円形の第2弾性体300bが第2移動態様のとおりに移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第2弾性体300bが上記第3弾性変形をしつつ、第1非固定部311bが上記(9)のとおり動作し、第2非固定部312bが上記(10)のとおり動作し、且つ、第2弾性体300bのX’方向側の端部が傾斜する。
【0119】
第1弾性体300a及び第2弾性体300bが第3弾性変形から復元し、第1弾性体300aの第1固定部301aが第1弾性体300aの第2固定部302aに対してX’方向に相対的に移動すると共に、第2弾性体300bの第1固定部301bが第2弾性体300bの第2固定部302bに対してX’方向に相対的に移動することにより、可動部100が初期位置に復帰する。これにより、第1弾性体300aの接触領域311a1、非接触領域311a2、接触領域312a1、非接触領域312a2が、それぞれ、自身の初期領域に復帰し、且つ、第2弾性体300bの接触領域311b1、非接触領域311b2、接触領域312b1、非接触領域312b2が、それぞれ、自身の初期領域に復帰する。
【0120】
第1弾性体300aが上記第2片側楕円形である場合(
図6参照)、第1弾性体300aは、第3非固定部313a及び第4非固定部314aを更に有している。この場合、第1弾性体300aの第1非固定部311a及び第2非固定部312aは省略されている。第2弾性体300bが上記第2片側楕円形である場合(
図6参照)、第2弾性体300bは、第3非固定部313b及び第4非固定部314bを更に有している。この場合、第2弾性体300bの第1非固定部311b及び第2非固定部312bは省略されている。
【0121】
上記第2片側楕円形の第1弾性体300aが第1移動態様のとおり移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第1弾性体300aが上記第1弾性変形をしつつ、第3非固定部313aが上記(3)のとおりに動作し、第4非固定部314aが上記(4)のとおりに動作し、且つ、第1弾性体300aのX方向側の端部が傾斜し、可動部100が初期位置に対してX’方向に移動するにしたがって、第1弾性体300aが上記第2弾性変形をしつつ、第3非固定部313aが上記(5)のとおりに動作し、第4非固定部314aが上記(6)のとおりに動作し、且つ、第1弾性体300aのX方向側の端部が、第1弾性変形時とは逆向きに傾斜する。
【0122】
上記第2片側楕円形の第2弾性体300bが第1移動態様のとおりに移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第2弾性体300bが上記第1弾性変形をしつつ、第3非固定部313bが上記(11)のとおりに動作し、第4非固定部314bが上記(12)のとおりに動作し、且つ、第2弾性体300bのX方向側の端部が傾斜し、可動部100が初期位置に対してX’方向に移動するにしたがって、第2弾性体300bが上記第2弾性変形をしつつ、第3非固定部313bが上記(13)のとおりに動作し、第4非固定部314bが上記(14)のとおりに動作し、且つ、第2弾性体300bのX方向側の端部が、第1弾性変形時とは逆向きに傾斜する。
【0123】
上記第2片側楕円形の第1弾性体300aが第2移動態様のとおり移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第1弾性体300aが上記第3弾性変形をしつつ、第3非固定部313aが上記(3)のとおりに動作し、第4非固定部314aが上記(4)のとおりに動作し、且つ、第1弾性体300aのX方向側の端部が傾斜する。
【0124】
上記第2片側楕円形の第2弾性体300bが第2移動態様のとおりに移動する場合、可動部100が初期位置に対してX方向に移動するにしたがって、第2弾性体300bが上記第3弾性変形をしつつ、第3非固定部313bが上記(11)のとおりに動作し、第4非固定部314bが上記(12)のとおりに動作し、且つ、第2弾性体300bのX方向側の端部が傾斜する。
【0125】
第1弾性体300a及び第2弾性体300bが第3弾性変形から復元し、第1弾性体300aの第1固定部301aが第1弾性体300aの第2固定部302aに対してX’方向に相対的に移動すると共に、第2弾性体300bの第1固定部301bが第2弾性体300bの第2固定部302bに対してX’方向に相対的に移動することにより、可動部100が初期位置に復帰する。これにより、第1弾性体300aの接触領域313a1、非接触領域313a2、接触領域314a1、非接触領域314a2が、それぞれ、自身の初期領域に復帰し、且つ、第2弾性体300bの接触領域313b1、非接触領域313b2、接触領域314b1、非接触領域314b2が、それぞれ、自身の初期領域に復帰する。
【0126】
アクチュエータA1は、一対の連結部400a、400bを更に備えていてもよい。連結部400aは、第1非可動部200aと第2非可動部200bのX方向側の端部を連結し、連結部400bは、第1非可動部200aと第2非可動部200bのX’方向側の端部を連結している。なお、一対の連結部400a、400bは省略可能である。この場合、第1非可動部200aは、振動発生装置B1が備えられる電子機器の第1部に固定され、第2非可動部200bが電子機器の第2部に固定されるようになっていればよい。
【0127】
振動発生装置B1の可動部100の共振周波数fは、下記数式1で求められる。同数式1における「M」は可動部100の質量である。同数式1における「K」は、第1移動態様の場合、可動部100が初期位置を越えて移動方向(X方向又はX’方向)に移動したときに、可動部100を移動方向の反対方向(X’方向又はX方向)に移動させるように、可動部100に対して作用する力であり、第2移動態様の場合、可動部100が初期位置から移動方向(X方向)に移動したときに、可動部100を移動方向の反対方向(X’方向)に移動させるように、可動部100に対して作用する力である。実施例1及びその設計変形例では、「K」は、「k1」+「k2」+「k3」である。「k1」は第1弾性体300aのばね定数である。「k2」は第2弾性体300bのばね定数である。「k3」は、可動部100の振幅(移動)の範囲内において、可動部100の初期位置からの変位量(移動量)をxとし、復帰力F(第1、第2磁気吸着力の和)としたとき、F=k3・xの線形近似として扱うことができる。より具体的には、可動部100の振幅(移動)の範囲内において、変位量(移動量)xを縦軸とし、復帰力Fを横軸として得られる曲線を線形近似した際の傾きを「k3」とすることが可能である。第1磁気吸着力は、可動部100の永久磁石Mと第1非可動部200aの磁性体Yaとの間で生じ、移動した可動部100を移動方向の反対方向に移動させる力である。第2磁気吸着力は、可動部100の永久磁石Mと第2非可動部200bの磁性体Ybとの間で生じ且つ移動した可動部100を移動方向の反対方向に移動させる力である。第1移動態様の場合、第1、第2磁気吸着力の各々は、可動部100が初期位置を越えてX方向又はX’方向に移動するにしたがって漸次増大し、可動部100を移動方向(X方向又はX’方向)の反対方向(X’方向又はX方向)に移動させるように、可動部100に作用する力である。第2移動態様の場合、第1、第2磁気吸着力の各々は、可動部100が初期位置からX方向に移動するにしたがって漸次増大し、可動部100を移動方向(X方向)の反対方向(X’方向)に移動させるように、可動部100に作用する力である。
【0128】
【0129】
上記した振動発生装置B1及びアクチュエータA1による場合、以下の技術的特徴及び効果を奏する。
【0130】
(1)技術的特徴及び効果
第1弾性体300a及び第2弾性体300bのそれぞれに一又は複数の空隙Gが設けられていることによって、第1弾性体300a及び第2弾性体300bのそれぞれの質量が低減されている。これにより、第1弾性体300a及び第2非可動部200bのそれぞれの弾性力(復元力)を小さくすることができる。第1弾性体300a及び第2弾性体300bが上記した何れかの中空体である場合、その質量及び弾性力(復元力)を低減し易くなる。
【0131】
(2)技術的特徴及び効果
振動発生装置B1の可動部100の共振周波数を小さくすることができる。その理由は以下の通りである。第1弾性体300a及び第2弾性体300bは、一又は複数の空隙Gが設けられていることによって、そのせん断応力が小さくなり、その結果として、そのばね定数も小さくなる。第1弾性体300a及び第2弾性体300bのばね定数が小さくなることによって、上記の通り求められる可動部100の共振周波数も小さく設定できる。その一方で、第1移動態様の移動又は第2移動態様の移動により生じる可動部100の振動周波数は、一般的に、コイルCa及びコイルCbに印加される電流の周波数に対応するため、可動部100の振動周波数が、可動部100の共振周波数と一致しないように、コイルCa及びコイルCbに印加される電流の周波数を設定することが可能である。具体的には、可動部100の共振周波数が小さく設定されているので、可動部100の振動周波数が、可動部100の共振周波数よりも大きくなるように、コイルCa及びコイルCbに印加される電流の周波数を設定することが可能である。このようにすれば、振動発生装置B1は、共振が起こる可能性が低減されるため、可動部100の共振周波数を越える広い振動周波数帯域で略一定の出力を得られる。すなわち、振動発生装置B1は、広い振動周波数帯域で、可動部100の略一定の振動を得ることが可能になる。
【0132】
(3)技術的特徴及び効果
第1弾性体300aが上記中空の楕円形である場合、第1弾性変形時及び第2弾性変形時、第1弾性体300aの第1非固定部311a~第4非固定部314aが上記の通り動作するため、第1弾性体300aのX方向及びX’方向の弾性変形量が小さくなる。その結果、第1弾性体300aのX方向及びX’方向の復元力が小さくなるので、第1弾性体300aが振動発生装置B1の可動部100の第1移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。又は、第3弾性変形時に、第1弾性体300aの第1非固定部311a~第4非固定部314aが上記の通り動作するため、第1弾性体300aのX方向の弾性変形量が小さくなる。その結果、第1弾性体300aのX’方向の復元力が小さくなるので、第1弾性体300aが振動発生装置B1の可動部100の第2移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。第2弾性体300bが上記中空の楕円形である場合、第2弾性体300bは、上記中空の楕円形の第1弾性体300aと同様に、第2弾性体300bのX方向及びX’方向の復元力又はX’方向の復元力が小さくなるので、第2弾性体300bが振動発生装置B1の可動部100の第1移動態様の移動又は第2移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。
【0133】
(4)技術的特徴及び効果
第1弾性体300aが上記第1片側楕円形である場合、第1弾性変形時及び第2弾性変形時に、第1弾性体300aの第1非固定部311a及び第2非固定部312aが上記の通り動作するため、第1弾性体300aのX方向及びX’方向の弾性変形量が少なくなる。その結果、第1弾性体300aのX方向及びX’方向の復元力が小さくなるので、第1弾性体300aが振動発生装置B1の可動部100の第1移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。又は、第3弾性変形時に、第1弾性体300aの第1非固定部311a及び第2非固定部312aが上記の通り動作するため、第1弾性体300aのX方向の弾性変形量が少なくなる。その結果、第1弾性体300aのX’方向の復元力が小さくなるので、第1弾性体300aが振動発生装置B1の可動部100の第2移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。第2弾性体300bが上記第1片側楕円形である場合、第2弾性体300bは、上記第1片側楕円形の第1弾性体300aと同様に、第2弾性体300bのX方向及びX’方向の復元力又はX’方向の復元力が小さくなるので、第2弾性体300bが振動発生装置B1の可動部100の第1移動態様の移動又は第2移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。
【0134】
(5)技術的特徴及び効果
第1弾性体300aが上記第2片側楕円形である場合、第1弾性変形時及び第2弾性変形時に、第1弾性体300aの第3非固定部313a及び第4非固定部314aが上記の通り動作するため、第1弾性体300aのX方向及びX’方向の弾性変形量が少なくなる。その結果、第1弾性体300aのX方向及びX’方向の復元力が小さくなるので、第1弾性体300aが振動発生装置B1の可動部100の第1移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。又は、第3弾性変形時に、第1弾性体300aの第3非固定部313a及び第4非固定部314aが上記の通り動作するため、第1弾性体300aのX方向の弾性変形量が少なくなる。その結果、第1弾性体300aのX’方向の復元力が小さくなるので、第1弾性体300aが振動発生装置B1の可動部100の第2移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。第2弾性体300bが上記第2片側楕円形である場合、第2弾性体300bは、上記第2片側楕円形の第1弾性体300aと同様に、第2弾性体300bのX方向及びX’方向の復元力又はX’方向の復元力が小さくなるので、第2弾性体300bが振動発生装置B1の可動部100の第1移動態様の移動又は第2移動態様の移動により生じる振動と共振し難くなる。
【0135】
(6)技術的特徴及び効果
第1非可動部200aが磁性体Yaを有し且つ第2非可動部200bが磁性体Ybを有している場合、可動部100の永久磁石Mが磁性体YaにZ方向側に磁気吸着されると共に、磁性体YbにZ’方向側に磁気吸着される。しかし、第1非可動部200aと可動部100との間には、第1弾性体300aが介在しており、第2非可動部200bと可動部100との間には、第2弾性体300bが介在しているので、可動部100がZ方向又はZ’方向にズレ難くなり、仮にズレたとしても、第1弾性体300a又は第2弾性体300bがZ-Z’方向で圧縮されるので、その復元によって可動部100をZ-Z’方向における第1非可動部200aと第2非可動部200bの間の中間に戻すことができる。
振動発生装置B2は電磁アクチュエータA2(以下、単にアクチュエータA2とも称する。)を備えている。アクチュエータA2は、可動部100が、永久磁石Mの代わりにコイルCを有し、第1非可動部200aがコイルCaの代わりに永久磁石Maを有し且つ第2非可動部200bがコイルCaの代わりに永久磁石Mbを有する構成である点で、振動発生装置B1のアクチュエータA1と相違する以外、アクチュエータA1と略同じ構成である。以下、アクチュエータA2の説明のうち、アクチュエータA1との相違点について詳しく説明し、アクチュエータA1と重複する説明については省略する。
可動部100のコイルCは、例えば、スパイラルコイルである。コイルCは、振動発生装置B2の外部の発振回路(図示しない。)に電気的に接続可能な構成とすることが可能である。又は、発振回路は、振動発生装置B2の外部ではなく、振動発生装置B2に設けられており、発振回路がコイルCに電気的に接続された構成とすることも可能である。発振回路によって、コイルCに矩形波又は正弦波の電流が印加される。
可動部100のホルダが設けられている場合、ホルダは、永久磁石Mの代わりにコイルCを保持している。例えば、ホルダは、環状体であって、その内部にコイルCが嵌合(FIT IN)された構成、任意の形状のブロックであって、その内部にコイルCがインサート成形された構成、又は、箱体であって、その内部にコイルCが収容された構成とすることが可能である。なお、可動部100のホルダは省略可能である。
可動部100のホルダが設けられていない場合、可動部100の第1被固定部は、コイルCのZ方向側の面であり、可動部100の第2被固定部は、コイルCのZ’方向側の面である。可動部100のホルダが設けられている場合、可動部100の第1被固定部は、ホルダのコイルCに対してZ方向側の部分であり、可動部100の第2被固定部は、ホルダのコイルCに対してZ’方向側の部分である。
第1非可動部200aの永久磁石Maが可動部100のコイルCに対してZ方向側に配置されており、第2非可動部200bの永久磁石Mbが可動部100のコイルCに対してZ’方向側に配置されている。永久磁石Ma及び永久磁石Mbは、振動発生装置B1の可動部100の永久磁石Mと同様の構成とすることが可能である。但し、永久磁石Maと永久磁石Mbとの間に磁界が形成されているとよい。例えば、永久磁石MaのZ方向側の部分がS極、永久磁石MaのZ’方向側の部分がN極である場合、永久磁石MbのZ方向側の部分がS極、永久磁石MbのZ’方向側の部分がN極であり、永久磁石MaのZ方向側の部分がN極、永久磁石MaのZ’方向側の部分がS極である場合、永久磁石MbのZ方向側の部分がN極、永久磁石MbのZ’方向側の部分がS極とすることが可能である。又は、永久磁石MaのZ方向側の部分のX方向側、X’方向側がS極、N極であり且つ永久磁石MaのZ’方向側の部分のX方向側、X’方向側がN極、S極である場合、第2非可動部200bの永久磁石MbのZ方向側の部分のX方向側、X’方向側がS極、N極であり且つ永久磁石MbのZ’方向側の部分のX方向側、X’方向側がN極、S極であり、永久磁石MaのZ方向側の部分のX方向側、X’方向側がN極、S極であり且つ永久磁石MaのZ’方向側の部分のX方向側、X’方向側がS極、N極である場合、永久磁石MbのZ方向側の部分のX方向側、X’方向側がN極、S極であり且つ永久磁石MbのZ’方向側の部分のX方向側、X’方向側がS極、N極とすることが可能である。
第1非可動部200aの磁性体Yaが設けられている場合、磁性体Yaは、永久磁石Maに対してZ方向側に配置されている。磁性体YaのX-X’方向の寸法は、永久磁石MaのX-X’方向の寸法より大きい又は略同じにするとよいが、小さくても構わない。磁性体YaのX-X’方向及びZ-Z’方向に略直交する直交方向の寸法は、永久磁石Maの前記直交方向の寸法より大きい又は略同じにするとよいが、小さくても構わない。なお、磁性体Yaは省略可能である。
第2非可動部200bの磁性体Ybが設けられている場合、磁性体Ybは、永久磁石Mbに対してZ’方向側に配置されている。磁性体YbのX-X’方向の寸法は、永久磁石MbのX-X’方向の寸法より大きい又は略同じにするとよいが、小さくても構わない。磁性体YbのX-X’方向及びZ-Z’方向に略直交する直交方向の寸法は、永久磁石Mbの前記直交方向の寸法より大きい又は略同じにするとよいが、小さくても構わない。なお、磁性体Ybは省略可能である。
磁性体Yaが設けられていない場合、可動部100のコイルC及び第1非可動部200aの永久磁石Maが第1磁気回路を構成している。磁性体Yaが設けられている場合、可動部100のコイルC、第1非可動部200aの永久磁石Ma及び第1非可動部200aの磁性体Yaが第1磁気回路を構成している。
磁性体Ybが設けられていない場合、可動部100のコイルC及び第2非可動部200bの永久磁石Mbが第2磁気回路を構成している。磁性体Ybが設けられている場合、可動部100のコイルC、第2非可動部200bの永久磁石Mb及び第2非可動部200bの磁性体Ybが第2磁気回路を構成している。
上記第1移動態様の場合、第1磁気回路は、極性(正極及び負極)が所定の間隔で交互に反転する電流がコイルCに印加されることによって、コイルCをX方向に移動させる第1駆動力(ローレンツ力)とコイルCをX’方向に移動させる第2駆動力(ローレンツ力)とを交互に発生させ、且つ、第2磁気回路は、極性(正極及び負極)が所定の間隔で交互に反転する電流がコイルCに印加されることによって、コイルCをX方向に移動させる第3駆動力(ローレンツ力)とコイルCをX’方向に移動させる第4駆動力(ローレンツ力)とを交互に発生させる。具体的には、磁界と、当該磁界を横切るようにコイルCに流れる前記電流との電磁相互作用によって、コイルCをX方向に移動させる第1駆動力(ローレンツ力)及び第3駆動力(ローレンツ力)とコイルCをX’方向に移動させる第2駆動力(ローレンツ力)及び第4駆動力(ローレンツ力)とが交互に発生する。可動部100はコイルCを有しているので、第1駆動力及び第3駆動力と、第2駆動力及び第4駆動力とが交互に発生することによって、可動部100が、第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対して相対的に、第2位置から第1位置へのX方向の移動と、第1位置から第2位置へのX’方向の移動とを交互に繰り返すようになっている。
上記第2移動態様の場合、第1磁気回路は、一方の極性(正極又は負極)を有する電流がコイルCに間欠的に印加されることによって、コイルCをX方向に移動させる第1駆動力(ローレンツ力)を間欠的に発生させ、且つ、第2磁気回路は、一方の極性(正極又は負極)を有する電流がコイルCに間欠的に印加されることによって、コイルCをX方向に移動させる第3駆動力(ローレンツ力)を間欠的に発生させる。具体的には、磁界と、当該磁界を横切るようにコイルCに流れる前記電流との電磁相互作用によって、コイルCをX方向に移動させる第1駆動力(ローレンツ力)及び第3駆動力(ローレンツ力)が間欠的に発生する。可動部100がコイルCを有しているので、第1駆動力及び第3駆動力が間欠的に発生することによって、可動部100が、第1非可動部200a及び第2非可動部200bに対して相対的に、初期位置から第1位置へのX方向の移動を間欠的に繰り返すようになっている。
ホルダ210aは省略可能である。ホルダ210aが設けられておらず且つ磁性体Yaが設けられている場合、永久磁石Maは、磁性体YaのZ’方向側の面に固定されているとよい。この場合、永久磁石MaのZ’方向側の面が被固定部となっているとよい。ホルダ210a及び磁性体Yaが設けられていない場合、第1非可動部200aの永久磁石MaのZ’方向側の面が被固定部となっているとよい。
また、第1非可動部200aのホルダ210aに代えて、第1非可動部200aのスペーサである被固定部が設けられている場合、被固定部は永久磁石Maに対してZ’方向側に位置する。永久磁石Maは、被固定部にZ方向側から固定されている又は接触している。
ホルダ210bは省略可能である。ホルダ210bが設けられておらず且つ磁性体Ybが設けられている場合、永久磁石Mbは、磁性体YbのZ方向側の面に固定されているとよい。この場合、永久磁石MbのZ方向側の面が被固定部となっているとよい。ホルダ210b及び磁性体Ybが設けられていない場合、第2非可動部200bの永久磁石MbのZ方向側の面が被固定部となっているとよい。
第2非可動部200bのホルダ210bに代えて、第2非可動部200bのスペーサである被固定部が設けられている場合、被固定部は永久磁石Mbに対してZ方向側に位置する。永久磁石Mbは、被固定部にZ’方向側から固定されている。
アクチュエータA2は、第1弾性体300aと、第2弾性体300bとを更に備えている。アクチュエータA2の第1弾性体300aは、アクチュエータA1の第1弾性体300aの何れかの態様と同様の構成である。アクチュエータA2の第2弾性体300bは、アクチュエータA1の第2弾性体300bの何れかの態様と同様の構成である。
振動発生装置B2の可動部100の生じる共振周波数は、上記数式1で求めることはできる。但し、実施例2及びその設計変形例では、第1非可動部200aが永久磁石Ma及び磁性体Yaを有し且つ第2非可動部200bが永久磁石Mb及び磁性体Yaを有するため、可動部100の移動時に「k3」が生じない。そのため、数式1の「K」は、「k1」+「k2」である。
上記した振動発生装置B2及びアクチュエータA2は、振動発生装置B1及びアクチュエータA1の(1)~(6)技術的特徴及び効果と同様の技術的特徴及び効果を奏する。上記した振動発生装置B2及びアクチュエータA2は、下記(7)技術的特徴及び効果を奏する。