(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004413
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】見守りシステムおよび見守りプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230110BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106052
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】516317182
【氏名又は名称】OFILM.Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 要
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】見守り対象の住人をより容易に登録できる見守りシステムおよび見守りプログラムを提供する。
【解決手段】検知部12と、登録部13と、判定部14と、を備える見守りシステム1において、撮影部4は、住居における撮影範囲に向けられる。検知部12は、撮影部4が撮影する画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知する。登録部13は、検知部12が検知した人物の予め設定された観察期間における検知状況が登録条件を満たすときに、当該人物を住居の住人として登録する。登録条件は、住居で生活していることを判定する条件として予め設定される。判定部14は、登録部13による登録に基づいて、検知部12の検知する人物が住居の住人であるかを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住居における撮影範囲に向けられた撮影部が撮影する画像に基づいて、前記撮影範囲にいる人物を検知する検知部と、
前記検知部が検知した人物の予め設定された観察期間における検知状況が、前記住居で生活していることを判定する条件として予め設定された登録条件を満たすときに、当該人物を前記住居の住人として登録する登録部と、
前記登録部による登録に基づいて、前記検知部の検知する人物が前記住居の住人であるかを判定する判定部と、
を備える見守りシステム。
【請求項2】
前記登録部は、前記観察期間において前記検知部が検知した回数が予め設定された回数閾値を超える人物を前記住居の住人として登録する
請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項3】
前記登録部は、前記観察期間において前記検知部が検知した累計時間が予め設定された時間閾値を超える人物を前記住居の住人として登録する
請求項1または請求項2に記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記撮影部が撮影する画像に基づいて前記検知部が検知した人物が、前記判定部によって前記住居の住人でないと判定される人物である場合に、予め設定された見守り端末に通知を行う通知部
を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項5】
前記判定部は、前記住居の住人でないと判定した人物を、前記見守り端末から入力される分類情報に基づいて分類する
請求項4に記載の見守りシステム。
【請求項6】
前記通知部は、前記判定部による分類に基づいて、前記見守り端末への通知の有無を切り替える
請求項5に記載の見守りシステム。
【請求項7】
前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物の前記検知部による検知状況に基づいて、当該人物の生活パターンを学習する学習部
を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項8】
前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物の前記検知部による検知状況に基づいて、前記学習部が学習した当該人物の生活パターンから当該人物が逸脱していると前記判定部が判定する場合に、予め設定された見守り端末に通知を行う通知部
を備える請求項7に記載の見守りシステム。
【請求項9】
前記学習部は、前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物が予め設定された就寝時間帯において前記住居のいずれかの方向に向かうことが検知された後から、予め設定された時間より長い間当該人物の移動が検知されない場合に、当該方向を寝室の方向であると学習する
請求項8に記載の見守りシステム。
【請求項10】
前記通知部は、前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物の寝室に向かう移動が、予め設定された時間より長い間検知されない場合に、前記見守り端末に通知を行う
請求項9に記載の見守りシステム。
【請求項11】
前記通知部は、前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物の寝室からの移動が、当該人物が寝室に向かった後から予め設定された時間より長い間検知されない場合に、前記見守り端末に通知を行う
請求項9または請求項10に記載の見守りシステム。
【請求項12】
前記学習部は、前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物が予め設定された活動時間帯において予め設定された頻度より頻繁に前記住居のいずれかの方向に向かい、かつ、当該方向に移動してから当該方向から移動するまでの滞在時間が予め設定された時間より短いことが検知された場合に、当該方向をトイレの方向であると学習する
請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項13】
前記通知部は、前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物のトイレに向かう移動が、予め設定された時間より長い間検知されない場合に、前記見守り端末に通知を行う
請求項12に記載の見守りシステム。
【請求項14】
前記通知部は、前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物のトイレにからの移動が、当該人物がトイレに向かった後から予め設定された時間より長い間検知されない場合に、前記見守り端末に通知を行う
請求項12または請求項13に記載の見守りシステム。
【請求項15】
前記通知部は、前記判定部によって前記住居の住人であると判定される人物の前記住居におけるいずれかの方向からの移動が、当該人物が当該方向に向かった後から当該方向について予め設定された時間より長い間検知されない場合に、前記見守り端末に通知を行う
請求項8から請求項14のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項16】
見守りシステムに、
住居における撮影範囲に向けられた撮影部が撮影する画像に基づいて、前記撮影範囲にいる人物を検知する検知ステップと、
予め設定された観察期間において前記検知ステップによって検知された人物の検知状況が前記住居で生活していることを判定する条件として予め設定された登録条件を満たすときに、当該人物を前記住居の住人として登録する登録ステップと、
前記登録ステップにおける登録に基づいて、前記検知ステップによって検知される人物が前記住居の住人であるかを判定する判定ステップと、
を実行させる見守りプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、見守りシステムおよび見守りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、住居の住人の見守りシステムの例を開示する。見守りシステムは、カメラによって撮影された画像における住人の動きに基づいて、当該住人の異常行動を検知する。見守りシステムは、住人の異常行動を検知するときに、ユーザに通知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許第106027978号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の見守りシステムへの住人の登録を当該住人自身の操作によって行う場合に、見守りシステムの操作などを苦手とする住人は、うまく登録を行えないことがある。この場合に、見守りシステムは、有効に機能しない可能性がある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、見守り対象の住人をより容易に登録できる見守りシステムおよび見守りプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る見守りシステムは、住居における撮影範囲に向けられた撮影部が撮影する画像に基づいて、前記撮影範囲にいる人物を検知する検知部と、前記検知部が検知した人物の予め設定された観察期間における検知状況が、前記住居で生活していることを判定する条件として予め設定された登録条件を満たすときに、当該人物を前記住居の住人として登録する登録部と、前記登録部による登録に基づいて、前記検知部の検知する人物が前記住居の住人であるかを判定する判定部と、を備える。
【0007】
本開示に係る見守りプログラムは、見守りシステムに、住居における撮影範囲に向けられた撮影部が撮影する画像に基づいて、前記撮影範囲にいる人物を検知する検知ステップと、予め設定された観察期間において前記検知ステップによって検知された人物の検知状況が前記住居で生活していることを判定する条件として予め設定された登録条件を満たすときに、当該人物を前記住居の住人として登録する登録ステップと、前記登録ステップにおける登録に基づいて、前記検知ステップによって検知される人物が前記住居の住人であるかを判定する判定ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る見守りシステムまたは見守りプログラムであれば、見守り対象の住人をより容易に登録できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る見守りシステムの構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る見守りシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態1に係る見守りシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態1に係る見守り端末の動作の例を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態1に係る見守りシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る見守りシステムにおいて学習される生活パターンの例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る見守りシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1に係る見守りシステムの動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る見守りシステム1の構成図である。
【0012】
見守りシステム1は、住居に適用される。住居は、見守り対象の人物である住人が生活する場所である。見守り対象の人物は、例えば高齢者または子供などである。見守りシステム1のユーザは、見守り対象の人物を見守る人物である。ユーザは、見守り対象の人物の住居の遠隔地などからの当該人物の見守りに見守りシステム1を利用する。ユーザは、見守り端末2を通じて見守りシステム1にアクセスする。
【0013】
見守り端末2は、例えばスマートフォン、タブレット端末、またはパーソナルコンピュータなどの汎用の情報端末である。見守り端末2は、例えば、搭載または接続された、ディスプレイ、スピーカ、またはバイブレータなどによってユーザに情報を提示する。見守り端末2は、例えば、搭載または接続された、タッチパネルを含むポインティングデバイス、またはキーボードなどによってユーザからの入力操作を受け付ける。見守り端末2は、例えばインターネットもしくは電話回線網などの広域な通信網、または例えば無線LAN(Local Area Network)などのローカルな通信網などを通じて見守りシステム1にアクセスする。見守り端末2は、例えば無線通信などによって見守りシステム1の装置に直接的にアクセスしてもよい。
【0014】
見守りシステム1は、見守り装置3を備える。見守り装置3は、見守り対象の人物が生活する住居に設けられる。見守り装置3は、例えばネットワークカメラなどである。見守り装置3は、例えば予めインストールされた見守りプログラムに基づいて動作する。見守り装置3は、ネットワークカメラとして機能するようにアプリケーションソフトウェアがインストールされた例えばスマートフォンなどの汎用の情報端末であってもよい。当該アプリケーションソフトウェアは、見守りプログラムの例である。
【0015】
見守り装置3は、ハードウェアとして、例えばプロセッサおよびメモリを備えた処理回路を有する。プロセッサは、例えばCPU、演算装置、マイクロプロセッサ、またはマイクロコンピュータなどである。メモリは、情報を記憶する記憶媒体である。メモリは、例えばRAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROMおよびEEPROMなどの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、もしくはDVDなどが該当する。メモリは、例えばソフトウェアまたはファームウェアとしてのプログラムなどを記憶する。そして、見守り装置3は、メモリに記憶されたプログラムなどをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実施し、ハードウェアとソフトウェアとが協働した結果として各機能を実現する。見守り装置3の各機能は、それぞれ処理回路で実現されてもよい。あるいは、見守り装置3の各機能の一部または全部は、まとめて処理回路で実現されてもよい。また、処理回路は、例えば単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、もしくはFPGA、またはこれらの組み合わせで実現されてもよい。
【0016】
見守り装置3は、撮影部4と、マイク5と、記憶装置6と、通信部7と、処理部8と、を備える。
【0017】
撮影部4は、画像を撮影する部分である。撮影部4が撮影する画像は、例えば静止画像または動画像などである。撮影部4は、例えば一定の時間間隔を空けて複数の静止画像を撮影してもよい。撮影部4は、例えばCCM(CMOS Camera Module)などである。撮影部4は、住居における撮影範囲に向けられる。撮影範囲は、住居の一部の範囲である。撮影範囲は、例えばリビング、廊下、または玄関などである。撮影部4は、撮影範囲の画像を撮影する。マイク5は、見守り装置3が配置された場所の音声を収音する装置である。
【0018】
記憶装置6は、情報を記憶する装置である。記憶装置6は、例えばメモリーカードなどである。記憶装置6において、例えば撮影部4が撮影した画像およびマイク5が収音した音声などの情報が記憶される。
【0019】
見守り装置3において、ディスプレイ9およびスピーカ10が接続される。ディスプレイ9およびスピーカ10の一方または両方は、見守り装置3に内蔵されていてもよい。ディスプレイ9は、画像などを表示する装置である。スピーカ10は、音声を発する装置である。記憶装置6に記憶された画像および音声などの情報は、例えばディスプレイ9およびスピーカ10によって再生される。
【0020】
通信部7は、見守り装置3の外部の装置との通信を行う部分である。通信部7による通信は、有線または無線のいずれによるものであってもよい。通信部7による見守り装置3および他の装置の間の通信は、直接的な通信または他の中継装置などを通じた間接的な通信のいずれであってもよい。通信部7は、例えば見守り端末2などとの間の通信を行う。
【0021】
処理部8は、例えば処理回路などの、見守り装置3における情報処理を行う部分である。処理部8は、例えばSoC(System-on-a-Chip)などである。処理部8は、設定部11と、検知部12と、登録部13と、判定部14と、学習部15と、通知部16と、を備える。設定部11は、ユーザによる見守りシステム1の設定を受け付ける機能を搭載した部分である。ユーザは、例えば見守り端末2を通じて見守りシステム1の設定を入力する。検知部12は、撮影部4が撮影する画像に基づいて、撮影部4の撮影範囲にいる人物を検知する機能を搭載した部分である。検知部12は、検知した人物を識別する機能、すなわち、異なる時刻において検知した人物が同一人物であるか否かを判定する機能を搭載する。登録部13は、住居の住人を登録する機能を搭載した部分である。この例において、住居の住人は、見守りシステム1の見守り対象となる人物である。判定部14は、登録部13による登録に基づいて、検知部12が検知した人物が住居の住人であるかを判定する機能を搭載した部分である。学習部15は、住居の住人の生活パターンを学習する機能を搭載した部分である。通知部16は、検知部12による検知、判定部14による判定、または学習部15による学習の結果などに基づいて、見守り端末2への通知を行う機能を搭載した部分である。通知部16による通知は、例えばSMS(Short Message Service)、電子メール、プッシュ通知、またはその他の通知手段などによって行われる。
【0022】
続いて、見守りシステム1の動作の例を説明する。
図2、
図3、
図5、
図7、および
図8は、実施の形態1に係る見守りシステム1の動作の例を示すフローチャートである。
図4は、実施の形態1に係る見守り端末2の動作の例を示すフローチャートである。
図6は、実施の形態1に係る見守りシステム1において学習される生活パターンの例を示す図である。
【0023】
図2において、住人の登録に係る処理部8における情報処理の例が示される。
【0024】
ステップS101において、設定部11は、見守り端末2からの設定の入力を受け付ける。ユーザは、見守り端末2を通じて、例えば観察期間、および登録条件などの設定を行う。その後、処理部8は、ステップS102の処理に進む。
【0025】
ここで、観察期間は、判定部14が住人として判定する人物の自動登録に用いる情報を見守りシステム1が収集する期間である。観察期間は、例えば住人の生活サイクルより長い期間に設定される。住人の生活サイクルの長さは、例えば一日である。観察期間は、例えば1週間などの期間である。
【0026】
また、登録条件は、観察期間においてカメラが撮影した画像に基づいて検知部12に検知された人物の検知状況に対する、当該人物を住人として自動登録する予め設定された条件である。人物の検知状況は、検知部12によって当該人物がどのように検知されたかを表す情報である。人物の検知状況は、例えば当該人物が検知された回数、当該人物が検知されていた累計時間、および当該人物が検知された時刻などの情報を含む。
【0027】
登録条件は、検知される人物が住人として住居で生活していることを判定する条件として設定される。登録条件は、例えば回数閾値または時間閾値などによって設定される。登録条件は、例えば、観察期間において検知部12が検知した回数が回数閾値を超える人物を住人として登録する、などの条件である。または、登録条件は、例えば、観察期間において検知部12が検知していた累計時間が時間閾値を超える人物を住人として登録する、などの条件である。登録条件は、複数の条件を論理和または論理積などによって組み合わせた条件であってもよい。
【0028】
登録条件は、検知状況の複数の情報を組み合わせた条件であってもよい。登録条件は、例えば、観察期間のうちの予め設定された時間帯において検知部12が検知した回数が回数閾値を超える人物を住人として登録する、などの条件である。または、登録条件は、例えば、観察期間のうちの予め設定された時間帯において検知部12が検知していた累計時間が時間閾値を超える人物を住人として登録する、などの条件である。ここで、予め設定された時間帯は、例えば住居に人物が来訪する可能性の低い朝および夜などの時間帯である。
【0029】
ステップS102において、処理部8は、観察を開始する。処理部8は、この時点を観察期間の始期とする。撮影部4は、撮影範囲の画像の撮影を開始する。処理部8は、撮影部4が撮影する画像の取得を開始する。その後、処理部8は、ステップS103の処理に進む。
【0030】
ステップS103において、検知部12は、撮影部4が撮影した画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知する。処理部8は、検知部12が人物を検知したかを判定する。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ふたたびステップS103の処理に進む。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS104の処理に進む。
【0031】
ステップS104において、検知部12は、検知した人物について、検知状況の演算を行う。検知状況の演算は、例えば、観察期間における検知回数の集計、または観察期間における検知の累計時間の積算などを含む。検知状況の演算は、観察期間のうちの予め設定された時間帯について行われてもよい。その後、処理部8は、ステップS105の処理に進む。
【0032】
ステップS105において、登録部13は、検知状況が演算された人物について、当該検知状況が登録条件を満たしているかを判定する。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS106の処理に進む。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ステップS107の処理に進む。
【0033】
ステップS106において、登録部13は、観察期間における検知状況が登録条件を満たした人物を、住居の住人と判定する人物として自動登録する。その後、処理部8は、住人の登録に係る処理を終了する。なお、処理部8は、例えば検知部12が検知した人物であり、かつ、まだ住人として登録していない人物が他にいる場合などに、住人の登録に係る処理を継続してもよい。このとき、処理部8は、例えばステップS103などの処理に進む、
【0034】
ステップS107において、処理部8は、観察期間の始期からの経過時間に基づいて、観察期間が終了したかを判定する。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ステップS103の処理に進む。判定結果がYesである場合に、処理部8は、住人の登録に係る処理を終了する。
【0035】
図3において、検知された人物の判定に基づく通知に係る処理部8における情報処理の例が示される。
見守りシステム1は、例えば
図2における観察期間が終了した後に、
図3における処理に移行する。あるいは、見守りシステム1は、
図2における観察期間と並行して、
図3における処理を実行してもよい。この場合、
図3における処理は、見守りシステム1において随時更新される住人の登録に基づいて行われる。
【0036】
ステップS201において、設定部11は、見守り端末2からの設定の入力を受け付ける。ユーザは、見守り端末2を通じて、例えば通知情報、および分類情報などの設定を行う。その後、処理部8は、ステップS202の処理に進む。
【0037】
ここで、通知情報は、通知部16による通知を受け付ける見守り端末2を特定する情報を含む。見守りシステム1のユーザが複数いる場合に、通知情報は、各々のユーザに対応する見守り端末2を特定する情報を含んでもよい。このとき、複数の見守り端末2に対して通知が行われる。また、通知情報は、各々の見守り端末2に対して、通知手段を選択する情報を含んでいてもよい。
【0038】
また、分類情報は、検知部12が検知する人物を分類する情報である。分類情報は、例えば検知部12が識別する人物が属するカテゴリなどの情報である。カテゴリは、例えば、住人との交流を目的として来訪する人物などの「友人」などを含む。あるいは、カテゴリは、例えば、医薬品もしくは日用品の訪問販売、訪問介護、または訪問診療を行う人物などの「訪問サービス」などを含む。分類情報は、例えばカテゴリごとに通知の要否の情報を含んでもよい。分類情報は、例えばカテゴリごとに通知範囲の情報を含んでもよい。通知範囲は、例えば見守りシステム1のユーザが複数いる場合に、通知を行う対象のユーザの範囲などである。
【0039】
ステップS202において、処理部8は、見守りを開始する。撮影部4は、まだ撮影を開始していない場合に、撮影範囲の画像の撮影を開始する。処理部8は、撮影部4が撮影する画像の取得をまだ開始していない場合に、撮影部4からの画像の取得を開始する。その後、処理部8は、ステップS203の処理に進む。
【0040】
ステップS203において、検知部12は、撮影部4が撮影した画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知する。処理部8は、検知部12が人物を検知したかを判定する。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ふたたびステップS203の処理に進む。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS204の処理に進む。
【0041】
ステップS204において、判定部14は、検知部12に検知された人物が住居の住人であるかを、観察期間における自動登録の結果に基づいて判定する。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS203の処理に進む。このとき、通知部16は、見守り端末2への通知を行わない。一方、判定結果がNoの場合に、処理部8は、ステップS205の処理に進む。
【0042】
ステップS205において、判定部14は、検知部12に検知された人物を設定された分類情報に基づいて分類する。この例において、判定部14は、検知された人物をいずれかのカテゴリに分類する。なお、判定部14は、初めて検知された人物について、カテゴリを「初回検知」として分類してもよい。その後、処理部8は、ステップS206の処理に進む。
【0043】
ステップS206において、判定部14は、分類された人物のカテゴリが分類情報において通知を必要とするカテゴリとして設定されているかを判定する。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ステップS203の処理に進む。このとき、通知部16は、見守り端末2への通知を行わない。一方、判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS207の処理に進む。なお、分類された人物のカテゴリが「初回検知」である場合に、処理部8は、ステップS207の処理に進んでもよい。また、分類された人物のカテゴリに通知の要否が設定されていない場合に、処理部8は、ステップS207の処理に進んでもよい。
【0044】
ステップS207において、通知部16は、住人ではないと判定される人物が検知されたことを、分類情報において当該人物のカテゴリに設定された通知範囲の見守り端末2に通知する。ここで、検知された人物のカテゴリに通知範囲が設定されていないときに、通知部16は、通知情報に設定された全ての見守り端末2に通知を行ってもよい。あるいは、通知情報に代表の見守り端末2が設定されている場合に、通知部16は、代表の見守り端末2にのみ通知を行ってもよい。通知部16は、例えば検知された人物の画像、検知された時刻、および当該人物が分類されたカテゴリの情報などを含めて通知を行う。その後、処理部8は、ステップS203の処理に進む。
【0045】
図4において、見守り端末2における見守りシステム1からの通知の処理の例が示される。
【0046】
ステップS301において、見守り端末2は、ユーザからの設定の入力操作を受け付ける。見守り端末2は、受け付けた設定の情報を見守りシステム1に送信する。その後、見守り端末2は、ステップS302の処理に進む。
【0047】
ステップS302において、見守り端末2は、住人ではないと判定される人物が検知された通知を見守りシステム1から受け付けたかを判定する。判定結果がNoの場合に、見守り端末2は、ふたたびステップS302の処理に進む。判定結果がYesの場合に、見守り端末2は、ステップS303の処理に進む。
【0048】
ステップS303において、見守り端末2は、検知が通知された人物は初めて検知された人物であるかを判定する。ここで、見守り端末2は、例えば当該人物のカテゴリが「初回検知」であるか否かなどの情報に基づいて判定を行う。判定結果がNoの場合に、見守り端末2は、ユーザへの通知処理を行う。ユーザへの通知処理は、例えばメッセージの表示、通知音の鳴動、またはバイブレータの動作などを含む。このとき、ユーザに提示される情報は、例えば検知された人物のカテゴリの情報などを含む。また、ユーザに提示される情報は、当該人物のカテゴリを変更するか否かを問うダイアログボックスなどを含む。その後、見守り端末2は、ステップS304の処理に進む。一方、判定結果がYesの場合に、見守り端末2は、ユーザへの通知処理を行う。このとき、ユーザに提示される情報は、例えば検知された人物のカテゴリの情報などを含む。その後、見守り端末2は、ステップS305の処理に進む。
【0049】
ステップS304において、見守り端末2は、検知された人物のカテゴリを変更する入力操作をユーザが行ったかを判定する。判定結果がNoの場合に、見守り端末2は、ステップS302の処理に進む。判定結果がYesの場合に、見守り端末2は、ステップS305の処理に進む。
【0050】
ステップS305において、見守り端末2は、検知された人物のカテゴリを指定するユーザの入力操作を受け付ける。見守り端末2は、指定されたカテゴリを見守りシステム1に送信する。その後、見守り端末2は、ステップS302の処理に進む。
【0051】
見守りシステム1の処理部8は、検知を通知した人物についてのカテゴリの指定を見守り端末2から受け付ける。このとき、例えば設定部11は、当該人物が属するカテゴリを指定されたカテゴリとするように分類情報を更新する。
【0052】
図5において、生活パターンの学習に係る処理部8における情報処理の例が示される。
見守りシステム1は、例えば
図2における観察期間が終了した後に、
図5における処理に移行する。あるいは、見守りシステム1は、
図2における観察期間と並行して、
図5における処理を実行してもよい。この場合、
図5における処理は、見守りシステム1において随時更新される住人の登録に基づいて行われる。この例において、見守りシステム1は、
図5における生活パターンの学習の処理を、住人ごとに行う。
【0053】
ステップS401において、設定部11は、見守り端末2からの設定の入力を受け付ける。ユーザは、見守り端末2を通じて、例えば就寝時間帯、活動時間帯、および方向判定条件などの設定を行う。就寝時間帯は、住人が眠る時間を含む時間帯として予め設定される。就寝時間帯は、例えば夜間の時間帯などである。活動時間帯は、住人が活動する時間を含む時間帯として予め設定される。活動時間帯は、例えば昼間の時間帯などである。就寝時間帯および活動時間帯は、重複した時間帯であってもよい。方向判定条件は、住居における寝室、トイレ、玄関、浴室、およびその他の設備がある撮影範囲から見た方向を判定するための条件を表す情報である。その後、処理部8は、ステップS402の処理に進む。
【0054】
ステップS402において、処理部8は、学習を開始する。撮影部4は、まだ撮影を開始していない場合に、撮影範囲の画像の撮影を開始する。処理部8は、撮影部4が撮影する画像の取得をまだ開始していない場合に、撮影部4からの画像の取得を開始する。その後、処理部8は、ステップS403の処理に進む。
【0055】
ステップS403において、検知部12は、撮影部4が撮影した画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知する。判定部14は、検知部12に検知された人物が住居の住人であるかを、観察期間における自動登録の結果に基づいて判定する。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS404の処理に進む。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ふたたびステップS403の処理に進む。この例において、検知部12が人物を検知しない場合に、処理部8は、ふたたびステップS403の処理に進む。
【0056】
ステップS404において、検知部12は、検知した住人について、検知状況の演算を行う。検知状況の演算は、例えば、検知された住人の住居内の移動の情報の演算などを含む。住人の移動の情報は、当該住人の移動方向、移動時刻、および移動回数などを含む。住人の移動方向は、例えば動体追尾などによって検知される。検知部12は、検知状況の演算を就寝時間帯および活動時間帯などの予め設定された時間帯について行ってもよい。検知部12は、検知状況の演算を曜日ごとに行ってもよい。検知部12は、検知状況の演算を曜日などに基づいて平日および休日で切り替えて行ってもよい。この例において、検知部12は、撮影範囲から住人が出たときの時刻および移動方向、ならびに撮影範囲に当該住人が再び入ったときの時刻などに基づいて、当該住人が撮影範囲から見てどの方向にどの程度の時間滞在しているかを検知状況として演算する。その後、処理部8は、ステップS405の処理に進む。
【0057】
ステップS405において、学習部15は、検知部12によって演算された住人の検知状況に基いて、当該住人の生活パターンを学習する。住人の生活パターンは、当該住人がどの場所でどの程度過ごすか、などの情報を含む。ここで、住人が過ごす場所は、例えば撮影範囲から見た方向などで表される。その後、処理部8は、ステップS406の処理に進む。
【0058】
ステップS406において、学習部15は、学習した生活パターンに基づいて、就寝時間帯において寝室判定時間より長く滞在している方向があるかを判定する。このとき、学習部15は、当該方向を寝室の方向であると学習する。ここで、寝室判定時間は、住人の睡眠時間程度の長さに予め設定された時間である。寝室判定時間は、方向判定条件の例である。学習部15は、例えば、就寝時間帯において住人がいずれかの方向に向かうことが検知された後から、寝室判定時間より長い間当該住人の移動が検知されない場合に、当該方向を寝室の方向であると学習する。なお、学習部15は、寝室の方向を既に学習している場合に、学習した寝室の方向を更新してもよい。その後、処理部8は、ステップS407の処理に進む。
【0059】
ステップS407において、学習部15は、学習した生活パターンに基づいて、活動時間帯においてトイレ判定頻度より頻繁に向かう方向であり、かつ、当該方向に滞在している時間がトイレ判定時間より短い方向があるかを判定する。このとき、学習部15は、当該方向をトイレの方向であると学習する。ここで、トイレ判定頻度は、住人のトイレの利用頻度程度に予め設定された頻度である。トイレ判定時間は、住人のトイレの利用時間程度の長さに予め設定された時間である。トイレ判定頻度およびトイレ判定時間は、方向判定条件の例である。なお、学習部15は、トイレの方向を既に学習している場合に、学習したトイレの方向を更新してもよい。その後、処理部8は、ステップS403の処理に進む。
【0060】
なお、学習部15は、住居において寝室またはトイレの他の設備などがある方向を学習してもよい。学習部15は、例えば、活動時間帯において外出判定時間より長く滞在している方向があるかを判定する。このとき、学習部15は、当該方向を玄関の方向であると学習してもよい。ここで、外出判定時間は、住人の外出時間程度の長さに予め設定された時間である。外出判定時間は、方向判定条件の例である。また、学習部15は、例えば、入浴時間帯において入浴判定時間範囲に含まれる時間だけ滞在している方向があるかを判定する。このとき、学習部15は、当該方向を浴室の方向であると学習してもよい。ここで、入浴時間帯は、例えば住人が入浴する可能性の高い夕方などの予め設定された時間帯である。また、入浴判定時間範囲は、住人の入浴時間の長さを含むように予め設定された時間の範囲である。入浴時間帯および入浴判定時間範囲は、方向判定条件の例である。学習部15は、当該方向に滞在する前後の住人の着衣の変化に基づいて、当該方向を浴室の方向として学習してもよい。住人の着衣の変化は、例えば撮影部4が撮影した画像に基づいて、検知部12によって検知される。
【0061】
図6において、学習部15が学習する生活パターンの例が示される。
住人の生活パターンは、例えば、一日のうちの時間ごとに当該住人が滞在する方向を対応づけたデータとして表される。
【0062】
この例において、撮影範囲から見た方向は、30度刻みの角度によって表される。この例の住居において、寝室は、撮影範囲から見て30度の方向にある。リビングなどの主な生活空間は、撮影範囲から見て90度の方向にある。玄関は、撮影範囲から見て180度の方向にある。この例の住人は、通常、21時から翌6時までの時間、寝室で就寝する。当該住人は、通常、9時から18時までの時間、仕事などで外出している。当該住人は、住居において、通常、リビングなどの生活空間において過ごしている。また、この例において、就寝時間帯は、20時から翌7時までに設定されている。活動時間帯は、5時から21時までに設定されている。寝室判定時間は、8時間に設定されている。外出判定時間は、2時間に設定されている。
【0063】
このとき、学習部15は、当該住人の生活パターンとして、21時から翌6時までの間、撮影範囲から見て30度の方向に当該住人が滞在していると学習する。また、学習部15は、当該住人の生活パターンとして、9時から18時までの間、撮影範囲からみて180度の方向に当該住人が滞在していると学習する。また、学習部15は、当該住人の生活パターンとして、6時から9時までの間、および18時から21時までの間、撮影範囲からみて90度の方向に当該住人が滞在していると学習する。
【0064】
学習部15は、就寝時間帯において寝室判定時間より長く滞在している30度の方向を、寝室の方向であると学習する。また、学習部15は、活動時間帯において外出判定時間より長く滞在している180度の方向を、玄関の方向であると学習する。
【0065】
なお、生活パターンは、より細かい時間刻みの情報であってもよい。生活パターンは、例えば数分単位の時間刻みの情報などであってもよい。ここで、住人の生活パターンは、例えば直前の過去24時間において時間ごとに当該住人が滞在していた方向を対応づけたデータなどである。あるいは、住人の生活パターンは、例えば一日のうちの時間ごとに当該住人が滞在している可能性の最も高い方向を対応づけたデータなどであってもよい。あるいは、住人の生活パターンは、例えば一日のうちの時間ごとに当該住人が滞在している方向の頻度分布または確率などを対応づけたデータなどであってもよい。
【0066】
図7において、検知された人物について学習した生活パターンに基づく通知に係る処理部8における情報処理の例が示される。
見守りシステム1は、例えば
図2における観察期間および
図5における学習の期間が終了した後に、
図7における処理に移行する。あるいは、見守りシステム1は、
図2における観察期間または
図5における学習の期間と並行して、
図7における処理を実行してもよい。この場合、
図7における処理は、見守りシステム1において随時更新される住人の登録、および随時更新して学習される住人の生活パターンに基づいて行われる。この例において、見守りシステム1は、
図7における通知の処理を、住人ごとに行う。
【0067】
ステップS501において、設定部11は、見守り端末2からの設定の入力を受け付ける。ユーザは、見守り端末2を通じて、例えば通知情報などの設定を行う。その後、処理部8は、ステップS502の処理に進む。
【0068】
ステップS502において、処理部8は、見守りを開始する。撮影部4は、まだ撮影を開始していない場合に、撮影範囲の画像の撮影を開始する。処理部8は、撮影部4が撮影する画像の取得をまだ開始していない場合に、撮影部4からの画像の取得を開始する。その後、処理部8は、ステップS503の処理に進む。
【0069】
ステップS503において、検知部12は、撮影部4が撮影した画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知する。判定部14は、検知部12に検知された人物が住居の住人であるかを、観察期間における自動登録の結果に基づいて判定する。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS504の処理に進む。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ふたたびステップS503の処理に進む。この例において、検知部12が人物を検知しない場合に、処理部8は、ふたたびステップS503の処理に進む。
【0070】
ステップS504において、検知部12は、検知した住人について、検知状況の演算を行う。検知状況の演算は、例えば、検知された住人の住居内の移動の情報の演算などを含む。その後、処理部8は、ステップS505の処理に進む。
【0071】
ステップS505において、判定部14は、検知部12によって演算された住人の検知状況と、当該住人について学習部15が学習した生活パターンとの間の類似度を算出する。類似度は、例えば相関係数などによって算出される。判定部14は、算出した類似度が予め設定された閾値より低いかを判定する。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ステップS503に進む。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS506に進む。
【0072】
ステップS506において、通知部16は、類似度の判定が行われた住人が生活パターンから逸脱していることを、通知情報に設定された少なくともいずれかの見守り端末2に通知する。その後、処理部8は、ステップS503の処理に進む。
【0073】
図8において、検知された人物の住居の設備への移動に基づく通知に係る処理部8における情報処理の例が示される。
見守りシステム1は、例えば
図2における観察期間および
図5における学習の期間が終了した後に、
図8における処理に移行する。あるいは、見守りシステム1は、
図2における観察期間または
図5における学習の期間と並行して、
図8における処理を実行してもよい。この場合、
図8における処理は、見守りシステム1において随時更新される住人の登録、および随時更新して学習される住人の生活パターンに基づいて行われる。この例において、見守りシステム1は、
図8における通知の処理を、住人ごとに行う。また、見守りシステム1は、
図8における通知の処理を、寝室およびトイレなどの住人が生活するうえで利用する住居の設備ごとに行う。
【0074】
ステップS601において、設定部11は、見守り端末2からの設定の入力を受け付ける。ユーザは、見守り端末2を通じて、例えば異常判定条件などの設定を行う。その後、処理部8は、ステップS602の処理に進む。
【0075】
ここで、異常判定条件は、検知された人物の住居の設備への移動に基づいて異常を判定するための条件を表す情報である。通常、住人は、住居において生活するうえで、一日のうちに数回トイレを利用する。また、住人は、トイレを利用した後に、住居の他の場所に移動する。このため、住居においてトイレおよび他の場所との間の住人の移動に基づいて、当該住人の異常が判定できる。同様に、通常、住人は、住居において生活するうえで、一日に一回程度、寝室において睡眠をとる。また、住人は、起床後に寝室から住居の他の場所に移動する。このため、住居において寝室および他の場所との間の住人の移動に基づいて、当該住人の異常が判定できる。異常判定条件は、例えば、トイレ滞在閾値、トイレ利用間隔閾値、睡眠継続閾値、および活動継続閾値などを含む。トイレ滞在閾値は、住人のトイレの一回の利用時間程度より長く予め設定された時間閾値である。トイレ利用間隔閾値は、住人のトイレの利用間隔の時間程度より長く予め設定された時間閾値である。就寝継続閾値は、住人の睡眠時間程度より長く予め設定された時間閾値である。活動継続閾値は、住人が継続して起きている時間程度より長く予め設定された時間閾値である。
【0076】
ステップS602において、処理部8は、見守りを開始する。撮影部4は、まだ撮影を開始していない場合に、撮影範囲の画像の撮影を開始する。処理部8は、撮影部4が撮影する画像の取得をまだ開始していない場合に、撮影部4からの画像の取得を開始する。その後、処理部8は、ステップS603の処理に進む。
【0077】
ステップS603において、判定部14は、判定の対象の設備を利用していない時間の計測を開始する。例えば、判定の対象の設備がトイレである場合に、判定部14は、トイレの利用間隔の計測を開始する。あるいは、判定の対象の設備が寝室である場合に、判定部14は、活動時間の計測を開始する。その後、処理部8は、ステップS604の処理に進む。
【0078】
ステップS604において、検知部12は、撮影部4が撮影した画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知する。判定部14は、検知部12に検知された人物が住居の住人であるかを、観察期間における自動登録の結果に基づいて判定する。判定部14は、検知された住人が判定の対象の設備に向かって移動したかを、学習部15が学習した当該設備の方向および検知部12による検知状況などに基づいて判定する。検知された住人が当該設備に向かって移動したと判定部14が判定しない場合に、処理部8は、ステップS605の処理に進む。なお、この例において、検知部12が人物を検知しない場合に、処理部8は、ステップS605の処理に進む。また、検知された人物が住居の住人でないと判定される場合に、処理部8は、ステップS605の処理に進む。一方、検知された住人が当該設備に向かって移動したと判定部14が判定する場合に、処理部8は、ステップS607の処理に進む。このとき、判定部14は、当該設備を利用していない時間の計測を停止およびリセットしてもよい。
【0079】
ステップS605において、判定部14は、判定の対象の設備を利用していない時間が予め設定された時間を超えたかを判定する。例えば、判定の対象の設備がトイレである場合に、判定部14は、計測しているトイレの利用間隔がトイレ利用間隔閾値を超えたかを判定する。あるいは、判定の対象の設備が寝室である場合に、判定部14は、計測している活動時間が活動継続閾値を超えたかを判定する。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ステップS604の処理に進む。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS606の処理に進む。
【0080】
ステップS606において、通知部16は、検知された住人が判定の対象の設備を利用していないことを、通知情報に設定された少なくともいずれかの見守り端末2に通知する。その後、処理部8は、ステップS603の処理に進む。
【0081】
ステップS607において、判定部14は、判定の対象の設備を利用している時間の計測を開始する。例えば、判定の対象の設備がトイレである場合に、判定部14は、トイレの利用時間の計測を開始する。あるいは、判定の対象の設備が寝室である場合に、判定部14は、睡眠時間の計測を開始する。その後、処理部8は、ステップS608の処理に進む。
【0082】
ステップS608において、検知部12は、撮影部4が撮影した画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知する。判定部14は、検知部12に検知された人物が住居の住人であるかを、観察期間における自動登録の結果に基づいて判定する。判定部14は、検知された住人が判定の対象の設備から移動したかを、学習部15が学習した当該設備の方向および検知部12による検知状況などに基づいて判定する。検知された住人が当該設備から移動したと判定部14が判定しない場合に、処理部8は、ステップS609の処理に進む。なお、この例において、検知部12が人物を検知しない場合に、処理部8は、ステップS609の処理に進む。また、検知された人物が住居の住人でないと判定される場合に、処理部8は、ステップS609の処理に進む。一方、検知された住人が当該設備から移動したと判定部14が判定する場合に、処理部8は、ステップS603の処理に進む。このとき、判定部14は、当該設備を利用している時間の計測を停止およびリセットしてもよい。
【0083】
ステップS609において、判定部14は、判定の対象の設備を利用している時間が予め設定された時間を超えたかを判定する。例えば、判定の対象の設備がトイレである場合に、判定部14は、計測しているトイレの利用時間がトイレ滞在閾値を超えたかを判定する。あるいは、判定の対象の設備が寝室である場合に、判定部14は、計測している睡眠時間が睡眠継続閾値を超えたかを判定する。判定結果がNoの場合に、処理部8は、ステップS608の処理に進む。判定結果がYesの場合に、処理部8は、ステップS610の処理に進む。
【0084】
ステップS610において、通知部16は、検知された住人が判定の対象の設備から長時間移動していないことを、通知情報に設定された少なくともいずれかの見守り端末2に通知する。その後、処理部8は、ステップS603の処理に進む。
【0085】
なお、判定部14は、
図8における処理と同様の判定を、住居における寝室またはトイレの他の設備を対象として行ってもよい。判定部14は、当該判定を、例えば浴室または玄関を対象として行ってもよい。また、判定部14は、判定の対象の設備を利用していない時間、または当該設備を利用している時間のいずれか一方のみに基づいて異常を判定してもよい。例えば、通知部16は、予め設定された時間閾値より長く住人が浴室に滞在していると判定部14が判定するときに、少なくともいずれかの見守り端末2への通知を行ってもよい。例えば、通知部16は、住人が玄関の方向に向かってから予め設定された時間閾値より長い時間が経過したと判定部14が判定するときに、少なくともいずれかの見守り端末2への通知を行ってもよい。
【0086】
以上の例において、見守りシステム1は、単一の見守り装置3からなるシステムである。一方、見守りシステム1は、各々が撮影部4を備えた複数の見守り装置3を含むシステムであってもよい。このとき、各々の見守り装置3は、有線または無線などによって互いに通信可能に設定される。また、見守りシステム1は、例えば各々の見守り装置3などに予めインストールされた見守りプログラムに基づいて動作する。処理部8は、各々の撮影部4が撮影した複数の画像に基づいて、住人の自動登録、人物の検知および判定、生活パターンの学習、生活パターンからの逸脱の判定、ならびに移動に基づく異常の判定などの処理を行ってもよい。すなわち、登録条件などの見守りシステム1における条件は、各々の撮影部4が撮影した画像に基づく検知状況についての複数の条件を、例えば論理和または論理積などによって組み合わせた条件であってもよい。また、処理部8は、撮影部4を備えた見守り装置3の外部装置に搭載されていてもよい。見守りシステム1において、複数の見守り装置3のいずれかに搭載された処理部8が、見守りシステム1における情報処理を統合して担ってもよい。
【0087】
以上に説明したように、実施の形態1に係る見守りシステム1は、検知部12と、登録部13と、判定部14と、を備える。見守りシステム1において、撮影部4は、住居における撮影範囲に向けられる。検知部12は、撮影部4が撮影する画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知する。登録部13は、検知部12が検知した人物の予め設定された観察期間における検知状況が登録条件を満たすときに、当該人物を住居の住人として登録する。登録条件は、住居で生活していることを判定する条件として予め設定される。判定部14は、登録部13による登録に基づいて、検知部12の検知する人物が住居の住人であるかを判定する。
また、実施の形態1に係る見守りプログラムは、見守りシステム1に、検知ステップと、登録ステップと、判定ステップと、を実行させる。検知ステップは、撮影部4が撮影する画像に基づいて、撮影範囲にいる人物を検知するステップである。登録ステップは、観察期間において検知ステップによって検知された人物の検知状況が登録条件を満たすときに、当該人物を前記住居の住人として登録するステップである。判定ステップは、登録ステップにおける登録に基づいて、検知ステップによって検知される人物が住居の住人であるかを判定するステップである。
【0088】
このような構成により、撮影範囲に向けられた撮影部4によって観察期間の間に継続して撮影された画像に基づいて、観察期間の間の検知部12による検知状況が登録条件を満たす人物が住人として自動的に登録される。このため、見守り対象である住人は、観察期間の間に住居で通常の生活を送ることで、住人として自動的に登録される。住人は、自身を登録する見守りシステム1の操作を行う必要がない。住人は、自身の様々な角度の画像を撮影部4に撮影させて記憶させるなどの登録のための操作を行う必要がない。したがって、見守り対象である住人が見守りシステム1を含む各種の装置またはシステムの操作などを苦手とする場合であっても、当該住人の登録が容易に行われる。また、観察期間などの設定は、ユーザによって見守り端末2を通じて行われる。このため、住人は、見守りシステム1に対する操作を行う必要がない。
【0089】
また、登録部13は、観察期間において検知部12が検知した回数が予め設定された回数閾値を超える人物を住居の住人として登録する。
また、登録部13は、観察期間において検知部12が検知した累計時間が予め設定された時間閾値を超える人物を住居の住人として登録する。
【0090】
このような構成により、登録部13は、より簡易な判定基準により、住人の登録をより確実に行うことができるようになる。これにより、見守りシステム1のユーザは、より高い精度で見守り対象である住人の生活を見守ることができるようになる。
【0091】
また、見守りシステム1は、通知部16を備える。通知部16は、撮影部4が撮影する画像に基づいて検知部12の検知した人物が、判定部14によって住居の住人でないと判定される人物である場合に、予め設定された見守り端末2に通知を行う。
【0092】
このような構成により、見守りシステム1のユーザは、見守り対象である住人の住居に来訪する人物がいる場合に、その来訪を速やかに把握できるようになる。これにより、見守りシステム1のユーザは、より確実に見守り対象である住人の生活を見守ることができるようになる。
【0093】
また、判定部14は、住居の住人でないと判定した人物を、見守り端末2から入力される分類情報に基づいて分類する。
また、通知部16は、判定部14による分類に基づいて、見守り端末2への通知の有無を切り替える。
【0094】
このような構成により、見守りシステム1のユーザは、住人の友人などの不審でない来訪者について通知を不要とすることができる。このため、過度に頻繁な通知によって必要な通知が埋もれてしまうことが予防される。これにより、見守りシステム1のユーザは、より確実に見守り対象である住人の生活を見守ることができるようになる。
【0095】
また、見守りシステム1は、学習部15を備える。学習部15は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物の検知部12による検知状況に基づいて、当該人物の生活パターンを学習する。
また、見守りシステム1は、通知部16を備える。通知部16は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物の検知部12による検知状況に基づいて、学習部15が学習した当該人物の生活パターンから当該人物が逸脱していると判定部14が判定する場合に、予め設定された見守り端末2に通知を行う。
【0096】
このような構成により、見守りシステム1のユーザは、見守り対象である住人が通常の生活パターンから逸脱した場合に、その旨を速やかに把握できるようになる。すなわち、ユーザは、住人の非常事態、または異常行動などの異常を速やかに把握できるようになる。これにより、見守りシステム1のユーザは、より確実に見守り対象である住人の生活を見守ることができるようになる。
【0097】
また、学習部15は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物が就寝時間帯において住居のいずれかの方向に向かうことが検知された後から、寝室判定時間より長い間当該人物の移動が検知されない場合に、当該方向を寝室の方向であると学習する。
また、学習部15は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物が活動時間帯においてトイレ判定頻度より頻繁に住居のいずれかの方向に向かい、かつ、当該方向に移動してから当該方向から移動するまでの滞在時間がトイレ判定時間より短いことが検知された場合に、当該方向をトイレの方向であると学習する。
【0098】
このような構成により、学習部15は、住人の住居内の移動に基づいて、寝室またはトイレなどの生活するうえで必然的に利用する住居内の設備の位置を学習できる。これにより、見守りシステム1は、住人の生活パターンをより精度よく把握できるようになる。
【0099】
また、通知部16は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物の寝室に向かう移動が、活動継続閾値より長い間検知されない場合に、見守り端末2に通知を行う。
また、通知部16は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物のトイレに向かう移動が、トイレ利用間隔閾値より長い間検知されない場合に、見守り端末2に通知を行う。
【0100】
このような構成により、見守りシステム1のユーザは、見守り対象である住人が寝室またはトイレなどの生活するうえで必然的に利用する住居内の設備を長時間利用していない場合に、その旨を速やかに把握できるようになる。すなわち、ユーザは、住人の非常事態、または異常行動などの異常を速やかに把握できるようになる。これにより、見守りシステム1のユーザは、より確実に見守り対象である住人の生活を見守ることができるようになる。
【0101】
また、通知部16は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物の寝室からの移動が、当該人物が寝室に向かった後から睡眠継続閾値より長い間検知されない場合に、見守り端末2に通知を行う。
また、通知部16は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物のトイレからの移動が、当該人物がトイレに向かった後からトイレ滞在閾値より長い間検知されない場合に、見守り端末2に通知を行う。
また、通知部16は、判定部14によって住居の住人であると判定される人物の住居におけるいずれかの方向からの移動が、当該人物が当該方向に向かった後から当該方向について予め設定された時間より長い間検知されない場合に、見守り端末2に通知を行う。
【0102】
このような構成により、見守りシステム1のユーザは、見守り対象である住人が寝室、トイレ、または浴室などのある方向に向かってから長時間移動して帰ってこない場合に、その旨を速やかに把握できるようになる。ここで、住人が利用する設備に応じて住人の通常利用する時間は異なるので、設備が設けられる方向に応じて時間閾値が設定される。すなわち、ユーザは、住人の非常事態、または異常行動などの異常を速やかに把握できるようになる。これにより、見守りシステム1のユーザは、より確実に見守り対象である住人の生活を見守ることができるようになる。
【符号の説明】
【0103】
1 見守りシステム、 2 見守り端末、 3 見守り装置、 4 撮影部、 5 マイク、 6 記憶装置、 7 通信部、 8 処理部、 9 ディスプレイ、 10 スピーカ、 11 設定部、 12 検知部、 13 登録部、 14 判定部、 15 学習部、 16 通知部