(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044153
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】護岸構造
(51)【国際特許分類】
E02B 3/12 20060101AFI20230323BHJP
E02D 17/20 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
E02B3/12
E02D17/20 102C
E02D17/20 103A
E02D17/20 103B
E02D17/20 102B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152034
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000231431
【氏名又は名称】日本植生株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】藤原 壮一
(72)【発明者】
【氏名】中村 剛志
(72)【発明者】
【氏名】戸来 義仁
(72)【発明者】
【氏名】遠山 宏一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 祐季
(72)【発明者】
【氏名】津下 圭吾
【テーマコード(参考)】
2D044
2D118
【Fターム(参考)】
2D044DA07
2D044DA14
2D044DA21
2D044DB07
2D044DB32
2D118AA05
2D118BA11
2D118BA14
2D118GA35
(57)【要約】
【課題】河川の増水による影響を軽減し、河川法面の安定した緑化を図ることが容易な護岸構造を提供すること。
【解決手段】面方向に区画された複数の小部屋3を有するように積層一体化された複数の不織布4,5を有し、種子、基材、肥料の少なくとも一種6を小部屋3に収容してある植生マット1の上に、前記不織布4,5より高強度で可撓性と耐腐食性を有する網状部材2を配置してある。前記不織布4,5は前記小部屋3内の収容物の漏出抑制効果を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面方向に区画された複数の小部屋を有するように積層一体化された複数の不織布を有し、種子、基材、肥料の少なくとも一種を小部屋に収容してある植生マットの上に、前記不織布より高強度で可撓性と耐腐食性を有する網状部材を配置してあることを特徴とする護岸構造。
【請求項2】
前記不織布は前記小部屋内の収容物の漏出抑制効果を有する請求項1に記載の護岸構造。
【請求項3】
前記小部屋に難水溶性肥料を収容してある請求項1または2に記載の護岸構造。
【請求項4】
前記不織布は吸出し防止効果を有する請求項1~3の何れか一項に記載の護岸構造。
【請求項5】
前記小部屋は平面視略菱形を呈する請求項1~4の何れか一項に記載の護岸構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、河川の堤防などの植生護岸に用いて好適な護岸構造に関する。
【背景技術】
【0002】
河川水位があまり上がらない時期(非出水期)に、植生マットを河川堤防の法面に敷設して護岸構造を構築し、植物の生育を図っておくことにより、水位が上がる機会の多い時期(出水期)における堤防の崩壊を、その時点で既に法面上に生育している植物や敷設してある植生マットで抑制する方法がある。
【0003】
こうした護岸構造を構築するためのものとして、本出願人は既に、少なくとも部分的に溶解可能とされた表シートと水溶性の裏シートの端縁同士を縫着して袋体を形成し、該袋体の内部に植生材料を装填させた状態で、表シート及び裏シートの中間複数個所で面部同士を互いに所定方向に大きな目合いで縫着することにより、前記袋体内に前記植生材料を移動不能に収容し、さらに、その表面側に小さな目合いで腐食性繊維から成る第1ネットと、大きな目合いで耐腐食性繊維から成る第2ネットを備えた植生マットを提案している(特許文献1、[0016])。
【0004】
斯かる植生マットでは、裏シートが雨水などで分解されることにより、植生材料を法面に密着させて、植生材料と法面との間に隙間が発生したりするのを効果的に防止することができる。また、表シートが雨水などで分解されても植生材料の流亡は第1ネットで防止することができ、しかも第1ネットは腐食性繊維で形成されていることから、植物種子が大きく成長する頃には土と同質化させることができる。
【0005】
しかも、第1ネットの外表面側には、植物成長時に植物幹部に絡まない大きな目合いをもつ耐腐食性繊維から成る第2ネットが付設されているため、該ネットで植生マット全体の法面に対する確実な敷設を保障しながら、法面の崩落を防止することができ、その上、樹木などが成長してその幹部が大となったとき、該幹部に第2ネットが食い込み状に絡んで樹木などの成長を阻害したりすることなく、樹木などの成長を良好に行って法面を確実に緑化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、日本では一般に、出水期は梅雨時期から台風時期である概ね6~10月ごろであり、植物(例えば芝)の活着期(4~5月ごろ)と出水期はほとんど重ならないため、活着前の植生に対する出水の影響は通常小さい。
【0008】
しかし、雪が多い地方(北海道や東北の一部)では、雪解け水による河川の増水期(4~5月ごろ)と、植物の活着期(4~5月ごろ)が重なり、河川の増水により河川法面の安定した緑化が図り難いという課題がある。
【0009】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、河川の増水による影響を軽減し、河川法面の安定した緑化を図ることが容易な護岸構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る護岸構造は、面方向に区画された複数の小部屋を有するように積層一体化された複数の不織布を有し、種子、基材、肥料の少なくとも一種を小部屋に収容してある植生マットの上に、前記不織布より高強度で可撓性と耐腐食性を有する網状部材を配置してある(請求項1)。
【0011】
上記護岸構造において、前記不織布は前記小部屋内の収容物の漏出抑制効果を有していてもよい(請求項2)。
【0012】
上記護岸構造において、前記小部屋に難水溶性肥料を収容してもよい(請求項3)。
【0013】
上記護岸構造において、前記不織布は吸出し防止効果を有していてもよい(請求項4)。
【0014】
上記護岸構造において、前記小部屋は平面視略菱形を呈してもよい(請求項5)。
【発明の効果】
【0015】
本願発明では、河川の増水による影響を軽減し、河川法面の安定した緑化を図ることが容易な護岸構造が得られる。
【0016】
すなわち、本願の各請求項に係る発明の護岸構造では、植生マットの小部屋に種子等を収容保持するようにしてあり、小部屋の構成部材に、水に接触しても即座に分解せず、種子等を通し難い構造を持たせておけば、河川の増水により植生マットが水没しても、小部屋内の種子等の流亡を抑えられる。そのため、植生マットに植生種子(小部屋に収容してある種子、植生マット敷設領域に存在する埋土種子、敷設後の植生マットに飛来してくると考えられる種子等)の通芽・通根を妨げない強度・構造を持たせておくことにより、河川の水位低下後には、植生種子の生育促進を期待することができる。
【0017】
また、種子等を複数の小部屋に分けて収容することにより、仮に一部の小部屋が破損してもその破損箇所から流亡する恐れがあるのはその小部屋に収容してある種子等に限られるので、この点からも河川法面の緑化の確実性を高めることができる。
【0018】
請求項2に係る発明の護岸構造では、植生マットの水没時における小部屋内の種子等の流亡防止の確実化を図ることができる。
【0019】
請求項3に係る発明の護岸構造では、植生マットが水没することがあったとしても、河川の水位低下後に、難水溶性肥料により植生種子の生育促進を図ることができる。
【0020】
請求項4に係る発明の護岸構造では、不織布により植生マットの裏側からの土の吸い出しを防止して、増水時の河川法面をより強固に保護することで、強固な河川護岸の形成に資するとともに、対象植物の生育の低下を起こり難くすることもできる。
【0021】
請求項5に係る発明の護岸構造では、小部屋が呈する菱形の2本の対角線がそれぞれ等高線に沿う方向及びこれに直交する方向に向くようにしておくことにより、水没時の植生マットに沿って等高線方向に流れる水や等高線と直交する方向に流れる水を効率的に分散し、その水流により小部屋内の種子等が流亡することや法面の土砂が吸い出されることをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る護岸構造の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【
図2】(A)は前記護岸構造の一部(長手方向の一端部)の平面図、(B)は最上層の網状部材を取り除いた状態の前記護岸構造の一部の平面図、(C)は前記網状部材の一部の平面図である。
【
図3】(A)は前記護岸構造の一部の底面図、(B)は前記護岸構造の保護ネットの一部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0024】
図1、
図2(A)及び
図3(A)に示す護岸構造は、例えば河川堤防法面上に構築されるものであり、植生マット1と、この植生マット1の上に重ね合わされ、植生マット1より高強度で可撓性と耐腐食性を有する網状部材(本例ではジオテキスタイルの一種であるジオグリッド)2とを具備する。なお、
図2(A)は、
図2(B)に示す植生マット1の上に
図2(C)に示す網状部材2を被せた状態を示してある。
【0025】
植生マット1は、その全体が例えば横幅約1m、縦幅約10mの矩形状を呈し、その長手方向(縦方向)が法肩側から法尻側に向くように法面に敷設されるものであり、
図2(B)及び
図3(A)に示すように、面方向(厚み方向と直交する方向)に区画された複数の小部屋3(
図2(B)参照)を有するように積層一体化された複数(本例では2枚)の不織布4,5を有し(
図1参照)、各小部屋3に、植生材料(種子、基材、肥料の少なくとも一種)6を収容し、小部屋3内の植生材料6は他の小部屋3や外部に流出しないように構成してある。
【0026】
小部屋3は、不織布4,5等を縫合して一体化する縫合部材(例えばモノフィラメント)7によって区画されており、本例では各小部屋3が平面視略菱形を呈するように構成してある。詳述すると、
図2(B)に示すように、各小部屋3は横(短手)方向(左右)に隣接する小部屋3と端部どうしがオーバーラップし、つまりは左右にオーバーラップ部分3aを有し、また、各小部屋3は、縦(長手)方向に隣り合う小部屋3とはオーバーラップせず、縦方向に並ぶ二つの小部屋3の間にはオーバーラップ部分3aが存在するように構成してある。
【0027】
各小部屋3が大き過ぎるとその内部に収容した植生材料6が偏り易くなり、小さ過ぎると植生材料6の収容に不向きとなるので、小部屋3は例えば縦横5~20cm程度の寸法を有するようにしてあるのが好ましい。
【0028】
また、
図2(B)に示すように、植生マット1の周縁は縫合部材7によって直線的に縫合してあり、植生マット1の周縁付近にある小部屋3は菱形の一部を切り欠いた形状を呈するが、斯かる小部屋3にも可能であれば植生材料6を収容してあるのが緑化促進の点からは好ましい。
【0029】
二枚の不織布4,5のうち、植生マット1を法面に敷設した際に植生材料6の上方に位置する上側不織布4は、主として小部屋3内の収容物(植生材料6)の漏出抑制効果を有することが求められ、植生マット1を法面に敷設した際に植生材料6の下方に位置する下側不織布5は、小部屋3内の収容物(植生材料6)の漏出抑制効果と、植生マット1の裏側からの土の吸出し防止効果とを有することが求められる。そして、上記漏出抑制効果により、植生マット1の水没時における小部屋3内の植生材料6の流亡防止の確実化を図ることができ、上記吸い出し防止効果により、植生マット1の裏側からの土の吸い出しを防止して、増水時の河川法面をより強固に保護することで、強固な河川護岸の形成に資するとともに、対象植物の生育の低下を起こり難くすることもできる。
【0030】
ここで、下側不織布5より上側不織布4の方が水を通し難いと、植生マット1が水没した際に植生マット1の裏側や小部屋3内に入り込んだ水流が、上側不織布4を法面から持ち上げるように作用し易くなり、ひいてはその水流によって植生マット1が法面から剥がれ易くなる恐れがあるため、上側不織布4の透水係数を下側不織布5の透水係数より大きくしてあるのが好ましく、本例では、上側不織布4の透水係数を3.3×10-2cm/s、下側不織布5の透水係数を3.1×10-3cm/sとしてある。
【0031】
そして、このように透水係数の大小を設定する上で、上側不織布4を下側不織布5より薄くし、目付量を小さくしてあるのが有利であり、本例では、上側不織布4の厚さを0.5mm、目付量を30g/m2 、下側不織布5の厚さを2.5mm、目付量を140g/m2 としてある。
【0032】
また、上側不織布4が下側不織布5より高い引張強度を有するようにしておくことにより、下側不織布5が破損した場合でも、小部屋3内の植生材料6の流亡や法面の土の吸い出しを抑える効果を維持し易くすることができる。本例では、上側不織布4の引張強度を41.8~58.2N/5cm、下側不織布5の引張強度を39.2N/5cmとしてある。
【0033】
なお、本例の護岸構造(植生マット1)は、植生対象を特定種(目的種)に限らず、埋土種子、飛来種子等をも利用する積極的な緑化を前提とするものであり、植生種子(小部屋3に収容してある種子、植生マット1敷設領域に存在する埋土種子、敷設後の植生マット1に飛来してくると考えられる種子等)の通芽・通根を妨げ難くするという観点から、不織布4,5はともに短繊維不織布(例えばポリエステル製)とするのが好適であり、特に、引張強度の高い上側不織布4を長繊維不織布とするのは、植生種子の通芽・通根が著しく困難化する恐れがあるので避けた方がよい。さらに、下側不織布5についても同様、埋土種子の通芽および生育を阻害してしまう恐れがあるため、長繊維不織布とするのは避けた方がよい。
【0034】
また、植生マット1は、
図1に示すように、上下の不織布4,5の間において植生材料6を上下から挟持する一対の保持シート8を有する。保持シート8は、植生マット1の運搬の際等に上下の不織布4,5の目合いから植生材料6が漏れるのを防止するためのものであり、透水性と、不織布4,5より小さな目合いと、植生種子の通芽・通根を妨げない引張強度とを有していることが望ましく、本例の保持シート8には植物性繊維(目付量13g/m
2 )製のクレープ紙を採用している。
【0035】
さらに、
図1に示すように、上側不織布4の上面側には、上側不織布4より引張強度が高く、目合いが拡縮可能な保護ネット9を設け、法面に敷設した植生マット1の上を作業者が歩行しても破損等し難いようにしてある。本例の保護ネット9は、ラッセル編みのポリエチレンネット(目付量53.3g/m
2 、目合い11mm×5mm)である(
図3(B)参照)。
【0036】
一方、網状部材2は、耐久性に富む繊維、例えばナイロンやポリエステル、アラミド、カーボン、ガラス、ポリアセタール等の繊維を用いて、目合い5~25mm(望ましくは5~10mm)程度の格子状(
図1、
図2(C)参照)に成型したジオテキスタイルネット(ジオグリッド)であるが、上記の繊維による線条を用いて、上記と同様の目合いの網状体に編組したものにしてもよく、これら両者(格子状体と網状体)を重ね合わせてもよいのであって、幅1m当たりの引っ張り強度を、0.5~4.0トン程度としている。これは、河川を流れる水の流速が5.0m/Sまでの流体力に十分耐えられる強度を有している。また、網状部材2は、1m
2 当たりの重量が200~250gと比較的軽量である。
【0037】
本例の植生マット1は、
図1に示すように、下側から、下側不織布5、保持シート8、植生材料6、保持シート8、上側不織布4、保護ネット9をこの順に積層した状態でこれらを縫合部材7により縫合して一体化しつつ、縫合部材7によって区画された小部屋3内に植生材料6が収容された状態となるようにしてある。
【0038】
これに対し、網状部材2は、植生マット1と別体であり、現地で法面上に敷設した植生マット1の上に重ね合わせ、この状態で植生マット1と網状部材2の両方を貫くアンカーピン等の適宜の固定具を打設することにより、両者1,2を一体化しつつ、法面上に両者1,2を固定して護岸構造を構築する。
【0039】
但し、これに限らず、例えばアンカーピン等の固定具で植生マット1のみを法面に固定し、網状部材2はこの植生マット1に適宜の連結具で連結するようにしてもよいし、植生マット1と網状部材2とを最初から縫合、接着等の適宜の接合手段により一体化してあってもよい。
【0040】
以上のように構成する本例の護岸構造では、植生マット1の小部屋3に植生材料6を収容保持するようにしてあり、小部屋3の構成部材(不織布4,5、保持シート8)に、水に接触しても即座に分解せず、植生材料6を通し難い構造を持たせてあるので、河川の増水により植生マット1が水没しても、小部屋3内の植生材料6の流亡が抑えられる。これに加え、植生マット1に植生種子の通芽・通根を妨げない強度・構造を持たせてあるので、河川の水位低下後には、植生種子の生育促進を期待することができる。
【0041】
また、植生材料6を複数の小部屋3に分けて収容することにより、仮に一部の小部屋3が破損してもその破損箇所から流亡する恐れがあるのはその小部屋3に収容してある植生材料6に限られるので、この点からも河川法面の緑化の確実性を高めることができる。
【0042】
さらに、植生マット1の各小部屋3が平面視略菱形を呈するようにしてあり、小部屋3が呈する菱形の2本の対角線がそれぞれ等高線に沿う方向(川の流れる方向)及びこれに直交する方向に向くようにしておくことにより、水没時の植生マット1に沿って等高線方向に流れる水やこれと直交する方向に流れる水を効率的に分散し、その水流により小部屋3内の植生材料6が流亡することや法面の土砂が吸い出されることをより確実に防止することができる。
【0043】
ここで、植生マット1の小部屋に収容する植生材料6に肥料を含む場合、この肥料が難水溶性肥料(有機肥料及び即効性肥料ではない肥料)としておくことにより、植生マット1が水没することがあったとしても、河川の水位低下後に、難水溶性肥料により植生種子の生育促進を図ることができる。
【0044】
なお、本発明は、上記の実施の形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下のような変形例を挙げることができる。
【0045】
上記実施の形態では、植生マット1の運搬の際等に上下の不織布4,5の目合いから植生材料6が漏れるのを防止するために、植生マット1が上下一対の保持シート8を有するようにしてあるが、不織布4,5の目合いから植生材料6が漏れない、あるいは漏れる量が限定的であるような場合には、保持シート8を省略してもよい。
【0046】
上記実施の形態では、網状部材2にジオグリッドを採用しているが、これに限らず、例えば網状部材2に金網を採用してもよい。
【0047】
本明細書で挙げた変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0048】
1 植生マット
2 網状部材
3 小部屋
3a オーバーラップ部分
4 上側不織布
5 下側不織布
6 植生材料
7 縫合部材
8 保持シート
9 保護ネット