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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044159
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】基板検査装置及び基板検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
G01N21/956 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152042
(22)【出願日】2021-09-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-16
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】菊池 和義
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA65
2G051AB01
2G051BA02
2G051BA08
2G051CA04
2G051CA06
2G051DA06
2G051EA11
2G051EA17
2G051EC01
2G051ED08
2G051ED09
(57)【要約】
【課題】歩留まりの向上を図ることができるとともに、プリント基板に機能上の問題を生じさせ得る異物を適切に検出することができる基板検査装置などを提供する。
【解決手段】プリント基板1の検査では、まず、プリント基板1に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域Maを包含するとともに、該部品実装領域Maよりも広い、プリント基板1における被検査領域に係る画像が取得される。そして、取得された画像に基づき、被検査領域における異物Xが検出される。その上で、検出された異物Xが直ちに不良と判定されることなく、部品実装領域Maに対する異物Xの位置関係に基づき、該異物についての良否が判定される。従って、異物Xが検出されたとしても、異物Xが部品実装領域Maとの位置関係の点からプリント基板1の機能上の問題を生じさせないと考えられる場合には、異物Xを不良と判定させないようにすることができる。
【選択図】 図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査装置であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出手段と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出手段により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定手段とを備えることを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記良否判定手段は、前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合に該異物を不良と判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
情報を表示可能な表示手段を備え、
前記表示手段において、少なくとも前記異物検出手段により検出された異物と前記部品実装領域との位置関係を表す画像を表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の色相画像を得る色相画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の彩度画像を得る彩度画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項6】
クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査方法であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出工程と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出工程により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定工程とを含むことを特徴とする基板検査方法。
【請求項7】
前記良否判定工程では、前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合に該異物を不良と判定することを特徴とする請求項6に記載の基板検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板を検査するための基板検査装置及び基板検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板は、平板状のベース基板、該ベース基板の表面に形成された回路パターン及びランド、並びに、ベース基板の表面上であってランドなどを除く部分をコーティングする絶縁性のレジストなどを備えている。
【0003】
一般に、プリント基板上に部品を実装する基板製造ラインにおいては、まずランド上にクリーム半田が印刷される(半田印刷工程)。次に、該クリーム半田の粘性に基づいてプリント基板上に部品が仮止めされる(マウント工程)。その後、かかるプリント基板がリフロー炉へ導かれ、クリーム半田を加熱溶融することで半田付けが行われる(リフロー工程)。
【0004】
通常、このような基板製造ラインにおいては、クリーム半田の印刷されたプリント基板を撮像して得た画像に基づき、プリント基板における異物の検出が行われる。
【0005】
異物の検出手法としては、検査対象のプリント基板を撮像して画像を取得するとともに、取得した画像と模範となる基板(マスター基板)の画像とを比較することで、異物を検出する手法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。この手法によれば、プリント基板上に存在する異物を容易に検出することができるとされている。尚、特許文献1では、ホールや回路パターンを検査対象から除外する点が記載されている。
【0006】
また、その他の異物の検出手法としては、部品の装着位置に対応する領域であって、異物の有無の検査が必要な領域を異物検査エリアとして設定し、この設定された異物検査エリアを対象とした画像処理を行うことで、異物検査エリアにおける異物の有無を検出する手法が知られている(例えば、特許文献2等参照)。この手法によれば、異物検査が特に必要となる領域のみを対象として処理を行うため、処理負荷の軽減を図ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-125861号公報
【特許文献2】特開2018-113467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、プリント基板に異物が存在する場合、その異物の存在位置によっては、異物(例えば、リフロー炉での加熱に伴い炭化した毛髪など)による複数のランド間での短絡などの不具合が発生し、プリント基板に機能上の問題を生じさせるおそれがある。その一方で、プリント基板に異物が存在していたとしても、例えばその異物が絶縁性のレジストに載っており、かつ、ランド等から十分に離間している場合には、その異物に起因するプリント基板の機能上の問題が生じないことがある。
【0009】
この点、上記特許文献1に記載の手法では、必要に応じてホールや回路パターンが検査対象から除外されるものの、基本的には画像における全領域を対象として異物の検出が行われる。そのため、プリント基板に機能上の問題を生じさせないような位置に異物が存在している場合であっても、この異物が検出されたことを理由としたプリント基板の不良判定が行われ、結果的に、歩留まりの低下を招くおそれがある。
【0010】
一方、上記特許文献2に記載の手法では、異物検査エリアを対象として異物の有無を検出するため、プリント基板に機能上の問題を生じさせないような位置に存在する異物による、プリント基板の不良判定を防止することができると考えられる。しかしながら、異物が比較的大きなものである場合には、図18に示すような、異物Xが異物検査エリアArにほんの少しだけ重なるような状態であっても、この異物Xを原因としたプリント基板の機能上の問題が生じ得る。この点、上記特許文献2に記載の手法では、上記状態の異物が存在する場合に、異物検査エリア内における該異物に係る領域の占める面積が非常に小さなものとなるため、該異物が検出されなかったり、無視されたりするおそれがある。従って、プリント基板に機能上の問題を生じさせるような異物が存在しているにも関わらず、検査対象のプリント基板を良品と誤って判定してしまうおそれがある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、歩留まりの向上を図ることができるとともに、プリント基板に機能上の問題を生じさせ得る異物を適切に検出することができる基板検査装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下、上記目的を解決するのに適した各手段につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果を付記する。
【0013】
手段1.クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査装置であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出手段と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出手段により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定手段とを備えることを特徴とする基板検査装置。
【0014】
尚、「部品実装領域」とは、「部品が実装される可能性のある領域」、レジストで覆われていない露出したランド、及び、クリーム半田又は接着剤を含む領域をいう。但し、「部品実装領域」は、「部品が実装される可能性のある領域」、ランド、及び、クリーム半田又は接着剤を含む最小の領域に限られず、異物の移動などを考慮して、前記最小の領域を適宜拡大した領域とすることができる。
【0015】
また、「部品が実装される可能性のある領域」は、基本的には「部品の基準実装位置」をいうが、セルフアライメントを利用する場合、セルフアライメントに対応してオフセットされる部品の実装予定位置を含む領域とされる。尚、「部品の基準実装位置」は、設計情報や製造情報を利用して厳密に設定してもよいし、ランド等の位置を利用して簡略的に設定してもよい。
【0016】
上記手段1によれば、まず、異物検出手段によって、部品実装領域を含む広い領域(被検査領域)を対象として、異物の検出が行われる。そして、異物が検出されたときには、この異物を直ちに不良と判定することなく、良否判定手段によって、この異物と部品実装領域との位置関係に基づき、この異物についての良否が判定される。
【0017】
従って、異物が検出されたとしても、この異物が部品実装領域との位置関係の点からプリント基板の機能上の問題を生じさせないと考えられる場合には、該異物を不良と判定させないようにすることができる。これにより、プリント基板の機能上の問題を生じさせないと考えられる異物に起因した、プリント基板の不良判定をより確実に防止できる。その結果、不良判定されて廃棄されるプリント基板を減らすことができ、歩留まりの向上を図ることができる。
【0018】
一方、検出された異物が部品実装領域との位置関係の点からプリント基板の機能上の問題を生じさせ得ると考えられる場合には、該異物を不良と判定させることができる。従って、プリント基板に機能上の問題を生じさせ得る異物を適切に検出することができ、プリント基板が良品と誤判定されることをより確実に防止できる。
【0019】
手段2.前記良否判定手段は、前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合に該異物を不良と判定するように構成されていることを特徴とする手段1に記載の基板検査装置。
【0020】
上記手段2によれば、プリント基板の機能上の問題を生じさせ得る不良の異物であるか否かの判定を比較的容易に行うことができる。従って、判定処理に係る負担の軽減を図ることができる。
【0021】
手段3.情報を表示可能な表示手段を備え、
前記表示手段において、少なくとも前記異物検出手段により検出された異物と前記部品実装領域との位置関係を表す画像を表示可能に構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の基板検査装置。
【0022】
上記手段3によれば、検出された異物と部品実装領域との位置関係を視覚をもって容易に把握することができる。従って、検査が適切に(狙い通りに)行われているか否かの確認や検査条件の確認・調節などに関する利便性を高めることができる。
【0023】
手段4.前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の色相画像を得る色相画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の基板検査装置。
【0024】
異物のうち茶髪や金髪といった毛髪は、緑色のレジスト領域に対し明度や彩度の点で相違が生じにくい。一方、茶髪や金髪といった毛髪は緑色のレジスト領域に対し色相の点で差異が生じやすい。この点を利用し、上記手段4によれば、色相画像の少なくともレジスト領域において、該レジスト領域との色相差を利用して異物を検出可能とされている。従って、レジスト領域に位置する茶髪や金髪を精度よく検出することができ、異物の検出能力を高めることができる。
【0025】
手段5.前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の彩度画像を得る彩度画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の基板検査装置。
【0026】
異物のうち黒髪や白髪といった毛髪は、緑色のレジスト領域に対し彩度の点で特に差異が生じやすい。この点を利用し、上記手段5によれば、レジスト領域に対する彩度差を利用して異物を検出するように構成されている。従って、レジスト領域に位置する黒髪や白髪を精度よく検出することができ、異物の検出能力をより高めることができる。
【0027】
尚、上記手段4,5に係る両構成を採用してもよい。すなわち、被検査領域に係る色相画像及び彩度画像の双方を利用して異物の検出を行うように構成してもよい。この場合、黒髪、白髪、茶髪又は金髪といった一般によく見られる色の毛髪の検出を精度よく行うことができる。
【0028】
手段6.クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査方法であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出工程と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出工程により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定工程とを含むことを特徴とする基板検査方法。
【0029】
上記手段6によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏されることとなる。
【0030】
手段7.前記良否判定工程では、前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合に該異物を不良と判定することを特徴とする手段6に記載の基板検査方法。
【0031】
上記手段7によれば、上記手段2と同様の作用効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】プリント基板の平面模式図である。
図2】プリント基板の部分拡大断面模式図である。
図3】プリント基板の製造ラインの構成を示すブロック図である。
図4】半田印刷後検査装置を模式的に示す概略構成図である。
図5】半田印刷後検査装置の機能構成を示すブロック図である。
図6】HSV色空間の色相環を簡易的に示す図である。
図7】部品実装領域などを示す模式図である。
図8】部品実装領域などを示す模式図である。
図9】金髪の付着した被検査基板に係る色相画像を示す図である。
図10】茶髪の付着した被検査基板に係る色相画像を示す図である。
図11】黒髪の付着した被検査基板に係る彩度画像を示す図である。
図12】白髪の付着した被検査基板に係る彩度画像を示す図である。
図13】部品実装領域と重なり、不良と判定される異物などを示す模式図である。
図14】部品実装領域と接し、不良と判定される異物などを示す模式図である。
図15】別の実施形態において、表示される画像を示す模式図である。
図16】別の実施形態において、異物の良否判定手法を説明するための模式図である。
図17】別の実施形態における異物の良否判定手法を補足説明するための模式図である。
図18】従来技術における、異物の検出手法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、プリント基板1の構成について説明する。
【0034】
図1,2に示すように、プリント基板1は、ガラスエポキシ樹脂等からなる平板状のベース基板2に、銅箔からなる回路パターン3a及びランド3b、ベース基板2の表裏に設けられたランド3bを貫通するスルーホール3cなどが形成されたものである。ランド3b上やスルーホール3cには、半田粒をフラックスで練ってなるクリーム半田5が印刷されている。クリーム半田5を介して図示しない所定の部品(例えば電子部品)における電極部とランド3bとが電気的に接続された状態となる。
【0035】
また、ベース基板2の表面であってランド3bを除く部位は、緑色のレジスト領域4(図1にて散点模様で示す領域)が設けられている。レジスト領域4は、絶縁性のレジストからなり、ベース基板2や回路パターン3aをコーティングする。尚、プリント基板1には、必要に応じて、前記部品を固定するための接着剤が塗布される。
【0036】
次に、プリント基板1を製造する製造ライン(製造工程)について図3を参照して説明する。図3に示すように、製造ライン10には、その上流側(図3上側)から順に、半田印刷機12、半田印刷後検査装置13、部品実装機14、リフロー装置15、及び、リフロー後検査装置16が設置されている。プリント基板1は、これら装置に対しこの順序で搬送されるように設定されている。本実施形態においては、半田印刷後検査装置13が「基板検査装置」を構成する。
【0037】
半田印刷機12は、プリント基板1の各ランド3b上などにクリーム半田5を印刷する半田印刷工程を行う。例えば、スクリーン印刷によりクリーム半田5の印刷が行われる。スクリーン印刷では、まずスクリーンマスクの下面をプリント基板1に接触させた状態で、該スクリーンマスク上面にクリーム半田5を供給する。前記スクリーンマスクには、プリント基板1の各ランド3bに対応する複数の開口部が形成されている。次いで、前記スクリーンマスクの上面に所定のスキージを接触させつつ移動させることにより、前記開口部内にクリーム半田5を充填する。その後、プリント基板1を前記スクリーンマスクの下面から離間させることにより、ランド3bにクリーム半田5が塗布されるとともに、スルーホール3cにクリーム半田5が充填される。
【0038】
半田印刷後検査装置13は、印刷されたクリーム半田5の状態やプリント基板1における異物の有無などを検査する半田印刷後検査工程を行う。半田印刷後検査装置13については後により詳しく説明する。
【0039】
部品実装機14は、クリーム半田5が印刷されたランド3bなどに前記部品を搭載する部品実装工程(マウント工程)を行う。これにより、前記部品の電極部がそれぞれ所定のクリーム半田5に対し仮止めされる。尚、部品実装機14は、印刷されたクリーム半田5の位置に応じて、部品の実装位置を調節可能である。
【0040】
リフロー装置15は、クリーム半田5を加熱溶融させて、ランド3bと、前記部品の前記電極部とを半田接合(半田付け)するリフロー工程を行う。
【0041】
リフロー後検査装置16は、リフロー工程において半田接合が適切に行われたか否か等について検査するリフロー後検査工程を行う。例えばリフロー工程後のプリント基板1の画像データ等を用いて前記部品における位置ずれの有無などを検査する。
【0042】
このように、製造ライン10では、プリント基板1が順次搬送されつつ、半田印刷工程→半田印刷後検査工程→部品実装工程(マウント工程)→リフロー工程→リフロー後検査工程が行われるようになっている。
【0043】
この他、図示は省略するが、製造ライン10は、半田印刷機12と半田印刷後検査装置13との間などの上記各装置間に、プリント基板1を移送するためのコンベア等を備えている。また、半田印刷後検査装置13と部品実装機14との間やリフロー後検査装置16の下流側には分岐装置が設けられている。そして、半田印刷後検査装置13やリフロー後検査装置16にて良品判定されたプリント基板1は、そのまま下流側へ案内される一方、検査装置13,16にて不良品判定されたプリント基板1は分岐装置により不良品貯留部(不図示)へと排出されるようになっている。
【0044】
次に、半田印刷後検査装置13の構成について図4,5を参照して説明する。
【0045】
図4,5に示すように、半田印刷後検査装置13は、プリント基板1の搬送や位置決め等を行う搬送機構31と、プリント基板1の検査を行うための検査ユニット32と、搬送機構31や検査ユニット32の駆動制御をはじめ、半田印刷後検査装置13における各種制御や画像処理、演算処理を実行する制御装置33(図5参照)とを備えている。
【0046】
搬送機構31は、プリント基板1の搬入出方向に沿って配置された一対の搬送レール31aと、各搬送レール31aに対し回転可能に配設された無端のコンベアベルト31bとを備えている。また、図示は省略するが、搬送機構31には、前記コンベアベルト31bを駆動するモータ等の駆動手段と、プリント基板1を所定位置に位置決めするためのチャック機構とが設けられている。搬送機構31は、制御装置33(後述する搬送機構制御部343)により駆動制御される。
【0047】
上記構成の下、半田印刷後検査装置13へ搬入されたプリント基板1は、搬入出方向と直交する幅方向の両側縁部がそれぞれ搬送レール31aに挿し込まれるとともに、コンベアベルト31b上に載置される。続いて、コンベアベルト31bが動作を開始し、プリント基板1が所定の検査位置まで搬送される。プリント基板1が検査位置に達すると、コンベアベルト31bが停止するとともに、前記チャック機構が作動する。このチャック機構の動作により、コンベアベルト31bが押し上げられ、コンベアベルト31bと搬送レール31aの上辺部によってプリント基板1の両側縁部が挟持された状態となる。これにより、プリント基板1が検査位置に位置決め固定される。検査が終了すると、チャック機構による固定が解除されるとともに、コンベアベルト31bが動作を開始する。これにより、プリント基板1は、半田印刷後検査装置13から搬出される。勿論、搬送機構31の構成は、上記形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
【0048】
検査ユニット32は、搬送レール31a(プリント基板1の搬送路)の上方に配設されている。検査ユニット32は、照明装置321及びカメラ322を備えている。また、検査ユニット32は、X軸方向(図4左右方向)への移動を可能とするX軸移動機構323、及び、Y軸方向(図4前後方向)への移動を可能とするY軸移動機構324をも備えている。検査ユニット32は、制御装置33(後述する移動機構制御部342)により駆動制御される。本実施形態では、照明装置321及びカメラ322が「画像取得手段」を構成する。
【0049】
照明装置321は、半田印刷後検査装置13による検査対象のプリント基板1に対し、所定の光を照射するものである。より詳しく説明すると、照明装置321は、第一リングライト321a、第二リングライト321b及び第三リングライト321cを備えている。
【0050】
第一リングライト321aは、検査対象のプリント基板1に対し略水平方向からの光照射を行う。第二リングライト321bは、第一リングライト321aよりも上方に配置され、検査対象のプリント基板1に対し斜め上方からの光照射を行う。第三リングライト321cは、第二リングライト321bの内側に配置されており、検査対象のプリント基板1に対しほぼ鉛直上方からの光照射を行う。
【0051】
各リングライト321a,321b,321cは、それぞれプリント基板1に対し白色光を照射する。すなわち、各リングライト321a,321b,321cは、赤色光、青色光及び緑色光という複数のカラー光を一度にプリント基板1へと照射するようになっている。
【0052】
カメラ322は、その光軸が上下方向(Z軸方向)に沿うように配置されており、検査対象のプリント基板1における所定の被検査領域を真上から撮像する。尚、被検査領域とは、カメラ322の撮像視野(撮像範囲)の大きさを1単位としてプリント基板1に予め設定された複数のエリアのうちの1つのエリアである。また、被検査領域は、後述する部品実装領域Maを包含するとともに、該部品実装領域Maよりも広い領域に設定されている。さらに、各被検査領域の一部は、隣接する被検査領域の一部と重なるように設定されている。
【0053】
カメラ322は、カラーカメラで構成されており、制御装置33(後述するカメラ制御部333)により動作制御される。制御装置33(カメラ制御部333)の動作制御により、カメラ322は、各リングライト321a,321b,321cからプリント基板1に対する同時照射が行われている状態で、このプリント基板1からの反射光の撮像を行う。これにより、プリント基板1の被検査領域に係るカラー画像が取得されることとなる。このカラー画像は、多数の画素を有しており、各画素に対応して、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)に係る3種類のパラメータ値がそれぞれ設定されている。本実施形態において、これらパラメータ値はそれぞれ0~1の範囲で表現される。
【0054】
カメラ322によって撮像されて取得されたカラー画像は、制御装置33(後述のカラー画像取込部334)に転送される。そして、制御装置33は、該カラー画像に基づき検査処理を実行する。本実施形態では、カメラ322によってカラー画像を取得する工程が「画像取得工程」に相当する。
【0055】
制御装置33は、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種プログラムや固定値データ等を記憶するROM(Read Only Memory)、各種演算処理の実行に際して各種データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)及びこれらの周辺回路等を含んだコンピュータからなる。
【0056】
制御装置33は、CPUが各種プログラムに従って動作することで、メイン制御部331、照明制御部332、カメラ制御部333、カラー画像取込部334、色相画像取得部335、彩度画像取得部336、レジスト領域情報取得部337、実装領域情報取得部338、異物検出部339、良否判定部340、表示制御部341、移動機構制御部342、搬送機構制御部343などの各種機能部として機能する。本実施形態では、色相画像取得部335が「色相画像取得手段」を構成し、同様に、彩度画像取得部336が「彩度画像取得手段」を、レジスト領域情報取得部337が「レジスト領域情報取得手段」を、異物検出部339が「異物検出手段」を、良否判定部340が「良否判定手段」を、それぞれ構成する。
【0057】
但し、上記各種機能部は、上記CPU、ROM、RAMなどの各種ハードウェアが協働することで実現されるものであり、ハード的又はソフト的に実現される機能を明確に区別する必要はなく、これらの機能の一部又は全てがICなどのハードウェア回路により実現されてもよい。また、制御装置33は、クリーム半田5の状態を検査するための機能部を備えているが、本実施形態では、該機能部を省略している。
【0058】
さらに、制御装置33には、キーボードやマウス、タッチパネル等で構成される入力部344、液晶ディスプレイ等で構成される、表示画面を備えた表示部345、各種データやプログラム、演算結果、検査結果等を記憶可能な記憶部346、外部と各種データを送受信可能な通信部347などが設けられている。本実施形態では、表示部345が「表示手段」を構成する。まず、記憶部346及び通信部347について説明する。
【0059】
記憶部346は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成されており、各種情報を記憶する。記憶部346は、画像記憶部346a、検査用情報記憶部346b、領域情報記憶部346c及び検査結果記憶部346dを備えている。
【0060】
画像記憶部346aは、カメラ322により撮像され取得されたカラー画像を記憶する。また、画像記憶部346aには、色相画像取得部335や彩度画像取得部336によって取得される、それぞれ後述する色相画像及び彩度画像なども記憶される。画像記憶部346aに記憶されたカラー画像、色相画像及び彩度画像などは、表示制御部341によって適宜表示部345に表示させることが可能となっている。
【0061】
検査用情報記憶部346bは、プリント基板1の検査に用いられる各種情報を記憶する。例えば、検査用情報記憶部346bには、色相画像や彩度画像に二値化処理を施すために用いられる複数の閾値(色相閾値、彩度閾値)、レジスト領域4か否かの判定に用いられる基準値(領域特定用基準値)、異物を検出するための面積閾値及び長さ閾値などが記憶される。尚、長さ閾値は、例えば100μmに相当する値に設定される。
【0062】
領域情報記憶部346cは、レジスト領域情報取得部337により取得されたレジスト領域情報を記憶する。また、領域情報記憶部346cには、実装領域情報取得部338により取得された部品実装領域情報も記憶される。
【0063】
検査結果記憶部346dは、異物検出部339による異物検出の結果に関するデータや、良否判定部340による異物の良否に関する検査結果データを記憶する。また、検査結果記憶部346dには、クリーム半田5の状態に関する検査結果データや、各種検査結果データを確率統計的に処理した統計データなども記憶される。これらの検査結果データや統計データは、表示制御部341によって適宜表示部345に表示させることが可能となっている。
【0064】
次に、制御装置33を構成する上記各種機能部について詳しく説明する。まず、移動機構制御部342及び搬送機構制御部343について説明し、その後、メイン制御部331等について説明する。
【0065】
移動機構制御部342は、X軸移動機構323及びY軸移動機構324を駆動制御する機能部であり、メイン制御部331からの指令信号に基づき、検査ユニット32の位置を制御する。移動機構制御部342は、X軸移動機構323及びY軸移動機構324を駆動制御することにより、検査ユニット32を、検査位置に位置決め固定されたプリント基板1における任意の被検査領域の上方位置へ移動させることができる。そして、プリント基板1に設定された複数の被検査領域に検査ユニット32が順次移動されつつ、該被検査領域に係る検査が実行されていくことで、検査対象のプリント基板1全域の検査が実行される。
【0066】
搬送機構制御部343は、搬送機構31を駆動制御する機能部であり、メイン制御部331からの指令信号に基づき、検査対象となるプリント基板1の搬送位置を制御する。
【0067】
次いで、メイン制御部331等について説明する。メイン制御部331は、半田印刷後検査装置13全体の制御を司る機能部であり、照明制御部332やカメラ制御部333など他の機能部と各種信号を送受信可能に構成されている。
【0068】
照明制御部332は、照明装置321を駆動制御する機能部である。照明制御部332は、メイン制御部331からの指令信号に基づき、照明装置321からプリント基板1に対する光の照射又は照射停止に関するタイミング制御などを行う。
【0069】
カメラ制御部333は、カメラ322を駆動制御する機能部である。カメラ制御部333は、メイン制御部331からの指令信号に基づき、カメラ322によるプリント基板1の撮像タイミングなどを制御する。
【0070】
カラー画像取込部334は、カメラ322により撮像され取得されたカラー画像を取り込むための機能部である。カラー画像取込部334によって取り込まれたカラー画像は、画像記憶部346aに記憶される。
【0071】
色相画像取得部335は、画像記憶部346aに記憶された、プリント基板1の被検査領域に関するカラー画像を用いて、プリント基板1の被検査領域に係る色相画像を取得する。色相画像は、カラー画像における各画素の、HSV色空間の色相環における色相を示す画像である。図9,10に色相画像の一例を示す。色相画像取得部335は、0°(360°)を赤、60°を黄、120°を(厳密な)緑、180°をシアン、240°を青、300°をマゼンタとしたHSV色空間の色相環(図6参照)における各画素の色相Hue(以下、「色相H」と記載する)を求め、各画素とその色相Hとが関連付けられてなる色相画像を取得する。本実施形態では、色相画像取得部335によってプリント基板1の色相画像を得る工程が「色相画像取得工程」に相当する。色相画像は、画像記憶部346aに記憶される。
【0072】
色相Hは、以下の数式1,2又は3を用いて算出される。尚、数式1は、RGBに係る各パラメータ値のうちBのパラメータ値が最大である場合に用いられる。数式2は、RGBに係る各パラメータ値のうちRのパラメータ値が最大である場合に用いられる。数式3は、RGBに係る各パラメータ値のうちGのパラメータ値が最大である場合に用いられる。但し、RGBに係る各パラメータ値の最大値及び最小値が等しい場合、色相Hは定義されない。
<数式1> H=60×(G-R)/(MAX-MIN)+60
<数式2> H=60×(B-G)/(MAX-MIN)+180
<数式3> H=60×(R-B)/(MAX-MIN)+300
尚、数式1~3において、R,G,BはそれぞれRGBに係る各パラメータ値を示し、MAXは各パラメータ値のうちの最大値を示し、MINは各パラメータ値のうちの最小値を示す。
【0073】
彩度画像取得部336は、画像記憶部346aに記憶された、プリント基板1の被検査領域に関するカラー画像を用いて、プリント基板1の被検査領域に係る彩度画像を取得する。彩度画像は、カラー画像における各画素の彩度を示す画像である。図11,12に彩度画像の一例を示す。彩度画像取得部336は、次の数式4を用いてカラー画像における各画素の彩度S(HSV形式の彩度)を算出し、各画素とその彩度Sとが関連付けられてなる彩度画像を取得する。本実施形態では、彩度画像取得部336によってプリント基板1の彩度画像を得る工程が「彩度画像取得工程」に相当する。彩度画像は、画像記憶部346aに記憶される。
<数式4> S=(1-3×MIN/(R+G+B))
尚、数式1~3と同様に、数式4において、R,G,BはそれぞれRGBに係る各パラメータ値を示し、MINは各パラメータ値のうちの最小値を示す。また、彩度画像における各画素の彩度Sは0~1で表され、画素の彩度Sが1に近いほど該画素の色は原色に近いものとなる。尚、数式4に代えて、次の数式4aから彩度Sを求めてもよい。
<数式4a> S=(MAX-MIN)/MAX
レジスト領域情報取得部337は、プリント基板1におけるレジスト領域4が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得する。本実施形態において、レジスト領域情報取得部337は、検査対象のプリント基板1に基づき、レジスト領域情報を取得する。
【0074】
より詳しくは、レジスト領域情報取得部337は、カラー画像に基づき、上記同様の色相画像を取得する。尚、色相画像取得部335により取得された色相画像を用いてもよい。
【0075】
次いで、レジスト領域情報取得部337は、色相画像のうち色相Hが所定範囲(本実施形態では例えば70°以上160°以下)となっている画素の連結成分を特定する処理を行うとともに、特定された連結成分(塊部分)の面積(本実施形態では画素数)を算出する。つまり、レジスト領域情報取得部337は、カラー画像のうち緑又は緑に近い色となっている塊部分の面積を算出する。
【0076】
その上で、レジスト領域情報取得部337は、塊部分の面積と検査用情報記憶部346bに予め記憶された領域特定用基準値とを比較し、面積が領域特定用基準値を上回る塊部分をレジスト領域4と判定する。そして、レジスト領域情報取得部337は、このレジスト領域4を特定するための情報(例えば、レジスト領域4の位置を示す座標情報など)をレジスト領域情報として取得する。取得されたレジスト領域情報は、領域情報記憶部346cに記憶される。本実施形態では、レジスト領域情報取得部337によりレジスト領域情報を取得する工程が「レジスト領域情報取得工程」に相当する。
【0077】
実装領域情報取得部338は、プリント基板1に係る「部品実装領域」を特定するための実装領域情報を取得する。「部品実装領域」とは、「部品が実装される可能性のある領域」、レジストで覆われていない露出したランド3b、及び、クリーム半田5又は接着剤を含む領域をいう。尚、「部品が実装される可能性のある領域」は、基本的には「部品の基準実装位置」をいうが、セルフアライメントを利用する場合、セルフアライメントに対応してオフセットされる部品の実装予定位置を含む。セルフアライメントとは、リフロー工程によって溶融されたクリーム半田5が、ランド3b表面に沿って濡れ広がる作用をいう。セルフアライメントが働くことによって、ランド3bからずれた位置にクリーム半田5が印刷された場合でも、前記リフロー工程を経ることで、クリーム半田5がランド3b上にほとんどずれなく配置されることがある。尚、「部品の基準実装位置」は、設計情報や製造情報を利用して厳密に設定してもよいし、ランド3b等の位置を利用して簡略的に設定してもよい。
【0078】
本実施形態では、例えば、図7,8に示すように、セルフアライメントに対応して最もオフセットされるときの部品の実装予定位置が位置P1,P2,P3,P4(図7,8にて太い二点鎖線で示す位置)である場合、部品の基準実装位置PB(図7,8にて細い二点鎖線で示す位置)と、位置P1~P4と、該部品の実装対象となるランド3bと、該部品が搭載されるクリーム半田5とを含む矩形状の領域が部品実装領域Maとして設定されている。「部品実装領域」は、「部品が実装される可能性のある領域」、ランド3b、及び、クリーム半田5又は接着剤を含む最小の領域に限られず、異物の移動などを考慮して、前記最小の領域を適宜拡大した領域とすることができる。尚、図7,8の例において、「部品が実装される可能性のある領域」とは、位置P1~P4及び基準実装位置PBを含む最小の領域ということができる。
【0079】
本実施形態において、実装領域情報取得部338は、例えば、設計上のレジスト領域情報と部品実装領域との位置関係を示す情報を用いて、取得されたレジスト領域情報に対して前記位置関係と同一の関係にある座標(画素の位置を示す座標)の範囲を実装領域情報として取得する。尚、前記位置関係を示す情報は、検査用情報記憶部346bに予め記憶されている。取得された実装領域情報は、領域情報記憶部346cに記憶される。
【0080】
異物検出部339は、被検査領域に係る色相画像又は彩度画像における、レジスト領域情報により特定されるレジスト領域4を検査対象として異物の検出を行う。
【0081】
色相画像に基づく異物の検出は、レジスト領域4に対する色相差を利用して行われる。すなわち、異物検出部339は、まず、被検査領域の色相画像における各画素を色相成分で二値化してなる二値化色相画像を得る。本実施形態において、二値化色相画像は、検査用情報記憶部346bに予め記憶された色相閾値と色相画像における各画素の色相Hとを比較し、色相画像における各画素を二値化することで得られる。得られた二値化色相画像は、0(明部分)及び1(暗部分)を備えた白黒画像となる。二値化色相画像は、画像記憶部346aに記憶される。
【0082】
尚、参考として、金髪X1が付着したプリント基板1に係る色相画像(図9参照)と、茶髪X2が付着したプリント基板1に係る色相画像(図10参照)とを示す。これらに示すように、色相画像において、金髪X1及び茶髪X2の各色相とレジスト領域4の色相とは検査を行う上で十分に異なるものとなる。そのため、二値化色相画像においては、例えば、金髪X1及び茶髪X2が暗部分で表され、レジスト領域4が明部分で表されることとなる。
【0083】
二値化色相画像を得た後、異物検出部339は、この二値化色相画像のうち、少なくともレジスト領域情報取得部337が得たレジスト領域情報により特定されるレジスト領域4を検査対象(検査範囲)として設定する。従って、ランド3bやスルーホール3c、プリント基板1に付された文字部分や図形部分などは検査対象(検査範囲)から除かれる。また、本実施形態において、レジスト領域情報及び色相画像は、それぞれ同一の検査対象のプリント基板1に基づき取得されているため、このプリント基板1にとって最適な検査対象が設定される。
【0084】
その上で、異物検出部339は、前記検査対象(検査範囲)において、レジスト領域4(例えば明部分)の色相と異なる色相を有する画素(例えば暗部分)の連結成分を特定する処理を行うとともに、特定された連結成分(塊部分)の面積(例えば画素数)を算出する。また、異物検出部339は、前記連結成分(塊部分)の長さ(例えばX方向長さ及びY方向長さ)も算出する。
【0085】
次いで、異物検出部339は、塊部分の面積と検査用情報記憶部346bに予め記憶された面積閾値とを比較する。そして、異物検出部339は、塊部分の面積が前記面積閾値を上回る場合、異物が存在すると判定する。また、異物検出部339は、塊部分の長さと検査用情報記憶部346bに予め記憶された長さ閾値とを比較する。そして、異物検出部339は、塊部分の長さが前記長さ閾値を上回る場合、異物が存在すると判定する。異物が存在する場合、異物検出部339は、この異物の位置を特定するための異物位置情報(例えば、異物の位置を示す座標情報など)を検査結果記憶部346dに記憶する。
【0086】
一方、異物検出部339は、塊部分の面積が前記面積閾値以下であるとともに、塊部分の長さが前記長さ閾値以下である場合、異物が存在しないと判定する。
【0087】
さらに、異物検出部339は、色相画像のみならず、被検査領域の彩度画像に基づいて、上記同様の異物の検出処理を行う。彩度画像に基づく異物の検出は、レジスト領域4に対する彩度差を利用して行われる。
【0088】
詳述すると、異物検出部339は、まず、彩度画像の各画素を彩度成分で二値化してなる二値化彩度画像を得る。本実施形態において、二値化彩度画像は、検査用情報記憶部346bに予め記憶された彩度閾値と彩度画像における各画素の彩度Sとを比較し、彩度画像における各画素を二値化することで得られる。得られた二値化彩度画像は、0(暗部分)及び1(明部分)を備えた白黒画像となる。二値化彩度画像は、画像記憶部346aに記憶される。
【0089】
尚、参考として、黒髪X3が付着したプリント基板1に係る彩度画像(図11参照)と、白髪X4が付着したプリント基板1に係る彩度画像(図12参照)とを示す。これらに示すように、彩度画像において、黒髪X3及び白髪X4の各彩度とレジスト領域4の彩度とは検査を行う上で十分に異なるものとなる。そのため、二値化彩度画像においては、例えば、黒髪X3及び白髪X4が暗部分で表され、レジスト領域4が明部分で表されることとなる。
【0090】
二値化彩度画像を得た後、異物検出部339は、この二値化彩度画像のうち、少なくともレジスト領域情報取得部337が得たレジスト領域情報により特定されるレジスト領域4を検査対象(検査範囲)として設定する。
【0091】
その上で、異物検出部339は、前記検査対象(検査範囲)において、レジスト領域4(例えば明部分)の彩度と異なる彩度を有する画素(例えば暗部分)の連結成分を特定する処理を行うとともに、特定された連結成分(塊部分)の面積及び長さを算出する。
【0092】
そして、異物検出部339は、塊部分の面積及び前記面積閾値、並びに、塊部分の長さ及び前記閾値をそれぞれ比較する。そして、異物検出部339は、塊部分の面積が前記面積閾値を上回る場合、又は、塊部分の長さが前記長さ閾値を上回る場合、異物が存在すると判定する。検出された異物に係る異物位置情報(座標情報など)は検査結果記憶部346dに記憶される。
【0093】
尚、異物検出部339は、塊部分の面積が前記面積閾値を上回り、かつ、塊部分の長さが長さ閾値を上回る場合に、異物が存在すると判定してもよい。また、面積や長さ以外のパラメータ(例えば太さや形状など)を利用して、異物が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
【0094】
一方、異物検出部339は、塊部分の面積が前記面積閾値以下であるとともに、塊部分の長さが前記長さ閾値以下である場合、異物が存在しないと判定する。
【0095】
そして、異物検出部339は、色相画像又は彩度画像に基づく異物の検出処理を、プリント基板1の全ての被検査領域を対象として行う。すなわち、異物検出部339は、検査対象のプリント基板1に係る全ての色相画像又は彩度画像を利用して上記異物の検出処理を行う。全ての被検査領域に係る異物の検出結果は検査結果記憶部346dに記憶される。本実施形態では、異物検出部339により異物を検出する工程が「異物検出工程」に相当する。
【0096】
良否判定部340は、部品実装領域Maに対する、異物検出部339により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する。本実施形態において、良否判定部340は、異物検出部339により検出された異物が部品実装領域Maに重なる又は接する場合に該異物を「不良」と判定する。
【0097】
より詳しくは、良否判定部340は、記憶部346c,347dに記憶された異物位置情報及び実装領域情報に基づき、被検査領域において、この異物位置情報により特定される複数の座標の少なくとも1つが、この実装領域情報により特定される座標の範囲に含まれるか否かを判定する。そして、異物に係る複数の座標のうちの少なくとも1つが部品実装領域Maに係る座標の範囲に含まれる場合、良否判定部340は、該異物を「不良」と判定する。
【0098】
例えば、図13に示すように、部品実装領域Maに対し異物Xが重なる場合には、異物に係る複数の座標が部品実装領域Maに係る座標の範囲に含まれるため、良否判定部340は、該異物Xを「不良」と判定する。また、例えば、図14に示すように、部品実装領域Maに対し異物Xが接している場合には、異物に係る複数の座標のうちの少なくとも1つが部品実装領域Maに係る座標の範囲に含まれるため、良否判定部340は、該異物を「不良」と判定する。
【0099】
一方、異物に係る複数の座標の全てが部品実装領域Maに係る座標の範囲に含まれない場合、良否判定部340は、該異物を「問題なし」と判定する。良否判定部340による判定結果は、異物位置情報と関連付けられた状態で、検査結果記憶部346dに記憶される。
【0100】
さらに、良否判定部340は、プリント基板1の全ての被検査領域を対象として、異物の良否に関する上記検査処理を行う。そして、良否判定部340は、プリント基板1における全ての被検査領域において、異物検出部339により異物が検出されなかったり、異物が検出されたとしても該異物を「問題なし」と判定したりした場合、検査対象のプリント基板1に異常はないと判定する。
【0101】
一方、良否判定部340は、異物検出部339により異物が検出されるとともに、該異物に対し「不良」と判定した被検査領域が1つでも存在する場合、検査対象のプリント基板1を不良と判定する。良否判定部340による判定結果は検査結果記憶部346dに記憶される。また、この判定結果は、表示部345や通信部347などを介して外部に報知される。本実施形態では、良否判定部340によって、異物の良否を判定する工程が「良否判定工程」に相当する。
【0102】
表示制御部341は、表示部345にて記憶部346に記憶された情報を表示させるにあたって、その表示内容を制御する。本実施形態において、表示制御部341は、記憶部346に記憶された情報を用いて、異物検出部339により異物の検出がなされた被検査領域の画像(色相画像、彩度画像又はカラー画像)に対し部品実装領域Maに対応する画像(例えば、部品実装領域Maの外縁を示す枠の画像)を重ねてなる画像(例えば、図13,14のような画像)を表示部345にて表示可能とされている。すなわち、表示制御部341は、異物検出部339によって検出された異物と部品実装領域Maとの位置関係を示す画像を表示部345にて表示可能とされている。
【0103】
また、表示制御部341は、異物検出部339によって検出された異物のうち、良否判定部340により「不良」と判定されたものと、良否判定部340により「不良」と判定されなかったものとを区別可能な状態で表示部345にて表示可能とされている。本実施形態では、例えば、図15に示すように、良否判定部340により「不良」と判定された異物Xに対応して「不良」であることを示す情報(例えば、「B」の文字など)が表示され、一方、良否判定部340により「不良」と判定されなかった異物Xに対応して「不良」でないことを示すための情報(例えば、「NB」の文字など)が表示されるようになっている。
【0104】
以上詳述したように、本実施形態によれば、異物Xが検出されたとしても、この異物Xが部品実装領域Maとの位置関係の点からプリント基板1の機能上の問題を生じさせないと考えられる場合には、該異物を不良と判定させないようにすることができる。これにより、プリント基板1の機能上の問題を生じさせないと考えられる異物に起因した、プリント基板1の不良判定をより確実に防止できる。その結果、不良判定されて廃棄されるプリント基板1を減らすことができ、歩留まりの向上を図ることができる。
【0105】
一方、検出された異物が部品実装領域Maとの位置関係の点からプリント基板1の機能上の問題を生じさせ得ると考えられる場合には、該異物を不良と判定させることができる。従って、プリント基板1に機能上の問題を生じさせ得る異物を適切に検出することができ、プリント基板1が良品と誤判定されることをより確実に防止できる。
【0106】
また、本実施形態では、異物が部品実装領域Maに重なる又は接する場合に該異物を不良と判定するようになっている。従って、プリント基板1の機能上の問題を生じさせ得る不良の異物であるか否かの判定を比較的容易に行うことができる。これにより、判定処理に係る負担の軽減を図ることができる。
【0107】
加えて、表示部345において、少なくとも異物検出部339により検出された異物と部品実装領域Maとの位置関係を表す画像を表示可能とされている。そのため、検出された異物と部品実装領域Maとの位置関係を視覚をもって容易に把握することができる。従って、検査が適切に(狙い通りに)行われているか否かの確認や検査条件の確認・調節などに関する利便性を高めることができる。
【0108】
さらに、茶髪や金髪といった毛髪は緑色のレジスト領域4に対し色相の点で差異が生じやすい点を利用し、色相画像の少なくともレジスト領域4において、該レジスト領域との色相差を利用して異物を検出するように構成されている。従って、レジスト領域4に位置する茶髪や金髪を精度よく検出することができ、異物の検出能力を高めることができる。
【0109】
また、異物のうち黒髪や白髪といった毛髪は、緑色のレジスト領域4に対し彩度の点で特に差異が生じやすい点を利用して、レジスト領域4に対する彩度差を利用して異物を検出するように構成されている。従って、レジスト領域4に位置する黒髪や白髪を精度よく検出することができ、異物の検出能力をより高めることができる。
【0110】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0111】
(a)上記実施形態において、良否判定部340は、異物位置情報により特定される複数の座標の少なくとも1つが、実装領域情報により特定される座標の範囲に含まれるか否かによって、該異物の良否を判定するように構成されている。これに対し、良否判定部340は、図16に示すように、異物Xから、部品が実装される可能性のある領域PP(図12にて太い二点鎖線で示す領域)、ランド3b及びクリーム半田5といった部品実装領域に含まれる対象までの各距離を算出し、これら距離の最小値が予め設定された所定の判定値Dkを上回るか否かによって、異物Xの良否を判定するものであってもよい。図16に示す例では、距離D1,D2,D3,D4,D5が算出され、これら距離D1~D5の最小値である距離D3と判定値Dkとを比較することで、異物Xの良否が判定される。
【0112】
尚、上記の良否判定手法によれば、結果的に、前記領域PP、ランド3b及びクリーム半田5の外縁から判定値Dkだけ離間した距離を外縁とする部品実装領域Ma(図17参照)に対し、異物Xが重なるか又は接せるかについての判定がなされることとなる。
【0113】
(b)上記実施形態において、部品実装領域Maは矩形状とされているが、部品実装領域Maの形状はこれに限定される訳ではなく、例えばランド3bや部品の形状などに合わせて適宜変更してもよい。
【0114】
(c)上記実施形態では、部品実装領域Maに対し異物が重なるか又は接するかを判定することによって、該異物の良否を判定するように構成されている。しかしながら、異物の良否判定手法はこれに限られるものではなく、異物の良否判定は、部品実装領域Maに対する異物の位置関係に基づいて行われるものであればよい。従って、例えば、部品実装領域Maから異物までの最短距離や、異物における複数の位置から部品実装領域Maまでの距離の平均値などに基づき該異物の良否を判定するようにしてもよい。
【0115】
(d)上記実施形態において、表示制御部341は、表示部345にて、異物検出部339によって検出された異物を表示可能とされているが、良否判定部340により不良と判定された異物のみを選択的に表示可能としてもよい。
【0116】
また、表示制御部341は、複数の異物が存在する場合、これら異物に係る情報を部品実装領域Maまでの距離順に表示部345にて表示可能であってもよい。例えば、部品実装領域Maまでの距離順に、各異物の拡大画像などを表示部345にて並べて表示可能としてもよい。
【0117】
さらに、表示制御部341は、表示部345にて、部品実装領域Maから所定距離以下だけ離れた異物のみを選択的に表示可能なものであってもよい。この場合、部品実装領域Maを拡大・縮小可能に構成し、部品実装領域Maの拡大又は縮小によって、表示対象となる異物が変更されるようにしてもよい。
【0118】
(e)上記実施形態において、レジスト領域情報取得部337は、検査対象のプリント基板1に係る色相画像における一定範囲の色相を有する部分をレジスト領域として抽出することで、レジスト領域情報を取得するように構成されている。これに対し、レジスト領域情報取得部337は、彩度画像における一定範囲の彩度を有する部分をレジスト領域として抽出することで、レジスト領域情報を取得するものであってもよい。勿論、これらレジスト領域情報の取得手法を併用してもよい。
【0119】
(f)上記実施形態において、レジスト領域情報取得部337は、検査対象のプリント基板1の画像に基づき、レジスト領域情報を取得するように構成されている。
【0120】
これに対し、レジスト領域情報取得部337は、マスターカラー画像を用いてマスター基板の色相画像を得るとともに、該色相画像からレジスト領域の色相に一致する領域を抽出すること、及び、マスターカラー画像を用いてマスター基板の彩度画像を得るとともに、該彩度画像からレジスト領域の彩度に一致する領域を抽出することの少なくとも一方によって、レジスト領域情報を取得するものであってもよい。マスターカラー画像は、理想的なプリント基板1であるマスター基板(不図示)のカラー画像である。マスターカラー画像は、例えば半田印刷後検査装置13に供給されたマスター基板を、照明装置321により照らした状態でカメラ322により撮像することによって取得することができる。
【0121】
マスターカラー画像に基づきレジスト領域情報を取得するように構成することで、設計情報や製造情報を用いることなく、検査対象のプリント基板1との関係で十分に正確なレジスト領域情報を得ることができる。
【0122】
また、色相画像や彩度画像からレジスト領域の色相や彩度と一致する領域を抽出することによりレジスト領域情報を取得するため、明度画像を用いる場合と比べて、マスター基板におけるレジスト領域4をより正確に特定することができる。その結果、より正確なレジスト領域情報を取得することができる。
【0123】
さらに、レジスト領域情報取得部337は、プリント基板1の設計情報及び製造情報の少なくとも一方に基づき、レジスト領域情報を取得するものであってもよい。設計情報としては、プリント基板のCADデータなどを挙げることができ、製造情報としては、プリント基板のガーバーデータなどを挙げることができる。
【0124】
設計情報や製造情報を用いてレジスト領域情報を取得するように構成することで、プリント基板1やマスター基板などが手元にない状態であっても、検査対象のプリント基板1との関係で十分に正確なレジスト領域情報を容易に取得することができる。
【0125】
(g)上記実施形態において、異物検出部339は、カメラ322により得られたカラー画像を元にした色相画像及び彩度画像を用いて異物の検出を行うように構成されているが、色相画像及び彩度画像のうちの一方のみを用いて、異物の検出を行うものであってもよい。また、異物検出部339は、色相画像及び彩度画像以外の画像を用いて異物検出を行うものであってもよい。従って、カラー画像(RGB画像)やカラー画像を元に取得した明度画像を用いて異物の検出を行うように構成してもよい。尚、明度画像とは、カラー画像における各画素の明度を示す画像をいう。
【0126】
(h)上記実施形態において、各リングライト321a,321b,321cは、白色光を照射するように構成されているが、赤色光、青色光又は緑色光(つまり、それぞれ異なる色)を照射するものであってもよい。また、この場合には、カメラ322をモノクロカメラにより構成し、各リングライト321a,321b,321cからの照射が順次行われる都度、該カメラ322によるプリント基板1の撮像を行い、計3種類の画像を得るように構成してもよい。そして、この3種類の画像に基づき、色相画像や彩度画像などを得てもよい。尚、三種類の画像は、各画素に対応して、R(赤色)に係るパラメータ値、G(緑色)に係るパラメータ値、又は、B(青色)に係るパラメータ値がそれぞれ設定されているものである。従って、これら三種類の画像は「カラー画像」に相当するということができる。
【0127】
(i)上記実施形態では、異物を検出するにあたって、色相画像や彩度画像を二値化して二値化色相画像や二値化彩度画像を得るように構成されているが、必ずしも二値化画像を得る必要はない。従って、例えば、色相画像や彩度画像をそのまま用いて異物を検出するように構成してもよい。例えば、色相画像又は彩度画像における一定範囲の色相又は彩度を有する部位の面積や長さなどを求め、この面積や長さに基づき異物を検出するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0128】
1…プリント基板、4…レジスト領域、5…クリーム半田、13…半田印刷後検査装置(基板検査装置)、321…照明装置(画像取得手段)、322…カメラ(画像取得手段)、335…色相画像取得部(色相画像取得手段)、336…彩度画像取得部(彩度画像取得手段)、337…レジスト領域情報取得部(レジスト領域情報取得手段)、339…異物検出部(異物検出手段)、340…良否判定部(良否判定手段)、345…表示部(表示手段)、Ma…部品実装領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2022-07-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査装置であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出手段と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出手段により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定手段とを備え
前記良否判定手段は、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定するように構成されている
ことを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
情報を表示可能な表示手段を備え、
前記表示手段において、少なくとも前記異物検出手段により検出された異物と前記部品実装領域との位置関係を表す画像を表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の色相画像を得る色相画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の彩度画像を得る彩度画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項5】
クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査方法であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出工程と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出工程により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定工程とを含み、
前記良否判定工程では、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定する
ことを特徴とする基板検査方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
手段1.クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査装置であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出手段と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出手段により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定手段とを備え
前記良否判定手段は、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定するように構成されている
ことを特徴とする基板検査装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
また、プリント基板の機能上の問題を生じさせ得る不良の異物であるか否かの判定を比較的容易に行うことができる。従って、判定処理に係る負担の軽減を図ることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
手段.情報を表示可能な表示手段を備え、
前記表示手段において、少なくとも前記異物検出手段により検出された異物と前記部品実装領域との位置関係を表す画像を表示可能に構成されていることを特徴とする手段1に記載の基板検査装置。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
上記手段によれば、検出された異物と部品実装領域との位置関係を視覚をもって容易に把握することができる。従って、検査が適切に(狙い通りに)行われているか否かの確認や検査条件の確認・調節などに関する利便性を高めることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
手段.前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の色相画像を得る色相画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする手段1又は2に記載の基板検査装置。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
異物のうち茶髪や金髪といった毛髪は、緑色のレジスト領域に対し明度や彩度の点で相違が生じにくい。一方、茶髪や金髪といった毛髪は緑色のレジスト領域に対し色相の点で差異が生じやすい。この点を利用し、上記手段によれば、色相画像の少なくともレジスト領域において、該レジスト領域との色相差を利用して異物を検出可能とされている。従って、レジスト領域に位置する茶髪や金髪を精度よく検出することができ、異物の検出能力を高めることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
手段.前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の彩度画像を得る彩度画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする手段1乃至のいずれかに記載の基板検査装置。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
異物のうち黒髪や白髪といった毛髪は、緑色のレジスト領域に対し彩度の点で特に差異が生じやすい。この点を利用し、上記手段によれば、レジスト領域に対する彩度差を利用して異物を検出するように構成されている。従って、レジスト領域に位置する黒髪や白髪を精度よく検出することができ、異物の検出能力をより高めることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
尚、上記手段3,4に係る両構成を採用してもよい。すなわち、被検査領域に係る色相画像及び彩度画像の双方を利用して異物の検出を行うように構成してもよい。この場合、黒髪、白髪、茶髪又は金髪といった一般によく見られる色の毛髪の検出を精度よく行うことができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
手段5.クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査方法であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出工程と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出工程により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定工程とを含み、
前記良否判定工程では、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定する
ことを特徴とする基板検査方法。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
上記手段によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏されることとなる。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査装置であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出手段と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出手段により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定手段とを備え、
前記良否判定手段は、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定し、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なることなく、かつ、接することもない場合には、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が前記所定の面積閾値を上回る場合であっても、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが前記所定の長さ閾値を上回る場合であっても、該異物を不良と判定しない
ように構成されている
ことを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
情報を表示可能な表示手段を備え、
前記表示手段において、少なくとも前記異物検出手段により検出された異物と前記部品実装領域との位置関係を表す画像を表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の色相画像を得る色相画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の彩度画像を得る彩度画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項5】
クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査方法であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出工程と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出工程により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定工程とを含み、
前記良否判定工程では、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定し、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なることなく、かつ、接することもない場合には、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が前記所定の面積閾値を上回る場合であっても、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが前記所定の長さ閾値を上回る場合であっても、該異物を不良と判定しない
ことを特徴とする基板検査方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
手段1.クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査装置であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出手段と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出手段により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定手段とを備え、
前記良否判定手段は、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定し、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なることなく、かつ、接することもない場合には、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が前記所定の面積閾値を上回る場合であっても、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが前記所定の長さ閾値を上回る場合であっても、該異物を不良と判定しない
ように構成されている
ことを特徴とする基板検査装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
手段5.クリーム半田の印刷されたプリント基板を検査するための基板検査方法であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出工程と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出工程により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定工程とを含み、
前記良否判定工程では、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定し、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なることなく、かつ、接することもない場合には、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が前記所定の面積閾値を上回る場合であっても、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが前記所定の長さ閾値を上回る場合であっても、該異物を不良と判定しない
ことを特徴とする基板検査方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーム半田の印刷された、後の工程で部品を実装するプリント基板を検査するための基板検査装置であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出手段と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出手段により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定手段とを備え、
前記良否判定手段は、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定し、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なることなく、かつ、接することもない場合には、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が前記所定の面積閾値を上回る場合であっても、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが前記所定の長さ閾値を上回る場合であっても、該異物を不良と判定しない
ように構成されている
ことを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
情報を表示可能な表示手段を備え、
前記表示手段において、少なくとも前記異物検出手段により検出された異物と前記部品実装領域との位置関係を表す画像を表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の色相画像を得る色相画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記色相画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する色相差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記プリント基板には、緑色のレジスト領域が設けられており、
前記画像取得手段は、複数のカラー光を用いて、前記被検査領域に係るカラー画像を取得するように構成され、
前記プリント基板における前記レジスト領域が占める範囲を特定するためのレジスト領域情報を取得するレジスト領域情報取得手段と、
前記画像取得手段により取得された前記カラー画像を用いて、前記被検査領域の彩度画像を得る彩度画像取得手段とを備え、
前記異物検出手段は、前記彩度画像の少なくとも前記レジスト領域情報により特定される前記レジスト領域において、該レジスト領域に対する彩度差を利用して異物を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板検査装置。
【請求項5】
クリーム半田の印刷された、後の工程で部品を実装するプリント基板を検査するための基板検査方法であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出工程と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出工程により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定工程とを含み、
前記良否判定工程では、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定し、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なることなく、かつ、接することもない場合には、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が前記所定の面積閾値を上回る場合であっても、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが前記所定の長さ閾値を上回る場合であっても、該異物を不良と判定しない
ことを特徴とする基板検査方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
手段1.クリーム半田の印刷された、後の工程で部品を実装するプリント基板を検査するための基板検査装置であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出手段と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出手段により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定手段とを備え、
前記良否判定手段は、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定し、
前記異物検出手段により検出された異物が前記部品実装領域に重なることなく、かつ、接することもない場合には、
前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の面積が前記所定の面積閾値を上回る場合であっても、或いは、前記異物検出手段により検出された異物の塊部分の長さが前記所定の長さ閾値を上回る場合であっても、該異物を不良と判定しない
ように構成されている
ことを特徴とする基板検査装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
手段5.クリーム半田の印刷された、後の工程で部品を実装するプリント基板を検査するための基板検査方法であって、
前記プリント基板に対する部品の実装位置に対応する領域である部品実装領域を包含するとともに、該部品実装領域よりも広い、前記プリント基板における所定の被検査領域に係る画像を取得可能な画像取得工程と、
前記画像取得工程により取得された画像に基づき、前記被検査領域における異物を検出する異物検出工程と、
前記部品実装領域に対する、前記異物検出工程により検出された異物の位置関係に基づき、該異物についての良否を判定する良否判定工程とを含み、
前記良否判定工程では、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なる又は接する場合であって、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が所定の面積閾値を上回る場合、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが所定の長さ閾値を上回る場合に、該異物を不良と判定し、
前記異物検出工程により検出された異物が前記部品実装領域に重なることなく、かつ、接することもない場合には、
前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の面積が前記所定の面積閾値を上回る場合であっても、或いは、前記異物検出工程により検出された異物の塊部分の長さが前記所定の長さ閾値を上回る場合であっても、該異物を不良と判定しない
ことを特徴とする基板検査方法。