(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044177
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】触覚呈示装置および方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230323BHJP
B06B 1/04 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
G06F3/01 560
B06B1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152072
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優典
(72)【発明者】
【氏名】永井 尚
【テーマコード(参考)】
5D107
5E555
【Fターム(参考)】
5D107CC01
5D107CC09
5E555AA08
5E555AA80
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA15
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC30
5E555DA24
5E555FA30
(57)【要約】
【課題】構成の複雑化を回避しつつ、触覚呈示のための振動に起因する音響を抑制する。
【解決手段】振動することでユーザに触覚を呈示する板状部30と、板状部30に配置され、駆動されることで板状部30を振動させる少なくとも1つのアクチュエータACと、振動における節により区切られる複数の分割領域のそれぞれが振動する分割振動モードで板状部30を振動させる周波数でアクチュエータACを駆動する制御部32と、を有する触覚呈示装置を提供する。制御部32は、分割振動モードが、少なくとも1つの分割領域にアクチュエータACが位置する分割振動モードとなるようにアクチュエータACを駆動する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動することでユーザに触覚を呈示する板状部と、
前記板状部に配置され、駆動されることで前記板状部を振動させる少なくとも1つのアクチュエータと、
振動における節により区切られる複数の分割領域のそれぞれが振動する分割振動モードで前記板状部を振動させる周波数で前記アクチュエータを駆動する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記分割振動モードが、少なくとも1つの前記分割領域に前記アクチュエータが位置する分割振動モードとなるように前記アクチュエータを駆動する、触覚呈示装置。
【請求項2】
振動することでユーザに触覚を呈示する板状部と、
前記板状部に配置され、駆動されることで前記板状部を振動させる少なくとも1つのアクチュエータと、
前記板状部の複数の固有の分割振動モードのうち、1つの分割振動モードの周波数で前記アクチュエータを駆動する制御部と、を有し、
前記1つの分割振動モードにおける節により区切られる複数の分割領域のうち少なくとも1つの前記分割領域内に前記アクチュエータが位置する、触覚呈示装置。
【請求項3】
複数の前記分割領域のうち少なくとも1つの分割領域において、前記分割領域の外周上の任意の2点のうち互いの距離が最も長くなる2点間の距離は、前記周波数の音が空気中を伝播するときの波長よりも短い、請求項1または2に記載の触覚呈示装置。
【請求項4】
前記2点間の距離は、前記周波数の音が空気中を伝播するときの波長の半分よりも短い、請求項3に記載の触覚呈示装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは2つ以上設けられ、
前記制御部は、2つ以上の前記分割領域のそれぞれに前記アクチュエータが位置する分割振動モードで前記板状部を振動させるよう、前記アクチュエータを駆動する信号の周波数および極性を制御する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の触覚呈示装置。
【請求項6】
前記制御部は、同相で振動する前記分割領域に配置された前記アクチュエータ同士を同極性の信号で駆動する、請求項5に記載の触覚呈示装置。
【請求項7】
前記制御部は、逆相で振動する前記分割領域に配置された前記アクチュエータ同士を逆極性の信号で駆動する、請求項5または6に記載の触覚呈示装置。
【請求項8】
複数の前記分割領域のそれぞれに前記アクチュエータが1つ以上配置される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の触覚呈示装置。
【請求項9】
前記板状部は呈示面を含み、前記呈示面に触れるユーザに対して振動により触覚を呈示する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の触覚呈示装置。
【請求項10】
前記アクチュエータは前記呈示面に配置される、請求項9に記載の触覚呈示装置。
【請求項11】
前記アクチュエータは前記板状部における前記呈示面とは異なる面に配置される、請求項9に記載の触覚呈示装置。
【請求項12】
前記アクチュエータは、前記呈示面と、前記呈示面とは異なる面とに配置される、請求項9に記載の触覚呈示装置。
【請求項13】
前記周波数は、0Hzより高く500Hzより低い、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の触覚呈示装置。
【請求項14】
前記周波数は、100Hzより高く300Hzより低い、請求項13に記載の触覚呈示装置。
【請求項15】
前記制御部には音響信号が入力され、
前記制御部は、入力された前記音響信号のレベルが閾値を超えた場合に、前記アクチュエータを駆動する、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の触覚呈示装置。
【請求項16】
振動することでユーザに触覚を呈示する板状部に配置された、前記板状部を振動させる少なくとも1つのアクチュエータを駆動する際、
振動における節により区切られる複数の分割領域のそれぞれが振動する分割振動モードで前記板状部を振動させる周波数で且つ、前記分割振動モードが、少なくとも1つの前記分割領域に前記アクチュエータが位置する分割振動モードとなるように、前記アクチュエータを駆動する、触覚呈示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚呈示装置および方法
【背景技術】
【0002】
従来、振動部材を振動させて触覚を呈示する触覚呈示装置が知られている。例えば、特許文献1では、回転体を振動させ、ユーザが、回転可能な板状の操作部に触れると操作部が回転体と接し、回転体からの振動が操作部を介してユーザに伝わる。
【0003】
ところが、回転体の振動は音響にも変換されるので、不必要な音響ノイズとなる。これを解消するために、特許文献2は、音響ノイズに緩和音を重畳すると共に、合成音とは逆位相の音を生成して出力することで合成音を消音し、合成音がユーザによって聴覚されることを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-2700号公報
【特許文献2】特開2016-35646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2では、触覚を呈示するための振動とは別に、触覚を呈示するための振動に起因する音響ノイズを抑制するための機構を別途設ける必要がある。そのため、構成が複雑化する。
【0006】
本発明の一つの目的は、構成の複雑化を回避しつつ、触覚呈示のための振動に起因する音響を抑制することができる触覚呈示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態によれば、振動することでユーザに触覚を呈示する板状部と、前記板状部に配置され、駆動されることで前記板状部を振動させる少なくとも1つのアクチュエータと、振動における節により区切られる複数の分割領域のそれぞれが振動する分割振動モードで前記板状部を振動させる周波数で前記アクチュエータを駆動する制御部と、を有し、前記制御部は、前記分割振動モードが、少なくとも1つの前記分割領域に前記アクチュエータが位置する分割振動モードとなるように前記アクチュエータを駆動する、触覚呈示装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一形態によれば、構成の複雑化を回避しつつ、触覚呈示のための振動に起因する音響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】再生システムの構成を例示するブロック図である。
【
図5】ある分割振動モードで振動する板状部の模式的平面図である。
【
図6】ある分割振動モードで振動する板状部の模式的平面図である。
【
図7】ある分割振動モードで振動する板状部の模式的平面図である。
【
図8】表面および裏面にアクチュエータを配置した板状部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る触覚呈示装置が適用される再生システムの構成を例示するブロック図である。この再生システム1は、端末装置100と、触覚呈示装置としてのDJ機器200とを有する。
図2は、DJ機器200の構造を例示する縦断面図である。DJ機器200は、ユーザ(DJ)による操作を受付けるDJコントローラ(音響機器の一例)である。
【0012】
図1に示すように、DJ機器200は、本体部201とDJ操作部202とを有する。本体部201は、検出機構60、回転駆動機構40および送電部34を有する。DJ操作部202は、制御部32、受電部35、通信I/F(インタフェース)36、アクチュエータAC(AC1~AC4)を有する。
【0013】
制御部32は、DJ機器200の各部を制御する。制御部32は、CPU、ROM、RAMを有する(いずれも図示せず)。CPUは、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開して実行することにより各種の制御を実現する。通信I/F36は、無線または有線により、端末装置100を含む外部装置と通信する。通信I/F36の方式として、Bluetooth(登録商標)、Wifi(登録商標)、FMトランスミッタなどが挙げられるが、方式は限定されない。
【0014】
端末装置100は、DJ機器200に対するユーザからの操作に応じて楽曲の再生を制御する。例えばスマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報端末が端末装置100として採用される。端末装置100は、制御装置11と記憶装置12と再生装置13とを有する。なお、記憶装置12と再生装置13とをDJ機器200に内蔵してもよい。制御装置11は、例えばCPU等の単数または複数の処理回路であり、端末装置100の各要素を制御する。記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する。ここでいう各種のデータには、楽曲の演奏音を表す音楽ファイルが含まれる。
【0015】
図2に示すように、本体部201は、中空の筐体70を具備する。筐体70の上部には円形の開口71が形成される。回転駆動機構40および検出機構60は筐体70の内部に収容される。本体部201は、回転体21および軸部材23を有する。
【0016】
回転体21は、筐体70の開口71をほぼ塞ぐように設置されたターンテーブルであり、円板状の構造体(プラッタ)である。回転体21は、回転軸Oを中心として回転可能である。回転体21の中央には円形の貫通孔Hが形成される。軸部材23は円柱状の部材である。軸部材23は、回転体21の貫通孔Hを貫通する。従って、軸部材23の中心軸線と回転体21の回転軸Oとは一致する。貫通孔Hの内周面は、所定の間隙をあけて軸部材23の外周面と対向する。すなわち、回転体21は軸部材23に連結されていない。軸部材23は、緩衝体73を介して筐体70の底面部72に設置される。
【0017】
筐体70の内部には支持構造体74が設置される。支持構造体74は、軸部材23を回転可能に支持する構造体である。支持構造体74は、第1部分741と第2部分742とを備える。第1部分741と底面部72との間に第2部分742が位置する。第1部分741は、円筒状の部分である。第1部分741の内径は、軸部材23の外径と同等である。従って、軸部材23は、第1部分741の内周面に接触した状態で回転可能である。後述するように、板状部30は、固定部24により、軸部材23の上部に固定される。従って、支持構造体74は、軸部材23を介して板状部30を回転自在に支持する支持部となる。第2部分742は、第1部分741よりも大径に形成された円筒状の部分である。第2部分742が筐体70の底面部72に固定される。
【0018】
第2部分742の内側には検出機構60が設置される。検出機構60は、遮光体61と検出器62とを具備する。遮光体61は、軸部材23に固定された円板状の構造体であり、遮光性の材料で形成される。遮光体61の周縁部には、複数の切欠(スリット)611が相互に間隔をあけて形成される。検出器62は、発光素子621と受光素子622とを含む光学センサである。発光素子621と受光素子622とは、遮光体61の周縁部を挟んで相互に対向する。受光素子622が受光量に応じた操作信号Zを出力する。すなわち、検出機構60は、DJ操作部202の回転の方向および角度を表す操作信号Zを生成する。
【0019】
支持構造体74と回転体21との間には、回転体21を支持構造体74に対して円滑に回転するための軸受75が介在する。軸受75は例えば玉軸受であり、回転体21と同心に設置される。回転体21は軸受75を介して支持構造体74に支持される。回転体21と軸受75とは固定されていないから、回転体21は、軸受75に接触する位置と軸受75から離れる位置との間で回転軸Oの方向に移動可能である。
【0020】
回転体21と軸受75との間には緩衝体76が介在する。緩衝体76は、回転体21と同心に設置された円環状の部材であり、例えばゴム等の弾性材料で形成される。緩衝体76は、支持構造体74と軸受75との間に設置されてもよい。筐体70の内部には配線基板77が設置される。配線基板77は、支持構造体74に支持される。
【0021】
図3は、回転駆動機構40の裏面図である。回転駆動機構40は、支持部材41と磁石43と複数のコイル42とを有するモータである。支持部材41は配線基板77に設置される。支持部材41は、例えば非磁性体で形成された円環状の構造体である。支持部材41の外周面には、複数の突起部411が周方向に相互に間隔をあけて形成される。コイル42の各々は、1個の突起部411に巻回された導線である。すなわち、複数のコイル42が周方向に相互に間隔をあけて設置される。磁石43は、回転体21に設置される。磁石43は、複数のコイル42を包囲する円環状の永久磁石である。複数のコイル42の各々に電流が供給されることで、回転軸Oを中心として回転体21が所定の角速度で回転する。
【0022】
なお、回転駆動機構40の構成は例示したものに限定されない。例えば、回転体21に、回転体21と同心にプーリを設置すると共に、別途設けたモータの駆動軸とプーリとに駆動ベルトを掛けてもよい。そして、モータの駆動力で駆動ベルトおよびプーリを介して回転体21が回転駆動されるようにしてもよい。
【0023】
図2に示すように、DJ操作部202は、スペーサ33、板状部30および固定部24を有する。固定部24には制御基板31が配置される。制御基板31は、制御部32(
図1)を含む。軸部材23はスペーサ33を貫通している。スペーサ33は、回転体21の設置面21a上に設定される。スペーサ33と回転体21の設置面21aとは固定されておらず、両者は摺動可能に適度の摩擦を有している。板状部30は円盤状に形成され、スペーサ33を介して回転体21の設置面21a上に配置される。板状部30とスペーサ33とは固定されている。スペーサ33は、板状部30が回転体21と直接接触しないように、0.1~5mm程度の厚みを有し、板状部30を適切に共振させるのに役立つ。
【0024】
板状部30は、軸部材23における上端部近傍に固定される。具体的には、板状部30は、板状部30の裏面30bが回転体21の設置面21aに対向した状態で固定部24により軸部材23に固定される。回転体21と板状部30とは同心に配置される。板状部30は、軸部材23と一体に回転軸Oを中心として回転可能である。板状部30の表面30a(回転体21と対向しない面)がユーザの手指により操作される。板状部30は、Z方向に振動することで、表面30aに接触しているユーザに対して触覚を呈示する。Z方向は回転軸O方向と平行である。表面30aは、操作面となると共に、触覚を呈示する呈示面となる。
【0025】
ユーザが板状部30に接触しない状態では、スペーサ33と回転体21の設置面21aとの間に作用する摩擦力により、スペーサ33および板状部30は回転体21と連動して回転する。ユーザは、板状部30の表面30aに手指を接触させ回転移動させることで、回転軸Oを中心として板状部30を回転させることが可能である。表面30aに対する押圧力が一定以上に大きくなると、スペーサ33と回転体21とが摺動し、板状部30は回転体21と連動せずに回転、あるいは独立して回転する。
【0026】
受電部35(
図1)はスペーサ33内に設けられる。受電部35は、スペーサ33における回転体21の設置面21aと対向する側に配置される。一方、送電部34(
図1)は、回転体21内に設けられる。送電部34は、回転体21におけるスペーサ33と対向する側に配置される。
【0027】
送電部34は、アクチュエータAC1~4を駆動するための電力を無接点で送電する。受電部35は、送電部34から送電される電力を受電する。従って、本体部201からDJ操作部202へワイヤレス給電される。このワイヤレス給電は電磁誘導の原理によって実現されるが、その方式は問わない。受電部35が受電した電力は、例えば、制御部32がアクチュエータAC1~4の動作を制御するための電力として利用される。この構成により、回転体21と板状部30との間の配線が不要となるので、設計自由度が増す。なお、板状部30とスペーサ33とは一体に形成されてもよい。
【0028】
図4は、板状部30の模式的な平面図である。本実施の形態では、アクチュエータAC1~4は、板状部30の裏面30bに配置され、表面30aには配置されていない。アクチュエータAC1~4は、回転軸Oを中心とする円周方向において等間隔に配置され、時計方向にアクチュエータAC1、AC2、AC3、AC4の順に配置される。以下、アクチュエータを総称するときはアクチュエータACと記す。
【0029】
アクチュエータACには、振動モータ、リニアバイブレータ、圧電バイブレータ、圧電アクチュエータなどを採用することができる。本実施の形態では、変形可能なフィルム状の圧電素子が採用される。例えば、薄く且つ撓みによる損傷おそれが少ない有機圧電アクチュエータとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を用いた圧電素子が採用される。これを採用することで、貼り付け先の表面形状に関わらずアクチュエータACを貼り付けることができる。例えば、貼り付け先の表面形状が曲面形状であっても対応可能となる。また、装置全体を薄く設計することに寄与する。貼り付け先の撓みによるアクチュエータ自身の破損も防ぐことができる。
【0030】
図1に示すように、記憶装置12は、楽曲の演奏音を表す音楽ファイルを記憶する。制御装置11は、音楽ファイルのうち再生の対象となる時点(以下「再生点」という)を制御する。音楽ファイルのうち再生点に対応する部分(すなわちサンプルの時系列)を表す音響信号Qが再生装置13に供給される。再生装置13は、例えばスピーカまたはヘッドホン等の放音装置に対して、制御装置11から供給される音響信号Qを供給することで音響を再生させる。
【0031】
検出機構60から出力された操作信号Zは制御部32に供給され、通信I/F36を通じて端末装置100の制御装置11へ送信される。DJ操作部202の板状部30が操作されていない状態では、制御装置11は、音楽ファイルの再生点を所定の速度で、時間の進行方向における後方に移動させる。従って、音楽ファイルが表す楽曲の再生が所定の速度で進行する。また、制御装置11は、受信した操作信号Zに応じて再生点の位置を制御する。具体的には、制御装置11は、操作信号Zが表す回転の方向に応じて再生点の移動の方向を制御し、操作信号Zが表す回転の速度に応じて再生点の移動の速度を制御する。従って、楽曲の再生の方向および速度が、板状部30に対する操作に応じて刻々と変動する。以上の説明から理解される通り、ユーザは、DJ機器200を利用して、例えばスクラッチ等のDJ操作を実演することが可能である。
【0032】
音響信号Qは、通信I/F36を通じて外部装置から取得される。一例として、音響信号Qは端末装置100から取得される。なお、本体部201に音響信号Qを送信する機能を設け、制御部32は本体部201から音響信号Qを取得してもよい。
【0033】
制御部32は、取得した音響信号Qに対応させて、電流信号である駆動信号Xを生成する。例えば、制御部32は、音響信号Qのレベルが所定の閾値を超えた場合に駆動信号Xを生成する。すなわち、制御部32は、音響信号Qを、触覚フィードバックに適切な分割振動モード(後述する)を発生させる周波数f(Hz)の駆動信号Xに変換し、駆動信号XをアクチュエータACに供給する。すると、音響信号Qに対応する振動が板状部30に生じる。板状部30に接触した状態で操作するユーザは、再生装置13による再生音を聴取するほか、当該再生音に対応した振動を触覚により感知することが可能である。
【0034】
なお、音響信号Qの周波数と駆動信号Xの周波数とは一致する必要はない。例えば、音響信号Qは、振動を励起させるタイミングとして利用し、駆動信号Xの周波数は、触覚呈示の観点から定めてもよい。従って、駆動信号Xは、音響信号に基づくものでなくてもよい。また、板状部30の固有振動数(振動モード)についても、触覚呈示の観点から定めてもよい。
【0035】
周波数fは、0<f≦500(Hz)の範囲で設定される。これは、触覚細胞の反応が活発な範囲の周波数を採用することで、振動による触覚フィードバック効果を高めるためである。なお、触覚呈示効果を一層高める観点からは、設定される周波数は、100Hzより高く300Hzより低いのが望ましい。
【0036】
次に、アクチュエータACによる板状部30の振動モードについて説明する。制御部32が生成する駆動信号Xの要素として、周波数Fxおよび極性(電気的位相)がある。板状部30がとり得る振動モードとして分割振動モードがある。ここで、分割振動モードは、振動における節または板状部30の端部により区切られる複数の分割領域のそれぞれが振動する振動モードである。板状部30の固有の分割振動モードは通常複数あり、板状部30の形状(厚みを含む)、材質等によって決まる。制御部32は、複数の固有の分割振動モードのうち1つの分割振動モードで板状部30を振動させるよう、駆動信号Xの周波数Fxおよび極性を制御する。なお、極性が可変でない構成の場合は、制御部32は、固定された極性で且つ、ある1つの分割振動モードで板状部30を振動させる周波数fでアクチュエータACを駆動してもよい。
【0037】
図5~
図7で、分割振動モードの形態例を説明する。
図5、
図6、
図7は、第1、第2、第3の分割振動モードで振動する板状部30の模式的平面図である。各図において、極性に関し、アクチュエータACのうち、斜線のものは第1位相で駆動され、白抜きのものは第1位相とは逆相の第2位相で駆動される。
【0038】
振動効率を向上させるため、制御部32は、同相で振動する分割領域に配置されたアクチュエータAC同士を同極性の信号で駆動する。また、制御部32は、逆相で振動する分割領域に配置されたアクチュエータAC同士を逆極性の信号で駆動する。なお、第1位相と第2位相とを生じさせる代わりに、アクチュエータAC1、3とアクチュエータAC2、4とに供給される駆動信号Xが互いに逆相となるように結線してもよい(以下同様)。結線方法で逆相を実現する場合は、全てのアクチュエータACに対する駆動信号Xを共通にすることができる。
【0039】
第1の分割振動モード(
図5)では、アクチュエータAC1、3が第1位相で駆動され、アクチュエータAC2、4が第2位相で駆動される。第1の分割振動モードでは、4つに区切られた分割領域DV1~4の各々が、振動方向(板状部30の平面方向に直交するZ方向)に振動する。分割領域DV1~4のそれぞれの節でない位置(ここでは腹)にアクチュエータACが配置される。振動方向に関して分割領域DV1、3は同相で振動し、分割領域DV1、3とは逆相で分割領域DV2、4が振動する。つまり、分割領域DV1、3の腹が上方(+Z方向)に凸となるタイミングで分割領域DV2、4の腹が下方(-Z方向)に凸となる。言い換えると、分割領域DV1、3と分割領域DV2、4とにおいては、+Z方向の変位と-Z方向の変位とが互い違いに発生する。
【0040】
ここで、アクチュエータACの配置位置を含む触覚呈示方法については、次のような手法が考えられる。第1の手法として、作業者は、複数の固有の分割振動モードのうち所望する1つの分割振動モードを実現する周波数fを決定し、所望する分割振動モードにおける分割領域にアクチュエータACを配置する。その際、作業者は、実験等によって分割領域と周波数fとを調査し、それらの中から所望の分割振動モードを実現する周波数fを決定する。その上で、作業者は、所望の分割振動モードの判明した分割領域の少なくとも1つにアクチュエータACを配置すればよい。そして、作業者は、所望する1つの分割振動モードを実現する上記決定した周波数fを駆動信号Xに設定し、制御部32は、この駆動信号XでアクチュエータACを駆動する。
【0041】
これを言い換えると次のようになる。制御部32は、所望する1つの分割振動モードで、アクチュエータACが配置された板状部30を振動させる周波数fでアクチュエータACを駆動する。その際、制御部32は、上記分割振動モードが、少なくとも1つの分割領域にアクチュエータACが位置する分割振動モードとなるようにアクチュエータACを駆動する。
【0042】
また、第2の手法として、作業者は、アクチュエータACの配置を決定した上で、所望する1つの分割振動モードを実現する周波数fを決定してもよい。アクチュエータACの配置を固定した状態であっても、とり得る分割振動モードは複数存在する可能性があるので、周波数fを制御することで、2種類以上の分割振動モードを選択的に実現できる。ユーザは、とり得る分割振動モードのうち所望する1つの分割振動モードを実現する周波数fで且つ、複数の分割領域のうち少なくとも1つの分割領域内にアクチュエータACが位置する周波数fを駆動信号Xに設定する。制御部32は、この駆動信号XでアクチュエータACを駆動する。
【0043】
これを言い換えると次のようになる。制御部32は、所望の分割振動モードで板状部30を振動させる周波数fで且つ、当該分割振動モードが、少なくとも1つの分割領域にアクチュエータACが位置する分割振動モードとなるように、アクチュエータACを駆動する。
【0044】
第1の分割振動モードでは、分割領域DV1、3と分割領域DV2、4とが逆相で振動する。従って、分割領域DV1、3から発生する音波の位相と分割領域DV2、4から発生する音波の位相とが逆相となるので、両音波が互いに打ち消し合う。ここで、一般に、板状部30の振動は音響にも変換されるので、何らの工夫がない場合は不必要な音響ノイズとなる。ところが、本実施の形態では、分割領域DV1、3から発生する音と分割領域DV2、4から発生する音とが打ち消し合うので、音響ノイズが抑制される。しかも、ユーザは、分割領域DV1~4のいずれに接触しても振動を知覚できるので、触覚呈示機能は維持される。
【0045】
ここで、発生する音の指向性が強いと、打ち消し合いの効果が低下する。そこで、アクチュエータACの配置および周波数fを決定する上で、指向性を考慮するのが望ましい。
【0046】
具体的には、複数の分割領域の全てにおいて、分割領域の外周上の任意の2点のうち互いの距離が最も長くなる2点間の距離L1は、設定する周波数fの音が空気中を伝播するときの波長よりも短くなるよう分割振動モードが選択される。第1の分割振動モード(
図5)では、分割領域DV3における距離L1は、板状部30の外縁上の点P1と点P2との直距離である。分割領域DV1~4のいずれについても距離L1の値は共通である。例えば、音速を340m/secとすると、200Hzの音波が空気中を伝播するときの波長は1.7mであり、500Hzの音波が空気中を伝播するときの波長は0.68mである。従って、設定する周波数fが200Hzである場合、距離L1<1.7mを満たすように分割振動モードが選択される。このような条件を満たすことで、分割領域DV1~4の各々から発生する音波の指向性が低くなるので、音の打ち消し効果を高めることができる。
【0047】
なお、2点間の距離L1が、設定する周波数fの音が空気中を伝播するときの波長よりも短くなるという設計が、複数の分割領域の全てにおいて適用されることは必須でない。すなわち、当該設計は、複数の分割領域のうち少なくとも1つの分割領域において適用されてもよい。
【0048】
次に、第2の分割振動モード(
図6)では、アクチュエータAC1、4が第1位相で駆動され、アクチュエータAC2、3が第2位相で駆動される。第2の分割振動モードでは、2つに区切られた分割領域DV1、2の各々が、振動方向に振動する。分割領域DV1、2のそれぞれの節でない位置にアクチュエータACが配置される。分割領域DV1の腹が上方(+Z方向)に凸となるタイミングで分割領域DV2の腹が下方(-Z方向)に凸となる。言い換えると、分割領域DV1と分割領域DV2とにおいては、+Z方向の変位と-Z方向の変位とが互い違いに発生する。
【0049】
第2の分割振動モードでは、分割領域DV1と分割領域DV2とが逆相で振動するので、両者から発生する音波が互いに打ち消し合う。しかも、ユーザは、分割領域DV1、2のいずれに接触しても振動を知覚できるので、触覚呈示機能は維持される。
【0050】
第2の分割振動モードにおいても、各分割領域の外周上の任意の2点のうち互いの距離が最も長くなる2点間の距離L1は、設定する周波数fの音が空気中を伝播するときの波長よりも短くなるように分割振動モードが選択される。第2の分割振動モード(
図6)では、分割領域DV1、DV2における距離L1はいずれも、板状部30の外縁上の点P3と点P4との直距離である。分割領域DV1、2の各々から発生する音波の指向性が低くなるので、音の打ち消し効果を高めることができる。
【0051】
なお、いずれの分割振動モードにおいても、音の打ち消し効果を高めて音響ノイズ抑制効果を一層高める観点からは、距離L1は、設定する周波数fの音が空気中を伝播するときの波長の半分より短いことが望ましい。
【0052】
例示した第1、第2の分割振動モードでは、配置するアクチュエータACの数は4つで、しかもいずれのアクチュエータACも板状部30の裏面30bに配置された。しかし、板状部30に配置するアクチュエータACは少なくとも1つであればよく、また、配置箇所も表面30aおよび裏面30bの少なくとも一方であってもよい。アクチュエータACの数が1つであれば、アクチュエータACの配置と周波数fとの組み合わせによって所望の分割振動モードを実現できる。
【0053】
一方、アクチュエータACの数が2以上であれば、アクチュエータACの配置に加えて、周波数fと極性との組み合わせによって所望の分割振動モードを実現できる。例えば、2つ以上の分割領域のそれぞれにアクチュエータACが位置するような分割振動モードで板状部30を振動させるよう、駆動信号Xの周波数および極性(電気的位相)が制御される。アクチュエータACの配置態様が同じであっても、極性の制御を異ならせると、生じる分割振動モードが変わるからである。
【0054】
図7では、板状部30にアクチュエータACを1つだけ配置した場合が例示されている。この例は、
図5に示した例に対し、アクチュエータAC1だけを残しアクチュエータAC2~4を廃止したものに相当する。第3の分割振動モード(
図7)は、4分割で振動するので、実質的に第1の分割振動モード(
図5)と同等である。
【0055】
第3の分割振動モード(
図7)では、振動方向に関して分割領域DV1、3は同相で振動し、分割領域DV1、3とは逆相で分割領域DV2、4が振動する。第3の分割振動モードでは、分割領域DV1、3と分割領域DV2、4とが逆相で振動するので、両者から発生する音波が互いに打ち消し合う。しかも、ユーザは、分割領域DV1~4のいずれに接触しても振動を知覚できるので、触覚呈示機能は維持される。距離L1は、点P5と点P6との直距離であり、
図5に示す例と同様である。
【0056】
図8は、板状部30の表面30aおよび裏面30bにアクチュエータACを配置した板状部30の模式図である。この例では、
図5に示す例に対して、アクチュエータAC1~4と同様の4つのアクチュエータACを、表面30aにも配置している。
【0057】
このように、共通の分割領域DVにおける表面30aおよび裏面30bの両面に一対のアクチュエータACを配置した場合は、一対の(双方の)アクチュエータACが、共通の分割領域DVを同相で振動させるよう駆動する必要がある。そのために、一対のアクチュエータACに供給する駆動信号Xが互いに逆相となるように結線するか、または、一対のアクチュエータACに供給する駆動信号Xの電気的位相を互いに逆相とすればよい。
【0058】
なお、分割領域DVの両面に一対のアクチュエータACを配置することで、振動効率が向上し、触覚呈示効果が高まる。一方、アクチュエータACを触覚呈示面となる表面30aに配置せず、表面30aとは異なる面である裏面30bに配置すれば、触覚呈示面の設計の自由度が高まる。
【0059】
本実施の形態によれば、制御部32は、振動することでユーザに触覚を呈示する板状部30の複数の固有の分割振動モードのうち、1つの分割振動モードで板状部30を振動させる周波数fでアクチュエータACを駆動する。上記1つの分割振動モードにおける複数の分割領域のうち少なくとも1つの分割領域内にアクチュエータACが位置する。よって、逆相で振動する分割領域から発生する音同士が打ち消しあうので、触覚呈示のための振動に起因する音響ノイズが抑制される。また、従来のような、音をキャンセルするための構成を専用に設ける必要がないので構成が簡単である。よって、構成の複雑化を回避しつつ、触覚呈示のための振動に起因する音響を抑制することができる。
【0060】
また、複数の分割領域の全てにおいて、分割領域の外周上の任意の2点のうち互いの距離が最も長くなる2点間の距離L1は、ある1つの分割振動モードで板状部30を振動させる周波数fの音が空気中を伝播するときの波長よりも短い。従って、各分割領域から発生する音の指向性が低下し、音の打ち消し効果が高まるので、一層、音響を抑制することができる。
【0061】
さらに、アクチュエータACは振動対象である板状部30に設けられ、本体部201にアクチュエータACを設ける必要がないので、DJ機器200全体を薄型化できる。
【0062】
また、アクチュエータACは板状部30に直接貼ることで実装されるので、本体部201で発生させた振動を間接的に板状部30に伝える構成に比べて効率のよい振動を生じさせることができる。
【0063】
また、アクチュエータACが2つ以上設けられた場合、分割領域のそれぞれにアクチュエータが位置する分割振動モードで板状部30を振動させるよう、駆動信号Xの周波数および極性(電気的位相)が制御してもよい。この場合、アクチュエータACの配置に応じた適切な制御により所望の分割振動モードを実現することができる。
【0064】
また、同相で振動する分割領域に配置されたアクチュエータAC同士は同極性の信号で駆動され、逆相で振動する分割領域に配置されたアクチュエータAC同士は逆極性の信号で駆動される。従って、振動効率を向上させることができる。
【0065】
また、板状部30は、スペーサ33を介して回転体21の設置面21aと接するので、板状部30を適切に振動させることができる。
【0066】
また、板状部30は、スペーサ33を介して回転体21から回転力を受けると共に、ユーザ操作によって回転体21とは連動せずに回転するので、ユーザ操作(例えば、DJ操作)によって板状部30を自由に回転させることができる。
【0067】
また、回転体21には、板状部30と対向する側に送電部34が設けられ、板状部30には、回転体21の設置面21aと対向する側に、送電部34から送電される電力を受電する受電部35が設けられる。従って、回転体21と板状部30との間の配線が不要となるので、設計自由度が増す。
【0068】
また、設定される周波数fは、0Hzより高く500Hzより低いので、触覚細胞の反応が活発な周波数を採用することにより触覚呈示効果を高めることができる。周波数fを100Hz~300Hzの範囲で設定すれば触覚呈示効果を一層高めることができる。
【0069】
また、アクチュエータACに、変形可能なフィルム状の圧電素子を採用することで、本発明を適用可能な機器の範囲を広げることができる。
【0070】
なお、分割領域の形状は、板状部30の形状や分割振動モードによって定まり、例示したものに限定されない。また、距離L1は分割領域の形状によって異なる。例えば、分割領域が円形であれば距離L1は直径となり、楕円形であれば長軸の長さ(長径)となる。
【0071】
なお、絶縁を目的として、板状部30の表面30aおよび裏面30bをアクチュエータACごと覆うような保護層を設けてもよい。特に、触覚呈示面となる表面30aにアクチュエータACを配置した場合に、フィルム状の保護層を設けることで、ユーザの指などがアクチュエータACに引っかかることがなくなり、操作感が向上する。
【0072】
なお、本実施の形態では、振動する対象は板状部30としたが、触覚を呈示する部分を有すれば形状は問わない。また、
図9に示す変形例のように、アクチュエータACが配置される箇所は平坦面でなくてもよく、曲面であってもよい。
【0073】
図9は、他の触覚呈示装置の模式的な斜視図である。この触覚呈示装置50は、一例として家電であり、タッチパネル51を備える。タッチパネル51は湾曲している。タッチパネル51の内部に、板状部30に相当する湾曲した振動板52が配置されると共に、振動板52の分割領域に1つ以上のアクチュエータACが配置される。制御部32は、ある分割振動モードで振動板52を振動させる周波数fでアクチュエータACを駆動する。アクチュエータACによって振動板52が励振されると、その振動がタッチパネル51に伝わる。タッチパネル51の表面が、ユーザに触覚を呈示する触覚呈示面となる。この例でも、駆動信号Xは、音響信号に基づくものでなくてもよい。
【0074】
なお、音響ノイズをあまり発生させない触覚フィードバック機能をアコースティック楽器に適用してもよい。例えば、ギターの胴に板状部30およびその周辺と同様の構成を採用し、クリック音を触覚で提示するようにしてもよい。
【0075】
なお、
図2に示したDJ機器200においても、タッチパネルを板状部30の表面30aに設けてもよい。
【0076】
なお、本発明を適用する装置は触覚呈示機能を備える装置であればよく、音を発生させる装置に限定されない。従って、各種の電子装置に本発明を適用可能である。
【0077】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
30 板状部、 32 制御部、 AC アクチュエータ