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特開2023-44231モノリス基材及びモノリス基材を備える排ガス浄化触媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044231
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】モノリス基材及びモノリス基材を備える排ガス浄化触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/63 20060101AFI20230323BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20230323BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
B01J23/63 A
B01J35/04 301P
B01D53/94 222
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 280
B01D53/94 245
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152149
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 健
(72)【発明者】
【氏名】垣花 大
(72)【発明者】
【氏名】砂田 智章
(72)【発明者】
【氏名】後藤 真之助
(72)【発明者】
【氏名】植村 公一
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄也
(72)【発明者】
【氏名】今村 豪
(72)【発明者】
【氏名】板倉 佑太
【テーマコード(参考)】
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
4D148AA06
4D148AA13
4D148AA18
4D148AB01
4D148AB02
4D148AB09
4D148BA03X
4D148BA08X
4D148BA18X
4D148BA19X
4D148BA31X
4D148BA33X
4D148BB01
4D148BB02
4G169AA01
4G169AA03
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA05A
4G169BA05B
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC40B
4G169BC42B
4G169BC43A
4G169BC43B
4G169BC51A
4G169BC51B
4G169BC71B
4G169BC72B
4G169CA03
4G169CA09
4G169EB12Y
4G169EC02X
4G169EC02Y
4G169EC03X
4G169FC08
(57)【要約】
【課題】暖機性能及び低温活性を向上させるための排ガス浄化触媒用モノリス基材、及び当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒を提供する。
【解決手段】本発明は、セリア成分を含有し、BET法により測定される比表面積が38m/g以上である、ハニカム状のモノリス基材及び当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セリア成分を含有し、BET法により測定される比表面積が38m/g以上である、ハニカム状のモノリス基材。
【請求項2】
セリア成分の含有量が、モノリス基材全重量に対して6重量%以上13重量%未満である、請求項1に記載のモノリス基材。
【請求項3】
セリア成分としてアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物を含む、請求項1又は2に記載のモノリス基材。
【請求項4】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の含有量が、モノリス基材全重量に対して40重量%~60重量%である、請求項3に記載のモノリス基材。
【請求項5】
アルミナの粒子をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のモノリス基材。
【請求項6】
アルミナの粒子の含有量が、モノリス基材全重量に対して28重量%~32重量%である、請求項5に記載のモノリス基材。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のモノリス基材と、貴金属粒子とを含む排ガス浄化触媒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノリス基材及び当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、未燃の炭化水素(HC)などの有害ガスが含まれている。そのような有害ガスを分解する排ガス浄化触媒は三元触媒とも称され、コージェライトなどからなるハニカム状のモノリス基材に触媒活性を有する貴金属粒子を含むスラリーをウォッシュコートして触媒層を設けたものが一般的である。そのような触媒の性能を向上させるための試みはこれまで種々行われてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、担体の表面に触媒成分を直接担持してなる触媒体であって、前記担体内の元素及び細孔のうちの少なくとも一方に対して前記触媒成分が直接担持されており、かつ密度汎関数法を用いたシミュレーションによる前記担体内の元素又は細孔と前記触媒成分の担持強度が5eVより大きいことを特徴とする触媒体が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ハニカム基材に触媒担体と触媒成分が担持されてなる排気ガス浄化用触媒であって、前記触媒担体と前記触媒成分のそれぞれ少なくとも90重量%が、前記ハニカム基材のセル壁の気孔内に配置されたことを特徴とする流通式の排気ガス浄化用触媒が記載されている。
【0005】
特許文献3には、基材セラミック表面に触媒成分を直接担持可能なセラミック担体に、主触媒成分及び助触媒成分を担持してなるセラミック触媒体であって、前記基材セラミックが多数の気孔を有する構造であり、これら気孔の内表面を含む前記基材セラミック表面に、前記主触媒成分及び前記助触媒成分が直接担持されていることを特徴とするセラミック触媒体が記載されている。
【0006】
特許文献4には、セリア-ジルコニア複合酸化物粒子とθ相のアルミナ粒子とを含み、セリア-ジルコニア複合酸化物粒子の含有量が全体重量に対して25重量%以上であるモノリス基材に貴金属粒子が担持された排ガス浄化触媒が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-236381号公報
【特許文献2】特開2003-170043号公報
【特許文献3】特開2004-066069号公報
【特許文献4】特開2015-085241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1~4に記載されるような、ハニカム状のモノリス基材に貴金属粒子(場合により、貴金属粒子は担体に担持されている)を担持させた排ガス浄化触媒は、圧力損失を低く維持することができるものの、暖機性能及び低温での排ガス浄化性能(「低温活性」ともいう)には改善の余地があった。
【0009】
以上の観点から、本発明は、暖機性能及び低温活性を向上させるための排ガス浄化触媒用モノリス基材、及び当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記したような問題を検討した結果、モノリス基材として、セリア成分を含有し、BET比表面積が一定の値以上であるハニカム状のモノリス基材を用いることにより、前記課題を解決したモノリス基材及び当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒が提供可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)セリア成分を含有し、BET法により測定される比表面積が38m/g以上である、ハニカム状のモノリス基材。
(2)セリア成分の含有量が、モノリス基材全重量に対して6重量%以上13重量%未満である、(1)に記載のモノリス基材。
(3)セリア成分としてアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物を含む、(1)又は(2)に記載のモノリス基材。
(4)アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の含有量が、モノリス基材全重量に対して40重量%~60重量%である、(3)に記載のモノリス基材。
(5)アルミナの粒子をさらに含む、(1)~(4)のいずれか1つに記載のモノリス基材。
(6)アルミナの粒子の含有量が、モノリス基材全重量に対して28重量%~32重量%である、(5)に記載のモノリス基材。
(7)(1)~(6)のいずれか1つに記載のモノリス基材と、貴金属粒子とを含む排ガス浄化触媒。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、暖機性能及び低温活性を向上するための排ガス浄化触媒用モノリス基材、及び当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1及び比較例1~3の排ガス浄化触媒のAl粒子の比率とBET比表面積の関係を示すグラフである。
図2】実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒のBET比表面積と低温活性HC-T10の関係を示すグラフである。
図3】実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒のBET比表面積と暖機性能WU-T50(HC)の関係を示すグラフである。
図4】実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒の低温活性HC-T10と暖機性能WU-T50(HC)の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明のモノリス基材及び当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者がおこない得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
【0015】
本発明は、セリア成分を含有し、BET法により測定される比表面積が一定の値以上である、ハニカム状のモノリス基材及び当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒に関する。
【0016】
ここで、ハニカム状のモノリス基材は、例えば、公知のハニカム形状を有するモノリス基材(例えば、ハニカム構造体、ハニカムフィルタ、高密度ハニカムなど)である。
【0017】
ハニカム状のモノリス基材の大きさ及び容量は、限定されず、当該技術分野において公知の大きさ及び容量であってよい。
【0018】
本発明のモノリス基材のBET法により測定される比表面積(「BET比表面積」又は単に「比表面積」ともいう)は、38m/g以上、好ましくは39m/g以上である。本発明のモノリス基材のBET比表面積の上限値は、限定されないが、通常44m/g、好ましくは42m/gである。
【0019】
本発明のモノリス基材の比表面積を測定するためのBET法は、当該技術分野において公知であり、窒素を固体粒子に吸着させ、吸着した窒素分子の量から固体粒子の比表面積を測定する気体吸着法である。
【0020】
例えば、本発明のモノリス基材のBET比表面積は以下のように測定される。まず、試料をるつぼに入れる。試料はモノリス基材とし、試料の大きさは2mm×2mm×27mmの直方体とする。試料を入れたるつぼを540℃に保持してある電気炉の中に入れ、1時間乾燥させる。乾燥後、るつぼを電気炉から取り出し、予めシリカゲルなどの乾燥剤を入れておいたデシケータ内に入れて冷却する。冷却後、るつぼから試料を取り出し、BET法による比表面積測定装置、例えばマイクロメリティックス社製トライスターIIにより比表面積を測定する。
【0021】
本発明のモノリス基材が前記範囲のBET比表面積を有することで、排ガスと当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒との接触面積を確保することができ、排ガス浄化触媒の暖機性能及び低温活性を向上することができる。
【0022】
本発明のモノリス基材は、セリア成分を含有する。
【0023】
本発明のモノリス基材に含有されるセリア成分は、酸素吸放出性能(OSC)を確保するための成分である。
【0024】
セリア成分の含有量は、モノリス基材全重量に対して、通常6重量%以上13重量%未満、好ましくは8重量%以上13重量%未満である。
【0025】
セリア成分の含有量が前記範囲になることで、当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒の十分なOSCを確保することができる。
【0026】
本発明のモノリス基材は、セリア成分としてアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物を含むことが好ましい。
【0027】
自動車などの内燃機関では、空気と燃料との混合の比率である空燃比(A/F)は、運転状況に応じて変動し得る。例えば、自動車は、燃費を向上させ、有害ガスを少なくしたいときには、空気の比率を大きくした空燃比、すなわちリーンの状態において運転され、大きな出力を必要とするとき、例えば発進時や加速時には、燃料の比率を大きくした空燃比、すなわちリッチの状態で運転される。
【0028】
このように空燃比が変動する内燃機関では、そこから排出される排ガスの組成もまた変動し得る。したがって、組成が変動し得る排ガスであっても、十分に浄化することができる排ガス浄化触媒が望まれる。
【0029】
モノリス基材が、酸素吸放出速度が速い、特にセリア-ジルコニア複合酸化物と比較して酸素吸放出速度が速いアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物を含むことで、モノリス基材は、空燃比が変動する条件(A/F過渡条件)、特に空燃比が小さい変動幅で変動する条件、すなわち排ガスの濃度変化が小さい条件であっても、酸素吸放出を迅速に行って酸素濃度を一定に保つことができ、したがって、当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒は、高いストイキ保持能力を有し、高い排ガス浄化性能、特に向上したHCに対する暖機性能及び低温活性を有することができる。
【0030】
さらに、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物は、耐熱性が高い。したがって、モノリス基材が、耐熱性が高い、特にセリア-ジルコニア複合酸化物と比較して耐熱性が高いアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物を含むことで、それを含むモノリス基材、さらには当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒は、BET比表面積を高いまま維持することができる。
【0031】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物は、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の粒子からなる。
【0032】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物では、アルミナ中にセリア及びジルコニアが分散しており、セリア及びジルコニアの一部は、セリア-ジルコニア固溶体を形成している。アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物は、その構造を透過電子顕微鏡(TEM)等で観察可能である。なお、セリア及びジルコニアがセリア-ジルコニア固溶体を形成していることは、例えばX線回折(XRD)により確認することができる。
【0033】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の組成は、モル比で、通常Ce:Zr=1:5~3:1であり、通常Al:(Ce+Zr)=1:1~1:10である。さらに、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物は、セリアを通常15重量%以上、好ましくは20重量%以上の量で含み、さらに通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下の量で含む。なお、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の組成は、モノリス基材製造時の材料としてのアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の組成に依存する。
【0034】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の組成を前記範囲にすることで、アルミナによる粒子成長の抑制(耐熱性向上、比表面積の確保)、セリアによる酸素吸放出性能(OSC)の確保、ジルコニアによるセリアの安定化作用の確保の効果を十分に得ることができる。
【0035】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物は、セリウム以外の希土類元素から選択される1種以上の元素をさらに含んでいてもよい。希土類元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などが挙げられる。希土類元素としては、Y及びLaが好ましい。希土類元素の含有量は、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物全重量に対して、酸化物として、通常1重量%~20重量%である。
【0036】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物が希土類元素を含むことで、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の耐熱性を向上させたり、OSCを向上させたりすることができる。
【0037】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の含有量は、モノリス基材全重量に対して、通常40重量%~60重量%、好ましくは40重量%~50重量%である。なお、本発明のモノリス基材に含まれるアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の含有量は、モノリス基材製造時の材料としてのアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の添加量に依存する。
【0038】
モノリス基材におけるアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の含有量が前記範囲になることで、モノリス基材は、比表面積を維持しつつ、さらに、空燃比が変動する条件、特に空燃比が小さい変動幅で変動する条件、すなわち、排ガスの濃度変化が小さい条件であっても、酸素吸放出を迅速に行って酸素濃度を一定に保つことができ、したがって、当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒は、より高いストイキ保持能力を有し、より高い排ガス浄化性能、特に向上したHCに対する暖機性能及び低温活性を有することができる。
【0039】
本発明のモノリス基材は、セリア成分としてセリア-ジルコニア複合酸化物をさらに含んでもよい。
【0040】
セリア-ジルコニア複合酸化物は、セリア-ジルコニア複合酸化物の粒子からなる。
【0041】
モノリス基材がセリア-ジルコニア複合酸化物を含むことで、十分なOSCを確保することができる。
【0042】
セリア-ジルコニア複合酸化物は、セリアを通常15重量%以上、好ましくは20重量%以上の量で含み、さらに通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下の量で含む。また、セリア-ジルコニア複合酸化物は、ジルコニアを通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下の量で含む。そのようなセリア-ジルコニア複合酸化物は熱容量が小さいため、モノリス基材の温度を上昇しやすくし、以って触媒の暖機性能を向上させることができる。なお、本発明のモノリス基材に含まれるセリア-ジルコニア複合酸化物の組成は、モノリス基材製造時の材料としてのセリア-ジルコニア複合酸化物の組成に依存する。
【0043】
セリア-ジルコニア複合酸化物は、セリウム以外の希土類元素から選択される1種以上の元素をさらに含んでいてもよい。希土類元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などが挙げられる。希土類元素としては、Y及びLaが好ましい。希土類元素の含有量は、セリア-ジルコニア複合酸化物全重量に対して、酸化物として、通常5重量%~25重量%である。
【0044】
セリア-ジルコニア複合酸化物が希土類元素を含むことにより、セリア-ジルコニア複合酸化物の耐熱性を向上させたり、OSCを向上させたりすることができる。
【0045】
セリア-ジルコニア複合酸化物の含有量は、存在する場合、モノリス基材全重量に対して、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。なお、セリア-ジルコニア複合酸化物の含有量の下限値は、本発明のモノリス基材がセリア-ジルコニア複合酸化物を含まなくてもよいため限定されない。なお、本発明のモノリス基材に含まれるセリア-ジルコニア複合酸化物の含有量は、モノリス基材製造時の材料としてのセリア-ジルコニア複合酸化物の添加量に依存する。
【0046】
セリア-ジルコニア複合酸化物の含有量が前記範囲になることで、モノリス基材は、比表面積を維持しつつ、空燃比が変動する条件、特に空燃比が小さい変動幅で変動する条件、すなわち、排ガスの濃度変化が小さい条件であっても、酸素吸放出を迅速に行って酸素濃度を一定に保つことができ、したがって、モノリス基材に貴金属粒子を担持させることで製造された排ガス浄化触媒は、より高いストイキ保持能力を有し、より高い排ガス浄化性能、特に向上したHCに対する暖機性能及び低温活性を有することができる。
【0047】
本発明のモノリス基材は、アルミナをさらに含んでもよい。
【0048】
ここで、本発明のモノリス基材に含まれ得るアルミナは、アルミナの粒子を含む。
【0049】
モノリス基材がアルミナの粒子を含むことで、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物よりも耐熱性が高いアルミナの粒子が貴金属の担持場としての機能を果たし、当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒の耐久性を向上させ、当該排ガス浄化触媒の比表面積低下の抑制、すなわち当該排ガス浄化触媒の比表面積を維持することができる。
【0050】
アルミナの粒子の含有量は、モノリス基材全重量に対して、通常28重量%~32重量%、好ましくは29重量%~31重量%である。なお、本発明のモノリス基材に含まれるアルミナの粒子の含有量は、モノリス基材製造時の材料としてのアルミナの粒子の添加量に依存する。
【0051】
モノリス基材におけるアルミナの粒子の含有量が前記範囲になることで、前記に示すように、アルミナの粒子が貴金属の担持場を確保することで十分な耐久性が得られ、当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒の比表面積低下の抑制、すなわち当該排ガス浄化触媒の比表面積を維持することができる。
【0052】
アルミナは、アルミナの粒子の他に、モノリス基材製造時に添加され得るアルミナバインダー及び/又はアルミナ-ファイバー由来のアルミナのアモルファス(無定形物)及び/又は繊維を含んでもよい。
【0053】
モノリス基材がアルミナのアモルファス及び/又は繊維を含むことで、アルミナが酸化物粒子同士の結合剤及び/又はモノリス基材のモノリス構造の補強材としての役割を果たし、排ガス浄化触媒の物理的安定性を向上させることができる。
【0054】
アルミナバインダー及び/又はアルミナファイバーの含有量は、モノリス基材全重量に対して、通常10重量%~35重量%、好ましくは15重量%~30重量%である。なお、本発明のモノリス基材に含まれるアルミナの粒子の含有量は、モノリス基材製造時の材料としてのアルミナバインダー及びアルミナ-ファイバーの添加量に依存する。
【0055】
モノリス基材におけるアルミナバインダー及び/又はアルミナファイバーの含有量が前記範囲になることで、前記に示すように、当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒の十分な物理的安定性を確保できる。
【0056】
したがって、モノリス基材におけるアルミナの含有量(アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物中のアルミナを含む)は、モノリス基材全重量に対して、通常67重量%以上、好ましくは67重量%~80重量%である。なお、本発明のモノリス基材に含まれるアルミナの含有量は、モノリス基材製造時の材料としてのアルミナの粒子、アルミナバインダー及びアルミナ-ファイバーの添加量に依存する。
【0057】
モノリス基材におけるアルミナの含有量が前記範囲になることで、前記に示すように、当該モノリス基材を備える排ガス浄化触媒の十分な耐熱性及び耐久性を確保し、さらに比表面積の低下を抑制できる。
【0058】
本発明のモノリス基材は、材料としてセリアを含む材料を使用し、焼成条件における焼成温度及び焼成時間等を調整することによりBET比表面積を前記範囲に調整する点は異なるものの、従来のコージェライト基材と同様の手順により製造することができる。
【0059】
例えば、本発明のモノリス基材は、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の粒子とアルミナの粒子との混合物に溶媒としての水とバインダー、例えばアルミナバインダー及び/又はアルミナファイバーを加え、混錬した後に押し出し機などにより成形し、例えば、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機などを用いて乾燥後、例えば通常900℃~1200℃で通常1時間~24時間焼成することにより製造することができる。
【0060】
本発明のモノリス基材の製造に使用する材料において、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物としては、当該技術分野において公知のもの、例えば、特開平10-202102号公報、特開2001-232199号公報に記載されているものであってよい。
【0061】
例えば、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物は、アルコキシド法又は共沈法によって調製することができる。アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物をアルコキシド法又は共沈法で調製することにより、均一で微細な一次粒子からなる複合酸化物を調製することができ、かつセリア-ジルコニア固溶体を含む複合酸化物を容易に調製することができる。
【0062】
アルコキシド法では、例えばアルミニウム、セリウム、ジルコニウム、及び場合により希土類元素のすべての金属アルコキシドを混合し、加水分解後に焼成することによりアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物を調製することができる。またアルミニウム、セリウム、ジルコニウム、及び場合により希土類元素の全部を金属アルコキシドとして用いなくても、その少なくとも一種を金属アルコキシドとして用いれば、残りの金属は硝酸塩やアセチルアセテート塩などの溶液として用いることもできる。
【0063】
この金属アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、ブトキシドなどのいずれでもよいが、溶媒であるアルコールに対する溶解度が高いものが好ましい。なお、溶媒であるアルコールに関しても任意のものを使用できる。
【0064】
共沈法では、例えばアルミニウム、セリウム、ジルコニウム、及び場合により希土類元素のすべての金属の硝酸塩などの水溶性の塩を混合し、アンモニア水などで水酸化物として共沈させ、それを焼成することによりアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物を調製することができる。またアルミニウム、セリウム、ジルコニウム、及び場合により希土類元素の全部を水溶性の塩として用いずとも、その少なくとも一種を水溶性の塩として用いれば、残りの金属を金属粉末又は酸化物粉末などの固体として用いることもできる。
【0065】
このようにして得られたアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物は、予め通常500℃~900℃で熱処理することが好ましい。アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物を予め熱処理することにより、粒子の過度の結晶成長を抑えつつ、耐久後のOSCの低下を一層抑制することができる。
【0066】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物におけるセリア-ジルコニア複合酸化物の結晶子は、微細であることが好ましく、その結晶子径は、通常30nm以下、好ましくは5nm~20nmである。なお、セリア-ジルコニア複合酸化物の結晶子径は、例えば、XRDの半価幅で測定することができる。
【0067】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物におけるセリア-ジルコニア複合酸化物の結晶子径を前記範囲にすることで、セリアによるOSCの確保の効果を十分に得ることができる。
【0068】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物のBET比表面積は、通常50m/g以上、好ましくは60m/g~80m/gである。
【0069】
アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物のBET比表面積を前記範囲にすることで、セリアによるOSCの確保の効果を十分に得ることができる。
【0070】
なお、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物は、前記のとおり、セリア-ジルコニア複合酸化物と比較して、モノリス基材の焼成温度のような高い温度の環境下でも、粒子(結晶)成長しにくく、耐熱性が高い。したがって、製造後のモノリス基材のアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の粒子は、モノリス基材の製造時における焼成による粒子(結晶)成長を考慮したとしても、モノリス基材の材料として使用されたアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の粒子の粒径と同等から少し大きい粒径を有する。したがって、このようにして得られた本発明のモノリス基材に含まれるアルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物の粒子は、製造後であっても小さな粒径、すなわち大きな比表面積を有し、高いOSCを有することができる。
【0071】
本発明のモノリス基材の製造に使用する材料において、アルミナとしては、アルミナの粒子、アルミナバインダー、アルミナファイバーなどを使用することができる。
【0072】
アルミナの粒子は、当該技術分野において一般に触媒担体として市販されているものを使用することができる。
【0073】
アルミナとしてアルミナの粒子を使用することで、アルミナ-セリア-ジルコニア複合酸化物よりも耐熱性が高いアルミナの粒子が、貴金属の担持場としての機能を果たし、触媒の耐久性を向上させることができる。
【0074】
アルミナの粒子は、限定されないが、α相のアルミナ粒子、θ相のアルミナ粒子、δ相のアルミナ粒子などを含む。アルミナの粒子は、θ相のアルミナ粒子やδ相のアルミナ粒子が好ましい。なお、アルミナの粒子の結晶構造は、例えば粉末X線回折(XRD)により確認することができる。
【0075】
アルミナの粒子が一般に表面積が高いθ相のアルミナ粒子やδ相のアルミナ粒子であることで、本発明のモノリス基材に配合された後でも表面積を高く維持することができ、貴金属の劣化を抑制することができる。
【0076】
アルミナの粒子のBET比表面積は、通常60m/g~150m/g、好ましくは80m/g~120m/gである。
【0077】
アルミナの粒子のBET比表面積を前記範囲にすることで、アルミナの粒子が金属の担持場としての機能を果たし、触媒の耐久性を向上させることができる。
【0078】
アルミナバインダー及びアルミナファイバーは、当該技術分野において一般に市販されているものを使用することができる。
【0079】
アルミナとしてアルミナバインダーを使用することで、アルミナバインダーが酸化物粒子同士の結合剤としての役割を果たし、モノリス基材の物理的安定性を向上させることができる。さらに、アルミナとしてアルミナファイバーを使用することで、アルミナファイバーがモノリス基材のモノリス構造の補強材としての役割を果たし、モノリス基材の物理的安定性を向上させることができる。
【0080】
本発明のモノリス基材の製造に使用し得る材料において、セリア-ジルコニア複合酸化物は、従来排ガス浄化触媒において助触媒(酸素貯蔵材)として用いられている材料であり、その詳細は当業者には公知である。セリア-ジルコニア複合酸化物は、好ましくはセリアとジルコニアが固溶体を形成している。セリア-ジルコニア複合酸化物は、アルコキシド法又は共沈法で調製することができ、共沈法であれば、例えばセリウム塩(硝酸セリウムなど)とジルコニウム塩(オキシ硝酸ジルコニウムなど)を溶解させた水溶液に、アンモニア水を加えて共沈殿を生成させ、得られた沈殿物を乾燥させた後に通常400℃~500℃で通常5時間程度焼成することにより調製することができる。
【0081】
本発明のモノリス基材を備える排ガス浄化触媒は、本発明のモノリス基材に貴金属粒子が担持されている構造を有する。貴金属粒子は、好ましくは白金族金属、特にPt、Rh及びPdから選択される1種以上の金属である。貴金属粒子の含有量は、限定されないが、排ガス浄化触媒1Lに対して、各金属として、通常0.1g~2.0g、好ましくは0.3g~1.5gである。貴金属粒子のモノリス基材への担持は、従来のように助触媒(酸素貯蔵材)や担体、バインダーなどと共に混合してスラリーを調製し、それをモノリス基材にウォッシュコートすることにより行ってもよいが、本発明のモノリス基材はそれ自体が助触媒や担体の機能を有するため、貴金属粒子を直接担持させても高い浄化性能が期待できる。特にCold-HC低減には三元触媒の低熱容量化が効果的であるため、ウォッシュコートをなくすことにより触媒を低熱容量化することができ、より高いHC浄化性能が望める。なお、貴金属は、硝酸パラジウムや塩化ロジウムなどの一般的な試薬を用いて担持することができる。
【0082】
本発明の排ガス浄化触媒は、空燃比が変動する条件、特に空燃比が小さい変動幅で変動する条件、例えば空燃比が14.6±0.2(14.4~14.8)の間で変動する条件であっても、排ガス浄化触媒に含まれるモノリス基材が酸素吸放出を迅速に行って酸素濃度を一定に保つため、より高いストイキ保持能力を有し、より高い排ガス浄化性能、特にHCの浄化性能を有することができる。
【実施例0083】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0084】
1.三元触媒の作製
表1に示した組成を有するAl-CeO-ZrO複合酸化物粒子(ACZ)及びCeO-ZrO複合酸化物粒子(CZ)を用いて、表2に示した仕様に従って比較例1~6及び実施例1の排ガス浄化触媒を作製した。
【0085】
比較例1~6の排ガス浄化触媒は、Al-CeO-ZrO複合酸化物粒子とCeO-ZrO複合酸化物粒子とAl粒子とAlバインダーとしてのベーマイトとAlファイバーとを用いて、1150℃で焼成することで製造されたモノリス基材を用いて作製した。なお、このモノリス基材は自らが貴金属粒子(触媒)担体機能及び助触媒機能を有すると考えられるため、ウォッシュコートは行わず、所定量の貴金属を直接基材に担持させた。具体的には、硝酸パラジウムと塩化ロジウムを必要量分散させた水溶液中に基材を浸漬させて一定時間放置することにより基材上に貴金属を担持させた。比較例1~6の排ガス浄化触媒の基材容量は0.9Lとした。
【0086】
実施例1の排ガス浄化触媒は、Al-CeO-ZrO複合酸化物粒子とAl粒子とAlバインダーとしてのベーマイトとAlファイバーとを用いて、1150℃で焼成することで製造されたモノリス基材を用いて作製した。なお、このモノリス基材は自らが触媒担体機能及び助触媒機能を有すると考えられるため、ウォッシュコートは行わず、所定量の貴金属を直接基材に担持させた。具体的には、硝酸パラジウムと塩化ロジウムを必要量分散させた水溶液中に基材を浸漬させて一定時間放置することにより基材上に貴金属を担持させた。実施例1の排ガス浄化触媒の基材容量はいずれも0.9Lとした。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
2.BET比表面積測定
実施例1及び比較例1~6のモノリス基材のBET比表面積は以下のように測定した。まず、試料をるつぼに入れた。試料の大きさは2mm×2mm×27mmの直方体であった。試料を入れたるつぼを540℃に保持してある電気炉の中に入れ、1時間乾燥させた。乾燥後、るつぼを電気炉から取り出し、予めシリカゲルなどの乾燥剤を入れておいたデシケータ内に入れて冷却した。冷却後、るつぼから試料を取り出し、BET法による比表面積測定装置(マイクロメリティックス社製トライスターII)により比表面積を測定した。
【0090】
3.暖機性能評価
直列4気筒2.5Lエンジンに、実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒をセットし、入りガス温度550℃でリッチ(空燃比:14.4)条件下で、HC浄化率が50%になるまでの時間(暖機性能時間)を測定した。各排ガス浄化触媒の暖機性能時間を、参照触媒(一般的に使用される排ガス浄化触媒であって、ハニカム状のコージェライト製モノリス基材の壁面上に触媒コート層が成膜されている排ガス浄化触媒)の暖機性能時間と比較し、差分を暖機性能(WU-T50(HC))とした。
【0091】
4.低温活性評価
直列4気筒2.5Lエンジンに、実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒をセットし、低温から徐々に温度を上げていき、HC浄化率が10%になる排ガス浄化触媒の温度(低温活性温度)を測定した。各排ガス浄化触媒の低温活性温度を、参照触媒(一般的に使用される排ガス浄化触媒であって、ハニカム状のコージェライト製モノリス基材の壁面上に触媒コート層が成膜されている排ガス浄化触媒)の低温活性温度と比較し、差分を低温活性(℃)(HC-T10)とした。
【0092】
5.評価結果
表3に実施例1及び比較例1~3の排ガス浄化触媒の比表面積の結果を示す。
【0093】
【表3】
【0094】
図1に、実施例1及び比較例1~3の排ガス浄化触媒のAl粒子の比率と比表面積の関係を示す。表3及び図1より、実施例1の排ガス浄化触媒と比較例1の排ガス浄化触媒とを比較すると、実施例1の排ガス浄化触媒の方が高い比表面積を有することがわかった。これは、実施例1の排ガス浄化触媒の方が、CZよりも耐熱性が高いACZの比率が高いためである。さらに、ACZの比率が同じである実施例1の排ガス浄化触媒と比較例2及び3の排ガス浄化触媒とを比較すると、ACZ、CZ及びAlの中で耐熱性が最も高いAl粒子の比率を上げることにより比表面積が高くなることがわかった。
【0095】
続いて、表4に実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒の比表面積、低温活性及び暖機性能の結果を示す。
【0096】
【表4】
【0097】
図2に、実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒のBET比表面積と低温活性HC-T10の関係を示し、図3に、実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒のBET比表面積と暖機性能WU-T50(HC)の関係を示し、図4に、実施例1及び比較例4~6の排ガス浄化触媒の低温活性HC-T10と暖機性能WU-T50(HC)の関係を示す。表4及び図2~4より、排ガス浄化触媒の比表面積が高くなると、低温活性及び暖機性能共に向上することがわかった。特に、排ガス浄化触媒の比表面積が38m/g以上になると、参照触媒よりも優れた低温活性及び暖機性能を有することがわかった。
図1
図2
図3
図4