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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044245
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】バリカン用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/20 20060101AFI20230323BHJP
   B26B 19/44 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
B26B19/20
B26B19/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152174
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】301000239
【氏名又は名称】テスコム電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】臼井 郁也
(72)【発明者】
【氏名】園原 真二郎
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056CA32
3C056CA33
3C056CA46
3C056LL05
3C056LL32
(57)【要約】
【課題】櫛部の強度が向上されたバリカン用アタッチメントを提供すること。
【解決手段】バリカン用アタッチメントは、バリカンに着脱自在に装着されるバリカン用アタッチメントであって、バリカンに装着されたときにバリカンの刃部の上方に位置する第1の櫛部を含み、第1の櫛部は、第1の櫛歯と、第1の櫛歯が接続される第1の枠体と、を含み、平面視において、第1の櫛歯の幅は、第1の櫛歯の先端から第1の櫛歯が接続される第1の枠体に向かって大きくなる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリカンに着脱自在に装着されるバリカン用アタッチメントであって、
前記バリカンに装着されたときに前記バリカンの刃部の上方に位置する第1の櫛部を含み、
前記第1の櫛部は、
第1の櫛歯と、
前記第1の櫛歯が接続される第1の枠体と、を含み、
平面視において、前記第1の櫛歯の幅は、前記第1の櫛歯の先端から前記第1の櫛歯が接続される前記第1の枠体に向かって大きくなる、バリカン用アタッチメント。
【請求項2】
前記第1の櫛歯の下部は、前記第1の櫛歯の延在方向に沿った溝を含む、請求項1に記載のバリカン用アタッチメント。
【請求項3】
前記第1の枠体の下部は、前記溝の側部から延在されたリブを含む、請求項2に記載のバリカン用アタッチメント。
【請求項4】
前記第1の櫛部は、さらに、前記第1の枠体と接続する第2の櫛歯を含み、
前記第2の櫛歯の長さは、前記第1の櫛歯の長さよりも短い、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のバリカン用アタッチメント。
【請求項5】
平面視において、前記第2の櫛歯の幅は、前記第2の櫛歯の先端から前記第2の櫛歯が接続される前記第1の枠体に向かって大きくなる、請求項4に記載のバリカン用アタッチメント。
【請求項6】
前記第1の櫛歯および前記第2の櫛歯は、それぞれ、複数設けられ、
前記第1の櫛歯と前記第2の櫛歯とが交互に配置されている、請求項4または請求項5に記載のバリカン用アタッチメント。
【請求項7】
さらに、前記バリカンに装着されたときに前記バリカンの前記刃部の下方に位置する第2の櫛部を含み、
前記第2の櫛部は、
第3の櫛歯と、
前記第3の櫛歯が接続される第2の枠体と、を含み、
平面視において、前記第3の櫛歯の幅は、前記第1の櫛歯の幅以下である、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のバリカン用アタッチメント。
【請求項8】
前記第1の櫛歯および前記第3の櫛歯は、それぞれ、複数設けられ、
前記第1の櫛歯の数は、前記第3の櫛歯の数よりも少ない、請求項7に記載のバリカン用アタッチメント。
【請求項9】
前記第1の櫛歯および前記第3の櫛歯は、それぞれ、複数設けられ、
隣接する2つの前記第1の櫛歯の間隔は、隣接する2つの前記第3の櫛歯の間隔よりも大きい、請求項7に記載のバリカン用アタッチメント。
【請求項10】
平面視において、複数の前記第1の櫛歯の各々は、前記第3の櫛歯と重畳している、請求項8または請求項9に記載のバリカン用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、バリカンに装着されるバリカン用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
バリカン(ヘアクリッパーまたはヘアカッターという場合がある。)は、毛髪を刈り込む理容器具であるが、毛髪の刈り高さを調節するため、しばしば、アタッチメント(バリカンコームという場合がある。)が装着されて使用される(例えば、特許文献1および特許文献2)。アタッチメントには毛髪を梳く櫛歯を有する櫛部が設けられており、頭皮と接触する櫛歯の先端とバリカンの刃部との距離を変化させることによって、毛髪の刈り高さを調節することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-535889号公報
【特許文献2】特開2018-521772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
刈り高さが大きくなると、バリカンの刃部からアタッチメントの櫛歯の先端までの距離も大きくなる。この場合、バリカンから突出するアタッチメントの櫛歯の長さが長くなるため、櫛歯の先端を頭皮に接触させながらバリカンを移動すると、頭皮との摩擦力によって櫛歯が変形し、その結果、刈り高さが変化してしまうという問題があった。特に、バリカンの上方に位置する櫛部は、切断された毛髪を排出する空間を確保する必要があるため、バリカンから離間しており、櫛歯が変形しやすい問題があった。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記問題に鑑み、櫛部の強度が向上されたバリカン用アタッチメントを提供することを課題の一つとする。また、本発明の一実施形態は、切断された毛髪を排出しやすい櫛部を含むバリカン用アタッチメントを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るバリカン用アタッチメントは、バリカンに着脱自在に装着されるバリカン用アタッチメントであって、バリカンに装着されたときにバリカンの刃部の上方に位置する第1の櫛部を含み、第1の櫛部は、第1の櫛歯と、第1の櫛歯が接続される第1の枠体と、を含み、平面視において、第1の櫛歯の幅は、第1の櫛歯の先端から第1の櫛歯が接続される第1の枠体に向かって大きくなる。
【0007】
第1の櫛歯の下部は、第1の櫛歯の延在方向に沿った溝を含んでいてもよい。第1の枠体の下部は、溝の側部から延在されたリブを含んでいてもよい。
【0008】
第1の櫛部は、さらに、第1の枠体と接続する第2の櫛歯を含み、第2の櫛歯の長さは、第1の櫛歯の長さよりも短くてもよい。平面視において、第2の櫛歯の幅は、第2の櫛歯の先端から第2の櫛歯が接続される第1の枠体に向かって大きくなってもよい。
【0009】
第1の櫛歯および前記第2の櫛歯は、それぞれ、複数設けられ、第1の櫛歯と第2の櫛歯とが交互に配置されていてもよい。
【0010】
バリカン用アタッチメントは、さらに、バリカンに装着されたときにバリカンの刃部の下方に位置する第2の櫛部を含み、第2の櫛部は、第3の櫛歯と、第3の櫛歯が接続される第2の枠体と、を含み、平面視において、第3の櫛歯の幅は、第1の櫛歯の幅以下であってもよい。
【0011】
第1の櫛歯および第3の櫛歯は、それぞれ、複数設けられ、第1の櫛歯の数は、第3の櫛歯の数よりも少なくてもよい。
【0012】
第1の櫛歯および第3の櫛歯は、それぞれ、複数設けられ、隣接する2つの第1の櫛歯の間隔は、隣接する2つの第3の櫛歯の間隔よりも大きくてもよい。
【0013】
平面視において、複数の第1の櫛歯の各々は、第3の櫛歯と重畳していてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態に係るバリカン用アタッチメントは、バリカンに装着されたときにバリカンの刃部の上方に位置する第1の櫛部の第1の櫛歯の強度が向上されているため、第1の櫛歯の変形を抑制することができる。したがって、本発明の一実施形態に係るバリカン用アタッチメントを用いた毛髪の切断においては、刈り高さを安定させることができる。また、本発明の一実施形態に係るバリカン用アタッチメントは、切断された毛髪を排出する空間が広いため、毛屑の詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの使用態様を示す斜視図である。
図1B】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの使用態様を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す側面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す正面図である。
図7A】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す断面図である。
図7B】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態に係るアタッチメントの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面は、本発明の実施形態を明確に説明するため、実際の態様に比べて、各構成の幅、厚さ、および形状などが模式的に表される場合がある。しかしながら、図面に示す構成は一例であり、本発明の解釈を限定するものではない。また、明細書および図面において、既出した図で説明した構成と同様の構成には、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
【0017】
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下で説明する実施形態の記載に限定して解釈されるものではない。
【0018】
本明細書において、「上」または「上方」と記載されている場合、特に断りの無い限り、ある構造体の上に他の構造体が直接接して配置される場合と、ある構造体の上に別の構造体を介して他の構造体が配置される場合と、の両方を含む。「下」または「下方」と記載されている場合も同様である。
【0019】
また、本明細書において、「上」または「上方」とは、バリカンが通常使用される態様において、切断された毛髪が排出される側をいう。また、「下」または「下方」とは、「上」または「上方」の反対側をいう。
【0020】
<第1実施形態>
図1A図8を参照して、本発明の一実施形態に係るバリカン用アタッチメント100の構成について説明する。なお、以下では、便宜上、バリカン用アタッチメント100をアタッチメント100と記載する。
【0021】
図1Aおよび図1Bは、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の使用態様を示す斜視図である。アタッチメント100は、バリカン200に着脱自在に装着することができる。また、アタッチメント100は、スライドさせることにより、バリカン200に装着される位置を調整することができる。図1Aおよび図1Bは、いずれもアタッチメント100がバリカン200に装着された態様を示す図であるが、図1Aでは、アタッチメント100の先端部(アタッチメント100が頭皮と接する部分)がバリカン200の先端部(毛髪が切断される部分)と略一致しているのに対し、図1Bでは、アタッチメント100がバリカン200の先端部から突出し、アタッチメント100の先端部とバリカン200の先端部とが所定の間隔を有して離間している。
【0022】
バリカン200は、本体210、刃部220、スイッチ230、およびアタッチメント調節ダイヤル240を含む。アタッチメント100の構成の詳細は後述するが、アタッチメント100は、第1の櫛部110および第1の櫛部110と接続された第2の櫛部120を含む。図1Aおよび図1Bに示すアタッチメント100は、第1の櫛部110と第2の櫛部120とが一体的に形成されて接続されているが、個々に形成されて接続されていてもよい。アタッチメント100は、バリカン200の刃部220を覆うように本体210に装着される。具体的には、アタッチメント100は、第1の櫛部110および第2の櫛部120が、それぞれ、刃部220の上方および下方に位置にするように、バリカン200に装着される。換言すると、アタッチメント100は、バリカン200の刃部220が、第1の櫛部110と第2の櫛部120との間に配置されるように、バリカン200に装着される。
【0023】
バリカン200は、本体210の上面に設けられたスイッチ230をオンにすると、本体210の先端部に設けられた刃部220が駆動する。刃部220は、y方向に幅を有する櫛状の固定刃と櫛状の可動刃とが重畳する構成を有し、可動刃が固定刃に摺接しながら往復移動(振動)する。固定刃と可動刃とで挟み込まれた毛髪は、可動刃の往復移動によって切断される。そのため、ユーザは、スイッチ230をオンにし、頭皮に沿って本体210を移動させることにより、毛髪を刈ることができる。なお、切断された毛髪(以下、毛屑という。)は、バリカン200の上方(刃部220の上方)から排出される。換言すると、毛屑は、アタッチメント100の第1の櫛部110側から排出される。
【0024】
アタッチメント調節ダイヤル240は、バリカン200に装着されたアタッチメント100をx方向に移動させることができる。すなわち、アタッチメント調節ダイヤル240によって、刃部220とアタッチメント100の先端部との距離を調節することができる。そのため、ユーザは、アタッチメント調節ダイヤル240を操作し、毛髪の刈り高さを決定することができる。
【0025】
続いて、図2図8を参照して、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成の詳細について説明する。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成を示す斜視図である。具体的には、図2は、アタッチメント100の第1の櫛部110側の斜め前方から眺めた斜視図である。
【0027】
図2に示すように、アタッチメント100の第1の櫛部110は、第1の枠体111、複数の第1の櫛歯112、および複数の第2の櫛歯113を含む。第1の枠体111は、2つの側部111aが基部111bに接続され、これらが略コの字状になるように一体的に形成されている。第1の櫛歯112および第2の櫛歯113の各々は、第1の枠体111の内側において、基部111bから延在している。換言すると、第1の櫛歯112および第2の櫛歯113の各々の一端は、第1の枠体111の基部111bに接続されている。なお、第1の櫛歯112の他端は、第1の枠体111の側部111aの端面と略一致し、アタッチメント100の先端部を構成している。すなわち、第1の櫛歯112の他端および第1の枠体111の側部111aの端面は、バリカン200の使用時において、頭皮と接触する。
【0028】
頭皮の形状は湾曲しているが、第1の櫛歯112を頭皮に接触させることで、刃部220とアタッチメント100との距離を一定に保持することができる。そのため、第1の櫛歯112が設けられていることにより、刈り高さが一定となり、いわゆるトラ刈りを防止することができる。
【0029】
第2の櫛歯113の長さは、第1の櫛歯112の長さよりも短い。第2の櫛歯113の長さは、例えば、第1の櫛歯112の長さの1/2以下であり、第1の櫛歯112の長さの1/3以下であることが好ましい。第2の櫛歯113の長さが第1の櫛歯112の長さよりも短いと、隣接する2つの櫛歯の間隔が広い空間を形成することができる。毛屑は、第1の櫛部110側から排出されるが、隣接する2つの櫛歯の間隔が広い空間から毛屑を排出することができるため、アタッチメント100では毛屑の詰まりが発生しにくい。
【0030】
第1の櫛歯112および第2の櫛歯113の各々は、複数設けられていることが好ましいが、これに限られない。第1の櫛歯112および第2の櫛歯113の各々は、少なくとも1つ設けられていればよい。第1の櫛歯112および第2の櫛歯113の各々が複数設けられる場合、第1の櫛歯112と第2の櫛歯113とは交互に配置されることが好ましい。上述したように、第2の櫛歯113の長さは、第1の櫛歯112の長さよりも短いため、第1の櫛歯112と第2の櫛歯113とが交互に配置されることで、隣接する2つの第1の櫛歯112間の空間が広がり、毛屑が排出されやすくなる。また、隣接する2つの第1の櫛歯112の間に第2の櫛歯113が配置されることで、梳いた毛髪から受ける力を分散させることができる。そのため、第1の櫛歯112の変形を抑制することができる。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成を示す斜視図である。具体的には、図3は、アタッチメント100の第2の櫛部120側の斜め前方から眺めた斜視図である。
【0032】
図3に示すように、アタッチメント100の第2の櫛部120は、第2の枠体121および複数の第3の櫛歯122を含む。第2の枠体121は、2つの側部121aが湾曲した基部121bに接続され、これらが略コの字状になるように一体的に形成されている。換言すると、第2の枠体121は、半円筒状の一部が切り取られた開口を含む形状を有する。アタッチメント100のバリカン200の装着においては、第2の櫛部120がバリカン200の本体210と係合し、固定される。そのため、第2の枠体121は、本体210の外形に沿った形状を有していることが好ましいが、これに限られない。第3の櫛歯122は、平板状を有し、第2の枠体121の内側において、基部121bから延在している。換言すると、第3の櫛歯122の一端は、第2の枠体121の基部121bに接続されている。なお、第3の櫛歯122の他端は、第2の枠体121の側部121aの端面と略一致し、アタッチメント100の先端部を構成している。すなわち、第3の櫛歯122の他端および第2の枠体121の側部121aの端面は、バリカン200の使用時において、頭皮と接触する。
【0033】
バリカン200に装着されたアタッチメント100をスライドすると、バリカン200の刃部220の前方に第3の櫛歯122が突出する。この場合、刃部220で切断される毛髪を、第3の櫛部122で梳き、立たせることができる。そのため、第3の櫛部122が設けられていることにより、刈り高さを整えることができる。また、頭皮の形状は湾曲しているが、第3の櫛歯122を頭皮に接触させることで、刃部220とアタッチメント100との距離を一定に保持することができる。そのため、第3の櫛部122が設けられていることにより、刈り高さが一定となり、いわゆるトラ刈りを防止することができる。
【0034】
第3の櫛歯122の一部は、第2の枠体121の外側(図3中のz方向)に突出していてもよい。このような構成とすることで、第3の櫛歯122の平板状の面積を大きくすることができ、第3の櫛歯122の強度を高めることができるとともに、梳いた毛髪を安定させることができる。なお、上述したように、第3の櫛歯122は、平板上の面積を大きくすることで、強度を高めることができるため、第3の櫛歯122の幅は、第1の櫛歯112の幅以下であってもよい。
【0035】
第3の櫛歯122は複数設けられていることが好ましいが、これに限られない。第3の櫛歯122は、少なくとも1つ設けられていればよい。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成を示す側面図である。
【0037】
図4に示すように、第1の櫛部110と第2の櫛部120とは、一体的に形成されて接続されている。具体的には、第1の枠体111の側部111aと第2の枠体121の側部121aとが、一体的に形成されて接続されている。第2の枠体121の側部121aの上端には、バリカン200の本体210に設けられた溝と嵌合するガイドレール121cが設けられている(図2も参照)。また、ガイドレール121cの一部には、切欠部121dが設けられている(図2も参照)。上述したように、バリカン200のアタッチメント調節ダイヤル240により、バリカン200に装着されたアタッチメント100の位置を調節することができる。このとき、アタッチメント100は、ガイドレール121cが嵌合したバリカン200の本体210の溝に沿ってx方向に移動することができる。また、バリカン200の本体210に設けられた突起が、切欠部121dと嵌合することにより、アタッチメント100の位置を固定することができる。
【0038】
側面視において、第1の櫛部110と第2の櫛部120とは、バリカン200の本体210または刃部220の形状に合わせて、一定の角度を有して接続されていてもよい。また、側面視において、第3の櫛歯122の一部は、第2の枠体121の下面から突出して設けられていてもよい。第3の櫛歯122は、高さ(z方向の距離)が変化するように設けられていてもよい。例えば、側面視において、第3の櫛歯122は、第2の枠体121の基部121bに接続される位置から離れるにつれて高さが大きくなる部分を含んでいてもよい。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成を示す平面図である。具体的には、図5は、アタッチメント100の第1の櫛部110側から眺めた平面図である。また、図6は、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成を示す正面図である。
【0040】
図5に示すように、平面視において、第1の櫛歯112および第2の櫛歯113の各々は、第3の櫛歯122と重畳している。また、第1の櫛歯112と第3の櫛歯122とは、延在方向(x方向)が略一致するように重畳していることが好ましい。第1の櫛歯112と第3の櫛歯122とが重畳することにより、第3の櫛歯122だけでなく、第1の櫛歯112を用いて、梳いた毛髪を安定して立たせることができる。そのため、刈り高さが安定する。また、上述したように、第1の櫛歯112と第2の櫛歯113とは交互に配置されている。そのため、図5および図6に示すように、第1の櫛歯112の数および第2の櫛歯113の数は、第3の櫛歯122の数よりも少ない。換言すると、隣接する2つの第1の櫛歯112の間隔および隣接する2つの第2の櫛歯113の間隔は、隣接する2つの第3の櫛歯122の間隔よりも大きい。
【0041】
また、図5に示すように、第1の櫛歯112および第2の櫛歯113の各々のy方向の幅は一定ではない。第1の櫛歯112の幅は、第1の櫛歯112の他端から一端に向かって(第1の櫛歯112の先端から基部111bとの接続部に向かって)大きくなっている。すなわち、第1の櫛歯112は、先端の幅が細くなっているので毛髪を梳きやすいことに加えて、基部111bとの接続部では幅が広くなっているので第1の櫛歯112の強度を高めることができる。同様に、第2の櫛歯113の幅も、第2の櫛歯113の他端から一端に向かって(第2の櫛歯113の先端から基部111bとの接続部に向かって)大きくなっている。但し、第2の櫛歯113は、先端が頭皮と直接接触しないため、第2の櫛歯113は、一定の幅を有していてもよい。
【0042】
第3の櫛歯122のy方向の幅は一定である。刈り高さを安定させるためには、第3の櫛歯122が変形しにくい程度の強度が必要である。第3の櫛歯122の先端は、頭皮と直接接触するが、第3の櫛歯122は、バリカン200に固定された基部121bから延在し、また、上述したように平板状を有しているため、第3の櫛歯122は変形しにくい。そのため、第3の櫛歯122は、一定の幅であっても強度を維持することができる。但し、第3の櫛歯122の幅は、第3の櫛歯122の他端から一端に向かって(第3の櫛歯122の先端から基部121bとの接続部に向かって)大きくなっていてもよい。この場合、第3の櫛歯122の強度をさらに高めることができる。
【0043】
図7Aおよび図7Bの各々は、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成を示す断面図である。具体的には、図7A及び図7Bの各々は、図4に示すA1-A2線で切断したアタッチメント100の断面図である。なお、図7Bには、アタッチメント100だけでなく、図1Aの使用態様におけるバリカン200の断面図も示されている。
【0044】
図7Aおよび図7Bに示すように、断面視において、第1の櫛歯112はコの字状を有する。換言すると、第1の櫛歯112には、第1の櫛歯112の延在方向(x方向)に沿って溝112aが設けられている(図3も参照)。第1の櫛歯112がコの字状を有することにより、第1の櫛歯112の強度を維持したまま、第1の櫛歯112に溝112aに対応する空間を確保することができる。すなわち、バリカン200の刃部220の上方の空間を広げることができる。なお、図7Aおよび図7Bでは図示しないが、第2の櫛歯113にも、第2の櫛歯113の延在方向(x方向)に沿って溝113aが設けられている。
【0045】
図7Bに示すように、アタッチメント100がバリカン200に装着されたときにおいても、第1の櫛部110の基部111bは、バリカン200に固定されていない(図1Aおよび図1Bも参照)。第1の櫛部110側では、毛屑を排出するための空間が確保される。アタッチメント100では、2つの隣接する第1の櫛歯112の間隔が広いだけでなく、第1の櫛歯112に溝112aが設けられている。そのため、溝112aを介しても毛屑を排出することができるため、アタッチメント100では毛屑の詰まりが発生しにくい。溝112aは、アタッチメント100の正面から視認できることが好ましい(図6も参照)。毛屑が排出される流れを形成されるため、毛屑が排出されやすく、さらに毛屑の詰まりが発生しにくくなる。
【0046】
なお、毛屑を排出するための空間をさらに大きくするため、バリカン200の本体210の上面に凹部が設けられていてもよい。
【0047】
図8は、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成を示す斜視図である。具体的には、図8は、アタッチメント100の後方から眺めた斜視図である。
【0048】
上述したように、第1の櫛歯112には、第1の櫛歯112の延在方向(x方向)に沿って溝112aが設けられている。また、図8では、第2の櫛歯113にも、第2の櫛歯113の延在方向(x方向)に沿って溝113aが設けられている。溝112aの側部は、第1の枠体111の基部111bに延在され、基部111bの下面にリブ111cが形成されている。なお、溝112aの側部とリブ111cとは、連続的に形成されていることが好ましい。
【0049】
アタッチメント100がバリカン200に装着されて使用されるとき、第1の櫛部110の基部111bは、バリカン200に直接固定されない。そのため、第2の櫛部120の基部121bと異なり、第1の櫛部110の基部111bにバリカン200の刃部220の振動が伝達されると、基部111bおよび第1の櫛歯112が振動する。基部111bおよび第1の櫛歯112の強度が低いと、基部111bおよび第1の櫛歯112の振動の振幅が大きくなる。しかしながら、アタッチメント100では、基部111bの下面にリブ111cが形成されることによって基部111bの強度が高められているため、基部111bの振動が抑制される。基部111bの振動が抑制された結果、第1の櫛歯112の振動も抑制される。
【0050】
また、第1の櫛歯112の先端を頭皮に接触させながらバリカン200を移動させて毛髪を刈り込むとき、バリカン200の移動と対応し、第1の櫛歯112の先端にはz軸方向への摩擦力が生じる。第1の櫛歯112の溝112aの側部はz方向に高さを有し、また、リブ111cと接続している。そのため、第1の櫛歯112は溝112aを有していても、第1の櫛歯112の強度は維持され、摩擦力による第1の櫛歯112の変形は抑制される。
【0051】
以上、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100の構成について説明したが、アタッチメント100は、バリカン200に装着されたときにバリカン200の刃部220の上方に位置する第1の櫛部110が第1の櫛歯112を含み、第1の櫛歯112の幅は、第1の櫛歯112の先端から接続される基部111bとの接続部に向かって大きくなっている。そのため、第1の櫛歯112の先端では毛髪を梳きやすく、かつ、基部111bとの接続部では幅が広くなっているので第1の櫛歯112の強度を高めることができる。
【0052】
また、アタッチメント100では、第1の櫛歯112には、溝112aが設けられ、溝112aの側部は、第1の櫛歯112の延在方向に沿って第1の枠体111の基部111bに延在され、基部111bの下面にリブ111cが形成されている。リブ111cは、基部111bの強度を高めることができる。なお、第1の櫛歯112は溝112aを有していても、第1の櫛歯112の先端に生じる摩擦力の方向に溝112aの高さを有するため、第1の櫛歯112の強度は維持される。
【0053】
したがって、アタッチメント100は、第1の櫛部110の強度が高められているため、第1の櫛歯112の先端が頭皮と接触した場合であっても、摩擦力による第1の櫛歯112の変形が抑制され、刈り高さが安定する。
【0054】
さらに、アタッチメント100では、第1の櫛部110は、第1の櫛歯112だけでなく、第1の櫛歯112の長さよりも短い第2の櫛歯113を含み、第1の櫛歯112と第2の櫛歯113とが交互に配置されている。そのため、隣接する2つの第1の櫛歯112の間隔が大きく、バリカン200の刃部220の上方の空間が大きく確保されている。そのため、毛屑を排出する空間が大きく、毛屑の詰まりを抑制することができる。また、第1の櫛歯112の溝112aを介しても毛屑を排出することができるため、さらに、毛屑の詰まりを防止することができる。なお、第2の櫛歯113は、毛髪の刈り高さが大きい場合において毛髪を梳かすことができる。
【0055】
<第2実施形態>
図9を参照して、本発明の一実施形態に係るバリカン用アタッチメント100Aの構成について説明する。なお、以下では、バリカン用アタッチメント100Aをアタッチメント100Aとして説明する。また、アタッチメント100Aの構成が、アタッチメント100の構成と同様であるとき、アタッチメント100Aの構成の説明を省略する場合がある。
【0056】
図9は、本発明の一実施形態に係るアタッチメント100Aの構成を示す斜視図である。具体的には、図9は、アタッチメント100Aの第2の櫛部120A側の斜め前方からから眺めた斜視図である。
【0057】
アタッチメント100Aは、第1の櫛部110Aおよび第1の櫛部110Aと接続された第2の櫛部120を含む。第1の櫛部110Aの第1の櫛歯112Aには、溝112Aaが設けられている。また、第2の櫛部120Aの第2の枠体121Aは、2つの側部121Aaが湾曲した基部121Abに接続され、これらが略コの字になるように一体的に形成されている。第2の枠体121Aの側部121Aaは、バリカン200の使用時に頭皮と接触しないように、端面が切り欠かれた切欠部121Aeを含んでいる。すなわち、第2の枠体121Aの側部121Aaが大きな空間を有するように、切欠き部121Aeが設けられている。
【0058】
バリカン200が小型である場合、バリカン200の大きさに合わせてアタッチメント100Aも小さくなる。この場合、第1の櫛部110A内に、毛屑を排出するための空間を十分に確保することができない場合がある。また、短い毛髪の切断においては、第2の櫛部120A内にも毛屑が溜まる。しかしながら、アタッチメント100Aでは、第2の櫛部の側部121Aaに切欠部121Aeが設けられており、溝112Aaだけでなく、切欠部121Aeからも毛屑を排出することができる。そのため、アタッチメント100Aでは、小型のバリカン200に装着される場合であっても、毛屑の詰まりを防止することができる。
【0059】
本明細書に記載された一実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または工程の追加、省略、もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0060】
また、本明細書に記載された一実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0061】
100、100A:バリカン用アタッチメント(アタッチメント)、 110、110A:第1の櫛部、 111:第1の枠体、 111a:側部、 111b:基部、 111c:リブ、 112、112A:第1の櫛歯、 112a、112Aa:溝、 113:第2の櫛歯、 113a:溝、 120、120A:第2の櫛部、 121、121A:第2の枠体、 121a、121Aa:側部、 121b、121Ab:基部、 121c:ガイドレール、 121d:切欠部、 121Ae:切欠部、 122、122A:第3の櫛歯、 200:バリカン、 210:本体、 220:刃部、 230:スイッチ、 240:アタッチメント調節ダイヤル
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9