IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コスモライフの特許一覧

<>
  • 特開-ウォーターサーバー 図1
  • 特開-ウォーターサーバー 図2
  • 特開-ウォーターサーバー 図3
  • 特開-ウォーターサーバー 図4
  • 特開-ウォーターサーバー 図5
  • 特開-ウォーターサーバー 図6
  • 特開-ウォーターサーバー 図7
  • 特開-ウォーターサーバー 図8
  • 特開-ウォーターサーバー 図9
  • 特開-ウォーターサーバー 図10
  • 特開-ウォーターサーバー 図11
  • 特開-ウォーターサーバー 図12
  • 特開-ウォーターサーバー 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044270
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】ウォーターサーバー
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152201
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】316003276
【氏名又は名称】株式会社コスモライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】荒川 眞吾
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB01
3E082CC01
3E082EE01
3E082EE05
3E082FF05
3E082FF09
(57)【要約】
【課題】温水タンクからドレンチューブ内に飲料水が入るのを防止することができ、かつ、ユーザーが水抜き作業をすることが可能なウォーターサーバーを提供する。
【解決手段】温水タンク8の底面から筐体1の外部まで延びるドレンチューブ32と、ドレンチューブ32の筐体1の外側の端部開口に着脱可能に装着されるドレンキャップ38とを有するウォーターサーバーにおいて、ドレンチューブ32の温水タンク8の側の端部に設けられた止水バルブ33と、止水バルブ33を開閉する操作を筐体1の外部から行なうことができるように止水バルブ33から筐体1の外部まで延びるバルブ操作用ロッド39とを有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(1)と、
前記筐体(1)の内部に位置する温水タンク(8)と、
前記温水タンク(8)内の飲料水を加熱する加熱装置(29)と、
前記温水タンク(8)の底面から前記筐体(1)の外部まで延びるドレンチューブ(32)と、
前記ドレンチューブ(32)の前記筐体(1)の外側の端部開口に着脱可能に装着されるドレンキャップ(38)と、を有するウォーターサーバーにおいて、
前記ドレンチューブ(32)の前記温水タンク(8)の側の端部に設けられた止水バルブ(33)と、
前記止水バルブ(33)を開閉する操作を前記筐体(1)の外部から行なうことができるように前記止水バルブ(33)から前記筐体(1)の外部まで延びるバルブ操作用ロッド(39)と、を有することを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項2】
前記ドレンキャップ(38)を覆う保護位置と、前記ドレンキャップ(38)を露出させる保護解除位置との間で移動可能に設けられたドレンキャップカバー(41)を更に有し、
前記ドレンキャップカバー(41)を前記保護位置から前記保護解除位置に移動させる操作に連動して前記止水バルブ(33)が開弁し、前記ドレンキャップカバー(41)を前記保護解除位置から前記保護位置に移動させる操作に連動して前記止水バルブ(33)が閉弁するように、前記ドレンキャップカバー(41)が前記バルブ操作用ロッド(39)に連結されている請求項1に記載のウォーターサーバー。
【請求項3】
前記筐体(1)の内部に位置する冷水タンク(7)と、
前記冷水タンク(7)内の飲料水を冷却する冷却装置(22)と、を更に有し、
前記冷却装置(22)は、前記筐体(1)の内部に設置されたコンプレッサ(23)と、そのコンプレッサ(23)から吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なう熱交換器(24)と、その熱交換器(24)を通過した冷媒を減圧して温度を低下させる膨張弁(25)と、その膨張弁(25)を通過した低温の冷媒と前記冷水タンク(7)との間で熱交換を行なう冷却管(26)とを有し、
前記熱交換器(24)は、前記冷媒が流れる冷媒パイプを、前記筐体(1)の背面の開口を覆うように蛇行して配置した網状の部材であり、
前記熱交換器(24)に、前記バルブ操作用ロッド(39)の前記筐体(1)の外側の端部を支持する支持ブラケット(40)が取り付けられている請求項1または2に記載のウォーターサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ウォーターサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にオフィスや病院などでウォーターサーバーが利用されてきたが、近年、水の安全や健康への関心の高まりから、一般家庭にもウォーターサーバーが普及しつつある。ウォーターサーバーは、一般に、筐体と、その筐体の内部に位置する冷水タンクおよび温水タンクと、冷水タンク内の飲料水を冷却する冷却装置と、温水タンク内の飲料水を加熱する加熱装置とを有し、冷水タンクまたは温水タンクから飲料水を注出することで、いつでも必要なときに冷水および温水を利用することができるという利便性を有する。
【0003】
このウォーターサーバーは、常時、ウォーターサーバー内部の冷水タンクおよび温水タンクに飲料水を収容した状態で使用されるが、ウォーターサーバーをメンテナンスするときや、旅行などで長期間使用しないときなどは、ウォーターサーバーの内部の飲料水をすべて排出し、ウォーターサーバーの内部をいったん空の状態にすることがある(水抜き作業)。
【0004】
この水抜き作業を可能とするため、通常、ウォーターサーバーには、図13に示すように、温水タンク60の底面から筐体61の外部まで延びるドレンチューブ62と、そのドレンチューブ62の筐体61の外側の端部開口に着脱可能に装着されるドレンキャップ63とが設けられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-171914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、温水タンク60に飲料水が収容されるとき、温水タンク60の底面に接続されたドレンチューブ62の内部にも飲料水が入る。ここで、温水タンク60の内部の飲料水は、温水タンク60に設けられた図示しない加熱装置によって高温の状態に維持されるのに対し、ドレンチューブ62の内部の飲料水は、一般に常温である。そのため、ドレンチューブ62の内部の飲料水に異物が発生する可能性があることが分かった。
【0007】
ドレンチューブ62の内部の飲料水に異物が発生した場合、その飲料水の一部がドレンチューブ62から温水タンク60の内部に浸入したとしても、温水タンク60の内部は高温なので完全に殺菌され、衛生上の問題は無いが、温水タンク60の飲料水の風味に影響するおそれがあり、好ましいことではない。
【0008】
そこで、本願の発明者は、温水タンク60からドレンチューブ62の内部に飲料水が入るのを防止するため、ドレンチューブ62の温水タンク60の側の端部に図示しない止水バルブを設けることを検討した。
【0009】
しかしながら、通常、ウォーターサーバーの筐体61は、ユーザーが筐体61の内部に手を入れて、火傷したり、感電したりするのを防止するため、図13のように、筐体61の内部に手が入らない構造とされている。そのため、ドレンチューブ62の温水タンク60の側の端部に図示しない止水バルブを設けた場合、その止水バルブはユーザーの手の届かない箇所にあるため、ユーザーは水抜き作業をすることができない。
【0010】
この発明が解決しようとする課題は、温水タンクからドレンチューブ内に飲料水が入るのを防止することができ、かつ、ユーザーが水抜き作業をすることが可能なウォーターサーバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成のウォーターサーバーを提供する。
筐体と、
前記筐体の内部に位置する温水タンクと、
前記温水タンク内の飲料水を加熱する加熱装置と、
前記温水タンクの底面から前記筐体の外部まで延びるドレンチューブと、
前記ドレンチューブの前記筐体の外側の端部開口に着脱可能に装着されるドレンキャップと、を有するウォーターサーバーにおいて、
前記ドレンチューブの前記温水タンクの側の端部に設けられた止水バルブと、
前記止水バルブを開閉する操作を前記筐体の外部から行なうことができるように前記止水バルブから前記筐体の外部まで延びるバルブ操作用ロッドと、を有することを特徴とするウォーターサーバー。
【0012】
このようにすると、ドレンチューブの温水タンクの側の端部に止水バルブが設けられているので、ウォーターサーバーの使用中は、その止水バルブを閉弁しておくことで、温水タンクからドレンチューブの内部に飲料水が入るのを防止することができる。また、止水バルブから筐体の外部まで延びるバルブ操作用ロッドが設けられているので、筐体の外部から止水バルブを開閉する操作を行なうことができる。そのため、ウォーターサーバーをメンテナンスするときや、旅行などで長期間使用しないときなどは、ユーザーが、筐体の内部に手を入れずに止水バルブを開弁し、水抜き作業をすることが可能である。
【0013】
前記ドレンキャップを覆う保護位置と、前記ドレンキャップを露出させる保護解除位置との間で移動可能に設けられたドレンキャップカバーを更に有し、
前記ドレンキャップカバーを前記保護位置から前記保護解除位置に移動させる操作に連動して前記止水バルブが開弁し、前記ドレンキャップカバーを前記保護解除位置から前記保護位置に移動させる操作に連動して前記止水バルブが閉弁するように、前記ドレンキャップカバーが前記バルブ操作用ロッドに連結されている構成を採用すると好ましい。
【0014】
このようにすると、ウォーターサーバーの水抜き作業時に、ユーザーが止水バルブを開弁し忘れているのに気付かず、ウォーターサーバーの水抜きができないという事態を防止することができるとともに、ウォーターサーバーの通常使用時に、ユーザーが止水バルブを不用意に開弁し、そのまま放置される事態を防止することができる。
【0015】
すなわち、ウォーターサーバーの水抜きをするには、ドレンキャップを取り外す操作と、止水バルブを開弁させる操作の2つの操作を行なう必要がある。ここで、仮に、ドレンキャップを取り外す操作と、止水バルブを開弁させる操作とが完全に独立して行なうことができるようになっている状況を想定すると、ユーザーがドレンキャップを取り外したときに、ユーザーが止水バルブを開弁し忘れて、閉弁したままとなっていることに気付かず、ウォーターサーバーの水抜きができない事態に陥る可能性がある。この問題に対し、上記の構成を採用すると、ウォーターサーバーの水抜き作業時、ドレンキャップを取り外すために、ドレンキャップカバーを保護位置(ドレンキャップを覆う位置)から保護解除位置(ドレンキャップを露出させる位置)に移動させると、そのドレンキャップカバーの移動に連動して止水バルブが開弁するので、ユーザーが止水バルブを開弁し忘れているのに気付かず、ウォーターサーバーの水抜きができないという事態を防止することができる。
【0016】
また、ウォーターサーバーの通常使用時、温水タンクからドレンチューブ内に飲料水が入るのを防止するため、止水バルブを閉弁した状態にしておく必要がある。このとき、止水バルブを開弁したとしても、ドレンキャップが装着されていればドレンチューブから飲料水が流出せず、見た目に変化が無いため、ユーザーが、不用意にバルブ操作用ロッドを操作し、止水バルブを開弁させてしまう可能性がある。そして、止水バルブが開弁したまま放置すると、温水タンクからドレンチューブ内に飲料水が入り、その飲料水がドレンチューブ内で常温にさらされた後、再び温水タンクに浸入するおそれがある。この問題に対し、上記の構成を採用すると、ウォーターサーバーの通常使用時、ドレンキャップがドレンキャップカバーで覆われるように、ユーザーが、ドレンキャップカバーを保護解除位置(ドレンキャップを露出させる位置)から保護位置(ドレンキャップを覆う位置)に移動させたときに、そのドレンキャップカバーの移動に連動して止水バルブが閉弁するので、ユーザーが止水バルブを不用意に開弁し、そのまま放置される事態を防止することができる。
【0017】
前記筐体の内部に位置する冷水タンクと、
前記冷水タンク内の飲料水を冷却する冷却装置と、を更に有し、
前記冷却装置は、前記筐体の内部に設置されたコンプレッサと、そのコンプレッサから吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なう熱交換器と、その熱交換器を通過した冷媒を減圧して温度を低下させる膨張弁と、その膨張弁を通過した低温の冷媒と前記冷水タンクとの間で熱交換を行なう冷却管とを有し、
前記熱交換器は、前記冷媒が流れる冷媒パイプを、前記筐体の背面の開口を覆うように蛇行して配置した網状の部材である場合、
前記熱交換器に、前記バルブ操作用ロッドの前記筐体の外側の端部を支持する支持ブラケットが取り付けられている構成を採用することができる。
【0018】
このようにすると、バルブ操作用ロッドが、止水バルブと支持ブラケットの二点支持になるので、止水バルブを安定して操作することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
この発明のウォーターサーバーは、ドレンチューブの温水タンクの側の端部に止水バルブが設けられているので、ウォーターサーバーの使用中は、その止水バルブを閉弁しておくことで、温水タンクからドレンチューブの内部に飲料水が入るのを防止することができる。また、止水バルブから筐体の外部まで延びるバルブ操作用ロッドが設けられているので、筐体の外部から止水バルブを開閉する操作を行なうことができる。そのため、ウォーターサーバーをメンテナンスするときや、旅行などで長期間使用しないときなどは、ユーザーが、筐体の内部に手を入れずに止水バルブを開弁し、水抜き作業をすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施形態のウォーターサーバーを模式的に示す断面図
図2図1に示すウォーターサーバーの常温水タンク、冷水タンク、温水タンクを前側から見た断面図
図3図2のIII-III線に沿った断面図
図4図2のIV-IV線に沿った断面図
図5図1のウォーターサーバーの筐体の一部を背面側から見た斜視図
図6図5の熱交換器の図示を省略した状態を示す斜視図
図7図6に示すドレンチューブとその近傍を上側から見た断面図
図8図6に示すドレンキャップカバーを保護位置から保護解除位置に移動させた状態を示す図
図9図8に示すドレンチューブとその近傍を上側から見た断面図
図10図8に示すドレンキャップをドレンチューブから取り外した状態を示す図
図11図10に示すドレンチューブとその近傍を上側から見た断面図
図12】この発明の他の実施形態のウォーターサーバーを模式的に示す断面図
図13】従来例のウォーターサーバーのドレンチューブの近傍を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に、この発明の実施形態のウォーターサーバーを示す。このウォーターサーバーは、筐体1と、水道水などの飲料水を貯留する原水タンク2と、交換式の浄水フィルタカートリッジ3と、原水タンク2と浄水フィルタカートリッジ3の間を連通する原水管4と、原水管4の途中に設けられた電動ポンプ5と、筐体1の内部に位置する常温水タンク6および冷水タンク7および温水タンク8(図2参照)とを有する。
【0022】
筐体1は、上下方向に延びる筒部9と、筒部9の上端に設けられた天板10と、筒部9の下端に設けられた底板11とを有する。筒部9は、左右一対の側面板12と、側面板12の前縁同士を連結する前面板13と、側面板12の後縁同士を連結する背面板14とを有する。原水タンク2は、天板10に着脱可能にセットされる。天板10には、原水管4の上流側の端部の原水導入口15が設けられている。
【0023】
原水タンク2にはタンク開閉弁16が設けられている。タンク開閉弁16は、原水タンク2を天板10から持ち上げた状態では、原水タンク2の内部と外部の連通を遮断し、原水タンク2を天板10にセットした状態では、原水タンク2の内部を原水導入口15に連通させる開閉弁である。
【0024】
電動ポンプ5は、原水タンク2の側から飲料水を吸い込み、その飲料水を浄水フィルタカートリッジ3の側に吐出することで、原水管4内の飲料水を、原水タンク2の側から浄水フィルタカートリッジ3の側に移送する。浄水フィルタカートリッジ3と常温水タンク6の間は浄水管17で接続され、浄水フィルタカートリッジ3で濾過された飲料水が、浄水管17を通って常温水タンク6に導入されるようになっている。
【0025】
図2に示すように、常温水タンク6には、空気と、浄水フィルタカートリッジ3で濾過された飲料水とが、上下二層に収容されている。常温水タンク6には、常温水タンク6内の水位を検知する水位センサ18が設けられ、この水位センサ18の出力信号に基づいて電動ポンプ5(図1参照)が制御される。
【0026】
図3に示すように、常温水タンク6の底面には、常温水注出管19が接続されている。常温水注出管19には、常温水タンク6内の飲料水を筐体1の外部に注出する常温水注出弁20が設けられている。
【0027】
図2に示すように、冷水タンク7は、常温水タンク6の下方に配置されている。冷水タンク7と常温水タンク6は、冷水タンク接続管21を介して接続され、その冷水タンク接続管21を通って、常温水タンク6から冷水タンク7に飲料水が導入されるようになっている。冷水タンク7には、冷水タンク7内の飲料水を冷却する冷却装置22が取り付けられている。冷水タンク7内の飲料水は、冷却装置22によって所定の低温(例えば10℃以下)に保たれる。
【0028】
図1に示すように、冷却装置22は、コンプレッサ23と熱交換器24と膨張弁25と冷却管26とを有する。コンプレッサ23と熱交換器24と膨張弁25と冷却管26は、順に冷媒が通過して循環するように冷媒用の配管で接続されている。
【0029】
コンプレッサ23は、筐体1の内部(図では底板11の上面)に設置されている。コンプレッサ23は、冷却管26から冷媒を吸引し、その冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させ、高温高圧となった冷媒を熱交換器24の側に吐出する。熱交換器24は、コンプレッサ23から吐出された冷媒が流れる冷媒パイプを、筐体1の背面の開口を覆うように蛇行して配置した網状の部材であり、コンプレッサ23から吐出された高温の冷媒と外気との間で熱交換を行なうことで冷媒を冷却し、凝縮させる。膨張弁25は、熱交換器24を通過した冷媒を受け入れ、その冷媒を減圧して温度を低下させる。冷却管26は、膨張弁25で低温低圧になった冷媒を受け入れ、その冷媒と冷水タンク7の間で熱交換を行なう。冷却管26は、冷水タンク7の外周に螺旋状に巻き付けられている。冷却管26は、冷水タンク7の内部を通るように冷水タンク7の壁面を貫通して設けてもよい。
【0030】
冷水タンク7の底面には、冷水注出管27が接続されている。冷水注出管27には、冷水タンク7内の低温の飲料水を筐体1の外部に注出する冷水注出弁46が設けられている。冷水注出弁46を開弁して低温の飲料水を注出すると、その飲料水と同量の飲料水が、冷水タンク接続管21を通って常温水タンク6から冷水タンク7に流入し、冷水タンク7は常に満水状態に保たれる。
【0031】
図4に示すように、温水タンク8は、常温水タンク6の下方に配置されている。温水タンク8と常温水タンク6は、温水タンク接続管28を介して接続され、その温水タンク接続管28を通って、常温水タンク6から温水タンク8に飲料水が導入されるようになっている。温水タンク8には、温水タンク8内の飲料水を加熱する加熱装置29が取り付けられている。温水タンク8内の飲料水は、加熱装置29によって所定の高温(例えば80℃以上)に保たれる。
【0032】
温水タンク8の上面には、温水注出管30が接続されている。温水注出管30には、温水タンク8内の高温の飲料水を筐体1の外部に注出する温水注出弁31が設けられている。温水注出弁31を開弁して高温の飲料水を注出すると、その飲料水と同量の飲料水が、温水タンク接続管28を通って常温水タンク6から温水タンク8に流入し、温水タンク8は常に満水状態に保たれる。温水タンク8の底面には、ドレンチューブ32が接続されている。ドレンチューブ32は、温水タンク8の底面から筐体1の外部まで延びる配管である。
【0033】
図5は、ドレンチューブ32とその近傍を筐体1の背面側から見た斜視図であり、図6は、図5において、熱交換器24(筐体1の背面の開口を覆うように冷媒パイプを蛇行して配置した網状の部材)の図示を省略した状態を示す図であり、図7は、図6に示すドレンチューブ32とその近傍を上方から状態を模式的に示す図である。
【0034】
図6に示すように、ドレンチューブ32の温水タンク8の側の端部には、止水バルブ33が設けられている。止水バルブ33は、ハンドル34を水平な軸心まわりに回動することで開弁と閉弁を切り替えることが可能に構成された二方向弁である。止水バルブ33としては、ハンドル34を周方向の一方に90度回動することで、閉弁状態から開弁状態に切り替わり、ハンドル34を周方向の他方に90度回動することで、開弁状態から閉弁状態に切り替わるボールバルブを採用することができる。
【0035】
ドレンチューブ32は、温水タンク8の底面から下方に延びて止水バルブ33の入口に接続するバルブ接続部35と、止水バルブ33の出口から後方に延びて筐体1の外部に至るドレンチューブ本体部36とを有する。バルブ接続部35は、温水タンク8と止水バルブ33の間を接続するための部分であり、ドレンチューブ本体部36よりも短い。ドレンチューブ本体部36の筐体1の外側の端部は、側面板12の後縁に沿って折り曲げて形成されたフランジ部37に設けた貫通孔に差し込んで固定されている。ドレンチューブ本体部36の筐体1の外側の端部は、熱交換器24(図5参照)に固定するようにしてもよい。ドレンチューブ本体部36の筐体1の外側の端部開口には、ドレンキャップ38が着脱可能に装着されている。
【0036】
図6図7に示すように、止水バルブ33には、止水バルブ33を開閉する操作を筐体1の外部から行なうことができるように止水バルブ33から筐体1の外部まで延びるバルブ操作用ロッド39が接続されている。バルブ操作用ロッド39は、止水バルブ33のハンドル34から筐体1の外部に向かって水平に延びる棒状の部材である。バルブ操作用ロッド39の止水バルブ33の側の端部は、止水バルブ33のハンドル34に接続され、バルブ操作用ロッド39の筐体1の外側の端部は、熱交換器24(図5参照)に取り付けた支持ブラケット40で回動可能に支持されている。
【0037】
図6に示すように、バルブ操作用ロッド39の筐体1の外側の端部には、ドレンキャップカバー41が取り付けられている。ドレンキャップカバー41は、ドレンキャップ38を覆う保護位置(図6参照)と、ドレンキャップ38を露出させる保護解除位置(図8参照)との間で移動可能に設けられている。ここで、ドレンキャップカバー41は、ドレンキャップカバー41を保護位置(図6参照)から保護解除位置(図8参照)に移動させる操作に連動して止水バルブ33が開弁し、ドレンキャップカバー41を保護解除位置(図8参照)から保護位置(図6参照)に移動させる操作に連動して止水バルブ33が閉弁するようにバルブ操作用ロッド39に連結されている。
【0038】
止水バルブ33は、筐体1の内部の内向きフランジ42に固定して設けられたバルブ固定用ブラケット43に支持されている。バルブ固定用ブラケット43は、止水バルブ33を支持する部分からバルブ操作用ロッド39と平行に延びる水平板44と、水平板44に直角に接続する端板45とを有する。支持ブラケット40は、熱交換器24を介してバルブ固定用ブラケット43の端板45に締結することで熱交換器24に固定されている。
【0039】
上記ウォーターサーバーの水抜き作業を説明する。まず、ウォーターサーバーの通常使用時は、図6図7に示すように、ドレンキャップカバー41が保護位置(ドレンキャップ38を覆う位置)にある状態にしておく。この状態では、止水バルブ33が閉弁しているので、温水タンク8内の飲料水がドレンチューブ32(ドレンチューブ本体部36)に入らない。そして、水抜き作業をするときは、まず、図8に示すように、ドレンキャップカバー41を保護解除位置(ドレンキャップ38を露出させる位置)に回動させる。このとき、ドレンキャップカバー41の回動に連動してバルブ操作用ロッド39が回動するので、止水バルブ33が開弁し、図9に示すように、温水タンク8の飲料水がドレンチューブ32内に入る。その後、図10図11に示すように、ドレンチューブ32の末端からドレンキャップ38を取り外す。これにより、温水タンク8内の飲料水を、ドレンチューブ32を通って筐体1の外部に排出することが可能となる。
【0040】
上記実施形態のウォーターサーバーは、図6に示すように、ドレンチューブ32の温水タンク8の側の端部に止水バルブ33が設けられているので、ウォーターサーバーの使用中は、その止水バルブ33を閉弁しておくことで、温水タンク8からドレンチューブ32(ドレンチューブ本体部36)の内部に飲料水が入るのを防止することができる。そのため、ドレンチューブ32の内部に飲料水が入って、その飲料水に異物が発生するのを防止することができる。
【0041】
また、このウォーターサーバーは、ユーザーが筐体1の内部に手を入れて、火傷したり、感電したりするのを防止するため、図5に示すように、筐体1の内部に手が入らない構造とされているが、図6に示すように、止水バルブ33から筐体1の外部まで延びるバルブ操作用ロッド39が設けられているので、このバルブ操作用ロッド39を利用することで、筐体1の外部から止水バルブ33を開閉する操作を行なうことが可能となっている。そのため、ウォーターサーバーをメンテナンスするときや、旅行などで長期間使用しないときなどは、ユーザーが、筐体1の内部に手を入れずに止水バルブ33を開弁し、水抜き作業をすることが可能である。
【0042】
また、このウォーターサーバーは、図6に示すように、ドレンキャップカバー41がバルブ操作用ロッド39に連結されているので、ウォーターサーバーの水抜き作業時に、ユーザーが止水バルブ33を開弁し忘れているのに気付かず、ウォーターサーバーの水抜きができないという事態を防止することができるとともに、ウォーターサーバーの通常使用時に、ユーザーが止水バルブ33を誤って開弁し、そのまま放置される事態を防止することができる。
【0043】
すなわち、ウォーターサーバーの水抜きをするには、図6に示すドレンキャップ38を取り外す操作と、止水バルブ33を開弁させる操作の2つの操作を行なう必要がある。ここで、仮に、バルブ操作用ロッド39の端部にドレンキャップカバー41が設けられておらず、ドレンキャップ38を取り外す操作と、止水バルブ33を開弁させる操作(バルブ操作用ロッド39の回動操作)とが完全に独立して行なうことができるようになっている状況を想定すると、ユーザーがドレンキャップ38を取り外した際に、ユーザーが止水バルブ33を開弁し忘れて、閉弁したままとなっていることに気付かず、ウォーターサーバーの水抜きができない事態に陥る可能性がある。
【0044】
この問題に対し、この実施形態のウォーターサーバーは、ウォーターサーバーの水抜き作業時、ドレンキャップ38を取り外すために、ドレンキャップカバー41を保護位置(図6図7に示す位置)から保護解除位置(図8図9に示す位置)に移動させると、そのドレンキャップカバー41の移動に連動して止水バルブ33が開弁するので、ユーザーが止水バルブ33を開弁し忘れているのに気付かず、ウォーターサーバーの水抜きができないという事態を防止することができる。
【0045】
また、ウォーターサーバーの通常使用時、温水タンク8からドレンチューブ32内に飲料水が入るのを防止するため、止水バルブ33を閉弁した状態にしておく必要がある。このとき、止水バルブ33を開弁したとしても、ドレンキャップ38が装着されていればドレンチューブ32から飲料水が流出せず、見た目に変化が無いため、ユーザーが、不用意にバルブ操作用ロッド39を操作し、止水バルブ33を開弁させてしまう可能性がある。そして、止水バルブ33が開弁したまま放置すると、温水タンク8からドレンチューブ32内に飲料水が入り、その飲料水がドレンチューブ32内で常温にさらされた後、再び温水タンク8に浸入するおそれがある。
【0046】
この問題に対し、この実施形態のウォーターサーバーは、ウォーターサーバーの通常使用時、ドレンキャップ38がドレンキャップカバー41で覆われるように、ユーザーが、ドレンキャップカバー41を保護解除位置(図8図9に示す位置)から保護位置(図6図7に示す位置)に移動させたときに、そのドレンキャップカバー41の移動に連動して止水バルブ33が閉弁するので、ユーザーが止水バルブ33を不用意に開弁し、そのまま放置される事態を防止することができる。
【0047】
また、このウォーターサーバーは、図5に示すように、熱交換器24に、バルブ操作用ロッド39の筐体1の外側の端部を支持する支持ブラケット40を取り付けた構成を採用しているので、バルブ操作用ロッド39が、止水バルブ33と支持ブラケット40の二点支持になり、止水バルブ33を安定して操作することが可能となっている。
【0048】
上記実施形態では、浄水フィルタカートリッジ3で濾過した飲料水を冷水タンク7および温水タンク8に導入する浄水ウォーターサーバーを例に挙げて説明したが、この発明は、例えば、図12に示すように、交換式の原水ボトル50から冷水タンク7および温水タンク8に飲料水を導入するウォーターサーバーにも適用することができる。以下、上記実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
図12に示すウォーターサーバーは、筐体1と、筐体1の内部に位置する冷水タンク7および温水タンク8と、原水ボトル50から冷水タンク7に飲料水を導入する原水導入管51とを有する。原水ボトル50は、水出口を下向きにした姿勢で、筐体1の天板10に載置されている。原水ボトル50には、天然水やRO水等の飲料水が充填されている。原水導入管51の冷水タンク7側の端部には、冷水タンク7内の水位に応じて開閉するフロートバルブ52が設けられている。
【0050】
温水タンク8は、冷水タンク7の下方に配置されている。温水タンク8と冷水タンク7は、タンク接続管53を介して接続され、そのタンク接続管53を通って、冷水タンク7から温水タンク8に飲料水が導入されるようになっている。
【0051】
温水タンク8の底面には、温水タンク8の底面から筐体1の外部まで延びるドレンチューブ32が接続され、そのドレンチューブ32の筐体1の外側の端部開口に、ドレンキャップ38が着脱可能に装着されている。ドレンチューブ32には、上記実施形態と同様の止水バルブ33、バルブ操作用ロッド39、ドレンキャップカバー41等が設けられている。
【符号の説明】
【0052】
1 筐体
7 冷水タンク
8 温水タンク
22 冷却装置
23 コンプレッサ
24 熱交換器
25 膨張弁
26 冷却管
29 加熱装置
32 ドレンチューブ
33 止水バルブ
38 ドレンキャップ
39 バルブ操作用ロッド
40 支持ブラケット
41 ドレンキャップカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13