(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044284
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】規制装置、規制方法
(51)【国際特許分類】
H04R 27/00 20060101AFI20230323BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20230323BHJP
H04R 1/40 20060101ALI20230323BHJP
G10K 11/175 20060101ALI20230323BHJP
E01F 13/00 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
H04R27/00 G
H04R3/00 310
H04R1/40 310
G10K11/175
E01F13/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152230
(22)【出願日】2021-09-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】512303460
【氏名又は名称】株式会社ドリーム
(71)【出願人】
【識別番号】521411161
【氏名又は名称】株式会社アクティサポート
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】則行 正信
(72)【発明者】
【氏名】内海 嘉博
【テーマコード(参考)】
2D101
5D018
5D061
5D220
【Fターム(参考)】
2D101EA05
2D101FA33
2D101GA24
2D101GA32
5D018AF22
5D061FF05
5D220AA16
5D220AB06
(57)【要約】
【課題】周囲に対する騒音を抑えつつ運転者に的確な情報提供を可能とする規制装置、音響出力装置、規制方法を提供する。
【解決手段】実施形態の規制装置は、道路上の通行に関する規制情報を提供する規制装置である。この規制装置は、規制情報を第1の方向に向けて視覚的に提供する表示部と、規制情報を聴覚的に表した規制音響をなす規制音響信号を生成する規制音再生部と、周囲の環境音を取得し環境音信号として出力する環境音取得部とを有する。この規制装置は、さらに第1の方向に向けた第1の指向性および第1の方向とは異なる第2の方向に向けた第2の指向性を有し、規制音響信号に基づいて第1の指向性で規制音響を出力するとともに、環境音信号に基づいて第2の指向性で環境音を出力する音響出力部を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上の通行に関する規制情報を提供する規制装置であって、
前記規制情報を第1の方向に向けて視覚的に提供する表示部と、
前記規制情報を聴覚的に表した規制音響をなす規制音響信号を生成する規制音再生部と、
周囲の環境音を取得し環境音信号として出力する環境音取得部と、
前記第1の方向に向けた第1の指向性および前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けた第2の指向性を有し、前記規制音響信号に基づいて前記第1の指向性で前記規制音響を出力するとともに、前記環境音信号に基づいて前記第2の指向性で前記環境音を出力する音響出力部と、
を備えた規制装置。
【請求項2】
前記音響出力部は、
平面上に配列された複数のスピーカユニットと、
前記規制音響信号を前記複数のスピーカユニットの数に分割し、前記複数のスピーカユニットを駆動した場合に前記第1の指向性を生じる位相関係となるよう前記分割した前記規制音響信号それぞれを移相制御する第1の移相部と、
前記環境音信号を前記複数のスピーカユニットの数に分割し、前記複数のスピーカユニットを駆動した場合に前記第2の指向性を生じる移相関係となるよう前記分割した前記環境音信号それぞれを移相制御する第2の移相部と、
前記第1の移相部が移相制御した前記分割した前記規制音響信号それぞれと、前記第2の移相部が移相制御した前記分割した前記環境音信号それぞれとを、前記複数のスピーカユニットに対応するように合成して前記複数のスピーカユニットを駆動する合成部と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の規制装置。
【請求項3】
前記環境音取得部は、
前記周囲の環境音を取得するマイクと、
前記取得した環境音を環境音信号として記録する記憶部と、
前記記憶部に記録された前記環境音信号を所定の周期で再生する再生部と
を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の規制装置。
【請求項4】
前記第1の方向および前記第2の方向のいずれとも異なる第3の方向に対して聴覚的な指示を含む指示音響を受けて該指示音響をなす指示音響信号を生成するマイクをさらに備え、
前記音響出力部は、前記第3の方向に向けた第3の指向性をさらに有し、前記指示音響信号に基づいて前記第3の指向性で前記指示音響をさらに出力すること
を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記複数のスピーカユニットの配列と同一平面上に配設されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項6】
対象に向けて送出する音響をなす音響信号を生成する第1の再生部と、
周囲の環境音を環境音信号として記録し、記録した前記環境音信号を出力する第2の再生部と、
前記音響信号に基づいて前記音響を前記対象に向けた第1の方向に出力するとともに、前記環境音信号に基づいて前記環境音を前記第1の方向と異なる第2の方向に出力するスピーカ部と
を具備することを特徴とする音響出力装置。
【請求項7】
道路上の通行に関する規制情報を提供する規制方法であって、
表示部により前記規制情報を第1の方向に向けて視覚的に提供し、
前記規制情報を聴覚的に表した規制音響をなす規制音響信号を生成し
周囲の環境音を記録して該環境音をなす環境音信号を生成し、
前記第1の方向に向けた第1の指向性および前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けた第2の指向性を生ずるスピーカを用いて、前記環境音信号に基づいて前記第2の指向性で前記環境音を出力し、
前記スピーカを用いて、前記規制音響信号に基づいて前記第1の指向性で前記規制音響を出力する
規制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、道路工事などにおいて走行中の車両に注意を促すことのできる規制装置、音響出力装置、規制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路工事などにおいては、車両の通行を確保するため、道路の一部を規制することが行われる。規制装置は、工事の存在や通行すべき車線などの情報を文字や記号などにより車両の運転者に対して提供する。規制装置は、道路工事における事故を防ぐために重要な役割を持っている。
【0003】
一般に規制装置は、運転者の視覚を通じて文字や記号などによる情報を提供する。しかし、視覚を通じて提供される情報は、工事が行われる場所の地形や天候などにより運転者に的確に伝わらないことがある。そこで、PAシステム(Public Address System)を用いて、運転者に音響による情報を提供することが行われている。PAシステムは、運転者の聴覚を通じて直接情報を提供するから、視覚情報と組み合わせることでより的確に情報を提供することができる。
【0004】
一方、道路工事において音響により情報を提供する場合、周囲に対して騒音となってしまうことがある。道路工事は概して騒音を発生しがちであり、車両に対する規制のための音響は、さらなる騒音問題を発生させる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の規制装置、音響出力装置、規制方法では、音響により車両の運転者に情報を提供する場合、周囲に騒音を発生させる可能性がある。本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、周囲に対する騒音を抑えつつ運転者に的確な情報提供を可能とする規制装置、音響出力装置、規制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の規制装置は、道路上の通行に関する規制情報を提供する規制装置である。この規制装置は、規制情報を第1の方向に向けて視覚的に提供する表示部と、規制情報を聴覚的に表した規制音響をなす規制音響信号を生成する規制音再生部と、周囲の環境音を取得し環境音信号として出力する環境音取得部とを有する。この規制装置は、さらに第1の方向に向けた第1の指向性および第1の方向とは異なる第2の方向に向けた第2の指向性を有し、規制音響信号に基づいて第1の指向性で規制音響を出力するとともに、環境音信号に基づいて第2の指向性で環境音を出力する音響出力部を備えている。
【0008】
また、実施形態の音響出力装置は、対象に向けて送出する音響をなす音響信号を生成する第1の再生部と、周囲の環境音を環境音信号として記録し、記録した環境音信号を出力する第2の再生部と、音響信号に基づいて音響を対象に向けた第1の方向に出力するとともに、環境音信号に基づいて環境音を第1の方向と異なる第2の方向に出力するスピーカ部とを備えている。
【0009】
さらに、実施形態の規制方法は、道路上の通行に関する規制情報を提供する規制方法であって、表示部により規制情報を第1の方向に向けて視覚的に提供し、規制情報を聴覚的に表した規制音響をなす規制音響信号を生成し、周囲の環境音を記録して該環境音をなす環境音信号を生成し、第1の方向に向けた第1の指向性および第1の方向とは異なる第2の方向に向けた第2の指向性を生ずるスピーカを用いて、環境音信号に基づいて第2の指向性で環境音を出力し、スピーカを用いて、規制音響信号に基づいて第1の指向性で規制音響を出力することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る規制装置の外観を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る規制装置の稼働状態を示す図である。
【
図3】第1の実施形態に係る規制装置のスピーカ部を示す図である。
【
図4】第1の実施形態のスピーカ部による指向性の様子を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る規制装置の構成を示すブロック図である。
【
図6A】第1の実施形態のスピーカ部による指向性制御について説明する図である。
【
図6B】第1の実施形態のスピーカ部による指向性制御について説明する図である。
【
図7】第1の実施形態に係る規制装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態に係る規制装置による騒音抑止効果の様子を示す図である。
【
図9】第2の実施形態に係る規制装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】第3の実施形態に係る規制装置の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態の概要)
以下、図面を参照して、第1の実施形態を詳細に説明する。
図1に示すように、第1の実施形態の規制装置1は、表示部2およびスピーカ部3を有している。規制装置1は、トラック4の荷台に積載して運搬することができる。また、トラック4を工事現場に停車させ、荷台に積載した規制装置1を稼働させることで、トラック4の後方から接近する車両に対して規制情報を提供することができる。規制情報は、例えば、工事の存在や通行すべき車線、速度規制等、道路を通行する車両などに対して送られる情報である。
【0012】
図1に示す規制装置1は、略板状の形状を有している。
図1に示す例では、規制装置1の表面の上半分には、視覚を通じて規制情報を提供する表示部2が配設されている。規制装置2の表面の下半分には、聴覚を通じて規制情報を提供するスピーカ部3が配設されている。表示部2は、例えばLEDなどを配列したディスプレイ装置などにより実現できる。スピーカ部3は、平面形状のスピーカユニットを配列してなるスピーカや、スピーカユニットの向きを制御可能なスピーカなどにより実現できる。
【0013】
図2は、規制装置1の稼働状態の一例を示している。
図2に示すように、規制装置1を荷台に積載したトラック4は、工事現場の道路上に駐車される。トラック4の後方には、工事の作業員6が道路上で作業を行っている。作業員6が作業を行う工事領域は、パイロン7により区画され、車両5が通行できないよう区分されている。規制装置1は、トラック4の後方に向けて、表示部2による規制情報と、スピーカ部3による音響の規制情報とを提供する。車両5は、規制装置1の表示部2の表示内容と、スピーカ部3の音響とにより工事の存在を認知し、その表示内容及び音響の指示に従って工事領域を避けセンターラインCLを超えて進行することができる。
【0014】
規制装置1のスピーカ部3は、トラック4の後方に向けて音響を出力する。この時、スピーカ部3は、三種類の音響信号をそれぞれ異なる方向に向けて出力している。
図2に示す例では、スピーカ部3は、道路上を走行する車両5に対する規制情報を含む規制音響、工事の作業員6に対する指示音響、規制音響信号および指示音響信号による周辺住宅H等に対する騒音を聴覚的に抑制する環境音を出力する。スピーカ部3は、規制音響を道路に沿った方向(第1の方向)に向けて出力し、指示音響について作業員6が所在する工事領域(第3の方向)に向けて出力し、環境音について道路外の周辺住宅H等(第2の方向)に向けて出力する。
【0015】
規制音響は、規制情報を音声などにより表したものであり、例えば「前方工事中」「右によれ」「速度落とせ」「速度回復」などの音声による音が例示される。規制音響は、肉声による音声には限定されない。機械的に生成された音声でも構わない。指示音響は、作業員6に対する指示内容を音声などにより表したものであり、例えば「作業開始」「作業終了」などの音声による音が例示される。指示音響は、通常リアルタイムで生成され、内容はその都度変更され得る。環境音は、規制装置1を配置する場所(周辺環境)において聞くことのできる音である。環境音は、予め録音した音でもよいが、規制装置1を稼働させているときにリアルタイムで録音した周囲の音でもよい。環境音は、例えば工事を行っている道路上で発生する車両の走行音などが例示される。
【0016】
スピーカ部3は、規制音響、指示音響および環境音を重畳し、かつそれぞれを異なる指向性で出力する。
図3に示すように、第1の実施形態のスピーカ部3は、同一平面上に配列された複数のスピーカユニット3a~3fを有している。
図3に示す例では、スピーカ部3は、水平方向に6列、垂直方向に3列のスピーカユニットを有しているが、これには限定されない。スピーカユニットの数は、出力される音響の指向性の精度に影響する。
【0017】
規制装置1は、規制音響、指示音響および環境音を生成する規制音響信号、指示音響信号および環境音信号をそれぞれスピーカユニットの数に分割し、分割した信号それぞれを所定の位相差に移相してスピーカユニットそれぞれに供給する。これにより、ある時点においてスピーカユニットそれぞれに供給される規制音響信号、指示音響信号および環境音信号が、その位相差をもってスピーカユニットそれぞれを駆動し、それぞれ空間的な指向性を持った規制音響、指示音響および環境音がスピーカ部3から出力される。すなわち、ひとつの平面形状のスピーカ部3が、異なる音響を異なる指向特性で出力することができる。
【0018】
図4は、スピーカ部3による規制音響、指示音響および環境音の空間的な指向性の例を示している。
図4に示すように、車両5に対して向けられる規制音響は、第1領域Iに向けた指向性で出力される。また、作業員6に向けられる指示音響は、第2領域IIに向けた指向性で出力される。さらに、周辺住宅Hに向けられる環境音は、第3領域IIIに向けた指向性で出力される。すなわち、スピーカ部3は、平面配置された複数のスピーカユニット3aの動作により、重畳された三つの音響信号を三つの領域に向けて出力する。
【0019】
(環境音)
道路工事において発生する音や、車両5に対する規制音響、作業員6に対する指示音響は、人為的に発生された音であり、周辺住宅Hなどに居住する住民にとっては騒音となり得る。一般に、車両5の道路走行音などは、予め道路に遮音壁を設けることで周辺住宅Hに対する影響を抑えることが可能だが、工事の際に発生する音を抑制することは難しい。
【0020】
本発明者らは、人為的に発生した音であっても、住民にとって騒音と感じにくい音が存在することを見出した。すなわち、日常的に聞こえる車両の走行音と、工事の際に聞こえる音や規制音響、指示音響などとを比べると、日常的に聞こえている走行音の方が他の音に比べて騒音と感じる度合いが低いことが分かった。これは、仮に同じ大きさの音であっても、騒音と感じる音と、気にならない音とが存在することを意味している。
【0021】
また、本発明者らは、人為的に発生した音と日常的に聞こえる音とが混在した場合、人為的に発生した音について騒音と感じにくくなる傾向があることを見出した。すなわち、日常的に聞きなれた音は、人為的に発生したその他の音をマスクする効果があることが分かった。
【0022】
第1の実施形態の規制装置1は、かかる知見に基づいて、騒音と感じやすい音の指向性を住宅地等から外すとともに、騒音と感じにくい音を住宅地に向けて出力することで、工事の音や規制音響、指示音響を騒音と感じにくくする効果を奏するものである。
【0023】
(第1の実施形態の構成)
図5を参照して、第1の実施形態の規制装置1の構成を説明する。
図5に示すように、第1の実施形態の規制装置1は、規制音声再生部11a、マイク12、環境音取得部13aを有している。規制音声再生部11a、マイク12、環境音取得部13aは、それぞれ音響信号を生成する。
【0024】
規制音声再生部11aは、車両5に向けて出力する規制音響を生成する規制音響信号を再生する演算ブロックである。規制装置1は、規制音声再生部11aに接続された記憶部11bをさらに有している。規制音声再生部11aは、あらかじめ規制音響信号を記憶部11bに記録しておき、所定のタイミングで所定の内容の規制音響信号を出力する。記憶部11bは、例えば不揮発性メモリなどにより実現される。記憶部11bに記憶させる規制音響信号は、デジタル信号で記録されてもアナログ信号で記録されてもよい。
【0025】
マイク12は、作業員6に対する指示音響を生成する指示音響信号を出力する。マイク12は、作業員の音声を受けて指示音響信号を出力する。マイク12が出力する指示音響信号は、デジタル信号でもアナログ信号でもよい。
【0026】
環境音取得部13aは、規制装置1が設置される場所の周囲における環境音を取得し、環境音信号として出力する演算ブロックである。規制装置1は、環境音取得部13aに接続されたマイク13bおよび記憶部13cを有している。記憶部13cは、例えば不揮発性メモリなどにより実現できる。環境音取得部13aは、マイク13bを通じて規制装置1の周辺の環境音を録音し、環境音信号として記憶部13cに記録する。そして、環境音取得部13aは、記憶部13cに記録した環境音信号を読み出して所定のタイミングで繰り返し出力(再生)することができる。
【0027】
環境音取得部13aは、規制音声再生部11aが出力する規制音響信号やマイク12が出力する指示音響信号を相殺する機能を有してもよい。環境音取得部13aが取得する環境音は、当該工事現場における日常的に聴取できる環境音であることが望ましいからである。
図5に示す例では、環境音取得部13aはマイク13bにより取得し記憶部13cに記録しているが、これには限定されない。あらかじめ他の場所で記録した環境音を記憶部13cに記録しておいてもよいし、マイク13bが取得した環境音をほぼリアルタイムで出力してもよい。
【0028】
また、規制装置1は、音響信号を増幅するアンプ21~23を有する。アンプ21~23は、増幅した音響信号をスピーカユニットの数の音響信号に分配出力する。
図5に示す例では、スピーカ部3は水平方向に平面配置された6つのスピーカユニット3a~3fを有するから、アンプ21~23は、それぞれ6つの音響信号に分配し出力する。
【0029】
図5に示す例では、アンプ21は、規制音声再生部11aが出力する規制音響信号を増幅する。アンプ22は、マイク12が出力する指示音響信号を増幅する。アンプ23は、環境音取得部13aが出力する環境音信号を増幅する。アンプ21~23は、外部からの制御により利得を制御可能に構成されている。
【0030】
規制装置1は、分配出力された音響信号を個々に移相制御する移相部31~33を有する。移相部31~33は、それぞれ入力された音響信号を個別に移相制御する。
図5に示す例では、移相部31は、アンプ21が6つに分配出力した6つの音響信号について、それぞれ移相制御する6つの移相器を備えている。移相部32および33も同様であり、アンプ21および22がそれぞれ6つに分配出力した6つの音響信号について、それぞれ移相制御する6つの移相器を備えている。
【0031】
移相部31は、アンプ21が増幅し分配した6つの規制音響信号を個別に移相制御する。移相部32は、アンプ22が増幅し分配した6つの指示音響信号を個別に移相制御する。移相部33は、アンプ23が増幅し分配した6つの環境音信号を個別に移相制御する。
【0032】
規制装置1は、移相制御された音響信号を対応するスピーカユニット単位で合成(重畳)する重畳部40を有する。重畳部40は、スピーカユニットの数の合成器を有している。重畳部40は、移相部31が移相制御した6つの規制音響信号、移相部32が移相制御した6つの指示音響信号、および移相部33が移相制御した6つの環境音信号を、対応するスピーカユニットの単位で合成する。その結果、重畳部40は、スピーカユニットに対応する6つの音響信号を出力する。重畳部40が出力する6つの音響信号は、6つの規制音響信号、6つの指示音響信号および6つの環境音信号が重畳されたものとなる。
【0033】
規制装置1は、重畳された音響信号を対応するスピーカユニット単位で増幅するドライバ50を有する。ドライバ50は、重畳部40が合成した6つの音響信号を、それぞれ独立して増幅する。ドライバ50が増幅した6つの音響信号は、スピーカユニット3a~3fをそれぞれ駆動する。
【0034】
規制装置1は、さらに、入力インタフェース(I/F)10、音響信号制御部20、移相制御部30、および表示制御部60を有する。入力インタフェース10は、ユーザが情報を入力し規制装置1を制御するインタフェースである。入力インタフェース10は、例えばキーボード、マウス、スイッチその他により実現される。
【0035】
音響信号制御部20は、規制音声再生部11a、マイク12、環境音取得部13aおよびアンプ21~23を制御して、規制音響信号、指示音響信号および環境音信号の出力タイミングや信号強度を調整する演算ブロックである。音響信号制御部20は、ユーザから入力インタフェース10を通じて受け付けた信号出力や音量などの指示に基づいて、当該指示に応じた規制音響信号、指示音響信号および環境音信号を出力させる。
【0036】
移相制御部30は、スピーカユニットの数に分割された規制音響信号、指示音響信号および環境音信号それぞれの位相を決定し移相部31~33の移相器を制御する演算ブロックである。移相制御部30は、入力インタフェース10を通じて受け付けた規制音響、指示音響および環境音の出力方向に関する指示に基づいて、移相部31~33それぞれの移相器の移相量を制御し、アンテナ3の指向性を決定する。
【0037】
表示制御部60は、入力インタフェース10を通じて受け付けた表示部2による規制情報の内容に基づいて、表示部2に所定の規制情報を表示する演算ブロックである。表示制御部60は、入力インタフェース10により入力された文字や図形を表示部2に表示させてもよいし、図示しない記憶部にあらかじめ定型的な規制情報を文字情報または図形情報として記録させ、所定のタイミングで表示部2に表示させてもよい。
【0038】
(スピーカ部の指向性制御)
図6Aおよび
図6Bを参照してスピーカ部3が出力する音響の指向性制御について説明する。規制音声再生部11aが規制音響信号を出力している場合において、移相部31の移相器による移相量がいずれもゼロであった場合、アンプ21により分割出力された6つの規制音響信号は同相のまま移相部31から出力される。この状態でドライバ50が移相部31から出力された6つの規制音響信号によりスピーカユニット3a~3fを駆動すると、スピーカユニット3a~3fは同相の規制音響を出力するから、スピーカ部3全体としてはスピーカユニットの配列方向(y方向)とは垂直の方向(x方向)に強い指向性を有する音響が出力される(
図6A)。
【0039】
一方、移相部31の移相器による移相量が、y方向に向けて位相が遅れるように各移相器が設定された場合、アンプ21により分割出力されスピーカユニット3a~3fに入力される6つの規制音響信号は、スピーカユニット3fから3aに向けて位相が遅れた状態になる(
図6B)。すなわち、スピーカ部3全体として出力される規制音響は、y方向に偏った指向性で出力されることになる。第1の実施形態の規制装置1は、分割した音響信号それぞれについて移相制御することで、スピーカ部3全体について所望の指向特性を実現している。
【0040】
マイク12から出力される指示音響信号による指示音響や、環境音取得部13aから出力される環境音信号による環境音ついても同様にして所望の指向特性を実現できる。なお、第1の実施形態の規制装置1では、重畳部40により3つの音響信号を合成しているが、この合成処理は、波の重ね合わせの原理により各音響信号の移相は互いに影響しない。従って、規制音響信号、指示音響信号および環境音信号それぞれに対する移相制御により、スピーカ部3から出力される規制音響、指示音響および環境音それぞれに独立した指向性を付与することができる。
【0041】
(第1の実施形態の動作)
続いて、
図5および
図7を参照して、第1の実施形態に係る規制装置1の動作を説明する。
図5に示す規制装置1において、入力インタフェース10は、ユーザから規制装置を動作させる条件設定を受け付ける(S100)。規制装置1の動作を決定づける条件としては、規制音響をなす規制音響信号の内容、環境音の取得方法、規制音響・指示音響・環境音それぞれのレベル設定、規制音響・指示音響・環境音それぞれの出力方向などがある。規制音響信号の内容とは、例えば「前方工事中」「右によれ」「速度落とせ」「速度回復」などの音声内容である。環境音の取得方法とは、例えば、現場において取得する環境音の取得時間である。規制音響・指示音響・環境音それぞれのレベル設定とは、スピーカ部3が出力する音響の大きさの設定である。規制音響・指示音響・環境音それぞれの出力方向とは、それぞれの音響の出力方向である。入力インタフェース10が受け付けた諸条件は、音響信号制御部20および移相制御部30を通じて規制音声再生部11a、環境音取得部13aおよび移相部31~33に送られる。
【0042】
次いで、環境音取得部13aは、入力インタフェース10が受け付けた条件に基づき、マイク13bが取得した周囲の環境音を環境音信号として記憶部13cに保存する(S110)。
【0043】
移相制御部30は、入力インタフェース10が受け付けた音響の出力方向に関する情報に基づいて、スピーカユニット3a~3fに供給する音響信号それぞれに与えるべき遅延量を計算する。移相制御部30は、計算した遅延量を移相部31~33の移相器それぞれに設定する(S120)。
【0044】
移相部31~33の移相器の設定が終わると、環境音取得部13aは、記憶部13cに保存した環境音信号を読み出してアンプ23に出力する。アンプ23は増幅した環境音信号を6つに分配して移相部33に送る。移相部33は、移相制御部30が計算した遅延量に基づいて6つの環境音信号それぞれを移相制御し、重畳部40に送る。この時点では規制音響信号や指示音響信号は生成されていないから、重畳部40は受け取った6つの環境音信号をドライバ50に送り、ドライバ50はスピーカユニット3a~3fを駆動して環境音を出力する(S130)。この時、スピーカ部3が出力する環境音は、入力インタフェース10が受け付けた出力方向に出力される。
【0045】
続いて、規制音声再生部11aは、入力インタフェース10が受け付けた内容の規制音響信号を記憶部11bから読み出してアンプ21に出力する。規制音声再生部11aは、記憶部11bから読み出した規制音響信号を繰り返し出力してもよい。アンプ21は増幅した規制音響信号を6つに分配して移相部31に送る。移相部31は、移相制御部30が計算した遅延量に基づいて6つの規制音響信号それぞれを移相制御し、重畳部40に送る。重畳部40は、受け取った6つの規制音響信号と6つの環境音信号を合成してドライバ50に送り、ドライバ50はスピーカユニット3a~3fを駆動して環境音に加えて規制音響を出力する(S140)。この時、スピーカ部3が出力する規制音響は、入力インタフェース10が受け付けた出力方向に出力される。
【0046】
この段階で、マイク12は、作業員からの指示音声を受け付ける準備が整ったことになる。作業員がマイク12により指示音声を入力すると、アンプ22は指示音声を指示音響信号として増幅し、増幅した指示音響信号を6つに分配して移相部32に送る。移相部32は、移相制御部30が計算した遅延量に基づいて6つの指示音響信号それぞれを移相制御し、重畳部40に送る。重畳部40は、受け取った6つの指示音響信号、6つの規制音響信号および6つの環境音信号を合成してドライバ50に送り、ドライバ50はスピーカユニット3a~3fを駆動して規制音響および環境音に加えて指示音響を出力する(S150)。この時、スピーカ部3が出力する指示音響は、入力インタフェース10が受け付けた出力方向に出力される。
【0047】
このように、実施形態の規制装置1は、異なる音響信号を異なる指向性の音響として出力するので、周辺住宅において不快に感ずる騒音を抑えつつ所望の音響を車両や作業員等の対象に向けて出力することができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、スピーカユニットを水平方向に配置し、それらに供給する音響信号の位相を制御しているが、これには限定されない。
図3に示すように、スピーカユニットを縦方向と横方向の両方に配置し、すべてのスピーカユニットに供給する音響信号それぞれを移相制御してもよい。これにより、水平方向だけでなく垂直方向の指向性制御が可能となり、音響のきめ細かい指向性制御が可能となる。
【0049】
また、上記実施形態では、規制音響・指示音響・環境音を水平方向に分離した指向特性を採用しているが、これにも限定されない。環境音を、規制音響および指示音響の出力方向を取り囲むように出力させてもよい。これにより、周辺住宅Hが道路の両脇に存在する場合や近隣に高層住宅が存在する場合でも、不快に感ずる騒音を抑えることができる。
【0050】
(実施例)
実施形態の規制装置1による不快に感ずる騒音を抑える効果について検証した。
図8に示すように道路を模した直線200mのフィールドにおいて、スピーカ部3から2種類の規制音響(「工事中」「注意」)と環境音を出力した。規制音響「工事中」および「注意」の音量レベルは、スピーカ部3から2mの地点において86dB/94dB、50mの地点において72dB/80dB、100mの地点において71dB/78dB、150mの地点において53dB/60dB、200mの地点において52dB/58dBであった。このような環境下において環境音を音量レベルを上げながら出力した。規制音響はスピーカ部3の平面の垂直方向に単一の指向性で出力させ、環境音はスピーカ部3の平面の垂直方向から25度傾けた方向に単一の指向性で出力させた。
【0051】
スピーカ部3から100mの地点に評価地点aを置き、当該地点とスピーカ部3とを結ぶ直線から垂直方向で環境音が出力された指向性方向に向けて10mの地点に評価地点bを置き、同じく20mの地点に評価地点cを置き、同じく30mの地点に評価地点dを置いた。そして、スピーカ部3から規制音響および環境音を出力させた状態で、評価地点a~dにおける規制音響の聞こえ方について調査した。調査の参加者は10名である。
【0052】
調査の結果を表1に示す。表1において、規制音響がダイレクトに聞こえた場合を「A」、規制音響が聞こえた場合を「B」、耳をすませば規制音響が聞こえる・会話中は気にならない程度の場合を「C」、規制音響がほぼ聞こえない場合を「D」として示した。
【表1】
【0053】
表1に示すように、スピーカ部3の平面から垂直方向に伸ばした直線から10m程度までの位置(評価地点aおよびb)では、規制音響が聞こえてしまっている。一方、スピーカ部3の平面から垂直方向に伸ばした直線から10m以上離れた位置(評価地点cおよびd)では、環境音によって規制音響がマスクされ、聴感上気にならない参加者がほとんどとなった。このことから、環境音の出力方向を、例えば道路脇の住宅地等に合わせて設定することで、規制音響や指示音響を気にならない状態にすることができることがわかる。
【0054】
(第2の実施形態の構成)
続いて、
図9を参照して第1の実施形態に係る規制装置1aについて説明する。
図9に示すように、この実施形態の規制装置1aは、第1の実施形態のスピーカ部の構成を変更したものである。以下の説明において、第1の実施形態と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0055】
図9に示すように、第2の実施形態に係る規制装置1aは、規制音響信号、指示音響信号および環境音信号それぞれに対応するスピーカユニット3g~3iを有するスピーカ部3aを備えている。スピーカユニット3g~3iは、出力する方位を制御する機構を備えており、方位制御部30aによりスピーカユニット3g~3iそれぞれの指向性を物理的に制御することができる。出力する方位を制御する機構は、例えばスピーカユニット3g~3iの姿勢を制御するシステムにより実現できる。
【0056】
方位制御部30aは、入力インタフェース10が受け付けた音響の出力方向に関する情報に基づいて、スピーカユニット3g~3iの出力する方位を直接制御する。すなわち、スピーカユニット3g~3iの指向性を単一指向性としておけば、方位制御部30aは、スピーカユニット3g~3iの姿勢を物理的に制御することで、規制音響信号、指示音響信号および環境音信号それぞれの指向特性を制御することができる。
【0057】
この実施形態の規制装置1aでは、スピーカユニット3g~3iの姿勢制御などにより物理的に指向性を制御可能としたので、移相部や移相制御部、重畳部などを用いることなくシンプルな構成により周辺住宅において不快に感ずる騒音を抑えつつ所望の音響を車両や作業員等の対象に向けて出力することができる。
【0058】
(第3の実施形態の構成)
続いて、
図10を参照して、第3の実施形態に係る規制装置1bについて説明する。
図10に示すように、この実施形態の規制装置1bは、第1の実施形態の表示部とスピーカ部の配置関係を変更したものである。以下の説明において、第1の実施形態と共通する要素については共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0059】
図10に示すように、この実施形態の規制装置1bは、本体表面の前面に表示部2zが配設され、スピーカ部3zが表示部2zの背面に配設されている。表示部2zは、背面から前面に向けて音響を通過させる空隙HLが設けられている。すなわち、表示部2zの背面に配設されたスピーカ部3zが出力する音響は、表示部2zに設けられた空隙HLを介して空間に放出される。スピーカ部3zが平面配置された複数のスピーカユニットからなる点は第1の実施形態のスピーカユニットと共通である。
【0060】
この実施形態の実施形態1bによれば、スピーカ部3zを表示部2zと共通の大きさとし、表示部2zに音響を通過させる構成を備えたので、表示部による規制情報の提供量を大きくすることができる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1…規制装置、2…表示部、3…スピーカ部、3a~3i…スピーカユニット、4…トラック、5…車両、6…作業員、7…パイロン、H…周辺住宅、10…入力インタフェース、11a…規制音声再生部、11b…記憶部、12…マイク、13a…環境音取得部、13b…マイク、13c…記憶部、20…音響信号制御部、21~23…アンプ、30…移相制御部、31~33…移相部、40…重畳部、50…ドライバ、60…表示制御部。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上の通行に関する規制情報を提供する規制装置であって、
前記規制情報を第1の方向に向けて視覚的に提供する表示部と、
前記規制情報を聴覚的に表した規制音響をなす規制音響信号を生成する規制音再生部と、
周囲の環境音を取得し環境音信号として出力する環境音取得部と、
前記第1の方向に向けた第1の指向性および前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けた第2の指向性を有し、前記規制音響信号に基づいて前記第1の指向性で前記規制音響を出力するとともに、前記環境音信号に基づいて前記第2の指向性で前記環境音を出力する音響出力部と、
を備えた規制装置。
【請求項2】
前記音響出力部は、
平面上に配列された複数のスピーカユニットと、
前記規制音響信号を前記複数のスピーカユニットの数に分割し、前記複数のスピーカユニットを駆動した場合に前記第1の指向性を生じる位相関係となるよう前記分割した前記規制音響信号それぞれを移相制御する第1の移相部と、
前記環境音信号を前記複数のスピーカユニットの数に分割し、前記複数のスピーカユニットを駆動した場合に前記第2の指向性を生じる移相関係となるよう前記分割した前記環境音信号それぞれを移相制御する第2の移相部と、
前記第1の移相部が移相制御した前記分割した前記規制音響信号それぞれと、前記第2の移相部が移相制御した前記分割した前記環境音信号それぞれとを、前記複数のスピーカユニットに対応するように合成して前記複数のスピーカユニットを駆動する合成部と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の規制装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記複数のスピーカユニットの配列と同一平面上に配設されたことを特徴とする請求項2記載の規制装置。
【請求項4】
前記環境音取得部は、
前記周囲の環境音を取得するマイクと、
前記取得した環境音を環境音信号として記録する記憶部と、
前記記憶部に記録された前記環境音信号を所定の周期で再生する再生部と
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項5】
前記第1の方向および前記第2の方向のいずれとも異なる第3の方向に対して聴覚的な指示を含む指示音響を受けて該指示音響をなす指示音響信号を生成するマイクをさらに備え、
前記音響出力部は、前記第3の方向に向けた第3の指向性をさらに有し、前記指示音響信号に基づいて前記第3の指向性で前記指示音響をさらに出力すること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の規制装置。
【請求項6】
道路上の通行に関する規制情報を提供する規制方法であって、
表示部により前記規制情報を第1の方向に向けて視覚的に提供し、
前記規制情報を聴覚的に表した規制音響をなす規制音響信号を生成し
周囲の環境音を記録して該環境音をなす環境音信号を生成し、
前記第1の方向に向けた第1の指向性および前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けた第2の指向性を生ずるスピーカを用いて、前記環境音信号に基づいて前記第2の指向性で前記環境音を出力し、
前記スピーカを用いて、前記規制音響信号に基づいて前記第1の指向性で前記規制音響を出力する
規制方法。