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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044327
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/62 20230101AFI20230323BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20230323BHJP
   H04N 23/67 20230101ALI20230323BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20230323BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20230323BHJP
【FI】
H04N5/232 160
H04N5/232 935
H04N5/232 127
G03B17/18 Z
G03B17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152299
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100199314
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 寛
(72)【発明者】
【氏名】淺輪 達良
【テーマコード(参考)】
2H100
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H100AA18
2H102AA51
5C122DA03
5C122EA42
5C122FB03
5C122FD01
5C122FD13
5C122FK12
5C122FK33
5C122FK37
5C122FK42
5C122FL01
5C122FL03
5C122FL04
5C122FL05
5C122HA82
5C122HA86
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザにとって合焦動作が実行される速さに関する設定を行い易くする撮像装置を提供する。
【解決手段】デジタルカメラ1の本体100は、フォーカスレンズ210を含む交換レンズ200を介して被写体像を撮像して、画像データを生成する画像センサ100と、画像データが示す動画像を表示する表示モニタ130と、ユーザの操作が入力可能な操作部150と、操作部に入力されたユーザ操作に基づき、フォーカスレンズによる合焦動作を制御するカメラ制御部140と、を備える。カメラ制御部は、合焦動作が実行される速さに関する設定値を示す操作情報を、動画像と共に表示するように表示モニタを制御して、操作情報が示す設定値を調整する第1操作と、動画像と共に表示された操作情報が示す設定値に従い合焦動作を実行する第2操作とを、操作部で受け付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーカスレンズを含む光学系を介して被写体像を撮像して、画像データを生成する撮像部と、
前記画像データが示す動画像を表示する表示部と、
ユーザの操作が入力可能な操作部と、
前記操作部に入力されたユーザ操作に基づき、前記フォーカスレンズによる合焦動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記合焦動作が実行される速さに関する設定値を示す操作情報を、前記動画像と共に表示するように前記表示部を制御して、
前記操作情報が示す設定値を調整する第1操作と、前記動画像と共に表示された操作情報が示す設定値にしたがい前記合焦動作を実行する第2操作とを、前記操作部にて受け付ける
撮像装置。
【請求項2】
前記第1操作が前記操作部に入力されると、前記制御部は、入力された第1操作に応じて前記設定値を更新して、更新された設定値を前記操作情報に表示させ、
前記第1操作の後に前記第2操作が入力されると、前記制御部は、前記更新された設定値にしたがって前記合焦動作を実行する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2操作が入力されてから前記合焦動作の実行中に、前記合焦動作が前記設定値にしたがって実行される経過状態を表示するように前記表示部を制御する
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記操作情報の設定値は、前記合焦動作が実行される期間を示し、
前記制御部は、前記操作情報の設定値が示す期間において、前記合焦動作の経過状態を表示するように前記表示部を制御する
請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記操作情報は、前記表示部において前記動画像上に重畳する表示位置に表示され、
前記操作情報の表示位置は、前記動画像における被写体の位置に応じて変更される
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示部に前記動画像が表示された状態において、前記操作情報を表示させるユーザ操作、及び前記操作情報の表示を消去させるユーザ操作を、前記操作部にて受け付ける
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第2操作は、前記動画像における被写体を指定し、
前記制御部は、前記第2操作が入力されると、前記操作情報が示す設定値にしたがって前記指定された被写体に合焦するように、前記フォーカスレンズを現在位置から移動させる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2操作により指定された被写体が、合焦済みの被写体である場合、
前記制御部は、前記第2操作が入力されると、前記操作情報が示す設定値にしたがって前記指定された被写体に合焦しなくなるように、前記フォーカスレンズを現在位置から移動させる
請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2操作は、前記フォーカスレンズを移動する開始位置と終了位置とを指定し、
前記制御部は、前記第2操作が入力されると、前記操作情報が示す設定値にしたがって前記開始位置から前記終了位置に前記フォーカスレンズを移動させる
請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、合焦動作を行う撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、動画撮影時のオートフォーカス(AF)に有利なフォーカス制御装置を開示する。フォーカス制御装置は、フォーカス制御において駆動開始前に算出された被写体の第1デフォーカス量と合焦時間とに基づく第1駆動速度で、光学素子の駆動を開始し、開始後に算出された被写体の第2デフォーカス量と合焦時間とに基づく第2駆動速度に光学素子の駆動速度を変更する。特許文献1によれば、AF開始時のデフォーカス量が大きな値であっても、ユーザが所望する合焦時間でAFを完了させることができる。
【0003】
特許文献2は、タッチ操作に応じて焦点調節を行う撮像制御装置を開示する。撮像制御装置は、ライブビュー画像に対する第1のタッチ操作に基づいて焦点調節の対象を決定し、第1のタッチ操作後の第2のタッチ操作におけるタッチ位置の移動量または移動速度に応じた速度によって、決定された焦点調節の対象が合焦するようにAFを制御している。特許文献2は、タッチ操作で焦点調節時の駆動速度を容易に設定可能にすることを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-15871号公報
【特許文献2】特開2020-53721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、ユーザにとって合焦動作が実行される速さに関する設定を行い易くすることができる撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における撮像装置は、フォーカスレンズを含む光学系を介して被写体像を撮像して、画像データを生成する撮像部と、画像データが示す動画像を表示する表示部と、ユーザの操作が入力可能な操作部と、操作部に入力されたユーザ操作に基づき、フォーカスレンズによる合焦動作を制御する制御部とを備える。制御部は、合焦動作が実行される速さに関する設定値を示す操作情報を、動画像と共に表示するように表示部を制御して、操作情報が示す設定値を調整する第1操作と、動画像と共に表示された操作情報が示す設定値にしたがい合焦動作を実行する第2操作とを、操作部にて受け付ける。
【発明の効果】
【0007】
本開示における撮像装置によると、ユーザにとって合焦動作が実行される速さに関する設定を行い易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態1に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図
図2】デジタルカメラの背面を示した図
図3】実施形態1のデジタルカメラにおけるライブビュー画面の表示例を示す図
図4】実施形態1のデジタルカメラの動作を例示するフローチャート
図5】実施形態1のデジタルカメラの動作を説明するための図
図6】デジタルカメラにおけるAF遷移制御を説明するためのフローチャート
図7】デジタルカメラにおけるAF遷移制御の表示例を示す図
図8】実施形態2のデジタルカメラの動作を例示するフローチャート
図9】実施形態2のデジタルカメラの動作を説明するための図
図10】デジタルカメラの変形例1におけるライブビュー画面を例示する図
図11】デジタルカメラの変形例2におけるライブビュー画面を例示する図
図12】デジタルカメラの変形例3におけるライブビュー画面を例示する図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
以下では、本開示に係る撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラの構成および動作について説明する。
【0010】
1.構成
図1は、実施形態1に係るデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。本実施形態のデジタルカメラ1は、カメラ本体100とそれに着脱可能な交換レンズ200とから構成される。
【0011】
1-1.カメラ本体
カメラ本体100(撮像装置の一例)は、画像センサ110と、表示モニタ130と、操作部150と、カメラ制御部140と、RAM141と、フラッシュメモリ142と、ボディマウント160と、カードスロット170とを備える。
【0012】
画像センサ110は、交換レンズ200を介して入射される被写体像を撮像して画像データを生成する素子である。画像センサ110は、例えばCMOSイメージセンサである。生成された画像データは、ADコンバータ111でデジタル化される。デジタル化された画像データは、カメラ制御部140により所定の画像処理が施される。所定の画像処理とは、例えば、ガンマ補正処理、ホワイトバランス補正処理、キズ補正処理、YC変換処理、電子ズーム処理、JPEG圧縮処理である。画像センサ110は、CCDまたはNMOSイメージセンサ等であってもよい。
【0013】
画像センサ110は、タイミング発生器112により制御されるタイミングで動作する。画像センサ110は、記録用の静止画像もしくは動画像、またはライブビュー画像を生成する。ライブビュー画像は、画像センサ110によるリアルタイムの撮像結果をユーザに可視化するために表示モニタ130に表示される動画像の一例である。
【0014】
本実施形態の画像センサ110は、例えば像面位相差方式のAF機能を実現するためのセンサ画素を複数、備える。複数のセンサ画素は、画像センサ110の像面上で、それぞれ像面位相差方式のAF機能において合焦状態の検知対象とする種々の位置に配置される。例えば、センサ画素は、交換レンズ200等の光学系において瞳分割した2種の光学像を結像するように区分された光電変換部などを備える。
【0015】
表示モニタ130は、ライブビュー画像等の画像およびメニュー画面等の種々の情報を表示する表示部の一例である。表示モニタ130は、例えば、液晶ディスプレイデバイスまたは有機ELデバイス等の各種表示デバイスで構成できる。表示モニタ130に加えて、又はこれに代えて、デジタルカメラ1は、例えばカメラ本体100において別の表示部の一例である電子式ビューファインダ(EVF)等を備えてもよい。
【0016】
操作部150は、ユーザからの操作(指示)を入力可能なユーザインタフェースの総称である。操作部150は、ユーザ操作の入力を受けると、ユーザ操作に応じた各種指示を示す操作信号をカメラ制御部140に送信する。操作部150は、例えば物理的なボタン、レバー、ダイヤル、タッチパネル、スイッチ等を含む。また、操作部150は、表示モニタ130上に表示される仮想的なボタンやアイコンも含んでもよい。操作部150の具体例については後述する。
【0017】
カメラ制御部140は、操作部150からの指示に応じて、画像センサ110等の構成要素を制御することでデジタルカメラ1全体の動作を制御する。カメラ制御部140は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで構成してもよい。カメラ制御部140は、垂直同期信号をタイミング発生器112に送信する。これと並行して、カメラ制御部140は、垂直同期信号に同期した同期信号を生成し、この同期信号を、ボディマウント160及びレンズマウント250を介して、レンズ制御部230に送信する。カメラ制御部140は、制御動作や画像処理動作の際に、RAM141をワークメモリとして使用する。
【0018】
フラッシュメモリ142は、カメラ制御部140が制御を行う際に使用するプログラムやパラメータを保存する。
【0019】
ボディマウント160は、交換レンズ200のレンズマウント250と機械的及び電気的に接続可能である。ボディマウント160は、レンズマウント250を介して、交換レンズ200との間で、データを送受信可能である。ボディマウント160は、カメラ制御部140から受信した露光同期信号を、レンズマウント250を介してレンズ制御部230に送信する。
【0020】
また、ボディマウント160は、カメラ制御部140から受信したその他の制御信号を、レンズマウント250を介してレンズ制御部230に送信する。また、ボディマウント160は、レンズマウント250を介してレンズ制御部230から受信した信号をカメラ制御部140に送信する。
【0021】
カードスロット170は、メモリカード171を装着可能であり、カメラ制御部140からの制御に基づいてメモリカード171を制御する。デジタルカメラ1は、メモリカード171に対して画像データを格納したり、メモリカード171から画像データを読み出したりすることができる。
【0022】
1-2.交換レンズ
図1に示すように、交換レンズ200は、例えばフォーカスレンズ210、ズームレンズ220、及び絞り260等を含む光学系の一例である。交換レンズ200は、更に、各種駆動部211,221,261と、レンズ制御部230と、RAM231と、フラッシュメモリ232と、レンズマウント250とを備える。又、交換レンズ200は、図1に示すレンズに加えて手振れ補正用レンズをさらに備えてもよい。
【0023】
また、交換レンズ200は、例えばフォーカスリング212及びズームリング222といった操作部材をさらに備える。交換レンズ200の操作部材はこれに限らず、例えば外装に設けられたボタン等を含んでもよい。
【0024】
レンズ制御部230は、交換レンズ200全体の動作を制御する。レンズ制御部230は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを実行するマイクロコンピュータなどで構成してもよい。
【0025】
RAM231は、レンズ制御部230が制御の際に用いるワークメモリとして機能する。フラッシュメモリ232は、レンズ制御部230の制御の際に使用するプログラムやパラメータ、レンズデータ等を格納する。
【0026】
ズームレンズ220は、交換レンズ200の光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。ズームレンズ220のレンズ構成は何枚でも何群でもよい。ズームレンズ駆動部221は、ユーザによるズームリング222の操作に基づいて、ズームレンズ220を光学系の光軸に沿って移動させる機械的な機構である。ズームレンズ220の位置は随時ズームレンズ位置検出部223により検出され、レンズ制御部230に通知される。
【0027】
フォーカスレンズ210は、光学系から入射され画像センサ110上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ210のレンズ構成は何枚でも何群でもよい。フォーカスレンズ駆動部211は、レンズ制御部230の制御に基づいてフォーカスレンズ210を光学系の光軸に沿って進退するように駆動する。フォーカスレンズ駆動部211は、例えばステッピングモータ、DCモータ、超音波モータ等により実現できる。
【0028】
絞り260は、画像センサ110に入射される光の量を調整する。絞り260は、絞り駆動部262により駆動され、その開口の大きさが制御される。絞り駆動部262はモータまたはアクチュエータを含む。例えばレンズ制御部230は、絞り260の絞り値およびズームレンズ220のズーム値等に基づき、交換レンズ200の被写界深度などを管理できる。
【0029】
1-3.操作部について
デジタルカメラ1における操作部150の具体例を、図2を用いて説明する。図2は、デジタルカメラ1のカメラ本体100の背面を示した図である。
【0030】
図2では、操作部150の例として、レリーズボタン151、選択ボタン152、タッチパネル155、及び機能ボタン156が示されている。操作部150は、ユーザによる操作を受け付けると、カメラ制御部140に種々の指示信号を送信する。
【0031】
レリーズボタン151は、二段押下式のボタンである。レリーズボタン151がユーザにより半押し操作されると、カメラ制御部140はオートフォーカス制御(AF制御)やオート露出制御(AE制御)などを実行する。また、レリーズボタン151がユーザにより全押し操作されると、カメラ制御部140は、押下操作のタイミングに撮像された画像データを記録画像としてメモリカード171等に記録する。
【0032】
選択ボタン152は、上下左右方向に設けられた押下式ボタン及び中央に設けられた押下式ボタンを含む。ユーザは、上下左右方向のいずれかの選択ボタン152を押下することにより、表示モニタ130に表示される各種条件項目を選択したり、カーソルを移動したりすることができる。デジタルカメラ1は、例えば選択ボタン152と同様の機能を実現するジョイスティック等を備えてもよい。
【0033】
デジタルカメラ1が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、選択ボタン152における中央のボタンがユーザにより押下されると、カメラ制御部140は表示モニタ130にメニュー画面を表示する。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。中央のボタンが各種条件の設定項目が選択されているときに押下されると、カメラ制御部140は、選択された項目の設定を確定する。
【0034】
タッチパネル155は、表示モニタ130の表示画面と重畳して配置され、ユーザの指による表示画面上へのタッチ操作を検出する。これにより、ユーザは、表示モニタ130に表示された画像に対する領域の指定、メニュー画面上の各種選択等の操作を行える。
【0035】
機能ボタン156は、デジタルカメラ1における特定の機能が予め割り当てられた押下式ボタンである。
【0036】
2.動作
以上のように構成されるデジタルカメラ1の動作について、以下説明する。
【0037】
2-1.動作の概要
デジタルカメラ1は、例えば操作部150のタッチパネル155に対するユーザの操作に応じて、オートフォーカス(AF)動作を制御する機能、即ちタッチAF機能を有する。本実施形態のデジタルカメラ1においてタッチAF機能を用いた動作の概要を、図3を用いて説明する。
【0038】
図3は、本実施形態におけるデジタルカメラ1のライブビュー画面の表示例を示す。デジタルカメラ1は、例えば、動画の撮影中または待機中に表示モニタ130に表示されるライブビュー画面において、ライブビュー画像30を表示する。タッチAF機能によると、例えばユーザが指20によりライブビュー画像30上で所望の位置をタッチする操作に応じて、デジタルカメラ1は、タッチ位置に映る被写体にピントを合わせるようにAF動作を実行する。
【0039】
本実施形態のデジタルカメラ1は、例えば図3に示すように、ライブビュー画面の表示モニタ130においてライブビュー画像30に重畳して、AF時間バー40、AF時間アイコン50及び終了ボタン60を表示する。
【0040】
AF時間バー40は、本実施形態のデジタルカメラ1において設定されるAF遷移期間を可視化する操作バー、すなわちバー状の仮想的な操作部材である。AF遷移期間は、デジタルカメラ1のAF動作において合焦状態が遷移する期間である。AF時間バー40は、AF遷移期間を調整するためのユーザ操作を受け付ける操作情報の一例である。
【0041】
AF時間アイコン50は、例えばAF時間バー40の表示開始を制御するためのユーザ操作を受け付ける操作アイコンである。終了ボタン60は、AF時間バー40の表示を終了するためのユーザ操作を受け付ける操作ボタンである。本実施形態のデジタルカメラ1は、ライブビュー画面においてAF時間バー40の表示の有無を切り替え可能である。
【0042】
タッチAF機能を用いた動画の撮影においては、例えば撮影中にユーザがライブビュー画像30上でピントを合わせたい位置にタッチ操作することで、実行されるAF動作においてタッチ位置等の合焦状態が遷移する様子を動画データに記録できる。こうした合焦状態の遷移の速さ/遅さは、例えば動画データによる映像作品において有用な映像効果となり、ユーザが意図通りに調整したいニーズが考えられる。
【0043】
そこで、本実施形態のデジタルカメラ1は、上述したようにライブビュー画像30と共にAF時間バー40を表示して、AF遷移期間の長さを調整するユーザ操作を受け付ける。これにより、ユーザは、例えばタッチAF機能を用いた動画の撮影中にAF動作の対象としたい被写体をライブビュー画像30上で視認しながら、AF時間バー40において、そのAF動作時に適用されるAF遷移期間の長さを確認したり変更したりすることができる。このように、本実施形態のデジタルカメラ1によると、例えばタッチAF機能においてユーザが意図通りに合焦状態の遷移の遅速を調整し易くできる。
【0044】
2-2.動作の詳細
本実施形態におけるデジタルカメラ1の動作の詳細について、図4~5を用いて説明する。
【0045】
図4は、実施形態1のデジタルカメラ1の動作を例示するフローチャートである。図5は、本実施形態のデジタルカメラ1の動作を説明するための図である。
【0046】
図4のフローチャートに示す処理は、例えば、動画像の撮像動作と同時に並行して、カメラ制御部140によって実行される。本フローは、動画等の撮影記録中に行われてもよいし、撮影待機中に行われてもよい。本フローの開始時に表示されるライブビュー画面を図5(A)に例示する。
【0047】
図5(A)は、本実施形態のデジタルカメラ1におけるライブビュー画面の初期状態を示す。図5(A)に例示するライブビュー画面において、AF時間アイコン50は表示されており、AF時間バー40及び終了ボタン60は表示されていない。
【0048】
まず、カメラ制御部140は、例えば図5(A)に示すライブビュー画面において、操作部150のタッチパネル155を介して、AF時間アイコン50にタッチするユーザ操作を受け付ける(S1)。ステップS1は、ライブビュー画像30が表示された状態でAF時間バー40の表示を開始するためのユーザ操作を対象として行われる。
【0049】
AF時間アイコン50の操作が入力されると(S1でYES)、カメラ制御部140は、AF時間バー40を表示するように表示モニタ130を制御する(S2)。ステップS2の表示例を図5(B)に示す。
【0050】
図5(B)は、図5(A)からAF時間アイコン50が操作された状態を例示する。表示モニタ130は、カメラ制御部140の制御により、AF時間アイコン50に加えて、AF時間バー40及び終了ボタン60を更に表示する(S2)。本例では、AF時間バー40の表示位置は、ライブビュー画面の水平方向における右端などの所定位置に予め設定されている。
【0051】
図5(B)の例において、AF時間バー40は、AF遷移期間の初期値を表示している。AF遷移期間の初期値は、例えばフラッシュメモリ142に予め設定情報として格納されている。本例において、AF遷移期間の初期値は、AF時間バー40において設定可能な範囲で最も短い時間区間に設定されており、当該時間区間に対応する1つの区間ブロック41で表示されている。AF遷移期間の初期値は特に上記に限らず、例えば過去に設定されたAF遷移期間の長さであってもよい。
【0052】
カメラ制御部140は、例えば図5(B)に示すように、ライブビュー画面にAF時間バー40が表示された状態において、タッチパネル155等の操作部150を介してAF遷移期間の長さを変更するユーザ操作を受け付ける(S3)。ステップS3の対象とするユーザ操作は、AF時間バー40を操作情報としてAF遷移期間を調整する第1操作の一例である。ステップS3の表示例を図5(C)に示す。
【0053】
図5(C)は、図5(B)からAF時間バー40が操作された状態を例示する。図5(B),(C)の例において、AF時間バー40は、ライブビュー画面の垂直方向に延在するバー状の表示領域42において、下側から上側に向かって並ぶ区間ブロック41の個数に応じて、設定中のAF遷移期間の長さを可視化する。
【0054】
本例において、ステップS3の対象とするユーザ操作は、AF時間バー40の表示領域42において、ユーザが所望するAF遷移期間の長さに対応した垂直位置をタッチ操作などで指定する。すると、カメラ制御部140は、指定された位置に応じたAF遷移期間の長さを表すようにAF時間バー40の表示を更新する(S4)。
【0055】
カメラ制御部140は、AF時間バー40の操作が入力されると(S3でYES)、入力された操作に応じて、AF遷移期間の設定を更新する(S4)。例えば、カメラ制御部140は、AF時間バー40の表示更新に加えて(図5(C))、フラッシュメモリ142又はバッファメモリ141においてAF遷移期間の設定情報を更新する。
【0056】
また、カメラ制御部140は、例えばタッチパネル155を介してライブビュー画像30に対するタッチ操作等により、ライブビュー画像30上の位置を指定する操作を受け付ける(S5)。ステップS5の対象とするユーザ操作は、ライブビュー画像30上の位置指定によりAF動作の実行を指示する第2操作の一例である。
【0057】
カメラ制御部140は、ライブビュー画像30の位置指定の操作が入力されると(S5でYES)、AF遷移期間の設定情報を参照して、AF動作の実行を制御する(S6)。こうしたAF遷移制御(S6)は、AF時間バー40において設定されたAF遷移期間の長さにしたがってAF動作を実行して完了させる。このとき、AF時間バー40は、AF遷移期間においてAF動作が進行した程度或いは残り時間などの経過状態を可視化する(図7参照)。AF遷移制御(S6)の詳細については後述する。
【0058】
又、特にAF時間バー40の操作が入力されずに(S3でNO)、ライブビュー画像30がタッチ操作された場合(S5でYES)、カメラ制御部140は、初期値など予め設定されたAF遷移期間をステップS6の処理に適用する。
【0059】
また、カメラ制御部140は、例えばタッチパネル155を介して、終了ボタン60にタッチするユーザ操作を受け付ける(S7)。ステップS7の対象とするユーザ操作は、AF時間バー40の表示を終了するための操作である。
【0060】
終了ボタン60の操作が入力されると(S7でYES)、カメラ制御部140は、ライブビュー画面においてAF時間バー40の表示を消去するように、表示モニタ130を制御する(S8)。これにより、ライブビュー画面は、図5(C)に例示した状態から図5(A)と同様の表示に戻る。
【0061】
一方、終了ボタン60の操作が入力されていないとき(S7でYES)、カメラ制御部140は、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0062】
カメラ制御部140は、AF時間バー40の表示消去により(S8)、本フローチャートに示す処理を終了する。その後、カメラ制御部140は、例えば所定周期を置いてステップS1以降の処理を再び行う。例えば、ステップS8後にライブビュー画像30のタッチ操作が行われた場合、カメラ制御部140は、特にAF時間バー40を表示しない状態で、設定されたAF遷移期間にしたがうAF動作を、ステップS6と同様に行う。
【0063】
以上のデジタルカメラ1の動作によると、ライブビュー画面においてAF時間アイコン50が操作されたとき(S1でYES)、ライブビュー画像30に加えてAF時間バー40が表示される(S2)。これにより、ユーザは、動画撮影中又は待機中などに随時、AF遷移期間を確認したいときにAF時間バー40を表示できる(図5(A),(B)参照)。
【0064】
本実施形態のデジタルカメラ1によると、例えば図5(B),(C)に示すように、AF時間バー40において、設定中のAF遷移期間の長さが定量的に可視化され、可視化されたAF遷移期間を直接的に変更するユーザ操作が受け付けられる(S3)。こうしたAF時間バー40により、ユーザがAF遷移期間の長さを意図通りに調整することが容易に行える。
【0065】
又、ユーザは、例えばAF時間バー40を表示させながらライブビュー画像30のタッチ操作を行うことにより、所望の被写体に対するAF動作が、設定されたAF遷移期間にしたがい進行する様子を確認できる(S5,S6)。例えば、ユーザは撮影待機中に、AF時間バー40の操作(S5)を繰り返しながらAF動作(S6)を試して、所望の合焦状態の遷移を実現し易くできる。
【0066】
また、ユーザは、AF時間バー40の表示中に随時、終了ボタン60を操作することで(S7でYES)、ライブビュー画面においてAF時間バー40が表示されないようにすることができる(S8)。このように、ユーザがAF時間バー40の表示の有無を切り替えられるようにして、AF遷移期間を考慮した動画撮影などを行い易くすることができる。
【0067】
以上の説明では、ステップS1においてAF時間アイコン50のタッチ操作を用いる例を説明した。ステップS1は特にタッチ操作に限らず、例えばAF時間バー40又はAF時間アイコン50を呼び出す機能が割り当てられた機能ボタン156(図2)が用いられてもよい。また、ステップS7の対象とするユーザ操作も、特に終了ボタン60のタッチ操作に限らず、機能ボタン156の押下操作であってもよい。
【0068】
又、ステップS3の対象のユーザ操作も、特にAF時間バー40のタッチ操作に限らず、例えば選択ボタン152(図2)を用いて設定値を変更する操作であってもよい。また、ステップS5の対象のユーザ操作も、特にライブビュー画像30のタッチ操作に限らない。例えば、デジタルカメラ1は、ライブビュー画像30上に選択ボタン152により移動可能なポインタを表示して、ライブビュー画像30上の位置を指定するユーザ操作を受け付けてもよい。
【0069】
2-2-1.AF遷移制御
図4のステップS6におけるAF遷移制御について、図6~7を用いて説明する。
【0070】
図6は、デジタルカメラ1におけるAF遷移制御(S6)を説明するためのフローチャートである。図7は、デジタルカメラ1におけるAF遷移制御の表示例を示す、図6のフローチャートに例示する処理は、例えばライブビュー画像30に対するタッチ操作が行われたとき(S5でYES)に開始される。本フローの開始時に表示されるライブビュー画面を図7(A)に例示する。
【0071】
図7(A)は、デジタルカメラ1が被写体31に合焦済みの状態において、ユーザが指20によりタッチ操作を行った場合を例示する。図7(A)~(C)では、デジタルカメラ1が合焦済みの被写体31とは別の被写体32にピントを合わせるためのタッチ操作がユーザにより行われた場合の動作例を示す。
【0072】
図6のフローチャートにおいて、まず、デジタルカメラ1のカメラ制御部140は、例えばタッチ操作によりライブビュー画像30上で指定されたタッチ位置を示す情報を取得する(S11)。例えば図7(A)の例において、カメラ制御部140は、ライブビュー画像30上で被写体32がタッチされた位置の座標等の情報を取得する(S11)。
【0073】
次に、カメラ制御部140は、例えば、取得したタッチ位置の情報に基づき、ライブビュー画像30上のタッチ位置が、合焦済みのAF枠の範囲内にあるか否かを判断する(S12)。AF枠は、例えばライブビュー画像30上でAF動作の対象として設定される領域を示す。図7(A)の例では、合焦済みの被写体31にAF枠71が表示されている。ステップS12の処理は、ユーザが指定した被写体32が、合焦済みの被写体31であるか否かを判断するために行われる。例えば図7(A)の例では、カメラ制御部140は、ステップS12においてNOに進む。
【0074】
タッチ位置が合焦済みのAF枠71の範囲外である場合(S12でNO)、カメラ制御部140は、タッチ位置の被写体32にピントを合わせるためのAF動作を実行する(S13)。ステップS13のAF動作は、例えばタッチ位置の被写体32に対して、AF時間バー40において設定されたAF遷移期間をかけて合焦するように実行される。
【0075】
図7(B)は、図7(A)の後におけるデジタルカメラ1のライブビュー画面の表示例を示す。図7(C)は、さらに図7(B)の後のライブビュー画面の表示例を示す。図7(C)は、タッチ操作が行われた図7(A)のタイミングから、AF遷移期間が経過したタイミングに対応する。
【0076】
ステップS13において、例えば図7(A)のタッチ操作に応じてカメラ制御部140は、図7(B)に例示するように、タッチ位置の被写体32に対するAF動作を行うためのAF枠72をタッチ位置の周囲に設定して、従前のAF枠71は消去する。カメラ制御部140は、画像センサ110の像面上でAF枠72の領域に対応する範囲内の像面位相差方式のセンサ画素の検出結果を取得して、例えば検出結果に基づき、フォーカスレンズ210が被写体32に合焦する合焦位置または移動幅等を算出する。
【0077】
さらにステップS13において、カメラ制御部140は、以上のような算出結果に基づき、フォーカスレンズ210を現在の位置から合焦位置に移動させる。例えば、カメラ制御部140は、フォーカスレンズ210が合焦位置に到るまでの移動期間が、設定したAF遷移期間に合致するように、フォーカスレンズ210の駆動速度を制御する。像面位相差方式のセンサ画素の検出結果は、AF遷移期間におけるフォーカスレンズ210の移動中にも取得されてもよい。こうした検出結果に基づき、カメラ制御部140は、例えばAF遷移期間中に、フォーカスレンズ210の合焦位置等の算出結果を更新したり駆動速度を変化させたりしてもよい。ステップS13のAF動作は、公知の技術を用いて実現可能である(例えば特許文献1参照)。
【0078】
また、上記のAF動作の実行中に、カメラ制御部140は、AF時間バー40においてAF動作の経過状態を示すように表示制御を行う(S14)。例えば、図7(A)~(C)の動作例において、カメラ制御部140は、所定の単位時間が経過する毎に、AF時間バー40において上側の区間ブロック41から順番に、区間ブロック41を1つずつ消灯する。
【0079】
例えば図7(B)において、表示モニタ130は、カメラ制御部140の制御により(S14)、AF時間バー40において点灯する区間ブロック41の個数を、図7(A)から1つ減らしている。さらに、図7(A)からAF遷移期間の長さ分の時間が経過してタッチ位置の被写体32にピントが合ったタイミングにおいて、表示モニタ130は、図7(C)に例示するように、AF時間バー40における全ての区間ブロック41を消灯する。
【0080】
その後、カメラ制御部140は、例えばAF遷移期間の設定情報に基づいて、AF時間バー40の表示を戻すように表示モニタ130を制御する(S15)。例えば、図7(C)の後に、表示モニタ130は、図7(A)と同様に、事前に設定されたAF遷移期間の長さに応じた個数の区間ブロック41を再び点灯する。
【0081】
また、ユーザは、ライブビュー画像30上で合焦済みのAF枠71にタッチ操作することにより、合焦済みの被写体31を指定することもできる(S12,図7(A)参照)。タッチ位置が合焦済みのAF枠71の範囲内である場合(S12でYES)、カメラ制御部140は、ステップS13のAF動作の代わりに、例えばピントを外すためのAF動作を行う(S16)。
【0082】
ステップS16において、カメラ制御部140は、タッチ位置における合焦済みの被写体31から、AF時間バー40において設定されたAF遷移期間をかけてピントを外すように、AF動作を制御する。例えば、カメラ制御部140は、フォーカスレンズ210の現在位置から、無限端に向かうファー側と至近端に向かうニア側とのうちの一方に予め設定される移動方向に、フォーカスレンズ210をAF遷移期間中、移動させる。この際、カメラ制御部140は、例えばデジタルカメラ1における現在の被写界深度を参照して、AF遷移期間中にピントを外すために移動させるフォーカスレンズ210の移動幅及び移動速度を演算する。
【0083】
また、カメラ制御部140は、上記のピント外しのAF動作中にも、ステップS14と同様に、AF時間バー40においてAF動作の経過状態を示すように表示制御を行う(S17)。
【0084】
カメラ制御部140は、AF遷移期間の長さ分のAF動作(S13,S16)及び表示制御(S14,S17)後に、AF時間バー40の表示を戻す(S15)と、例えば図4のステップS6の処理を終了して、ステップS7に進む。
【0085】
以上の処理によると、例えばユーザが被写体32にピントを合わすためのタッチ操作の入力タイミングから、設定されたAF遷移期間の経過後のタイミングに、被写体32にピントが合うといった合焦状態の遷移を実現できる(S13)。この際、図7(A)~(C)に示すように、AF時間バー40において、AF動作が経過する状態を可視化することができる(S17)。これにより、例えばユーザが、AF時間バー40においてAF遷移期間の長さをどの程度に設定すると、どのように合焦状態が遷移するのかを把握し易くでき、意図通りのAF遷移期間の調整を実現しやすい。
【0086】
また、AF遷移期間における合焦状態の遷移は、被写体32へのピント合わせ(S13)に限らず、被写体31からピントを外すためにも適用可能である(S16)。こうしたピント外しのAF動作(S16)によると、ユーザは、例えば高度な技巧を用いることなく、被写体31から次第にピントを外す合焦状態の遷移を容易に得ることができる。
【0087】
上記のステップS16において、ピント外しのAF動作におけるフォーカスレンズ210の移動方向は、ユーザ操作により設定されてもよい。例えば、合焦済みのAF枠71に対するタッチ操作において、左右に指20をなぞったり、タップ操作又はダブルタップ操作を行ったりする等の所定のユーザ操作に応じて、移動方向がファー側又はニア側に切り替えられてもよい。或いは、AF枠71に対するタッチ操作時に、ファー側又はニア側の選択肢が表示されてもよい。
【0088】
また、以上の説明では、本実施形態のデジタルカメラ1におけるAF制御の一例を説明したが、特にこれに限定されず、例えばAF制御に画像認識が利用されてもよい。例えばカメラ制御部140は、ライブビュー画像30の画像認識により被写体31,32を検出して、検出結果に基づき被写体31,32を囲むようにAF枠71,72を設定してもよい(図7(A),(B)参照)。これにより、例えばタッチ操作された被写体32が、AF遷移期間中に移動しても、カメラ制御部140は移動中の被写体32にAF動作を追従させることができ、移動した被写体31に対してAF遷移期間をかけたピント合わせを実現できる。
【0089】
また、デジタルカメラ1は、画像認識において検出した被写体を、AF対象の候補として可視化するための候補表示を行ってもよい。AF実行時のライブビュー画像30の操作(図4のS5)は、こうした候補の被写体の中から、ユーザが所望の被写体を指定する操作であってもよい。
【0090】
3.まとめ
以上のように、本実施形態における撮像装置の一例のデジタルカメラ1(及びカメラ本体100)は、撮像部の一例の画像センサ110と、表示部の一例の表示モニタ130と、タッチパネル155等の操作部150と、制御部の一例のカメラ制御部140とを備える。画像センサ110は、フォーカスレンズ210を含む光学系の一例の交換レンズ200を介して被写体像を撮像して、画像データを生成する。表示モニタ130は、画像データが示す動画像の一例のライブビュー画像30を表示する。操作部150は、ユーザの操作が入力可能である。カメラ制御部140は、操作部150に入力されたユーザ操作に基づき、フォーカスレンズ210によるAF動作といった合焦動作を制御する。カメラ制御部140は、合焦動作が実行される速さに関する設定値の一例としてAF遷移期間を示す操作情報の一例であるAF時間バー40を、ライブビュー画像30と共に表示するように表示モニタ130を制御する(S2)。カメラ制御部140は、AF時間バー40が示す設定値を調整する第1操作の一例としてのAF時間バー40の操作(S3)と、ライブビュー画像30と共に表示されたAF時間バー40が示す設定値にしたがい合焦動作を実行する第2操作の一例としてのライブビュー画像30の操作(S5)とを、操作部150にて受け付ける。
【0091】
以上のデジタルカメラ1によると、ユーザは、ライブビュー画像30と共に表示されたAF時間バー40の操作において、設定値としてAF遷移期間の長さを直接、定量的に調整でき、直感的なAF遷移期間の設定を実現できる。こうして、本実施形態のデジタルカメラ1は、ユーザにとってAF動作が実行される速さに関する設定を行い易くすることができる。
【0092】
本実施形態において、第1操作が操作部150に入力されると(S3でYES)、カメラ制御部140は、入力された第1操作に応じて設定値を更新して(S4)、更新された設定値をAF時間バー40に表示させる(図5(C)参照)。第1操作の後に第2操作が入力されると(S5でYES)、カメラ制御部140は、更新された設定値にしたがって合焦動作を実行する(S6)。これにより、デジタルカメラ1のユーザは、簡単な操作手順においてAF時間バー40により設定値を更新してAF動作に適用でき、ユーザにとってAF遷移期間等の設定を容易にできる。
【0093】
本実施形態において、カメラ制御部140は、第2操作が入力されてから合焦動作の実行中に(S6)、合焦動作が設定値にしたがって実行される経過状態を表示するように表示モニタ130を制御する(S14,S17)。これにより、AF時間バー40等の操作情報により設定された設定値にしたがうAF動作が、どのように実行されるかが、ユーザにとって可視化され、ユーザの意図どおりの設定に到り易くすることができる。
【0094】
本実施形態において、AF時間バー40の設定値は、合焦動作が実行される期間すなわちAF遷移期間を示す。カメラ制御部140は、AF時間バー40の設定値が示すAF遷移期間において、合焦動作の経過状態を表示するように表示モニタ130を制御する(図7(A)~(C))。これにより、AF時間バー40のAF遷移期間において、合焦動作が実行される経過状態が可視化され、ユーザの意図をAF遷移期間の設定に反映し易くできる。
【0095】
本実施形態において、カメラ制御部140は、表示モニタ130にライブビュー画像30が表示された状態において、AF時間バー40を表示させるユーザ操作(S1)、及びAF時間バー40の表示を消去させるユーザ操作(S7)を、操作部150にて受け付ける。これにより、ユーザはライブビュー画像30を見ながら、AF時間バー40を確認したいときに選択的にAF時間バー40を表示させられ、AF時間バー40を用いた設定を行い易くできる。
【0096】
本実施形態において、第2操作の一例であるライブビュー画像30の操作(S5)は、例えばタッチ操作においてライブビュー画像30上でタッチする位置により、ライブビュー画像30における被写体を指定する。カメラ制御部140は、第2操作が入力されると、AF時間バー40が示す設定値にしたがって指定された被写体に合焦するように、フォーカスレンズ210を現在位置から移動させる(S13)。これにより、ユーザはライブビュー画像30上で所望の被写体を指定する簡単な操作により、AF遷移期間などの設定値を反映したピント合わせを実行でき、AF動作を利用し易くできる。
【0097】
本実施形態において、第2操作により指定された被写体が、合焦済みの被写体である場合(S12でNO)、カメラ制御部140は、第2操作が入力されると、AF時間バー40が示す設定値にしたがって指定された被写体に合焦しなくなるように、フォーカスレンズ210を現在位置から移動させる(S16)。これにより、ユーザは、所望の被写体からピントを外す際にも、設定値を反映したAF動作を利用できる。
【0098】
(実施形態2)
実施形態2では、AF時間バー40の表示位置を可変とするデジタルカメラ1について、図8~9を用いて説明する。
【0099】
以下、実施形態1に係るデジタルカメラ1と同様の構成、動作の説明は適宜、省略して、本実施形態に係るデジタルカメラ1を説明する。
【0100】
図8は、実施形態2のデジタルカメラ1の動作を例示するフローチャートである。図9は、本実施形態のデジタルカメラの動作を説明するための図である。
【0101】
本実施形態のデジタルカメラ1において、カメラ制御部140は、例えば実施形態1と同様にステップS1,S3~S8の処理を行う。本実施形態のカメラ制御部140は、例えば図4のステップS2の代わりに、図8に示すように、AF時間バー40の表示位置の最適化のための処理を行う(S21,S22)。図9(A)は、本実施形態のデジタルカメラ1においてAF時間バー40の表示前(S1)のライブビュー画面を例示する。
【0102】
実施形態1において、AF時間バー40は、ライブビュー画面の右端といった所定位置に表示された(図4のS2,図5等参照)。図9(A)の例において、ライブビュー画像30上の右端には被写体33が位置している。この場合にAF時間バー40が右端に表示されると、AF時間バー40と被写体33とが重畳してしまう。すると、例えばユーザが被写体33にピントを合わせたくとも、AF時間バー40の重畳により被写体33にタッチ操作等を行い難いことが考えられる。
【0103】
そこで、本実施形態のデジタルカメラ1は、例えばライブビュー画像30の画像認識により、被写体31~33とは重畳しない観点からAF時間バー40の表示位置を最適化する(S21,S22)。こうした画像認識の対象は、例えばデジタルカメラ1の撮影シーン等に応じて、撮影者がAF対象として指定し得ることが想定される種別の被写体に予め設定される。例えば、撮影シーンが演奏会の認識対象は人物とし、撮影シーンが風景の認識対象は木等の自然物とする等の設定が可能である。こうした撮影シーンについても、デジタルカメラ1が画像認識により判定してもよいし、設定メニュー等のユーザ設定であってもよい。
【0104】
例えば、図9(A)の状態からAF時間アイコン50が操作されたとき(S1でYES)、カメラ制御部140は、ライブビュー画像30における被写体31~33の位置を認識する(S21)。次に、カメラ制御部140は、認識した被写体31~33の位置に基づいて、例えばAF時間バー40を表示する候補を示す複数の候補位置の中から、最適な表示位置を選択して、AF時間バー40を表示するように表示モニタ130を制御する(S22)。AF時間バー40の候補位置は、例えばライブビュー画像30の左右の両端である。ステップS21,S22の動作例を図9(B)に示す。
【0105】
図9(B)は、図9(A)からAF時間バー40が表示された状態を例示する。図9(B)では、ステップS21において画像認識の結果として得られる被写体領域R1,R2,R3を例示する。カメラ制御部140は、例えば複数の候補位置において所定の優先順位順に、各候補位置と被写体領域R1~R3との重畳を判定して、AF時間バー40の表示位置を決定する(S22)。
【0106】
図9(B)の例では、ライブビュー画像30における左端が、右端よりも優先順位が低く設定されているが被写体領域R1~R3と重畳しないことから、AF時間バー40の表示位置に決定された場合を例示する。これにより、ユーザがAF時間バー40を確認しながら、被写体31~33をAF対象とするタッチ操作を行い易くすることができる。
【0107】
又、AF時間バー40の表示位置およびその候補位置は、特に上記に限定されず、種々の位置であってもよい。こうした変形例について、図9(C)~(D)を用いて説明する。
【0108】
図9(C)は、AF時間バー40の表示位置が、ライブビュー画像30の上端である場合を例示する。AF時間バーの候補位置は、例えばライブビュー画像30の上端/下端を含んでもよい。この場合、AF時間バー40は、例えば垂直方向の代わりに、図9(C)に示すように水平方向に延在するように設定される。これにより、ライブビュー画像30の端部に沿うようにAF時間バー40を表示でき、被写体31~33との重畳を抑制できる。
【0109】
図9(D)は、AF時間バー40の表示位置が、ライブビュー画像30の中央である場合を例示する。AF時間バー40の候補位置は、必ずしもライブビュー画像30の端部に限らない。例えば図9(D)に示すように、ライブビュー画像30上で被写体31~33が位置しない箇所が画面中央である場合は、AF時間バー40が当該箇所に表示されてもよい。
【0110】
以上のようなAF時間バー40の表示位置の最適化は、AF時間バー40の表示の開始時(S1,S21,S22)に限らず、AF時間バー40が表示された状態で行われてもよい。
【0111】
例えば、カメラ制御部140は、AF時間バー40の表示中(S3~S7)も、ステップS1と同様にAF時間アイコン50の操作を受け付ける。AF時間アイコン50が操作されると、カメラ制御部140はステップS21と同様にライブビュー画像30の画像認識を行って、認識結果に基づきAF時間バー40の位置を最適な表示位置に変更する。これにより、ユーザは、AF時間バー40の表示位置を変更したいときには随時、AF時間アイコン50を操作することにより、AF時間バー40の表示位置を最適化できる。
【0112】
また、AF時間バー40の表示位置の最適化は、特にAF時間アイコン50の操作を用いずに行われてもよい。例えば、カメラ制御部140は、特にユーザ操作に依らず、逐次ライブビュー画像30の画像認識により、被写体領域R1~R3がAF時間バー40に重畳したことを判定すると、自動的にAF時間バー40の表示位置を変更してもよい。
【0113】
また、AF時間バー40の表示位置の変更は、特に画像認識を用いなくてもよく、例えばユーザが所望の位置にAF時間バー40を配置する操作により行われるようにしてもよい。例えば、カメラ制御部140は、表示中のAF時間バー40をドラッグして所望の端部に移動させるようなユーザ操作を受け付けて、当該ユーザ操作に応じて所望の端部にAF時間バー40の表示位置を移動してもよい。
【0114】
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ1では、AF時間バー40は、表示モニタ130においてライブビュー画像30上に重畳する表示位置に表示される。AF時間バー40の表示位置は、ライブビュー画像30における被写体31~33の位置に応じて変更される。これにより、ライブビュー画像30における被写体31~33を指定し難くせずに、AF時間バー40を表示でき、AF時間バー40を用いた設定を利用し易くすることができる。
【0115】
本実施形態において、カメラ制御部140は、ライブビュー画像30において被写体31~33の位置を認識して(S21)、認識された被写体31~33の位置に基づきAF時間バー40の表示位置を制御する(S22)。これにより、画像認識に基づきAF時間バー40の表示位置を最適化できる。こうした画像認識に加えて又はこれに代えて、カメラ制御部140は、AF時間バー40の表示位置を変更させるユーザ操作を、操作部150にて受け付けてもよい。
【0116】
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1,2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記各実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
【0117】
上記の実施形態1,2では、区間ブロック41毎にAF遷移期間の長さを示すAF時間バー40を例示した。本実施形態において、AF時間バー40は特に区間ブロック41を用いなくてもよく、例えばAF遷移期間の長さを連続的に変化させるようにしてもよい。こうした変形例について、図10~11を用いて説明する。
【0118】
図10は、デジタルカメラ1の変形例1におけるライブビュー画面を例示する。図10の例において、AF時間バー40Aは、表示領域42に付された目盛りに対するポインタ43の位置に応じて、設定中のAF遷移期間の長さを連続的に示している。AF時間バー40Aにおいては、特にポインタ43が表示されずに、表示領域42の下端等から棒グラフを延在させてもよい。また、AF時間バー40Aの目盛りは、特に省略されてもよい。
【0119】
図11は、デジタルカメラ1の変形例2におけるライブビュー画面を例示する。図11の例において、AF時間バー40Bは、表示領域42において延在する棒グラフと、棒グラフに対応する数値とによりAF遷移期間の長さを示している。AF遷移期間の数値表示の単位は、例えば秒である。
【0120】
また、図10,11の例では、特にAF時間アイコン50及び終了ボタン60(図3)は省略され、操作タブ52が表示されている。本変形例のデジタルカメラ1において、操作タブ52は、例えばライブビュー画面の端部から引き出したり戻したりするタッチ操作に応じて、AF時間バー40の表示の有無を切り替える。
【0121】
上記の各実施形態では、デジタルカメラ1が、AF動作の実行を指示する第2操作に応じて、AF時間バー40に設定されたAF遷移期間においてフォーカスレンズ210を現在位置から移動する動作例を例示した。デジタルカメラ1の動作の変形例について、図12を用いて説明する。
【0122】
図12は、デジタルカメラ1の変形例3におけるライブビュー画面を例示する。本変形例において、カメラ制御部140は、図12に例示するように、表示モニタ130に、AF時間アイコン50Cと、AF時間バー40Cと、フォーカス位置アイコン55とを表示させる。
【0123】
フォーカス位置アイコン55は、予め登録された複数のフォーカスレンズ210の位置を示す操作アイコンである。本変形例のデジタルカメラ1においては、例えばメニュー設定などにおいて、ユーザが所望の合焦状態に対応するフォーカスレンズ位置を事前に登録できる。図12では、3箇所のフォーカスレンズ位置が登録されたフォーカス位置アイコン55を例示するが、特にこれに限らず種々の個数で登録可能である。
【0124】
本変形例のAF時間バー40Cは、フォーカス位置アイコン55に登録された複数のフォーカスレンズ位置の間の移動についてのAF遷移期間を、実施形態1と同様に可視化してユーザが調整可能な操作を受け付ける。又、図12の例では、AF時間アイコン50Cのタッチ操作に応じて、カメラ制御部140は、AF時間バー40の表示の有無を切り替える。例えばAF時間バー40Cが表示されない状態でも、AF時間アイコン50Cにおいて、設定中のAF遷移期間の数値が表示される。
【0125】
本変形例のデジタルカメラ1は、例えばフォーカス位置アイコン55のタッチ操作により、登録された複数のフォーカスレンズ位置の中から所望の開始位置と終了位置を指定するユーザ操作を受け付ける。本変形例のデジタルカメラ1は、フォーカス位置アイコン55のユーザ操作に応じて、指定された開始位置と終了位置との間のフォーカスレンズ210の移動が、AF時間バー40Cにて設定されたAF遷移期間の長さとなるようにAF動作を行う。この際のAF動作は、まず、フォーカスレンズ210の現在位置から指定された開始位置まで、例えば最速など所定の駆動速度によりフォーカスレンズ210を移動してから、AF遷移期間分の終了位置への移動に移行する。こうしたAF動作は、特にセンサ画素の検出結果などを用いずに、フォーカスレンズ210を駆動することによって行える。
【0126】
ユーザは、例えば動画撮影中において、予め登録された開始位置の合焦状態へ切り替えてから終了位置の合焦状態まで遷移するような映像効果を得る際に、そのAF遷移期間の長さをライブビュー画面上のAF時間バー40Cにより所望の長さに調整することができる。本変形例のAF時間バー40Cによると、ユーザは、フォーカス位置アイコン55に登録された各種のフォーカスレンズ位置間のAF遷移期間を容易に調整可能である。又、開始位置までのフォーカスレンズ210の移動についても、実施形態1等と同様に、設定されたAF遷移期間をかけて行われるようにしてもよい。
【0127】
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ1において、AF動作の実行を指示する第2操作は、フォーカスレンズ210を移動する開始位置と終了位置とを指定してもよい。カメラ制御部140は、当該第2操作が入力されると、AF時間バー40が示す設定値にしたがって開始位置から終了位置にフォーカスレンズ210を移動させてもよい。本実施形態のAF時間バー40Cによると、各種の開始位置及び終了位置間のAF遷移期間を調整できる。これによっても、ユーザにとってAF動作が実行される速さに関する設定を行い易くすることができる。
【0128】
また、上記の各実施形態では、デジタルカメラ1における操作情報の一例としてAF時間バー40を例示したが、操作情報は特にこれに限定されない。本実施形態において、デジタルカメラ1における操作情報は、AF時間バー40のようなバー表示の代わりに、AF遷移期間の長さを数値で示すインジケータであってもよく、数値を指定するユーザ操作によってAF遷移期間の長さを調整してもよい。この場合、AF動作中の経過状態は、設定されたAF遷移期間の長さの数値からカウントダウンするように表示されてもよい。又、本実施形態の操作情報は、AF時間バー40のようなバー状の表示の代わりに時計状の表示であってもよい。
【0129】
また、上記の各実施形態では、AF時間バー40等の操作情報においてAF動作の経過状態を表示する例を説明したが、本開示は特にこれに限定されない。本実施形態のデジタルカメラ1において、AF動作の経過状態は、操作情報とは別体の情報として表示されてもよい。例えば、AF動作の経過状態を可視化するための専用表示が、時計または砂時計などの各種態様において、AF動作の開始時に出現するようにしてもよい。
【0130】
また、上記の各実施形態では、AF時間バー40がライブビュー画像30に重畳して表示される例を説明した。本実施形態のデジタルカメラ1において、AF時間バー40の表示は、必ずしもライブビュー画像30に重畳しなくてもよい。例えば、デジタルカメラ1の表示モニタ130は、ライブビュー画面の端部にライブビュー画像30が表示されない領域を設けて、当該領域にAF時間バー40を表示してもよい。これによっても、ライブビュー画像30と共にAF時間バー40を同時表示するライブビュー画面が実現できる。
【0131】
また、上記の各実施形態では、AF遷移期間の設定値を示すAF時間バー40を、操作情報の一例として説明したが、操作情報はこれに限定されない。本実施形態のデジタルカメラ1において、操作情報の設定値は、AF遷移期間に限らず、例えばフォーカスレンズ210の駆動速度であってもよい。
【0132】
又、本実施形態において、AF時間バー40のような時間設定の操作情報と、駆動速度の設定値を調整する速度設定の操作情報とが、切り替えられてもよい。例えば、AF遷移期間を設定したフォーカスレンズ210の駆動制御が行い難い交換レンズ200がカメラ本体100に接続された場合に、カメラ制御部140は、交換レンズ200とのデータ通信により、時間設定の操作情報の代わりに速度設定の操作情報を採用してもよい。或いは、設定メニュー等において、ライブビュー画面に表示させる操作情報を時間設定又は速度設定から選択するユーザ操作が受け付けられてもよい。これにより、ユーザは、合焦状態の遷移により得たい映像効果を検討するにあたり、適切な操作情報を選択できる。
【0133】
また、上記の各実施形態では、像面位相差方式のAF技術をデジタルカメラ1に用いる例を説明した。本実施形態のデジタルカメラ1は、例えば像面位相差方式と併用して、コントラスト方式など他の方式のAF技術を用いてもよい。また、本実施形態のデジタルカメラ1は、必ずしも像面位相差方式を用いなくてもよく、画像センサ110の像面における種々の位置で合焦位置が取得できる技術が代用されてもよく、例えばDFD技術が用いられてもよい。
【0134】
また、上記の各実施形態では、撮像装置の一例としてレンズ交換式のデジタルカメラについて説明したが、本実施形態の撮像装置は、特にレンズ交換式ではないデジタルカメラであってもよい。また、本開示の思想は、デジタルカメラのみならず、ムービーカメラであってもよいし、カメラ付きの携帯電話或いはPCのような種々の撮像機能を有する電子機器にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本開示は、合焦動作を行う各種の撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 デジタルカメラ
100 カメラ本体
110 画像センサ
130 表示モニタ
140 カメラ制御部
150 操作部
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