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  • 特開-低融点はんだ合金 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044347
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】低融点はんだ合金
(51)【国際特許分類】
   B23K 35/26 20060101AFI20230323BHJP
   C22C 12/00 20060101ALI20230323BHJP
   C22C 13/02 20060101ALI20230323BHJP
   B23K 35/363 20060101ALN20230323BHJP
【FI】
B23K35/26 310A
B23K35/26 310C
C22C12/00
C22C13/02
B23K35/363 C
B23K35/363 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152330
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】592025786
【氏名又は名称】株式会社日本スペリア社
(72)【発明者】
【氏名】西村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】赤岩 徹哉
(57)【要約】
【課題】Biを多く含有する低融点Sn-Bi系はんだ合金でありながら、はんだ合金やはんだ接合部の機械的特性が低下することなく、しかも、エレクトロマイグレーションの発生を抑制する効果を有する汎用性のあるはんだ合金及びはんだ接合部の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、Snが40質量%~70質量%、Biが30質量%~60質量%であるはんだ組成に、Cu、Sb、及びAgから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第一のグループとして、Fe、Co、Ni、Pd、Ru、Rh、Gd、及びPtから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第二のグループとして、P、Ca、Ti、Mn、As、Cd、In、Te、及びPbから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第三グループとして、各グループの元素の含有量を、第一グループの元素は0.01質量%~4質量%、第二グループの元素は0.005質量%~0.1質量%、第三グループの元素は0.0005質量%~0.01質量%とし、単独グループまたは複数のグループより選択した元素を含有させることにより、当該はんだ合金並びに当該はんだ合金を用いたはんだ接合部に発生するエレクトロマイグレーションを抑制することを可能とした。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Biが30質量%~60質量%と、
Cu、Sb、及びAgから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第一のグループとして、
Fe、Co、Ni、Pd、Ru、Rh、Gd、及びPtから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第二のグループとして、
P、Ca、Ti、Mn、As、Cd、In、Te、及びPbから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第三グループとして、
各グループの元素の含有量を、第一グループの元素は0.01質量%~4質量%、第二グループの元素は0.005質量%~0.1質量%、第三グループの元素は0.0005質量%~0.01質量%とし、
単独グループまたは複数のグループより選択した元素を前記含有量を含有させ、残部をSn及び不可避不純物から成ることを特徴とする低融点はんだ合金。
【請求項2】
請求項1記載のはんだ合金を用いて形成されたはんだ接合部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Sn-Bi系低融点はんだ合金及びはんだ接合部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球環境負荷軽減のため、電子部品の接合材料として鉛フリーはんだが広く普及しており、Sn-Ag-Cu系はんだ合金やSn-Cu-Ni系はんだ合金はその代表的な組成として知られており、広く用いられている。
しかし、これらの鉛フリーはんだ合金は従来用いられていたSn-Pb共晶組成はんだよりも融点が高く、はんだ接合時の温度も高い。
そのため、耐熱性の高い電子部品や基板が必要となり、製品コスト上昇の一因となっており、耐熱性の低い電子部品の接合を必要とするパーソナルコンピュータ等の基板への接合には、BiやInを所定量含有させることで低融点化したSn-Bi系、Sn-In系のはんだ合金が用いられている。
【0003】
ところで、Sn-Bi系はんだ合金中にBiを多く含有させると、はんだ合金やはんだ接合部が脆くなり、機械的特性が低下することが知られており、長期信頼性に懸念が残る。
そこで、出願人は特許文献1にて、Sn-Biはんだ合金にSb、Cu、及びNiを所定量含有させることで、信頼性の高いはんだ接合部を形成する技術を開示している。
【0004】
一方、近年、パーソナルコンピュータ等の電子デバイスに用いられるCPU(Central Processing Unit)等の電子部品は、ダウンサイジングや高性能化が進み、それに伴い半導体素子の電子部品の端子にはダウンサイジング前と比較して、電流密度の増加が起きている。
電流密度が増加すると端子と基板を接合しているはんだ接合部にエレクトロマイグレーション(以下、「EM」と記載。)を起因とするボイド等を助長して、局所抵抗値の増加やホットスポットによる接合部の発熱等による不具合の発生を増加させることが懸念されている。
【0005】
そこで、特許文献2ではEMの発生を抑制するはんだ合金組成の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開WO2020/209384号公報
【特許文献2】登録第6119912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
Biを多く含有する低融点Sn-Bi系はんだ合金でありながら、はんだ合金やはんだ接合部の機械的特性が低下することなく、しかも、EMの発生を抑制する効果を有する汎用性のあるはんだ合金及びはんだ接合部の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成すべく、Sn-Bi系低融点はんだ合金組成に着目して鋭意検討を重ねた結果、Sn-Bi基本組成に、Cu、Sb、及びAgから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第一のグループとして、Fe、Co、Ni、Pd、Ru、Rh、Gd、及びPtから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第二のグループとして、P、Ca、Ti、Mn、As、Cd、In、Te、及びPbから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第三グループとして、第一グループの元素を0.01質量%~4質量%、第二グループの元素を0.005質量%~0.1質量%、第三グループの元素を0.0005質量%~0.01質量%を含有させることにより、EMの発生を抑制する効果を見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
すなわち本発明は、Snが40質量%~70質量%、Biが30質量%~60質量%であるはんだ組成に、Cu、Sb、及びAgから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第一のグループとして、Fe、Co、Ni、Pd、Ru、Rh、Gd、及びPtから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第二のグループとして、P、Ca、Ti、Mn、As、Cd、In、Te、及びPbから成る群より選択される1種又は2種以上の元素を第三グループとして、各グループの元素の含有量を、第一グループの元素は0.01質量%~4質量%、第二グループの元素は0.005質量%~0.1質量%、第三グループの元素は0.0005質量%~0.01質量%とし、単独グループまたは複数のグループより選択した元素を含有させることにより、当該はんだ合金並びに当該はんだ合金を用いたはんだ接合部に発生するEMを抑制することを可能とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、低温でのはんだ接合を可能とし、しかも、高い接合信頼性を有するはんだ接合が可能となり、更にEMの発生を抑制するため、環境負荷の低減と電子部品の熱損傷の抑制、基板や電子部品の耐熱性を下げることによるコスト低減を可能することに加え、高い接合信頼性をも可能とするため、パーソナルコンピュータ等の電子機器に加え車載や産業機械等に広く応用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】Sn-Bi2元状態図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の低融点はんだ合金は、Snが40質量%~70質量%、Biが30質量%~60質量%を基本とする組成に、Cu、Sb、Ag、Fe、Co、Ni、Pd、Ru、Rh、Gd、Pt、P、Ca、Ti、Mn、As、Cd、In、Te、及びPbから成る群より選択される1種又は2種以上を所定量含有させて、低融点ながら機械的特性に優れ、しかもEMの発生を抑制する効果を有したはんだ合金並びに当該はんだ合金を用いて接合したはんだ接合部、及び当該はんだ接合部を用いた電子部品である。
【0013】
最近では、低融点はんだ合金であるSn-Bi共晶組成やBiが30質量%以上含有した組成をはんだ接合に試みられているが、元来、Biが多量に含有されたはんだ合金を用いたはんだ接合部は接合部の脆さが指摘されており、本出願人は特許文献1にて、Sn-Biはんだ合金にSb、Cu、及びNiを所定量含有させることで、機械的特性を向上させて信頼性の高いはんだ合金やはんだ接合部に関する技術を開示している。
しかし、特許文献1では電子機器のダウンサイジング化や高性能化等による電流密度の増加に起因するEMの発生に伴う対応の必要性は記載されているものの、対応についての内容や示唆は記載されていない。
【0014】
また、特許文献2では、Biを含有する鉛フリーはんだ合金に関して、EMの発生を抑制するはんだ合金組成の開示はなされているものの、Biの含有量が0.1質量%~2質量%未満であり、開示されている合金組成から推察される融点も200℃以上と本発明のはんだ合金よりも著しく高く、また、図1に示すSn-Bi2元状態図からわかるように、Sn-Bi2元系合金は共晶反応を示し、Bi含有量が30質量%~60質量%では金属間化合物の形成もなく、他の合金に比べ特異的な状態を示すことから、特許文献2より、本発明を想起させることや示唆すら困難である。
【0015】
EMは、金属配線に流れる電子が金属電子と衝突し、金属原子を輸送する現象と理解されており、通電に伴いはんだ接合部に発生するEMも加速すると考えられる。
本発明では、Sn-Bi組成を基本とする低融点はんだ合金に含有させた元素の効果を以下の通り推測している。
(A)Sn結晶の配向をランダム化させ、格子間拡散を抑制することにより、はんだ接合部に発生するEMを抑制する元素として、Cu、Sb、及びNi。
(B)はんだ接合部に生成する金属間化合物の微細化により接合界面に発生する金属間化合物の成長を止め、粒界の滑り転位を抑制して、EMの発生を抑制する元素として、Ag、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pt、Ti、Mn、及びAs。
(C)固溶や金属間化合物の形成に於いてBiとの相性が良く、Biの移動を抑制することにより、EMの発生を抑制する元素として、Pd及びIn。
(D)固溶や金属間化合物の形成に於いてSnとの相性が良く、Snの移動を抑制することにより、EMの発生を抑制する元素として、Cu、Sb、Gd、P、Ca、Cd、Te、及びPb。
なお、地球環境負荷軽減を考慮した場合、Cd、Pb、Teを含有しないはんだ合金組成が好ましい。
【0016】
本発明に係る低融点はんだ合金は、前記のSn-Bi基本組成に加え、Cu、Sb、Ag、Fe、Co、Ni、Pd、Ru、Rh、Gd、Pt、P、Ca、Ti、Mn、As、Cd、In、Te、及びPbから成る群より選択される1種又は2種以上を所定量含有しているが、それ以外の元素も本発明の効果を有する範囲に於いて、含有させても構わない。
例えば、Ge、Ga、Si、V等のはんだ合金やはんだ接合部の酸化防止効果を有する元素が例示できる。
【0017】
本発明に係る低融点はんだ合金は、ソルダペースト、はんだボール、プリフォーム、線材、やに入りはんだ、及びディップ用棒はんだ等の形態で使用することが可能であり、本発明の効果を有する範囲に於いて、形態の限定はない。
【0018】
本発明に係る低融点はんだ合金や当該はんだ合金の形態は、常法に従い夫々の形態に製造することが出来る。
また、本発明に係るはんだ合金を用いた接合は、フローはんだ付けやリフローはんだ付け等の常法に従い行うことが可能である。
【0019】
例えば、ソルダペーストの場合、Sn-Bi基本組成に、Cu、Sb、Ag、Fe、Co、Ni、Pd、Ru、Rh、Gd、Pt、P、Ca、Ti、Mn、As、Cd、In、Te、及びPbから成る群より選択される1種又は2種以上を所定量含有させたはんだ合金を準備し、常法にて平均粒径20~50μmのサイズを粉末に加工し、フラックスと混合して製造することが出来る。
【0020】
また、このソルダペーストは、前述のはんだ合金の粉末とフラックスを混合することにより製造が可能であるが、当該フラックスは本発明の効果を有する範囲に於いて、成分や性状等は特に限定はされない。
例えば、当該フラックスは、ロジン、溶剤、チキソ剤、活性剤、及び酸化防止剤を含有させることが可能である。
【0021】
本発明の低融点はんだ合金を用いたソルダペーストのフラックス組成に関して説明する。
〔ロジン〕
前記ロジンとしては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の天然ロジン類や、不均化ロジン類、水素化ロジン類、ホルミル化ロジン類、フマル化ロジン類、マレイン化ロジン類、アクリル化ロジン類等の変性ロジン類、ロジンエステル類などが挙げられる。これらのロジンは、1種類のみでもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フラックス全質量中における前記ロジンの含有量は、本発明のソルダペーストの溶融性や、ソルダボール抑制力の効果の観点、また、ソルダペーストの粘度の観点から、20~60質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましい。
【0022】
〔溶剤〕
前記溶剤としては、例えば、オクタンジオール、デカノール、2-ヘキシル-1-デカノール等のアルコール類、ブチルカルビトール,ジブチルカルビトール、へキシレングリコール、へキシレンジグリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレントリグリコール、ブチルプロピレントリグリコール、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコール類、安息香酸ブチル、マレイン酸ジブチル等のエステル類、n-ヘキサン、ドデカン等の炭化水素類、ターピネオール、1,8-テルピンモノアセテート、1,8-テルピンジアセテート、ジヒドロターピネオール等のテルペン誘導体等が挙げられる。前記溶剤は、1種類のみでもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フラックス全質量中における前記溶剤の含有量は、ソルダペーストの粘度や印刷適性に基づいて決定すればよいが、例えば、20~50質量%であることが好ましい。
【0023】
〔チキソ剤〕
前記チキソ剤としては、本発明のソルダペーストを所望する粘度に調整できるものであればよく、特に限定はないが、ソルダペーストあるいはフラックスに適用可能な公知のものを使用することができ、例えば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、脂肪酸アマイド系ワックス、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。前記チキソ剤は、1種類のみでもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フラックス全質量中における前記チキソ剤の含有量は、ソルダペーストの印刷適性に基づいて決定すればよいが、例えば、2~10質量%であることが好ましい。
【0024】
〔活性剤〕
前記活性剤としては、カルボン酸やイミダゾール、それらの誘導体等の有機酸が例示できる。
例えば、モノカルボン酸としては特に限定はないが、ステアリン酸、パルチミン酸、オレイン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、2デシルテトラデカン酸等の脂肪族炭化水素をカルボキシ基で置換した1価のカルボン酸、12-ヒドロキシドデカン酸、12-ヒドロキシオクタデカン酸、13-ヒドロキシトリデカン酸、14-ヒドロキシテトラデカン酸、9,16-ジヒドロキシオクタデカン酸等のヒドロキシ脂肪酸およびジヒドロキシヘキサデカン酸、ジヒドロキシオクタデカン酸、ジヒドロキシエイコサン酸等のポリヒドロキシ脂肪酸等が挙げられる。
また、ジカルボン酸としては特に限定はないが、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等が挙げられ、イミダゾールやそれらの誘導体としては特に限定はないが、2メチルイミダゾール、2エチルイミダゾール、2エチル4メチルイミダゾール、2ブチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等が挙げられる。
フラックス全質量中における前記活性剤の含有量は、接合性やソルダペーストの印刷適性に基づいて決定すればよいが、例えば、2~20質量%であることが好ましい。
【0025】
〔酸化防止剤〕
前記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤及びトリアゾール系酸化防止剤の少なくとも1種が例示でき、前記フェノール系酸化防止剤としては、フェノール水酸基の両側のオルト位がメチル基またはt-ブチル基(3級ブチル基)で置換されていないレスヒンダードフェノール系酸化防止剤、一方のみのオルト位がメチル基で置換され、他方のオルト位はt-ブチル基で置換されている部分ヒンダードフェノール系酸化防止剤、および両側のオルト位がt-ブチル基で置換されている完全ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。フェノール系の酸化防止剤では、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の他にも2,2’-ヒドロキシ3,3-ジ(α-チクロヘキシル)-5,5’-ジメチルフェニルメタン等が挙げられる。
前記トリアゾール系酸化防止剤としては、例えば、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′-tert-ブチル-5′-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-3′,5′-ジ-tert-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2′-ヒドロキシ-5′-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2′-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール]、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-tert-オクチル-6′-tert-ブチル-4′-メチル-2,2′-メチレンビスフェノール、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2,2′-[[(メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、1-(1′,2′-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2,3-ジカルボキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-[(2-エチルヘキシルアミノ)メチル]ベンゾトリアゾール、2,6-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]-4-メチルフェノール、5-メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
また、本発明のソルダペーストでは、酸化防止剤を併用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の低融点はんだ合金をはんだ接合に用いることにより、はんだ接合部に発生するEMが抑制されるため、信頼性の高い接合が可能となり、パーソナルコンピュータ等の電子機器に加え車載や産業機械等に広く応用が期待できる。

図1