IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝キヤリア株式会社の特許一覧

特開2023-44409ユニットクーラ及びクーリングユニット
<>
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図1
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図2
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図3
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図4
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図5
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図6
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図7
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図8
  • 特開-ユニットクーラ及びクーリングユニット 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044409
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】ユニットクーラ及びクーリングユニット
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/04 20060101AFI20230323BHJP
   F25D 21/06 20060101ALI20230323BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20230323BHJP
   F25D 17/06 20060101ALI20230323BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20230323BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
F25D21/04 M
F25D21/06 Z
F25D11/00 101B
F25D17/06 315
F25D23/00 306A
F25D29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152430
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】菊池 昭治
【テーマコード(参考)】
3L045
3L046
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045BA01
3L045CA02
3L045EA01
3L045LA02
3L045LA09
3L045LA14
3L045NA03
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L045PA05
3L046AA02
3L046AA05
3L046BA01
3L046CA01
3L046EA03
3L046JA09
3L046LA02
3L046MA01
3L046MA02
3L046MA03
3L046MA04
3L046MA05
3L345AA02
3L345AA17
3L345AA19
3L345AA20
3L345DD24
3L345EE49
3L345FF13
3L345FF17
3L345FF49
3L345GG16
3L345KK01
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】
除霜運転によって蒸発器に付着した霜を溶かした場合でも、貯蔵庫内での再氷結を防ぐことができるユニットクーラ及びクーリングユニットを提供することである。
【解決手段】
実施形態のユニットクーラは、排気口を有しその内部に蒸発器を収納する筐体と、除霜運転を制御するとともに除霜運転開始から所定時間後に通電開始する端子を有するコントローラと、を備える。さらに、クーリングユニットは、排気口と貯蔵庫の外部とが連通する排気装置を備え、除霜運転開始から所定時間後に通電開始するコントローラの端子が、排気装置に接続されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器と、
前記蒸発器に通風するクーリングファンと、
その内部に前記蒸発器と前記クーリングファンとを収納し貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫のなかに設置される筐体と、
前記筐体に設けられ、前記クーリングファンの運転により空気を吸い込む吸込口と、
前記筐体に設けられ、前記クーリングファンの運転により空気を吹き出す吹出口と、
前記筐体に設けられ、その内部と外部とを連通させる排気口と、を備え、
前記排気口は、前記貯蔵庫の外部に通じる排気装置と連通するユニットクーラ。
【請求項2】
前記排気装置は、前記蒸発器の除霜運転開始時から遅延して動作する、
請求項1に記載のユニットクーラ。
【請求項3】
前記排気装置は、除霜運転時にのみ、前記排気口と前記貯蔵庫の外部とが連通する、
請求項1または2に記載のユニットクーラ。
【請求項4】
貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫のなかに設置され、吸込口と吹出口とが設けられるとともに、その内部に蒸発器とクーリングファンとを収納し、かつ、その内部と外部とを連通させる排気口が設けられた筐体を有するユニットクーラと、
圧縮機と凝縮器とを備えた冷凍機と、
前記排気口から前記貯蔵庫の外部に通じる排気装置と、を備え、
さらに前記ユニットクーラは、
前記貯蔵庫外に設置され、前記冷凍機及び前記排気装置を制御するコントローラを備えたクーリングユニット。
【請求項5】
前記排気装置には、
複数の羽根を備える羽根部と、前記羽根部を駆動するモータと、前記羽根部と前記モータとを接続するモータ軸と、前記モータ軸を加熱するモータ軸用ヒーターと、を有する排気ファンを備え、
前記排気ファンは、
停止時には、前記羽根同士の重なりにより、前記排気口と前記貯蔵庫外との空気流路を閉鎖し、
駆動時には、前記羽根同士の重なりが解除されることにより、前記排気口と前記貯蔵庫外との空気流路を開放する構造をもつ、
請求項4に記載のクーリングユニット。
【請求項6】
前記筐体に備えられる筐体端子台と、
前記コントローラに備えられるコントローラ端子台と、
前記筐体端子台と前記コントローラ端子台とを接続する渡り線と、
前記筐体に、前記排気装置が接続される排気装置用の端子台と、を備える、
請求項4または5に記載のクーリングユニット。
【請求項7】
前記筐体に備えられる筐体端子台と、
前記コントローラに備えられるコントローラ端子台と、
前記筐体端子台と前記コントローラ端子台とをつなぐ渡り線と、
前記コントローラ端子台と、前記排気装置とを直接接続する渡り線と、を備える
請求項4または5に記載のクーリングユニット。
【請求項8】
前記コントローラは、
コントローラ制御器と前記コントローラ制御器と接続されるリレー群とを有し、
前記リレー群のうち少なくともひとつのリレーは前記排気装置に接続され、
コントローラ制御器は除霜運転時に遅延して、前記排気装置に接続されたリレーをONして前記排気装置に通電する、
請求項4ないし7のいずれか一項に記載のクーリングユニット。
【請求項9】
貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫のなかに設置され、吸込口と吹出口およびその内部と外部とを連通させる排気口が設けられるとともに、その内部に蒸発器を収納する筐体と、
前記貯蔵庫外に設置され前記蒸発器を加熱して、その表面に付いた霜を溶解させる除霜運転を制御するとともに、この除霜運転開始から所定時間後に通電開始する端子を有するコントローラと、を有するユニットクーラと、
前記排気口から前記貯蔵庫の外部と連通する排気装置とを備え、
前記端子は、前記排気装置に接続されているクーリングユニット。
【請求項10】
貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫のなかに設置され、吸込口と吹出口が設けられるとともにその内部に蒸発器を収納する筐体と、
前記貯蔵庫外に設置され、前記蒸発器を加熱して、その表面に付いた霜を溶解させる除霜運転を制御するとともに、この除霜運転開始から所定時間後に通電開始する端子を有するコントローラと、を備えるユニットクーラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、食品等の貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫、例えばプレハブ貯蔵庫などに備えられるクーリングユニット、およびそのクーリングユニットに用いられるユニットクーラに関する。
【背景技術】
【0002】
クーリングユニットの一部として貯蔵庫の庫内に設置され、貯蔵庫の庫外に設置される冷凍機と接続配管とで接続されて冷凍サイクル回路を構成し、貯蔵庫内を例えば-5℃~-30℃に冷却するユニットクーラ本体と、貯蔵庫の庫外に設置されるコントローラと、からなるユニットクーラが知られている。
【0003】
このユニットクーラは、冷凍サイクル回路の一部を構成する蒸発器を有し、クーリングユニットが運転されることで貯蔵庫内の空気に含まれる水蒸気が徐々に霜となって蒸発器に付着する。多くの霜が蒸発器に付着すると熱交換効率が低下し、貯蔵庫内を十分に冷却することができなくなるため、蒸発器に付着した霜を溶かして除去する除霜運転が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1-137181号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユニットクーラ本体には、蒸発器に付着した霜を溶かすために、例えば、除霜ヒーターを備えている。付着した霜は除霜ヒーターで溶かされ、溶かされた霜はドレン水として貯蔵庫外に排水されるが、その一部は高温水蒸気となってユニットクーラ本体内や貯蔵庫内に排出され、庫内で再び霜や氷となって成長する虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、除霜運転によって蒸発器に付着した霜を溶かした場合でも、貯蔵庫内での再氷結を防ぐことが可能なユニットクーラ及びクーリングユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1のユニットクーラは、
蒸発器と、この蒸発器に通風するクーリングファンと、その内部に蒸発器とクーリングファンとを収納し貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫のなかに設置される筐体と、を備える。
この筐体には、クーリングファンの運転により空気を吸い込む吸込口と、クーリングファンの運転により空気を吹き出す吹出口と、筐体の内部と外部とを連通させる排気口と、が設けられる。この排気口は、貯蔵庫の外部に通じる排気装置と連通する。
【0008】
請求項4のクーリングユニットは、
貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫のなかに設置され、吸込口と吹出口とが設けられるとともにその内部に蒸発器とクーリングファンとを収納し、かつ、その内部と外部とを連通させる排気口が設けられた筐体を有するユニットクーラと、圧縮機と凝縮器とを備えた冷凍機と、貯蔵庫の外部に通じる排気装置と、を備える。
さらに、このユニットクーラは、貯蔵庫外に設置され、冷凍機および排気装置を制御するコントローラを備えている。
【0009】
請求項9のクーリングユニットは、貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫のなかに設置され、吸込口と吹出口およびその内部と外部とを連通させる排気口が設けられるとともに、その内部に蒸発器を収納する筐体と、
貯蔵庫外に設置され、蒸発器を加熱して、その表面に付いた霜を溶解させる除霜運転を制御するとともに、この除霜運転開始から所定時間後に通電開始する端子を有するコントローラと、を有するユニットクーラを備える。
さらに、クーリングユニットは、ユニットクーラの筐体の排気口から貯蔵庫の外部と連通する排気装置を備え、除霜運転開始から所定時間後に通電開始するコントローラの端子は、排気装置に接続されている。
【0010】
請求項10のユニットクーラは、貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫のなかに設置され、吸込口と吹出口が設けられるとともにその内部に蒸発器を収納する筐体を備える。
さらにユニットクーラは、貯蔵庫外に設置され、筐体内の蒸発器を加熱して、その表面に付いた霜を溶解させる除霜運転を制御するとともに、この除霜運転開始から所定時間後に通電開始する端子を有するコントローラと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態のユニットクーラを用いた冷却システムの概略図。
図2】第1の実施形態の冷却システムの制御に関するブロック図。
図3】第1の実施形態の冷却システムにおける各種機器の動作状態を示す一覧表。
図4】第1の実施形態におけるユニットクーラの概略制御フローチャート。
図5】第1の実施形態のユニットクーラ本体と排気装置、および排気ファンに関する概略図。
図6】第1の実施形態の排気ファンにおける羽根の閉塞位置の概略図。
図7】第1の実施形態の排気ファンにおける羽根の解放位置の概略図。
図8】第1の実施形態の排気ファンにおける羽根の構造の概略図。
図9】第2の実施形態のユニットクーラ本体と排気装置に関する概略図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態のユニットクーラを、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態の貯蔵庫冷却システムの概略図である。
【0014】
(全体構成)
貯蔵庫冷却システム1は、食品等の貯蔵物が貯蔵される貯蔵庫、例えば貯蔵庫2と、クーリングユニット10と、から構成される。
貯蔵庫2は、外郭2aと、断熱材2bと、内郭2cとから構成され、外郭2aおよび内郭2cは、例えばステンレスの金属板によって形成される。断熱材2bは、発泡材などで形成され、外郭2aと内郭2cによって断熱材2bが挟み込まれたサンドイッチ構造となっている。
この貯蔵庫2の一部には扉(図示しない)が設けられており、この扉を通って使用者が貯蔵庫2内に出入りして、内部に貯蔵物を運び込んだり、内部の冷却された貯蔵物を運び出したりすることができる。
クーリングユニット10は、蒸発器31を備えるユニットクーラ3と、圧縮機41や凝縮器42を備える冷凍機4と、ユニットクーラ3と冷凍機4とをつなぐ接続配管6と、排気装置7と、から構成される。
ユニットクーラ3は、ユニットクーラ本体300と、ユニットクーラ本体300と冷凍機4と排気装置7とを制御するコントローラ5と、から構成される。
【0015】
(ユニットクーラ本体)
ユニットクーラ本体300は、板金で形成される外郭となる箱型の筐体30を有している。
この筐体30は、貯蔵庫2の天井に吊り下げ具21によって吊下げられるように設置されている。筐体30には、吸込口30aと、吹出口30bと、排気口38と、が形成される。筐体30は、その一端側から他端側に向かって順に吸込口30a、蒸発器31、クーリングファン35、吹出口30bが配置、収容されている。
【0016】
蒸発器31は横長の直方体形状で、冷媒が流れる蛇行状の銅パイプとその同パイプが貫通する複数のアルミ製のフィンから構成された、いわゆるフィンドチューブタイプの熱交換器である。
【0017】
クーリングファン35は、除霜運転時の高温に耐える金属製のプロペラファンであって、貯蔵庫2内の空気を筐体30の一端に設けられた開口を有する吸込口30aから取り入れ、蒸発器31を通過させた後、筐体30の他端に設けられた開口からなる吹出口30bから貯蔵庫2内に排出する。この空気の流れを図1中に破線矢印で示している。
吸込口30aと吹出口30bの開口はどのような形状でも良いが、蒸発器31が風の流入方向から見て四角形状をなしていることから、クーリングファン35による風の流通を効率よく行わせるために、吸込口30aは、蒸発器31と同じように四角形状で、吹出口30bはクーリングファン35より少し直径の大きい円形であることが好ましい。
ユニットクーラ3の能力が大きければ、クーリングファン35は2個以上並設しても良い。
【0018】
蒸発器31下部には、蒸発器31で発生したドレン水を受けるドレン皿33が設けられている。ドレン皿33の下部にはドレン排水管34の一端が接続されており、このドレン排水管34の他端は貯蔵庫2の庫外へ延出し、ドレン水を貯蔵庫2外へ排出する。
【0019】
このユニットクーラ本体300には、冷凍サイクル中の冷媒を流通させるための接続配管6の一端が接続される接続部が設けられている。
ここで接続配管6は、液側接続配管6aとガス側接続配管6bと、で構成され、接続部は、液側接続配管6aの一端が接続される液側接続部60aと、ガス側接続配管6bの一端が接続されるガス側接続部60bとで構成される。
液側接続部60aの液側接続配管6aの反対側、すなわち、筐体30内には、ユニットクーラ冷媒配管9aを介して開閉弁37、膨張弁32および蒸発器31の入口側が順次接続されている。一方、ガス側接続部60bには、ユニットクーラ冷媒配管9aを介して蒸発器31の出口側が接続されている。
【0020】
また、ユニットクーラ本体300には、除霜運転時に通電され、ユニットクーラ本体300内の氷結箇所を加熱して、氷を解かす複数の除霜ヒーター36が設けられている。ここで、除霜ヒーター36は、蒸発器31のほかに、ドレン皿33の底部等にも設けられている。
【0021】
そして、吸込口30aの付近には、貯蔵庫2内の空気温度を検出するための庫内温度センサー39が設けられている。
【0022】
さらに、ユニットクーラ本体300には、筐体30の上面部に排気口38が設けられている。
排気口は、ユニットクーラ本体300の内部とその外部とを連通させるものである。すなわち、排気口38は、貯蔵庫2の天井面と対面する筐体30上面で、クーリングファン35と蒸発器31の間に位置している。
なお、除霜による水蒸気が大量に溜まるのは蒸発器31の上側位置であるため、他の構造的な制約がなければ、蒸発器31の真上に排気口38を設けることが望ましい。
【0023】
排気口38は本実施形態では既に開口している形状となっているが、搬入時には開口しておらず、作業者が簡単に開口できる、いわゆるノックアウト加工が板金に施されている。そのため、仮に排気口38と排気装置7とを使用しない従来の使い方をする場合には、排気口38を開口せずに使用することもできる。
この排気口38から、除霜運転時に発生する高温水蒸気を筐体30の外部に排出できる。
【0024】
(冷凍機)
ユニットクーラ本体300と接続配管6によって接続される冷凍機4は、金属製の板金からなる箱型の筐体40を有し、一般に屋外に設置される。
筐体40内には、冷媒を圧縮する圧縮機41と、庫外の空気、通常は外気と冷媒とを熱交換する凝縮器42と、凝縮器用ファン43と、後述するコントローラ5から指示を受ける冷凍機制御器44と、が収容されている。
【0025】
この冷凍機4には、接続配管6の一端が接続される接続部が設けられている。
接続部は、液側接続配管6aの一端が接続される液側接続部61aと、ガス側接続配管6bの一端が接続されるガス側接続部61bとによって構成される。
液側接続部61aには、冷凍機側冷媒配管9bを介して凝縮器42が接続され、ガス側冷凍機接続部61bには、冷凍機側冷媒配管9bを介して圧縮機41が接続されている。
圧縮機41および凝縮器42は、冷媒配管9bによって接続される。
【0026】
(冷凍サイクル)
クーリングユニット10は、ユニットクーラ本体300と冷凍機4とが接続配管6で接続されて構成される冷凍サイクル回路11を有する。クーリングユニット10の運転に伴い、圧縮機41が運転され、図1中に実線矢印で示すように冷凍サイクル回路11中を冷媒が流れる。ここで冷凍サイクル回路11中を流れる冷媒は、R404A、R410A、R448A、R449Aなどである。
【0027】
ガス側冷凍機接続部61bから冷凍機4の筐体40内に入ってきた冷媒は、圧縮機41に吸い込まれ、圧縮機41で圧縮され、高温高圧のガス冷媒として圧縮機41から吐出される。
圧縮機41から吐出されたガス冷媒は、冷媒配管9bを通じて凝縮器42に流入し、凝縮器用ファン43の送風によって凝縮器42で外気に熱を放出して凝縮する。凝縮器42で凝縮された冷媒は、高温高圧の液冷媒として凝縮器42から流出し、液側接続配管6aを介してユニットクーラ本体300の液側接続部60aからユニットクーラ本体300に流入する。
ユニットクーラ本体300に流入した液冷媒は、開閉弁37を通過した後、膨張弁32で減圧されて蒸発器31に流入する。蒸発器31に流入した液冷媒は、クーリングファン35の運転によって貯蔵庫2内の空気と熱交換して蒸発する。
蒸発器31で蒸発した冷媒は低温低圧のガス冷媒として蒸発器31から流出し、ガス側接続部60bからガス側接続配管6bを介して冷凍機4に戻り、ガス側冷凍機接続部61bを介して、再び圧縮機41に吸い込まれる。
【0028】
このように冷凍サイクル回路11中を冷媒が循環することで、貯蔵庫2内の空気が蒸発器31で冷却される。
【0029】
(排気装置)
貯蔵庫2には、庫内の空気を外部に排出する排気装置7が設けられている。図5に示すように、貯蔵庫2の一部を切欠き、排気装置7を設ける。
排気装置7は、ユニットクーラ本体300内と貯蔵庫2の庫外とを連通する円筒形の筒体70と、この筒体70の庫内側端部に設けられた排気入口72と、庫外側端部に設けられた排気出口73と、排気手段と、を有する。
本実施形態では、この筒体70の排気出口73を覆うように、排気手段として排気ファン8が設けられている。この排気ファン8が動作することで、筒体70内に破線矢印のように、ユニットクーラ本体300の排気口38から、排気入口72、排気出口73を経由して破線矢印で示すように空気流路(排気経路)が形成される。
【0030】
また、ユニットクーラ本体300の排気口38と排気装置7の排気入口72とは空間Aを介して連通している。空間Aは、排気口38と排気入口72とが連通するように、ユニットクーラ本体300の上面及び、貯蔵庫2の天井面との間に気密を保つためのシール材Sを設けることで形成される。
【0031】
例えば、排気口38は排気入口72よりも小さく設けられており、排気入口72の形状に合わせて、シール材Sを設ける。排気装置7は筒状であるため、排気入口72の直径より大きくなるように、シール材Sで円形を作り、排気口38と排気入口72とを連通させる空間Aを作成する。
シール材Sは、空間Aと貯蔵庫2内の他の空間とを分断し、後述する除霜運転中に発生する高温の水蒸気のみを貯蔵庫2外に排気し、貯蔵庫2内の冷気を極力廃棄させないことが望ましいため、ユニットクーラ本体300と貯蔵庫2の天井面とに密着し密閉する。
また、シール材で形成する形状は円形のみでなく、空間Aを貯蔵庫2内の他の空間と分断する形状であればどのような形状でもよい。但し、空間Aの容積はできるだけ小さくすることが望ましいため、できれば円形が好ましい。
【0032】
(排気ファン)
排気ファン8は、プロペラファンであって、羽根部81と、羽根部81を駆動するモータ82と、モータ軸83と、このモータ軸83に近接して設けられたモータ軸用ヒーター84と、を備えている。
図6および図7に示すように、羽根部81は、ボス81aと複数の羽根81b(81b1~81bn)とで構成されている。ボス81aとモータ軸83とを固定することで羽根部81がモータ82に取り付けられる。
【0033】
ボス81aには、モータ軸83の径方向に放射状にのびる複数の羽根用軸81c(81c1~81cn)が設けられており、複数の羽根81b1~81bnのそれぞれには、羽根用軸81cが挿入される、図示しない軸受部81d(81d1~81dn)が設けられている。
羽根81bは羽根用軸81cに回動可能に取り付けられる。
【0034】
また、羽根81bは、図6に示すように前後の羽根81b同士が重なって空気が流れない状態(以下、閉塞位置という)と、図7に示すように前後の羽根81b同士の重なりが解除されて空気がながれる状態(以下、開放位置という)の間で回動可能である。
これにより排気ファン8は、その動作中はその流入側と流出側を連通させ、停止中は、流入側と流出側の間の空気の流れを閉じるダンパーの役割をなす。
【0035】
さらに、図8の実線で示す、羽根81bの前縁81f側には、羽根部81の回転により羽根81bに揚力および抗力を発生させる湾曲部81eが設けられている。一方、羽根81bの後縁81rには、羽根部81が停止しているときに羽根81bの回動を阻止する錘81gが設けられている。
羽根部81がモータ82の駆動に伴って回転すると、羽根81bは、羽根81bに作用する揚力および抗力により羽根用軸81cを中心にして開放位置となるように、図8中に破線で示す羽根81b’のように回動する。これにより、破線矢印で示すように排気装置7の空気流路に空気が流れる。
羽根部81’が回転を止めると、羽根81b’を錘81g’により羽根用軸81cを中心にして閉塞位置となるように回動し、排気装置7の空気流路に空気が流れなくなる。
【0036】
また、モータ軸83は、熱伝導効率の高い素材、例えば鉄などの金属製とし、モータ軸用ヒーター84の熱をモータ軸83に伝導させることで、モータ軸83が凍ることなく回転することができる。
【0037】
さらに、羽根81bにおいても、熱伝導効率の高い金属製とすることで、モータ軸83の熱を羽根81bに伝導させ、羽根81bへの氷の付着を防止することができる。
【0038】
(制御)
次にユニットクーラ3、冷凍機4および排気装置7における制御回路の具体例について図2に示す。
図2に示すように、ユニットクーラ本体300、冷凍機4及び排気装置7を制御するコントローラ5が設けられ、クーリングユニット10の制御手段が構成されている。
【0039】
コントローラ5は、ユニットクーラ本体300と合わせてユニットクーラ3を構成するもので、プラスチック等で成形された四角箱型の筐体を備え、商用交流電源ACを動作電源とし、冷凍機4、ユニットクーラ本体300及び排気装置7を統括的に制御する。
コントローラ5は、貯蔵庫2の外郭2a、特に側面壁等、の貯蔵庫2外に設置される。特に、コントローラ5は、使用者が操作しやすくするために貯蔵庫2の扉の近くの外側壁面に取り付けられることが多い。商用交流電源ACは、電源端子台91を介してコントローラ5に供給される。
冷凍機4の冷凍機制御器44は、図示しない商用交流電源を動作電源とし、コントローラ5の指令に応じて冷凍機4における圧縮機41や凝縮器用ファン43の運転を制御する。コントローラ5の動作電源と冷凍機4の冷凍機制御器44の動作電源は同一系統でも別系統でも良い。
【0040】
図2に示すようにコントローラ5は、筐体内部にコントローラ制御器51、通信部52、操作表示部53、リレー群54等を有する。コントローラ制御器51は各機器の制御の中枢として動作し、通信部52、操作表示部53、リレー群54、および配線を介して、庫内温度センサー39が接続されている。
また、コントローラ5とユニットクーラ本体300とは、コントローラ端子台93と筐体側端子台92が渡り線55を介して接続されている。
【0041】
筐体端子台92は、ユニットクーラ3の筐体30内、もしくは筐体30の外郭に設けられる電気部品箱の中に設けられる。この筐体端子台92には、常時通電される端子台ヒーターが設けられる。
【0042】
通信部52は通信部端子台94を経由し、通信線56を介して冷凍機4の冷凍機制御器44と接続され、コントローラ制御器51と冷凍機4の冷凍機制御器44との間の指示やデータの相互通信を行う。
【0043】
操作表示部53は、使用者がクーリングユニット10の運転/停止、および設定温度を操作する操作部53aと庫内温度や運転状況を表示する表示部53bとを備えている。
【0044】
コントローラ制御器51からの出力信号に応じて、リレー群54である各リレー54a~54dがオン(付勢)またはオフ(消勢)される。リレー54a~54dは、それぞれ開閉接点を有し、各リレー54a~54dの一端は商用交流電源ACの一端に共通に接続されている。
商用交流電源ACの他端は、コントローラ5の内部をリレーなどの開閉器を介することなく、通過し、コントローラ5に設けられたコントローラ端子台93を経由し、さらに渡り線55を介してユニットクーラ本体300に設けられた筐体側端子台92に接続されている。
そして、ユニットクーラ本体300内の機器および排気装置7の電源入力端の一方が、商用交流電源ACの他端に繋がる筐体側端子台92に共通に接続されている。
【0045】
各リレー54a~54dの他端は、コントローラ端子台93を経由して渡り線55を介してユニットクーラ本体300に設けられた筐体側端子台92に接続されている。この各々の筐体端子台92に除霜ヒーター36等のユニットクーラ本体300内の機器および排気装置7が配線接続される。
この結果、各リレー54a~54dの開閉接点を介して、除霜ヒーター36等のユニットクーラ本体300内の機器および排気装置7に対して商用交流電源ACからの電源電圧を供給する通電路が形成される。
【0046】
リレー54aは、除霜ヒーター36に、リレー54bはクーリングファン35に、リレー54cは開閉弁37に、リレー54dは、排気装置7に対応している。なお、本実施形態では、排気装置7の排気手段として排気ファン8を使用している。その排気ファン8に備わるモータ軸用ヒーター84は、除霜ヒーター36と並列に、リレー54aに接続されている。
コントローラ制御器51は、各リレー54a~54dのON、OFFを制御することで、そのリレーに接続されている各機器のON、OFFを制御する。すなわち、除霜ヒーター36はリレー54aがONとなった時に通電されて発熱する電熱線であり、クーリングファン35はリレー54bがONとなった時に通電されて回転する誘導電動機(モータ)である。
さらに開閉弁37は、通電時に開となり、非通電時に閉となるアクチュエータを備え、リレー54cがONすると開弁し、OFFになると閉弁する。排気装置7の排気ファン8は、クーリングファン35と同様に誘導電動機(モータ)であり、リレー54dがONすると回転し、OFFすると停止する。また、リレー54aがONすると、除霜ヒーター36と同時にモータ軸用ヒーター84もONする。
【0047】
ここで排気装置7は、ユニットクーラ本体300の外部に設けられており、ユニットクーラ本体300に設けられた排気装置端子台95に2本の渡り線57を介して接続されている。このおり、排気装置端子台95は、ユニットクーラ本体300の内部で筐体側端子台92に接続されており、筐体側端子台92から渡り線55、コントローラ端子台93を介してリレー54dに接続されている。
【0048】
また、破線で示すように、排気装置7は、筐体側端子台92および排気装置端子台95を介さずに接続することもできる。このおり、排気装置7は渡り線55のうちの、商用交流電源ACの一端に接続されるリレー54dと、コントローラ端子台93とを介して接続される渡り線と、商用交流電源ACの他端に繋がり、コントローラ端子台93とを介して接続される渡り線と、の2本と接続されている。
【0049】
庫内温度センサー39は、ユニットクーラ本体300の吸込口30a付近の吸込み空気の温度を検出するサーミスタ等の感温素子であり、筐体側端子台92、渡り線55、コントローラ端子台93を介してコントローラ制御器51に接続され、庫内温度として換算される電圧値をコントローラ制御器51に入力する。
なお、庫内温度センサー39は、ユニットクーラ本体300の筐体30とは独立して貯蔵庫2内の適宜の場所に設けても良い。
【0050】
以上の制御装置において、例えば、表示操作部53の操作によりクーリングユニット10の運転が指示されると、コントローラ制御器51は、通信部52を介して冷凍機4の冷凍機制御器44に指令を送る。冷凍機制御器44は、圧縮機41および凝縮器用ファン43を駆動させる。また、コントローラ制御器51は、リレー54bおよびリレー54cをオンすることでクーリングファン35を駆動させるとともに、開閉弁37を開弁させる。
これにより、冷凍サイクル回路11中に冷媒が流れ、ユニットクーラ3により庫内が冷却される。
【0051】
次に、貯蔵庫冷却システム1における除霜運転を含めた運転処理について、図3および図4を用いて説明する。
【0052】
図3は、貯蔵庫冷却システム1の各運転モード(運転停止、冷却運転、除霜準備運転、除霜運転)と各機器の動作状態について示した表である。
【0053】
はじめに、コントローラ5の表示操作部53により運転OFFが操作されると運転停止が実行される。運転停止では、リレー54a~54dがOFFとなり、ユニットクーラ本体300内の全ての機器及び排気装置7の排気ファン8がOFFとなる。
【0054】
次に、コントローラ5の表示操作部53により運転ONが操作されると冷却運転が実行される。
冷却運転では、庫内温度センサー39で検知される庫内温度が設定温度に到達していない場合は、冷凍機4、ユニットクーラ3のクーリングファン35、開閉弁37がONし、蒸発器31に冷媒が供給されて庫内を冷却する。(コントロールONの状態)
なお、開閉弁37のONは、開弁を意味し、冷凍機4のONとは、圧縮機41及び凝縮用ファン43の運転を意味する。冷凍機4のON、OFFは、コントローラ5の通信部52から、通信線56を介して冷凍制御器44へ指示が送られる。
【0055】
貯蔵庫2内の温度が設定温度に到達すると、コントローラ5は、冷凍機4をOFFして蒸発器31への冷媒の供給を休止し、クーリングファン35および開閉弁37は運転を継続する。(コントロールOFFの状態)
【0056】
この冷凍サイクル回路11の運転の停止に伴い、貯蔵庫2内の温度が設定温度より上昇すると、コントローラ5は、再び冷凍機4および開閉弁37をONし、貯蔵庫2内の冷却を再開する。
【0057】
そして、冷却運転が所定時間行われると、除霜運転が行われる。
【0058】
除霜運転の開始判断には冷媒温度に基づく判定など様々な方法があるが、ここでは、冷却運転の積算時間に戻づく除霜運転開始判断の場合を例にとって説明する。
【0059】
冷却運転の積算運転時間が所定時間を超えると、まず、除霜準備運転であるポンプダウン運転を行う。
ポンプダウン運転では、冷凍機4およびクーリングファン35をOFFからON、またはONを継続し、開閉弁37をOFFする。開閉弁37をOFFすることで、蒸発器31への冷媒の流入はなくなるが、圧縮機41がONしているため、蒸発器31中の冷媒は圧縮機41の吸引力によって、冷凍機4側に回収される。
このポンプダウン運転が行われることで蒸発器31内の冷媒がなくなり、除霜ヒーター36の加熱運転時に蒸発器31に溜まった冷媒が膨張して蒸発器41が破損することを防ぐ。
【0060】
ポンプダウン運転が終了すると、次に、除霜運転が行われる。
【0061】
除霜運転が開始されると、冷凍機41とクーリングファン35と、開閉弁37をOFFし、除霜ヒーター36をONにする。除霜ヒーター36の加熱により、ユニットクーラ本体300の除霜が行われる。蒸発器31、およびドレン皿33上に堆積した氷は、除霜ヒーター36の熱によって溶け、ドレン水となる。発生したドレン水はドレン排水管34から庫外へ排出されるが、除霜ヒーター36近傍のドレン水は、除霜ヒーター36によってさらに加熱され、ユニットクーラ本体300内に高温水蒸気が発生する。(排気装置OFFの状態)
【0062】
除霜運転が開始してから一定時間経過すると、コントローラ5は、除霜ヒーター36の運転を継続したまま、排気装置7をONにしてユニットクーラ本体300内に発生した高温水蒸気を貯蔵庫2外へ排気する。(排気装置ONの状態)
排熱運転中もヒーター加熱、すなわち除霜は継続される。
【0063】
本実施形態では、排気装置7の排気手段である排気ファン8がONのときに羽根部81が開放位置となり、排気ファン8がOFFのときに羽根部81が閉鎖位置となるため、排気装置ONの状態では、排気装置7の空気流路に空気が流れ、排気装置OFFの状態では空気流路に空気が流れなくなる。
そのため、貯蔵庫2外の空気を必要以上にユニットクーラ本体300内に流入させることなく、除霜運転に伴って発生する高温水蒸気を庫外へ排出させることができる。
【0064】
除霜運転が終了すると、除霜ヒーター36、排気装置7がOFFし、クーリングファン35遅延等の冷却準備運転、例えば10分ほどの時間を介した後、冷凍機4、ユニットクーラ3のクーリングファン35、開閉弁37がONし、蒸発器31に冷媒が供給されて庫内を再び冷却する。
この冷却運転および除霜運転は、コントローラ5の表示操作部53により運転OFFが使用者によって操作されるまで繰り返し実行される。
【0065】
コントローラ5のコントローラ制御器51が実行する制御動作を図4のフローチャートを参照しながら説明する。同フローチャート中のステップS1,S2…については、S1,S2…と略称する。
【0066】
操作表示部53により運転開始(ON)が操作される(S1のYES)と、コントローラ5は、コントローラ制御器51に内蔵された冷却運転時間積算タイマーをリセットするとともに、このタイマーをスタートし、冷却運転積算時間T1の積算を開始する(S2)。
ここで操作表示部53により運転停止(OFF)が操作されなければ(S3のNO)、コントローラ5は、冷凍機4にONを送信し、ユニットクーラ本体300の開閉弁37とクーリングファン35をONして冷却運転を開始する(S4)
【0067】
冷却運転中に冷却運転積算時間T1が、冷却運転設定積算時間Ts1、例えば4時間に達すると(S5のYES)、コントローラ5は、コントローラ制御器51によりリレー54cをOFFにする。
これにより、ユニットクーラ本体300の開閉弁37は閉じ、除霜準備運転であるポンプダウンを開始する。また、コントローラ制御器51のポンプダウン積算時間タイマー、排気遅延タイマー、除霜運転積算時間タイマーをスタートさせ、ポンプダウン積算時間T0、排気遅延時間T2、除霜運転積算時間T3の積算を開始する。(S6)
【0068】
ポンプダウン積算時間T0がポンプダウン設定積算時間Ts0、例えば30秒に達すると(S7のYES)、コントローラ5は、コントローラ制御器51から通信部52へ信号を送信し、冷凍機4の冷凍機制御器44に通信することで、冷凍機4をOFFする。また、リレー54bをOFFすることでユニットクーラ本体300のクーリングファン35をOFFし、さらにリレー54aをONすることで除霜ヒーター36をONして除霜運転を開始する。(S8)
【0069】
そして、排気遅延時間T2が排気遅延設定時間Ts2、例えば10分30秒分に達すると(S9のYES)、コントローラ5は、リレー54dをONし、排気装置7を駆動、すなわち排気ファン8を動作させる。(S10)
【0070】
除霜運転積算時間T3が除霜運転設定積算時間Ts3、例えば15分30秒に達すると、(S11のYES)、コントローラ5は、リレー54aおよび54dをOFFすることにより、除霜ヒーター36および排気装置7をOFFし、除霜運転を終了し、コントローラ制御器51のポンプダウン積算時間タイマー、排気遅延タイマー、および除霜運転積算時間タイマーをリセットし、再び冷却運転に戻る準備を行う。(S12)
【0071】
その後S2に戻り、コントローラ表示操作部53により、運転OFFが操作されなければ再び冷却運転(S4)に戻る。
これらのステップが繰り返され、クーリングユニット10の冷却運転および除霜運転が繰り返し行われる。
【0072】
また、コントローラ表示操作部53により、停止、すなわち運転OFFが操作される(S3のYES)と、コントローラ5は、コントローラ制御器51より、リレー群54、および通信部52に運転停止の信号を送り、すべての機器はOFFになり、運転停止が実行される。(S13)
【0073】
本実施例によると、排気装置7を設けることで、除霜運転時に発生する高温水蒸気がユニットクーラ本体300から庫内へ排出されずに、貯蔵庫2外へ排出することができる。そのため、ユニットクーラ本体300付近の天壁部で高温水蒸気が氷結することを防ぎ、氷が成長することはない。
【0074】
また、本実施形態の排気ファン8の羽根81aの構造により、排気時には開口され、かつ、停止時には貯蔵庫2内の冷気を庫外に漏らさないため、ダンパーなどを別途設置する手間が省ける。
【0075】
そして、前記羽根81aは、熱伝導率の高い金属等の素材を使用しているため、羽根回転時に凍ることはない。
【0076】
更に、モータ軸83に熱伝導率の高い金属等の素材を使用し、かつ、そのモータ軸83はモータ軸用ヒーター84を有するため、モータ軸83が凍り、羽根81aの回転に影響を及ぼすことはない。
【0077】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のユニットクーラ本体300を、図9を参照して説明する。図9は、ユニットクーラ本体300と排気装置7に関する概略図である。この実施形態の各部について、図5に示す第1の実施形態のユニットクーラ本体300と排気装置7の各部と同一部は同一符号で示す。
【0078】
第1の実施形態では、排気口38と排気入口72とが接しない構造であったが、本実施形態では、図9に示すように、排気装置7の筒体70が、ユニットクーラ本体300に設けられる排気口38に直接接続されることで、排気入口72と排気口38とが連通する形のものでもよい。
【0079】
この構造とすることで、ユニットクーラ本体300から排出される高温水蒸気が排気入口72に、空間Aを介さずに直接流入するため、貯蔵庫2内で氷が発生する虞をより一層排除することができる。また、第1の実施形態で設けたシール材Sも不要となる。
【0080】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
【0081】
例えば、上述した実施形態では、排気装置7の一部として筒体70を設けているが、筒体70を設けなくてもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では、ユニットクーラ本体300は箱型の筐体30を備えていたが、筐体30の形状はどのような形状でもよい。筐体30の上面の一部が他の上面から延出した、略凸型となる筐体30を持つユニットクーラ3でもよく、凸部の最上部に排気口38が設けられる形状でもよい。
【0083】
さらに、第1の実施形態においては、排気ファン8の羽根81aの構造により、排気ファン8の停止時には貯蔵庫2内の冷気を庫外に漏らさないようにした、すなわち、特殊な構造を用いることで排気ファン8をダンパーと兼用させたが、通常のプロペラファン及び排気装置7の運転時に開閉するダンパーを空気流路中に設けてもよい。
【0084】
そして、排気入口72と排気口38とが略直線状にない場合、例えば排気入口72が貯蔵庫2の側壁等に設けられている場合の接続については、排気口38と排気入口72とがダクト等で接続される構造を持つクーリングユニット10でもよい。
【0085】
また、上述した実施形態では、ポンプダウン積算時間を計測する際に、ポンプダウンタイマーによって所定積算時間でポンプダウン運転を終了するようにしたが、冷凍機の圧縮機の低圧側に備えられる吸込み圧力センサーによって、センサーが所定の圧力値以下を示すと冷凍機が停止し、ポンプダウンを終了してもよい。
【0086】
なお、上述した実施形態では、蒸発器31の除霜は除霜ヒーター36を用いる例で説明したが、圧縮機41の吐出する高温冷媒を直接蒸発器31に流して除霜する、いわゆるホットガス除霜の方式でも良い。
【0087】
このように、この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
貯蔵庫2、ユニットクーラ3、冷凍機4、コントローラ5、排気装置7、排気ファン8、クーリングユニット10、筐体30、吸込口30a、吹出口30b、蒸発器31、クーリングファン35、排気口38、圧縮機41、凝縮器42、コントローラ制御器51、リレー群54、渡り線55、渡り線57、羽根部81、羽根81a、モータ82、モータ軸83、モータ軸用ヒーター84、筐体端子台92、コントローラ端子台93、排気装置用端子台95
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9