(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044474
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】取付部材、並びに、機器及び取付部材等
(51)【国際特許分類】
F16B 47/00 20060101AFI20230323BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20230323BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230323BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20230323BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20230323BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
F16B47/00 S
B60R11/02 Z
G03B15/00 V
G03B17/56 B
G03B30/00
H04N5/222 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152522
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(74)【代理人】
【識別番号】100128923
【弁理士】
【氏名又は名称】納谷 洋弘
(74)【代理人】
【識別番号】100180297
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 裕子
(72)【発明者】
【氏名】上 三千洋
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
【テーマコード(参考)】
2H105
3D020
3J038
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA02
2H105AA06
2H105AA17
3D020BA20
3D020BC02
3D020BD05
3J038AA02
3J038CA09
5C122DA11
5C122DA14
5C122EA03
5C122EA59
5C122FK34
5C122GD12
5C122GE02
5C122GE04
5C122GE06
5C122GE07
5C122HA81
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機器を装着可能であって、車両の所定の取付面に取り付けられる取付部材、並びに、機器及び取付部材に関する技術として、新たな取付部材、並びに、機器及び取付部材に関する技術を提供する。
【解決手段】車両の所定の取付面に所定の機器を取り付けるためのブラケット600Aであって、取付面に吸着させられる吸着部610Aと、取付面に吸着部610Aを吸着させたときに吸着部610Aよりも重力方向側に所定の機器100が位置するように所定の機器100が装着される装着部(ボール部621A、ソケット部630A及びナット640A)と、取付面への吸着部610Aの吸着状態を維持しやすくするための手段と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の所定の取付面に所定の機器を取り付けるための取付部材であって、
前記取付面に吸着させられる吸着部と、
前記取付面に前記吸着部を吸着させたときに前記吸着部よりも重力方向側に前記所定の機器が位置するように前記所定の機器が装着される装着部と、
前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段と、を備える
ことを特徴とする取付部材。
【請求項2】
前記装着部を前記吸着部と連結させる連結部を備え、
前記装着部は、前記吸着部に対する前記機器の姿勢を変更可能に構成され、
前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段は、前記連結部が前記機器の姿勢を変更可能にする機構を有しないようにすることである
請求項1に記載の取付部材。
【請求項3】
前記装着部を前記吸着部と連結させる連結部を備え、
前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段は、前記連結部が前記機器を上下方向に変位可能にする機構を有しないようにすることである
請求項1又は2に記載の取付部材。
【請求項4】
前記連結部は、前記吸着部から一の方向に延びており、前記吸着部の中心よりも前記一の方向についての前記吸着部の吸着面に沿った方向成分側の前記吸着部における所定の部位と、前記装着部とに連結される
請求項2又は3に記載の取付部材。
【請求項5】
前記連結部は、前記取付面に前記吸着部を吸着させたときに前記装着部に装着された前記所定の機器が上下方向において前記吸着部と重ならない部分を前記車両の外側の方向に有するように、延びている
請求項2~4のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項6】
前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段は、ユーザによる重力方向と異なる方向への操作を受け付けて、前記取付面に前記吸着部を吸着させることが可能に構成された作動部を備える
請求項1~5のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項7】
前記作動部は、前記操作としてユーザによる回転操作を受け付け可能に構成され、前記回転操作を受け付ける範囲が前記吸着部の中心よりも前記車両の内側となるように構成されている
請求項6に記載の取付部材。
【請求項8】
前記作動部を回転させると、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とを吸着させるように構成されており、
前記作動部と前記装着部とが一体構成されている
請求項7に記載の取付部材。
【請求項9】
前記吸着部には、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とを吸着するための第1位置であることを示す第1指標と、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とを離間させるための第2位置であることを示す第2指標とが示されており、
前記装着部は、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とが吸着されるときに前記第1指標が示される位置に移動し、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とが離間されるときに前記第2指標が示される位置に移動する
請求項1~8のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項10】
前記吸着部の吸着面から径外側方向に突出する突出部が、前記車両の所定の取付面に前記吸着部を吸着させたときに前記車両の内側に向けて突出するように設けられている
請求項1~9のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項11】
前記連結部と前記装着部とが単一の部材で構成されている
請求項2~5のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項12】
前記連結部は、前記車両の所定の取付面に前記吸着部を吸着させたときに、水平方向成分において前記吸着部の中心よりも前記車両の外側の部位から、前記車両のさらに外側に向けて延びる部材である
請求項2~5のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項13】
ユーザの操作により、前記吸着部に対して起立した第1姿勢と、前記吸着部に対して倒れた第2姿勢との間で作動できる作動部を備え、
前記第1姿勢では前記車両の所定の取付面と前記吸着部とが離間し、前記第2姿勢では前記車両の所定の取付面と前記吸着部とが吸着し、
前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段は、前記作動部を前記第2姿勢に保持するためのロック機構を有する
請求項1~5のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項14】
前記作動部は、前記吸着部の中心よりも前記車両の内側の位置で、前記第1姿勢及び前記第2姿勢のいずれかとするユーザの操作を受け付け可能に構成されている
請求項13に記載の取付部材。
【請求項15】
前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段は、
前記作動部の操作によって前記吸着部を前記取付面に吸着させた後で、前記作動部の操作を行わずに前記吸着部と前記取付面との間である内部の空気を抜く構造を有する
請求項13または14に記載の取付部材。
【請求項16】
前記吸着部は、前記取付面に吸着させることができる可撓性を有する部材で構成されており、前記取付面と前記吸着部との間である内部を減圧し、外部との圧力差により前記取付面に吸着させるものであって、
前記構造は、
前記吸着部の外側に、空気を滞留させることができ、滞留している空気量に応じて容量が変化する滞留部と、
前記内部と前記滞留部との間に設けられた第1逆止弁と、
前記内部の空気が膨張すると、前記内部の空気が前記滞留部に移動し、該滞留部に滞留する空気を前記外部に抜く第2逆止弁とを有する
請求項15に記載の取付部材。
【請求項17】
前記構造は、
前記内部の空気を冷却する冷却部を有する
請求項16に記載の取付部材。
【請求項18】
前記構造は、
前記内部の空気を吸引する吸引部を有する
請求項16または17に記載の取付部材。
【請求項19】
前記機器は、前記車両の外を撮影方向として撮影する撮影部を有し、
前記取付面に前記吸着部を吸着させたときに、前記撮影方向について前記吸着部が前記撮影部のレンズよりも前記車両の内側に位置することが可能に構成された
請求項1~18のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか1項に記載の取付部材と、
前記取付部材の前記装着部に装着可能な機器と、
を有し、
前記機器は、
前記吸着部の吸着状態に関する報知をする報知機能を有する
機器及び取付部材。
【請求項21】
前記報知機能は、前記吸着部の吸着力が弱まっている可能性があること、前記吸着部の吸着状態の確認を促すこと、及び、前記吸着部を前記車両に再吸着させること、の少なくともいずれかを報知することが可能である
請求項20に記載の機器及び取付部材。
【請求項22】
前記報知機能は、所定の時期である場合に前記報知を行う
請求項20または21に記載の機器及び取付部材。
【請求項23】
前記機器は、車内温度または車内温度に近い温度を検知できる温度検知部を備え、
前記報知機能は、前記温度検知部が検知した温度が所定温度を超えると前記報知を行う
請求項20~22のいずれか1項に記載の機器及び取付部材。
【請求項24】
前記報知機能は、前記機器の電源が投入されると前記報知を行う
請求項20~23のいずれか1項に記載の機器及び取付部材。
【請求項25】
前記機器は、前記車両の停止を検知する車両検知部を備え、
前記報知機能は、前記車両検知部が前記車両の停止を検知すると前記報知を行う
請求項20~24のいずれか1項に記載の機器及び取付部材。
【請求項26】
前記機器は、当該機器が取り付けられている取付部材を判定する取付部材判定機能を備え、
前記報知機能は、前記取付部材判定機能により請求項1~19のいずれか1項に記載の取付部材に取り付けられていると判定した場合に前記報知を行う
請求項20~25のいずれか1項に記載の機器及び取付部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付部材、並びに、機器及び取付部材等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ドライブレコーダ等の機器を装着し、車両の所定の取付面に取り付けられる取付用ブラケットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、機器を装着可能であって、車両の所定の取付面に取り付けられる取付部材、並びに、機器及び取付部材に関する技術として、新たな取付部材、並びに、機器及び取付部材に関する技術を提供することで、例えば吸着部を有する取付部材の機能を向上させることである。
【0005】
本願の発明の目的はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)車両の所定の取付面に所定の機器を取り付けるための取付部材であって、前記取付面に吸着させられる吸着部と、前記取付面に前記吸着部を吸着させたときに前記吸着部よりも重力方向側に前記所定の機器が位置するように前記所定の機器が装着される装着部と、前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しすくするための手段と、を備える取付部材が提供されるとよい。
【0007】
このようにすると、吸着部を用いた取付部材において生じ得る課題を解決することができる。例えば、吸着部の肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部が広範囲にわたって覆うこと、すなわち吸着部を目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持に望ましい。機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことも抑制できる。また、機器の重量を原因として吸着部が取付面から離脱してしまう可能性を低くすることができる。例えば、取付面への吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段を有しない場合に比べて、吸着部を小さくしても、吸着部が取付面から離脱してしまう可能性を低くすることができる。取付面への吸着部の吸着状態は、取付面に対する吸着部の吸着の状態のことをいうとよい。
【0008】
(2)前記装着部を前記吸着部と連結させる連結部を備え、前記装着部は、前記吸着部に対する前記機器の姿勢を変更可能に構成され、前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段は、前記連結部が前記機器の姿勢を変更可能にする機構を有しないようにすることである取付部材が提供されるとよい。
【0009】
このようにすると、所定の機器が装着される部位に当該機器の姿勢を変更可能にする装着部が備えられており、連結部に機器の姿勢又は位置を変更可能にする機構を搭載したことに起因する連結部の重量化を抑制することができる。また、吸着部の肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部が広範囲にわたって覆うこと、例えば吸着部を目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持にも望ましい。また、機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等の撮影装置のような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことも抑制できる。
【0010】
(3)前記装着部を前記吸着部と連結させる連結部を備え、前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段は、前記連結部が前記機器を上下方向に変位可能にする機構を有しないようにすることである取付部材が提供されるとよい。
【0011】
このようにすると、連結部が機器を上下方向に変位可能にする機構を有しないため、機器の上下方向の変位を可能にする機構を搭載したことに起因する連結部の重量化を抑制することができる。また、吸着部の肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部が広範囲にわたって覆うこと、例えば吸着部を目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持にも望ましい。また、機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等の撮影装置のような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことも抑制できる。
【0012】
(4)前記連結部は、前記吸着部から一の方向に延びており、前記吸着部の中心よりも前記一の方向についての前記吸着部の吸着面に沿った方向成分側の前記吸着部における所定の部位と、前記装着部とに連結されるようにするとよい。
【0013】
このようにすると、連結部は、吸着部から伸びる一の方向についての吸着面に沿った方向成分側における所定の部位と、装着部とに連結される。そのため、機器よりも一の方向についての吸着面に沿った方向成分側を吸着部が覆いにくくすることができる。例えば、吸着部を大きくすると耐荷重性能が向上する一方、機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合には、車両の所定の取付面に吸着部を吸着させると、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうおそれがある。この点、上記の取付部材によれば、機器が例えばドライブレコーダのような撮影機器であったとしてもその撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0014】
(5)前記連結部は、前記取付面に前記吸着部を吸着させたときに前記装着部に装着された前記所定の機器が上下方向において前記吸着部と重ならない部分を前記車両の外側の方向に有するように、延びているようにするとよい。
【0015】
このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部を吸着させたときに、機器が、上下方向において吸着部と重ならない部分を車両の外側の方向に有する位置で、装着部に装着される。そのため、機器よりも車両の外側方向の部分を吸着部が覆いにくくすることができる。例えば、吸着部を大きくすると耐荷重性能が向上する一方、機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合にはその撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうおそれがある。この点、機器が例えばドライブレコーダのような撮影機器であったとしてもその撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0016】
(6)前記取付面への前記吸着部の吸着状態を維持しやすくするための手段は、ユーザによる重力方向と異なる方向への操作を受け付けて、前記取付面に前記吸着部を吸着させることが可能に構成された作動部を備えるようにするとよい。
【0017】
このようにすると、作動部は、ユーザによる重力方向と異なる方向への操作を受け付けて、取付面に前記吸着部を吸着させることが可能に構成されているので、車両の所定の取付面から吸着部が離脱する重力方向に負荷がかかりにくい態様で、車両の所定の取付面と吸着部とを吸着させることができる。例えば車両の所定の取付面に対する吸着部の取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。
【0018】
(7)前記作動部は、前記操作としてユーザによる回転操作を受け付け可能に構成され、前記回転操作を受け付ける範囲が前記吸着部の中心よりも前記車両の内側となるように構成されているとよい。
【0019】
このようにすると、ユーザにより操作される部位の回転範囲が車両の所定の取付面に吸着部を吸着させたときに、吸着部の中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側となるため、ユーザが作動部を回転させやすくすることができ、車両の所定の取付面に対する吸着部の取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。
【0020】
(8)前記作動部を回転させると、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とを吸着させるように構成されており、前記作動部と前記装着部とが一体構成されようにするとよい。
【0021】
このようにすると、作動部を回転させるための操作部を設ける必要がなく、装着部に取り付けられた機器を手に持って回転させることによって車両の所定の取付面と吸着部とを吸着させることができ、ユーザにとっては回転の操作を行いやすく、また、操作可能な部位を設ける場合に比べて取付部材をコンパクトにすることができる。
【0022】
(9)前記吸着部には、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とを吸着するための第1位置であることを示す第1指標と、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とを離間させるための第2位置であることを示す第2指標とが示されており、前記装着部は、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とが吸着されるときに前記第1指標が示される位置に移動し、前記車両の所定の取付面と前記吸着部とが離間されるときに前記第2指標が示される位置に移動するようにするとよい。
【0023】
このようにすると、装着部が第1指標と対向すると車両の取付位置と吸着部とが吸着されたことを把握でき、装着部が第2指標と対向すると車両の取付位置と吸着部とが離間されたことを把握できるため、ユーザの操作性が向上させることができる。特に、作動部を第1指標まで回転させたにもかかわらずそれを超えてさらに回転させたり、作動部を第2指標まで回転させたにもかかわらずそれを超えてさらに回転させたりすると、各種部材に必要以上の負荷がかかる可能性がある。この点、上記構成によると、作動部を必要以上に回転させる必要がなくなり、取付部材を破損させる可能性を低くすることができる。
【0024】
(10)前記吸着部の吸着面から径外側方向に突出する突出部が、前記車両の所定の取付面に前記吸着部を吸着させたときに前記車両の内側に向けて突出するように設けられているとよい。
【0025】
このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部を吸着させたときに、水平方向成分において吸着部の中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側に向けて突出部が突出しているため、ユーザが突出部を掴んで吸着部を取付面から離脱させる方向に向けて移動させやすく、車両の所定の取付面からユーザが吸着部を剥がすときの操作性が向上させることができる。
【0026】
(11)前記連結部と前記装着部の少なくとも一部とが単一の部材で構成されるようにするとよい。
【0027】
このようにすると、連結部と装着部の少なくとも一部とが単一の部材で構成されているため、連結部と装着部とを繋ぐ部材としての例えば金具等の部材が不要となり、シンプルな構成で製作しやすいだけでなく、軽量化も図ることができる。
【0028】
(12)前記連結部は、前記車両の所定の取付面に前記吸着部を吸着させたときに、水平方向成分において前記吸着部の中心よりも前記車両の外側の部位から、前記車両のさらに外側に向けて延びるようにするとよい。
【0029】
このようにすると、装着部を吸着部と連結させる連結部が、車両の所定の取付面に吸着部を吸着させたときに、水平方向成分において吸着部の中心よりも車両の外側の部位から車両のさらに外側に向けて延びる部材であるため、視界を極力遮らないようにすることができる。機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等のような撮影機器であっても、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0030】
(13)ユーザの操作により、前記吸着部に対して起立した第1姿勢と、前記吸着部に対して倒れた第2姿勢との間で作動できる作動部を備え、前記第1姿勢では前記車両の所定の取付面と前記吸着部とが離間し、前記第2姿勢では前記車両の所定の取付面と前記吸着部とが吸着し、前記吸着部を前記取付面に吸着させやすくするための手段は、前記作動部を前記第2姿勢に保持するためのロック機構を有するとよい。
【0031】
このようにすると、ユーザの操作により、吸着部に対して起立した第1姿勢と、吸着部に対して倒れた第2姿勢との間で作動できる作動部を備えた場合に、作動部を第2姿勢に保持するためのロック機構を設けたことにより、車両の所定の取付面から吸着部が離脱する重力方向に負荷がかかることにより吸着部が取付面から離脱してしまうことを抑制することができる。
【0032】
(14)前記作動部は、前記吸着部の中心よりも前記車両の内側の位置で、前記第1姿勢及び前記第2姿勢のいずれかとするユーザの操作を受け付け可能に構成されているとよい。
【0033】
このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部を吸着させたときに、吸着部の中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側にて、第1姿勢と第2姿勢との間で作動させることにより、車両の所定の取付面と吸着部とを吸着させたり離間させたりできるため、操作性を向上させることができる。
【0034】
(15)前記吸着部を前記取付面に吸着させやすくするための手段は、前記作動部の操作によって前記吸着部を前記取付面に吸着させた後で、前記作動部の操作を行わずに、前記吸着部と前記取付面との間である内部の空気を抜く構造を有するとよい。
【0035】
このようにすると、ユーザが作動部の操作によって吸着部を取付面に吸着させた後で、当該作動部の操作を行わなくとも、吸着部を取付面に吸着させやすくすることができる。例えば、吸着後に車両内の温度が上昇したとしても、例えば車両の所定の取付面と吸着部との間の空気の熱膨張を原因として、ユーザが意図しないときに車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを抑制できる。
【0036】
(16)前記吸着部は、前記取付面に吸着させることができる可撓性を有する部材で構成されており、前記取付面と前記吸着部との間である内部を減圧し、外部との圧力差により前記取付面に吸着させるものであって、前記構造は、前記吸着部の外側に、空気を滞留させることができ、滞留している空気量に応じて容量が変化する滞留部と、前記内部と前記滞留部との間に設けられた第1逆止弁と、前記内部の空気が膨張すると、前記内部の空気が前記滞留部に移動し、該滞留部に滞留する空気を前記外部に抜く第2逆止弁とを有するようにするとよい。
【0037】
このようにすると、車両内の温度が上昇したとしても、ユーザが意図しないときに車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを抑制できる。車両の所定の取付面と吸着部との間である内部の空気が膨張すると、内部の空気が滞留部に移動する。そして、滞留部に滞留する空気は、第2逆止弁を介して外部に排出される。特に夏場は車両内の温度が上がりやすく、内部の空気が膨張しやすい。そのため、例えば滞留部を押し込んで滞留部内の空気を予め抜いておくと、内部の空気が膨張すると内部の空気が滞留部に移動し、滞留部で滞留できなくなった空気は第2逆止弁を介して外部に排出されることとなる。
【0038】
(17)前記構造は、前記内部の空気を冷却する冷却部を有するようにするとよい。
【0039】
このようにすると、ユーザが意図しないときに車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことをさらに抑制できる。例えば、夏場等に車両内の温度が急激に上昇すると、内部の空気が第1逆止弁や第2逆止弁の排出能力を超えて膨張することが生じうるが、内部の空気を冷却する冷却部を備えることにより、内部の空気が第1逆止弁や第2逆止弁の排出能力を超えて膨張することを抑制できる。
【0040】
(18)前記構造は、前記内部の空気を吸引する吸引部を有するようにするとよい。
【0041】
このようにすると、ユーザが意図しないときに車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。例えば、車両内の温度は季節に応じて変化しやすいため、例えば車両内の温度が上昇する可能性があるとき等に、内部の空気を事前に吸引しておくことで、内部の空気の膨張度合いを抑制することができる。
【0042】
(19)前記機器は、前記車両の外を撮影方向として撮影する撮影部を有し、前記取付面に前記吸着部を吸着させたときに、前記撮影方向について前記吸着部が前記撮影部のレンズよりも前記車両の内側に位置することが可能に構成されるとよい。
【0043】
このようにすると、機器が車両の外を撮影方向として撮影する撮影部を有する機器が装着された場合に、撮影方向について吸着部が撮影部のレンズよりも車両の内側に位置することが可能に構成されているから、撮影部の撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0044】
(20)上記いずれかの取付部材と、前記取付部材の前記装着部に装着可能な機器と、を有し、前記機器は、前記吸着部の吸着状態に関する報知をする報知機能を有する機器及び取付部材が提供されるとよい。
【0045】
このようにすると、吸着部の吸着状態に関する報知が行われるため、報知されたときにユーザが吸着部の吸着状態を確認、必要に応じて取付部材の取り付けのし直しや交換等をすることにより、車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。
【0046】
(21)前記報知機能は、前記吸着部の吸着力が弱まっている可能性があること、前記吸着部の吸着状態の確認を促すこと、及び、前記吸着部を前記車両に再吸着させること、の少なくともいずれかを報知することが可能であるようにするとよい。
【0047】
このようにすると、ユーザは、報知に応じて吸着部の吸着力が弱まっている可能性があることを把握したり、ユーザが吸着部の吸着状態を確認したり、吸着部を車両に再吸着させることにより、車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。
【0048】
(22)前記報知機能は、所定の時期である場合に前記報知を行うようにするとよい。
【0049】
このようにすると、所定の時期になると報知されるため、この報知に応じてユーザが例えば吸着部の吸着状態を確認、必要に応じて取付部材の取り付けのし直しや交換等をすることにより、車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。特に、夏場は車両内の温度が上昇しやすいため、所定の時期を夏場前や夏に設定することにより、車両の所定の部位と吸着部との間である内部の空気の膨張によって吸着部が剥がれてしまうことを防止できる。
【0050】
(23)前記機器は、車内温度または車内温度に近い温度を検知できる温度検知部を備え、前記報知機能は、前記温度検知部が検知した温度が所定温度を超えると前記報知を行うようにするとよい。
【0051】
このようにすると、車内温度または車内温度に近い温度が所定温度を超えると報知されるため、この報知に応じてユーザが例えば吸着部の吸着状態を確認等することにより、車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。特に、夏場は車両内の温度が上昇しやすいため、所定温度を例えば25度等に設定することにより、車両の所定の部位と吸着部との間である内部の空気の膨張によって吸着部が剥がれてしまうことを防止できる。
【0052】
(24)前記報知機能は、前記機器の電源が投入されると前記報知を行うようにするとよい。
【0053】
このようにすると、機器の電源が投入されると報知されるため、ユーザが機器による報知に気づきやすくすることができる。そのため、この報知に応じてユーザが例えば吸着部の吸着状態を確認、必要に応じて取付部材の取り付けのし直しや交換等をすることをより確実にして、車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。
【0054】
(25)前記機器は、前記車両の停止を検知する車両検知部を備え、前記報知機能は、前記車両検知部が前記車両の停止を検知すると前記報知を行うようにするとよい。
【0055】
このようにすると、車両の停止が検知されると報知されるため、ユーザが機器による報知に気づきやすくすることができる。そのため、この報知に応じてユーザが例えば吸着部の吸着状態を確認等することをより確実にして、車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。ユーザは例えば帰宅時等の時間に余裕があるときに吸着状態を確認することができる。
【0056】
(26)前記機器は、当該機器が取り付けられている取付部材を判定する取付部材判定機能を備え、前記報知機能は、前記取付部材判定機能により上記いずれの取付部材に取り付けられていると判定した場合に前記報知を行うようにするとよい。
【0057】
このようにすると、機器は、当該機器が取り付けられている取付部材が上記いずれかの取付部材に取り付けられていると判定した場合に報知するため、吸着部を有する取付部材を用いて車両の取付面に機器が取り付けられている場合に、その吸着部の吸着状態に関する報知を行うことができる。例えば、両面テープ等の吸着部以外の部材を用いて取付部材が車両の取付面に固定されている場合には不必要な報知を行うことを防止して必要な報知を行うことができる。
【発明の効果】
【0058】
本発明によれば、新たな取付部材、並びに、機器及び取付部材に関する技術を提供すること、例えば吸着部を有する取付部材の機能を向上させることができる。
【0059】
本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】一実施形態に係るシステムの構成の一例を説明する図である。
【
図2】一実施形態に係る撮影装置の外観構成の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係るブラケットの構成の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る撮影装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】他の例に係る第1実施例のブラケットがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図6】他の例に係る第1実施例のブラケットがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図7】他の例に係る第1実施例のブラケットが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図8】他の例に係る第1実施例のブラケットが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図9】他の例に係る第1実施例のブラケットがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図10】他の例に係る第1実施例のブラケットがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図11】(A)撮影装置が装着された他の例に係る第1実施例のブラケットの斜視図の一例、(B)他の例に係る第2実施例のブラケットと、撮影装置と、撮影装置をブラケットに装着するための部材とが分解された分解斜視図の一例である。
【
図12】撮影装置が装着された他の例に係る第1実施例のブラケットの使用状態の一例としてのオープン状態における左側面図であって、(A)フロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
【
図13】撮影装置が装着された他の例に係る第1実施例のブラケットの使用状態の一例としての半クローズ状態における左側面図であって、(A)フロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
【
図14】撮影装置が装着された他の例に係る第1実施例のブラケットの使用状態の一例としてのクローズ状態における左側面図であって、(A)フロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
【
図15】撮影装置が装着された他の例に係る第1実施例のブラケットの使用状態の一例として、クローズ状態とされた後に行われる撮影装置の姿勢変更を説明するための左側面部分断面図であって、(A)フロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
【
図16】撮影装置が装着された他の例に係る第1実施例のブラケットの使用状態の一例としてのフロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【
図17】撮影装置が装着された他の例に係る第1実施例のブラケットの使用状態の一例としてのフロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【
図18】他の例に係る第2実施例のブラケットがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図19】他の例に係る第2実施例のブラケットがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図20】他の例に係る第2実施例のブラケットが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図21】他の例に係る第2実施例のブラケットが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図22】他の例に係る第2実施例のブラケットがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図23】他の例に係る第2実施例のブラケットがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図24】(A)撮影装置が装着された他の例に係る第2実施例のブラケットの斜視図の一例、(B)他の例に係る第2実施例のブラケットと、撮影装置と、撮影装置をブラケットに装着するための部材とが分解された分解斜視図の一例である。
【
図25】撮影装置が装着された他の例に係る第2実施例のブラケットの使用状態の一例としてのオープン状態における左側面図であって、(A)フロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
【
図26】撮影装置が装着された他の例に係る第2実施例のブラケットの使用状態の一例としてのクローズ状態における左側面図であって、(A)フロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
【
図27】撮影装置が装着された他の例に係る第2実施例のブラケットの使用状態の一例としてのフロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【
図28】撮影装置が装着された他の例に係る第2実施例のブラケットの使用状態の一例としてのフロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【
図29】他の例に係る第3実施例のブラケットがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図30】他の例に係る第3実施例のブラケットがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図31】他の例に係る第3実施例のブラケットが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図32】他の例に係る第3実施例のブラケットが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図33】他の例に係る第3実施例のブラケットがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
【
図34】他の例に係る第3実施例のブラケットがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
【
図35】ロック機構を備える他の例に係る第3実施例のブラケットの一例を示す斜視図の一例である。
【
図36】(A)撮影装置が装着された他の例に係る第3実施例のブラケットの一例を示す斜視図の一例、(B)他の例に係る第3実施例のブラケットと、撮影装置と、撮影装置をブラケットに装着するための部材とが分解された分解斜視図の一例である。
【
図37】撮影装置が装着された他の例に係る第3実施例のブラケットの使用状態の一例としてのオープン状態における左側面図であって、(A)フロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
【
図38】撮影装置が装着された他の例に係る第3実施例のブラケットの使用状態の一例としてのクローズ状態における左側面図であって、(A)フロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
【
図39】撮影装置が装着された他の例に係る第3実施例のブラケットの使用状態の一例としてのフロントガラスの傾斜角度が概ね20度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【
図40】撮影装置が装着された他の例に係る第3実施例のブラケットの使用状態の一例としてのフロントガラスの傾斜角度が概ね80度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【
図41】吸着保持の第2実施例を説明するためのブラケットの一例を示す平面図である。
【
図42】フロントガラスへの取付を困難にする取付困難化手段の一例について説明するための図であって、(A)ドライブレコーダが装着された場合、(B)ドライブレコーダ以外の車載機器が装着された場合、を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、以下の説明で参照する各図において、各部材、各領域等を認識可能な大きさとするために、実際とは縮尺を異ならせている場合がある。
【0062】
[1.システムの全体構成]
図1は、本実施形態のシステムの構成の一例を説明する図である。
図1には、車両400を側面側から見た場合の模式図が示されている。システム1は、車両400に配置された、第1の撮影装置としての撮影装置100と、第2の撮影装置としての撮影装置200と、を有する。車両400は、例えば四輪の自動車であるが、四輪の自動車に限定されるものではなく、撮影装置100及び撮影装置200を設置することが可能な車両であればよい。車両は、例えば、自動車、バス、トラック等の四輪以上の大型輸送車や、自動二輪車、自転車等の二輪車、その他の車両等であってもよい。車両は、例えば、電車、モノレール、リニアモーターカー等の交通機関の車両でもよい。
【0063】
撮影装置100は、車両400の前方側に配置されたフロントカメラである。撮影装置100は、例えば、車両400の車室における前方側の所定の位置に取り付けられ、フロントガラス越しに、車両400の前方を撮影方向として撮影する。撮影装置100は、ドライブレコーダである。具体的には、撮影装置100は、撮影する機能と、撮影した画像を示す画像データを記録する機能と、撮影装置200から取得した画像データを記録する機能と、を有する。
【0064】
撮影装置200は、車両400の後方側に配置されたリアカメラである。撮影装置200は、例えば、車両400の車室における後方側の所定の位置に取り付けられ、リアガラス越しに、車両の後方を撮影方向として撮影する。撮影装置200は、撮影する機能と、撮影した画像を示す画像データを撮影装置100に出力する機能と、を有する。
【0065】
撮影装置100と撮影装置200とは、ケーブル300を介して接続される。ケーブル300は、撮影装置100と撮影装置200とを接続する有線の通信路である。ケーブル300は、例えば、撮影装置100から撮影装置200へ動作用の電力を供給する電源線と、撮影装置100と撮影装置200との間で各種の信号を伝送するための信号線と、を有する。撮影装置200は、ケーブル300を介して、撮影装置100からの電力の供給を受けて動作する。なお、撮影装置100と撮影装置200とが、有線の通信路ではなく、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)、その他の規格の無線の通信路によって接続されてもよい。また、撮影装置100は、撮影装置200と通信により接続することなく使用されてもよい。
【0066】
[2.撮影装置の外観構成]
図2は、撮影装置100の外観構成の一例を示す図である。
図2(A)は、撮影装置100を前方側の右斜め上方向から見た図である。
図2(B)は、撮影装置100を後方側の右斜め上方向から見た図である。撮影装置100は、筐体101を有する。筐体101は、上下方向よりも左右方向に長く、かつ厚みは比較的小さい直方体状である。筐体101は、車両400に取り付けられたときに上方を向く上面1011と、第1の側面1012と、第2の側面1013と、第2の側面1013の反対側に位置する第3の側面1014と、第1の側面1012の反対側に位置する第4の側面1015と、を有する。
【0067】
上面1011には、ジョイントレール102と、カメラジャック191と、が設けられている。ジョイントレール102は、撮影装置100を車両400の所定の取付位置に取り付けるためのブラケット(例えば、後述するブラケット600)を着脱可能である。取付位置は、例えば、車両400のフロントガラス(例えば、フロントガラスにおける上端付近)、又は車両400のルームミラーや車室内の天井等としてもよい。撮影装置100が車両400に取りけられたとき、第1の側面1012が車両400の前方側を向く。このとき、第2の側面1013は、車両400の後方側から見て右側を向く。第3の側面1014は、車両400の後方側から見て左側を向く。第4の側面1015は、車両400の後方側を向く。
【0068】
カメラジャック191は、ケーブル300の一端が接続される端子である。カメラジャック191は、例えばUSB TypeCの規格に対応し、撮影装置100が撮影装置200とイーサネット規格の通信を行うための端子としてもよい。
【0069】
第1の側面1012には、撮像レンズ151と、放音孔103と、マイク孔104と、が設けられている。撮像レンズ151は、撮影装置100が備える撮影部(後述する撮影部15)が有する集光用のレンズである。放音孔103は、撮像レンズ151の上方に設けられ、撮影装置100が有する音声出力部(後述する音声出力部14)が出力した音声を、筐体101の内部から外部に透過させる孔である。マイク孔104は、撮像レンズ151の下方に設けられ、外部からの音を筐体101の外部から内部に透過させる孔である。筐体101の内部に透過した音は、撮影装置100が有するマイクロホン(後述するマイクロホン121)に入力される。
【0070】
第2の側面1013には、イベント記録ボタン122が設けられている。イベント記録ボタン122は、撮影部15が撮影した画像の記録(録画)の開始、又はその記録の終了を指示するための操作手段である。イベント記録が行われていないときに、ユーザによりイベント記録ボタン122が操作されると、撮影装置100はイベント記録を開始する。イベント記録について詳しくは後述する。イベント記録ボタン122は、右ハンドルの車両400の運転者が操作しやすいように、運転者席側を向く第2の側面1013に設けられている。
【0071】
第3の側面1014には、端子192と、記憶媒体挿入口181と、が設けられている。端子192は、外部の機器から電力の供給を受けるための端子である。端子192は、例えばDCジャックである。端子192は、電源用のコード(例えば、シガープラグコード)の一端側のコネクタが接続される。電源用コードの他端側のコネクタは、例えば車両400側に設けられた給電用の端子(例えば、シガーソケット)に接続される。
【0072】
端子192は、車両400のOBDII(「II」は「2」のローマ数字である。)コネクタに接続可能なOBDIIアダプタが接続されてもよい。OBDIIコネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECU(Engine Control Unit)に接続され、所定の期間毎(例えば、0.5秒毎)に各種の車両情報が出力される端子である。端子192が、OBDIIアダプタを用いてOBDIIコネクタと接続されることで、撮影装置100は、動作用の電力の供給を受けるとともに、車両情報を取得することができる。
【0073】
車両情報は、車両400の状態に関する情報である。車両情報は、例えば、車両400の速度(車速)、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル度、点火時期、残り燃料の割合、インテークマニホールドの圧力、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)、エンジンに吸気される空気の温度(吸気温度)、車外の気温(外気温度)、燃料タンクの残り燃料の量(残燃料量)、燃料流量、瞬間燃費、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ブレーキ開度、ハンドルの回転操舵角、ギヤポジション、及びドア開閉状態の情報等の少なくとも1つ以上とするとよい。
【0074】
記憶媒体挿入口181は、外部の記憶手段としての記憶媒体500を、撮影装置100の内部に挿入するための挿入口である。記憶媒体500は、撮影装置100又は撮影装置200で撮影された画像が記録される記憶媒体で、例えばSDカードである。SDカードは、例えば、SDメモリカード、miniSDカード、及びmicroSDカード等のいずれの形状も含む。記憶媒体500は、さらに、記憶した画像をパーソナルコンピュータ等の情報表示端末で再生するためのビューア(例えば、専用ビューア)のプログラムを記憶してもよい。
【0075】
第4の側面1015には、操作部123と、表示面131と、発光部21と、が設けられている。操作部123は、第1のボタン1231と、第2のボタン1232と、第3のボタン1233と、第4のボタン1234と、を有する。第1のボタン1231、第2のボタン1232、第3のボタン1233、及び第4のボタン1234は、表示面131の右側の一辺に沿って上下に並べて配置される。これら各ボタンに割り当てられる機能としては、例えば以下の機能がある。
【0076】
第1のボタン1231は、長押しされた場合に画像を切り替るためのボタンとして機能し、短押しされた場合に記憶媒体500のフォーマットを指示するためのボタンとして機能する。表示面131に表示される画像は、例えば、撮影装置100で現在撮影されている画像、及び撮影装置200で現在撮影されている画像の一方又は両方である。記憶媒体500をフォーマットすることは、記憶媒体500を初期化することであり、例えば、記憶媒体500に記憶された画像等のデータを消去すること、撮影装置100が記憶媒体500を使用できる状態にする(例えば、画像の記録及び読み出しをすることができる状態にする)ために、動作設定の内容を示す設定情報を記憶媒体500に書き込むこと、及び記憶媒体500を特定のファイル状態にすること、の少なくともいずれかとして把握される。
【0077】
第2のボタン1232は、撮影装置100が再生する画像を選択する選択画面を表示するためのボタンである。第3のボタン1233は、撮影装置100、及び撮影装置200の設定に関するメニューを表示するためのボタンである。第4のボタン1234は、画像の記録の開始、及び停止を指示するためのボタンである。例えば、後述する常時記録機能による記録中に、第4のボタン1234が短押しされた場合、その記録が一時停止する。その一時停止中に、第4のボタン1234が短押しされた場合、常時記録機能による画像の記録が再開する。第4のボタン1234が長押しされた場合、画像を記録する際のフレームレートを変更することができる。
【0078】
表示面131は、撮影装置100が有する表示部(後述する表示部13)が表示する画像が表示される領域である。表示面131は、例えば、長方形又は正方形の領域である。表示面131に重ねてユーザのタッチ操作を検出するためのタッチセンサ124が設けられている。
【0079】
発光部21は、第1のボタン1231よりも上方に設けられ、所定の色で発光する。
【0080】
なお、撮影装置200も、ドライブレコーダとしての機能を有してもよく、例えば撮影装置100と同様の構成を有してもよい。また、撮影装置100と通信により接続される撮影装置として、撮影装置200に代えて又は加えて、他の方向を撮影する1又は複数の撮影装置が用いられてもよい。他の方向として、車両400の右斜め後ろ、左斜め後ろ、車幅方向(側方)等の方向がある。
【0081】
[3.ブラケットの構成]
図3は、ブラケット600の構成の一例を示す図である。
図3(A)は、ブラケット600を前方側の右斜め上方向から見た図である。
図3(B)は、ブラケット600を側面側から見た図である。
図3(C)は、ブラケット600を前方側の右斜め下方向から見た図である。ブラケット600は、撮影装置100を車両400に取り付ける取付部材の一例である。
【0082】
ブラケット600は、ボールジョイント機構を用いた取付部材である。ブラケット600において、平板状のベース部610は、車両400のフロントガラスに貼り付ける取付面611を有する。ベース部610は、ボールスタッド620のうちの支柱に対して所定角度だけ傾斜する。取付面611に両面テープ等の接着部材を貼り付け、その接着部材を介して、車両400のフロントガラス等に貼り付けられる。
【0083】
ボールスタッド620は、ベース部610のうち取付面611とは反対側の面から起立した部位である。ソケット部630は、ボールスタッド620のうちのボール部621が装着される。ナット640は、ソケット部630の周囲に着脱自在に取り付けられる。ソケット部630の外周には、ネジ溝が形成されている。ソケット部630の外周に当該ネジ溝に嵌め合うナット640が装着される。ボールスタッド620のうちのボール部621がソケット部630内に装着された状態で、ナット640が締め付けられる前は、ソケット部630はボール部621の周面に沿って所望の方向に回転して、ベース部650の姿勢を変更可能である。ナット640が締め付けられると、ベース部650の姿勢及び位置が固定される。
【0084】
ベース部650は、ソケット部630と一対に形成され、撮影装置100に直接接して装着するための部位である。ベース部650は、一対のガイドレール651を下面に有する。一対のガイドレール651は、撮影装置100のジョイントレール102に沿ってスライド可能に構成される。ベース部650の先端部には爪状の先端部652が設けられている。先端部652が、ジョイントレール102の撮影装置100の前方側の端部付近に引っ掛けられることで、ブラケット600が撮影装置100に取り付けられる。
【0085】
[4.撮影装置100の電気的構成]
図4は、撮影装置100の電気的構成の一例を示すブロック図である。制御部11は、撮影装置100の各部を制御する。制御部11は、例えば、プロセッサ111、及びメモリ112を含むコンピュータである。プロセッサ111は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等を有する。メモリ112は、例えば、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を有する主記憶装置である。プロセッサ111は、メモリ112のROMから読み出したプログラムをRAMに一時的に記憶させる。メモリ112のRAMは、プロセッサ111に作業領域を提供する。プロセッサ111は、プログラムの実行中に生成されるデータをRAMに一時的に記憶させながら演算処理を行うことにより、各種の制御を行う制御部11は、さらに、時刻を計る計時部113を備える。計時部113は、例えばリアルタイムクロックである。計時部113は、プロセッサ111のマザーボードに実装されていていてもよいし、プロセッサ111に外付けされてもよい。
【0086】
入力部12は、ユーザからの情報の入力を受け付ける。入力部12は、例えば、上述したマイクロホン121、イベント記録ボタン122、操作部123、及びタッチセンサ124を有する。マイクロホン121は、マイク孔104等を介して入射した音を電気信号に変換する。マイクロホン121は、例えばコンデンサマイクである。タッチセンサ124は、表示面131においてユーザによりタッチされた位置を検出する。タッチセンサ124は、例えば静電容量方式である。
【0087】
表示部13は、表示面131に画像を表示する。表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)である。
【0088】
音声出力部14は、音声を出力する。この音声としては、例えば、報知音や、BGM、音声メッセージ等がある。音声出力部14は、例えば音声処理回路及びスピーカを有する。
【0089】
撮影部15は、撮影し、撮影により得られた画像データを生成する、撮影部15は、例えば、撮像レンズ151、及び撮像レンズ151により集光された光を撮像する撮像素子を有する。撮像素子は、例えば、CMOS(Complementary MOS)又はCCD(Charge Coupled Device)とする。撮影部15は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の色成分からなるカラー(多色)の画像を生成する。
【0090】
通信部16は、外部の装置と通信する。通信部16は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)その他の無線LAN(Local Area Network)通信や近距離無線通信により、外部の装置と無線通信するための通信回路を有する。通信部16は、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G、5G等の移動通信システムの規格等に準拠した通信を行うための通信回路を有してもよい。
【0091】
センサ部17は、各種のセンサを有する。センサ部17は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、及び照度センサの少なくともいずれかを有する。加速度センサは、例えば車両の前後、左右、上下の加速度を検出する3軸の加速度センサである。ジャイロセンサは、撮影装置100の傾きを検出するセンサである。加速度センサ及びジャイロセンサは、例えば、GNSS衛星からの信号が受信できない場合に、自律航法により車両400の位置を推測するのに使用されてもよい。気圧センサは、気圧を測定する。気圧センサは、例えば、高低差を検知して、高速道と一般道を判定するために用いられる。照度センサは、撮影装置100の周辺である車室内の明るさを示す照度を検知するセンサである。照度センサは、例えば表示部13の表示の輝度の調整に使用される。
【0092】
リーダライタ18は、記憶媒体挿入口181から撮影装置100の内部に挿入された記憶媒体500を保持する媒体保持部として機能する。リーダライタ18は、記憶媒体500にデータを書き込んだり、記憶媒体500からデータを読み出したりする。リーダライタ18は、記憶媒体500を1つだけ保持するものでもよいが、2つ以上の記憶媒体500を同時に保持することが可能に構成されてもよい。
【0093】
端子部19は、外部の装置と電気的に接続するための端子を有する。端子部19は、上述した、カメラジャック191及び端子192を有する。端子部19に接続される装置として、車両400側からの給電がなくても、撮影装置100及び撮影装置200が動作できるように、外付けのバッテリが用いられてもよい。端子部19に接続される装置は、例えば、ユーザの安全運転を支援する機能を有する装置であってもよい。このような装置として、例えば、運転手(例えば顔)を撮影して、わき見及び居眠り運転に例示される運転手の状態を検出して報知する機能を有する装置や、車両400の周辺の障害物を検知して報知する機能を有する装置(例えば、前方車両追突警報システム(FCWS:Forward vehicle Collision Warning Systems)のための車両検知に使用される装置)がある。端子部19に接続される装置は、その他にも、レーダー探知機、レーザー探知機、カーナビゲーション装置、ディスプレイ装置等の車載機器としてもよい。
【0094】
位置情報取得部20は、撮影装置100の位置(より具体的には、現在位置)を示す位置情報を取得する。撮影装置100の位置は、撮影装置100が配置された車両400の位置、車両400に配置された撮影装置200の位置、及び車両400に乗車している運転手その他の人の位置と同視することができる。位置情報取得部20は、例えば、GNSS(Global Navigation SatelliteSystem:全球測位衛星システム)の一つであるGPS(Global Posisioning System)からの信号に基づき、撮影装置100の位置情報(緯度情報、及び経度情報)を取得する。位置情報取得部20は、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)として、みちびきを併せて利用してもよい。
【0095】
発光部21は、所定の色で発光する。発光部21は、例えば、発光ダイオードを有する。
【0096】
電源制御部22は、撮影装置100の各部や、撮影装置200への電力の供給を制御する。電源制御部22は、例えば、電源スイッチや電源制御回路を有する。電源制御部22は、端子部19を介して車両400側から供給された電力を、撮影装置100の各部や、撮影装置200へ供給する。電源制御部22は、さらに、蓄電手段として、二次電池やボタン電池、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタとも呼ばれる。)を有してもよい。
【0097】
撮影装置100は、さらに、フラッシュメモリ(例えばeMMC、SSD)に例示される補助記憶装置を内部の記憶手段として有してもよい。補助記憶装置としては、光学式記憶媒体、磁気記憶媒体、及び半導体記憶媒体に例示される各種の記憶媒体を用いることができる。
【0098】
[5.撮影装置100の画像記録機能]
撮影装置100は、画像記録機能として、以下の1つまたは2つ以上の機能を有する。画像記録機能は、撮影装置100が撮影した画像を、所定のファイル形式の画像データとして記録する機能である。画像データは、動画形式の画像データとするとよく、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式(例えば、MPEG2、MPEG4)であるが、AVI、MOV、WMV等である。
【0099】
<5-1.常時記録機能>
常時記録機能(常時録画機能ともいう。)は、撮影装置100の動作中は、撮影装置100及び撮影装置200の一方又は両方により撮影された画像を継続して(つまり、常時)記録する機能である。制御部11は、常時記録機能を実行しているときには、車両400のエンジンの始動から停止まで撮像した映像データを記憶する。エンジンの始動は、例えば、車両400のアクセサリ電源のオンにより検出され、エンジンの停止は、アクセサリ電源のオフにより検出される。
【0100】
<5-2.イベント記録機能>
イベント記録機能は、特定のイベントが発生したことに応じて、撮影装置100及び撮影装置200の一方又は両方により撮影された画像を記録する機能である。イベントは、撮影装置100又は撮影装置200により撮影された画像を記録すべき事象であり、例えば、車両400の走行中におけるユーザの急ハンドル、急ブレーキ等の操作時、車両400の他の物体との衝突時等とする。制御部11は、イベントが発生したことを、例えば、センサ部17の加速度センサによる計測値に基づいて、判定する。具体的には、制御部11は、加速度センサの計測値が所定の閾値以上となった場合又は所定の時間的変化を示した場合に、イベントが発生したと判定する。イベントの発生の判定条件はこれに限られない。制御部11は、車両情報に基づいて、例えば車速や操舵状態等の車両400の状態が所定の条件を満たした場合に、イベントが発生したと判定してもよい。制御部11は、撮影部15又は撮影装置200により撮影された画像を解析し、車両400又は他車両の危険運転(例えば煽り運転、接近、又は異常接近)を検知した場合に、イベントが発生したと判定してもよい。制御部11は、イベント記録ボタン122が操作された場合にも、イベントが発生したと判定する。
【0101】
制御部11は、イベントが発生したと判定した場合、そのイベントの発生前後の所定期間(以下「イベント記録期間」という。)において撮像された画像を、記憶媒体500に記録する。制御部11は、例えば撮影部15及び撮影装置200により撮影された画像をメモリ112(例えば、RAM)に一時的に記録しておき、イベントが発生したと判定した場合は、メモリ112から読み出したイベント記録期間の画像を記憶媒体500に記録するとよい。制御部11は、例えば、イベントの発生前20秒、及びイベントの発生後20秒の合計40秒の画像を1つのファイルとする。イベント記録期間は一例であり、イベントの種類に応じて異なっていてもよいし、ユーザが変更可能であってもよい。制御部11は、1つのイベントの発生につき、複数のファイルからなる画像を記憶媒体500に記録してもよい。制御部11は、さらに、イベント記録期間にセンサ部17で計測された値(例えば、3軸の各方向の加速度)や、位置情報取得部20で取得された位置情報を、画像と関連付けて、記憶媒体500に記録してもよい。
【0102】
<5-3.駐車監視機能>
駐車監視機能は、車両400の駐車中に撮影装置100及び撮影装置200の一方又は両方により撮影された画像を記録する機能である。駐車監視機能は、駐車中の車両400の内部又は車両400の周辺の外部を監視するための機能である。制御部11は、車両400のエンジンオフ状態では、外付けバッテリからの電力の供給を受けて、記憶媒体500に画像を記録する。車両400の駐車中であるか否かについて、制御部11は、例えば、アクセサリ電源がオフされたこと、エンジンがオフされたこと、外付けバッテリからの電源供給が開始されたこと、車速が0km/h又は所定速度以下であること、及び位置情報取得部20が取得した位置情報が所定の位置情報(例えば、自宅や勤務先、駐車場の位置情報)であること、の1つ又は複数に基づいて判定する。
【0103】
駐車監視機能は、タイムラプスモード、及び動体検知モードを有してもよい。具体的には、制御部11は、タイムラプスモードがユーザにより選択された場合、常時記録機能及びイベント記録機能等の他の画像記録機能よりも、フレームレートを間引いて画像を記録する。例えば、他の画像記録機能のフレームレートが20~30フレーム/秒であるのに対して、タイムラプスモードのフレームレートは1フレーム/秒とする。動体検知モードは、移動体の検知に応じて画像を記録するモードである。具体的には、制御部11は、動体検知モードがユーザにより選択された場合に、撮影装置100及び撮影装置200により撮像された画像の変化から動体を検知したときは、その検知前後の所定期間に撮影された画像を、記憶媒体500に記録する。フレームレートは、常時記録機能及びイベント記録機能等と同じフレームレートとしてもよい。
【0104】
なお、撮影装置100、200として、全天球、半天球といった天球画像を撮影する撮影装置が用いられてもよい。また、撮影装置100として、表示部13を有しない撮影装置が用いられてもよい。また、撮影装置100の筐体は、直方体状のものでなくてもよく、例えば円筒状等の形状の撮影装置であってもよい。
【0105】
[6.ブラケットの他の例]
ブラケット600の構成については上述したとおりであるが、上述のブラケット600に代えて、後述するブラケット600A~600Cとするとよい。ブラケット600A~600Cは、上述のブラケット600と同様、ボールジョイント機構を用いた取付部材である。
【0106】
ブラケット600A~600Cの構成については後述するが、ブラケット600A~600Cが上述のブラケット600と大きく異なる点は、以下の点である。すなわち、ブラケット600では、取付面611に両面テープ等の接着部材を貼り付け、その接着部材を介して、車両のフロントガラス660A~660C等に貼り付けられる構造であった。これに対し、ブラケット600A~600Cは、可撓性の例えば弾性部材で形成された吸着盤614A~614C等(例えば、
図11、
図24、
図36等を参照)を有する吸着部610A~610C(例えば、
図6~
図34及び
図36~
図40を参照)を備えており、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A~660C等)に吸着盤(以下「吸盤」と読み替えてもよい。)614A~614Cの吸着面616A~616C(例えば、
図11、
図24、
図36等を参照)を吸着させることによって取り付けることができるようにしたものである。このようなブラケット600A~600Cによると、ユーザは、取付面への取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。例えば、撮影装置100等の機器を複数の車両で使用したり、他の車両への乗り換え等を行う場合、ユーザは、撮影装置100等の機器が装着されたブラケット600A~600Cを、使用中の車両から取り外して他の車両に取り付けることを容易に行うことができる。吸着盤614A~614Cの素材は、例えばゴムであるが、吸盤に用いられることのある素材が用いられるとよい。吸着部610A~610Cの吸着の仕組みは、一般的な吸盤と同じでよく、車両の所定の取付面と吸着部610A~610Cとの間である内部を減圧し、外部との圧力差により吸着させるものとするとよい。
【0107】
撮影装置100の取付面がフロントガラス660A~660Cである場合、吸着面616A~616Cがフロントガラス660A~660Cの上部20%の範囲内となるように取り付けられるとよい。このような取り付け可能な範囲は、保安基準によっても変化するものである。
【0108】
また、主に、ブラケット600A~600Cに装着される機器として想定されるのは、ドライブレコーダであるが、ETC等の機器もありうる。また、例えば、レーダーを探知する機器や光学の測距センサを備える機器等を、ブラケット600A~600Cに装着して用いられるものを排除する趣旨ではない。
【0109】
ところで、ブラケット600に代えて吸着部を備えるブラケットを用いる場合、ユーザは、撮影装置等の機器が装着されたブラケットを、使用中の車両から取り外して他の車両に取り付けることを容易に行うことができるものの、様々な課題があることを発明者は発見した。
【0110】
例えば、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス)と吸着面とを、吸着させたり、離間させたり(例えば、吸着を解除したり)するための部材が必要であるため、従来のブラケット600と比べて、肥大化しやすいといった課題がある。仮に、吸着部を小さくすると、撮影装置100が装着された状態でブラケットを取付面に取り付けた状態を安定的に維持することが困難な場合がある。
【0111】
また、吸着面の領域を大きくすれば吸着力の強化を図ることはできるが、ブラケットに装着される機器が例えばドライブレコーダ等の撮影装置である場合には、吸着盤が撮影範囲に入り込む所謂ケラレが発生しやすいといった課題がある。
【0112】
また、取付面に吸着部を吸着させたときに、吸着部よりも重力方向側に撮影装置等の機器が位置するように撮影装置等の機器が取付面に取り付けられる。車両の所定の取付面と吸着面とを吸着させた場合、例えば撮影装置等の機器を上から吊るような態様となるため、吸着部に、重力作用により重力方向(以下単に「下方」という場合がある。)に向けて力が作用する。このように吸着面に対して交差する方向に力が作用するため、この力が吸着部が取付面から離脱しやすくなる原因となることがある。このため、車両の所定の取付面と吸着面との吸着力の強化を図る必要があるといった課題がある。
【0113】
そこで、ブラケット600A~600Cは、取付面への吸着部610A~610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段を有している。ブラケット600A~600Cに対して、撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にする姿勢変更部を備えている。取付面への吸着部610A~610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段はは、吸着部610A~610Cの肥大化を抑制する手段としても機能する。ブラケット600A~600Cは、撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にする手段を備えることにより、ユーザが所望する方向を撮影しやすくすることができる。取付面への吸着部610A~610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段は、例えば、後述の連結部620Aが撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機能を有しないこと、及び、取付面への吸着部610A~610Cの吸着力を増強させる機能を有すること、等が相当する。
【0114】
取付面への吸着部610A~610C(吸着盤614A~614Cと読み替えてもよい。)の吸着状態は、取付面に対する吸着部610A~610Cの吸着の状態のことをいうとよい。吸着の状態としては、例えば、取付面に対する吸着部610A~610Cの位置に関する状態、及び取付面に吸着するために吸着部610A~610Cに作用する力(吸着力ともいう。)に関する状態の少なくともいずれかがある。取付面に対する吸着部610A~610Cの位置に関する状態を維持することは、取付面に対する吸着部610A~610Cの位置が変化しないこと、又は上記取付部材においては、取付面から吸着部610A~610Cが離脱しないこと(例えば、剥がれて落下しないこと)をいうとよい。取付面に吸着するために吸着部610A~610Cに作用する力の状態を維持することは、取付面に対して吸着部610A~610Cが吸着するための力を低下させないことをいうとよい。詳しくは、後述するが、取付面に吸着するために吸着部610A~610Cに作用する力が大きいほうが、上記取付部材の取付面に吸着させる上で有利なことから、取付面に吸着するために吸着部610A~610Cに作用する力の状態を維持することは、その力を増大させることをも含んでもよい。また、吸着状態を維持しやすくすることは、現に吸着状態を維持することのほか、吸着状態を維持しようとすること、又は吸着状態の変化を抑えることをもいうとよい。例えば、取付面に対する吸着部610A~610Cの位置に関する状態を維持しやすくすることは、その位置を維持しようとすること、又は位置の変化を抑えようとすることをいってもよい。取付面に吸着するために吸着部610A~610Cに作用する力の状態を維持しやすくすることは、その力の低下を抑えようとすること、又はその力を増大させようとすることをいってもよい。また、取付面への吸着部610A~610Cの吸着状態を維持しすくするための手段は、当該手段がない場合に比べて、吸着部610A~610Cの取付面への吸着をより確実にするもので、吸着力を増強させるための吸着部610A~610Cの肥大化を抑制することにも寄与することがある。このような取付面への吸着部610A~610Cの吸着状態を維持しすくするための手段は、吸着部610A~610Cの肥大化を抑制する手段としても機能することがありうるものである。
【0115】
取付面への吸着部610A~610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段について、以下に説明する。
【0116】
以下のブラケット600A~600Cにおいて、オープン状態は、所定の取付面への吸着盤の吸着状態を解除する操作を行ったとき(例えば、所定の取付面から吸着盤を離間させる操作を行ったとき)の操作後状態、及び、所定の取付面に吸着盤を吸着させる操作を行う前の操作前状態、が相当する。オープン状態では、所定の取付面と吸着盤の吸着面との間の内部空間に空気が流入し、所定の取付面に吸着盤が吸着されない。ただし、オープン状態であったとしても、他の物理的要因によって所定の取付面に吸着盤が吸着してしまうことはありうる。
【0117】
クローズ状態は、所定の取付面に吸着盤を吸着させる操作を行ったときの操作後状態、及び、所定の取付面と吸着盤との吸着状態が維持されているとき(例えば、所定の取付面から吸着盤を取り外す操作を行う前)の操作状態、が相当する。クローズ状態では、所定の取付面と吸着盤の吸着面との間の内部空間が真空状態または真空度が高い状態となるため、所定の取付面に吸着盤が吸着される。ただし、クローズ状態であったとしても、他の物理的要因によって所定の取付面と吸着盤の吸着面との間の内部空間の真空状態が低下すると、所定の取付面と吸着盤との吸着状態が解除されてしまうことはありうる。
【0118】
半クローズ状態は、オープン状態からクローズ状態への移行途中や、クローズ状態からオープン状態への移行途中等のように、オープン状態とクローズ状態との中間の状態が相当する。半クローズ状態では、所定の取付面と吸着盤の吸着面との間の内部空間の真空度が、オープン状態と比べると高く、クローズ状態と比べると低い。
【0119】
[6-1.ブラケットの第1実施例]
第1実施例のブラケット600Aの構成について、
図5~
図11を参照して説明する。
図5は、ブラケット600Aがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図6は、ブラケット600Aがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図7は、ブラケット600Aが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図8は、ブラケット600Aが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図9は、ブラケット600Aがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図10は、ブラケット600Aがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図11は、(A)撮影装置100が装着されたブラケット600Aの斜視図の一例、(B)ブラケット600Aと、撮影装置100と、撮影装置100をブラケット600Aに装着するための部材とが分解された分解斜視図の一例である。
【0120】
図5~
図11に示されるように、ブラケット600Aは、主として、吸着部610Aと、作動部625Aと、ボールスタッドとしての連結部620Aとボール部621Aとを備える。
【0121】
なお、
図5~
図10において、例えば
図6(B)に示される突出部618A(この突出部618Aについては後述する)が形成されている側を背面とする。背面は、例えば車両400の後方側を向くことがある。したがって、
図5~
図10において、例えば
図6(B)に示される吸着部610A(この吸着部610Aについては後述する)の中心OA(
図6(B)、
図8(B)、
図10(B)を参照)に対する突出部618Aの反対側が正面となる。正面は、例えば車両400の前方側を向くことがある。また、
図5~
図10において、後述する吸着面616A(この吸着面616Aについては後述する)の側を底面とする。吸着ベース612Aと吸着盤614Aと吸着面616Aとが同心であるため、吸着部610Aの中心OAは、吸着ベース612Aの中心OAでもあり、吸着盤614Aの中心OAでもあり、吸着面616Aの中心OAでもある。
【0122】
吸着部610Aは、円板形状の例えば樹脂で成型された吸着ベース612Aと、吸着ベース612Aの底面側に設けられた吸着盤614A(上述したとおり「吸盤614A」と読み替えてもよい。)とを備える。吸着盤614Aは上述したとおり可撓性の例えば弾性部材で形成されており、車両の所定の取付面(例えば、車両のフロントガラス660Aの取付面等)と吸着面616Aとを吸着させることにより、ブラケット600Aを車両の所定の取付面に取り付けることができる。
【0123】
また、吸着部610Aには、吸着面616Aから径外側方向に向けて突出する突出部618Aが形成されている。突出部618Aは、吸着部610Aの取り外しを支援する部材で、フロントガラス660Aから離れる方向に引っ張るような操作がされる。突出部618Aは、いわゆるベロと称呼されることもある。
【0124】
作動部625Aは、吸着ベース612Aの中心OA(
図6(B)、
図8(B)、
図10(B)を参照)を回転中心として、吸着ベース612Aに対して回転できるように構成されている。作動部625Aの回転方向は、吸着面616Aと略平行となり、作動部625Aの回転により吸着面616Aに対して交差する方向(すなわち、車両の所定の取付面から吸着盤614Aが剥がれる方向)に力が作用することを抑制できる。作動部625Aの回転範囲については後述する。
【0125】
連結部620Aは、作動部625Aとボール部621Aとを連結している。連結部620Aは、基端部(一端側といってもよい。)が作動部625Aに接続されており、そこからさらに吸着ベース612Aの径方向の外側、すなわち吸着面616Aに沿った方向成分における吸着ベース612Aよりも径方向の外側に向けた一の方向に延びている。ボール部621Aは、吸着ベース612Aの径方向の外側に向けて延びた連結部620Aの先端部に設けられている。
【0126】
連結部620Aは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)に吸着部610Aを吸着させたときに装着部に装着された例えば撮影装置100が上下方向において吸着部610Aと重ならない部分を車両の外側の方向に有するように延びているようにするとよい。装着部は、ブラケット600Aのうち、撮影装置100が装着される部位であり、本実施形態では、ボール部621A、ソケット部630A及びナット640Aで構成される。
【0127】
連結部620Aは、撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機能を有しない。連結部620Aがこのような機能を有しないことは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)への吸着部610Aの吸着状態を維持しやするするための手段として機能する。仮に、連結部620Aが撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機能を有すると、ブラケット600Aが肥大化しやすく、車両の所定の取付面への吸着部610Aの吸着状態の維持を阻害するおそれがある。そこで、本実施形態では、ブラケット600Aは、取付面への吸着部610Aの吸着状態を維持しやすくするための手段として、連結部620Aが撮影装置100の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位する機構を有しないようにしている。このようにすると、連結部620Aに撮影装置100の姿勢又は位置を変更可能にする機構を搭載したことに起因する連結部620Aの重量化を抑制することができる。
【0128】
より望ましい構成として、連結部620Aは、撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にするための機構である関節部を有さず、かつ、作動部625Aとボール部621Aとを連結する単一の部材とし、重量化を抑制している。本実施形態において、作動部625Aと連結部620Aとボール部621Aとは例えば樹脂により一体成型、すなわち単一の部材で構成されている。ただし、作動部625Aと連結部620Aとボール部621Aとが一体成型であることは必須ではないが、作動部625Aと連結部620Aとボール部621Aとが一体的に構成されていることが望ましい。
【0129】
作動部625Aは、オープン状態とクローズ状態との間で作動する。
図6(B)、
図8(B)及び
図10(B)に示されるように、吸着ベース612Aの上面には、作動部625Aがクローズ状態の第1位置であることを示す第1指標(「CLOSE」の表記)と、作動部625Aがオープン状態の第2位置であることを示す第2指標(「OPEN」の表記)とが示されている。第1指標、第2指標は、水平出しのためのラインであるとよい。本実施形態では、作動部625Aが90度回転させられることで、オープン状態からクローズ状態に遷移させ、吸着部610Aを引き上げて取付面に吸着させるための部材である。このようにするメリットとして、作動部625Aは、回転レバーにボール部分を設けた構成でもあるとよい。このようなブラケット600Aとすると、機器の姿勢を変更し、かつ機器の上下方向の変位を可能にするブラケットと比べて、コンパクト化が可能である。仮に、レバーを上下して貼り付ける吸着部にボール部分を設けても、取付面から外れる方向に機器の負荷が掛かって外れる恐れが大きいが、ブラケット600Aは、回転させて吸盤を引き上げているので機器の重さがレバーに影響しにくい。
【0130】
上述したとおり、作動部625Aと連結部620Aとボール部621Aとが一体的に構成されているため、吸着ベース612Aに対して作動部625Aが回転すると、これに伴って連結部620A及び作動部625Aについても吸着ベース612Aに対して回転する。
【0131】
オープン状態では、
図6(B)に示されるように、ボール部621Aと「OPEN」の表記(
図6(B)ではボール部621Aによって「OPEN」の表記が隠れている)とが対向する。クローズ状態では、
図10(B)に示されるように、ボール部621Aと「CLOSE」の表記(
図10(B)ではボール部621Aによって「CLOSE」の表記が隠れている)とが対向する。半クローズ状態では、
図8(B)に示されるように、「CLOSE」の表記と「OPEN」の表記との間にボール部621Aが位置している。
【0132】
図11に示されるように、例えば撮影装置100は、ナット640A、ソケット部630A及びベース部650Aによりブラケット600Aに装着される。
図2を用いて説明した撮影装置100と、
図11~17、24~28、35~39、41に示す撮影装置100とは外観構成が若干相違しているが、
図11~17に示す撮影装置100が
図2を用いて説明した撮影装置100と同一の構成を有するとみなして差し支えない。ボール部621Aは、上述のブラケット600と同様に、外周にネジ溝が形成されたソケット部630Aに装着された状態とされ、ユーザにより、その状態でナット640Aは締め付けられる。ナット640Aが締め付けられる前は、ユーザの操作に応じて、ソケット部630Aはボール部621Aの周面に沿って所望の方向に回転し、ベース部650Aの姿勢を変更可能である。ナット640Aが締め付けられると、ベース部650Aの姿勢及び位置が固定される。
【0133】
ベース部650Aは、ソケット部630Aと一対に形成され、撮影装置100に直接接して装着するための部位である。ベース部650Aは、一対のガイドレール(不図示であるが、その構成は
図3の符号651を参照)を下面に有する。一対のガイドレールは、撮影装置100のジョイントレール102に沿ってスライド可能に構成される。ベース部650Aの先端部には爪状の先端部652Aが設けられている。先端部652Aが、ジョイントレール102の撮影装置100の前方側の端部付近に引っ掛けられる。このようにして、撮影装置100がブラケット600Aに装着される。
【0134】
本実施形態において、ボール部621A、ソケット部630A及びナット640Aは、ブラケット600Aに撮影装置100を装着する装着部として機能するとともに、本実施形態では、装着された例えば撮影装置100等の機器の姿勢を変更する姿勢変更部として機能する。なお、ソケット部630A及びナット640Aは、ブラケット600Aを構成する部材と解釈することもできるし、ブラケット600Aとは別部材であると解釈することもできる。ソケット部630A及びナット640Aがブラケット600Aとは別部材であると解釈する場合、ブラケット600Aを構成する部材のうち装着部及び姿勢変更部として機能するのはボール部621Aである。
【0135】
次に、ブラケット600Aの使用例、具体的には、例えば、撮影装置100等の機器が装着されたブラケット600Aを車両のフロントガラス660Aに取り付けるときの使用状態について、
図12~
図17を参照して説明する。
図12は、撮影装置100が装着されたブラケット600Aの使用状態の一例としてのオープン状態における左側面図であって、(A)フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
図13は、撮影装置100が装着されたブラケット600Aの使用状態の一例としての半クローズ状態における左側面図であって、(A)フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
図14は、撮影装置100が装着されたブラケット600Aの使用状態の一例としてのクローズ状態における左側面図であって、(A)フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
図15は、撮影装置100が装着されたブラケット600Aの使用状態の一例として、クローズ状態とされた後に行われる撮影装置100の姿勢変更を説明するための左側面部分断面図であって、(A)フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
図16は、撮影装置100が装着されたブラケット600Aの使用状態の一例としてのフロントガラス660Aの傾斜角度が概ね20度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
図17は、撮影装置100が装着されたブラケット600Aの使用状態の一例としてのフロントガラス660Aの傾斜角度が概ね80度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【0136】
なお、
図12~
図17において、撮影装置100の撮像レンズ151A(
図14及び
図15を参照)の側と反対側(すなわち、水平方向成分における車両の後方側であって、
図12~
図15の紙面右側、
図16及び
図17の紙面手前側)を正面とする。撮影装置100の撮像レンズ151Aの側(すなわち、水平方向成分における車両の前方側)は背面となる。また、
図16及び
図17では、便宜上、フロントガラス660Aの図示を省略している。
【0137】
図12~
図17において、フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね20度の場合及び概ね80度の場合を例に挙げたのは、大多数の車両のフロントガラス660Aの傾斜角度が概ね20度~概ね80度の範囲内に含まれるためである。例えば、フロントガラス660Aの傾斜角度が相対的に小さい概ね20度に近い車両はスポーツカー等であり、フロントガラス660Aの傾斜角度が相対的に大きい概ね80度に近い車両はトラックやバスであり、一般的な車両のフロントガラス660Aの傾斜角度は概ね20度~80度の範囲内である。フロントガラス660Aの傾斜角度が概ね20度の場合及び概ね80度の場合のいずれにおいても上記課題を解決できれば、フロントガラス660Aの傾斜角度は概ね20度~80度の範囲内にあれば、同様に上記課題を解決できると考えられる。この明細書において、フロントガラス660Aの傾斜角度は、水平方向に対してなす角度である。
【0138】
撮影装置100が装着されたブラケット600Aを車両のフロントガラス660Aに取り付けるとき、ユーザは、例えば撮影装置100を時計周りに回すことにより、オープン状態(
図12、
図16(A)、
図17(A)を参照)からクローズ状態(
図14、
図16(B)、
図17(B)を参照)にすることができる。
【0139】
なお、
図14、
図16(B)及び
図17(B)に示されるクローズ状態では、便宜上、撮像レンズ151Aが車両の前方側(例えば
図14の左側)を正しく向いているが、実際には、クローズ状態とした後、撮影したい方向(例えば車両の前方)に撮像レンズ151Aが向くように、撮影装置100の姿勢を調整する必要がある。そこで、ユーザは、クローズ状態にした後、所望の方向を正しく向くように撮影装置100の姿勢を変更する。
【0140】
図15において、クローズ状態にした後、所望の方向を向くように撮影装置100の姿勢を変更するとき、上述したように、ソケット部630Aがボール部621Aの周面に沿って回転する。そのため、撮影装置100の姿勢を任意の角度に自在に変更することができる。撮影装置100が所望の姿勢となった後、ユーザがナット640Aを締め付けると、ベース部650Aの姿勢及び位置が固定され、これによって撮影装置100の姿勢及び位置が固定される。このようにして、撮影装置100の姿勢が調整される。
【0141】
一方、撮影装置100が装着されたブラケット600Aを車両のフロントガラス660Aから取り外すとき、ユーザは、例えば撮影装置100を反時計周りに回すことにより、クローズ状態(
図14、
図16(B)、
図17(B)を参照)からオープン状態(
図12、
図16(A)、
図17(A)を参照)にすることができる。
【0142】
また、
図12~
図17に示されるように、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A)に吸着盤614Aを吸着させたとき、吸着盤614Aに形成された突出部618Aが、吸着面616Aに沿って吸着部610Aの中心OA(
図17参照)よりも正面側すなわち車内側に向けて突出している。車内にいるユーザから見て、車両の前方側から後方側に向けて突出部618Aが上り勾配で突出しているため、ユーザは、クローズ状態からオープン状態にしたときに、吸着面616Aに対して交差する方向(例えば下方)に向けて突出部618Aを引っ張りやすく、例えばフロントガラス660Aからユーザが吸着盤614Aを剥がすときの操作性が向上し、ブラケット600Aを車両の取付面から容易に取り外すことができる。
【0143】
(作用効果)
上述した第1実施例のブラケット600Aは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)に所定の機器を取り付けるための取付部材であって、取付面に吸着させられる吸着部610Aと、取付面に吸着部610Aを吸着させたときに吸着部610Aよりも重力方向側に所定の機器が位置するように所定の機器が装着される装着部(ボール部621A、ソケット部630A及びナット640A)と、取付面への吸着部610Aの吸着状態を維持しすくするための手段と、を備えるものである。このようにすると、車両の所定の取付面への吸着部610Aの吸着状態を維持しやすくするための手段を有しているため、吸着部610Aを用いた取付部材としてのブラケット600Aにおいて生じ得る課題を解決することができる。例えば、吸着部610Aの肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部610Aが広範囲にわたって覆うこと、すなわち吸着部610Aを目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持に望ましい。所定の機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部610Aが入り込んでしまうことも抑制できる。また、所定の機器の重量を原因として吸着部610Aが取付面から離脱してしまう可能性を低くすることができる。例えば、取付面への吸着部610Aの吸着状態を維持しやすくするための手段を有しない場合に比べて、吸着部610Aを小さくしても、吸着部610Aが取付面から離脱してしまう可能性を低くすることができる。
【0144】
装着部(ボール部621A、ソケット部630A及びナット640A)を吸着部610Aと連結させる連結部620Aを備え、上記の装着部は、吸着部610Aに対する所定の機器の姿勢を変更可能に構成される。車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)への吸着部610Aの吸着状態を維持しやすくするための手段は、連結部620Aが所定の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機構を有しないようにすることである取付部材としてのブラケット600Aが提供されるとよい。このようにすると、所定の機器が装着される部位に当該機器の姿勢を変更可能にする装着部が備えられており、連結部620Aに所定の機器の姿勢又は位置を変更可能にする機構を搭載したことに起因する連結部620Aの重量化を抑制することができる。また、吸着部610Aの肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部610Aが広範囲にわたって覆うこと、例えば吸着部610Aを目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持にも望ましい。また、所定の機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等の撮影装置のような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことも抑制できる。
【0145】
連結部620Aは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)に吸着部610Aを吸着させたときに装着部(ボール部621A、ソケット部630A及びナット640A)に装着された所定の機器が上下方向において吸着部610Aと重ならない部分を車両の外側の方向に有するように、延びているようにするとよい。このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部610Aを吸着させたときに、機器が、上下方向において吸着部610Aと重ならない部分を車両の外側の方向に有する位置で、装着部に装着される。そのため、機器よりも車両の外側方向の部分を吸着部610Aが覆いにくい。例えば、吸着部610Aを大きくすると耐荷重性能が向上する一方、機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合にはその撮影範囲に吸着部610Aが入り込んでしまうおそれがあるが、上記の取付部材としてのブラケット600Aによれば、機器が例えばドライブレコーダのような撮影機器であったとしてもその撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0146】
車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)への吸着部610Aの吸着状態を維持しやすくするための手段は、ユーザによる重力方向と異なる方向への操作を受け付けて、取付面に吸着部610Aを吸着させることが可能に構成された作動部625Aを備えるようにするとよい。このようにすると、作動部625Aは、ユーザによる重力方向と異なる方向への操作を受け付けて、取付面に吸着部610Aを吸着させることが可能に構成されているので、車両の所定の取付面から吸着部610Aが離脱する重力方向に負荷がかかりにくい態様で、車両の所定の取付面と吸着部610Aとを吸着させることができる。例えば車両の所定の取付面に対する吸着部610Aの取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。
【0147】
作動部625Aは、操作としてユーザによる回転操作を受け付け可能に構成され、回転操作を受け付ける範囲が吸着部610Aの中心よりも車両の内側となるように構成されているとよい。このようにすると、ユーザにより操作される部位の回転範囲が車両の所定の取付面に吸着部610Aを吸着させたときに、吸着部610Aの中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側となるため、ユーザが作動部625Aを回転させやすくすることができ、車両の所定の取付面に対する吸着部の取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。また、例えば無理な姿勢で作動部625Aを回転させると意図しない方向に力が作用する場合があり、車両の所定の取付面に対して吸着部610Aが剥がれる方向に力が作用する場合もありうる。この点、上記構成によれば、ユーザが作動部625Aを回転操作させやすいため、車両の所定の取付面に対する吸着部610Aの取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。
【0148】
ユーザが作動部625Aを回転させると、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)と吸着部610Aとを吸着させるように構成されており、作動部625Aと装着部とが一体構成されようにするとよい。このようにすると、作動部625Aを回転させるための操作部を設ける必要がなく、装着部に取り付けられた機器を手に持って回転させることによって車両の所定の取付面と吸着部610Aとを吸着させるから、機器自体がユーザによる回転操作を受け付ける操作部としての機能も兼ねている。よって、ユーザにとっては回転の操作を行いやすく、また、操作可能な部位を設ける場合に比べて取付部材としてのブラケット600Aをコンパクトにすることができる。
【0149】
吸着部610Aには、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)と吸着部610Aとを吸着するための第1位置であることを示す第1指標と、車両の所定の取付面と吸着部610Aとを離間させるための第2位置であることを示す第2指標とが示されており、装着部(ボール部621A、ソケット部630A及びナット640A)は、車両の所定の取付面と吸着部610Aとが吸着されるときに第1指標が示される第1位置に移動し、車両の所定の取付面と前記吸着部610Aとが離間されるときに第2指標が示される第2位置に移動するようにするとよい。このようにすると、装着部が第1指標と対向すると、車両の取付位置と吸着部610Aとが吸着されたことを把握でき、装着部が第2指標と対向すると、車両の取付位置と吸着部610Aとが離間されたことを把握できるため、ユーザの操作性が向上する。特に、作動部625Aを第1指標まで回転させたにもかかわらずそれを超えてさらに回転させたり、作動部を第2指標まで回転させたにもかかわらずそれを超えてさらに回転させたりすると、各種部材に必要以上の負荷がかかる可能性がある。この点、上記構成によると、作動部625Aを必要以上に回転させる必要がなくなり、取付部材としてのブラケット600Aを破損させる可能性を低くすることができる。
【0150】
吸着部610Aの吸着面616Aから径外側方向に突出する突出部618Aが、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)に吸着部610Aを吸着させたときに車両の内側に向けて突出するように設けられているとよい。このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部610Aを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Aの中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側に向けて突出部618Aが突出している。そのため、ユーザが突出部618Aを掴んで吸着部610Aを取付面から離脱させる方向に向けて移動させやすく、車両の所定の取付面からユーザが吸着部610Aを剥がすときの操作性が向上する。
【0151】
連結部620Aとボール部621Aとが単一の部材で構成されるようにするとよい。このようにすると、連結部620Aとボール部621Aとを繋ぐ部材としての例えば金具等の部材が不要となり、シンプルな構成で製作しやすいだけでなく、軽量化も図ることができる。
【0152】
連結部620Aは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660A等)に吸着部610Aを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Aの中心よりも車両の外側の部位から、車両のさらに外側に向けて延びるようにするとよい。装着部(ボール部621A、ソケット部630A及びナット640A)を吸着部610Aと連結させる連結部620Aが、車両の所定の取付面に吸着部610Aを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Aの中心よりも車両の外側の部位から車両のさらに外側に向けて延びる部材でとすることで、視界を極力遮らないようにすることができる。機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等のような撮影機器であっても、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0153】
[6-2.ブラケットの第2実施例]
第2実施例のブラケット600Bの構成について、
図18~
図24を参照して説明する。
図18は、ブラケット600Bがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図19は、ブラケット600Bがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図20は、ブラケット600Bが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図21は、ブラケット600Bが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図22は、ブラケット600Bがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図23は、ブラケット600Bがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図24は、(A)撮影装置100が装着されたブラケット600Bの斜視図の一例、(B)ブラケット600Bと、撮影装置100と、撮影装置100をブラケット600Bに装着するための部材とが分解された分解斜視図の一例である。
【0154】
図18~
図24に示されるように、ブラケット600Bは、主として、吸着部610Bと、作動部625Bと、ボールスタッドとしての連結部620Bとボール部621Bとを備える。
【0155】
なお、
図18~
図23において、例えば
図19(B)に示される突出部618B(この突出部618Bについては後述する)が形成されている側を背面とする。したがって、
図18~
図23において、例えば
図19(B)に示される吸着部610B(この吸着部610Bについては後述する)の中心OB(
図19(B)、
図21(B)、
図23(B)を参照)に対する突出部618Bの反対側が正面となる。また、
図18~
図23において、後述する吸着面616B(この吸着面616Bについては後述する)の側を底面とする。吸着ベース612Bと吸着盤614Bと吸着面616Bとが同心であるため、吸着部610Bの中心OBは、吸着ベース612Bの中心OBでもあり、吸着盤614Bの中心OBでもあり、吸着面616Bの中心OBでもある。
【0156】
吸着部610Bは、吸着部610Aと同様に、円板形状の例えば樹脂で成型された吸着ベース612Bと、吸着ベース612Bの底面側に設けられた吸着盤614B(上述したとおり「吸盤614B」と読み替えてもよい。)とを備える。吸着盤614Bは上述したとおり可撓性の例えば弾性部材で形成されており、車両の所定の取付面(例えば、車両のフロントガラス660Bの取付面等)と吸着面616Bとを吸着させることにより、ブラケット600Bを車両の所定の取付面に取り付けることができる。
【0157】
また、吸着部610Bの上面には、吸着面616Bから径外側方向に向けて突出する突出部618Bが形成されている。突出部618Bは、突出部618Aと同様の用途で用いられる部材である。本実施形態においてブラケット600Bは、操作部626Bは車両における後方側に位置し、突出部618Bをセンターにして左右対象にしたような構成である。
【0158】
作動部625Bは、作動部625Aと同様に、吸着ベース612Bの中心OB(
図19(B)、
図21(B)、
図23(B)を参照)を回転中心として、吸着ベース612Bに対して回転できるように構成されている。作動部625Bの回転方向は、吸着面616Bと略平行となる。作動部625Bを回転範囲については後述する。
【0159】
なお、作動部625Bは、作動部625Aと異なり、作動部625Bを回転させるための操作部626Bが作動部625Bに形成されている。
【0160】
連結部620Bは、連結部620Aと異なり、吸着ベース612Bとボール部621Bとを連結している。連結部620Bは、短い棒状の部材であって、基端部が円板形状の吸着ベース612Bの径方向の外側の部位に接続されており、そこからさらに吸着ベース612Bの径方向の外側、すなわち吸着面616Bに沿った方向成分における吸着ベース612Bよりも径方向の外側に向けた一の方向に延びている。ボール部621Bは、吸着ベース612Bの径方向の外側に向けて延びた連結部620Bの先端部に設けられている。
【0161】
連結部620Bは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B等)に吸着部610Bを吸着させたときに装着部に装着された例えば撮影装置100が上下方向において吸着部610Bと重ならない部分を車両の外側の方向に有するように延びているようにするとよい。装着部は、ブラケット600Bのうち、撮影装置100が装着される部位であり、本実施形態では、ボール部621B、ソケット部630B及びナット640Bで構成される。
【0162】
連結部620Bは、撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機能を有しない。連結部620Bがこのような機能を有しないことは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B)への吸着部610Bの吸着状態を維持しやするするための手段として機能する。仮に、連結部620Bが撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機能を有すると、ブラケット600Bが肥大化し、車両の所定の取付面への吸着部610Bの吸着状態の維持を阻害するおそれがある。そこで、本実施形態では、連結部620Bを、関節部を有さずに吸着ベース612Bとボール部621Bとを連結する単一の部材とし、重量化を抑制している。
【0163】
本実施形態において、吸着ベース612Bと連結部620Bとボール部621Bとは例えば樹脂により一体成型、すなわち単一の部材で構成されている。ただし、吸着ベース612Bと連結部620Bとボール部621Bとが一体成型であることは必須ではないが、吸着ベース612Bと連結部620Bとボール部621Bとが一体的に構成されているとよい。
【0164】
作動部625Bは、オープン状態とクローズ状態との間で作動する。
図19(B)、
図21(B)及び
図23(B)に示されるように、吸着ベース612Bの上面には、例えば「CLOSE」及び「OPEN」の文字が表記されている。この「CLOSE」及び「OPEN」の表記は、クローズ状態であるかオープン状態であるかを把握するための指標として機能する。
【0165】
上述したとおり、作動部625Bには、作動部625Bを回転させるための操作部626Bが形成されている。そのため、吸着ベース612Bに対して操作部616Bを回転させると作動部625Bが回転し、オープン状態からクローズ状態またはクローズ状態からオープン状態にすることができる。
【0166】
オープン状態では、
図19(B)に示されるように、操作部626Bと「OPEN」の表記(
図19(B)では操作部626Bによって「OPEN」の表記が隠れている)とが対向する。クローズ状態では、
図23(B)に示されるように、操作部626Bと「CLOSE」の表記(
図23(B)では操作部626Bによって「CLOSE」の表記が隠れている)とが対向する。半クローズ状態では、
図21(B)に示されるように、「CLOSE」の表記と「OPEN」の表記との間に操作部626Bが位置している。
【0167】
図24に示されるように、例えば撮影装置100等の機器は、第1実施例のブラケット600Aと同様に、ナット640B、ソケット部630B及びベース部650Bによりブラケット600Bに装着される。ボール部621Bは、上述のブラケット600,600Aと同様に、外周にネジ溝が形成されたソケット部630Bに装着された状態とされ、ユーザにより、その状態でナット640Bは締め付けられる。ナット640Bが締め付けられる前は、ユーザの操作に応じて、ソケット部630Bはボール部621Bの周面に沿って所望の方向に回転し、ベース部650Bの姿勢を変更可能である。ナット640Bが締め付けられると、ベース部650Bの姿勢及び位置が固定される。
【0168】
ベース部650Bは、ソケット部630Bと一対に形成され、撮影装置100に直接接して装着するための部位である。ベース部650Bは、一対のガイドレール(不図示であるが、その構成は
図3の符号651を参照)を下面に有する。一対のガイドレールは、撮影装置100のジョイントレール102に沿ってスライド可能に構成される。ベース部650Bの先端部には爪状の先端部652Bが設けられている。先端部652Bが、ジョイントレール102の撮影装置100の前方側の端部付近に引っ掛けられることで、撮影装置100がブラケット600Bに装着される。
【0169】
本実施形態において、ボール部621B、ソケット部630B及びナット640Bは、第1実施例のブラケット600Aと同様に、ブラケット600Bに例えば撮影装置100等の機器を装着する装着部として機能するとともに、本実施形態では、装着された例えば撮影装置100等の機器の姿勢を変更する姿勢変更部として機能する。なお、ソケット部630B及びナット640Bは、ブラケット600Bを構成する部材と解釈することもできるし、ブラケット600Bとは別部材であると解釈することもできる。ソケット部630B及びナット640Bがブラケット600Bとは別部材であると解釈する場合、ブラケット600Bを構成する部材のうち装着部及び姿勢変更部として機能するのはボール部621Bである。
【0170】
次に、ブラケット600Bの使用例、具体的には、例えば、撮影装置100等の機器が装着されたブラケット600Bを車両のフロントガラス660Bに取り付けるときの使用状態について、
図25~
図28を参照して説明する。
図25は、撮影装置100が装着されたブラケット600Bの使用状態の一例としてのオープン状態における左側面図であって、(A)フロントガラス660Bの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラス660Bの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
図26は、撮影装置100が装着されたブラケット600Bの使用状態の一例としてのクローズ状態における左側面図であって、(A)フロントガラス660Bの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラス660Bの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
図27は、撮影装置100が装着されたブラケット600Bの使用状態の一例としてのフロントガラス660Bの傾斜角度が概ね20度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
図28は、撮影装置100が装着されたブラケット600Bの使用状態の一例としてのフロントガラス660Bの傾斜角度が概ね80度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【0171】
なお、
図25~
図28において、撮影装置100の撮像レンズ151Bの側と反対側(すなわち、水平方向成分における車両の後方側であって、
図25及び
図26の紙面右側、
図27及び
図28の紙面手前側)を正面とする。撮影装置100の撮像レンズ151Bの側(すなわち、水平方向成分における車両の前方側)は背面となる。また、
図27及び
図28では、便宜上、フロントガラス660Bの図示を省略している。
【0172】
図25~
図28において、フロントガラス660Bの傾斜角度が概ね20度の場合及び概ね80度の場合を例に挙げたのは、第1実施例のブラケット600Aと同様、大多数の車両のフロントガラス660Bの傾斜角度が概ね20度~80度の範囲内に含まれるためである。
【0173】
撮影装置100が装着されたブラケット600Bを車両のフロントガラス660Bに取り付けるとき、ユーザは、例えば操作部626Bを時計周りに回すことにより、オープン状態(
図25、
図27(A)、
図28(A)を参照)からクローズ状態(
図26、
図27(B)、
図28(B)を参照)にすることができる。
【0174】
なお、
図26、
図27(B)及び
図28(B)に示されるクローズ状態では、便宜上、撮像レンズ151Bが車両の前方側(例えば
図26の左側)を向いているが、実際には、クローズ状態とした後、撮影したい方向(例えば車両の前方)に撮像レンズ151Bが向くように、撮影装置100の姿勢を調整する必要がある。そこで、ユーザは、クローズ状態にした後、所望の方向を向くように撮影装置100の姿勢を変更する。
【0175】
この第2実施例では図示しないが、第1実施例のブラケット600Aと同様に、クローズ状態にした後、所望の方向を向くように撮影装置100の姿勢を変更するとき、上述したように、ソケット部630Bがボール部621B(いずれも
図24参照)の周面に沿って回転する。そのため、撮影装置100の姿勢を任意の角度に自在に変更することができる。撮影装置100が所望の姿勢となった後、ユーザがナット640Bを締め付けると、ベース部650B(
図24参照)の姿勢及び位置が固定され、これによって撮影装置100の姿勢及び位置が固定される。このようにして、撮影装置100の姿勢が調整される。
【0176】
一方、撮影装置100が装着されたブラケット600Bを車両のフロントガラス660Bから取り外すとき、ユーザは、例えば操作部626Bを反時計周りに回すことにより、クローズ状態(
図26、
図27(B)、
図28(B)を参照)からオープン状態(
図25、
図27(A)、
図28(A)を参照)にすることができる。
【0177】
また、
図25~
図28に示されるように、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B)に吸着盤614Bを吸着させたとき、吸着盤614Bに形成された突出部618Bが、吸着面616Bに沿って吸着部610Bの中心OB(
図28参照)よりも正面側すなわち車内側に向けて突出している。車内にいるユーザから見て、車両の前方側から後方側に向けて突出部618Bが上り勾配で突出しているため、ユーザは、クローズ状態からオープン状態としたときに、吸着面616Bに対して交差する方向(例えば下方)に向けて突出部618Bを引っ張りやすく、例えばフロントガラス660Bからユーザが吸着盤614Bを剥がすときの操作性が向上し、ブラケット600Bを車両の取付面から容易に取り外すことができる。
【0178】
(作用効果) 上述した第2実施例のブラケット600Bは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B等)に所定の機器を取り付けるための取付部材であって、取付面に吸着させられる吸着部610Bと、取付面に吸着部610Bを吸着させたときに吸着部610Bよりも重力方向側に所定の機器が位置するように所定の機器が装着される装着部(ボール部621B、ソケット部630B及びナット640B)と、取付面への吸着部610Bの吸着状態を維持しすくするための手段と、を備えるものである。このようにすると、車両の所定の取付面への吸着部610Bの吸着状態を維持しやすくするための手段を有しているため、吸着部610Bを用いた取付部材としてのブラケット600Bにおいて生じ得る課題を解決することができる。例えば、吸着部610Bの肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部610Bが広範囲にわたって覆うこと、すなわち吸着部610Bを目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持に望ましい。所定の機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部610Bが入り込んでしまうことも抑制できる。また、所定の機器の重量を原因として吸着部610Bが取付面から離脱してしまう可能性を低くすることができる。例えば、取付面への吸着部610Bの吸着状態を維持しやすくするための手段を有しない場合に比べて、吸着部610Bを小さくしても、吸着部610Bが取付面から離脱してしまう可能性を低くすることができる。
【0179】
装着部(ボール部621B、ソケット部630B及びナット640B)を吸着部610Bと連結させる連結部620Bを備え、上記の装着部は、吸着部610Bに対する所定の機器の姿勢を変更可能に構成される。車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B等)への吸着部610Bの吸着状態を維持しやすくするための手段は、連結部620Bが所定の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機構を有しないようにすることである取付部材としてのブラケット600Bが提供されるとよい。このようにすると、所定の機器が装着される部位に当該機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする装着部が備えられており、連結部620Bに所定の機器の姿勢又は位置を変更可能にする機構を搭載したことに起因する連結部620Bの重量化を抑制することができる。また、吸着部610Bの肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部610Bが広範囲にわたって覆うこと、例えば吸着部610Bを目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持にも望ましい。また、所定の機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等の撮影装置のような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことも抑制できる。
【0180】
連結部620Bは、吸着部610Bから一の方向としての吸着面616Bに沿った方向成分における吸着ベース612Bよりも径方向の外側に延びており、吸着部610Bの中心よりも一の方向についての吸着部610Bの吸着面616Bに沿った方向成分側の吸着部610Bにおける所定の部位と、装着部(ボール部621B、ソケット部630B及びナット640B)とに連結されるようにするとよい。このようにすると、連結部620Bは、吸着部610Bから伸びる一の方向についての吸着面616Bに沿った方向成分側における所定の部位と、装着部とに連結される。そのため、一の方向についての吸着面に沿った方向成分側を吸着部が覆いにくくすることができる。例えば、吸着部610Bを大きくすると耐荷重性能が向上する一方、所定の機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合には、車両の所定の取付面に吸着部610Bを吸着させると、その撮影範囲に吸着部610Bが入り込んでしまうおそれがある。この点、上記の取付部材としてのブラケット600Bによれば、所定の機器が例えばドライブレコーダのような撮影機器であったとしてもその撮影範囲に吸着部610Bが入り込んでしまうことを抑制できる。
【0181】
連結部620Bは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B等)に吸着部610Bを吸着させたときに装着部(ボール部621B、ソケット部630B及びナット640B)に装着された所定の機器が上下方向において吸着部610Bと重ならない部分を車両の外側の方向に有するように、延びているようにするとよい。このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部610Bを吸着させたときに、機器が、上下方向において吸着部610Bと重ならない部分を車両の外側の方向に有する位置で、装着部に装着される。そのため、機器よりも車両の外側方向の部分を吸着部610Aが覆いにくい。例えば、吸着部610Bを大きくすると耐荷重性能が向上する一方、機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合にはその撮影範囲に吸着部610Bが入り込んでしまうおそれがあるが、上記の取付部材としてのブラケット600Bによれば、機器が例えばドライブレコーダのような撮影機器であったとしてもその撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0182】
車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B等)への吸着部610Bの吸着状態を維持しやすくするための手段は、ユーザによる重力方向と異なる方向への操作を受け付けて、取付面に吸着部610Bを吸着させることが可能に構成された作動部625Bを備えるようにするとよい。より具体的には、操作部626Bはユーザによる回転操作を受け付ける操作部であり、回転レバーのような形態の操作部である。作動部625Bは、操作部626Bをユーザが手に持ってこれを回転させることにより、重力方向と異なる方向への操作を受け付けて、取付面に吸着部610Bを吸着させることが可能に構成されている。このようにすると、作動部625Bは、上下方向の操作を受け付ける上下レバーのような形態の操作部を用いて、重力方向の成分がより大きい方向に力が作用する操作を受け付ける場合に比べて、車両の所定の取付面から吸着部610Bが離脱する重力方向に負荷がかかりにくい態様で、車両の所定の取付面と吸着610B部とを吸着させることができる。上下レバーの上下方向の操作であると、重力方向に力が作用しやすく、吸着面が外れ易い。そこで、回転レバーのような形態の操作部626Bを備えた作動部625Bのタイプの方が、安全性が高いと発明者は考えた。吸着部610Bを外すときの操作部626B及の動きが重力方向そのもので無いので、吸着部610Bが剥がれ難くなっており、ブラケット600Bの落下を抑制することができる。また、例えば車両の所定の取付面に対する吸着部610Bの取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。
【0183】
作動部625Bは、操作としてユーザによる回転操作を受け付け可能に構成され、回転操作を受け付ける範囲が吸着部610Bの中心よりも車両の内側となるように構成されているとよい。このようにすると、ユーザにより操作される部位の回転範囲が車両の所定の取付面に吸着部610Bを吸着させたときに、吸着部610Bの中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側となるため、ユーザが作動部625Bを回転させやすくすることができ、車両の所定の取付面に対する吸着部の取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。また、例えば無理な姿勢で作動部625Bを回転させると意図しない方向に力が作用する場合があり、車両の所定の取付面に対して吸着部610Bが剥がれる方向に力が作用する場合もありうる。この点、上記構成によれば、ユーザが作動部625Bを回転操作させやすいため、車両の所定の取付面に対する吸着部610Bの取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。
【0184】
吸着部610Bには、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B等)と吸着部610Bとを吸着するための第1位置であることを示す第1指標と、車両の所定の取付面と吸着部610Bとを離間させるための第2位置であることを示す第2指標とが示されており、装着部(ボール部621B、ソケット部630B及びナット640B)は、車両の所定の取付面と吸着部610Bとが吸着されるときに第1指標が示される第1位置に移動し、車両の所定の取付面と前記吸着部610Bとが離間されるときに第2指標が示される第2位置に移動するようにするとよい。このようにすると、装着部が第1指標と対向すると、車両の取付位置と吸着部610Bとが吸着されたことを把握でき、装着部が第2指標と対向すると、車両の取付位置と吸着部610Bとが離間されたことを把握できるため、ユーザの操作性が向上する。特に、作動部625Bを第1指標まで回転させたにもかかわらずそれを超えてさらに回転させたり、作動部を第2指標まで回転させたにもかかわらずそれを超えてさらに回転させたりすると、各種部材に必要以上の負荷がかかる可能性がある。この点、上記構成によると、作動部625Bを必要以上に回転させる必要がなくなり、取付部材としてのブラケット600Bを破損させる可能性を低くすることができる。
【0185】
吸着部610Bの吸着面616Bから径外側方向に突出する突出部618Bが、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B等)に吸着部610Bを吸着させたときに車両の内側に向けて突出するように設けられているとよい。このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部610Bを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Bの中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側に向けて突出部618Bが突出している。そのため、ユーザが突出部618Bを掴んで吸着部610Bを取付面から離脱させる方向に向けて移動させやすく、車両の所定の取付面からユーザが吸着部610Bを剥がすときの操作性が向上する。
【0186】
連結部620Bとボール部621Bとが単一の部材で構成されるようにするとよい。このようにすると、連結部620Bとボール部621Bとを繋ぐ部材としての例えば金具等の部材が不要となり、シンプルな構成で製作しやすいだけでなく、軽量化も図ることができる。
【0187】
連結部620Bは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660B等)に吸着部610Bを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Bの中心よりも車両の外側の部位から、車両のさらに外側に向けて延びるようにするとよい。装着部(ボール部621B、ソケット部630B及びナット640B)を吸着部610Bと連結させる連結部620Bが、車両の所定の取付面に吸着部610Bを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Bの中心よりも車両の外側の部位から車両のさらに外側に向けて延びる部材でとすることで、視界を極力遮らないようにすることができる。機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等のような撮影機器であっても、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0188】
[6-3.ブラケットの第3実施例]
第3実施例のブラケット600Cの構成について、
図29~
図36を参照して説明する。
図29は、ブラケット600Cがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図30は、ブラケット600Cがオープン状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図31は、ブラケット600Cが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図32は、ブラケット600Cが半クローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図33は、ブラケット600Cがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)正面図、(B)背面図、(C)左側面図、である。
図34は、ブラケット600Cがクローズ状態であるときの外観構成の一例を示す図であって、(A)右側面図、(B)平面図、(C)底面図、である。
図35は、ロック機構628Cを備えるブラケット600Cの一例を示す斜視図の一例である。
図36は、(A)撮影装置100が装着されたブラケット600Cを示す斜視図の一例、(B)ブラケット600Cと、撮影装置100と、撮影装置100をブラケット600Cに装着するための部材とが分解された分解斜視図の一例である。
【0189】
図29~
図36に示されるように、ブラケット600Cは、主として、吸着部610Cと、作動部625Cと、ボールスタッドとしての連結部620Cとボール部621Cとを備える。
【0190】
なお、
図29~
図36において、例えば
図30(B)に示される突出部618C(この突出部618Cについては後述する)が形成されている側を背面とする。したがって、
図29~
図36において、例えば
図30(B)に示される吸着部610C(この吸着部610Cについては後述する)の中心OC(
図30(B)、
図32(B)、
図34(B)を参照)に対する突出部618Cの反対側が正面となる。また、
図29~
図36において、後述する吸着面616C(この吸着面616Cについては後述する)の側を底面とする。吸着ベース612Cと吸着盤614Cと吸着面616Cとが同心であるため、吸着部610Cの中心OCは、吸着ベース612Cの中心OCでもあり、吸着盤614Cの中心OCでもあり、吸着面616Cの中心OCでもある。
【0191】
吸着部610Cは、吸着部610A,610Bと同様に、円板形状の例えば樹脂で成型された吸着ベース612Cと、吸着ベース612Cの底面側に設けられた吸着盤614C(上述したとおり「吸盤614C」と読み替えてもよい。)とを備える。吸着盤614Cは上述したとおり可撓性の例えば弾性部材で形成されており、車両の所定の取付面(例えば、車両のフロントガラス660Cの取付面等)と吸着面616Cとを吸着させることにより、ブラケット600Cを車両の所定の取付面に取り付けることができる。
【0192】
また、吸着部610Cには、吸着面616Cから径外側方向に向けて突出する突出部618Cが形成されている。突出部618Cは、突出部618Aと同様の用途で用いられる部材である。
【0193】
作動部625Cは、作動部625A,625Bとは異なり、吸着ベース612Cの中央部を基端部として、吸着ベース612Cに対して起立した第1姿勢と、吸着ベース612Cに対して倒れた第2姿勢との間で移動できるように構成されており、操作部を兼用している。具体的には、作動部625Cは、作動部625Cの基端部に設けられた、正面方向及び背面方向と略直交する方向を軸方向とする支軸627C(
図29(C)、
図30(A)、
図31(C)、
図32(A)、
図33(C)、
図34(A)、
図37、
図38を参照)を回転軸として作動する。支軸627Cを回転軸として吸着ベース612Cに対して作動部625Cが倒れる方向は、正面側(すなわち車内側)に向けた方向である。そのため、車内にいるユーザが作動部625Cを操作する場合、吸着ベース612Cの中心OC(
図30(B)、
図32(B)、
図34(B)を参照)よりもユーザに近い側である正面側で操作することができ、良好な操作性を担保することができる。
【0194】
連結部620Cは、連結部620Bと同様に、吸着ベース612Cとボール部621Cとを連結している。連結部620Cは、短い棒状の部材であって、基端部が円板形状の吸着ベース612Cの径方向の外側の部位に接続されており、そこからさらに吸着ベース612Cの径方向の外側、すなわち吸着面616Cに沿った方向成分における吸着ベース612Cよりも径方向の外側に向けた一の方向に延びている。ボール部621Cは、吸着ベース612Cの径方向の外側に向けて延びた連結部620Cの先端部に設けられている。
【0195】
連結部620Cは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C等)に吸着部610Cを吸着させたときに装着部に装着された例えば撮影装置100が上下方向において吸着部610Cと重ならない部分を車両の外側の方向に有するように延びているようにするとよい。装着部は、ブラケット600Cのうち、撮影装置100が装着される部位であり、本実施形態では、ボール部621C、ソケット部630C及びナット640Cで構成される。
【0196】
連結部620Cは、撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機能を有しない。連結部620Cがこのような機能を有しないことは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C)への吸着部610Cの吸着状態を維持しやするするための手段として機能する。仮に、連結部620Cが撮影装置100等の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機能を有すると、ブラケット600Cが肥大化し、車両の所定の取付面への吸着部610Cの吸着状態の維持を阻害するおそれがある。そこで、本実施形態では、連結部620Cを、関節部を有さずに吸着ベース612Cとボール部621Cとを連結する単一の部材とし、重量化を抑制している。
【0197】
本実施形態において、吸着ベース612Cと連結部620Cとボール部621Cとは例えば樹脂により一体成型、すなわち単一の部材で構成されている。ただし、吸着ベース612Cと連結部620Cとボール部621Cとが一体成型であることは必須ではないが、吸着ベース612Cと連結部620Cとボール部621Cとが一体的に構成されているとよい。
【0198】
作動部625Cは、オープン状態とクローズ状態との間で作動するが、上述の第1姿勢がオープン状態であり、上述の第2姿勢がクローズ状態である。また、第1姿勢と第2姿勢との中間の姿勢が半クローズ状態である。
【0199】
クローズ状態からオープン状態にするとき、第2姿勢から第1姿勢となるように作動部625Cを下方に向けて作動させる。この方向は、吸着面616Cに対して交差する方向であるため、作動部625Cを下方に向けて作動させると、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C)から吸着面616Cを剥がす方向に力が作用する。そのため、クローズ状態からオープン状態にするとき、車両の所定の取付面に吸着している吸着盤614Cを剥がしやすい。
【0200】
図35に示されるように、クローズ状態において作動部625Cが下方に作動しないようにするために、第2姿勢において作動部625Cの姿勢を保持し、作動部625Cの姿勢を保持するためのロック機構628Cを備えるとよい。
図35に示されるブラケット600Cは、
図29~
図34及び
図36~
図40に示されるブラケット600Cとは外観構成が若干相違しているが、
図29~
図34及び
図36~
図40に示されるブラケット600Cと同一の構成を有するとみなして差し支えない。また、
図35において、符号の引出線を全て黒色で示すと視認が困難となるため黒色と白色とを用いて示している。作動部625Cは、上下方向の操作を受け付けるため、第2実施例の作動部625Bに比べて、重力方向の成分がより大きい方向に力が作用する操作を受け付けやすい。このような上下方向の操作を受け付ける場合でも、別にロック機構が追加されていることにより、ブラケット600C及び撮影装置100の落下を抑制し、安全性を確保することができる。仮に、第1実施例の場合にこのような作動部を採用すると、作動部625Aに撮影装置100の重さが加わるので、ロック機構の必要性がより高い。作動部625Cを備えるブラケット600Cにおいてもロック機構628Cを有することがより望ましい。ロック機構としては、周知の例えば
図35に示すロック機構628Cを採用するとよい。ロック機構628Cは、例えば小片状の部材(
図35において吸着ベース612Cの右側に示す部材)が、作動部625Cと吸着ベース612Cとの間に形成された空間に挿入されて、ロック機構としての機能を実現する。このようなロック機構の仕組み自体は、出願人が本願出願時よりも前に販売を開始している型番OP-CU50の吸着盤ベース単体でも採用されている(参考URL:https://web.archive.org/web/20200813080118/https://direct.yupiteru.co.jp/category/SPAREPARTS/70684.html)。ロック機構としては、この仕組みに限られず、作動部625Cの上下方向の移動を妨げる、又は作動部625Cの姿勢を保持するようにロックする機能を有する機構を用いることもできる。ロック機構は、ストッパーのような機能を有するものとしてもよく、保持機構といってもよい。このようにすることで、ユーザが例えば作動部625Cに意図せず接触してしまったり、作動部625Cに対して第1姿勢に向けた力が作用したりしたとしても、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C)に対する吸着盤614Cの吸着を維持できる。
【0201】
図36に示されるように、例えば撮影装置100等の機器は、第1実施例や第2実施例のブラケット600A,600Bと同様に、ナット640C、ソケット部630C及びベース部650Cによりブラケット600Cに装着される。ボール部621Cは、上述のブラケット600,600A,600Bと同様に、外周にネジ溝が形成されたソケット部630Cに装着された状態とされ、ユーザにより、その状態でナット640Cは締め付けられる。ナット640Cが締め付けられる前は、ユーザの操作に応じて、ソケット部630Cはボール部621Cの周面に沿って所望の方向に回転し、ベース部650Cの姿勢を変更可能である。ナット640Cが締め付けられると、ベース部650Cの姿勢及び位置が固定される。
【0202】
ベース部650Cは、ソケット部630Cと一対に形成され、撮影装置100に直接接して装着するための部位である。ベース部650Cは、一対のガイドレール(不図示であるが、その構成は
図3の符号651を参照)を下面に有する。一対のガイドレールは、撮影装置100のジョイントレール102に沿ってスライド可能に構成される。ベース部650Cの先端部には爪状の先端部652Cが設けられている。先端部652Cが、ジョイントレール102の撮影装置100の前方側の端部付近に引っ掛けられることで、撮影装置100がブラケット600Cに装着される。
【0203】
本実施形態において、ボール部621C、ソケット部630C及びナット640Cは、第1実施例や第2実施例のブラケット600A,600Bと同様に、ブラケット600Cに例えば撮影装置100等の機器を装着する装着部として機能するとともに、本実施形態では、装着された例えば撮影装置100等の機器の姿勢を変更する姿勢変更部として機能する。なお、ソケット部630C及びナット640Cは、ブラケット600Cを構成する部材と解釈することもできるし、ブラケット600Cとは別部材であると解釈することもできる。ソケット部630C及びナット640Cがブラケット600Cとは別部材であると解釈する場合、ブラケット600Cを構成する部材のうち装着部及び姿勢変更部として機能するのはボール部621Cである。
【0204】
次に、ブラケット600Cの使用例、具体的には、例えば、撮影装置100等の機器が装着されたブラケット600Cを車両のフロントガラス660Cに取り付けるときの使用状態について、
図37~
図40を参照して説明する。
図37は、撮影装置100が装着されたブラケット600Cの使用状態の一例としてのオープン状態における左側面図であって、(A)フロントガラス660Cの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラス660Cの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
図38は、撮影装置100が装着されたブラケット600Cの使用状態の一例としてのクローズ状態における左側面図であって、(A)フロントガラス660Cの傾斜角度が概ね20度である場合、(B)フロントガラス660Cの傾斜角度が概ね80度である場合、の図である。
図39は、撮影装置100が装着されたブラケット600Cの使用状態の一例としてのフロントガラス660Cの傾斜角度が概ね20度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
図40は、撮影装置100が装着されたブラケット600Cの使用状態の一例としてのフロントガラス660Cの傾斜角度が概ね80度である場合の正面図であって、(A)オープン状態である場合、(B)クローズ状態である場合、の図である。
【0205】
なお、
図37~
図40において、撮影装置100の撮像レンズ151Cの側と反対側(すなわち、水平方向成分における車両の後方側であって、
図37及び
図38の紙面右側、
図39及び
図40の紙面手前側)を正面とする。撮影装置100の撮像レンズ151Cの側(すなわち、水平方向成分における車両の前方側)は背面となる。また、
図39及び
図40では、便宜上、フロントガラス660Cの図示を省略している。
【0206】
図37~
図40において、フロントガラス660Cの傾斜角度が概ね20度の場合及び概ね80度の場合を例に挙げたのは、第1実施例や第2実施例のブラケット600A,600Bと同様、大多数の車両のフロントガラス660Cの傾斜角度が概ね20度~80度の範囲内に含まれるためである。
【0207】
撮影装置100が装着されたブラケット600Cを車両のフロントガラス660Cに取り付けるとき、ユーザは、例えば作動部625Cを第1姿勢から第2姿勢となるように作動させることにより、オープン状態(
図37、
図39(A)、
図40(A)を参照)からクローズ状態(
図38、
図39(B)、
図40(B)を参照)にすることができる。
【0208】
なお、
図38、
図39(B)及び
図40(B)に示されるクローズ状態では、便宜上、撮像レンズ151Cが車両の前方側(例えば
図38の左側)を向いているが、実際には、クローズ状態とした後、撮影したい方向(例えば車両の前方)に撮像レンズ151Cが向くように、撮影装置100の姿勢を調整する必要がある。そこで、ユーザは、クローズ状態にした後、所望の方向を向くように撮影装置100の姿勢を変更する。
【0209】
この第3実施例では図示しないが、第1実施例のブラケット600Aと同様に、クローズ状態にした後、所望の方向を向くように撮影装置100の姿勢を変更するとき、上述したように、ソケット部630Cがボール部621C(いずれも
図36参照)の周面に沿って回転する。そのため、撮影装置100の姿勢を任意の角度に自在に変更することができる。撮影装置100が所望の姿勢となった後、ユーザがナット640Cを締め付けると、ベース部650C(
図36参照)の姿勢及び位置が固定され、これによって撮影装置100の姿勢及び位置が固定される。このようにして、撮影装置100の姿勢が調整される。
【0210】
一方、撮影装置100が装着されたブラケット600Cを車両のフロントガラス660Cから取り外すとき、ユーザは、例えば作動部625Cを第2姿勢から第1姿勢となるように作動させることにより、クローズ状態(
図38、
図39(B)、
図40(B)を参照)からオープン状態(
図37、
図39(A)、
図40(A)を参照)にすることができる。
【0211】
また、
図37~
図40に示されるように、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C)に吸着盤614Cを吸着させたとき、吸着盤614Cに形成された突出部618Cが、吸着面616Cに沿って吸着部610Cの中心OC(
図40参照)よりも正面側すなわち車内側に向けて突出している。車内にいるユーザから見て、車両の前方側から後方側に向けて突出部618Cが上り勾配で突出しているため、ユーザは、クローズ状態からオープン状態としたときに、吸着面616Cに対して交差する方向(例えば下方)に向けて突出部618Cを引っ張りやすく、例えばフロントガラス660Cからユーザが吸着盤614Cを剥がすときの操作性が向上する。また、第2姿勢から第1姿勢となるように作動部625Cを下方に向けて作動させることによって車両の所定の取付面から吸着面616Cを剥がす方向に力が作用することと相俟って、ブラケット600Cを車両の取付面から容易に取り外すことができる。
【0212】
(作用効果)
上述した第3実施例のブラケット600Cは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C等)に所定の機器を取り付けるための取付部材であって、取付面に吸着させられる吸着部610Cと、取付面に吸着部610Cを吸着させたときに吸着部610Cよりも重力方向側に所定の機器が位置するように所定の機器が装着される装着部(ボール部621C、ソケット部630C及びナット640C)と、取付面への吸着部610Cの吸着状態を維持しすくするための手段と、を備えるものである。このようにすると、車両の所定の取付面への吸着部610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段を有しているため、吸着部610cを用いた取付部材としてのブラケット600Cにおいて生じ得る課題を解決することができる。例えば、吸着部610Cの肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部610Cが広範囲にわたって覆うこと、すなわち吸着部610Cを目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持に望ましい。所定の機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部610Cが入り込んでしまうことも抑制できる。また、所定の機器の重量を原因として吸着部610Cが取付面から離脱してしまう可能性を低くすることができる。例えば、取付面への吸着部610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段を有しない場合に比べて、吸着部610cを小さくしても、吸着部610Cが取付面から離脱してしまう可能性を低くすることができる。
【0213】
装着部(ボール部621C、ソケット部630C及びナット640C)を吸着部610Cと連結させる連結部620Cを備え、上記の装着部は、吸着部610Cに対する所定の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能に構成される。車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C等)への吸着部610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段は、連結部620Cが所定の機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする機構を有しないようにすることである取付部材としてのブラケット600Cが提供されるとよい。本実施形態では、吸着部610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段は、連結部620Cに関する構成に加えて、ロック機構を備えるとよい。このようにすると、所定の機器が装着される部位に当該機器の姿勢を変更可能にしたり上下方向に変位可能にする装着部が備えられており、連結部620Cに所定の機器の姿勢又は位置を変更可能にする機構を搭載したことに起因する連結部620Cの重量化を抑制することができる。また、吸着部610Cの肥大化を抑制できるため、車両の所定の取付面を吸着部610Cが広範囲にわたって覆うこと、例えば吸着部610Cを目立ちにくくすることができ、車内の美観の維持にも望ましい。また、所定の機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等の撮影装置のような撮影機器の場合には、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことも抑制できる。
【0214】
連結部620Cは、吸着部610Cから一の方向としての吸着面616Cに沿った方向成分における吸着ベース612Cよりも径方向の外側に延びており、吸着部610Cの中心よりも一の方向についての吸着部610Cの吸着面616Cに沿った方向成分側の吸着部610Cにおける所定の部位と、装着部(ボール部621C、ソケット部630C及びナット640C)とに連結されるようにするとよい。このようにすると、連結部620Cは、吸着部610Cから伸びる一の方向についての吸着面616Cに沿った方向成分側における所定の部位と、装着部とに連結される。そのため、一の方向についての吸着面に沿った方向成分側を吸着部が覆いにくくすることができる。例えば、吸着部610Cを大きくすると耐荷重性能が向上する一方、所定の機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合には、車両の所定の取付面に吸着部610Cを吸着させると、その撮影範囲に吸着部610Cが入り込んでしまうおそれがある。この点、上記の取付部材としてのブラケット600Cによれば、所定の機器が例えばドライブレコーダのような撮影機器であったとしてもその撮影範囲に吸着部610Cが入り込んでしまうことを抑制できる。
【0215】
連結部620Cは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C等)に吸着部610Cを吸着させたときに装着部(ボール部621C、ソケット部630C及びナット640C)に装着された所定の機器が上下方向において吸着部610Cと重ならない部分を車両の外側の方向に有するように、延びているようにするとよい。このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部610Cを吸着させたときに、機器が、上下方向において吸着部610Cと重ならない部分を車両の外側の方向に有する位置で、装着部に装着される。そのため、機器よりも車両の外側方向の部分を吸着部610Cが覆いにくい。例えば、吸着部610Cを大きくすると耐荷重性能が向上する一方、機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダのような撮影機器の場合にはその撮影範囲に吸着部610Cが入り込んでしまうおそれがあるが、上記の取付部材としてのブラケット600Cによれば、機器が例えばドライブレコーダのような撮影機器であったとしてもその撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0216】
吸着部610Cの吸着面616Cから径外側方向に突出する突出部618Cが、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C等)に吸着部610Cを吸着させたときに車両の内側に向けて突出するように設けられているとよい。このようにすると、車両の所定の取付面に吸着部610Cを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Cの中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側に向けて突出部618Cが突出している。そのため、ユーザが突出部618Cを掴んで吸着部610Cを取付面から離脱させる方向に向けて移動させやすく、車両の所定の取付面からユーザが吸着部610Cを剥がすときの操作性が向上する。
【0217】
連結部620Cとボール部621Cとが単一の部材で構成されるようにするとよい。このようにすると、連結部620Cとボール部621Cとを繋ぐ部材としての例えば金具等の部材が不要となり、シンプルな構成で製作しやすいだけでなく、軽量化も図ることができる。
【0218】
連結部620Cは、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C等)に吸着部610Cを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Cの中心よりも車両の外側の部位から、車両のさらに外側に向けて延びるようにするとよい。装着部(ボール部621C、ソケット部630C及びナット640C)を吸着部610Cと連結させる連結部620Cが、車両の所定の取付面に吸着部610Cを吸着させたときに、水平方向成分において吸着部610Cの中心よりも車両の外側の部位から車両のさらに外側に向けて延びる部材でとすることで、視界を極力遮らないようにすることができる。機器が車両の外を撮影する例えばドライブレコーダ等のような撮影機器であっても、その撮影範囲に吸着部が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0219】
ユーザの操作により、吸着部610Cに対して起立した第1姿勢と、吸着部610Cに対して倒れた第2姿勢との間で作動できる作動部625Cを備え、第1姿勢では車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C等)と吸着部610Cとが離間し、第2姿勢では車両の所定の取付面と吸着部610Cとが吸着し、吸着部610Cを取付面に吸着させやすくするための手段は、作動部625Cを第2姿勢に保持するためのロック機構であるとよい。このようにすると、ユーザの操作により、吸着部610Cに対して起立した第1姿勢と、吸着部610Cに対して倒れた第2姿勢との間で作動できる作動部625Cを備えた場合に、作動部625Cを第2姿勢に保持するためのロック機構を設けたことにより、作動部625が上下レバーのような形態の操作部を備え、重力方向の成分がより大きい方向に力が作用する操作を受け付ける場合であっても、車両の所定の取付面から吸着部610Cが離脱する重力方向に負荷がかかることにより吸着部610Cが取付面から離脱してしまうことを抑制することができる。このように、ロック機構は、取付面への吸着部610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段の一例である。例えば車両の所定の取付面に対する吸着部610Cの取付状態の安定性、ひいては取付状態にかかるメンテナンス性を向上することができる。
【0220】
作動部625Cは、吸着部610Cの中心よりも車両の内側の位置で、第1姿勢及び第2姿勢のいずれかとするユーザの操作を受け付け可能に構成されているとよい。このようにすると、車両の所定の取付面(例えばフロントガラス660C等)に吸着部610Cを吸着させたときに、吸着部610Cの中心よりも車両の内側、例えばユーザに近い側にて、第1姿勢と第2姿勢との間で作動させることにより、車両の所定の取付面と吸着部610Cとを吸着させたり離間させたりできるため、操作性を向上させることができる。
【0221】
[7.取付面への吸着部610A~610Cの吸着力を増強させる機能の例]
例えば吸着盤等を備えるブラケットでは、車両の所定の取付面にブラケットを取り付けた後、吸着状態を維持する必要がある。特に、夏場は、例えば、吸着盤とフロントガラスとの間に入った空気が膨張したり、吸着盤の素材自体が熱で柔らかくなったり、吸着盤のゲル素材が熱で液状化すること等によって、取付面への吸着部の吸着力が低下し、ブラケットが落下するおそれがある。
【0222】
そこで、上述のブラケット600A~600Cは、取付面への吸着部610A~610Cの吸着状態を維持しやすくするための手段として、さらに、取付面への吸着部610A~610Cの吸着力が低下した可能性がある場合に、取付面への吸着部610A~610Cの吸着力が低下した状態からかかる吸着力を増強させる機能を有するとよい。
【0223】
なお、吸着により取付面に取り付けられる吸着機能を備えるブラケットであれば、上述のブラケット600A~600Cに限られない。以下に、吸着力を増強させる機能としての第1実施例~第4実施例について説明する。
【0224】
[7-1.吸着力を増強させる機能としての第1実施例]
第1実施例の吸着力を増強させる機能は、例えばドライブレコーダ等の撮影装置100に、日時を判定する機能と、報知機能とを備えるようにしたものである。撮影装置100の制御部11が、日時を判定する機能、及び報知機能を有するとよい。
【0225】
制御部11は、例えば、季節が夏場前や夏になるなど、制御部11(所定の期間を含む概念である)に入ったら、吸着盤614A~614Cを締め直すように報知する機能、あるいは、吸着盤614A~614Cの内部の空気を一旦抜いて再取り付けするように促したりすることを報知する機能を備えるとよい。所定の時期は、吸着盤614A~614Cが取付面から離脱しやすくなる環境により決められているとよく、季節のほか、時刻や月、撮影装置100が存在する場所等も考慮して決められていると、より適切なタイミングで報知を行いやすくすることができる。
【0226】
また、撮影装置100は、日時を判定できる機能に代えてまたは加えて温度の上昇を検知する機能として例えばセンサ等を備え、制御部11は、一定温度に達すると、報知機能により、吸着盤614A~614Cを締め直すように報知したり、あるいは、空気を一旦抜いて再取り付けするように促したりするとよい。この場合、温度の上昇の検知は、撮影装置100が有するSoC(例えば、制御部11の機能を実装したチップ)の温度ではなく、車内の温度に近い温度を検知できるように、温度を検知するセンサを例えばドライブレコーダ等の機器内部の電流によって発熱する箇所から離した位置、望ましくは、隔壁によって隔てられた箇所に配置するとよい。
【0227】
また、例えばドライブレコーダ等の機器に、吸着機能を備える例えばブラケット600A~600Cを取り付けたことを入力する機能(例えばボタンあるいはメニュー操作画面)を備え、その入力があった時点の温度を基準として、それよりも所定温度(例えば数十度、例えば+20度)上がった時点で報知するなどするとよい。特に、例えばドライブレコーダ等の機器に電源が入ったときや、車両の停止を検知する車両検知部として機能するセンサが検知されたときに、これらの処理(例えば判定と報知)を行うとよい。入力する機能がなくても、例えば、最初に電源が投入されたときを(例えば盤取り付け時とみなして)そのときの温度を基準としてもよい。
【0228】
[7-2.吸着力を増強させる機能としての第2実施例]
第2実施例の吸着力を増強させる機能は、吸着盤614A~614Cを例えばフロントガラス660A~660C等に取り付けた後に吸着盤614A~614Cを剥がさなくても、フロントガラス660A~660Cと吸着盤614A~614Cとの間で膨張した空気を抜く構造を有するようにしたものである。
【0229】
例えば、季節が夏になるなど、車内の温度が上昇すると、フロントガラス660A~660Cと吸着盤614A~614Cとの間の空気が膨張するため、それを放置すると、例えばフロントガラス660A~660Cに取り付けられたブラケット600A~600Cが、ブラケット600A~600Cに装着された機器とともに落下するおそれがある。そこで、上記の吸着盤614A~614Cを、ベントも兼ね備えた構造とするとよい。
【0230】
例えば、温度上昇等による熱でフロントガラス660A~660Cと吸着盤614A~614Cとの間(以下、この明細書において「吸着盤の内部」と称する)の空気が膨張したときに、吸着盤614A~614Cの内部の空気を、逆止弁を介して抜くベントを有するとよい。
【0231】
図41は、吸着力を増強させる機能としての第2実施例を説明するためのブラケットの一例を示す平面図である。
図41において、符号の引出線を全て黒色で示すと視認が困難となるため黒色と白色とを用いて示している。
【0232】
例えば、ユーザの手で押し込めるような例えばゴム等の弾性部材で形成された、空気を溜めるころができるゴムまりのような滞留部として機能するポンプ部622を、吸着盤614A~614Cの外側に設けるとよい。ポンプ部は、押し込むと凹むように構成されており、フロントガラス660A~660Cと吸着盤614A~614Cとの間から空気がくると、このポンプ部が膨らむようにするとよい。そうすると、ポンプ部の膨らみ具合で空気のたまり具合を外観で把握することができる。
【0233】
逆止弁は、ポンプ部表面の近くの部分に一つと、ポンプ部の内部と吸着盤614A~614Cとの間の部分に一つとで、合計2つ設けるとよい。この場合、ベントとして機能するのは、ポンプ部の内部と吸着盤614A~614Cとの間の部分に設けられた逆止弁とするとよい。
【0234】
図41に示されるように、例えばポンプ部622の部分に、ポンプ部622の直径に比べて小径(例えば1mmなど)の貫通孔613を設け、貫通孔613に上記の逆止弁を設けるとよい。設置時にはポンプ部622の貫通孔613でない部分を押した状態でフロントガラス660A~660Cに押し当てて、オープン状態からクローズ状態にするとよい。貫通孔613はポンプ部622のセンターからずらした位置に設けるとよい。あるいは、ポンプ部622の側方から空気を逃がす弁をポンプ部622に設けて、ポンプ部622の側方から空気を逃がすようにするとよい。
【0235】
このような吸着力を増強させる機能としての第2実施例の機能に加えて、吸着力を増強させる機能としての第1実施例において説明した処理と同様の処理を行う機能を備えるとよい。例えば、ベントも兼ね備えた構造の吸着盤614A~614Cを備えるブラケットに、日時を判定できる機能に代えてまたは加えて温度の上昇を検知する機能と、報知機能とを備えた機器を装着できるようにするとよい。日時判定や温度上昇検知等により報知を行う場合、ポンプ部622を押して空気を抜くことを促すような報知を行うとよい。この場合、吸着盤614A~614Cの再取り付けを促す報知を行うのではなく、ポンプ部622の空気を抜くように等を報知するようにしたのは、吸着盤614A~614Cの再取り付けを行うと、例えばドライブレコーダ等の撮影位置・方向がずれてしまい、撮影方向を調整する必要がでてくるためである。さらに、従来の撮影方向との一貫性・継続性もなくなるため、吸着盤614A~614Cの位置を変えずに、吸着盤614A~614Cの内部の空気だけを抜けるようにするとよい。このように、吸着盤614A~614Cの内部の空気だけを抜くことができるといったことは、従来の吸着盤を備えるブラケットでは実現できなかったことである。
【0236】
[7-3.吸着力を増強させる機能としての第3実施例]
第3実施例の吸着力を増強させる機能は、例えばドライブレコーダ等の機器内に冷却機能を設け、吸着盤614A~614Cの内部の空気を収縮させるようにその冷却力を伝達させる構造を備えるようにしたものである。
【0237】
例えばドライブレコーダのSoCまたは撮像素子の一面側に冷却のための熱伝導物を設け、熱伝導物には例えばペルチェ素子を設けて、SoC等の表面温度を下げる構造を備え、上記の冷却のための熱伝導物から、吸着盤614A~614Cの内部の空気を収縮させる位置まで熱を伝導させる物(例えばヒートパイプ、銅線等)を設けるとよい。
【0238】
[7-4.吸着力を増強させる機能としての第4実施例]
第4実施例の吸着力を増強させる機能は、例えばドライブレコーダ等の機器内にファンを設け、吸着盤614A~614Cの内部の空気を吸引する構造を備えるようにしたものである。
【0239】
例えば吸着力を増強させる機能としての第3実施例と同様の構造でヒートパイプを単なるパイプとして空気を引く構造とするとよい。
【0240】
[7―5.吸着力を増強させる機能を備えるブラケットの例]
ブラケット600A~600Cは、吸着力を増強させる機能としての第1実施例~第4実施例のうち、少なくともいずれか一つの機能を備えていてもよいし、二つ又は三つの機能を備えていてもよいし、全部の機能を備えていてもよい。例えばその一例として、吸着力を増強させる機能としての第1実施例~第4実施例の機能をブラケット600Bに備えた場合、かかるブラケット600Bは、例えばドライブレコーダ等の車載機器よりも上側の取付面に吸着盤によって吸着することにより車載機器を吊る形で取り付けることが可能であって、重力方向ではない方向にユーザが操作することで取付面への吸着盤の吸着を行う手段として機能する操作部626Bと、吸着盤614Bを操作部626Bの操作によって取付面に吸着後に吸着力を増強させるための手段とのうち、少なくともいずれか一方を備えるようにするとよい。吸着盤614Bを操作部626Bの操作によって取付面に吸着後に吸着力を増強させるための手段は、吸着部610Bの吸着状態に関する報知をする報知機能、及びフロントガラス660Bと吸着盤614Bとの間で膨張した空気を抜く機能を有するポンプ部622、吸着盤614Bの内部の空気を収縮させるようにその冷却力を伝達させる機能を有するペルチェ素子、ドライブレコーダ等の機器内に設けたファン等のいずれかを含むとよい。重力方向ではない方向にユーザが操作することで取付面への吸着盤614Bの吸着を行う手段は、例えばブラケットの他の例の第2実施例において説明したように、回転操作によって吸着盤の吸着を行う手段として機能する操作部626Bとするとよい。重力方向ではない方向にユーザが操作することで取付面への吸着盤614Bの吸着を行う手段は、車載機器としての例えばドライブレコーダへとつながっていく構造とするとよい。また、吸着盤614Bを操作部626Bの操作によって取付面に吸着後に吸着力を増強させるための手段として、操作部626Bとは別の第二操作部として機能するポンプ部622を設けるとよい。吸着盤614Bを操作部の操作によって取付面に吸着後に吸着力を増強させるための手段として、吸着盤614Bの吸着力が弱まっている可能性があることをユーザに伝える報知手段を備えるとよい。
【0241】
(作用効果)
上述した吸着力を増強させる機能としての第1実施例~第4実施例のブラケットにおいて、吸着部を車両の所定の取付面に吸着させやすくするための手段は、作動部の操作によって吸着部を取付面に吸着させた後で、作動部の操作を行わずに吸着部と取付面との間の空気を抜く構造を有するとよい。このようにすると、ユーザが作動部の操作によって吸着部を取付面に吸着させた後で、当該作動部の操作を行わなくとも、吸着部を取付面に吸着させやすくすることができる。例えば、吸着後に車両内の温度が上昇したとしても、例えば車両の所定の取付面と吸着部との間の空気の熱膨張を原因として、ユーザが意図しないときに車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを抑制できる。
【0242】
作動部の操作を行わずに吸着部と取付面との間の空気を抜く構造は、吸着部の外側に、空気を滞留させることができ、滞留している空気量に応じて容量が変化する滞留部として機能するポンプ部622、吸着盤614A~614Cの内部と滞留部との間に設けられた第1逆止弁と、吸着盤614A~614Cの内部の空気が膨張すると、吸着盤614A~614Cの内部の空気が滞留部として機能するポンプ部622に移動し、このポンプ部622に滞留する空気を外部に抜く第2逆止弁とを有するようにするとよい。このようにすると、車両の所定の取付面と吸着部との間である内部の空気が膨張すると、内部の空気がポンプ部622に移動する。そして、ポンプ部622に滞留する空気は、第2逆止弁を介して外部に排出される。特に夏場は車両内の温度が上がりやすく、吸着盤614A~614Cの内部の空気が膨張しやすい。そのため、例えばポンプ部622を押し込んでポンプ部622内の空気を予め抜いておくと、吸着盤614A~614Cの内部の空気が膨張すると吸着盤614A~614Cの内部の空気がポンプ部622に移動し、ポンプ部622で滞留できなくなった空気は第2逆止弁を介して外部に排出されることとなる。そのため、車両内の温度が上昇したとしても、ユーザが意図しないときに車両の所定の取付面から吸着部610A~610Cが剥がれてしまうことを抑制できる。
【0243】
作動部の操作を行わずに吸着部と取付面との間の空気を抜く構造は、吸着盤614A~614Cの内部の空気を冷却する冷却部を有するようにするとよい。このようにすると、ユーザが意図しないときに車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことをさらに抑制できる。例えば、夏場等に車両内の温度が急激に上昇すると、吸着盤614A~614Cの内部の空気が第1逆止弁や第2逆止弁の排出能力を超えて膨張することが生じうるが、吸着盤614A~614Cの内部の空気を冷却する冷却部を備えることにより、吸着盤614A~614Cの内部の空気が第1逆止弁や第2逆止弁の排出能力を超えて膨張することを抑制できる。
【0244】
作動部の操作を行わずに吸着部と取付面との間の空気を抜く構造は、吸着盤614A~614Cの内部の空気を吸引する吸引部を有するようにするとよい。このようにすると、ユーザが意図しないときに車両の所定の取付面から吸着部610A~610Cが剥がれてしまうことを未然に防止できる。例えば、車両内の温度は季節に応じて変化しやすいため、例えば車両内の温度が上昇する可能性があるとき等に、吸着盤614A~614Cの内部の空気を事前に吸引しておくことで、吸着盤614A~614Cの内部の空気の膨張度合いを抑制することができる。
【0245】
ブラケットに装着される機器は、例えばドライブレコーダのように、車両の外を撮影方向として撮影する撮影部を有し、取付面に吸着部610A~610Cを吸着させたときに、撮影方向について吸着部610A~610Cが撮影部のレンズよりも車両の内側に位置することが可能に構成されるとよい。このようにすると、機器が車両の外を撮影方向として撮影する撮影部を有する機器が装着された場合に、撮影方向について吸着部610A~610Cが撮影部のレンズよりも車両の内側に位置することが可能に構成されているから、撮影部の撮影範囲に吸着部610A~610Cが入り込んでしまうことを抑制できる。
【0246】
取付部材としてのブラケット600A~600Cのうちいずれかのブラケットと、このブラケットの装着部に装着可能な機器と、を有し、この機器は、吸着部の吸着状態に関する報知をする報知機能を有する機器及び取付部材としてのブラケットが提供されるとよい。このようにすると、吸着部610A~610Cの吸着状態に関する報知が行われるため、報知されたときにユーザが吸着部610A~610Cの吸着状態を確認等することにより、車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。
【0247】
吸着部610A~610Cの吸着状態に関する報知をする報知機能は、吸着部610A~610Cの吸着力が弱まっている可能性があること、吸着部610A~610Cの吸着状態の確認を促すこと、及び、吸着部610A~610Cを車両に再吸着させること、の少なくともいずれかを報知することが可能であるようにするとよい。このようにすると、報知に応じて吸着部610A~610Cの吸着力が弱まっている可能性があることをユーザに把握させたり、ユーザが吸着部610A~610Cの吸着状態を確認したり、吸着部610A~610Cを車両に再吸着させたり、吸着盤614A~614Cの劣化が著しいような場合はブラケット600A~600C自体を交換したりするなどの対処をすることにより、車両の所定の取付面から吸着部610A~610Cが剥がれてしまうことを未然に防止し、取付面に対する吸着部の吸着状態を維持しやすくすることができる。よって、吸着状態に関する報知をする報知機能は、取付面に対する吸着部の吸着状態を維持しやすくする手段の一例である。
【0248】
吸着部610A~610Cの吸着状態に関する報知をする報知機能は、所定の時期である場合に報知を行うようにするとよい。このようにすると、所定の時期になると報知されるため、この報知に応じてユーザが例えば吸着部610A~610Cの吸着状態を確認等することにより、車両の所定の取付面から吸着部610A~610Cが剥がれてしまうことを未然に防止できる。特に、夏場は車両内の温度が上昇しやすいため、所定の時期を夏場前に設定することにより、車両の所定の部位と吸着部610A~610Cとの間である内部の空気の膨張によって吸着部が剥がれてしまうことを防止できる。
【0249】
取付部材としてのブラケット600A~600Cのうちいずれかのブラケットに装着される機器としての例えばドライブレコーダは、車内温度または車内温度に近い温度を検知できる温度検知部として機能するセンサを備え、吸着部610A~610Cの吸着状態に関する報知をする報知機能は、温度検知部として機能するセンサが検知した温度が所定温度を超えると報知を行うようにするとよい。このようにすると、車内温度または車内温度に近い温度が所定温度を超えると報知されるため、この報知に応じてユーザが例えば吸着部の吸着状態を確認等することにより、車両の所定の取付面から吸着部が剥がれてしまうことを未然に防止できる。特に、夏場は車両内の温度が上昇しやすいため、所定温度を設定することにより、車両の所定の部位と吸着部610A~610Cとの間である吸着盤614A~614Cの内部の空気の膨張によって吸着部が剥がれてしまうことを防止できる。
【0250】
吸着部610A~610Cの吸着状態に関する報知をする報知機能は、機器としての例えばドライブレコーダの電源が投入されると報知を行うようにするとよい。このようにすると、機器としての例えばドライブレコーダの電源が投入されると報知されるため、ユーザが機器による報知に気づきやすくすることができる。そのため、この報知に応じてユーザが例えば吸着部610A~610Cの吸着状態を確認等することをより確実にして、車両の所定の取付面から吸着部610A~610Cが剥がれてしまうことを未然に防止できる。
【0251】
機器としての例えばドライブレコーダは、車両の停止を検知する車両検知部として機能するセンサを備え、吸着部610A~610Cの吸着状態に関する報知をする報知機能は、車両検知部として機能するセンサが車両の停止を検知すると報知を行うようにするとよい。このようにすると、車両の停止が検知されると報知されるため、ユーザが機器による報知に気づきやすくすることができる。そのため、この報知に応じてユーザが例えば吸着部610A~610Cの吸着状態を確認等することをより確実にして、車両の所定の取付面から吸着部610A~610Cが剥がれてしまうことを未然に防止できる。ユーザは例えば帰宅時等の時間に余裕があるときに吸着状態を確認することができる。
【0252】
機器としての例えばドライブレコーダは、当該機器が取り付けられている取付部材としてのブラケットの種別を判定する取付部材判定機能を備え、吸着部610A~610Cの吸着状態に関する報知をする報知機能は、取付部材判定機能によりブラケット600A~600Cのうちいずれかのブラケットに取り付けられていると判定した場合に報知を行うようにするとよい。このようにすると、機器は、当該機器が取り付けられている取付部材としてのブラケットがブラケット600A~600Cのいずれかに取り付けられていると判定した場合に報知するため、吸着部610A~610Cを有するブラケット600A~600Cを用いて車両の取付面に機器が取り付けられている場合に、その吸着部610A~610Cの吸着状態に関する報知を行うことができる。例えば、両面テープ等の吸着部以外の部材を用いてブラケットが車両の取付面に固定されている場合には不必要な報知を行うことを防止することができる。
【0253】
[8.その他拡張例]
[8-1.拡張例1]
上述の吸着力を増強させる機能としての第1実施例~第4実施例において、機器としての例えばドライブレコーダは、当該機器が取り付けられている取付部材としてのブラケットの種別を判定する取付部材判定機能を備えるとよい。そして、吸着部の吸着状態に関する報知をする報知機能は、取付部材判定機能によりブラケットのうちいずれかのブラケットに取り付けられていると判定した場合に報知を行うようにするとよい。このようにすると、機器は、当該機器が取り付けられている取付部材としてのブラケットがブラケット600A~600Cのいずれかに取り付けられていると判定した場合に報知するため、吸着部を有するブラケットを用いて車両の取付面に機器が取り付けられている場合に、その吸着部の吸着状態に関する報知を行うことができる。例えば、両面テープ等の吸着部以外の部材を用いてブラケットが車両の取付面に固定されている場合には不必要な報知を行うことを防止することができる。
【0254】
[8-2.拡張例2]
機器を装着できるブラケットは、ドライブレコーダとドライブレコーダ以外の車載機器とで共用可能な機器取付構造を備える吸着盤を有するとよい。この場合、ブラケットは、ドライブレコーダに取り付けたときにはフロントガラスへの取付が可能であるのに対し、ドライブレコーダ以外の車載機器に取付たときにはフロントガラスへの取付を困難にする取付困難化手段を備えるとよい。
【0255】
また、ドライブレコーダとドライブレコーダ以外の車載機器とで共用可能な機器取付構造としては、ダッシュボードや内装パネル等への取り付けが両者で可能な構造とするとよい。
【0256】
図42は、フロントガラスへの取付を困難にする取付困難化手段の一例について説明するための図であって、(A)ドライブレコーダ130が装着された場合、(B)ドライブレコーダ以外の車載機器140が装着された場合、を示す図である。なお、
図42において、紙面左側を車両の前方とする。また、
図42を参照して説明する記載については、一部の部材や機器等に符号を付して説明する。
【0257】
図42(A)に示されるように、ブラケットに装着される機器がドライブレコーダ130である場合、レンズ132は車両の前方を向いている。また、
図42(B)に示されるように、ブラケットに装着される機器がドライブレコーダ以外の車載機器(例えばレーダー探知機等)140である場合、車載機器140の操作部144及び表示部146が車両の前方側に配置されている。なお、
図2で説明した撮影装置100が用いられる場合、それぞれ操作部123及び表示部13が車両の前方側に配置される。
【0258】
フロントガラス660への取付を困難にする取付困難化手段としては、
図42(A)及び
図42(B)に示される態様とするとよい。ブラケットに装着される機器がドライブレコーダ130のときは、
図42(A)に示されるように、外(例えば車両の前方)を撮影できるようにフロントガラス660へ吸着盤を吸着させることができ、ドライブレコーダ以外の車載機器(例えばレーダー探知機等)140の場合には、
図42(B)に示されるように、操作部144、表示部146がフロントガラス660に対向する向きで装着できるが、運転者側に対向する向きでは装着できない構造(例えば規制手段)を設けるとよい。例えばボール部に縦に溝を入れ、ボール受け部(例えばソケット部)にその縦溝にはまり左右方向への移動を規制する一方、上下方向には移動可能な凸部を設けて、規制するとよい。
【0259】
フロントガラス660への取付を困難にする取付困難化手段は、上記の構造に限らず構造上の取付困難化手段を備えるとよい。構造以外での取付困難化手段としては、例えば、ドライブレコーダ以外の車載機器140の画面では、吸着盤での設置は禁止されている旨の報知を行うとよい。ドライブレコーダ130の画面では吸着盤での設置は禁止されている旨の報知は行わないようにするとよい。
【0260】
[8-3.拡張例3]
ところで、ドライブレコーダの吸着盤が外れていることにユーザが気づかないことがある。特に、ケーブルがタイトに取り付けられているとき等には気づきにくい。例えばドライブレコーダの制御部11は、ドライブレコーダの取付が吸着盤によるか否か(例えば吸着盤での取付か両面テープ等での貼り付けか)を設定する機能を備え、取付が吸着盤によると設定されている場合には、吸着盤によらないと設定されている場合とは異なる処理を行うとよい。異なる処理としては、吸着盤が取り付けられた状態から外れた状態へ変化したことの検知処理を行うようにするとよい。この検知処理は、例えば、カメラの映像を認識してフロントガラスに固定されていない状態になったことを検知してもよいが、特に、加速度センサによって、落下に相当する加速度が生じた後、電源ケーブルで落下が食い止められたことに相当する加速度が生じたことをもって、吸着盤が取り付けられた状態から外れた状態へ変化したと判定するとよい。異なる処理としては、吸着盤が外れていることを検知するとよい。ぶらぶらと揺れている映像が撮影されたことを検知して吸着盤が外れているとするとよい。
【0261】
[8-4.拡張例4]
吸着盤614A~614Cを吸着させる車両の所定の取付面はフロントガラス660A~660Cに限られない。例えば、サイドガラスやリアガラス等のガラス面その他の光の透過面に吸着盤614A~614Cを吸着させるようにしてもよい。上述した実施形態では、撮影装置100は車両400の前方を撮影する撮影装置として用いられていたが、車両400の後方を撮影する撮影装置として用いられてもよい。この場合、撮影装置100の取付面は、例えば、車両400における後方側に位置し、例えばリアガラスである。撮影装置100は、車両400の側方等の方向を撮影する撮影装置としてもよい。この場合、撮影装置100の取付面は、例えば、車両400における側方側に位置し、例えばサイドガラスである。吸着盤614A~614Cを吸着させる車両の所定の取付面は、ダッシュボードや内装パネル等でもよい。
【0262】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0263】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0264】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【符号の説明】
【0265】
600A~600C ブラケット
610A~610C 吸着部
614A~614C 吸着盤
620A~620C 連結部
621A~621C ボール部
630A~630C ソケット部
640A~640C ナット
625A~625C 作動部
622 ポンプ部