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特開2023-44485感染症対策システム、隔離管理装置、および隔離管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044485
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】感染症対策システム、隔離管理装置、および隔離管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230323BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20230323BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16H10/00
G08B25/04 K
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152538
(22)【出願日】2021-09-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】301049157
【氏名又は名称】株式会社アルム
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂野 哲平
【テーマコード(参考)】
5C087
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5C087AA10
5C087DD03
5C087EE08
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG09
5C087GG10
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
5L049CC11
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】感染症に感染した入国者の隔離を管理すること。
【解決手段】
感染症対策システム10は、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、入国・防疫管理装置100と隔離管理装置200とが通信回線を介して接続され、隔離管理装置200は、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、不正検出手段による検出結果を示す情報を入国・防疫管理装置100へ送信する送信手段とを備え、入国・防疫管理装置100は、隔離管理装置200から受信した情報に基づいて隔離対象者の隔離中の不正を検出した場合には、通知先へ不正が検出されたことを通知する通知手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染症に感染した入国者の隔離を管理するための感染症対策システムであって、
隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、
前記不正検出手段によって隔離中の不正が検出された場合に、不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項2】
請求項1に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の本人確認に基づく不正の検出結果、前記隔離対象者の隔離場所確認に基づく不正の検出結果、または前記隔離対象者の移動確認に基づく不正の検出結果に基づいて、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項3】
請求項2に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、ビデオ通話の通話映像が静止画像の場合、前記隔離対象者の事前に撮影された写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または前記隔離対象者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の滞在場所と前記隔離対象者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
隔離中の前記隔離対象者から日々の健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、
前記健康観察情報入力受付手段によって入力を受け付けた前記健康観察情報に基づいて、前記隔離対象者に対する検査が必要と判断した場合に、医療機関に対して前記隔離対象者の検査を依頼する検査依頼手段とをさらに備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記入国者の入国審査の結果の入力を受け付ける入国審査結果入力受付手段と、
前記入国審査結果入力受付手段で入力を受け付けた入国審査の結果を前記入国者へ通知する入国審査結果通知手段とをさらに備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項8】
感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、入国・防疫管理装置と隔離管理装置とが通信回線を介して接続された感染症対策システムであって、
前記隔離管理装置は、
隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、
前記不正検出手段による検出結果を示す情報を前記入国・防疫管理装置へ送信する送信手段とを備え、
前記入国・防疫管理装置は、
前記隔離管理装置から受信した情報に基づいて前記隔離対象者の隔離中の不正を検出した場合には、通知先へ不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項9】
請求項8に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の本人確認に基づく不正の検出結果、前記隔離対象者の隔離場所確認に基づく不正の検出結果、または前記隔離対象者の移動確認に基づく不正の検出結果に基づいて、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項10】
請求項9に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、ビデオ通話の通話映像が静止画像の場合、前記隔離対象者の事前に撮影された写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または前記隔離対象者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項11】
請求項9または10に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の滞在場所と前記隔離対象者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
入国・防疫管理装置は、
隔離中の前記隔離対象者から日々の健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、
前記健康観察情報入力受付手段によって入力を受け付けた前記健康観察情報に基づいて、前記隔離対象者に対する検査が必要と判断した場合に、医療機関に対して前記隔離対象者の検査を依頼する検査依頼手段とをさらに備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項14】
請求項8~13のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
入国・防疫管理装置は、
前記入国者の入国審査の結果の入力を受け付ける入国審査結果入力受付手段と、
前記入国審査結果入力受付手段で入力を受け付けた入国審査の結果を前記入国者へ通知する入国審査結果通知手段とをさらに備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項15】
感染症に感染した入国者の隔離を管理するための隔離管理装置であって、
隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、
前記不正検出手段によって隔離中の不正が検出された場合に、不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする隔離管理装置。
【請求項16】
請求項15に記載の隔離管理装置において、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の本人確認に基づく不正の検出結果、前記隔離対象者の隔離場所確認に基づく不正の検出結果、または前記隔離対象者の移動確認に基づく不正の検出結果に基づいて、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理装置。
【請求項17】
請求項16に記載の隔離管理装置において、
前記不正検出手段は、ビデオ通話の通話映像が静止画像の場合、前記隔離対象者の事前に撮影された写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または、前記隔離対象者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の隔離管理装置において、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の滞在場所と前記隔離対象者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理装置。
【請求項19】
請求項16~18のいずれか一項に記載の隔離管理装置において、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理装置。
【請求項20】
感染症に感染した入国者の隔離を管理するための隔離管理プログラムであって、
隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手順と、
前記不正検出手順で隔離中の不正を検出した場合に、不正が検出されたことを通知する通知手順とをコンピューターに実行させるための隔離管理プログラム。
【請求項21】
請求項20に記載の隔離管理プログラムにおいて、
前記不正検出手順は、前記隔離対象者の本人確認に基づく不正の検出結果、前記隔離対象者の隔離場所確認に基づく不正の検出結果、または前記隔離対象者の移動確認に基づく不正の検出結果に基づいて、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の隔離管理プログラムにおいて、
前記不正検出手順は、ビデオ通話の通話映像が静止画像の場合、前記隔離対象者の事前に撮影された写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または、前記隔離対象者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理プログラム。
【請求項23】
請求項21または22に記載の隔離管理プログラムにおいて、
前記不正検出手順は、前記隔離対象者の滞在場所と前記隔離対象者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理プログラム。
【請求項24】
請求項21~23のいずれか一項に記載の隔離管理プログラムにおいて、
前記不正検出手順は、前記隔離対象者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合に、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症対策システム、隔離管理装置、および隔離管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような機内乗客の体温監視システムが知られている。この機内乗客の体温監視システムでは、航空機内の座席に座る乗客の体温を前席背面に取付けられた小型赤外線カメラにより測定し、測定した体温データから発熱患者を発見してCAに注意を喚起するとともに、発熱患者の隔離が必要かどうかを判断する際の材料となる乗客の体温履歴、入出国履歴等を座席モニタ上に表示することによって、ウイルスに感染したおそれがあって隔離が必要と判断される発熱患者を入国より前に発見する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-029219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の機内乗客の体温監視システムでは、渡航中の航空機内で乗客の体温を測定することによって発熱患者を発見してCAに注意を喚起することにより、新型ウイルス等に感染したおそれがあって隔離が必要と判断される発熱患者を、入国より前に発見できるようにしている。このような方法によって発見された発熱患者は、入国の際に隔離が必要になるが、隔離が正しく行われないと国内での感染拡大を招く危険性があるため、隔離中の不正を検出するための仕組みが求められるが、従来のシステムではそのための技術については何ら検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による感染症対策システムは、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、不正検出手段によって隔離中の不正が検出された場合に、不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
本発明による感染症対策システムはまた、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、入国・防疫管理装置と隔離管理装置とが通信回線を介して接続され、隔離管理装置は、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、不正検出手段による検出結果を示す情報を入国・防疫管理装置へ送信する送信手段とを備え、入国・防疫管理装置は、隔離管理装置から受信した情報に基づいて隔離対象者の隔離中の不正を検出した場合には、通知先へ不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
本発明による隔離管理装置は、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、不正検出手段によって隔離中の不正が検出された場合に、不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
本発明による隔離管理プログラムは、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手順と、不正検出手順で隔離中の不正を検出した場合に、不正が検出されたことを通知する通知手順とをコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、隔離対象者の隔離中の不正を検出し、不正が検出されたときに通知を行うようにしたので、隔離中の入国者の不正を取り締まって感染拡大の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】感染症対策システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】入国・防疫管理装置100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図3】隔離管理装置200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図4】入国・防疫管理装置100で実行されるビザ発給処理の流れを示すフローチャート図である。
図5】入国・防疫管理装置100で実行される隔離中処理の流れを示すフローチャート図である。
図6】隔離管理装置200で実行される隔離リスク解析処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ウイルスなどの感染症対策においては、各国は自国へのウイルスの持ち込みを防ぐために、入国者の検査や感染者の隔離を行う必要がある。そして、感染者の隔離を行った後には、感染者の隔離が正常に行われているかを確認するための管理が必要になる。例えば、隔離中の感染者が隔離場所から抜け出すなどの不正を行った場合には、国内でのウイルスの蔓延につながるおそれがあるため、厳重な管理が必要となる。そこで、本実施の形態における感染症対策システムは、隔離した感染者の不正を防止するための仕組みを提供する。
【0009】
図1は、本実施の形態における感染症対策システム10の一実施の形態の構成を示すブロック図である。感染症対策システム10は、入国・防疫管理装置100と、隔離管理装置200とが通信回線を介して接続されている。
【0010】
図2は、本実施の形態における入国・防疫管理装置100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。入国・防疫管理装置100は、インターネットに接続された装置であって、例えば、パソコンやサーバなどが用いられる。図2は、本実施の形態における入国・防疫管理装置100として、サーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。入国・防疫管理装置100は、接続インターフェース101と、制御装置102と、記憶媒体103とを備えている。
【0011】
接続インターフェース101は、入国・防疫管理装置100をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、入国・防疫管理装置100は、この接続インターフェース101を介して隔離管理装置200や後述する各種の端末や装置と通信する。
【0012】
制御装置102は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、入国・防疫管理装置100の全体を制御する。なお、制御装置102を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース101を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0013】
記憶媒体103は、入国・防疫管理装置100が蓄える種々のデータや、制御装置102が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体103に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体103にインストールすることによって、制御装置102がプログラムを実行できるようになる。本実施の形態では、制御装置102は、記憶媒体103にインストールされた感染症対策システム用のアプリケーションを実行することにより、後述する処理を実行することができる。
【0014】
図3は、本実施の形態における隔離管理装置200の一実施の形態の構成を示すブロック図である。隔離管理装置200は、インターネットに接続された装置であって、例えば、パソコンやサーバなどが用いられる。図3は、本実施の形態における隔離管理装置200として、サーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。隔離管理装置200は、接続インターフェース201と、制御装置202と、記憶媒体203とを備えている。
【0015】
接続インターフェース201は、隔離管理装置200をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、隔離管理装置200は、この接続インターフェース201を介して入国・防疫管理装置100と通信する。
【0016】
制御装置202は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され隔離管理装置200の全体を制御する。なお、制御装置202を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続インターフェース201を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0017】
記憶媒体203は、隔離管理装置200が蓄える種々のデータや、制御装置202が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体203に記録されるプログラムのデータは、CD-ROMやDVD-ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体203にインストールすることによって、制御装置202がプログラムを実行できるようになる。本実施の形態では、制御装置202は、記憶媒体203にインストールされた感染症対策システム用のアプリケーションを実行することにより、後述する処理を実行することができる。
【0018】
本実施の形態における感染症対策システム10では、入国を予定している人物は、あらかじめ入国予定情報と追加情報を入国・防疫管理装置100に登録しておく。入国予定情報と追加情報の事前登録方法は特に限定されないが、例えば、入国を予定している人物がスマートフォンなどの情報端末に事前にインストールした入国・防疫管理アプリを起動することにより、入国予定情報と追加情報を入力画面上から入力することができるものとする。入国・防疫管理アプリを用いて入力された入国予定情報と追加情報は、入国を予定している入国者の情報端末から入国・防疫管理装置100へ送信され、入国・防疫管理装置100では、制御装置102は、受信した入国予定情報と追加情報を記憶媒体103に記録する。これによって、入国者の情報端末上で入力された入国予定情報と追加情報が入国・防疫管理装置100に登録される。
【0019】
入国予定情報には、入国後の隔離を管理するために必要な情報を含み、例えば、入国者の名前、生年月日、性別、メールアドレス、電話番号、入国日、入国便、座席、国籍、滞在先住所、滞在タイプ、出国予定日、過去滞在地域、発熱等の体調不良の有無、特定感染症の感染者との濃厚接触履歴、解熱剤の使用の有無、服薬歴、隔離期間中の滞在場所、および入国後の移動方法の各情報を含むものとする。なお、入国予定情報に含まれる情報のうち、滞在タイプの情報は、自宅、ホテル、または集合住宅等の情報が入力され、過去滞在地域の情報は、入国者が過去14日以内に滞在した地域の情報が入力される。
【0020】
追加情報には、入国者の検査結果や診断結果などの情報を含み、例えば、入国者の検査履歴、診断履歴、予防接種履歴、入国者の発話音声、パスポート写真の各情報を含むものとする。なお、検査履歴は、検査を行った医療機関名、検査タイプ、検査結果、検査日、検査結果を示す写真や文書の情報を含む。また、診断履歴は、診断を行った医療機関名、診断名、診断結果、診断日、診断結果を示す写真や文書の情報を含む。また、予防接種履歴は、予防接種を行った医療機関名、予防接種タイプ、接種日・予防接種証明となる写真や文書の情報を含む。
【0021】
入国・防疫管理装置100では、制御装置102は、入国予定情報と追加情報が記憶媒体103に記録されている入国者を対象として、追加情報に含まれる検査履歴に基づいて入国者が検査を受けた医療機関を特定する。そして、特定した医療機関に入国者の検査結果の確認を依頼し、依頼先の医療機関から入国者の検査結果の情報を取得する。なお、医療機関からの検査結果の取得方法は特に限定されないが、制御装置102は、例えば、あらかじめ登録されている医療機関の端末に宛てて入国者の検査結果の確認を依頼するための依頼情報を送信し、依頼情報を受信した医療機関の端末では、電子カルテと連携して入国者の検査結果の情報を取得して入国・防疫管理装置100へ送信すればよい。あるいは、制御装置102は、例えば、あらかじめ登録されている医療機関の端末に宛てて入国者の検査結果の確認を依頼するための依頼情報を送信し、依頼情報を受信した医療機関では、担当者が入国者の検査結果を確認して端末上で入力することにより、入力された情報が入国・防疫管理装置100へ送信されるようにしてもよい。
【0022】
また、制御装置102は、追加情報に含まれる診断履歴に基づいて入国者が診断を受けた医療機関を特定する。そして、特定した医療機関に入国者の診断結果の確認を依頼し、依頼先の医療機関から入国者の診断結果の情報を取得する。なお、医療機関からの診断結果の取得方法は特に限定されないが、制御装置102は、例えば、あらかじめ登録されている医療機関の端末に宛てて入国者の診断結果の確認を依頼するための依頼情報を送信し、依頼情報を受信した医療機関の端末では、電子カルテと連携して入国者の診断結果の情報を取得して入国・防疫管理装置100へ送信すればよい。あるいは、制御装置102は、例えば、あらかじめ登録されている医療機関の端末に宛てて入国者の診断結果の確認を依頼するための依頼情報を送信し、依頼情報を受信した医療機関では、担当者が入国者の診断結果を確認して端末上で入力することにより、入力された情報が入国・防疫管理装置100へ送信されるようにしてもよい。
【0023】
また、制御装置102は、追加情報に含まれる予防接種履歴に基づいて入国者が予防接種を受けた医療機関を特定する。そして、特定した医療機関に入国者の予防接種履歴の確認を依頼し、依頼先の医療機関から入国者の予防接種履歴の情報を取得する。なお、医療機関からの予防接種履歴の取得方法は特に限定されないが、制御装置102は、例えば、あらかじめ登録されている医療機関の端末に宛てて入国者の予防接種履歴の確認を依頼するための依頼情報を送信し、依頼情報を受信した医療機関の端末では、電子カルテと連携して入国者の予防接種履歴の情報を取得して入国・防疫管理装置100へ送信すればよい。あるいは、制御装置102は、例えば、あらかじめ登録されている医療機関の端末に宛てて入国者の予防接種履歴の確認を依頼するための依頼情報を送信し、依頼情報を受信した医療機関では、担当者が入国者の予防接種履歴を確認して端末上で入力することにより、入力された情報が入国・防疫管理装置100へ送信されるようにしてもよい。
【0024】
制御装置102は、医療機関から入国者の検査結果、診断結果、および予防接種履歴の各情報を受信すると、ビザ発給の担当者、例えば外務省の担当官へ、入国者のビザ発給を依頼する。ビザ発給の担当者への依頼方法は特に限定されないが、例えば、制御装置102は、あらかじめ登録されている担当者のメールアドレスに宛ててビザ発給を依頼するためのメールを送信してもよいし、ビザ発給の担当者の端末に表示されているWEBブラウザを介してプッシュ通知を行ってもよい。
【0025】
その後、制御装置102は、ビザ発給の担当者からビザの発給結果を示す通知を受信すると、入国者が所持する情報端末に宛ててビザが発給されたことを通知する。本実施の形態では、入国者は、例えば、入国者が所持する情報端末にインストールされている入国・防疫管理アプリを起動することにより、入国・防疫管理装置100からの通知内容を確認できる。具体的には、ビザ発給の担当者は、端末上で許可、不許可、追加種類待ち、許可(発行中)などのステータスをビザの発給結果として登録すると、その発給結果を示す情報が入国・防疫管理装置100へ送信される。制御装置102は、ビザ発給の担当者が操作する端末からビザの発給結果を示す情報を受信すると、入国者が所持する情報端末にインストールされている入国・防疫管理アプリにPUSHメッセージなどでビザの発給結果を示す情報を通知する。これによって、入国者は、入国・防疫管理アプリでビザの発給結果を確認することができる。
【0026】
なお、ビザ発給の担当者は、ビザ発給の判断がつかない場合は、追加での検査取得依頼、メールや電話での問診、入国者が入国後に国内で感染した場合を想定しての保険加入状況や財産状況などの確認などを行うことがある。このような場合には、ビザ発給の担当者は、アプリを利用したメッセージのやりとりやビデオ通話などにより入国者と連絡をとることもできる。
【0027】
入国者が発給通知を受け取ると、入国手続のために必要な情報、例えばVISAのIDや画像や二次元コードが入国・防疫管理アプリの画面上に表示される。その後、入国者は、入国・防疫管理アプリがインストールされた情報端末を持って飛行機や船に搭乗し、渡航する。
【0028】
入国者は、入国手続きにおいて、パスポートや入国手続のために必要な情報が表示された入国・防疫管理アプリの画面を入国審査を行う担当官や入国検疫検査を行う検疫官に提示する。入国審査の担当官や入国検疫検査の検疫官は、入国者から提示されたパスポート及び入国・防疫管理アプリの画面に表示された入国手続のために必要な情報に基づいて、入国者を感染症対策システム10で検索することにより入国者を特定する。このとき、入国・防疫管理アプリの画面に表示された二次元コードを読み取ることによって入国者を感染症対策システム10で検索できるようにすれば、より簡便に検索を行うことができる。
【0029】
検疫官は、入国者に対する検疫を行って検疫の審査結果を感染症対策システム10に登録する。本実施の形態では、検疫官は、入国者がウイルスを持ち込むことを防止するために、入国者の感染の有無を調べるための検査として、例えば、PCR検査、抗原検査、抗体価検査、または問診等を行うこととする。そして、検疫官は、入国者に対して行った検査の結果に基づいて、入国の可否、隔離期間、隔離場所指定の有無、隔離管理の有無などの情報を検疫の審査結果として感染症対策システム10に登録する。本実施の形態では、検疫の審査結果を示す情報が入国・防疫管理装置100の記憶媒体103に記録されることにより、感染症対策システム10への登録が行われる。
【0030】
なお、検疫官による検疫の審査結果の登録方法は限定されないが、例えば、検疫官から検疫の審査結果が記載されたメールを受信した登録担当者が入国・防疫管理装置100に情報を入力し、制御装置102が入力された情報を記憶媒体103に記録することにより登録を行ってもよい。あるいは、検疫官が操作端末上に表示された入力画面上で検疫の審査結果の情報を入力すると、入力された情報が入国・防疫管理装置100に送信されるようにし、制御装置102が受信した情報を記憶媒体103に記録することにより登録を行ってもよい。
【0031】
入国審査の担当官は、入国者の検疫審査の結果を踏まえて入国者の入国を許可するか、入国を拒否するか、感染症対策のために入国前に隔離を行うかを判断する。このために、入国審査の担当官は、入国者の検疫審査の結果を確認する必要がある。本実施の形態では、入国審査の担当官は、感染症対策システム10にアクセスして入国者の検疫審査結果を確認するためのWebシステムを利用しており、該Webシステム上で入国者の検査結果のステータスを確認することができる。入国者の検査のステータスとしては、例えば、陰性、陽性、追加検査予定、または検査結果待ちなどが表示される。
【0032】
入国審査の担当官は、入国審査の結果を示す情報を感染症対策システム10に登録する。本実施の形態では、入国審査の結果を示す情報が入国・防疫管理装置100の記憶媒体103に記録されることにより、感染症対策システム10への登録が行われる。なお、入国審査の担当官による入国審査の結果の登録方法は限定されないが、例えば、入国審査の担当官から入国審査の結果が記載されたメールを受信した登録担当者が入国・防疫管理装置100に情報を入力し、制御装置102が入力された情報を記憶媒体103に記録することにより登録を行ってもよい。あるいは、入国審査の担当官が操作端末上に表示された入力画面上で入国審査の結果の情報を入力すると、入力された情報が入国・防疫管理装置100に送信されるようにし、制御装置102が受信した情報を記憶媒体103に記録することにより登録を行ってもよい。
【0033】
検疫官は、感染症対策システム10にアクセスして入国審査の結果を確認するためのWebシステムを利用しており、該Webシステム上で入国者の入国審査の結果を確認することができる。また、制御装置102は、入国審査の結果が登録されると、入国者が所持する情報端末にインストールされている入国・防疫管理アプリにPUSHメッセージなどで入国審査の結果を示す情報を通知する。これによって、入国者は、入国・防疫管理アプリで入国審査の結果を確認することができる。入国者は入国が許可された場合には入国後の滞在先へ移動する。入国者は入国前の隔離が必要な場合には、指定された隔離場所または自主隔離場所へ移動する。
【0034】
本実施の形態では、隔離管理が必要な入国者に対して、入国者の隔離を管理するための処理を実行する。以下、本実施の形態における隔離管理のための処理について説明する。
【0035】
入国・防疫管理装置100では、制御装置102は、入国者の隔離が開始されると、入国者の入国・防疫管理アプリに宛ててPUSHメッセージなどで健康観察情報の入力を依頼するための情報を送信する。本実施の形態では、制御装置102は、例えば1日1回所定の時刻に入国者に対して健康観察情報の入力を依頼するようにする。これによって、入国者に対して入国・防疫管理アプリを介して日々の体調情報の入力を促すことができる。
【0036】
入国者は、入国・防疫管理アプリ上で自身の健康観察情報を入力する。本実施の形態では、例えば、入国者は、入国・防疫管理アプリの健康観察情報入力画面上で、体温とSpO2と症状に関する情報を自身の健康観察情報として入力する。なお、入国者に生じている症状の情報としては、例えば、咳、下痢、頭痛、倦怠感、味覚異常、嗅覚異常、息苦しい、淡、食欲不振などの情報が入力される。
【0037】
入国者によって入国・防疫管理アプリ上で入力された健康観察情報は入国・防疫管理装置100に送信され、制御装置102は、受信した情報を記憶媒体103に記録する。そして、制御装置102は、入国者の健康観察情報に基づいて入国者に対して検査が必要か否かを判断する。入国者の健康観察情報に基づいて入国者に対して検査が必要か否かを判断する方法は、想定するウイルスや感染症によって異なるため、想定するウイルスや感染症に応じた方法が設定される。本実施の形態では、制御装置102は、例えば、体温が37.5度以上のとき、SpO2が95%未満のとき、または入国者に2つ以上の症状が出ているか前日と比較して2つ以上多くの症状が出ているときに入国者に対して検査が必要と判断する。
【0038】
制御装置102は、入国者に対して検査が必要と判断した場合には、医療機関に対して入国者の検査を依頼する。医療機関への検査の依頼方法は特に限定されないが、例えば、制御装置102は、あらかじめ登録されている医療機関の担当者のメールアドレスに宛てて入国者の検査を依頼するためのメールを送信してもよいし、医療機関の担当者の端末に表示されているWEBブラウザを介してプッシュ通知を行ってもよい。医療機関では、WEBブラウザなどから感染症対策システム10へアクセスして検査依頼があった入国者を検索すると、検査依頼対象者の情報として、検査依頼があった入国者の名前、性別、及び生年月日と、依頼検査方法と、検査ステータスなどを確認することができる。
【0039】
医療機関では、医師や看護師などの医療従事者が検査対象の入国者から検体等を採取して、例えば、PCR検査、抗原検査、または抗体価検査などの検査を行ったり、問診を行ったりして入国者の検査を行う。医療機関では、検査結果の入力担当者は、入国者の検査結果を感染症対策システム10に登録する。なお、検査結果の登録方法は限定されないが、例えば、検査結果の入力担当者が操作端末上に表示された入力画面上で入国者の検査結果の情報を入力すると、入力された情報が入国・防疫管理装置100に送信されるようにし、制御装置102が受信した情報を記憶媒体103に記録することにより登録を行う。これによって隔離中の入国者の体調を日々チェックし、入国者の体調に検査が必要となるような変化が生じた際には、医療機関へ入国者の検査を依頼することができる。
【0040】
また、制御装置102は、入国者の隔離が正常に行われているかを確認するために隔離中に発生するリスクを検出する。本実施の形態では、入国者の隔離が正常に行われているかを確認するために隔離中に発生するリスクを検出するための隔離リスク解析は、隔離管理装置200によって実行される。
【0041】
本実施の形態では、隔離管理装置200は、隔離対象者である入国者の本人確認結果に基づく不正の検出結果、隔離対象者である入国者の滞在場所の変化に基づく不正の検出結果、または隔離対象者である入国者の隔離場所からの移動に基づく不正の検出結果に基づいて、入国者の隔離中の不正を検出する機能を備えている。このために、隔離管理装置200では、制御装置202は、隔離されているのが入国者本人であるかを確認するための本人確認と、入国者が隔離場所で隔離されているかを確認するための隔離場所確認と、入国者が隔離場所から移動していないかを確認するための移動確認の3つのAI(人工知能)機能を備えている。
【0042】
本実施の形態では、上述したように、入国者は、入国者が所持する情報端末にインストールされている入国・防疫管理アプリのビデオ通話機能を利用してビデオ通話を行うことができる。入国者とのビデオ通話は入国・防疫管理装置100を介して行われる。なお、ビデオ通話は、制御装置102が自動音声で行ってもよいし、担当者が入国者とビデオ通話を行ってもよい。
【0043】
本人確認では、制御装置202は、入国・防疫管理装置100から本人確認のために必要な情報と入国者のビデオ通話の映像と音声のデータを取得し、取得したデータに基づいて入国者の本人確認を行う。なお、制御装置202は、入国者の本人確認は、入国者とのビデオ通話中にリアルタイムで行ってもよいし、ビデオ通話中の映像と音声のデータを記憶媒体203に記録しておき、ビデオ通話終了後に行ってもよい。
【0044】
制御装置202は、ビデオ通話を行っている人物が入国者本人であるかを確認するために、以下の(A)~(D)の検出を行う。
(A)制御装置202は、ビデオ通話の通話映像が静止画像であるかどうかを判断する。制御装置202は、例えば、映像から入国者の目の瞬き及び拍動を検知することができれば映像、すなわち動画であると判定し、映像から入国者の目の瞬き及び拍動を検知することができなければ静止画であると判断する。そして、制御装置202は、通話映像が静止画像であると判断した場合は、不正隔離(静止画により不正)と検出する。
(B)制御装置202は、入国者の追加情報に含まれるパスポート写真とビデオ通話映像のそれぞれから特徴形状、例えば鼻翼、眼窩、鼻、あごの輪郭、口端等の形状、およびそれぞれの距離を検知する。そして、それぞれの一致度が90%未満の場合には通話相手は入国者本人ではない可能性があるため、不正隔離(本人確認ができずにより不正)と検出する。
(C)制御装置202は、入国者の追加情報に含まれるパスポート写真とビデオ通話映像のそれぞれから特徴色、例えば瞳の色、髪の色、または肌の色を検知する。そして、それぞれの一致度が90%未満の場合には通話相手は入国者本人ではない可能性があるため、不正隔離(本人確認ができずにより不正)と検出する。
(D)制御装置202は、入国者の追加情報に含まれる入国者の発話音声とビデオ通話時の音声から特徴声色を検知する。そして、その一致度が90%未満の場合には通話相手は入国者本人ではない可能性があるため、不正隔離(本人確認ができずにより不正)と検出する。
【0045】
隔離場所確認では、制御装置202は、以下の(E)~(G)の検出を行う。
(E)制御装置202は、入国予定情報に含まれる隔離期間中の滞在場所に基づいて隔離場所の経度と緯度を算出し、入国者の入国・防疫管理アプリから送られるGPS情報から得られる入国者の現在位置の経度・緯度との距離を一定経過時間毎、例えば15分に一度検出する。そして、検出した距離が所定の距離、例えば50mを上回った場合は、不正隔離(隔離場所から移動により不正)と検出する。
(F)制御装置202は、ビデオ通話時の背景画像を前日と当日のものを比較して、壁紙や天井の模様や色が異なるか検出する。そして、壁紙や天井の模様や色が異なることを検出した場合には、入国者の居場所が前日とは異なる可能性が高いため、不正隔離(隔離部屋不一致により不正)と検出する。
(G)制御装置202は、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できるか、および前日のビデオ通話時と反響音パターンが一致するかを判定する。そして、屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合や前日のビデオ通話時と反響音パターンが一致しない場合には、入国者が屋外にいる可能性が高いため、不正隔離(屋外移動により不正)と検出する。
【0046】
移動確認では、制御装置202は、以下の(H)の検出を行う。
(H)制御装置202は、入国者の不正移動を検知したときに不正隔離(隔離場所から徒歩移動)と検出する。本実施の形態では、制御装置202は、入国者が1日あたりの歩行量が、閾値として設定された歩数、例えば2000歩よりも多く検出された場合は、不正隔離(隔離場所から徒歩移動)と検出する。なお、入国者の歩行量の検出方法は特に限定されないが、入国・防疫管理アプリが情報端末が備える歩数カウント機能や、情報端末に接続された歩数計などから入国者の歩行量を取得する方法などが考えられる。
【0047】
制御装置202は、上述した(A)~(H)の少なくとも一つに該当することによって入国者の不正隔離を検出した場合には、入国・防疫管理装置100へ検出結果を通知する。入国・防疫管理装置100では、制御装置102は、隔離管理装置200から隔離リスク解析の結果が通知されることにより、入国者の不正隔離を検出した場合には、不正通知先、例えば検疫官に不正隔離の検出結果を通知する。検疫官への不正隔離の検出結果の通知方法は特に限定されないが、例えば、制御装置102は、あらかじめ登録されている検疫官のメールアドレスに宛てて不正隔離が検出されたことを示す情報のメールを送信してもよいし、検疫官の端末に表示されているWEBブラウザを介してプッシュ通知を行ってもよい。また、検疫官は、Webシステムを利用して入国・防疫管理装置100へアクセスすることにより、不正隔離が検出された入国者の氏名、性別、生年月日、パスポート写真、メールアドレス、電話番号、入国日、入国便、座席、国籍、滞在住所、滞在タイプ(自宅、ホテル、集合住宅等)、出国予定日、過去滞在地域(14日以内)、隔離期間中の滞在場所、入国後の移動方法、直近のGPSの位置情報、ビデオ通話履歴、歩行量などを確認することができる。
【0048】
これによって、検疫官は、隔離中の入国者の不正を把握することができる。隔離中のリスク検出は、違法性や防疫上のリスクを通知するものであるため、入国者の不正を検出して通知することにより、不正の取り締まりや感染拡大防止の効果を得ることができる。また、通知を受けた検疫官は、入国者の捜索を実施したり、捜索のために関係機関に連絡したりすることができる。
【0049】
図4は、本実施の形態における入国・防疫管理装置100で実行されるビザ発給処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理は、入国予定情報と追加情報が記憶媒体103に記録されている入国者を対象としたビザの発給タイミングにおいて起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、図4に示す処理においては、上述した入国予定情報と追加情報は、あらかじめ入国・防疫管理装置100の記憶媒体103に記録されているものとする。
【0050】
ステップS10において、制御装置102は、上述したように、入国者が検査を受けた医療機関、入国者が診断を受けた医療機関、および入国者が予防接種を受けた医療機関を特定し、特定した医療機関に入国者の検査結果、診断結果、および予防接種履歴の確認を依頼することにより、医療機関から入国者の検査結果、診断結果、および予防接種履歴を取得する。その後、ステップS20へ進む。
【0051】
ステップS20では、制御装置102は、上述したように、ビザ発給の担当者、例えば外務省の担当官へ、入国者のビザ発給を依頼する。その後、ステップS30へ進む。
【0052】
ステップS30では、制御装置102は、ビザ発給の担当者からビザの発給結果を示す通知を受信したか否かを判断する。ステップS30で肯定判断した場合には、ステップS40へ進む。
【0053】
ステップS40では、制御装置102は、入国者が所持する情報端末に宛ててビザの発給結果を通知する。その後、処理を終了する。
【0054】
図5は、本実施の形態における入国・防疫管理装置100で実行される隔離中処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、入国者の隔離の開始タイミングにおいて起動するプログラムとして、制御装置102によって実行される。なお、図5に示す処理においては、上述した入国予定情報、追加情報、検疫の審査結果を示す情報、および入国審査の結果を示す情報は、あらかじめ入国・防疫管理装置100の記憶媒体103に記録されているものとする。なお、隔離対象者である入国者が複数いる場合は、入国者ごとに図5に示す処理を実行すればよい。
【0055】
ステップS110において、制御装置102は、あらかじめ設定された入国者への健康観察情報の入力依頼タイミングになったか否かを判断する。ステップS110で否定判断した場合には、後述するステップS130へ進む。これに対して、ステップS110で肯定判断した場合には、ステップS120へ進む。
【0056】
ステップS120では、制御装置102は、上述したように、隔離が開始された入国者の入国・防疫管理アプリに宛てて健康観察情報の入力を依頼するための情報を送信する。その後、ステップS130へ進む。
【0057】
ステップS130では、制御装置102は、入国者の入国・防疫管理アプリから健康観察情報を受信したか否かを判断する。ステップS130で否定判断した場合には、後述するステップS190へ進む。これに対して、ステップS130で肯定判断した場合には、ステップS140へ進む。
【0058】
ステップS140では、制御装置102は、受信した健康観察情報を記憶媒体103に記録する。その後、ステップS150へ進む。
【0059】
ステップS150では、制御装置102は、上述したように、入国者の健康観察情報に基づいて入国者に対して検査が必要か否かを判断する。ステップS150で否定判断した場合には、後述するステップS190へ進む。これに対して、ステップS150で肯定判断した場合には、ステップS160へ進む。
【0060】
ステップS160では、制御装置102は、医療機関に対して入国者の検査を依頼する。その後、ステップS170へ進む。
【0061】
ステップS170では、制御装置102は、入国者の検査結果の情報を受信したか否かを判断する。ステップS170で肯定判断した場合には、ステップS180へ進む。
【0062】
ステップS180では、制御装置102は、受信した入国者の検査結果の情報を記憶媒体103に記録する。その後、ステップS190へ進む。
【0063】
ステップS190では、制御装置102は、上述したように、隔離管理装置200から隔離リスク解析の結果が通知されることにより入国者の不正隔離を検出したか否かを判断する。ステップS190で否定判断した場合には、後述するステップS210へ進む。これに対して、ステップS190で肯定判断した場合には、ステップS200へ進む。
【0064】
ステップS200では、制御装置102は、上述したように、検疫官に不正隔離の検出結果を通知する。その後、ステップS210へ進む。
【0065】
ステップS210では、制御装置102は、入国者の隔離が終了したか否かを判断する。なお、入国者の隔離が終了したことの検出方法は限定されないが、例えば、制御装置102は、隔離管理の担当者が感染症対策システム10に隔離終了の登録をしたときに入国者の隔離が終了したと判断してもよいし、指定された隔離期間が経過したときに入国者の隔離が終了したと判断してもよい。ステップS210で否定判断した場合には、ステップS110へ戻る。これに対して、ステップS210で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0066】
図6は、本実施の形態における隔離管理装置200で実行される隔離リスク解析処理の流れを示すフローチャートである。図6に示す処理は、隔離リスク解析の実行タイミングにおいて起動するプログラムとして、制御装置202によって実行される。
【0067】
ステップ310において、制御装置202は、上述した隔離リスク解析のための処理を実行する。その後、ステップS320へ進む。
【0068】
ステップS320では、制御装置202は、上述した(A)~(H)の少なくとも一つに該当することによって入国者の不正隔離を検出したか否かを判断する。ステップS320で否定判断した場合には、処理を終了する。これに対して、ステップS320で肯定判断した場合には、ステップS330へ進む。
【0069】
ステップS330では、制御装置202は、入国・防疫管理装置100へ不正隔離の検出結果を通知する。その後、処理を終了する。
【0070】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)隔離管理装置200の制御装置202は、入国者を隔離対象者として隔離中の不正を検出するための隔離リスク解析処理を行い、隔離中の不正を検出した場合に入国・防疫管理装置100に通知するようにした。そして、入国・防疫管理装置100の制御装置102は、不正が検出されたことを検疫官に通知するようにした。これによって、検疫官は、隔離が必要な入国者の不正を把握することができる。隔離中のリスク検出は、違法性や防疫上のリスクを通知するものであるため、入国者の不正を検出して通知することにより、不正の取り締まりや感染拡大防止の効果を得ることができる。また、通知を受けた検疫官は、入国者の捜索を実施したり、捜索のために関係機関に連絡したりすることができる。
【0071】
(2)隔離管理装置200の制御装置202は、入国者の本人確認に基づく不正の検出結果、入国者の隔離場所確認に基づく不正の検出結果、または入国者の移動確認に基づく不正の検出結果に基づいて、入国者の隔離中の不正を検出するようにした。これによって、隔離中の人物が入国者本人でない可能性がある場合や、入国者が隔離場所にいない可能性がある場合や、入国者の隔離場所から移動している可能性がある場合に入国者の不正を検出することができる。
【0072】
(3)隔離管理装置200の制御装置202は、入国者の事前に撮影されたパスポート写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または、入国者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、入国者の隔離中の不正を検出するようにした。これによって、ビデオ通話を行っている人物の顔や声などの特徴が入国者に一致しない可能性が高い場合に不正を検出できるため、不正検出の精度を向上させることができる。
【0073】
(4)隔離管理装置200の制御装置202は、入国者の滞在場所と入国者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、入国者の隔離中の不正を検出するようにした。これによって、入国者が現在いる場所が隔離場所とは異なる可能性が高い場合に不正を検出できるため、不正検出の精度を向上させることができる。
【0074】
(5)隔離管理装置200の制御装置202は、入国者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合に、入国者の隔離中の不正を検出するようにした。これによって、入国者が隔離場所から離れて移動している可能性が高い場合に不正を検出できるため、不正検出の精度を向上させることができる。
【0075】
(6)入国・防疫管理装置100の制御装置102は、隔離中の入国者から日々の健康観察情報の入力を受け付け、入力された健康観察情報に基づいて入国者に対する検査が必要と判断した場合に、医療機関に対して入国者の検査を依頼するようにした。これによって、隔離中の入国者の体調に応じて医療機関に検査を依頼することができる。
【0076】
(7)入国・防疫管理装置100の制御装置102は、入国者の入国審査の結果の入力を受け付けて、入力された入国審査の結果を入国者へ通知するようにした。これによって、入国者は入国審査の結果を知ることができる。
【0077】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の感染症対策システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、入国者の追加情報には、入国者の検査結果の情報を含むようにした。この検査結果の情報と入国時に行った入国者の検査結果に基づいて、医療機関や医師の信頼度を管理できるようにしてもよい。例えば、追加情報に含まれる検査結果が陰性であった場合に、入国時に行った検査も陰性であれば入国前に検査を行った医療機関や医師の信頼度は上がり、入国時に行った検査が陽性であれば入国前に検査を行った医療機関や医師の信頼度は下がるように信頼度を管理すればよい。
【0078】
(2)上述した実施の形態では、入国者の隔離が正常に行われているかを確認するために隔離中に発生するリスクを検出するための隔離リスク解析の処理は、隔離管理装置200で制御装置202が実行する例について説明した。すなわち、上述した実施の形態では、入国・防疫管理装置100と隔離管理装置200とが連携して感染症対策システム10を構成する例について説明した。しかしながら、隔離リスク解析の処理は、入国・防疫管理装置100で制御装置102が実行するようにしてもよい。この場合、入国・防疫管理装置100の制御装置102が隔離リスク解析の処理を行い、その結果、入国者の不正隔離を検出した場合に、検疫官に通知するようにすればよい。
【0079】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 感染症対策システム
100 入国・防疫管理装置
101 接続インターフェース
102 制御装置
103 記憶媒体
200 隔離管理装置
201 接続インターフェース
202 制御装置
203 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染症に感染した入国者の隔離を管理するための感染症対策システムであって、
隔離対象者とのビデオ通話から得られる情報に基づいて、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があること、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があること、または前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定する特定手段と、
前記特定手段によって、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があることが特定されたとき、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることが特定されたとき、または前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることが特定されたときに、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、
前記不正検出手段によって隔離中の不正が検出された場合に、不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項2】
請求項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記特定手段は、ビデオ通話の通話映像が静止画像の場合、前記隔離対象者の事前に撮影された写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または前記隔離対象者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があることを特定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項3】
請求項またはに記載の感染症対策システムにおいて、
前記特定手段は、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合に、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることを特定し、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項4】
請求項のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合、または前記隔離対象者の滞在場所と前記隔離対象者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合にも、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
隔離中の前記隔離対象者から日々の健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、
前記健康観察情報入力受付手段によって入力を受け付けた前記健康観察情報に基づいて、前記隔離対象者に対する検査が必要と判断した場合に、医療機関に対して前記隔離対象者の検査を依頼する検査依頼手段とをさらに備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記入国者の入国審査の結果の入力を受け付ける入国審査結果入力受付手段と、
前記入国審査結果入力受付手段で入力を受け付けた入国審査の結果を前記入国者へ通知する入国審査結果通知手段とをさらに備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項7】
感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、入国・防疫管理装置と隔離管理装置とが通信回線を介して接続された感染症対策システムであって、
前記隔離管理装置は、
隔離対象者とのビデオ通話から得られる情報に基づいて、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があること、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があること、または前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定する特定手段と、
前記特定手段によって、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があることが特定されたとき、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることが特定されたとき、または前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることが特定されたときに、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、
前記不正検出手段による検出結果を示す情報を前記入国・防疫管理装置へ送信する送信手段とを備え、
前記入国・防疫管理装置は、
前記隔離管理装置から受信した情報に基づいて前記隔離対象者の隔離中の不正を検出した場合には、通知先へ不正が検出されたことを通知する通知手段を備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項8】
請求項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記特定手段は、ビデオ通話の通話映像が静止画像の場合、前記隔離対象者の事前に撮影された写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または前記隔離対象者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があることを特定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項9】
請求項またはに記載の感染症対策システムにおいて、
前記特定手段は、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合に、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることを特定し、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項10】
請求項のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合、または前記隔離対象者の滞在場所と前記隔離対象者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合にも、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする感染症対策システム。
【請求項11】
請求項10のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
入国・防疫管理装置は、
隔離中の前記隔離対象者から日々の健康観察情報の入力を受け付ける健康観察情報入力受付手段と、
前記健康観察情報入力受付手段によって入力を受け付けた前記健康観察情報に基づいて、前記隔離対象者に対する検査が必要と判断した場合に、医療機関に対して前記隔離対象者の検査を依頼する検査依頼手段とをさらに備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項12】
請求項11のいずれか一項に記載の感染症対策システムにおいて、
入国・防疫管理装置は、
前記入国者の入国審査の結果の入力を受け付ける入国審査結果入力受付手段と、
前記入国審査結果入力受付手段で入力を受け付けた入国審査の結果を前記入国者へ通知する入国審査結果通知手段とをさらに備えることを特徴とする感染症対策システム。
【請求項13】
感染症に感染した入国者の隔離を管理するための隔離管理装置であって、
隔離対象者とのビデオ通話から得られる情報に基づいて、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があること、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があること、または前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定する特定手段と、
前記特定手段によって、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があることが特定されたとき、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることが特定されたとき、または前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることが特定されたときに、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、
前記不正検出手段によって隔離中の不正が検出された場合に、不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする隔離管理装置。
【請求項14】
請求項1に記載の隔離管理装置において、
前記特定手段は、ビデオ通話の通話映像が静止画像の場合、前記隔離対象者の事前に撮影された写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または、前記隔離対象者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があることを特定することを特徴とする隔離管理装置。
【請求項15】
請求項1または1に記載の隔離管理装置において、
前記特定手段は、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合に、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることを特定し、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定することを特徴とする隔離管理装置。
【請求項16】
請求項1~1のいずれか一項に記載の隔離管理装置において、
前記不正検出手段は、前記隔離対象者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合、または前記隔離対象者の滞在場所と前記隔離対象者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合にも、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理装置。
【請求項17】
感染症に感染した入国者の隔離を管理するための隔離管理プログラムであって、
隔離対象者とのビデオ通話から得られる情報に基づいて、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があること、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があること、または前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定する特定手順と、
前記特定手順によって、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があることが特定されたとき、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることが特定されたとき、または前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることが特定されたときに、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手順と、
前記不正検出手順で隔離中の不正を検出した場合に、不正が検出されたことを通知する通知手順とをコンピューターに実行させるための隔離管理プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載の隔離管理プログラムにおいて、
前記特定手順は、ビデオ通話の通話映像が静止画像の場合、前記隔離対象者の事前に撮影された写真とビデオ通話時の映像における特徴形状または特徴色の一致度が閾値未満の場合、または、前記隔離対象者の事前に録音された発話音声とビデオ通話時の音声における特徴声色の一致度が閾値未満の場合に、ビデオ通話を行っている人物が前記隔離対象者本人でない可能性があることを特定することを特徴とする隔離管理プログラム。
【請求項19】
請求項17または18に記載の隔離管理プログラムにおいて、
前記特定手順は、ビデオ通話時の背景画像が前日と異なる場合に、前記隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることを特定し、ビデオ通話時の背景音から屋内である場合の特徴的な反響音が検出できない場合、または前日のビデオ通話時と反響音パターンが異なる場合に、前記隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定することを特徴とする隔離管理プログラム。
【請求項20】
請求項1719のいずれか一項に記載の隔離管理プログラムにおいて、
前記不正検出手順は、前記隔離対象者の1日あたりの歩行量が閾値よりも多く検出された場合、または前記隔離対象者の滞在場所と前記隔離対象者の現在位置との間の距離が閾値を上回った場合にも、前記隔離対象者の隔離中の不正を検出することを特徴とする隔離管理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明による感染症対策システムは、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、隔離対象者とのビデオ通話から得られる情報に基づいて、ビデオ通話を行っている人物が離対象者本人でない可能性があること、隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があること、または隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定する特定手段と、特定手段によって、ビデオ通話を行っている人物が隔離対象者本人でない可能性があることが特定されたとき、隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることが特定されたとき、または隔離対象者が屋外にいる可能性があることが特定されたときに、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、不正検出手段によって隔離中の不正が検出された場合に、不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
本発明による感染症対策システムはまた、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、入国・防疫管理装置と隔離管理装置とが通信回線を介して接続され、隔離管理装置は、隔離対象者とのビデオ通話から得られる情報に基づいて、ビデオ通話を行っている人物が隔離対象者本人でない可能性があること、隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があること、または隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定する特定手段と、特定手段によって、ビデオ通話を行っている人物が隔離対象者本人でない可能性があることが特定されたとき、隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることが特定されたとき、または隔離対象者が屋外にいる可能性があることが特定されたときに、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、不正検出手段による検出結果を示す情報を入国・防疫管理装置へ送信する送信手段とを備え、入国・防疫管理装置は、隔離管理装置から受信した情報に基づいて隔離対象者の隔離中の不正を検出した場合には、通知先へ不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
本発明による隔離管理装置は、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、隔離対象者とのビデオ通話から得られる情報に基づいて、ビデオ通話を行っている人物が隔離対象者本人でない可能性があること、隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があること、または隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定する特定手段と、特定手段によってビデオ通話を行っている人物が隔離対象者本人でない可能性があることが特定されたとき、隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることが特定されたとき、または隔離対象者が屋外にいる可能性があることが特定されたときに、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手段と、不正検出手段によって隔離中の不正が検出された場合に、不正が検出されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
本発明による隔離管理プログラムは、感染症に感染した入国者の隔離を管理するために、隔離対象者とのビデオ通話から得られる情報に基づいて、ビデオ通話を行っている人物が隔離対象者本人でない可能性があること、隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があること、または隔離対象者が屋外にいる可能性があることを特定する特定手順と、特定手順によってビデオ通話を行っている人物が隔離対象者本人でない可能性があることが特定されたとき、隔離対象者の居場所が前日とは異なる可能性があることが特定されたとき、または隔離対象者が屋外にいる可能性があることが特定されたときに、隔離対象者の隔離中の不正を検出する不正検出手順と、不正検出手順で隔離中の不正を検出した場合に、不正が検出されたことを通知する通知手順とをコンピューターに実行させるためのプログラムである。