(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000445
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】たばこ流通支援システム及びたばこ流通支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20230101AFI20221222BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101269
(22)【出願日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】504393220
【氏名又は名称】TSネットワーク株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503069539
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・ウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中島 良二
(72)【発明者】
【氏名】橘高 博史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】たばこ商品の販売店舗毎のたばこ商品の流通スケジュール情報を提示するたばこ流通支援システム及びたばこ流通支援方法を提供する。
【解決手段】支援サーバ10は、対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定する特定部21と、納品日に対応する仕分日を決定する第一決定部22と、データ参照部25により読み出された対象顧客店舗の決済方法及び決済タイミングに基づいて、納品日に対応する支払日を決定第二決定部23と、納品日に対応する注文日を決定する第三決定部24と、配送日割テーブルを生成するデータ生成部26と、情報管理データベース27に顧客IDと関連付けられて格納される納品日、仕分日、支払日及び注文日に基づいて、対象顧客店舗の所定期間内の日付対応情報及び対象顧客店舗の情報を含む流通スケジュール情報を出力装置に出力させる出力処理部28と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客店舗ごとにたばこ商品に関する決済方法、決済タイミング、及び受注方法を少なくとも示す顧客情報を格納する顧客情報テーブル及びたばこ商品の受注組織ごとの営業日を管理する営業日テーブルを参照可能な参照手段と、
前記顧客情報テーブルから対象顧客店舗の決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出す読出手段と、
前記対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定する特定手段と、
前記特定された納品日に対応する仕分日を決定する第一決定手段と、
前記読出手段により読み出された前記対象顧客店舗の前記決済方法及び前記決済タイミングに基づいて、前記特定手段により特定された納品日に対応する支払日を決定する第二決定手段と、
前記読出手段により読み出された前記対象顧客店舗の前記受注方法に基づいて前記営業日テーブルから該受注方法に対応する受注組織の営業日を読み出し、該読み出された営業日、並びに前記決定された仕分日及び支払日のうちの早い日付に基づいて、前記特定された納品日に対応する注文日を決定する第三決定手段と、
前記特定手段により特定された所定期間内における前記対象顧客店舗の複数の納品日の各々に対して前記決定された支払日及び注文日をそれぞれ関連付けた、該所定期間内の日付対応情報及び前記対象顧客店舗の情報を含む、前記対象顧客店舗の流通スケジュール情報を出力する出力手段と、
を備えるたばこ流通支援システム。
【請求項2】
前記顧客情報テーブルに格納される顧客店舗ごとの顧客情報は、納品頻度、納品タイミングパターン、及び配送ルートを更に示し、
前記参照手段は、日付ごとに各納品タイミングパターンに該当するか否かを管理する納品パターンテーブル及び日付ごとに該日付に納品可能な配送ルートを管理する配送日割テーブルを更に参照可能であり、
前記読出手段は、前記顧客情報テーブルから、前記対象顧客店舗の納品頻度、納品タイミングパターン、配送ルート、決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出し、
前記特定手段は、前記読み出された納品頻度が週1回より少ない頻度を示す場合に、前記納品パターンテーブルに基づいて前記対象顧客店舗の前記納品タイミングパターンに該当する日付を納品候補日として特定し、特定された納品候補日の中から、前記配送日割テーブルに基づいて前記対象顧客店舗の前記配送ルートで納品可能な日を納品日として特定する、
請求項1に記載のたばこ流通支援システム。
【請求項3】
指定期間内の日付ごとに該日付に納品可能な配送ルートを管理する前記配送日割テーブルを生成する生成手段、
を更に備え、
前記配送ルートは、所定桁数のコードで形成される配送ルートコードで示されており、
前記配送ルートコードの中の所定桁目のコードは、該配送ルートコードで示される配送ルートでの納品が予定されている一つの曜日を識別可能に示しており、
前記対象顧客店舗の前記納品頻度が週2回以上を示す場合に、前記顧客情報テーブルには前記対象顧客店舗の配送ルートとして二以上の配送ルートコードが格納され、
前記生成手段は、前記指定期間内の日付ごとの曜日情報と各配送ルートコードの前記所定桁目のコードとに基づいて、各日付のデータと該日付に納品可能な配送ルートコードとを関連付けて前記配送日割テーブルを生成する、
請求項2に記載のたばこ流通支援システム。
【請求項4】
前記参照手段は、前記配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順を示す配送ルート情報テーブルを更に参照可能であり、
前記出力手段は、前記読み出された顧客情報及び前記配送ルート情報テーブルの情報に基づいて、前記配送ルートの配送拠点ごとに、前記配送ルートコードの順かつ該配送ルートコードが示す配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順に、各顧客店舗の前記流通スケジュール情報を出力する、
請求項3に記載のたばこ流通支援システム。
【請求項5】
前記顧客情報テーブルは、顧客店舗ごとに変更フラグを更に格納しており、
前記読出手段は、前記顧客情報テーブルから前記変更フラグが立っている顧客店舗の顧客情報を読み出し、
前記特定手段、前記第一決定手段、前記第二決定手段、及び前記第三決定手段は、前記読み出された前記変更フラグが立っている顧客店舗の顧客情報に基づいて、前記変更フラグが立っている顧客店舗の納品日、仕分日、支払日及び注文日を再決定し、
前記参照手段は、前記顧客情報テーブルにおける前記変更フラグが立っている顧客店舗の変更フラグを下す、
請求項1から4のいずれか一項に記載のたばこ流通支援システム。
【請求項6】
前記顧客情報テーブルは、顧客店舗ごとに配送ルートを更に格納しており、
前記営業日テーブルは、配送ルートの配送拠点ごとの営業日を示す情報を更に格納しており、
前記参照手段は、配送ルートごとに配送日数を管理する配送情報テーブルを更に参照可能であり、
前記読出手段は、前記顧客情報テーブルから前記対象顧客店舗の配送ルートを更に読み出し、
前記第一決定手段は、前記読み出された前記対象顧客店舗の前記配送ルートに基づいて、前記配送情報テーブルから該配送ルートの配送日数を、前記営業日テーブルから該配送ルートの配送拠点の営業日をそれぞれ読み出し、該読み出された配送日数及び営業日に基づいて、前記特定手段により特定された納品日に対応する仕分日を決定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載のたばこ流通支援システム。
【請求項7】
顧客店舗ごとにたばこ商品に関する決済方法、決済タイミング、及び受注方法を少なくとも示す顧客情報を格納する顧客情報テーブル及びたばこ商品の受注組織ごとの営業日を管理する営業日テーブルを参照可能な一以上のコンピュータにより実行されるたばこ流通支援方法であって、
前記顧客情報テーブルから対象顧客店舗の決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出し、
前記対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定し、
前記特定された納品日に対応する仕分日を決定し、
前記読み出された前記対象顧客店舗の前記決済方法及び前記決済タイミングに基づいて、前記特定された納品日に対応する支払日を決定し、
前記読み出された前記対象顧客店舗の前記受注方法に基づいて前記営業日テーブルから該受注方法に対応する受注組織の営業日を読み出し、
前記読み出された営業日、並びに前記決定された仕分日及び支払日のうちの早い日付に基づいて、前記特定された納品日に対応する注文日を決定し、
前記特定された所定期間内における前記対象顧客店舗の複数の納品日の各々に対して前記決定された支払日及び注文日をそれぞれ関連付けた、該所定期間内の日付対応情報及び前記対象顧客店舗の情報を含む、前記対象顧客店舗の流通スケジュール情報を出力する、
ことを含むたばこ流通支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこ流通業務を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ商品の流通では、たばこ事業法により規定される定価制や販売許可制、並びにたばこ税の納税義務等、たばこ商品特有の規制を順守しながら、公平公正な取引が実現されている。例えば、たばこ税を遅滞なく確実に納税するために即時決済が採用され、また、たばこ商品の小売販売の認可を受けた店舗単位での受注が行われている。
一方で、小売販売の許可を受けてたばこ商品を販売する店舗には、いわゆるたばこ屋さん(たばこ専売店)に加えて、コンビニエンスストア、駅の売店、酒屋など様々な店舗がある。
たばこ流通業者は、このような様々な形態・規模の販売店舗に公平公正にたばこ商品を流通させる必要がある。
【0003】
たばこ商品に限らず様々な商材の流通において効率化を図るための様々な手法が提案されている。例えば、下記特許文献1には、商品の入出庫保管作業を効率よく行うことを可能とするシステムが開示されている。このシステムでは、商品供給者から商品を納入した際に納入した商品を商品倉庫へ入庫させるか、入庫させることなく出庫させて商品購入者へ送るかを判断してその指示情報が出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たばこ流通業者は、上述したように様々な形態・規模の店舗に公平公正にたばこ商品を流通させる必要があるところ、注文を受けて都度、納品日や支払日を決めて、店舗に知らせるのでは、多数の店舗が存在しているため、多大な労力が生じる。具体的には、即時決済を実現する上で、店舗ごとに決済方法及び決済タイミングの様々なパターンが設定され、その決済パターンによっては支払日が納品前となる店舗や納品後になる店舗が生じ、更には、支払日よりも前に注文を受ける必要があることから注文の期限の目安となる日(注文日)と納品日との間隔が店舗ごとに異なってくる。また、配送拠点で仕分けが必要となる店舗では、仕分けを行う日(仕分日)も考慮しなければならず、配送拠点から遠方の店舗などでは納品するまでのリードタイムが長くかかるといった要素も考慮する必要がある。
このように店舗ごとに様々な流通形態があることから、希望納品日に対する注文日を一律に何日前(例えば1週間前)と決めることもできない。
各店舗にとっては、希望納品日に対していつ発注をすればよいのか把握できないのでは、機会損失につながる恐れがある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、たばこ商品の販売店舗ごとのたばこ商品の流通スケジュール情報を提示する技術を提供する。
本明細書において用語「たばこ商品」は、紙巻たばこ、葉巻たばこ、噛みたばこ、嗅ぎたばこ、パイプたばこに加えて、電子たばこ、加熱式たばこ等と呼ばれるたばこに用いられるカートリッジ等を含み、更には、アクセサリのようなたばこの付属として提供されるたばこ付属商品をも包含する広い意味で用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、顧客店舗ごとにたばこ商品に関する決済方法、決済タイミング、及び受注方法を少なくとも示す顧客情報を格納する顧客情報テーブル及びたばこ商品の受注組織ごとの営業日を管理する営業日テーブルを参照可能な参照手段と、前記顧客情報テーブルから対象顧客店舗の決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出す読出手段と、前記対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定する特定手段と、前記特定された納品日に対応する仕分日を決定する第一決定手段と、前記読出手段により読み出された前記対象顧客店舗の前記決済方法及び前記決済タイミングに基づいて、前記特定手段により特定された納品日に対応する支払日を決定する第二決定手段と、前記読出手段により読み出された前記対象顧客店舗の前記受注方法に基づいて前記営業日テーブルから該受注方法に対応する受注組織の営業日を読み出し、該読み出された営業日、並びに前記決定された仕分日及び支払日のうちの早い日付に基づいて、前記特定された納品日に対応する注文日を決定する第三決定手段と、前記特定手段により特定された所定期間内における前記対象顧客店舗の複数の納品日の各々に対して前記決定された支払日及び注文日をそれぞれ関連付けた、該所定期間内の日付対応情報及び前記対象顧客店舗の情報を含む、前記対象顧客店舗の流通スケジュール情報を出力する出力手段とを備えるたばこ流通支援システムが提供され得る。
【0008】
また、他の側面として、本発明によれば、顧客店舗ごとにたばこ商品に関する決済方法、決済タイミング、及び受注方法を少なくとも示す顧客情報を格納する顧客情報テーブル及びたばこ商品の受注組織ごとの営業日を管理する営業日テーブルを参照可能な一以上のコンピュータにより実行されるたばこ流通支援方法であって、前記顧客情報テーブルから対象顧客店舗の決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出し、前記対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定し、前記特定された納品日に対応する仕分日を決定し、前記読み出された前記対象顧客店舗の前記決済方法及び前記決済タイミングに基づいて、前記特定された納品日に対応する支払日を決定し、前記読み出された前記対象顧客店舗の前記受注方法に基づいて前記営業日テーブルから該受注方法に対応する受注組織の営業日を読み出し、前記読み出された営業日、並びに前記決定された仕分日及び支払日のうちの早い日付に基づいて、前記特定された納品日に対応する注文日を決定し、前記特定された所定期間内における前記対象顧客店舗の複数の納品日の各々に対して前記決定された支払日及び注文日をそれぞれ関連付けた、該所定期間内の日付対応情報及び前記対象顧客店舗の情報を含む、前記対象顧客店舗の流通スケジュール情報を出力することを含むたばこ流通支援方法も提供され得る。
その他、例えば、上述のたばこ流通支援方法を一以上のコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが提供されてもよいし、このようなコンピュータプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、たばこ商品の販売店舗ごとのたばこ商品の流通スケジュール情報を提示する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るたばこ流通支援システムのシステム構成の概念図である。
【
図3】たばこ商品の流通フローにおける受注日、仕分日、納品日及び支払日を示す図である。
【
図4】支援サーバのハードウェア構成を概念的に示すブロック図である。
【
図5】支援サーバのソフトウェア構成例を概念的に示すブロック図である。
【
図11】流通スケジュール情報の出力例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係るたばこ流通支援方法の一部の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に挙げる実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0012】
[概要]
本実施形態に係るたばこ流通支援システム(以降、本システムと表記する場合がある)1の詳細を説明する前に、本システム1の特徴の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るたばこ流通支援システム1のシステム構成の概念図である。
本システム1は、少なくとも支援サーバ10を備えており、たばこ商品の流通業者の本社や各配送拠点等で利用され、たばこ商品の流通業務等を支援する。
本明細書において本システム1を利用する流通業者の顧客となるたばこ商品の販売店舗を顧客店舗と表記する場合がある。顧客店舗には、上述したとおり、いわゆるたばこ屋さんや酒屋のような個人店舗、コンビニエンスストアやスーパーのようにフランチャイズ加盟店となる店舗、事業者により運営される直営店等、様々な店舗形態がある。
本明細書において「顧客」とは、流通業者の顧客であり、流通業者から納入されたたばこ商品の販売を行う事業者を意味する。
【0013】
ここで、たばこ商品の流通フローについて
図2及び
図3を用いて説明する。
図2は、たばこ商品の物流フローの模式図であり、
図3は、たばこ商品の流通フローにおける受注日、仕分日、納品日及び支払日を示す図である。
国内及び外国のたばこメーカで製造されたたばこ商品は、流通業者の流通センター或いは各地の配送拠点DBに集められ保管される。顧客店舗STから受注があると、その顧客店舗STに対応する配送拠点DBでたばこ商品が仕分けられ、その顧客店舗STに配送される(納入される)。その顧客は、発注したたばこ商品の代金を決められた方法で支払う。
たばこ商品の物流フローについては、
図2に示されるように、流通業者の配送拠点DBから顧客店舗STに直接配送される形態だけでなく、配送拠点DBから流通業者の中継拠点や顧客の流通センター等(以降、中継拠点DRと総称する)を経由して顧客店舗STに配送される形態や、配送拠点DBから宅配業者の宅配センターDCを経由して顧客店舗STに配送される形態等がある。
【0014】
たばこ商品の流通フローにおいて、受注日は、対象の納品日にたばこ商品を受け取るために顧客店舗が発注すべき期限の目安となる日であり、仕分日は、対象の納品日にたばこ商品を顧客店舗に納品するためにその顧客店舗に対応する配送拠点でたばこ商品の仕分けを行うべき日であり、納品日は、受注したたばこ商品を発注元である顧客店舗に納品する(届ける)予定の日であり、支払日は、顧客が対象の納品日に納品されるたばこ商品の支払いを行うべき期限の目安となる日である。
上述したように、決済パターンや店舗所在地等のように顧客店舗ごとに様々な流通形態があり、流通業者は各顧客店舗に対してその流通形態に応じた取引条件をそれぞれ設定する。
【0015】
本システム1は、主に、次のような手段を備えることにより、各顧客店舗の取引条件に応じて、少なくとも受注日、納品日及び支払日を含むたばこ商品の流通スケジュールを顧客店舗ごとに自動で決定し、顧客店舗ごとの流通スケジュール情報を提示する。
【0016】
本システム1は、顧客店舗ごとにたばこ商品に関する決済方法、決済タイミング、及び受注方法を少なくとも示す顧客情報を格納する顧客情報テーブル及びたばこ商品の受注組織ごとの営業日を管理する営業日テーブルを参照可能な参照手段を備えている。
顧客情報テーブル及び営業日テーブルは、本システム1内における支援サーバ10又は他のサーバ装置に格納されてもよいし、本システム1外の装置に格納されてもよい。それらテーブルが本システム1外の装置に格納されている場合には、参照手段は、通信を介してそれらテーブルにアクセスすることができる。
【0017】
「決済方法」とは、たばこ商品の代金の支払方法を意味し、決済方法には、例えば、口座振込、口座振替、現金・小切手等がある。
「決済タイミング」とは、たばこ商品の代金の支払タイミングを意味し、顧客の与信ランクに応じて決められる。また、決済タイミングは、決済方法の種類ごとに決められている設定可能範囲内で設定される。例えば、本実施形態では、決済方法が現金・小切手である場合には、決済タイミングの設定可能範囲は納品日当日に決められており、決済方法が口座振込である場合には、決済タイミングの設定可能範囲は納品日の前日(-1日)から納品日当日までの範囲に決められており、決済方法が口座振替である場合には、決済タイミングの設定可能範囲は納品日の前日(-1日)から納品日から5日後(+5日)までの範囲に決められている。
「受注方法」とは、顧客事業者又は顧客店舗が利用する受注チャネルを意味し、受注方法には、例えば、電話、FAX、WEB、電子メール、電子発注システム(EOS)等がある。
「たばこ商品の受注組織」とは、流通事業者内のたばこ商品の受注業務を行う組織を意味し、各受注方法に対応する受注組織が設けられる。例えば、電話及びFAXを介した受注業務を行う組織、WEBや電子メールを介した受注業務を行う組織、EOSを介した受注業務を行う組織等がある。但し、全ての受注方法に対して一つの受注組織が設けられていてもよい。
【0018】
本システム1は、更に、上述の顧客情報テーブルから対象顧客店舗の決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出す読出手段を備えている。上述の参照手段とこの読出手段とは明確に区別されなくてもよい。
加えて、本システム1は、対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定する特定手段と、その特定された納品日に対応する仕分日を決定する第一決定手段と、特定手段により特定された納品日に対応する支払日を決定する第二決定手段と、特定手段により特定された納品日に対応する注文日を決定する第三決定手段と、を備えている。
このように本システム1では、納品日を基準にして、仕分日、支払日及び注文日が決定される。
【0019】
特定手段による納品日の特定手法は何ら制限されない。納品日は、本システム1内のコンピュータに対するユーザ操作により入力されてもよいし、予め決められており電子ファイルに格納されているデータから取得されてもよいし、後述するように顧客ごとに決められている納品頻度、納品タイミングパターン、配送ルート等の情報から決定されるようにしてもよい。
【0020】
第一決定手段による仕分日の決定手法については、特定手段により特定された納品日を基準にして仕分日が決められるのであれば、何ら制限されない。
ここで「納品日に対応する仕分日」とは、対象顧客店舗にその納品日にたばこ商品を配送するために配送拠点で仕分けを行うべき日(仕分日)を意味する。
第一決定手段は、特定手段により特定された納品日から予め決められた日数(例えば1日、2日等)を減した日を仕分日として決定してもよいし、後述するように顧客ごとに決められている配送ルート等の情報に基づいて当該納品日に対応する仕分日を決定してもよい。
【0021】
第二決定手段は、読出手段により読み出された対象顧客店舗の決済方法及び決済タイミングに基づいて、特定手段により特定された納品日に対応する支払日を決定する。例えば、決済方法が現金・小切手である場合、支払日は納品日と同日に決定される。決済方法が口座振込又は口座振替である場合、支払日は、読み出された決済タイミング(納品日の前日、納品日の二日後等)と納品日とによって決定される。
【0022】
第三決定手段は、読出手段により読み出された対象顧客店舗の受注方法に基づいて営業日テーブルからその受注方法に対応する受注組織の営業日を読み出し、その読み出された営業日、並びに当該決定された仕分日及び支払日のうちの早い日付に基づいて、特定手段により特定された納品日に対応する注文日を決定する。例えば、第三決定手段は、仕分日及び支払日のうちの早いほうの日付から予め決められた日数(例えば、1日等)を差し引くことで仮の注文日を決定する。このとき、予め決められた日数の差し引きを行わないようにしてもよいし、後述の実施形態のように顧客店舗ごとに決められた受注所要日数を差し引くようにしてもよい。
続いて、第三決定手段は、当該読み出された営業日に基づいて、その仮の注文日が受注可能な日か否かを判定し、仮の注文日が受注不可能な日である場合には、その仮の注文日よりも前の日付で受注可能な日を最終的な注文日として決定し、仮の注文日が受注可能な日である場合には、その仮の注文日をそのまま最終的な注文日として決定する。
【0023】
このように本実施形態では、まず、納品日が特定され、その納品日を基準にして仕分日、支払日及び注文日が決められる。支払日については、顧客店舗ごとの決済方法及び決済タイミングに基づいて納品日を基準にして決定され、注文日については、仕分日及び支払日を考慮しながら、顧客店舗ごとの受注方法に対応する受注組織の営業日を更に加味して、受注可能な日に決定される。
これにより、顧客店舗ごとの流通形態に応じて設定される各顧客店舗の取引条件に合致するように、対象顧客店舗のたばこ商品の流通スケジュールを自動決定することができる。
【0024】
更に、本システム1は、特定手段により特定された所定期間内における対象顧客店舗の複数の納品日の各々に対して上述のようにして決定された支払日及び注文日をそれぞれ関連付けた、当該所定期間内の日付対応情報及び対象顧客店舗の情報を含む対象顧客店舗の流通スケジュール情報を出力する出力手段を備えている。
日付対応情報では、納品日と支払日と注文日とが少なくとも関連付けられていればよい。具体的には、特定手段により特定された各納品日に対して、第二決定手段によりその納品日に対応するとして決定された支払日と、第三決定手段によりその納品日に対応するとして決定された注文日とが関連付けられる。関連付けの手法は何ら制限されない。例えば、後述する御注文日連絡表のような、注文日、納品日及び支払日の項目ごとに区切られた表形式においてそれらの関連付けが行われてもよいし、他の表示形式において関連付けが行われてもよい。
対象顧客店舗の情報は、店舗名称や顧客の名称、住所等のように対象顧客店舗を特定し得る情報を含む。
流通スケジュール情報の出力形態は何ら制限されない。例えば、出力手段は、表示装置、印刷装置(プリンタ)等のユーザインタフェースの出力装置で実現され、当該情報は表示或いは印刷により出力されてもよい。また、出力手段は、当該情報を電子ファイルとして保存することで、通信や記録媒体等を介して外部へ出力することもできる。
【0025】
このように納品日、支払日及び注文日が関連付けられた所定期間内の日付対応情報及び対象顧客店舗の情報を含む流通スケジュール情報が出力されることで、対象顧客店舗にたばこ商品の流通スケジュールを提示することができる。提示された対象顧客店舗は、自身の取引条件に応じた納品日、支払日及び注文日を把握することができるため、機会損失を防ぐよう効率的に発注業務を行うことができる。
【0026】
[たばこ流通支援システム]
以下、上述のような特徴を有する本実施形態に係るたばこ流通支援システム(本システム)1について詳細に説明する。
本システム1は、少なくとも支援サーバ10を備えており、例えば、倉庫管理システム、仕分支援システム、配達管理システム等と共に、たばこ商品の流通業者の業務を支援することができる。
【0027】
図4は、支援サーバ10のハードウェア構成を概念的に示すブロック図である。
支援サーバ10は、いわゆるコンピュータであり、
図2に示されるように、CPU(Central Processing Unit)11、メモリ12、入出力インタフェース(I/F)13、通信ユニット14等を有する。CPU11は、他の各ユニットとバス等の通信線により接続される。
CPU11には、一般的なCPUに加えて、MCU(Micro Controller Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等も含まれる。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置(ハードディスク等)である。
【0028】
入出力I/F13は、出力装置15、入力装置16等のユーザインタフェース装置と接続可能である。
出力装置15は、表示装置、印刷装置(プリンタ)等のようなユーザに対して何等かの出力を行う装置である。表示装置は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、CPU11等により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置16は、キーボード、マウス等のようなユーザ操作の入力を受け付ける装置である。表示装置及び入力装置16は一体化されたタッチパネルであってもよいし、接続されていなくてもよい。
通信ユニット14は、他のコンピュータとの有線通信又は無線通信や、他の機器との信号のやりとり等を行う。なお、通信ユニット14には、可搬型記録媒体等も接続され得る。
【0029】
図4に示されるハードウェア構成は一例であり、支援サーバ10のハードウェア構成は、
図4で示される例に限定されない。支援サーバ10は、図示されていない他のハードウェア要素を有することができるし、各ハードウェア要素の数も、
図4の例に限定されない。例えば、支援サーバ10は複数のCPU11を有していてもよい。また、支援サーバ10は複数台のコンピュータにより構成されていてもよい。
【0030】
図5は、支援サーバ10のソフトウェア構成例を概念的に示すブロック図である。
支援サーバ10は、ソフトウェア要素として、特定部21、第一決定部22、第二決定部23、第三決定部24、データ参照部25、データ生成部26、情報管理データベース(DB)27、出力処理部28等を有する。これら各ソフトウェア要素は、例えば、CPU11によりメモリ12に格納されるコンピュータプログラムが実行されることによりそれぞれ実現される。また、当該コンピュータプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/F13又は通信ユニット14を介してインストールされ、メモリ12に格納されてもよい。
【0031】
情報管理DB27は、概要の項で述べた顧客情報テーブル及び営業日テーブルに加えて、
図6から
図9に例示される納品パターンテーブル、配送日割テーブル、配送情報テーブル、配送ルート情報テーブル等を格納する。
【0032】
図6は、顧客情報テーブルの例を示す図である。
顧客情報テーブルは、店舗情報や取引条件等のような顧客店舗ごとの情報を格納する。顧客情報テーブルは、顧客店舗ごとに、店舗ID、店舗名称、店舗所在地、納品頻度、納品タイミングパターン、配送拠点、配送ルート、受注所要日数、決済方法、決済タイミング、受注方法、変更フラグ等を格納する。
店舗IDは顧客店舗を識別する情報(識別子)である。例えば、コンビニエンスストアやスーパー等のようなフランチャイズ加盟店となる各顧客店舗についても個別の店舗IDが付される。
店舗名称は顧客店舗の名称を示し、店舗所在地は顧客店舗の所在地を示す。
納品頻度は、顧客店舗へのたばこ商品の納品の頻度を示し、例えば、週3回、週1回、隔週、4週毎、月1回等が納品頻度として設定される。
納品タイミングパターンは、顧客店舗へのたばこ商品の納品のタイミングを示し、納品タイミングパターンの種類としては、例えば、全ての配達可能日、月初、月末、起点週(起点日から1週間)の配達可能日から始めて隔週(起点1週配達後隔週と表記)、起点週の翌週の配達可能日から始めて隔週(起点2週配達後隔週と表記)、起点週の配達可能日から始めて4週毎(起点1週配達後4週毎と表記)、起点週の翌週の配達可能日から始めて4週毎(起点2週配達後4週毎と表記)、起点週の翌々週の配達可能日から始めて4週毎(起点3週配達後4週毎と表記)、起点週の翌々々週の配達可能日から始めて4週毎(起点4週配達後4週毎と表記)等が設定される。
ここで「起点日」は、顧客ごとに決められ、例えば、顧客の事業年度の起点となる日が起点日として設定される。但し、この起点日の決め方は顧客ごとに任意であればよい。
納品タイミングパターンは、その顧客店舗の納品頻度の種類に応じて設定される。例えば、納品頻度が月1回の顧客店舗では、月初、月末等のような納品タイミングパターンが設定され、納品頻度が週1回以上の顧客店舗では、全ての配達可能日(全ての配達可能日のうちのいずれか該当日)という納品タイミングパターンが設定され、納品頻度が隔週の顧客店舗では、起点1週配達後隔週又は起点2週配達後隔週のいずれか一方が設定され、納品頻度が4週毎の顧客店舗では、起点1週配達後4週毎、起点2週配達後4週毎、起点3週配達後4週毎、又は起点4週配達後4週毎のいずれか一つが設定される。
【0033】
配送拠点は、本システム1のユーザである流通業者が所有する配送拠点(
図2参照)の中の一つであって、対象顧客店舗への配送ルートの開始点となる拠点である。
配送ルートは、上述の配送拠点からの配送ルートであって対象顧客店舗を含む配送ルートである。
本実施形態において配送ルートは、4桁の数字で形成される配送ルートコードで示され、上述の配送拠点の情報とこの配送ルートコードとで一つの配送ルートが識別される。加えて、配送ルートコードの中の最上位桁(4桁目)の数字により、その配送ルートでの納品が予定されている一つの曜日が識別可能とされている。例えば、配送ルートコードの最上位桁(4桁目)の数字は、月曜日に納品可能な配送ルートを示す場合には「1」とされ、火曜日に納品可能な配送ルートを示す場合には「2」とされ、水曜日に納品可能な配送ルートを示す場合には「3」とされ、木曜日に納品可能な配送ルートを示す場合には「4」とされ、金曜日に納品可能な配送ルートを示す場合には「5」とされ、土曜日に納品可能な配送ルートを示す場合には「6」とされる。
【0034】
図10は、配送ルートを説明するための図である。
図10には、或る配送拠点からの一つの配送ルートが示されており、その配送ルートは、「1011」の配送ルートコードにより示される。この配送ルートコードの4桁目の数字「1」によりその配送ルートが月曜日(2021年3月1日、2021年3月8日等)発送であることが示されている。
図10に例示される配送ルートには、店舗A、店舗B、店舗X、店舗C、及び店舗Dが含まれている。各店舗の納品タイミングは括弧書きで示されるとおりであり、2021年3月1日(月)は店舗A、店舗B、店舗X、及び店舗Cの納品日となり、2021年3月8日(月)は店舗A及び店舗Dの納品日となる。このため、この配送ルートは、2021年3月1日(月)には配送拠点から店舗Dを除いて店舗A、店舗B、店舗X、及び店舗Cを巡り、翌週の2021年3月8日(月)には配送拠点から店舗B、店舗X及び店舗Cを除いて店舗A及び店舗Dを巡る。
【0035】
このように一つの配送ルートには一以上の顧客店舗が設定される。配送ルートに含まれる顧客店舗の情報は、後述する配送ルート情報テーブルに格納される。
また、上述のように本実施形態における配送ルートは、納品可能な曜日に応じて区別して設定される。このため、納品頻度が週2回以上の顧客店舗については二つ以上の配送ルートが設定されることになる。
【0036】
但し、配送ルートコードは、本実施形態のように4桁の数字で形成されていなくてもよく、所定桁数のコードで形成されればよい。また、配送ルートでの納品が予定されている一つの曜日を識別可能な桁は4桁目でなくてもよく、配送ルートコードの中の所定桁目のコードは、その配送ルートコードで示される配送ルートでの納品が予定されている一つの曜日を識別可能に示していればよい。
また、本実施形態では、配送拠点の情報と配送ルートコードとが別々に顧客情報テーブルに設定されているが、それら両方の情報を合わせた一つの配送ルートデータが顧客情報テーブルに設定されるようにしてもよい。
【0037】
受注所要日数は、概要として上述したとおり、仕分日及び支払日のうちの早いほうの日付から注文日を決める際に差し引かれる日数である。
決済方法、決済タイミング及び受注方法は、概要として上述したとおりである。
図6の例では、決済タイミングは納品日を基準にした情報として設定されており、納品日当日は「-」で示されている。
変更フラグは、顧客情報テーブルに格納される情報項目のうち注文日、支払日及び納品日の決定に影響する項目が変更された場合にON状態とされ、その変更された項目の情報に基づいて注文日、支払日及び納品日が再決定された場合にOFF状態とされる。変更フラグをON状態とすることを変更フラグを立てると表記し、変更フラグをOFF状態とすることを変更フラグを下げる或いは消去すると表記する。
【0038】
図7は、納品パターンテーブルの例を示す図である。
納品パターンテーブルは、日付ごとに各納品タイミングパターンに該当するか否かを管理する。
図7には、起点日が2021年3月1日である場合の設定例が示されており、2021年3月1日は起点1週配達後隔週及び起点1週配達後4週毎に該当し、起点2週配達後隔週には非該当であること、その翌週の3月8日は起点2週配達後隔週に該当し、起点1週配達後隔週及び起点1週配達後4週毎に非該当であること、その翌々週の3月15日は起点1週配達後隔週に該当し、起点2週配達後隔週及び起点1週配達後4週毎には非該当であること等が示されている。
納品パターンテーブルは、起点日ごとに作成されてもよいし、顧客店舗ごとに作成されてもよいし、顧客(事象者)ごとに作成されてもよい。
なお、納品頻度が週1回以上である場合に納品タイミングパターンとして設定される全ての配達可能日(全ての配達可能日のうちのいずれか該当日)については、納品パターンテーブルには設定されない。納品頻度が週1回以上の場合には、後述する配送日割テーブルからその納品タイミングパターンに該当するか否かの情報が得られるからである。
【0039】
図8は、配送日割テーブルの例を示す図である。
配送日割テーブルは、日付ごとにその日付に納品可能な配送ルートを管理する。
図8の例では、配送拠点Tから月曜日に納品可能な配送ルート「1000」は、2021年3月1日、翌週の3月8日に納品可能であることが示されている。また、2021年3月1日に納品可能な配送ルートとして、配送拠点T発送の2つの配送ルート「1000」及び「1001」と、配送拠点C発送の1つの配送ルート「1013」があることが示されている。
配送日割テーブルは、配送拠点ごとに異なるテーブルとして形成されていてもよいし、
図8に例示されるように一つのテーブルとして形成されていてもよい。
【0040】
図9は、配送情報テーブルの例を示す図である。
配送情報テーブルは、配送ルートごとに配送日数を管理する。
配送日数は、対象配送ルートにおいて配送拠点から顧客店舗へたばこ商品を納品するのに要する日数を意味する。このため、当日納品可能な配送ルートの配送日数は「0」に設定され、翌日納品可能な配送ルートの配送日数は「1」に設定され、翌々日納品可能な配送ルートの配送日数は「2」に設定される。例えば、
図2に例示される物流フローでは、配送拠点DBから顧客店舗STに直接配送を行う配送ルートの配送日数は「0」に設定され、配送拠点DBから中継拠点DRを経由して顧客店舗STに配送を行う配送ルートの配送日数は「1」に設定され、顧客店舗STが離島にある場合のような配送拠点DBから宅配業者の宅配センターDCを経由して顧客店舗STに配送を行う配送ルートの配送日数は「2」に設定される。
このように本実施形態では、一つの配送ルートには同一の配送日数で納品可能な顧客店舗のみが設定される。
【0041】
営業日テーブルは、流通事業者の受注組織ごとの営業日を示す情報に加えて、配送拠点ごとの営業日を示す情報を更に格納している。配送拠点の営業日は、配送拠点において少なくとも仕分業務が行われる日である。
配送ルート情報テーブルは、配送ルートごとにその配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順を示す。例えば、配送ルート情報テーブルでは、配送ルートごとに、配送ルートコード、その配送ルートに含まれる顧客店舗の店舗ID、その配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順の情報などが関連付けられて格納される。但し、配送ルート情報テーブルは、上述した配送情報テーブルと統合されてもよい。
【0042】
図5には、情報管理DB27が支援サーバ10内に設けられる例が示されたが、情報管理DB27は、本システム1内の他のサーバ装置内に設けられてもよいし、本システム1外のサーバ装置内に設けられてもよい。
また、情報管理DB27に格納される上述の各種テーブルのうちの一部が本システム1内の他のサーバ装置内に格納されてもよいし、本システム1外のサーバ装置内に格納されてもよい。
【0043】
データ参照部25は、情報管理DB27に格納される上述の各種テーブルを参照可能であり、概要の項で述べた参照手段に相当する。
ここで情報管理DB27が支援サーバ10とは異なる他のサーバ装置に設けられる場合には、データ参照部25は通信で当該他のサーバ装置にアクセスし、情報管理DB27を参照することができる。
【0044】
データ参照部25は、情報管理DB27に格納される上述の各種テーブルを参照し、各種テーブルから必要な情報を読み出す。例えば、データ参照部25は、対象顧客店舗の店舗IDを用いて顧客情報テーブルから対象顧客店舗の顧客情報を読み出す。読み出される顧客情報は、納品頻度、納品タイミングパターン、配送拠点、配送ルート、受注所要日数、決済方法、決済タイミング、受注方法、変更フラグ等を示す。データ参照部25は、概要の項で述べた読出手段にも相当する。
【0045】
特定部21は、対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定する。本実施形態では、特定部21は、読み出された対象顧客店舗の納品頻度が週1回より少ない頻度を示す場合には、納品パターンテーブルにおいて、読み出された対象顧客店舗の納品タイミングパターンに該当する日付を納品候補日として特定する。続いて、特定部21は、読み出された対象顧客店舗の配送拠点及び配送ルートで納品可能な日付であって当該納品候補日にも該当する日付を配送日割テーブルから特定し、その特定された日付を対象顧客店舗の納品日として特定する。一方で、対象顧客店舗の納品頻度が週1回以上である場合には、特定部21は、納品パターンテーブルを参照することなく、読み出された対象顧客店舗の配送拠点及び配送ルートで納品可能な日付を配送日割テーブルから特定し、その特定された日付を対象顧客店舗の納品日として特定すればよい。
このように本実施形態によれば、納品頻度だけでなく納品タイミングパターンを顧客店舗ごとに管理し、特に納品頻度が週1回より少ない頻度を示す場合にはより詳細な納品タイミングパターンに基づいて納品日が決定されるため、顧客店舗のニーズに合った細かい流通スケジュールを立てることができる。
【0046】
第一決定部22は、特定部21により特定された納品日に対応する仕分日を決定する。このため、第一決定部22は、概要の項で述べた第一決定手段に相当する。
本実施形態において第一決定部22は、データ参照部25により読み出された対象顧客店舗の配送拠点及び配送ルートに基づいて、配送情報テーブルからその配送ルートの配送日数を読み出し、特定部21により特定された対象顧客店舗の納品日からその読み出された配送日数を差し引くことでその納品日に対応する仕分候補日を決定する。続いて、第一決定部22は、データ参照部25により読み出された対象顧客店舗の配送拠点に基づいて、営業日テーブルからその配送拠点の営業日を読み出し、先に決定した仕分候補日のうち配送拠点の営業日に該当する日を当該納品日に対応する仕分日として決定する。
このように本実施形態によれば、顧客店舗ごとの配送ルートに応じた配送日数及びその配送ルートの配送拠点の営業日を管理して、それら情報を参照することで、各顧客店舗の取引条件や取引形態に合った仕分日を決定することができる。
【0047】
第二決定部23は、概要の項で述べた第二決定手段に相当し、データ参照部25により読み出された対象顧客店舗の決済方法及び決済タイミングに基づいて、特定部21により特定された納品日に対応する支払日を決定する。例えば、対象顧客店舗の決済タイミングが納品日当日(「-」)を示す場合には、第二決定部23は、納品日と同日の支払日を決定する。
第二決定部23は、納品日とは異なる日付に支払日を決定する場合には、その対象顧客店舗の決済方法に基づいてその支払日が決済可能日か否かを判定し、その支払日が決済不可能な日である場合には、その支払日を決済可能な日に遡らせることが好ましい。例えば、納品日が3月8日の月曜日に決定されており、決済タイミングが納品日の前日を示す場合には、支払日が3月7日の日曜日に決定されるが、決済方法が口座振込である場合、日曜日の口座振込が不可能であるため、支払日は3月5日の金曜日に決定される。
【0048】
第三決定部24は、概要の項で述べた第三決定手段に相当し、特定部21により特定された納品日に対応する注文日を決定する。
本実施形態において第三決定部24は、特定部21により特定された納品日に対応するように第一決定部22により決定された仕分日及び第二決定部23により決定された支払日のうち早いほうを選択し、選択された早いほうの日付から、データ参照部25により読み出された対象顧客店舗の受注所要日数を差し引くことで仮注文日を決定する。続いて、第三決定部24は、データ参照部25により読み出された対象顧客店舗の受注方法に対応する受注組織の営業日を営業日テーブルから読み出し、読み出された営業日に基づいて先に決定した仮注文日で受注可能か否かを判定する。第三決定部24は、受注可能であればその仮注文日をそのまま注文日に決定し、受注不可能であればその仮注文日を直近の受注可能な日まで遡らせて(1日以上差し引いて)注文日とする。
【0049】
上述したとおり、顧客情報テーブルから読み出された対象顧客店舗の顧客情報に基づいてその対象顧客店舗に対するたばこ商品の流通スケジュール(納品日、仕分日、支払日及び注文日)が決定される。決定された納品日、仕分日、支払日及び注文日は、対象顧客店舗の店舗IDと関連付けられて情報管理DB27に格納される。
ここで顧客情報テーブルに格納される顧客情報のうちこれら流通スケジュールに影響を及ぼす項目が変更される場合がある。
データ参照部25は、顧客情報のうち流通スケジュールに影響を及ぼす項目が変更されたことを検知すると、顧客情報テーブルにおいてその顧客情報の変更フラグを立てる。
図6に例示される顧客情報テーブルによれば、納品頻度、納品タイミングパターン、配送拠点、配送ルート、受注所要日数、決済方法、決済タイミング、受注方法等が流通スケジュールに影響を及ぼす項目に該当する。
変更フラグが立っている顧客情報の存在が検知されると、特定部21、第一決定部22、第二決定部23及び第三決定部24は、その変更フラグが立っている顧客情報に基づいて、納品日、仕分日、支払日及び注文日を再決定する。その後、データ参照部25は、納品日等が再決定された対象顧客店舗の店舗情報の変更フラグを下す。
このように本実施形態によれば、顧客情報の変更に伴い自動で流通スケジュールを更新することができ、顧客店舗ごとに常に最新の流通スケジュールを提示することができる。
【0050】
データ生成部26は、配送日割テーブルを生成する。データ生成部26は、配送ルートが追加された場合や新たな年の日付に配送日割テーブルを対応させる場合等に、配送日割テーブルを更新する。このように「配送日割テーブルの生成」には、新たに配送日割テーブルを作り出すことだけでなく、既存の配送日割テーブルに対するデータの追加や更新も含まれる。
データ生成部26は、指定期間内の日付ごとの曜日情報と各配送ルートコードにおける曜日を指し示す所定桁目(本実施形態では4桁目)のコードとに基づいて、各日付のデータとその日付に納品可能な配送ルートコードとを関連付けて配送日割テーブルを生成する。例えば、2022年1月の曜日情報及び配送ルートの情報が取得された場合、2022年1月10日の日付に対して、その日が月曜日であることから、4桁目が月曜日を指し示す配送ルートコード「1001」をその日付に関連付けることができる。
【0051】
データ生成部26は、指定期間内の日付情報及び曜日情報を入力画面で入力された情報に基づいて取得してもよいし、他のサーバ装置から受信してもよい。また、配送ルートコード及び配送拠点の情報は、配送情報テーブルから取得することができる。
このように本実施形態によれば、配送ルートコードの所定桁目(4桁目)のコードで納品可能な曜日情報を示すことにより、配送ルートが追加された場合や新たな年の日付に配送日割テーブルを対応させる場合等に配送日割テーブルを自動生成(自動更新)することができる。
【0052】
出力処理部28は、概要の項で述べた出力手段に相当し、本実施形態では、情報管理データベース27に顧客IDと関連付けられて格納される納品日、仕分日、支払日及び注文日に基づいて、対象顧客店舗の所定期間内の日付対応情報及び対象顧客店舗の情報を含む流通スケジュール情報を出力装置15に出力させる。この流通スケジュール情報の出力形態は何ら制限されず、例えば、印刷装置から紙媒体を介して出力される。
ここで上述したとおり、仕分日、支払日及び注文日は、特定部21により特定された納品日を基準にして決定されるが、特定部21は、通常、顧客店舗ごとに所定期間内の複数の納品日を決めることになる。この所定期間は、入力画面等を介して支援サーバ10のユーザにより指定されてもよいし、他のサーバ装置から指定されてもよい。これにより、第一決定部22、第二決定部23及び第三決定部24は、顧客店舗ごとの当該所定期間内の各納品日に対応するように、仕分日、支払日及び注文日をそれぞれ決定することになる。
出力処理部28は、特定部21により特定された所定期間内における対象顧客店舗の複数の納品日の各々に対して当該決定された支払日及び注文日をそれぞれ関連付けた、所定期間内の日付対応情報及び対象顧客店舗の情報を含む流通スケジュール情報を出力装置15に出力させる。
【0053】
図11は、流通スケジュールの出力例を示す図である。
図11に例示される御注文日連絡表では、対象顧客店舗の情報として左上に店舗の所在地及び店舗名称が示されており、注文日(御注文日と表記)、納品日(納品予定日と表記)及び支払日(御支払日と表記)の複数の組合せが表形式で関連付けられて示されている。
図11の例によれば、対象顧客店舗の納品頻度は週6回とされており、納品予定日が2021年4月1日から同年5月14日までの流通スケジュール情報が提示されている。例えば、4月17日土曜日に納品されるたばこ商品については4月12日月曜日までに注文が必要であり、その代金は4月19日月曜日までに支払う必要があることが示されている。
【0054】
出力処理部28は、各顧客店舗の顧客情報及び配送ルート情報テーブルに格納される情報に基づいて、流通事業者の配送拠点ごとに、配送ルートコードの順かつその配送ルートコードが示す配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順に、各顧客店舗の流通スケジュール情報を出力することができる。
これにより、各配送拠点では、或る配送ルートを担当する配達員に、その配送ルートに含まれる全ての顧客店舗のための流通スケジュール情報をその出力順に渡すことで、配達員は、その配送ルートの配送順に並んだ状態で流通スケジュール情報を入手することができ、たばこ商品の配送と共に顧客店舗にその流通スケジュール情報の配布を行うことができる。
【0055】
[たばこ流通支援方法]
以下、本実施形態に係るたばこ流通支援方法(以下、本方法と略称する場合もある)について
図12を用いて説明する。
図12は、本実施形態に係るたばこ流通支援方法の一部の工程を示すフローチャートである。
なお、
図12に示される処理フローは、顧客情報テーブルに顧客情報が格納される全ての顧客店舗を対象に実行されてもよいし、顧客情報テーブルに顧客情報が新たに追加された新たな顧客店舗のみを対象に実行されてもよいし、顧客情報が変更されて顧客情報の変更フラグが立っている顧客店舗のみを対象に実行されてもよい。
本方法は、上述の支援サーバ10のような一以上のプロセッサ及びメモリを少なくとも備えるコンピュータにより実行される。なお、本方法に含まれる各工程の具体的内容は、上述した支援サーバ10の各ソフトウェア要素の処理内容と同様であるため、適宜省略する。
【0056】
まず、支援サーバ10は、顧客情報テーブルに顧客情報が格納される複数の顧客店舗の中から処理対象となる顧客店舗(対象顧客店舗と表記)を選択する(S101)。
支援サーバ10は、顧客情報テーブルから(S101)で選択された対象顧客店舗の店舗情報を読み出す(S102)。読み出される顧客情報は、納品頻度、納品タイミングパターン、配送拠点、配送ルート、受注所要日数、決済方法、決済タイミング、受注方法、変更フラグ等を示す。
【0057】
支援サーバ10は、(S102)で読み出された対象顧客店舗の納品タイミングパターンが全ての配達可能日を示すか否かを判定する(S103)。この判定は、読み出された対象顧客店舗の納品頻度が週1回以上を示すか否かの判定であっても同意である。
納品タイミングパターンが全ての配達可能日を示す場合、即ち納品頻度が週1回以上を示す場合には(S103;YES)、支援サーバ10は、(S102)で読み出された対象顧客店舗の配送拠点及び配送ルートで納品可能な日付を配送日割テーブルから特定し、その特定された日付を対象顧客店舗の納品日として特定する(S106)。
【0058】
一方で、納品タイミングパターンが全ての配達可能日以外を示す場合、即ち納品頻度が週1回未満を示す場合には(S103;NO)、支援サーバ10は、納品パターンテーブルにおいて、(S102)で読み出された対象顧客店舗の納品タイミングパターンに該当する日付を納品候補日として選択する(S104)。続いて、支援サーバ10は、(S102)で読み出された対象顧客店舗の配送拠点及び配送ルートで納品可能な日付であって当該納品候補日にも該当する日付を配送日割テーブルから特定し、その特定された日付を対象顧客店舗の納品日として特定する(S105)。
【0059】
(S105)又は(S106)で特定される納品日の数は、一以上となり、処理対象とされる期間の長さに応じて決まる。処理対象とされる期間の長さは、納品パターンテーブル及び配送日割テーブルに格納される期間とされてもよいし、別途、指定された期間とされてもよい。
支援サーバ10は、(S105)又は(S106)で特定された一以上の納品日の中の一つの納品日を選択する(S110)。
【0060】
次に、支援サーバ10は、(S102)で読み出された対象顧客店舗の配送拠点及び配送ルートに基づいて、配送情報テーブルからその配送ルートの配送日数を読み出し、(S110)で選択された納品日からその読み出された配送日数を差し引くことで、その納品日に対応する仕分候補日を決定する(S111)。
続いて、支援サーバ10は、(S102)で読み出された対象顧客店舗の配送拠点に基づいて、営業日テーブルからその配送拠点の営業日を読み出し、(S111)で決定された仕分候補日のうちその配送拠点の営業日に該当する日を(S110)で選択された納品日に対応する仕分日として決定する(S112)。
【0061】
次に、支援サーバ10は、(S102)で読み出された対象顧客店舗の決済方法及び決済タイミングに基づいて、(S110)で選択された納品日から支払日を決定する(S113)。このとき、対象顧客店舗の決済タイミングが納品日当日(「-」)を示す場合には、支払日は納品日と同日に決定され、決済タイミングに応じて納品日とは異なる日付に支払日を決定する場合には、その対象顧客店舗の決済方法に基づいてその支払日が決済可能日か否かが判定され、その支払日が決済不可能な日である場合には、その支払日を決済可能な日に遡らせて決定される。
【0062】
次に、支援サーバ10は、(S110)で選択された納品日に対応するよう(S112)で決定された仕分日及び(S113)で決定された支払日のうち早いほうを選択し、その選択された早いほうの日付から、(S102)で読み出された対象顧客店舗の受注所要日数を差し引くことで仮注文日を決定する(S114)。
続いて、支援サーバ10は、(S102)で読み出された対象顧客店舗の受注方法に対応する受注組織の営業日を営業日テーブルから読み出し、その読み出された営業日に基づいて、(S114)で決定した仮注文日から(S110)で選択された納品日に対応する注文日を決定する(S115)。このとき、(S114)で決定された仮注文日がその受注組織の営業日に該当するか否か(その受注組織で受注可能か否か)が判定され、受注可能であればその仮注文日がそのまま注文日に決定され、受注不可能であればその仮注文日が直近の受注可能な日まで遡らせて(1日以上差し引いて)注文日とされる。
【0063】
このように(S110)で選択された一つの納品日に対して仕分日、支払日及び注文日が決定されると、支援サーバ10は、(S105)又は(S106)で特定された一以上の納品日の中で未処理の納品日がないかを判定する(S116)。未処理の納品日が残っている場合には(S116;YES)、支援サーバ10は、未処理の納品日の中から一つの納品日を選択して(S110)、(S111)以降を実行する。
【0064】
(S105)又は(S106)で特定された全ての納品日の各々に対して仕分日、支払日及び注文日がそれぞれ決定される、即ち未処理の納品日がなくなると(S116;NO)、支援サーバ10は、(S101)で選択された対象顧客店舗に関して決定された納品日、仕分日、支払日及び注文日を関連付けて情報管理DB27に格納する(S117)。例えば、支援サーバ10は、対象顧客店舗の店舗IDと、納品日、仕分日、支払日及び注文日の一以上の組合せとを対応付けた状態で情報管理DB27に格納する。
【0065】
その後、
図12に図示されていないが、ユーザ操作或いは所定の処理スケジュールを契機にして、支援サーバ10は、対象顧客店舗の所定期間内の納品日、仕分日、支払日及び注文日の一以上の組合せに係る日付対応情報及び対象顧客店舗の情報を含む流通スケジュール情報を出力装置15に出力させる。
【0066】
図12は本方法のフローの一例を示すに過ぎず、
図12に示される各工程の実行順などは適宜変更可能である。
例えば、仕分日を決定する工程(S111)及び工程(S112)は、支払日を決定する工程(S113)と並行して実行されてもよいし、工程(S113)の後に実行されてもよい。
【0067】
[変形例]
上述の実施形態は例示であり、趣旨を逸脱しない範囲で上述の内容は適宜変形可能である。
例えば、納品日の特定、仕分日の決定、支払日の決定、及び注文日の決定の一部は、上述の実施形態とは異なる手法で行われてもよい。
例えば、特定部21及び工程(S103)から工程(S106)による納品日の特定は、本システム1内のコンピュータに対するユーザ操作により入力された納品日データの取得で実現されてもよいし、予め決められており電子ファイルに格納されている納品日データの取得で実現されてもよい。
また、第一決定部22及び工程(S111)から工程(S112)による仕分日の決定は、納品日から予め決められた日数(例えば1日、2日等)を減した日を仕分日として決定する手法で行われてもよい。
第二決定部23及び工程(S113)による支払日の決定は、納品日と同日或いは前日など固定的に決定されるようにしてもよい。
また、第三決定部24による注文日の決定では、顧客店舗ごとに決められた受注所要日数の差し引きを行うことなく、共通に決められた日数の差し引きを行うようにしてもよいし、その差し引きを行わないようにしてもよい。
また、情報管理DB27に格納される各種テーブルから、上述の処理において利用されない情報については省かれてもよい。
【0068】
上記の実施形態及び変形例の一部又は全部は、次のようにも特定され得る。但し、上述の実施形態及び変形例が以下の記載に制限されるものではない。
(1)
顧客店舗ごとにたばこ商品に関する決済方法、決済タイミング、及び受注方法を少なくとも示す顧客情報を格納する顧客情報テーブル及びたばこ商品の受注組織ごとの営業日を管理する営業日テーブルを参照可能な参照手段と、
前記顧客情報テーブルから対象顧客店舗の決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出す読出手段と、
前記対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定する特定手段と、
前記特定された納品日に対応する仕分日を決定する第一決定手段と、
前記読出手段により読み出された前記対象顧客店舗の前記決済方法及び前記決済タイミングに基づいて、前記特定手段により特定された納品日に対応する支払日を決定する第二決定手段と、
前記読出手段により読み出された前記対象顧客店舗の前記受注方法に基づいて前記営業日テーブルから該受注方法に対応する受注組織の営業日を読み出し、該読み出された営業日、並びに前記決定された仕分日及び支払日のうちの早い日付に基づいて、前記特定された納品日に対応する注文日を決定する第三決定手段と、
前記特定手段により特定された所定期間内における前記対象顧客店舗の複数の納品日の各々に対して前記決定された支払日及び注文日をそれぞれ関連付けた、該所定期間内の日付対応情報及び前記対象顧客店舗の情報を含む、前記対象顧客店舗の流通スケジュール情報を出力する出力手段と、
を備えるたばこ流通支援システム。
(2)
前記顧客情報テーブルに格納される顧客店舗ごとの顧客情報は、納品頻度、納品タイミングパターン、及び配送ルートを更に示し、
前記参照手段は、日付ごとに各納品タイミングパターンに該当するか否かを管理する納品パターンテーブル及び日付ごとに該日付に納品可能な配送ルートを管理する配送日割テーブルを更に参照可能であり、
前記読出手段は、前記顧客情報テーブルから、前記対象顧客店舗の納品頻度、納品タイミングパターン、配送ルート、決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出し、
前記特定手段は、前記読み出された納品頻度が週1回より少ない頻度を示す場合に、前記納品パターンテーブルに基づいて前記対象顧客店舗の前記納品タイミングパターンに該当する日付を納品候補日として特定し、特定された納品候補日の中から、前記配送日割テーブルに基づいて前記対象顧客店舗の前記配送ルートで納品可能な日を納品日として特定する、
(1)に記載のたばこ流通支援システム。
(3)
指定期間内の日付ごとに該日付に納品可能な配送ルートを管理する前記配送日割テーブルを生成する生成手段、
を更に備え、
前記配送ルートは、所定桁数のコードで形成される配送ルートコードで示されており、
前記配送ルートコードの中の所定桁目のコードは、該配送ルートコードで示される配送ルートでの納品が予定されている一つの曜日を識別可能に示しており、
前記対象顧客店舗の前記納品頻度が週2回以上を示す場合に、前記顧客情報テーブルには前記対象顧客店舗の配送ルートとして二以上の配送ルートコードが格納され、
前記生成手段は、前記指定期間内の日付ごとの曜日情報と各配送ルートコードの前記所定桁目のコードとに基づいて、各日付のデータと該日付に納品可能な配送ルートコードとを関連付けて前記配送日割テーブルを生成する、
(2)に記載のたばこ流通支援システム。
(4)
前記参照手段は、前記配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順を示す配送ルート情報テーブルを更に参照可能であり、
前記出力手段は、前記読み出された顧客情報及び前記配送ルート情報テーブルの情報に基づいて、前記配送ルートの配送拠点ごとに、前記配送ルートコードの順かつ該配送ルートコードが示す配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順に、各顧客店舗の前記流通スケジュール情報を出力する、
(3)に記載のたばこ流通支援システム。
(5)
前記顧客情報テーブルは、顧客店舗ごとに変更フラグを更に格納しており、
前記読出手段は、前記顧客情報テーブルから前記変更フラグが立っている顧客店舗の顧客情報を読み出し、
前記特定手段、前記第一決定手段、前記第二決定手段、及び前記第三決定手段は、前記読み出された前記変更フラグが立っている顧客店舗の顧客情報に基づいて、前記変更フラグが立っている顧客店舗の納品日、仕分日、支払日及び注文日を再決定し、
前記参照手段は、前記顧客情報テーブルにおける前記変更フラグが立っている顧客店舗の変更フラグを下す、
(1)から(4)のいずれか一つに記載のたばこ流通支援システム。
(6)
前記顧客情報テーブルは、顧客店舗ごとに配送ルートを更に格納しており、
前記営業日テーブルは、配送ルートの配送拠点ごとの営業日を示す情報を更に格納しており、
前記参照手段は、配送ルートごとに配送日数を管理する配送情報テーブルを更に参照可能であり、
前記読出手段は、前記顧客情報テーブルから前記対象顧客店舗の配送ルートを更に読み出し、
前記第一決定手段は、前記読み出された前記対象顧客店舗の前記配送ルートに基づいて、前記配送情報テーブルから該配送ルートの配送日数を、前記営業日テーブルから該配送ルートの配送拠点の営業日をそれぞれ読み出し、該読み出された配送日数及び営業日に基づいて、前記特定手段により特定された納品日に対応する仕分日を決定する、
(1)から(5)のいずれか一つに記載のたばこ流通支援システム。
(7)
顧客店舗ごとにたばこ商品に関する決済方法、決済タイミング、及び受注方法を少なくとも示す顧客情報を格納する顧客情報テーブル及びたばこ商品の受注組織ごとの営業日を管理する営業日テーブルを参照可能な一以上のコンピュータにより実行されるたばこ流通支援方法であって、
前記顧客情報テーブルから対象顧客店舗の決済方法、決済タイミング、及び受注方法を示す顧客情報を読み出し、
前記対象顧客店舗のたばこ商品の納品日を特定し、
前記特定された納品日に対応する仕分日を決定し、
前記読み出された前記対象顧客店舗の前記決済方法及び前記決済タイミングに基づいて、前記特定された納品日に対応する支払日を決定し、
前記読み出された前記対象顧客店舗の前記受注方法に基づいて前記営業日テーブルから該受注方法に対応する受注組織の営業日を読み出し、
前記読み出された営業日、並びに前記決定された仕分日及び支払日のうちの早い日付に基づいて、前記特定された納品日に対応する注文日を決定し、
前記特定された所定期間内における前記対象顧客店舗の複数の納品日の各々に対して前記決定された支払日及び注文日をそれぞれ関連付けた、該所定期間内の日付対応情報及び前記対象顧客店舗の情報を含む、前記対象顧客店舗の流通スケジュール情報を出力する、
ことを含むたばこ流通支援方法。
(8)
前記一以上のコンピュータは、日付ごとに各納品タイミングパターンに該当するか否かを管理する納品パターンテーブル及び日付ごとに該日付に納品可能な配送ルートを管理する配送日割テーブルを更に参照可能であり
前記顧客情報テーブルに格納される顧客店舗ごとの顧客情報は、納品頻度、納品タイミングパターン、及び配送ルートを更に示し、
前記納品日の特定では、前記読み出された納品頻度が週1回より少ない頻度を示す場合に、前記納品パターンテーブルに基づいて前記対象顧客店舗の前記納品タイミングパターンに該当する日付を納品候補日として特定し、特定された納品候補日の中から、前記配送日割テーブルに基づいて前記対象顧客店舗の前記配送ルートで納品可能な日を納品日として特定する、
(7)に記載のたばこ流通支援方法。
(9)
前記配送ルートは、所定桁数のコードで形成される配送ルートコードで示されており、
前記配送ルートコードの中の所定桁目のコードは、該配送ルートコードで示される配送ルートでの納品が予定されている一つの曜日を識別可能に示しており、
前記対象顧客店舗の前記納品頻度が週2回以上を示す場合に、前記顧客情報テーブルには前記対象顧客店舗の配送ルートとして二以上の配送ルートコードが格納され、
指定期間内の日付ごとの曜日情報と各配送ルートコードの前記所定桁目のコードとに基づいて、各日付のデータと該日付に納品可能な配送ルートコードとを関連付けて前記配送日割テーブルを生成する、
ことを更に含む(8)に記載のたばこ流通支援方法。
(10)
前記一以上のコンピュータは、前記配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順を示す配送ルート情報テーブルを更に参照可能であり、
前記流通スケジュール情報の出力では、前記読み出された顧客情報及び前記配送ルート情報テーブルの情報に基づいて、前記配送ルートの配送拠点ごとに、前記配送ルートコードの順かつ該配送ルートコードが示す配送ルートに含まれる各顧客店舗の配送順に、各顧客店舗の前記流通スケジュール情報を出力する、
(9)に記載のたばこ流通支援方法。
(11)
前記顧客情報テーブルは、顧客店舗ごとに変更フラグを更に格納しており、
前記顧客情報テーブルから前記変更フラグが立っている顧客店舗の顧客情報を読み出し、
前記読み出された前記変更フラグが立っている顧客店舗の顧客情報に基づいて、前記変更フラグが立っている顧客店舗の納品日、仕分日、支払日及び注文日を再決定し、
前記顧客情報テーブルにおける前記変更フラグが立っている顧客店舗の変更フラグを下す、
ことを更に含む(7)から(10)のいずれか一つに記載のたばこ流通支援方法。
(12)
前記顧客情報テーブルは、顧客店舗ごとに配送ルートを更に格納しており、
前記営業日テーブルは、配送ルートの配送拠点ごとの営業日を示す情報を更に格納しており、
前記一以上のコンピュータは、配送ルートごとに配送日数を管理する配送情報テーブルを更に参照可能であり、
前記顧客情報テーブルから前記対象顧客店舗の配送ルートを読み出し、
前記仕分日の決定では、前記読み出された前記対象顧客店舗の前記配送ルートに基づいて、前記配送情報テーブルから該配送ルートの配送日数を、前記営業日テーブルから該配送ルートの配送拠点の営業日をそれぞれ読み出し、該読み出された配送日数及び営業日に基づいて、前記特定された納品日に対応する仕分日を決定する、
(7)から(11)のいずれか一つに記載のたばこ流通支援方法。
(13)
(7)から(12)のいずれか一つに記載のたばこ流通支援方法を一以上のコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0069】
1 たばこ流通支援システム(本システム)
10 支援サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 入出力I/F
14 通信ユニット
15 出力装置
16 入力装置
21 特定部
22 第一決定部
23 第二決定部
24 第三決定部
25 データ参照部
26 データ生成部
27 情報管理データベース(DB)
28 出力処理部