(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044561
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20230323BHJP
F24C 15/00 20060101ALI20230323BHJP
H05B 6/12 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
A47J27/00 103R
F24C15/00 D
F24C15/00 M
H05B6/12 313
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152654
(22)【出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 理人
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
【テーマコード(参考)】
3K151
4B055
【Fターム(参考)】
3K151CA83
4B055AA02
4B055BA31
4B055CD51
4B055CD80
(57)【要約】
【課題】キーロック状態における利便性を向上させることができる調理器を提供する。
【解決手段】本発明の炊飯器は、各種操作を行なう操作手段7を備え、操作手段7を操作することにより操作信号が送出され、当該操作信号を受け付けて、この操作信号に応じた動作を行ない、操作手段7を操作しても炊飯器が操作信号に応じた動作を行なわない状態であるキーロック状態と、キーロック状態を一時的に解除する一時解除状態と、を有し、一時解除状態において、制御手段12が、60秒間、操作信号を受け付けていないときにキーロック状態に復帰する構成としている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種操作を行なう操作手段を備え、前記操作手段を操作することにより操作指示が送出され、当該操作指示を受け付けて、前記操作指示に応じた動作を行なう調理器において、
前記操作手段を操作しても前記調理器が前記動作を行なわない状態であるキーロック状態と、
前記キーロック状態を一時的に解除する一時解除状態と、を有し、
前記一時解除状態において、所定の期間、前記操作指示を受け付けていないときに、前記キーロック状態に復帰することを特徴とする調理器。
【請求項2】
各種情報を表示する表示手段をさらに備え、
前記表示手段に表示された情報を前記操作手段で選択操作することにより、前記操作指示が送出され、
前記選択操作される前記情報は、前記キーロック状態のときと前記キーロック状態ではないときとで、前記表示手段に表示される態様が異なることを特徴とする請求項1に記載の調理器。
【請求項3】
前記キーロック状態において、前記選択操作される情報で、前記操作手段により所定の操作をすることにより前記一時解除状態に移行することを特徴とする請求項2に記載の調理器。
【請求項4】
前記所定の操作は、前記操作手段を長押し操作することであることを特徴とする請求項3に記載の調理器。
【請求項5】
前記操作手段が前記調理器の天面に配置されることであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種操作を行なう操作手段のキーロックの状態を有する調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作手段を操作しても当該操作に対応した動作を調理器が行なわない状態にするキーロック機能を備える調理器が開示されており、本願出願人は、ホームキーの操作により、他のキーの操作信号を受け付けないようにするキーロックの状態と他のキーの操作信号を受け付けるキーロック解除の状態とを切り替える調理器としての炊飯器を提案している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1の炊飯器では、キーロックの状態において他のキーの操作をするためにはホームキーの操作によりキーロック解除の状態にする必要があり、一旦、他のキーの操作を行ない、再度キーロックの状態にするためには、ホームキーの操作により、一旦キーロック解除の状態にして、他のキーの操作を行なった後に再度ホームキーの操作によりキーロックの状態にする必要があった。炊飯器のような調理器のキーロック機能は、例えば子どもやペットなどが誤って何らかの操作を行ってしまうことを防止すること等を目的としているが、例えば、キーロック状態を通常設定としているケースでは、何らかの操作をする都度、キーロック機能の解除、設定を繰り返す必要があった。このようにキーロック機能の利便性には検討の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、キーロック状態における利便性を向上させることができる調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の調理器は、各種操作を行なう操作手段を備え、前記操作手段を操作することにより操作指示が送出され、当該操作指示を受け付けて、前記操作指示に応じた動作を行ない、前記操作手段を操作しても前記調理器が前記動作を行なわない状態であるキーロック状態と、前記キーロック状態を一時的に解除する一時解除状態と、を有し、前記一時解除状態において、所定の期間、前記操作指示を受け付けていないときに、前記キーロック状態に復帰することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の調理器によれば、キーロック状態における利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態における炊飯器の斜視図である。
【
図4】同上、トップ画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図5】同上、設定画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図6】同上、キーロック設定画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図7】同上、キーロック設定ポップアップ画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図8】同上、キーロック状態におけるトップ画面の表示の移り変わりを示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における炊飯器の各実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【0010】
図1~
図8は、本発明の調理器を炊飯器に応用した実施形態を示している。炊飯器全体の構成を
図1および
図2に基づいて説明すると、1は本体であり、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が開口されている。2は本体1の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体であり、本体1と同様に、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が略平坦に構成されている。蓋体2の後部には本体1との連結部となるヒンジ3が設けられ、また蓋体2の前方上面には、蓋体操作体4が露出状態で配設されており、この蓋体操作体4を押すと、本体1と蓋体2との係合が解除され、本体1の上部後方に設けたヒンジバネ(図示せず)により、ヒンジ3のヒンジ軸を回転中心として蓋体2が開く構成となっている。
【0011】
本体1の内部には、被炊飯物を加熱する誘導コイルなどの加熱手段11(
図3を参照)が配設される。被炊飯物は本体1に着脱可能な有底筒状の内鍋に収容されており、加熱手段11に高周波電流を供給すると、加熱手段11から発生する交番磁界によって、内鍋の外面に設けた磁性体が発熱し、炊飯時と保温時に本体1内の被炊飯物を加熱する構成となっている。
【0012】
蓋体2の後方上面には、内鍋内の被炊飯物から発生する蒸気を本体1の外部に排出する蒸気口5が配設される。また蓋体2の上面には、この蒸気口5や蓋体操作体4の他に、炊飯に関わる様々な情報を表示するための、画面表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)25や状態表示部としての工程LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)表示部26~29(
図4参照)などで構成される表示手段6と、例えばタッチセンサなどで構成されてLCD25の上方に配設され、炊飯を開始させたり、時間や炊飯コ-スなどを選択させたりするための操作手段7と、がそれぞれ配設される。そして、これらの下面には、炊飯器の各部を制御するための制御手段12(
図3参照)を備えた制御PC(Printed Circuit:印刷回路)板(図示せず)が配置される。したがって、本実施形態の炊飯器では、LCD25上方の操作手段7以外には、従来の炊飯器に設けられていた、例えば炊飯キーや切キーのような物理キー・ボタンなどの操作手段が存在せず、操作手段7のみで炊飯器の操作を行なうために操作時にボタンを探す手間が省け、操作性を向上させることができる。また非常にスマートな外観にすることができ、精密部品である表示手段6や操作手段7の配置されたスペースをコンパクトにすることができる。また物理キー・ボタンなどを除くことで蓋体2の上面を略平面状に構成することができ、拭き掃除などもしやすく清掃性を向上させている。
【0013】
また、蓋体2の開閉を検知するために、蓋体2の内部には蓋開閉検知手段8が設けられる。ここで蓋開閉検知手段8は、光学式、機械式、磁石式など、どのような検知方式のものでもよく、蓋体2の開閉に応じた検知信号を出力できればよい。
【0014】
次に、上記炊飯器における主な制御系統について、
図3を参照しながら説明する。同図において、本体2に装備される制御手段12は、マイクロコンピュータを構成する制御用IC17、各種の情報やデータを記憶する読み出しおよび書き込みが可能なメモリなどの記憶手段18、タイマなどの計時手段、各部の駆動素子などを含んで構成されており、制御手段12の入力ポートには、上述した操作手段7や蓋開閉検知手段8に加えて、温度検出手段13や圧力検出手段14がそれぞれ電気的に接続される。また制御手段12の出力ポートには、上述した表示手段6や加熱手段11に加えて、蒸気経路開閉手段15や減圧手段16がそれぞれ電気的に接続される。
【0015】
温度検出手段13は、内鍋の温度や、この内鍋の上方開口部を覆う図示しない内蓋の温度を検知することにより、本体1内の被炊飯物の温度を検出するものである。また圧力検出手段14は内鍋内部の圧力を検出するものであり、圧力センサなどで構成されている。
【0016】
蒸気経路開閉手段15は、内鍋で発生した蒸気を外部へ放出するための、蒸気口5と内鍋とを連通する蒸気通路を開閉するものであり、加熱手段により内鍋内部の被炊飯物が加熱されて沸騰しているときに蒸気経路開閉手段15が蒸気通路を閉塞すると、被炊飯物から蒸発した蒸気が内鍋内部から放出されないため、内鍋内の圧力を大気圧以上に加圧できる。そのため、蒸気経路開閉手段15は加圧手段としての機能も有している。
【0017】
減圧手段16は、内鍋内の圧力を通常の大気圧よりも低くするものであり、蓋体2を本体1に閉じ、蒸気経路開閉手段15で蒸気通路を閉塞した状態で、密閉した内鍋の内部圧力を低下させる。また、内鍋内の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、減圧手段16の動作源となる真空ポンプの動作を停止し、内鍋内を減圧状態に保っている。さらに、内鍋内を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す場合には、真空ポンプの動作を停止し、この真空ポンプと内鍋の内部との間を連通する図示しない経路を開放する。つまり減圧手段16は、内鍋内を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す圧力戻し手段としての構成を兼用している。
【0018】
制御手段12は、記憶手段18から読み出したプログラムの制御シーケンス上の機能として、炊飯制御手段21、保温制御手段22、表示制御手段23および条件設定手段24を制御用IC17に備えている。炊飯制御手段21は、操作手段7からの炊飯開始の指示を受けて、内鍋に投入した米の吸水を促進させるひたし炊き工程と、被炊飯物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰加熱工程と、被炊飯物の沸騰状態を継続させる沸騰継続工程と、ご飯を焦がさない程度の高温に維持する高温維持工程の各工程を順に行なう炊飯工程を実行して、内鍋内部の被炊飯物に対して所望の圧力で炊飯加熱するものである。また保温制御手段22は、内鍋内部のご飯を所定の保温温度に保つ保温工程を行なうように制御するものである。そして表示制御手段23は、操作手段7からの操作信号に基づき、各種の制御信号を生成し、また表示手段6の表示動作を制御するものである。また条件設定手段24は、表示制御手段23と連携して、操作手段7で選択できる条件の選択および設定、例えば複数のお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定がある炊飯コースの中から所望の炊飯コースの選択および設定、を可能にするものである。
【0019】
本実施形態の炊飯器1では、それぞれのお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定に応じた炊飯コースが記憶手段51に記憶されており、その記憶された炊飯コースのお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定が表示手段6に選択可能に表示され、これらの設定を行なうことで、当該炊飯コースの選択および設定を行なっている。そして炊飯制御手段21は、この炊飯コースの設定ごとに加熱手段11の制御や蒸気経路開閉手段15および減圧手段16の制御、すなわち炊飯の制御を行なっている。
【0020】
図4は、本実施形態の炊飯器1の表示手段6の上面図である。
図4~
図8は表示手段6の上面図を示しており、それぞれの図面の上側を「前」、下側を「後」、左側を「左」、右側を「右」として説明する。また、それぞれの図面の手前側を「上」、奥側を「下」として説明する。
図4において、表示手段6は、蓋体2の上面中央に配置されるLCD25と、このLCD25の前に配置される工程LED表示部26~29と、により構成される。工程LED表示部26~29は、実際の炊飯器の状態を表示するもので、本実施形態では、予約設定がされていているときに「予約」の工程LED表示部26が点灯し、保温状態になると「保温」の工程LED表示部27が点灯し、減圧手段16により内鍋の内部が大気圧より低い真空状態になると、「真空」の工程LED表示部28が点灯し、炊飯中に内鍋の内部に圧力がかかり始めてから、被炊飯物が炊き上がるまでの内鍋の内部が加圧されているときに、「圧力」の工程LED表示部29が点灯するようになっており、LCD25のバックライトを減光させた減光状態のときでも、ユーザが炊飯器の現在の状態を一目で理解できるようにしている。また、それぞれの工程LED表示部26~29が点灯したときの光の色をそれぞれ異ならせており、炊飯器が現在どのような状態であるかを一目で理解できるようにしている。なお本実施形態では、工程LED表示部26~29の位置について、LCD25のすぐ前に配置されているが、LCD25から離れた位置に配置されてもよい。また工程LED表示部26~29を除く構成にして、これらの工程LED表示部26~29の表示内容をLCD25で表示するように構成してもよい。
【0021】
図4はトップ画面G1を示している。ユーザが予め本体1に設けた電源プラグを家庭用のコンセントに差し込むと、表示手段6や制御手段12などの各部に必要な電力が投入される。このとき表示制御手段23は、所定時間経過後または所定の起動時表示画面の表示に、表示手段6に表示される普段使いの初期画面として、
図4に示すようなトップ画面G1の配置を表示手段6に表示させる。
【0022】
図4を参照してトップ画面G1の説明をすると、その前部には、4つのボタン表示部B1~B7を左右に並べて表示したメニューキー表示領域A1が形成されている。ここで「お米」のボタン表示部B1は、「お米」なるテキスト表示体D1、および「▼」というテキスト表示体D2を含む。また「炊き方」のボタン表示部B3は、「炊き方」なるテキスト表示体D3、および「▼」というテキスト表示体D4を含む。そして「かたさ調節」のボタン表示部B5は、「かたさ調節」なるテキスト表示体D5、および「▼」というテキスト表示体D6を含む。また「水硬度」のボタン表示部B7は、「水硬度」なるテキスト表示体D7、および「▼」というテキスト表示体D8を含む。
【0023】
また、メニューキー表示領域A1の後ろには、4つの設定表示体D11~D14を左右に並べて表示した炊飯情報表示領域A2が形成される。ここで「お米」の設定表示体D11は設定されたお米の情報が表示されており、「お米」のボタン表示部B1の後ろに配置され、
図4では「白米 銘柄おまかせ」が表示されている。また「炊き方」の設定表示体D12は設定された炊き方の情報が表示されており、「炊き方」のボタン表示部B3の後ろに配置され、
図4では「かまど名人」が表示されている。そして「かたさ調節」の設定表示体D13は設定されたかたさ調整の情報が表示されており、「かたさ調節」のボタン表示部B5の後ろに配置され、
図4では「おすすめ」が表示されている。また「水硬度」の設定表示体D14は設定された水の硬度の情報が表示されており、「水硬度」のボタン表示部B7の後ろに配置され、
図4では「40~60」が表示されている。
【0024】
そして、炊飯情報表示領域A2の後ろには、時計用表示体D16に表示される数字が炊飯時間であることを想起させる「炊飯時間」なるテキスト表示体D15と、炊飯所要時間や、実際の炊飯完了までの時間である残時間や、予想される炊飯完了の時刻である炊上り時刻などを表示し、
図4では炊飯情報表示領域A2の設定から算出された炊飯所要時間である「約38分」が表示された時計用表示体D16と、「炊飯スタート」なるテキスト表示体D17を含むボタン表示部B17と、が左右に並べて表示される。
【0025】
またトップ画面G1の後部には、歯車の図形を想起させるテキスト表示体D18を含む設定用ボタン表示部B18と、「保温」なるテキスト表示体D19を含むボタン表示部B19と、「予約」なるテキスト表示体D20を含むボタン表示部B20と、現在時刻を表示する時刻用表示体D21と、「切」なるテキスト表示体D22を含むボタン表示部B22と、が左右に並べて表示される。
【0026】
タッチセンサで構成された操作手段7は、例えば、導電性ポリマーによる透明電極部と制御PC板に接続する接点部との間をパターン配線で繋いだ構成要素が、タッチキーとして複数配設されるものであり、LCD25に表示される複数のボタン表示部の何れかにタッチ操作を行なうことで、そのボタン表示部の上に配設され、当該ボタン表示部に対応したタッチキーがタッチ操作されて、このボタン表示部が選択される構成となっている。
【0027】
「切」のボタン表示部B22は、炊飯や保温をやめる際に操作されるもので、「切」のボタン表示部B22をタッチ操作すると、「切」のボタン表示部B22の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、炊飯制御手段21が本体1内の被炊飯物に対する加熱や予約炊飯を中止して切状態にする制御を行ない、表示制御手段23が、炊飯情報表示領域A2の表示を、最も直前に炊飯されたときの設定、すなわち記憶手段18に記憶されていた設定にしてトップ画面G1を表示するように表示手段6を制御する。なお、トップ画面G1で「切」のボタン表示部B22をタッチ操作すると、表示制御手段23が、炊飯前に設定され、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさ調節の設定、および水の硬度の設定を破棄して、炊飯情報表示領域A2の表示を最も直前に炊飯されたときの設定、すなわち記憶手段18に記憶されていた設定にして表示するように表示手段6を制御する。
【0028】
「炊飯スタート」のボタン表示部B17は炊飯を開始する際に操作されるもので、「炊飯スタート」のボタン表示部B17をタッチ操作すると、「炊飯スタート」のボタン表示部B17の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、条件設定手段24が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定を今回の炊飯コースの設定として記憶手段18に記憶し、炊飯制御手段21が、記憶手段18に記憶した今回の炊飯コースの設定で、本体1内の被炊飯物に対する炊飯開始の制御をする構成となっている。
【0029】
「保温」のボタン表示部B19は、保温を行なう際に操作されるもので、「保温」のボタン表示部B19をタッチ操作すると、「保温」のボタン表示部B19の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、保温制御手段22が、本体1内の被調理物に対する保温再加熱を開始するように、加熱手段11に適切な制御信号を送信する構成となっている。
【0030】
「お米」のボタン表示部B1は、被炊飯物としてのお米の種類を選択するのに操作されるもので、「お米」のボタン表示部B1をタッチ操作すると、「お米」のボタン表示部B1の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、お米選択画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、このお米選択画面でお米の種類が選択されると、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、選択されたお米の種類をテキスト表示体D11に表示するように表示手段6を制御する。
【0031】
「炊き方」のボタン表示部B3は、被炊飯物の炊き方の種類を選択するのに操作されるもので、「炊き方」のボタン表示部B3をタッチ操作すると、「炊き方」のボタン表示部B3の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が炊き方選択画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、この炊き方選択画面で被炊飯物の炊き方が選択されると、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、選択された被炊飯物の炊き方をテキスト表示体D12に表示するように表示手段6を制御する。
【0032】
「かたさ調節」のボタン表示部B5は、被炊飯物としてのご飯の食感の種類を選択するのに操作されるもので、「かたさ調節」のボタン表示部B5をタッチ操作すると、「かたさ調節」のボタン表示部B5の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、かたさ選択画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、この炊き方選択画面でご飯の食感が選択されると、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、選択されたご飯の食感をテキスト表示体D13に表示するように表示手段6を制御する。
【0033】
「水硬度」のボタン表示部B7は、被炊飯物としての水の硬度を選択するのに操作されるもので、「水硬度」のボタン表示部B7をタッチ操作すると、「水硬度」のボタン表示部B7の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、水硬度選択画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、この水硬度選択画面で水の硬度の範囲や数値が選択されると、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、選択された水の硬度の範囲や数値をテキスト表示体D14に表示するように表示手段6を制御する。
【0034】
設定用ボタン表示部B18は、炊飯器を設定するのに操作されるもので、設定用ボタン表示部B18をタッチ操作すると、設定用ボタン表示部B18の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、
図5に示されるような設定画面G2を表示するように表示手段6を制御する。
【0035】
「予約」のボタン表示部B20は、予約炊飯を行なう際に操作されるもので、「予約」のボタン表示部B20をタッチ操作すると、「予約」のボタン表示部B20の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が予約設定画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、この予約設定画面で予約の設定がされ、予約炊飯を開始させると、当該設定した予約時刻に本体1内の被炊飯物が炊き上がるように炊飯制御手段21により炊飯を開始し、また保温制御手段22による保温を開始するように制御する構成となっている。
【0036】
次に、上記構成の炊飯器について、特に設定画面G2に関連する動作の特徴を詳細に説明する。なお、ここからは説明の都合上、キーロック機能に関する説明について言及する。
【0037】
図5は、トップ画面G1で設定用ボタン表示部B18をタッチ操作したときに移行する設定画面G2を示している。同図を参照して設定画面G2を説明すると、その前部には、「設定」なるテキスト表示体D31を含むタブ表示部B31と、「ガイド」なるテキスト表示体D32を含むタブ表示部B32と、を左右に並べて表示した設定・ガイド画面表示領域A3が形成される。また設定・ガイド画面表示領域A3の後ろには、6つのボタン表示部B33~B38を前後左右に並べて表示した設定選択表示領域A4が形成される。そして設定画面G2の後部には、「戻る」なるテキスト表示体D39を含むボタン表示部B39と、「取消」なるテキスト表示体D40を含むボタン表示部B40と、が左右に並べて配置される。
【0038】
ここで「現在時刻の設定」のボタン表示部B33は「現在時刻の設定」なるテキスト表示体D33を含み、時刻用表示体D21の表示を設定するときに選択される。また「キーロックの設定」のボタン表示部B34は「キーロックの設定」なるテキスト表示体D34を含み、後述するように、すべてのボタン表示部のロック状態を設定するときに選択される。そして「画面の明るさ」のボタン表示部B35は「画面の明るさ」なるテキスト表示体D35を含み、LCD25の画面表示の明るさを設定するときに選択される。また「画面のデザイン」のボタン表示部B36は「画面のデザイン」なるテキスト表示体D36を含み、LCD25における画面で表示される背景の色を設定するときに選択される。そして「炊飯・保温の設定」のボタン表示部B37は「炊飯・保温の設定」なるテキスト表示体D37を含み、減圧手段16の真空ポンプの動作間隔や蒸気経路開閉手段15の圧力調整回数、保温時の加熱を設定するときに選択される。また「設定の初期化」のボタン表示部B38は「設定の初期化」なるテキスト表示体D38を含み、設定を初期の設定に戻す初期化をする場合で初期化の内容を設定するときに選択される。
【0039】
「設定」のタブ表示部B31および「ガイド」のタブ表示部B32は、設定画面G2またはガイド選択画面(図示せず)のどちらが現在LCD25に表示されているかを表示するものであり、「設定」のタブ表示部B31が選択され、設定画面G2がLCD25に表示されているときは、表示制御手段23は、「設定」のタブ表示部B31が背景色と略同色に表示され、「ガイド」のタブ表示部B32がグレーアウト表示で表示されるように表示手段6を制御する。その一方で「ガイド」のタブ表示部B102をタッチ操作し、「ガイド」のタブ表示部B32が選択されると、「ガイド」のタブ表示部B102の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、ガイド選択画面を表示するように表示手段6を制御する。本実施形態では、このガイド選択画面でも設定・ガイド画面表示領域A3が形成されており、「ガイド」のタブ表示部B32が選択され、ガイド選択画面がLCD25に表示されているときは、表示制御手段23は、「設定」のタブ表示部B101がグレーアウト表示で表示され、「ガイド」のタブ表示部B102が背景色と略同色に表示されるように表示手段6を制御している。
【0040】
設定選択表示領域A4内のボタン表示部B33~B38は炊飯器におけるそれぞれの設定を行なうのに操作されるものであり、ボタン表示部B33~B38のいずれか、例えば「キーロックの設定」のボタン表示部B34をタッチ操作すると、それぞれのボタン表示部B103~B108の上、例えば「キーロックの設定」のボタン表示部B34に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、選択されたボタン表示部に対応した設定画面、例えば
図6に示されるキーロック設定画面G3に移行するように表示手段6を制御する。また、それぞれの設定画面で設定が完了すると、表示制御手段23が、トップ画面G1に移行するように表示手段6を制御している。
【0041】
「戻る」のボタン表示部B39は、現在の画面、例えば設定画面G2における設定を破棄して、一つ前の画面、例えばトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「戻る」のボタン表示部B39をタッチ操作すると、「戻る」のボタン表示部B39の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、現在LCD25に表示された設定を破棄して、一つ前の画面、例えばトップ画面G1に戻って、当該一つ前の画面で表示されていた設定を表示するように表示手段6を制御する。
【0042】
「取消」のボタン表示部B40は、現在の画面、例えば設定画面G2における設定を破棄してトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「取消」のボタン表示部B40をタッチ操作すると、「取消」のボタン表示部B40の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、現在LCD25に表示された設定を破棄して、トップ画面G1に戻って、最も直前のトップ画面G1で表示されていた設定を表示するように表示手段6を制御する。
【0043】
図6は、設定画面G2で「ガイド」の「キーロックの設定」のボタン表示部B34をタッチ操作したときに移行するキーロック設定画面G3を示している。同図を参照してキーロック設定画面G3を説明すると、その前部には、「キーロックを設定できます。」なるテキスト表示体D42が配置され、テキスト表示体D42の後ろには、「ロックする」なるテキスト表示体D43を含むボタン表示部B43と、「ロックしない」なるテキスト表示体D44を含むボタン表示部B44と、が左右に並べて配置されたキーロック設定表示領域A5が形成され、現在設定されている状態のボタン表示部、例えば
図6の場合は「ロックしない」のボタン表示部B44の外周に選択表示部S1が色付き表示されている。また設定画面G2の後部には、「戻る」のボタン表示体39と、「取消」のボタン表示部B40と、が左右に並べて表示される。
【0044】
キーロック設定表示領域A5内のボタン表示部B43,B44は、タブ表示部やボタン表示部をタッチ操作しても当該操作が無効になるキーロックの設定を行なうのに操作されるものであり、「ロックする」のボタン表示部B43をタッチ操作すると、「ロックする」の表示体D43の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、
図8(A)に示されるようなキーロック状態のトップ画面G1の表示にするように表示手段6を制御する。その一方で、「ロックしない」のボタン表示部B44をタッチ操作すると、「ロックしない」の表示体D44の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、上述した
図4に示されるようなキーロック状態が解除された通常のトップ画面G1の表示にするように表示手段6を制御する。したがってキーロック設定画面G3は、キーロック手段およびキーロック解除手段としての機能も有している。
【0045】
図7は、キーロック設定画面G3からトップ画面G1に移行したときに、最初に表示されるキーロック設定ポップアップ画面G4を示している。同図を参照してキーロック設定ポップアップ画面G4を説明すると、LCD25の略全体に亘ってキーロック設定ポップアップ表示部P1が形成される。キーロック設定ポップアップ表示部P1の前部には、「キーロックを設定します」なるテキスト表示体D51が配置され、テキスト表示体D51の後ろには、白抜きの四角で表示されたチェックボックス表示部B52と、「次回より表示しない」なるテキスト表示体D53と、「OK」なるテキスト表示体D54を含むボタン表示部B54と、を左右に並べて表示している。
【0046】
チェックボックス表示部B52は、キーロック設定ポップアップ表示部P1の表示の有無を選択するときに操作されるものであり、このチェックボックス表示部B52をタッチ操作すると、チェックボックス表示部B52の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、チェックボックス表示部B52内に、例えば「レ」印などのチェックした印を表示するように表示手段6を制御する。
【0047】
そして「OK」のボタン表示部B54は、キーロック設定ポップアップ表示部P1の表示の有無を決定するのに操作されるものであり、例えば上述したチェックした印がチェックボックス表示部B52内に表示された状態で「OK」のボタン表示部B54をタッチ操作すると、「OK」のボタン表示部B54の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23は、トップ画面G1を表示するように表示手段6を制御する。そして表示制御手段23は、次回から、キーロック設定画面G3からトップ画面G1に移行したときに、キーロック設定ポップアップ表示部P1をポップアップ表示させずにトップ画面G1を表示させるように表示手段6を制御する。その一方で、例えば上述したチェックした印がチェックボックス表示部B52内に表示されておらず、白い四角の状態で「OK」のボタン表示部B54をタッチ操作すると、表示制御手段23はトップ画面G1を表示させるように表示手段6を制御し、そして表示制御手段23は、次回も、キーロック設定画面G3からトップ画面G1に移行したときに、キーロック設定ポップアップ表示部P1をポップアップ表示させるように表示手段6を制御する。
【0048】
図8(A)~(E)はキーロック状態における表示の移り変わりを、トップ画面G1を例にして示している図である。
図8(A)を参照してキーロック状態の説明をすると、トップ画面G1において、操作手段7のタッチ操作により選択操作可能な情報であるボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22が、キーロック状態ではないときである通常状態のときと比較して表示手段6に表示される態様が異なり、グレーアウト表示されている点が、
図4に示されるような通常のトップ画面G1と相違している。ここでグレーアウト表示されたボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22は、操作手段7によりタッチ操作されても、表示制御手段23が
図8(B)に示されるようなキーロックポップアップ画面G5を表示するように表示手段6を制御し、炊飯器のそれぞれの手段が操作信号に応じた動作を行なわないように制御手段12が制御することにより、操作手段7による操作を無効にするキーロック状態である。そのため表示制御手段23がボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22をグレーアウト表示し、ボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22がタッチ操作されたときにキーロックポップアップ画面G5を表示するように表示手段6を制御することにより、これらのボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22がキーロック状態であることをユーザに視覚的に報知することができる。
【0049】
図8(B)はキーロックポップアップ画面G5を示しており、同図を参照してキーロックポップアップ画面G5を説明すると、LCD25の略全体に亘ってキーロック表示部P2が形成されており、キーロック表示部P2の前端の右端には、「×」なるテキスト表示体D56を含むボタン表示部B56が配置されている。またキーロック表示部P2の前部には、南京錠の図形を想起させるテキスト表示体D57と、「画面がロックされています 一次的に解除しますか?」なるテキスト表示体D58と、が左右に並べて配置され、テキスト表示体D57,D58の後ろには、「解除(長押し)」なるテキスト表示体D59を含むボタン表示部B59が配置され、「解除(長押し)」のボタン表示部B59の後ろに、「画面ロックは「(歯車の図形)」ボタンから設定できます」なるテキスト表示体D60が配置されている。なお、テキスト表示体D60の「(歯車の図形)」を選択可能なボタン表示部にしてもよく、このとき「(歯車の図形)」のボタン表示部をタッチ操作した場合、表示制御手段23が、現在の画面から設定画面G2に移行するように表示手段6を制御してもよい。
【0050】
「×」のボタン表示部B56は、「戻る」のボタン表示部B39と同様に、例えばキーロックポップアップ画面G5で設定せずに、一つ前の画面、例えばトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「×」のボタン表示部B56をタッチ操作すると、「×」のボタン表示部B56の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、一つ前の画面、例えばトップ画面G1に戻って、当該一つ前の画面で表示されていた設定、例えばキーロック状態のボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22を表示するように表示手段6を制御する。
【0051】
「解除(長押し)」のボタン表示部B59は、キーロック状態の一時解除を選択するときに操作されるものである。しかしながらキーロック状態を一時的にも解除するため、誤操作によるキーロック状態の解除を防止するため、本実施形態では、「解除(長押し)」のボタン表示部B59の上で、所定時間継続して押し続ける長押し操作を行なうことにより、操作手段7による「解除(長押し)」のボタン表示部B59の操作が有効になる構成としている。具体的には、この「解除(長押し)」のボタン表示部B59を長押し操作すると、「解除(長押し)」のボタン表示部B59の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付け、制御手段12が、この操作信号を所定の期間である2秒間継続して受け続けたときに、制御手段12が計時手段のカウントを開始すると同時に、
図8(C)に示されるように、表示制御手段23が、キーロック状態が解除された通常のトップ画面G1を表示するように表示手段6を制御する。したがってキーロックポップアップ画面G5は、キーロックの一時解除手段としての機能も有している。
【0052】
図8(C)はキーロック状態が一時解除されたトップ画面G1を示している。このトップ画面G1において、表示制御手段23は、ボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22がキーロック状態のときと比較して表示手段6に表示される態様が異なり、通常のトップ画面G1と同様の表示にするように表示手段6を制御しており、これらのボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22が、キーロック状態のときと、キーロック状態ではないときであるキーロック状態の一時解除のときとで、表示手段6に表示される態様が異なるように表示されることで、ボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22がキーロック状態ではないことをユーザに視覚的に報知することができる。その一方で、制御手段12は計時手段のカウントを進めており、ユーザが操作して操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けるたびに、制御手段12は計時手段のカウントをクリアし、0から再度カウントを開始するように計時手段を制御する。
【0053】
計時手段のカウントが所定の期間である60秒を経過したことを制御手段12が検知すると、表示制御手段23は、
図8(C)に示されるように、LCD25のバックライトを消灯させるように表示手段6を制御し、
図5(D)に示されるように、バックライトを完全に消灯させたスリープ状態にするように表示手段6を制御する。その後、操作手段7の何れかを操作すると、操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、バックライトを点灯させて、ボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22がキーロック状態のトップ画面G1を表示するように表示手段6を制御する。このように本実施形態では、キーロック状態が一時解除された一時解除状態において、60秒間、操作手段7が操作されず、制御手段12が操作手段7からの操作信号を受け付けていないときにキーロック状態に復帰する構成であり、ユーザが炊飯器の操作をした後にキーロック状態に復帰させるために、改めてキーロック設定画面G3まで移行してキーロック状態にする操作をする必要が無く、利便性が向上している。
【0054】
以上のように、本実施形態の調理器としての炊飯器では、各種操作を行なう操作手段7を備え、操作手段7を操作することにより操作指示としての操作信号が送出され、当該操作信号を制御手段12が受け付けて、当該操作信号に応じた動作を行なうように制御手段12がそれぞれの手段を制御し、操作手段7を操作しても調理器のそれぞれの手段が操作信号に応じた動作を行なわないように制御手段12が制御する状態であるキーロック状態と、キーロック状態を一時的に解除する一時解除状態と、を有し、一時解除状態において、制御手段12が所定の期間、例えば60秒間、操作信号を受け付けていないときにキーロック状態に復帰する構成としている。
【0055】
このような構成により、キーロック状態において、例えばトップ画面G1でボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22の選択操作をするために、操作手段7を操作して、改めてキーロック設定画面G3まで移行し「ロックしない」のボタン表示部B44をタッチ操作してキーロック状態の解除をする必要がなく、利便性を向上させることができる。またキーロック状態が一時解除された一時解除状態において、ユーザが炊飯器の操作をした後にキーロック状態に復帰させるために、改めてキーロック設定画面G3まで移行してキーロック状態にする操作をする必要が無く、利便性をさらに向上させることができる。
【0056】
また本実施形態の炊飯器では、各種情報を表示する表示手段6をさらに備え、表示手段6に表示された情報としての、例えばボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22を操作手段7で選択操作することにより操作信号が送出され、これらの選択操作される情報としてのボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22が、キーロック状態のときと、キーロック状態ではないときとしての、通常状態やキーロック状態の一時解除のときとで、表示手段6に表示される態様が異なり、グレーアウト表示される構成としている。そのため、これらのボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22がキーロック状態であることをユーザに視覚的に報知することができる。またキーロック状態の一時解除をするときに、キーロック状態のボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22を選択操作するため、表示手段6に表示される態様を異ならせてグレーアウト表示することにより選択操作するボタン表示部の誤操作を抑制することができる。
【0057】
また本実施形態の炊飯器では、キーロック状態において、グレーアウト表示されたボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22で、操作手段7により所定の操作である長押し操作をすることによりボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22の一時解除状態に移行する構成である。そのため、キーロック状態を維持しつつ、ボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22をキーロックの一時解除状態にすることができ、また長押し操作をすることにより、誤操作でボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22を一時解除状態にすることを抑制することができる。
【0058】
また本実施形態の炊飯器では操作手段7が炊飯器の天面に配置される構成であり、そのため、操作手段7が目につきやすく、また操作しやすい場所に配置されるため、操作手段7を探す必要が無く、また容易に操作手段7を操作することができる。その一方で、例えばペットなどが炊飯器の天面に居座り、誤って操作手段7をタッチ操作してしまう誤操作の虞や、小さな子供などが操作手段7をイタズラで操作する誤操作の虞があるため、この炊飯器にキーロック状態やキーロックの一時解除状態を設けて、これらの誤操作を防止している。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば本実施形態では、炊飯器を実施例として説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば加熱調理器などの他の調理器でもよい。また本実施形態ではキーロック状態において、トップ画面G1における選択操作が可能なすべての表示部であるボタン表示部B1~B7,B17~B20およびB22をキーロック状態にする構成を採用しているが、例えばキーロック状態にする操作をすると、「切」のボタン表示部B22および「炊飯スタート」のボタン表示部B17のみなど、重要な表示部のみをキーロック状態にするように構成してもよい。そして本実施形態では、通常状態やキーロック状態の一時解除のときと比較して表示手段6に表示される態様が異なる、キーロック状態における表示手段6に表示されるボタン表示部の態様をグレーアウト表示にする構成を採用しているが、例えば点滅表示など別の表示方法にしてもよい。また本実施形態では、グレーアウト表示されたボタン表示部をタッチ操作してポップアップ表示されたキーロックポップアップ画面G5で操作することにより、キーロック状態の一時解除が行なわれているが、例えば
図5(D)に示されるようなバックライトを完全に消灯させたスリープ状態のときに操作手段7を、例えば長押し操作することによりキーロック状態の一時解除が行なわれてもよい。そして、実施形態中で例示した数値などはあくまでも一例にすぎず、炊飯器の仕様などに応じて適宜変更してかまわない。
【符号の説明】
【0060】
6 表示手段
7 操作手段
B1,B3,B5,B7,B17,B18,B19,B20,B22 ボタン表示部(情報)