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特開2023-44641物流管理装置、物流管理装置の制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044641
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】物流管理装置、物流管理装置の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20230323BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
B65G61/00 414
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022133016
(22)【出願日】2022-08-24
(62)【分割の表示】P 2021562349の分割
【原出願日】2021-09-17
(71)【出願人】
【識別番号】592239763
【氏名又は名称】株式会社ミスミグループ本社
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】馬場 隆
(72)【発明者】
【氏名】張 馳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】複数の保管所をカバーしてユーザに物品を供給する。
【解決手段】物流管理装置は、物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の第2保管所のそれぞれが対応する複数の第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置であって、各ユーザの物品の使用頻度を取得する取得手段と、第3保管所に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する物品を第1種類の物品として分類し、第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する物品を第2種類の物品として分類し、第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する物品を第3種類の物品として分類する分類手段と、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置であって、
各ユーザの前記物品の使用頻度を取得する取得手段と、
前記第3保管所に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの前記使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する前記物品を前記第1種類の物品として分類し、前記第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する前記物品を前記第2種類の物品として分類し、前記第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する前記物品を前記第3種類の物品として分類する分類手段と、を備える物流管理装置。
【請求項2】
前記分類手段は、前記物品を、各ユーザ毎に前記第1種類の物品、前記第2種類の物品、及び前記第3種類の物品として分類する、請求項1に記載の物流管理装置。
【請求項3】
前記分類手段は、前記第1保管所の現在の取引記録、又は前記第1保管所に対応するユーザの現在のログ情報に基づき、一定期間内にどの物品が前記第1種類の物品に属するかを予測し、予測結果に基づいて前記第1種類の物品を分類する、請求項1又は2に記載の物流管理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、発注装置から発注情報を取得し、
前記物流管理装置は、前記発注情報を取得することに応じて、第1輸送指令を前記第2保管所へ送信するか、又は第2輸送指令を前記第3保管所へ送信する輸送指令手段をさらに備え、
前記第1輸送指令は、前記第2種類の物品を特定する情報を含み、
前記第2輸送指令は、前記第3種類の物品を特定する情報を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の物流管理装置。
【請求項5】
前記輸送指令手段は、前記発注情報を取得した後から一定期間内に、前記取得手段が前記第1保管所に関連付けられた後続発注情報を取得しない場合に、前記第1輸送指令又は前記第2輸送指令を送信する、請求項4に記載の物流管理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記第1保管所から輸送要求を取得し、
前記輸送指令手段は、前記輸送要求に応じて、前記第1種類の物品を特定する情報を含む第3輸送指令を前記第1種類の物品の供給業者へ送信する、請求項4又は5に記載の物流管理装置。
【請求項7】
前記輸送指令手段は、前記発注情報に関連付けられている物品を購入リストに追加し、前記購入リストに追加された物品の合計金額が、予め設定されている金額閾値よりも大きくなった場合に、前記第1輸送指令又は前記第2輸送指令を送信する、請求項4から6のいずれか一項に記載の物流管理装置。
【請求項8】
前記第1保管所は自動販売機である、請求項1から7のいずれか一項に記載の物流管理装置。
【請求項9】
前記第3種類の物品の輸送時間は、前記第2種類の物品の輸送時間より長い、請求項1から8のいずれか一項に記載の物流管理装置。
【請求項10】
前記第1保管所が保管する物品の数量を示す物品データを記憶するメモリと、
前記取得手段が、前記第1保管所から物品配達情報を取得すると、前記物品データを更新する更新手段とをさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の物流管理装置。
【請求項11】
物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置の制御方法であって、
各ユーザの前記物品の使用頻度を取得し、
前記第3保管所に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの前記使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する前記物品を前記第1種類の物品として分類し、前記第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する前記物品を前記第2種類の物品として分類し、前記第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する前記物品を前記第3種類の物品として分類する、物流管理装置の制御方法。
【請求項12】
物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置の制御プログラムであって、
前記物流管理装置のプロセッサを、
各ユーザの前記物品の使用頻度を取得する取得手段と、
前記第3保管所に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの前記使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する前記物品を前記第1種類の物品として分類し、前記第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する前記物品を前記第2種類の物品として分類し、前記第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する前記物品を前記第3種類の物品として分類する分類手段として機能させる、物流管理装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流の分野に関し、特に、物流管理装置、物流管理装置の制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子商取引と物流業界の急速な発展に伴い、物流効率と倉庫管理に対してより高い要求が出されている。物品の流通を必要とする各企業にとって、倉庫の位置と在庫レベルは極めて重要である。不合理な倉庫の位置と在庫レベルは、サプライチェーンの運用効率を大幅に低下させ、企業の収益に影響を与え、不必要な損失をもたらす可能性がある。
【0003】
現在、企業によっては、自ら倉庫スペースを設置して在庫している物品があり、生産コストの上昇を招いている。また、様々な物品が積み重ねられ、取り扱いや交換に煩雑な作業が必要となり、極めて作業効率が悪い。物流分野では、現在の倉庫位置の選択と供給方法は、供給領域を分割し、異なる供給領域に倉庫を設置し、その倉庫に保管された物品がその領域内のユーザニーズを実質的にカバーすることにより、物流サプライチェーンの運用を実現している。
【0004】
一方、一つ又は複数の倉庫がカバーする領域内には、倉庫の中心領域と辺縁領域に近い領域が依然として存在する。そして、既存の供給方法は、辺縁領域の供給速度を保証できない。また、一つの領域内のユーザ需要は比較的複雑であり、倉庫は多くの品目を保管する必要がある。さらに、異なる品目は、しばしば保管スペースと保管方法に一定の条件を有する。これは、倉庫のコストを向上させ、且つ複雑な品目種類の積み重ねによって、倉庫の安全リスクも増加する。そのため、物流分野では、物品のバックログリスクを低減し、同時に供給効率を向上させることができる物流システム及び方法の提供が急務となっている。
【0005】
以下の特許文献1には、インテリジェント倉庫の保管管理方法が開示されている。当該保管管理方法は、製品生産に必要な資材を管理する方法であり、製品の生産計画データと資材の安全係数を取得する取得ステップと、生産計画データと安全係数に基づいて、資材の予測使用量を予測する予測ステップとを備えている。そして、生産計画データと予測使用量に基づく生産データが、無人インテリジェント倉庫保管機器に送信される。また、当該無人インテリジェント倉庫保管機器に記憶された資材の使用状況に応じて、生産データがリアルタイムに更新される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-36308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した技術的課題に対処する物流管理装置、物流管理装置の制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置であって、各ユーザの前記物品の使用頻度を取得する取得手段と、前記第3保管所に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの前記使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する前記物品を前記第1種類の物品として分類し、前記第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する前記物品を前記第2種類の物品として分類し、前記第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する前記物品を前記第3種類の物品として分類する分類手段と、を備える。
【0009】
本発明の他の一態様は、物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置の制御方法であって、各ユーザの前記物品の使用頻度を取得し、前記第3保管所に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの前記使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する前記物品を前記第1種類の物品として分類し、前記第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する前記物品を前記第2種類の物品として分類し、前記第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する前記物品を前記第3種類の物品として分類する。
【0010】
本発明のさらに他の一態様は、物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置の制御プログラムであって、前記物流管理装置のプロセッサを、各ユーザの前記物品の使用頻度を取得する取得手段と、前記第3保管所に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの前記使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する前記物品を前記第1種類の物品として分類し、前記第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する前記物品を前記第2種類の物品として分類し、前記第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する前記物品を前記第3種類の物品として分類する分類手段として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用頻度の高い順に分類された物品を複数の保管所に分けて保管し、複数の保管所をカバーしてユーザに供給することにより、使用頻度の低い物品が滞り、供給効率が悪いという従来技術の問題点を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態で提供される物流システムの各保管所の分布図である。
図2】本実施方法で1つの第1保管所に対応する輸送経路と信号リンクの概略図である。
図3】本実施の形態における単一の保管所を対象とした物流システムのシステム概略図である。
図4】本実施の形態に係る自動ロッカーの構成を示す模式図である。
図5】本発明の実施の形態による自販機データベースの概略図である。
図6】本発明の実施の形態において提供される自販機データベースにおける異なる種類の物品データベースの概略図である。
図7】本実施形態により提供されるユーザ権限データベースの概略図である。
図8】本発明の実施の形態において提供される物品処理方法の流れを示す概略図である。
図9】本発明の一実施形態で提供される供給経路の概略図である。
図10】本実施形態で提供されるさらなる供給経路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の具体的な実施形態を以下に詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、当業者が本発明をさらに理解するためのものであり、本発明をいかなる形でも限定するものではない。また、当業者は、本発明の概念を逸脱することなく、実施形態に変更又は改良を加えることができる。そして、変更又は改良を加えた実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0014】
物流分野において、現在の仕入方法では、仕入領域を区分し、異なる仕入領域に対して倉庫を設立する。この倉庫内に保管された物品は、基本的にこの仕入領域内のユーザニーズを満たすことができる。これによって、物流の供給連鎖のオペレーションを実現する。ある一つ又は複数の倉庫がカバーする仕入領域内には、倉庫を中心とする領域と、仕入領域の端に近い辺縁領域が存在する。そのため、従来の仕入方法では、辺縁領域の仕入速度を保証できない。
【0015】
また、一つの仕入領域内のユーザニーズは比較的複雑であり、倉庫は多くの物品を保管する必要がある。そして、使用頻度の低い物品は、倉庫内に蓄積するリスクが比較的高い。さらに、倉庫内の物品の種類が比較的に多いため、仕入量が不足する物品が発生する問題、又は物品が集まらない問題などがある。加えて、異なる物品は、保管スペースと保管方法に所定の条件を有することが多い。これは倉庫のコストを向上させ、且つ複雑な物品種類の積み重ねも倉庫の安全リスクを増加させる。
【0016】
本実施形態では、物流システム100を提供する。図1は、本実施形態において提供される物流システム100の各保管所の分布図である。図1を参照すると、物流システム100は、第1保管所1、第2保管所2、及び第3保管所3を備えている。なお、以下の説明において、第1保管所1を利用するユーザに対する物品の輸送は様々な態様を含む。例えば、物品は、物品を使用する複数の使用ユーザが属するユーザの所在地、例えば企業ユーザの所在地に輸送されてもよい。この場合、企業ユーザが、第1保管所1を利用するユーザとなる。また、物品は、企業ユーザに属する工場ユーザの所在地に輸送されてもよい。この場合、工場ユーザが、第1保管所1を利用するユーザとなる。さらに、物品は、第1保管所1の設置個所に輸送され、且つ輸送された物品が第1保管所1に補充されてもよい。
【0017】
第1保管所1は、物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する。そして、第1保管所1は、ユーザが位置する領域内、又は当該領域の近傍に設置され、小規模な領域をカバーして小さな収納スペースを有する。例えば、第1保管所1は、ユーザが工場にいる場合には、工場内又は工場の近傍に設置される。一例として、第1保管所1は、自動販売機(以下、「自販機」ともいう)、又はユーザが自ら物品を取り出す自動ロッカーである。なお、第1保管所1は、ユーザに物品を直接供給する場所であり、ユーザ自らが直接物品を受け取る箱、物置、又は小型の倉庫であってもよい。
【0018】
第1保管所1の少なくとも一部のスペースは、第1使用頻度に対応する第1種類の物品を収納する。第1使用頻度は、使用頻度が比較的に高い。例えば、当該スペースには、手袋又はマスクなどの消耗品が収納される。ユーザは、第1種類の物品を緊急に必要とするときに、工場内或は工場の近くの第1保管所1から直接に取得できる。これにより、第1種類の物品の輸送効率が大幅に向上する。
【0019】
第2保管所2は、複数の第1保管所1のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する。すなわち、第2保管所2は、各第1保管所1を利用する単数又は複数のユーザに対して輸送されるべき第2種類の物品を保管する。具体的に、第2保管所2はサブ倉庫であり、例えば、中規模な領域をカバーする倉庫、又は中程度の収納スペースを有する倉庫である。そして、複数の第2保管所2がカバーする輸送対象領域には、複数の第1保管所1が設置されている。なお、第2保管所2は、自動的に物品を搬出する中型の保管装置であってもよいし、生産メーカーの工場、又は販売業者の倉庫であってもよい。中規模な領域には、複数の第1保管所1が設置されている。一例として、第2保管所2とユーザとの間の輸送距離は、4時間以内に輸送できる程度の距離である。
【0020】
第2保管所2の少なくとも一部のスペースは、第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する第2種類の物品を収納する。第2使用頻度は、中程度の使用頻度である。例えば、第2種類の物品は、ユーザによる需要が発生するときに使用する必要性が切実にあるが、第1種類の物品に比べて使用頻度が比較的に低い物品、例えばレンチ、ドライバー、又は巻尺などである。このような第2種類の物品をサブ倉庫に配置することにより、第2種類の物品の流通速度を確保すると共に、第2種類の物品の輸送コストを低減できる。
【0021】
第3保管所3は、複数の第2保管所2のそれぞれが対応する複数の第1保管所1のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する。すなわち、第3保管所3は、各第1保管所1を利用する単数又は複数のユーザに対して輸送されるべき第3種類の物品を保管する。具体的に、第3保管所3はメイン倉庫であり、比較的に大規模な領域をカバーする倉庫、または大きな収納スペースを有する倉庫である。そして、第3保管所3がカバーする輸送対象領域には、複数の第2保管所2が設けられている。なお、第3保管所3が、自動的に物品を搬出する大型の保管装置であってもよいし、生産メーカーの工場、又は販売業者の倉庫であってもよい。第3保管所3がカバーするカバー領域は、第3保管所3に対応する複数の第2保管所2がカバーするカバー領域を全て含む。第3保管所3とユーザとの間の輸送距離は、ほとんどの場合、第2保管所2とユーザとの間の距離より長い。当該距離は、比較的に長距離の輸送物流に用いられる、例えば24時間以内に輸送できる程度の距離である。
【0022】
第3保管所3は、少なくとも第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する第3種類の物品を保管する。第3種類の物品は、ユーザが通常は急に必要とせず、使用頻度が第2種類の物品より低い物品、例えば、足輪又はカップリングなどである。ただし、第3種類の物品には、一部の種類の使用頻度は高いが、その他の種類の使用頻度が高くないような、種類によっては使用頻度が高くない物品も含まれる。例えば、軸受は、全体としての使用頻度は高いが種類も豊富である。そのため、特定の種類毎の軸受の実際の使用頻度は高くなく、且つユーザも通常はこの物品を迅速に受け取る必要がない。そのため、そのような物品は、第3種類の物品として、第3保管所3に保管できる。
【0023】
ユーザによる物品の使用頻度は、一定期間(例えば4週間)における物品の使用数、消費数、又は購入数などによって判断される。使用頻度が高い第1種類の物品群を、第1保管所1において供給又は販売する。そして、使用頻度が中程度の第2種類の物品群を、第2保管所2から第1保管所1を利用するユーザへ輸送する。また、使用頻度が低い第3種類の物品群を、第3保管所3から第1保管所1を利用するユーザへ輸送する。
【0024】
物品の分類は、物品の使用数、消費数、又は購入数などによって適宜最適化される。一例として、第2保管所2がカバーする領域において、使用頻度の高い順に第1保管所1の収納可能数量を考慮した数量の物品を、第1種類の物品に分類して、第1保管所1において保管する。これにより、第2保管所2がカバーする領域において、第1保管所1に保管される物品を共通化できる。また、第3保管所3がカバーする領域において、使用頻度が中程度の他の物品を、第2種類の物品に分類して、第2保管所2において保管する。これにより、第3保管所3がカバーする領域において、第2保管所2に保管される物品を共通化できる。そして、残りの使用頻度が低い物品を、第3種類の物品に分類して、第3保管所3において保管する。
【0025】
また、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品の分類基準は、ユーザによって変化してもよい。例えば、工場にいるユーザに対しては、手袋又は防護服等の加工に常用される物品が第1種類の物品に含まれてもよい。しかし、設計企業にいるユーザに対しては、手袋又は防護服等の物品は常用されておらず、第1種類の物品に含まれない。一方、一部の測量ツール又は製図ツールは、設計企業にいるユーザに対する第1種類の物品に含まれる可能性が高い。
【0026】
本実施形態のうち、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品の分類基準は、物品の供給業者とユーザとの合意により決定できる。例えば、ユーザと供給業者との間で契約を締結し、物流システム100のデータベースにデータとして分類を保存できる。これによって、よりカスタマイズされたサービスをユーザに提供できる。また、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品には、同じ物品が含まれていてもよい。
【0027】
図2は、本実施形態における一つの第1保管所1に対する輸送経路と信号リンクの概略図である。図2を参照すると、本実施形態が提供する物流システム100は、物流監視装置の一例であるサーバ4と、発注装置5とをさらに備える。発注装置5は、ユーザによる発注を受けるために使用することができ、クライアントアプリケーションがインストールされているモバイルデバイスでもよく、第1保管所1に設置されている端末装置でもよい。代替的に、発注装置5は、物流システム100に含まれない外部装置であってもよい。
【0028】
ユーザによる発注を受信する方法は、ユーザがクライアントアプリケーション又は端末装置において直接発注し且つ処理された発注情報を、サーバ4に送信する方法であってもよい。また、ユーザが物品発注のサービス提供者と契約を結び、サービス提供者が発注情報をサーバ4に送信する方法であってもよい。例えば、サービス提供者は、ユーザが発注を望む物品の内容を端末装置に入力し、当該ユーザに対応するアカウントを生成する。そして、当該ユーザに対応するアカウントの下で発注情報を生成し、サービス提供者の端末装置から生成処理によって得られた発注情報がサーバ4に送信される。
【0029】
図3は、本実施形態における一つの第1保管所1に対する物流システム100のシステム概略図である。図3を参照すると、本実施形態におけるサーバ4は、メモリ4aとプロセッサ4bとを有している。メモリ4aには、本実施形態の各種処理を実行するための指令又はデータが格納されている。そして、プロセッサ4bによって指令又はデータが読み取られる。データは、自販機データベースDBを含む。
【0030】
プロセッサ4bは、論理的装置として、輸送指令ユニット41を有している。各ユーザの物品の使用頻度を取得する取得手段と、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品を分類する分類手段として機能する。そして、分類手段としてのプロセッサ4bは、第3保管所3に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する物品を第1種類の物品として分類する分類処理を実行する。また、当該分類処理において、プロセッサ4bは、第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する物品を第2種類の物品として分類し、第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する物品を第3種類の物品として分類する。
【0031】
プロセッサ4bは、分類処理を定期的(例えば四半期ごと)に実行する。また、プロセッサ4bは、新たなユーザが設定された場合、新たな物品が設定された場合、または第1保管所、第2保管所、若しくは第3保管所が新たに設定された場合に、分類処理を実行してもよい。さらに、プロセッサ4bは、サーバ4の管理者による操作に応じて、又はユーザからの要求に応じて、分類処理を実行してもよい。また、プロセッサ4bは、第1種類の物品、第2種類の物品、若しくは第3種類の物品の消費量が所定量に達した時に、分類処理を実行してもよい。なお、プロセッサ4bは、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品を対象にして、同時に分類処理を実行してもよく、各物品毎に分類処理を実行してもよい。
【0032】
さらに、分類手段としてのプロセッサ4bは、物品を、各ユーザ毎に、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品として分類する。つまり、ユーザによって、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品に分類される物品が異なることがある。例えば、工場にいるユーザに対して第1種類の物品に分類される手袋が、設計企業にいるユーザに対して第3種類の物品に分類されることがある。
【0033】
第1保管所1は、各ユーザに対して分類された第1種類の物品を保管する。そして、第2保管所2は、第2保管所2がカバーする輸送対象領域において、複数の第1保管所1に対応する複数のユーザのそれぞれに対して分類された第2種類の物品をすべて保管する。また、第3保管所3は、第3保管所3がカバーする輸送対象領域において、複数の第1保管所1に対応する複数のユーザのそれぞれに対して分類された第3種類の物品をすべて保管する。例えば、第3保管所3は、工場にいるユーザに対して第3種類の物品に分類される測量ツールと、設計企業にいるユーザに対して第3種類の物品に分類される手袋とを保管する。
【0034】
一例として、輸送指令ユニット41は、分類された第1種類の物品の情報に基づいて、第1種類の物品の供給業者に輸送を指示する輸送指令を送る。例えば、輸送指令ユニット41は、第1保管所1を利用するユーザに第1種類の物品を初めて輸送する初期輸送指令を出す。そして、供給業者は第1種類の物品を輸送し、第1保管所1において第1種類の物品が保管される。
【0035】
また、輸送指令ユニット41は、分類された第2種類の物品の情報に基づいて、第2種類の物品の供給業者に第2種類の物品の輸送指令を送ってもよい。そして、供給業者は第2種類の物品を輸送し、第2保管所2において第2種類の物品が保管される。また、輸送指令ユニット41は、分類された第2種類の物品の情報と輸送指令を、第2保管所2を管理する管理者又は管理システムに送ってもよい。そして、管理者又は管理システムは、第2種類の物品の情報に基づいて第2種類の物品を仕入れ、第2保管所2において第2種類の物品が保管される。また、輸送指令ユニット41は、輸送指令を、第2保管所2を管理する管理者又は管理システムに送ってもよい。そして、管理者又は管理システムは、データベース(例えば図6)から第2種類の物品の情報を取得する。さらに、管理者又は管理システムは、取得した情報に基づいて第2種類の物品を仕入れ、第2保管所2において第2種類の物品が保管される。
【0036】
また、輸送指令ユニット41は、分類された第3種類の物品の情報に基づいて、第3種類の物品の供給業者に第3種類の物品の輸送指令を送ってもよい。そして、供給業者は第3種類の物品を輸送し、第3保管所3において第3種類の物品が保管される。また、輸送指令ユニット41は、分類された第3種類の物品の情報と輸送指令を、第3保管所3を管理する管理者又は管理システムに送ってもよい。そして、管理者又は管理システムは、第3種類の物品の情報に基づいて第3種類の物品を仕入れ、第3保管所3において第3種類の物品が保管される。また、輸送指令ユニット41は、輸送指令を、第3保管所3を管理する管理者又は管理システムに送ってもよい。そして、管理者又は管理システムは、データベース(例えば図6)から第3種類の物品の情報を取得する。さらに、管理者又は管理システムは、取得した情報に基づいて第3種類の物品を仕入れ、第3保管所3において第3種類の物品が保管される。
【0037】
取得手段としてのプロセッサ4bは、物流システム100の発注装置5から発注情報を取得する。さらに、プロセッサ4bは、第1保管所1から物品配達情報を取得する。
【0038】
また、プロセッサ4bは、発注情報を取得することに応じて、第1輸送指令を第2保管所2へ送信するか、第2輸送指令を第3保管所3へ送信する輸送指令手段としても機能する。ここで、第1輸送指令は、第2保管所2から第1保管所1を利用するユーザへ輸送される第2種類の物品を特定する情報を含む。また、第2輸送指令は、第3保管所3から第1保管所1を利用するユーザへ輸送される第3種類の物品を特定する情報を含む。さらに、輸送指令手段としてのプロセッサ4bは、発注情報を取得した後から一定期間内に、第1保管所1に関連付けられた後続発注情報を取得しない場合に、第1輸送指令又は第2輸送指令を送信する。
【0039】
さらに、輸送指令手段としてのプロセッサ4bは、輸送要求を取得することに応じて、第1輸送指令又は第2輸送指令を送信する。また、プロセッサ4bは、発注情報に関連付けられている物品を購入リストに追加する。そして、プロセッサ4bは、購入リストに追加された物品の合計金額が、予め設定されている金額閾値よりも大きくなった場合に、第1輸送指令又は第2輸送指令を送信する。さらに、プロセッサ4bは、第1保管所1の現在の取引記録、又は第1保管所1に対応するユーザの現在のログ情報に基づき、一定期間内にどの物品が第1種類の物品に属するかを予測する。そして、プロセッサ4bは、予測結果に基づいて前記第1種類の物品を分類する。
【0040】
また、プロセッサ4bは、第1保管所1から物品配達情報を取得すると、物品データを更新する更新手段としても機能する。物品データは、第1保管所1が保管する物品の数量を示し、メモリ4aが記憶している。
【0041】
また、メモリ4aは、物流管理装置の制御プログラムを記憶している。プロセッサ4bが物流管理装置の制御プログラムを実行することによって、プロセッサ4bは、取得手段、分類手段、輸送指令手段、及び更新手段として機能する。一例として、プロセッサ4bは、輸送指令ユニット41を有している。そして、輸送指令ユニット41は、輸送指令手段として機能する。
【0042】
輸送指令ユニット41は、初めて第1種類の物品を第1保管所1に輸送する初期輸送指令を出す。また、輸送指令ユニット41は、第1保管所1を利用するユーザに第1種類の物品を輸送する輸送指令を出す。サーバ4は、第1保管所1(例えば、自販機)と、発注装置5とに、通信可能に接続されている。輸送指令ユニット41は、発注装置5から発注情報を受信できる。また、発注装置5は、ユーザによる発注情報を受けて、発注情報を輸送指令ユニット41に送信できる。そして、輸送指令ユニット41は、発注情報に基づいて、発注情報の分割、計算、配布、又は他の適切な処理を実行できる。
【0043】
本実施形態が提供するサーバ4が処理可能な発注は、予約発注であってもよいし、一時的な発注であってもよい。ユーザは、予約票を生成することにより、その後一定期間使用する可能性のある物品を予約できる。予約票を生成した後、輸送担当者は、予約票に記載された所定の種類と数量の物品を所定の時間に所定の場所に輸送し、且つ周期的に輸送を繰り返す。
【0044】
ユーザに一時的な物品需要が発生した場合には、一時的な伝票を生成でき、輸送担当者は所定の時間内に、指定された物品を指定された場所に輸送する。一時的な伝票は、予約票と比べて需要の発生が一時的である。そのため、一時的な伝票による輸送速度は、物流システム100の性能評価の重要な指標となる。
【0045】
本実施形態によって提供される輸送指令ユニット41は、予約発注に対する処理と一時的な発注に対する処理とを両立できる。特に、輸送指令ユニット41は、一時的な発注の全体的な輸送速度を向上させることができる。一時的な発注を例にとると、ユーザによる一時的な発注には、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品が同時に含まれている場合がある。また、一時的な発注には、第1種類の物品のみ、第2種類の物品のみ、又はその他類似の状況が含まれている場合もある。
【0046】
ユーザが作成する一時的な伝票に第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品が同時に含まれる場合、輸送指令ユニット41は、物品の種類によって物品の輸送先を決定できる。そして、輸送指令ユニット41は、輸送先に対応する保管所に輸送指令を送る。具体的に、一時的な発注は、複数のサブ発注に分けられる。例えば、複数のサブ発注は、少なくとも第1サブ発注、第2サブ発注、及び第3サブ発注を含む。この第1サブ発注は、元の発注から第1種類の物品を分割したサブ発注である。そして、第1サブ発注に基づき、サーバ4は、第1種類の物品の供給業者(例えば、輸送業者、生産メーカー、販売業者、又は販売店)に、第1種類の物品を第1保管所1を利用するユーザに輸送させるための初期輸送指令(又は第3輸送指令)を出す。なお、第2保管所2に第1種類の物品も保管し、第2保管所2の管理業者が第1種類の物品の供給業者の役割を担うようにしてもよい。同様に、第3保管所3に第1種類の物品も保管し、第3保管所3の管理業者が第1種類の物品の供給業者の役割を担うようにしてもよい。
【0047】
第2サブ発注は、第2種類の物品を元の発注から分割したサブ発注である。第2サブ発注によって、輸送指令ユニット41は第1輸送指令を送り、第1輸送指令は第2保管所2から第1保管所1を利用するユーザへの第2種類の物品の輸送指示を含む。つまり、ある数量の第2種類の物品が元の発注に含まれている場合、発注された数量に合った数量の第2種類の物品を第2保管所2から第1保管所1を利用するユーザに輸送するように、輸送指令ユニット41は、第2保管所2に第1輸送指令を送信できる。
【0048】
第3サブ発注は、第3種類の物品を元の発注から分割したサブ発注である。同様に、ある数量の第3種類の物品がユーザによる元の発注に含まれている場合、発注された数量に合った数量の第3種類の物品を第3保管所3から第1保管所1を利用するユーザに輸送するように、輸送指令ユニット41は、第3保管所3に第2輸送指令を送信できる。
【0049】
ユーザが生成する一時的な発注に第1種類の物品しか含まれていない場合、第2保管所2又は第3保管所3に第1種類の物品が保管されていれば、第2保管所2又は第3保管所3から第1保管所1を利用するユーザに第1種類の物品を配達できる。代替的に、第1種類の物品の製造業者或いは販売業者に直接発注し、第1種類の物品の生産業者或いは販売業者が第1保管所1を利用するユーザへの輸送作業を負担してもよい。
【0050】
また、ユーザからの一時的な発注に、第2種類の物品又は第3種類の物品のみが含まれている場合、輸送指令ユニット41は、輸送指令を選択的に送信する。具体的に言えば、一時的な発注に第2種類の物品のみが含まれる場合、一時的な発注における第2種類の物品の種類及び数量などの情報によって、第1輸送指令が生成される。そして、第1輸送指令が第2保管所2に送られ、第2保管所2のコンピュータ装置又は担当者は、第2種類の物品の輸送を手配する。一時的な発注に第3種類の物品のみが含まれている場合は、上記の場合と同様に輸送を手配すればよい。
【0051】
本実施形態では、輸送指令ユニット41と通信する発注受信部21、31は、ユーザの発注情報を受信した後、輸送を手配する。そして、輸送者によって対応する物品が輸送されて第1保管所1に保管され、或いは直接ユーザに引き渡される。さらに、本実施形態では、第1保管所1はユーザがいる場所の付近に設置された自動販売機であり、例えば工場の敷地内或いは工場の近くに設置されている。
【0052】
または、第1保管所1は、受取人が自ら部品を取り出す自動ロッカーである。そして、輸送サービス提供者は、ユーザが発注した物品を自動ロッカーの複数の収納区画10の一つに置く。そして、輸送サービス提供者は、この収納区画10をロックする。その後、ユーザは、動的なパスワード、身元認証(例えば画像識別若しくはカード識別など)、又は無線通信などの方法で認証を受ける。認証を受けた後、ユーザは、解錠ユニット12を利用して対応する収納区画10を解錠し、対応する収納区画の物品を自ら取り出す。自動ロッカーを設置し、本実施形態で紹介した物流システム100と連携させることにより、個別に配置する購買人員を削減できる。さらに、購買人員を必要とせずに、異なるユーザの物品購買ニーズを満たし、購買及び決済等の段階の作業量を削減できる。
【0053】
図4は、本実施形態で提供される自動ロッカーの概略構造図である。図3及び図4を参照すると、自動ロッカーは、認証装置11と複数の収納区画10とを含む。認証装置11は、ICカード読み取り装置及びカメラを含み、カード読み取り認識又は画像認識の方法でユーザの身元を認証し、サブユーザの権限を判定できる。異なる収納区画10には、異なる種類又は異なる数量の第1種類の物品が格納されている。ただし、異なる収納区画10に、同一の種類且つ同一の数量の第1種類の物品が格納されていてもよい。一部の実施方法においては、一部の収納区画10が第2種類の物品或いは第3種類の物品の一時保存に用いられてもよい。
【0054】
第1保管所1を利用するメインユーザが企業ユーザである場合、企業ユーザは、物品を使用する従業員(サブユーザ)の少なくとも一部のためにアカウントを開設できる。各アカウントは、対応する権限を有しており、アカウント及び対応する権限は、サーバ4のユーザ権限データベースDB4に記録されている。もちろん、アカウント及び対応する権限は、自動ロッカーに保存されていてもよい。異なる権限のアカウントは、異なる種類又は数量の第1種類の物品の受取権限を有する。例えば、高い権限のアカウントは、より多くの種類又はより多くの数量の第1種類の物品を受け取ることができる。一方、低い権限のアカウントで受け取ることができる物品の種類又は数量は相対的に少ない。
【0055】
異なる権限を設定することにより、本実施形態に係る物流システム100は、認証装置11によって認識されたサブユーザの権限に応じて、対応する収納区画10のロッカードアを開放できる。特に、ロッカードアが開放される収納区画10は、対応する種類及び数量の第1種類の物品が収納されている収納区画10であってもよい。例えば、通常の権限を持つ部門又は従業員は毎週8箱のマスクを受け取ることができ、高い権限を持つ部門又は従業員は毎週10箱のマスクを受け取ることができる。この場合、通常の権限に対応するマスクは8箱を一つのセットとして一つの収納区画10に置き、高い権限に対応するマスクは10箱を一つのセットとして一つの収納区画10に置く。
【0056】
通常の権限を持つ部門又は従業員がマスクを受け取る必要がある場合には、8箱のマスクを収納した収納区画10が開放される。そして、より権限の高い部門又は従業員がマスクを受け取る必要がある場合には、10箱のマスクを収納した収納区画10が開放される。以上により、各サブユーザは、予め設定された規則に従って合理的な量の第1種類の物品を取得でき、第1種類の物品取得の安全性と分配の合理性を向上させることができる。
【0057】
さらに、いくつかの実施形態では、携帯端末の使用に熟練していない従業員が容易に取り扱うために、サブユーザが携帯端末に組み込まれた発注装置5上で直接発注を行うことができる発注装置5を携帯端末に組み込むこともできる。
【0058】
本実施形態の物流システム100では、サーバ4に、自動販売機毎に対応して配置されたデータベースである自販機データベースDBが記憶されている。図5を参照すると、サーバ4は、各自動販売機に対応する自販機データベースDBと共に、第1種類の物品データベースDB1、第2種類の物品データベースDB2、第3種類の物品データベースDB3、ユーザ権限データベースDB4、及びその他のデータベースを含む。
【0059】
図6を参照すると、第1種類の物品データベースDB1には、第1種類の物品に分類された物品の種類を全て含む少なくとも第1種類の物品の種類リストが格納されている。同様に、第2種類の物品データベースDB2には、第2種類の物品として分類された物品の種類の種類リストがすべて含まれる。また、第3種類の物品データベースDB3には、第3種類の物品として分類された物品の種類の種類リストがすべて含まれる。第1種類の物品データベースDB1、第2種類の物品データベースDB2、及び第3種類の物品データベースDB3は、物品の種類に基づいてそれがどの種類の物品に属するかを検索するために用いられる。
【0060】
図7を参照すると、ユーザ権限データベースDB4は、自動販売機のセルフ取り出し機能用に設定されている。具体的にユーザ権限データベースDB4は、ユーザの複数のサブユーザの情報と、各サブユーザに対応する権限設定とを含む。各権限の設定には、使用可能な物品の種類、数量、又は総額の設定方法がある。各権限のサブユーザは、1か月以内などの指定した期間内に取り出し可能な、物品の種類、取り出した数量、又は総額が上限に達するまで物品を受け取れる。一部の実施形態では、ユーザ権限データベースDB4に、各サブユーザが消費した物品の種類毎の物品の合計量を記録し、定期決済時にユーザに送信してユーザと共有することも可能である。
【0061】
本実施形態では、自動販売機は在庫管理モジュール14(図3)を含む。在庫管理モジュール14は、自動販売機の第1種類の物品の在庫量を監視するために用いられ、且つ在庫量が閾値より少ない時に輸送要求を送信する。この好ましい技術によれば、第1種類の物品の在庫量が閾値以下に低下した場合に、自動的に第1種類の物品を輸送し、第1種類の物品の在庫量を常に合理的な水準以上に維持し、且つ第1種類の物品の供給が十分であることを保障できる。
【0062】
別の実施形態では、在庫管理モジュール14は、発注情報に基づいて輸送要求を定期的に送信することもできる。例えば、輸送サービスの提供者は、事前にユーザと契約を締結して、輸送の時間間隔、輸送の回数、各輸送における物品種類、及び輸送量等の情報を確定できる。その後、当該事前に確定したルールに基づいて、サービス提供者は、定期的に物品を輸送できる。そして、サービス提供者は、定期的な決済及び輸送サービスをより容易に手配及び提供できる。
【0063】
また、本発明の一実施形態は、演算装置の指令演算を利用して物品の保管及び流通の態様を決定する物品処理方法を提供する。この物品処理方法は、クラウドに配置されたサーバ4、ユーザの端末装置、又はユーザに設置された自動販売機によって使用されるコンピューティング装置によって実行される。本実施形態が提供する物品処理方法は、演算装置の読み取り可能な指令を実行することによって、異なる種類の物品の保管場所と輸送方法を調整する。そして、異なるカバー範囲の倉庫を使用することによって、異なる使用頻度の物品を保管し、輸送効率を向上させ、且つ倉庫の安全リスクを低減する。
【0064】
具体的に本実施形態では、図8に示すように、物品処理方法が次のステップS1からS4の処理を含む。設置ステップS0の後の輸送ステップS1では、初期輸送指令が出される。この初期輸送指令は、第1の使用頻度に対応し且つ直接ユーザに供給される第1種類の物品を第1保管所1に輸送することを含む。具体的には、物品処理方法を実行する演算装置、すなわち本実施形態のサーバ4は、第1種類の物品の輸送サービス提供者、又は製造業者へ初期輸送指令を送信する。そして、ユーザが取り出せるように、初期数量の第1の種類の物品が第1保管所1に保管される。
【0065】
発注ステップS2では、発注情報を受信する。具体的には、本実施形態の発注ステップS2において、サーバ4は、発注装置5又はユーザの端末装置から発注情報を受け付ける。この発注情報は、異なる種類の物品を含むことができる。
【0066】
輸送指令ステップS3は、発注ステップS2において受信した発注情報に応じて、選択的に輸送指令を出す。当該輸送指令は、第1輸送指令及び第2輸送指令を含む。第1輸送指令は、第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する第2種類の物品の、第1保管所1とは異なる第2保管所2から第1保管所1を利用するユーザに対する輸送の指示を含んでいる。第2輸送指令は、第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する第3種類の物品の、第1保管所1及び第2保管所2とは異なる第3保管所3から第1保管所1を利用するユーザに対する輸送の指示を含んでいる。
【0067】
具体的には、発注ステップS2において発注装置5から受け取った発注情報は、少なくとも物品の種類と数量を含んでいる。また、サーバ4のメモリ4aには、第1種類の物品データベースDB1、第2種類の物品データベースDB2、及び第3種類の物品データベースDB3を含む異なる種類の物品の種類データベースが記録されている。第1種類の物品データベースDB1、第2種類の物品データベースDB2、及び第3種類の物品データベースDB3は、それぞれユーザに対応する第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品のリストを含んでいる。
【0068】
リストは、ユーザごとに異なる場合があり、個別に保存できる。物品の種類に基づいて、リスト中で検索する方法により、当該物品の種類がどの種類の物品に該当するか、即ち具体的に第1種類の物品、第2種類の物品、又は第3種類の物品であるか否かを確定できる。物品の種類の判断に基づいて、具体的にどの保管所又は販売者が当該種類の物品を輸送するのかを決定できる。
【0069】
例えば、判断された物品の種類が第1種類の物品に属する場合、対応する輸送指令を生成し、第1種類の物品の生産業者若しくは販売業者、又は生産業者若しくは販売業者が選択した輸送サービス提供者に生成した輸送指令を送信してもよい。判断された物品の種類が第2種類の物品に属する場合、第1輸送指令の生成を選択できる。第1輸送指令は、ユーザ発注における第2種類の物品を第2保管所2から第1保管所1を利用するユーザに供給するためのものである。生成された第1輸送指令は、第2保管所2に送信されるか、第2保管所2の輸送人員のタスクリストに表示される。判断された物品の種類が第3種類の物品に属する場合は、第2輸送指令の生成を選択できる。第2輸送指令は、ユーザ発注における第3種類の物品を第3保管所3から第1保管所1を利用するユーザに供給するためのものである。生成された第2輸送指令は、第3保管所3に送信されるか、第3保管所3の輸送人員のタスクリストに表示される。
【0070】
以上の方法により、物品の使用頻度に応じて物品の分類が行われ、異なる保管所に物品が保存される。そして、物品の分類は、予め設定されたユーザの需要情報又は一時的に取得されたユーザ需要情報を介して初期輸送指令を生成するために、サーバ4又は他の情報端末(コンピュータ端末など)に記録される。そして、ユーザがより頻繁に使用する物品を迅速且つ便利に入手できるように、初期輸送指令に基づき、第1保管所1において、ユーザに直接供給できる第1種類の物品の直接配布が行われる。例えば、ユーザが工場を持つ製造業者の場合、手袋又はテープなどの第1種類の物品が最も頻繁に使用される物品である。そして、初期輸送指令に基づき第1保管所1が物品を配布した後は、手袋又はテープなどの多数の物品を事前に配置でき、工場における生産の間、再注文することなく継続して使用できる。そのため、作業の利便性が向上する。
【0071】
第2保管所2及び/又は第3保管所3を設置して、第2種類の物品と第3種類の物品を保管することによって、発注需要に従って第1保管所1を利用するユーザに対する的確な輸送を行うことができる。これによって、使用頻度の高い物品に対して迅速な輸送を行い、中頻度の第2種類の物品の輸送速度を向上し、及び使用頻度の低い第3種類の物品の在庫の蓄積を削減する。例えば、ユーザが工場を有する製造業者である場合、手工具は手袋などの高頻度消耗品に比べて使用頻度が低く、消費時間も相対的に長くなる。そのため、必要なときに発注することができれば、保管スペースを余分に占有することがない。なお、ここでいう使用頻度には、使用によって消費されるという意味が含まれており、使用頻度はある程度消費頻度と同視できる。
【0072】
以下、図9に関連して具体的に説明する。図9は、複数の保管所から1つのユーザへの輸送経路の概略図である。図9に示すように、第1、第2、及び第3保管所のカバー範囲は異なる。これらの保管所の間で第1保管所1a、1bは、サーバ4又はコンピュータ装置の初期輸送指令に基づいて、第1保管所1aを介してユーザAへ直接供給される、又は第1保管所1bを介してユーザBへ直接供給される高使用頻度の物品の保管のために用いられる。それ以外に、第2保管所2及び/又は第3保管所は、中使用頻度及び/又は低使用頻度の物品の保管に用いられる。そして、広範囲の複数のユーザへ、ユーザの周囲の高使用頻度の物品の小さい範囲の倉庫輸送を利用するようにして、物品が供給される。これを使用することにより、低頻度から中頻度の物品の供給範囲が拡大され、保管コストを削減できる。
【0073】
また、本実施形態では、図8に示すように、好ましい物品処理方法の全体のフローに、第1種類の物品のサイズに応じて、対応する第1保管所1を選択して設置する設置指示を行う設置ステップS0がさらに含まれる。物品のサイズに応じて、第1保管所1の構造がサイズに一致するように対応される。これによって、様々な状況下で異なる第1種類の物品に対する保管需要を満たすように、第1保管所1の異なる物品に対する適応性が増加する。特に、物品処理方法の全体に設置ステップが含まれているということは、物品の提供者が保管所を設置することが可能であり、ユーザである企業は保管所の設置による不要なコストの増大を回避できる。
【0074】
工業用の頻繁に使用される小さい工具物品(第1種類の物品)については、概ね引き出し式、回転式或いは収納式の保管所を採用する。それらの中で、収納式の保管所は、保管スペースが大きい大きな体積を有する物品の保管にさらに適しているが、保管数量が限られる。回転式の保管所は、多量の物品を保管できるが、物品の移働過程において物品に損傷をもたらしやすい。引き出し式の保管所は、適切な数量で、移動させる必要のない物品を保管するために使用される。
【0075】
ユーザAによる発注の中の高使用頻度の物品が、大きな体積を有する複数の手袋及び無塵布などである場合、ユーザAの需要をカバーする第1保管所1として、大きな体積を有する物品がさらに便利に収納されるように、収納式の保管所が採用される。また、ユーザBによる発注の中の高使用頻度の物品が、小さく且つ損傷しやすい切削工具又は手工具などである場合、対応する第1保管所1として、より多くの物品を保管でき、より有効にスペースを使用でき、且つ物品の破損を保護できる引き出し式の保管所が採用される。
【0076】
第1保管所1が設置された後、輸送ステップS1が実行される。そして、第1使用頻度に対応する第1種類の物品が第1保管所1を利用するユーザに輸送される。輸送ステップS1は、第1種類の物品の製造業者若しくは販売者、又は輸送サービス提供者によって実行できる。または、輸送ステップS1は、物流システム100の運営者によって実行でき、実行者の制限はない。各発注の第1種類の物品は、個別輸送でき、輸送コストを節約するために、他の発注の物品と組み合わせて発送することもできる。
【0077】
その後、発注ステップS2に進み、発注情報を受信する。具体的にサーバ4は、収集された発注情報を発注装置5から受信する。発注情報は、第1保管所1が有する発注装置5、又は第1保管所1の付近に設置された発注装置5によって収集され且つ分析される。発注情報は、ユーザが必要とする物品の種類についての情報、すなわち、どの利用頻度の物品が必要とされているかについての情報を含む。物品の情報の後で、発注装置5は、ユーザの身元情報及び認証情報を確認し、ユーザの第1レベルの発注情報と、第2レベルの審査情報とを取得する。
【0078】
ここで言う第1レベルの発注情報は、実際に発注動作を行う者によって生成された発注情報であることが好ましい。また、第2レベルの審査情報は、審査権限を有する他の者が発注情報を審査して生成した審査情報であることが好ましい。発注情報が審査権限を有する他の者に送信される具体的な方法は、特に限定されるものではない。例えば、他の者による審査のために、メールリマインダ又はソフトウェアシステム内のリマインダの方法を使用できる。他の者による審査後のフィードバック情報は、次のステップに進むように、発注装置5に送信される。当然、第2レベルの審査情報には同意又は不同意の情報が含まれていてもよい。不同意の情報を受信した場合、発注装置5は、次のステップに進むことなく、元のインタフェースに戻る。
【0079】
発注ステップS2においては、発注情報の出所をより明確にし、発注装置5を設置することにより、人間と機械の間の伝達をより便利にする。また、要求されている物品の種類が判断され、その結果が発注情報に反映される。そして、後続の輸送指令ステップS3において提供される輸送作業を、より便利且つ正確にすることができる。また、ユーザの発注情報と、ユーザの個人権限情報を照合し且つ審査した後に得られる審査情報とを、ユーザと物品とを結びつける発注情報に反映する。これにより、統計の取集及び管理と、保管情報の管理とをより容易にすることができる。発注情報の中の物品情報がより豊富になるので、輸送指令ステップS3において必要な物品を探す困難性が低減し、誤輸送が回避される。
【0080】
また、ここで発注装置5の位置を限定することはない。発注装置5は、第1保管所1に内蔵でき、発注装置5と第1保管所1とを一体的に設置することにより、スペースを節約できる。また、当業者は、発注装置5を第1保管所1に設ける独立した装置として設置できることを理解できるであろう。独立した装置の設置は、さらに多くの機能を実現できるようにさらに広いスペースを形成でき、ユーザ体験をさらに最適化する。
【0081】
例えば、発注装置5は、第1保管所1が有する又は第1保管所1の付近に設置する認証装置11であってもよい。それは多種の方法を利用して物品を発注でき、例えば、認証装置11の上部に設置されているカメラを利用する。カメラは、物品を走査して、走査情報に基づいて自動的に必要な物品を読み出して画像情報を生成する。ユーザが発注する場合、読み取りに基づいて表示される物品情報のパラメータをクリックして確定する、これにより大幅に生産性が向上する。
【0082】
発注情報が生成された後に、発注ステップS2で生成された発注情報の第1レベルの発注情報と第2レベルの審査情報に従って、この発注情報が異常であるか否かが判断される。そして、異常である場合、警告ステップS2aに入って、発注情報に警告情報が含まれると共に、ユーザに対して発注除外情報を送信する。
【0083】
このうち、警告情報には、識別情報の異常、第1レベルの発注情報の異常、及び第2レベルの審査情報の異常のいずれか、またはこれらの組合せが含まれる。具体的に警告情報は、ユーザIDと発注情報とが一致しない状況、ユーザが保管所を使用する権限を有しない状況、ユーザが発注された物品を発注する権限を有しない状況、及び発注された物品の数量が第1保管所1の最大保管量を超える状況などを示す情報を含むが、これらには限定されない。また、複数の状況の組合せである場合がある。
【0084】
当業者は、他の識別情報の異常、他の第1レベルの発注情報の異常、及び他の第2レベルの審査情報の異常も、同様に本発明に適用可能であることを理解するであろう。例えば、他の異常を示す情報は、ユーザの発注数がユーザ権限によって設定されている閾値を超える状況などを示す。
【0085】
本実施形態では、警告ステップS2aを設定することにより、倉庫管理が完全な閉ループを形成するように、発注取得、審査、警告、及びユーザへのフィードバックを含む循環連鎖を確立する。これにより、倉庫管理の強化、及び輸送の正確性の向上に有利である。さらに、目的外のユーザが勝手に使用したり、ユーザが使用する物品の数量が使用権限を超えたりする状況を回避するように、ユーザ識別情報、ユーザによる発注情報、及び第2レベルの審査情報における異常項目に対して警告が行われる。さらに、保管所内の物品の数量及びユーザの使用状況に対する管理を強化できる。
【0086】
発注情報が生成された後に、発注情報が正常な情報であると判断された場合、引き続き輸送指令ステップS3が実行される。そして、発注ステップS2において受け取った発注情報に応じて、輸送指令が出される。この輸送指令は、第1種類の物品とは異なる第2種類の物品及び/又は第3種類の物品の輸送指示を含む。そして、第2保管所2及び/又は第3保管所3から、第1保管所1の所在地に物品が輸送される。もちろん、輸送指令に第1種類の物品の輸送指示が含まれてもよい。
【0087】
第2保管所2及び/又は第3保管所3から物品が輸送された後、受取ステップS4が実行され、物品発送情報が受け取られて、物品データが更新される。具体的には、第1保管所1内の保管物品の合計に対して適時に統計と更新を行い、且つ受取情報がフィードバックされる。
【0088】
受取ステップS4を設けることによって、第1保管所1の補充状態の適時のフィードバックと、物品情報の適時の更新とが容易になる。これにより、補充過程の信頼性を向上させ、誤輸送を避けて、物品情報を適時に更新できるので、保管数量の制御と管理を強化できる。より具体的に物品情報の更新は、発注情報との照合を含む。そして、更新された新規物品情報と発注情報との間に差異があることが判明した場合には、それがユーザ又は物品供給者に提示される。
【0089】
好ましくは、輸送指令ステップS3と受取ステップS4との間の時間差を輸送指令に応じて変更する。即ち、異なる保管所(第2保管所2又は第3保管所3)から第1保管所1を利用するユーザに物品を輸送する時間を異ならせる。具体的に輸送指令ステップS3と受取ステップS4との間の時間差は、輸送指令ステップS3において出される輸送指令から、受取ステップS4において出される受取物品の配達情報までである。時間差に決定的作用を果たす要因は、第2保管所2又は第3保管所3と第1保管所1の所在地との間の距離、及び輸送方法である。また、気象情報等の他の要因をパラメータとして計算関数に加えることにより、輸送指令を調整することもできる。
【0090】
具体的には、輸送指令ステップS3において出される輸送指令が第2保管所2から第1保管所1の所在地への物品の輸送を示す場合、輸送指令ステップS3と受取ステップS4の間の時間差は4時間以下である。また、輸送指令ステップS3において出される輸送指令が第3保管所3から第1保管所1の所在地への物品の輸送を示す場合、輸送指令ステップS3と受取ステップS4の間の時間差は24時間以下である。時間差の設定は好ましい技術であり、第2保管所2が輸送に利用され、ユーザに到着する時間が発注から4時間以下になる。これによって「4時間カバー」を実現し、大幅にユーザ体験を向上させる。
【0091】
4時間以下を実現する具体的な方法は特に限定されないが、距離、輸送方法、及び気象情報などのパラメータに基づいて関数に入力し、計算結果に基づいて輸送指令中の情報、例えば輸送方法、及び物品出庫時間などを調整できる。本実施形態では、輸送指令を異ならせて、異なる保管所から異なる使用頻度の物品を第1保管所1を利用するユーザへ輸送するための時間を制限する。これはまた、第3保管所3と第2保管所2にカバーされるユーザ需要の範囲をある程度制限し、輸送時間と供給効率を保証する。
【0092】
なお、本実施形態では第2保管所2から第1保管所1の設置個所への最長輸送時間、及び第3保管所3から第1保管所1の設置個所への最長輸送時間を限定している。しかし、両保管所の間の絶対的距離を限定しているわけではない。図10において、ユーザCへ物品を供給する場合、第3保管所3から第1保管所1の設置個所への輸送距離D3は、第2保管所2から第1保管所1の設置個所への輸送距離D2よりも短い。同様に、第3保管所3から第1保管所1の設置個所への輸送時間は、第2保管所2から第1保管所1の設置個所への輸送時間よりも短い。代替的に、第3保管所3から第1保管所1の設置個所への輸送距離は、第2保管所2から第1保管所1の設置個所への輸送距離と同じであってもよい。
【0093】
当業者は、以下のことを理解するであろう。すなわち、第3保管所3から第1保管所1を利用するユーザまでの第3種類の物品の輸送時間は、第2保管所2から第1保管所1を利用するユーザまでの第2種類の物品の輸送時間より長い。例えば、第2保管所2から第1保管所1の設置個所までの輸送時間が4時間以下であり、第3保管所3から第1保管所1の設置個所までの輸送時間が24時間以下であれば、他の輸送時間との関係は本発明の保護範囲を超えない。このうち、本実施形態では、発注ステップS2において発注情報を受信して輸送指令を送信する。これにより、発注情報を受信した後の一定時間内に第1保管所1に関連付けられた後続発注情報が受信されなければ、輸送指令が出される。
【0094】
本実施形態では、輸送指令ステップS3において、発注情報を受信してから輸送指令が出される条件を、一定時間内に後続発注情報が受信されないことに限定している。これにより、発注情報を受信した後の短時間のうちに、二度目の輸送を要求する次の発注を受信して、直後の輸送指令によって輸送する事態を回避できる。なお、ここでいう後続発注情報には、直前に発注した物品と同じ物品の発注情報と、物品が異なるにもかかわらず輸送先(例えば第1保管所1の所在地)が同じである発注情報とが含まれている。そのため、別々の状況であっても、まとめて輸送できる。
【0095】
変形例として、発注情報に関連付けられた必要な物品を購入リストに追加してもよい。 購入リストに対応する物品の金額が、予め設定された金額閾値よりも大きい場合には、輸送指令が出される。この変形例では、予め設定された金額を前提として、一定金額に達した発注をまとめて集中供給する。これにより、効率的に供給効率を向上させることができる。好ましくは、輸送指令ステップS3において、輸送指令が第3輸送指令をさらに含む。第3輸送指令は、第1保管所1に輸送する第1種類の物品、又はユーザに輸送する第1種類の物品のリストを含む。
【0096】
本実施形態では、第1保管所1において第1種類の物品が不足するときに、適時に第1保管所1を利用するユーザに物品を輸送できる。この方法では、ユーザと事前に基本契約を締結しても、契約の一部として、第1種類の物品を他の保管所の中に保管できる。そして、第1種類の物品が時折消費される場合に、他の保管所に保管されている物品によって迅速且つ柔軟に輸送できる。
【0097】
さらに好ましくは、輸送指令ステップS3は以下の予測ステップを含む。この予測ステップでは、少なくとも第1保管所1の現在の取引記録又は第1保管所1に対応するユーザの現在のログ情報に基づいて、その後の一定期間内に、どの物品が第1種類の物品に属するのかを判断する。一例として、分類手段として機能するプロセッサ4bが、予測ステップを実行する。
【0098】
本実施形態では、第1保管所1の現在取引記録は、ユーザの過去の取引習慣を有効に反映できる。そして、第1保管所1に対応するユーザの現在のログ情報は、ユーザが将来必要とする物品の種類を有効に反映できる。この方法により、さらに正確に利用頻度の高い第1種類の物品を予測できる。これによって、第1種類の物品の物品の種類をさらに正確に予測でき、ユーザの実際の需要をより満たす種類の物品を、第1保管所1の中に保管できる。
【0099】
さらに好ましくは、予測ステップは、モデリングステップ、及びモデル適用ステップを含む。モデリングステップは、異なる段階を有するユーザのプロジェクトモデル及び予測モデルを提供する。プロジェクトモデルの各段階は、第1種類の物品に属する独自の物品の種類を持つ。モデル適用ステップは、予測モデルを現在の取引記録又は現在のログ情報に適用して、現在のプロジェクト段階とプロジェクト段階の期限とを判断する。輸送指令ステップS3においては、現在の時刻が、現在のプロジェクト段階の期限を超えている場合に、第3の輸送指令が出される。そして、第3の輸送指令内の第1種類の物品は、次のプロジェクト段階の第1種類に属する物品の種類に基づいて判断される。
【0100】
本実施形態では、物品の処理方法においては、ユーザが進行中のプロジェクト及び現在のプロジェクト段階が予測される。そして、次のプロジェクト段階に入る際に、第1保管所1における物品の種類を適時に更新する。これにより、進行中のプロジェクトに従って継続的に変化するユーザの実際の需要を満たすことができる。なお、本実施形態では、好ましくは機械学習を利用して機械設備の設計項目を予測する方法が具体的に明らかにされている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方法によって物品の使用頻度を予測する方法も本発明に同様に適用されることが当業者には理解できるであろう。
【0101】
なお、機械学習を用いた予測モデルの生成において、第1保管所1、第2保管所2、及び第3保管所3の少なくとも一つにおいて収集されたデータが用いられてもよい。例えば、各第1保管所1では、ユーザによる各物品の使用頻度がデータとして収集され、サーバ4に送信されて予測モデルの生成に利用される。また、各第1保管所1における使用頻度の高い順に、収納可能な数量の物品を第1種類の物品として分類して、分類データがサーバ4に送信されてもよい。これらのデータは、第1保管所1ごとに異なることになる。
【0102】
また、第2保管所2がカバーする領域内の複数の第1保管所1を対象として、各物品の使用頻度がデータとして収集され、サーバ4に送信されて予測モデルの生成に利用される。また、当該複数の第1保管所1における使用量を合算して、使用頻度が中程度の物品を第2種類の物品として分類して、分類データがサーバ4に送信されてもよい。この場合、一部の第1保管所1においては高い頻度で使用されるが、他の第1保管所1においては低い頻度で使用される物品が、第2種類の物品として分類されることもある。これらのデータは、第2保管所2ごとに異なることになる。
【0103】
また、第3保管所3がカバーする領域内の第2保管所2がカバーする領域内の複数の第1保管所1を対象として、各物品の使用頻度がデータとして収集され、サーバ4に送信されて予測モデルの生成に利用される。また、当該複数の第1保管所1における使用量を合算して、使用頻度が低い物品を第3種類の物品として分類して、分類データがサーバ4に送信されてもよい。この場合、一部の第2保管所2においては高い頻度で第1保管所1へ輸送されるが、他の第2保管所2においては低い頻度で第1保管所1へ輸送される物品が、第3種類の物品として分類されることもある。これらのデータは、第3保管所3ごとに異なることになる。
【0104】
好ましくは、輸送指令ステップS3は以下の予測ステップも含む。この予測ステップでは、少なくとも第1保管所1の現在の取引記録に基づいて、後の一定期間内に第1種類の物品毎の異なる保管所における分配量を計算する。本実施形態では、第1保管所1の現在の取引記録は、ユーザの過去の取引習慣を有効に反映できる。いくつかの第1種類の物品の実際の消費量が比較的大きく、予想消費量を逸脱することを、現在の取引記録が反映する場合、物流速度と保管所のスペース利用率を考慮して、迅速且つ適時に異なる保管所への配分量を調整できる。
【0105】
以下、本発明における予測ステップについて、具体的な適用シナリオに関連して詳細に説明する。
【0106】
[適用シナリオ1]
本適用シナリオでは、ユーザによる発注情報は「手袋50組とテープ60本を発注する。」である。しかし、ユーザの現在の取引記録において、ユーザは前四半期に50組の「手袋」と60本の「テープ」を発注したが、50本の「手袋」と20本の「テープ」しか使用していなかった。上記のデータに基づいて、予測ステップでは、「手袋」及び「テープ」が、一定期間(例えば、四半期)内の、異なる保管所における適切な保管量、すなわち、分配量を計算できる。
【0107】
例えば、次の段階で「手袋」という種類の物品の使用量がもっと大きいことを予測できる。そのため、もっと多くの「手袋」を第1種類の物品として第1保管所1に送ることができる。さらに、第1保管所1の「テープ」の数量を調整し、発注情報中の「テープ」部分の数量を、第2保管所2又は第3保管所3に保管して、必要に応じて輸送できる。
【0108】
[適用シナリオ2]
本適用シナリオでは、ユーザの発注情報は「40個のガスマスクを発注する。」である。しかし、ユーザの現在の取引記録において、ユーザは「ガスマスク」という物品の種類の発注に応じて「フィルタエレメント」という物品の種類も発注している。そのため、「ガスマスク」という種類の物品がユーザの次のプロジェクト段階の第1種類の物品であると判定された場合、次のプロジェクト段階に入る際に、「ガスマスク」の関連物品である「フィルタエレメント」も第1種類の物品であると判断し、二種類の関連物品をセットにして第1保管所1に輸送する。
【0109】
[適用シナリオ3]
設計部門は、機械設備の需要が明らかになった後に設計作業を開始する。まず、設計部門は、全体案設計と主構造設計を行い、構造レビュー、コストレビュー、及び外観レビューなどの要求を満たすまで、絶えず修正と最適化を行う必要がある。その後、全体構造、詳細構造、及び補助構造の設計を行い、機械設備の基本機能を実現して、機能評価に合格する。続いて、機械設備の試験生産を推し進め、原型機の生産過程と機能実現に対する生産性評価と製品性評価を行い、設計検収を終えて量産を実現する。本適用シナリオでは、各設計項目に対応するデータモデルを構築し、ユーザ情報と構築したデータモデルとを比較してユーザの現在の設計段階を得ることにより、ユーザのその後の物品の使用頻度情報を予測できる。
【0110】
例えば、本実施形態では、まずモデリングステップを実行して、異なる段階を有するユーザのプロジェクトモデル及び予測モデルを提供する。プロジェクトモデルの各段階は、第1種類の物品に属する独自の物品の種類を持つ。具体的には、モデリングステップにおいて、モデルは、既存の生産プロジェクトモデル及び予測モデルであってもよいし、ユーザの情報に応じた機械学習手法に基づいて構築されたプロジェクトモデル及び予測モデルであってもよい。
【0111】
このうち、機械学習に基づいてモデリングを行う方法は、ユーザの実際の生産状況により正確に適合できる。具体的にこの適用シナリオでは、モデリングステップを実行して、実際の生産における機械設備設計プロジェクトの情報を収集する。そして、この機械設備設計プロジェクトのプロセスを、設計前、中期段階、及び後期段階に分ける。具体的に異なる機械設備の具体的な物品情報は、異なるユーザによって開示されたプロジェクト情報によって取得できる。当然のことながら、当業者は、機械装置の物品情報を取得できる他の方法も、本発明に同様に適用できることを理解できるであろう。
【0112】
その後、特徴分析ステップを実行する。非標準的な機械設備の開発期間には一定の不確実性があるため、関連プロセスを日単位で分割する。具体的には、設計前期の日付、設計中期の日付、及び設計後期の日付を、それぞれラベルでマークする。また、設計の開始前に、設計サイクルの合計日数から三つに分けられた日数を、設計なしの日付として選択し、ラベルを付す。そして、ある日付に対応するラベルを決定した後、現在の日付と現在の日付より少し前のユーザデータ、ログデータ、及び発注データをそれぞれ用いて特徴づけ作業を行う。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態においては、保管所の補充方法が提供される。この補充方法は、第1保管所1、第2保管所2、及び第3保管所3の補充過程に適用される。この補充方法は、以下のステップを含む。すなわち、予測モデルを保管所情報、ユーザ情報、及び消費経過を含む物品情報に応用して、将来の物品消費量を予測する。そして、物品の将来消費量と物品の在庫量に基づいて、補充情報を確定する。
【0114】
このうち、保管所の情報は、保管所の番号、サイズ、容量、及び利用情報などである。また、ユーザ情報は、ユーザの情報源、業務範囲、フロア、フロア内人数、階建て、階床、及び作業周期のうち一種又は複数種とすることができる。物品情報は、物品の基本情報であってもよく、例えば物品の名称、類型、型番、価格、及び他の情報などであってもよく、又は物品が属する種類の多段階の分類情報であってもよく、又は物品が属する物品の本体データであってもよい。
【0115】
物品情報は、物品の消費/販売情報を含む。そして、消費/販売情報は、異なる時期における物品の対応する消費量/販売量を含み、例えば、毎日又は毎週等に記録された物品の消費量/販売量であり、時間とともに動的に変化するデータである。補充情報は、補充頻度、一時的な発注の頻度、補充時間、棚上時間、補充量、及び他の情報などを含むことができるが、これらに限定されない。
【0116】
一部の実施形態では、予測モデルは以下の方法によって確立及び訓練できる。すなわち、保管所情報、ユーザ情報、並びに消費履歴を含む物品情報、及び物品の在庫量の一つ又は複数に基づいて、特徴行列を構築する。この特徴行列は、時系列上でのそれぞれの物品の数量を反映する特徴行列である。その後、特徴行列と各物品の時間的に変化しない静的特徴とに基づいて予測モデルを訓練して、予測モデルを得る。
【0117】
モデルの訓練アルゴリズムは、長短記憶ネットワーク、LightGBMアルゴリズム、及びXgBoostアルゴリズムを含むが、これらには限定されない。いくつかの実施形態では、誤差計算のために、将来の消費量を実際に発生した消費量と比較できる。誤差計算は、二乗平均平方根誤差、又は二乗平均平方根誤差に基づくカスタムメトリックを使用できる。カスタムメトリックは、販売予測における非対称リスクを反映する。非対称リスクは、予測データが実際のデータよりも小さい場合のリスクが、予測データが実際のデータよりも大きい場合のリスクよりも高いことを意味する。
【0118】
以上のようにカスタム指標を構築することにより、在庫中の物品不足の発生をさらに低減し、在庫の安全性を確保し、ユーザ体験を向上させることができる。いくつかの実施形態では、予測される週の将来の消費量を与えるために、例えば、予測期間の前の履歴期間の平均値、最大値、又は最小値等を計算することによって、物品の消費量/販売量情報に用いられてもよい。例えば、予測される週の前のn週の消費量/販売量、予測される週の前のn週の消費量/販売量の平均値、予測される週の前のn週に消費記録が発生したか否か、及び予測される週の前のn週に消費記録が発生したことに基づくことができる。予測される週の前のn週における週の平均値、又は消費回数は、予測される週の将来の消費の予測量を与えるために用いられる。
【0119】
その後、本適用シナリオでは、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)アルゴリズムを用いて予測モデルのトレーニングを行うことが好ましい。このうち、LightGBMは、決定木アルゴリズムに基づく分散勾配向上フレームワークであり、分類及び回帰等の機械学習タスクに用いることができる。そして、精度を損なうことなく予測モデルの訓練速度を速めることができると同時に、特徴がまばらな場合にも非常に有利である。
【0120】
また、予測モデルの訓練と選択は、単純交差検証とK折り交差検証を組み合わせた方法を用いて行われる。具体的には、データセットをある割合で訓練データとテストデータに分割し、訓練データを用いてモデルの訓練と検証を行い、テストデータを用いて学習方法の最終評価を行う。さらに、訓練データを互いに交差しない同じ大きさのいくつかのサブデータセットにランダムに分割し、その中の一部のサブデータセットを用いてモデルを訓練し、他のサブデータセットを用いてモデルを検証する。そして、複数回繰り返した後、その中で最も精度の高いモデルを選択するか、モデルを融合して最終的な予測モデルを得る。
【0121】
次に、モデル適用ステップを実行し、前述のモデリングステップで得られた予測モデルを現在の取引記録又は現在のログ情報に適用する。そして、現在のユーザのプロジェクト段階と現在のプロジェクト段階の期限を、現在のユーザ情報に基づいて決定する。現在のプロジェクト段階の期限を超えている場合、すなわち、現在のプロジェクト段階が終了して次のプロジェクト段階に入っている場合、輸送指令ステップS3において第3の輸送指令が出される。そして、予測モデルに基づく次のプロジェクト段階の第1種類の物品が第1保管所1を利用するユーザへ輸送されるか、又はユーザに第1種類の物品のリストが提供される。
【0122】
例えば、モデリングステップによって生成されたプロジェクトモデルに従い、ユーザのプロジェクトは、プロジェクトの進行時間に応じて前期段階、中期段階、及び後期段階の3段階に分けられる。ここで、3段階に対応するそれぞれの第1種類の物品は「手袋」、「マスク」、及び「テープ」とする。この場合、ログ情報の中からユーザの現在の取引記録と現在のプロジェクト情報を取得し、現在のプロジェクト情報をプロジェクトモデルと比較して、ユーザが現在はプロジェクトの中期段階にいることを得る。つまり、現在の第1種類の物品は「マスク」となる。ここで中期段階の間、「マスク」は第1保管所1へ輸送される。比較の結果、ユーザが中期段階ではなく後期段階にいることが得られると、ユーザの実際のニーズに応じた適時の輸送を提供するために、第1種類の物品を「テープ」に調整して、「テープ」が第1保管所1に輸送される。
【0123】
[在庫の試行計算方法]
また、ユーザのサービスレベルが二回の輸送の間で影響を受けないことを確実にするために、第1保管所1の実際の容量又は保管可能数量に従って、第1保管所1に保管される物品の保管量が計算されてもよい。一例として、ユーザの実際の使用パフォーマンス、輸送サイクル、及び製品変動係数(変動係数)に基づいて、理論上の保管量が計算される。例えば、計算には以下に述べる態様が含まれるが、これらには限定されない。
【0124】
第1の態様では、第1保管所1の保管スペース、及び単一区画の最大収容容量など、第1保管所1に関連する情報を取得する。また、過去の一定期間のユーザ獲得記録を取得する。このユーザ獲得記録には、物品を受領するユーザの数、受領の頻度、受領の回数、及び受領担当者を特定する情報等が含まれるが、これらに限定されない。ただし、これらの情報が主な情報である。情報の取得が完了したら、複数の第1保管所1同士の間の距離、及び各ユーザの特別な条件などの補助的な情報を取得する。
【0125】
そして、情報の取得が完了すると、第1レベルの論理計算が実行され、計算結果が記録される。具体的には、ユーザの要求データに従って、ユーザの平均週次要求量、週次最大要求量、週次標準偏差(標準偏差)、変動係数(変動係数)、及びその他の関連情報を計算し、そして各物品の安全率を設定する。さらに、現在の輸送頻度と組み合わせて、第1レベルの各物品の保管量を計算する。そして、計算結果が記録される。
【0126】
続いて、計算結果を第1保管所1のスペースと比較する。スペースが計算した量の物品によって満たされている場合、試行計算ロジックを使用して、計算結果に従って第1保管所1の保管量を設定する。一方、スペースが計算した量の物品によって満たされていない場合、フォローアップ対応を実行する。
【0127】
第2の態様では、第1保管所1のスペースが不十分な場合、複数の量が使用される。すなわち、計算結果に合わせるために、既存の最小量に基づいて新しい最小量を追加する。以下の説明では、追加の最小量を取り上げるが、これには限定されない。
【0128】
ユーザによる発注データ(又は購買依頼データ)を使用して、発注時点及び発注者などの詳細情報を、注文ごとのユーザの発注量に割り当てて、単位発注量として記録する。一定期間に応じて、各単位発注量の中で最も頻度の高いモードが、新たに追加される最小量となる。また、現在の最小量と一致する場合は、二番目のモードが選択される。そして、採用された新規及び追加の最小量を記録する。理論上の追加の最小量は、第1保管所1の収納区画に配置できる実際の最大量と比較される。そして、小さい方の値が最終的な追加の最小量として選択される。
【0129】
上記を組み合わせて、各物品に対応する二つの最小要求量を取得する。そして、現在の輸送頻度期間内の単位要求量の発生数を組み合わせて、二つの最小補充区画番号を割り当てる。具体的に、要求ユニットに含まれる最終的な追加の最小量の数は、新しく追加された最小要求量よりも大きい。そして、輸送頻度期間において発生する要求の数は、新しく追加された最小要求量に対する区画の数として使用される。その後、上記の試行計算ロジックに従って保管量を予測し、計算結果である保管量が区画番号に割り当てられる。
【0130】
上記区画番号に割り当てた後、第1保管所1のスペースと比較する。そして、スペースガ物品によって満たされている場合、計算結果である保管量と、二つの最小要求量と、対応する区画番号とが使用される。一方、満たされない場合、更なる調整を行う。
【0131】
第3の態様では、上述の態様によっても最小量が満たされない場合、安全率を物品の変動係数に従って再度調整するが、これには限定されない。
【0132】
具体的には、二つの最小要求量の固定に基づいて安全率を設定する。変動係数が大きいと安全率が大きくなり、変動係数が小さいと安全率が小さくなる。第1保管所1のスペースを満たすことを前提として、最大在庫を目標とし、最大在庫に到達するまで、全体の安全率を上下に調整する。この時点で各物品の在庫が決定される。この調整は、第2レベルの調整結果して記録される。
【0133】
要約すると、保管在庫計算の全体には上記の解決手段が含まれるが、これらに限定されない。すべての側面が連動しており、一つの態様又は二つの態様の組み合わせによって実現できる。常に、ユーザの使用効率を改善すること、及び顧客サービスのレベルを向上させることが目標である。同時に、輸送の頻度を減らすことができる。
【0134】
本明細書の以上の各実施例では、各ステップにS1S4の番号が付されているが、この番号は説明の便宜上のものであり、各ステップの実行順序を限定するものではない。また、本実施形態では、メモリ4aは、コンピュータ読取可能な非一時的記媒体であり、ROM(Read Only Memory)、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、又は電力が印加されている場合又は印加されていない場合にプログラム指令若しくはデータを記憶できる他の任意のデバイスなどの不揮発性メモリを含むことができる。
【0135】
また、メモリ4aは、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、及びSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むことができる。さらに、メモリ4aは、他の種類のRAMを使用して実装されてもよい。
【0136】
メモリ4aは、単一のメモリモジュール又は複数のメモリモジュールを使用して実装できる。なお、メモリ4aは、計算装置の一部として図示されているが、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなく、メモリ4aを計算装置から分離できることを認識するであろう。
【0137】
プロセッサ4bは、汎用プロセッサ、プロセッサーコア、マルチプロセッサ、再配置可能なプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)、コントローラ、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は任意のその他の処理ユニット、及び一つ若しくは複数のこれらのプロセッサの組合せである。
【0138】
また、コンピュータ装置は、一般的なコンピューティングシステム、組み込みコントローラ、ポータブルコンピューティングデバイス、サーバ、モバイルデバイス、スマートフォン、車載情報システム、モニタに関連付けられた1つ以上のプロセッサ、カスタムマシン、その他のハードウェアプラットフォーム、又はこれらのコンピュータ装置の組み合わせである。さらに、コンピュータ装置は、ネットワークデータ又はバスシステムを介して相互接続された複数のコンピュータ装置によって形成された分散システムとして構成することもできる。
【0139】
上述した複数の実施形態のうち、各実施形態の説明はそれぞれの特徴に重点を置いており、ある実施形態において詳細に説明されていない部分は、他の実施形態の関連する説明を参照してもよい。また、異なる実施形態の技術的解決手段は、互いに組み合わせてもよい。この組み合わされた解決手段は、依然として本発明の保護範囲に属する。また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。
【0140】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0141】
物品処理方法は、初期輸送指令を出す輸送ステップであって、第1使用頻度に対応する第1種類の物品を、直接ユーザに供給できる第1保管所に輸送するための初期輸送指令を出す輸送ステップと、発注情報を受信する発注ステップと、発注ステップを経て発注情報を受け取り、且つ選択的に輸送指令を出す輸送指令ステップとを備え、輸送指令は、第1輸送指令及び第2転送指令を含み、第1輸送指令は、第1保管所とは異なる第2保管所から第1保管所へ、第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する第2種類の物品を輸送する輸送指示を含み、第2輸送指令は、第1保管所及び第2保管所とは異なる第3保管所から第1保管所へ、第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する第3種類の物品を輸送する輸送指示を含む。
【0142】
物流システムは、少なくとも第1使用頻度に対応する第1種類の物品を保管し、且つ第1種類の物品を直接ユーザに供給できる第1保管所と、第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する第2種類の物品を少なくとも保管する第2保管所と、第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する第3種類の物品を少なくとも保管する第3保管所と、物品の発注情報を受け付ける発注装置と、発注装置から発注情報を受信することに応答して、選択的に輸送指令を出す輸送指令ユニットとを備え、輸送指令は、第1輸送指令及び第2輸送指令を含み、第1輸送指令は、第2保管所から第1保管所への第2種類の物品の輸送指示を含み、第2輸送指令は、第3保管所から第1保管所への第3種類の物品の輸送指示を含む。
【0143】
これにより、物品の使用頻度に応じて物品を分類し、さまざまな保管所に物品を保管できる。そして、予め設定されたユーザ需要情報又は一時的に取得されるユーザ需要情報などを通じて、サーバ又はその他の情報端末において初期輸送指令を生成する。また、初期輸送指令に基づいて、ユーザに直接供給される第1種類の物品を第1保管所へ供給する。そして、第2種類の物品及び/又は第3種類の物品を保管する第2及び/又は第3保管所を設置する。これにより、ユーザは、より頻繁に使用される第1種類の物品を迅速且つ便利に受け取ることができる。また、発注需要に応じて、第1保管所へ、高頻度で使用される物品が迅速に輸送される。さらに、使用頻度が中頻度である第2種類の物品の輸送速度を上げ、使用頻度が低い第3種類の物品の在庫の蓄積をさらに減らすことができる。
【0144】
好ましくは、第3保管所と第1保管所との間の距離は、第2保管所と第1保管所との距離より大きい。
【0145】
好ましくは、物品処理方法は、設置指令を出し、第1種類の物品のサイズによって、対応する第1保管所を選択して設置する設置ステップをさらに含む。
【0146】
これにより、物品のサイズによって、対応する構造又は大きさを有する第1保管所を選択して設置する。そのため、異なる物品に対する第1保管所の適応性を向上させ、様々な状況下において、異なる第1種類の物品の保管需要を満たすことができる。特に、システム全体に設置工程が含まれているということは、物品提供者が保管所を設置することが可能となり、ユーザである企業は保管所の設置による不要なコストの増大を回避できる。
【0147】
好ましくは、本発明の物品処理方法の発注ステップでは、発注情報は具体的に第1保管所に内蔵された、又は第1保管所の付近に設置された発注装置の発注情報であり、発注情報には物品の種類情報が含まれる。
【0148】
これにより、本発明の物品処理方法における発注情報の出所をより明確にし、発注装置を追加することにより、人と機械の相互作用をより容易にできる。また、対象物品の属する種類情報を判断し、その結果を発注情報に反映することにより、後続の輸送指令ステップにより提供される作業方法がより便利且つ正確となる。
【0149】
好ましくは、本発明の物品処理方法では、発注情報に、ユーザの第1レベルの発注情報と共に、第2レベルの審査情報が含まれる。
【0150】
これによれば、発注情報にユーザの発注情報と審査情報を反映し、審査情報をユーザと物品とを結びつけ、保管/補充情報の統計と管理をより容易にできる。また、ユーザによる発注情報が妥当でない場合、又は不要な場合であっても、審査機能を利用して制限できる。そして、審査情報が含まれている場合には、次の輸送動作を開始でき、ユーザの不適切な購入を回避できる。
【0151】
好ましくは、発注ステップにおいて受け付けた発注情報には、所望の物品の画像情報が含まれている。
【0152】
これによれば、画像情報が発注情報中の物品情報を豊富にできるので、物品の検索難度が低減し、誤輸送をある程度回避できる。特に、第1保管所によって、あるいは第1保管所の付近に設置する発注装置によって物品を走査できる。これにより、製品の画像情報を直接サーバへ提供して、その後に更に識別することによって発注ステップを完成できる。そのため、発注が非常に便利且つ迅速となり、ユーザ体験を大幅に向上する。
【0153】
好ましくは、発注ステップの後にアラームステップをさらに含み、発注情報にアラーム情報が含まれている場合には、発注異常情報をユーザに送信する。
【0154】
これにより、発注ステップの後に警報ステップを追加し、発注取得、審査、警報、及びユーザへのフィードバックの循環チェーンを確立できる。そのため、倉庫管理をさらに強化して、輸送の正確性を高めるのに有利となる。特に、ユーザの一部の従業員が大量に誤発注した場合には、警告情報を利用してユーザに通知することにより、内部調査を容易にして、生産効率を向上させることができる。
【0155】
好ましくは、警報情報は、識別情報の異常、第1レベルの発注情報の異常、及び第2レベルの審査情報の異常のいずれかを含む。
【0156】
これによると、ユーザ識別情報、ユーザの発注情報、第2レベルの審査情報の異常項目に対して警報を発することによって、外部ユーザが内部情報を勝手に使用する事態、又はユーザが使用権限若しくは使用数量を超えて物品を使用する事態の発生を防止できる。そのため、保管所における物品の取出し管理をより強化できる。
【0157】
好ましくは、本発明の物品処理方法は、物品配達情報を受信し、物品データを更新する受取ステップをさらに備える。
【0158】
これによって、受取ステップを増やすことによって、第1保管所の補充状態を適時にフィードバックし、物品情報に適時に更新できる。そのため、輸送過程の信頼性を向上させ、在庫情報の適時更新により倉庫の数量に対する制御と管理を強化できる。
【0159】
好ましくは、この物品処理方法の輸送指令ステップと受取ステップとの時間差を、輸送指令に応じて適宜変更する。
【0160】
これにより、異なる輸送指令によって、異なる保管所から第1保管所を利用するユーザに物品を輸送する時間が異なる。例えば、第2保管所から第1保管所を利用するユーザへの輸送に必要な時間(好ましくは4時間以内)は、距離などのパラメータによって異なる。輸送指令は距離などのパラメータに基づいて調節でき、これによって異なる時間差を形成する。
【0161】
好ましくは、輸送指令ステップにおいては、発注ステップを経て発注情報を受け取って、輸送指令を出し、且つ発注情報を受け取った後から一定時間内に、第1保管所に関連付けられた後続発注情報が受信されなければ、当該輸送指令が出される。
【0162】
これによれば、輸送指令ステップにおいて発注情報を受信してから発注情報を出すまでの条件を、一定期間、後続発注情報を受信しないことに限定する。そのため、発注情報を受信した直後に輸送指令を出して後続の発注のために、短期間に二度の輸送が必要となる事態を回避できる。
【0163】
なお、輸送指令ステップでは、発注ステップから受け取った発注情報に応答する指令には発注情報に関連する必要な物品を保留リストに追加することが含まれる。また、当該指令には、購買リストに対応する物品金額が予め設定した金額の閾値以上であれば、輸送指令を出すことが含まれる。これによれば、事前に金額を設定し、一定額に達した発注をまとめて集中的に供給することにより、供給の効率を効果的に高めることができる。
【0164】
好ましくは、輸送指令ステップにおいて出される輸送指令が第2保管所から第1保管所の所在地への輸送である場合に、輸送指令ステップと輸送ステップとの間の時間差は、4時間以下であり、輸送指令ステップにおいて出される輸送指令が第3保管所から第1保管所の所在地への輸送である場合に、時間差が24時間以下である。
【0165】
これによって、異なる輸送指令、即ち異なる保管所から異なる使用頻度の品物を第1保管所の所在地まで輸送する時間を限定できる。そのため、ある程度、第3保管所と第2保管所がカバーするユーザの範囲を制限して、輸送時間を保証すると同時に、輸送効率も向上させることができる。
【0166】
好ましくは、輸送指令ステップにおいて、発注ステップから発注情報を受信したことに応答して輸送指令を出すことは、発注情報中の物品と関連物品情報とを所定の関数に従って演算し、所定の条件が満たされた場合に、発注情報中の物品と関連物品とを同時に輸送するための輸送指令を出すことを含む。
【0167】
これによれば、データ相関により、後続の相関物物品ロスを予測することで、供給効率をさらに向上させることができる。
【0168】
好ましくは、輸送指令ステップでは、輸送指令に第3輸送指令も含まれており、第3輸送指令は、第1保管所を利用するユーザに第1種類の物品を輸送するか又は第1種類の物品を提供するリストを含む。
【0169】
これによって、第1保管所の第1種類の物品が不足する時に、第1保管所を利用するユーザへ輸送できる。また、ユーザと事前に契約を締結しても、契約の一部の第1種類の物品は、他の保管所に置くことができ、その他の保管所から迅速に輸送できる。
【0170】
好ましくは、輸送指令ステップは、予測ステップを含み、予測ステップは、少なくとも第1保管所の現在の取引記録、又は第1保管所に対応するユーザの現在のログ情報に基づき、その後の一定時間内にどの物品が第1種類の物品に属するかを判断する。
【0171】
これにより、第1保管所の現在の取引記録は、ユーザの過去の取引習慣を有効に反映できる。また、第1保管所に対応するユーザの現在のログ情報は、ユーザの将来発生する可能性のある取引種類を有効に反映できる。そのため、正確に第1使用頻度の第1種類の物品を予測できる。そして、第1種類の物品を柔軟に調整でき、第1保管所に保管された物品の種類によって、ユーザの実際の需要により満たすことができる。
【0172】
好ましくは、予測ステップは、モデリングステップとモデル応用ステップとを含み、モデリングステップでは、異なる段階を有するプロジェクトモデル及び予測モデルを提供し、プロジェクトモデルの各段階は、第1種類の物品に属する独自の物品の種類を持ち、モデル応用ステップでは、現在のプロジェクト段階の期限を超えた場合に第3輸送指令を出し、第3輸送指令における第1種類の物品を、次のプロジェクト段階の第1種類の物品に基づいて決定する。
【0173】
これによって、物品の処理方法は、ユーザのプロジェクト及びユーザが現在いるプロジェクト段階を予測する。そして、次のプロジェクト段階に入る時に、第1保管所の物品の種類を適時に更新し、ユーザのプロジェクトに従って継続的に変化する実際の需要を満たす。
【0174】
好ましくは、予測ステップは、モデリングステップとモデル応用ステップとを含み、モデリングステップでは、異なる段階を有するプロジェクトモデル及び予測モデルを提供し、プロジェクトモデルの各段階は、第1種類の物品に属する独自の物品の種類を持ち、モデル応用ステップでは、現在の取引記録又は現在のログ情報に基づいて、現在のプロジェクト段階及び現在のプロジェクト段階の期限を判断する。
【0175】
好ましくは、輸送ステップにおいて、物品情報の更新は、更新された新規物品情報と発注情報との照合を含む。
【0176】
好ましくは、輸送指令ステップは、少なくとも第1保管所、第2保管所、又は第3保管所の現在の取引記録によって計算し、第1種類の物品、第2種類の物品、又は第3種類の物品の異なる保管所における、一定期間内の分配量を計算する予測ステップを含む。
【0177】
これによって、第1保管所の現在の取引記録は、ユーザの過去の取引習慣を有効に反映できる。そして、現在の取引記録において、一部の第1種類の物品の実際消費量が比較的に大きいことにより、予想消費量から逸脱すると、迅速且つ適時に異なる保管所の配分量を調整できる。そのため、物流速度と保管所のスペース利用率との向上を兼ねることができる。
【0178】
好ましくは、第1保管所は、ユーザがいる場所又は当該場所の近傍に設置されている自動販売機である。
【0179】
これにより、ユーザが自分で物品を取り出すことができるので、保管所の設置面積を小さくできる。また、便利且つ迅速に物品を受け取れるだけでなく、ユーザが保管所の管理者を個別に配置することによる人件費を節約できる。
【0180】
好ましくは、第1保管所は、認証装置と複数の収納区画とを含み、ユーザは複数のサブユーザを含み、物流システムは、各サブユーザのそれぞれの権限を記録し、第1保管所は、認証装置によって認識されたサブユーザの権限に基づいて、対応する保管庫の扉を開く。
【0181】
これにより、サブユーザ、例えば会社の従業員は、少なくとも自らの権限内の第1種類の物品(例えば常用消耗品)を自ら発注し、物流システムによって集約して精算できる。そのため、発注と精算の流れを簡略化し、物流システムの運用効率を向上できる。
【0182】
好適には、権限は、サブユーザが受け取り可能な第1種類の物品の種類及び数量に対応し、第1保管所は、認証装置によって認識されたサブユーザの権限に応じて、対応する種類及び数量の第1種類の物品が収容されている収納区画の扉を開放する。
【0183】
これにより、予め設定されている規則に従って、各サブユーザが合理的な量の第1種類の物品を取得でき、第1種類の物品の安全性と分配の合理性を向上できる。
【0184】
好ましくは、第1保管所は在庫管理モジュールをさらに含み、在庫管理モジュールは、第1保管所の第1種類の物品の在庫量を監視し、且つ在庫量が閾値未満である時に輸送要求を発送する。
【0185】
これにより、第1種類の物品の在庫量が閾値以下に低下した場合に、第1種類の物品が自動的に輸送される。そのため、第1種類の物品の在庫量を常に合理的な水準以上に維持し、第1種類の物品の供給が十分であることを保障できる。
【0186】
好ましい態様として、第1保管所は、発注情報に基づいて定期的に輸送要求を送信する在庫管理モジュールをさらに含む。
【0187】
これにより、事前に確定した規則に基づいて定期的に物品を輸送でき、決済の手配及び輸送をより便利にすることができる。
【0188】
好ましくは、サーバは、プロセッサと、プロセッサが上記物品処理方法を実行するときに、読み出し可能な指令を格納したメモリとを備える。また、コンピュータ可読媒体は、計算装置のプロセッサによって実行されると、上記物品処理方法を計算装置が実行する指令を記憶している。
【符号の説明】
【0189】
1、1a、1b、1c:第1保管所
10:収納区画
11:認証装置
12:解錠ユニット
13:受取ユニット
14:在庫管理モジュール
2:第2保管所
3:第3保管所
21:発注受信部
31:発注受信部
4:サーバ
41:輸送指令ユニット(輸送指令手段)
4:サーバ(物流管理装置)
4a:メモリ
4b:プロセッサ(取得手段、分類手段、及び更新手段)
5:発注装置
DB:自販機データベース
DB1:第1種類の物品データベース
DB2:第2種類の物品データベース
DB3:第3種類の物品データベース
DB4:ユーザ権限データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置であって、
前記第1種類の物品の発注情報を、前記ユーザから受信する手段と、
前記発注情報を、審査権限を有する者に送信する手段と、
前記審査権限を有する者が前記発注情報を審査して生成した審査情報を取得する手段と、
前記発注情報及び前記審査情報に基づいて、前記発注情報が異常であるか否かを判断する手段と、
前記発注情報が異常であると判断された場合、発注異常情報を前記ユーザに送信する手段と、を備える物流管理装置。
【請求項2】
前記判断する手段は、前記ユーザのユーザIDが前記発注情報と一致しない場合、前記ユーザが前記第1保管所を使用する権限を有しない場合、前記ユーザが発注された前記物品を発注する権限を有しない場合、発注された前記物品の数量が前記第1保管所の最大保管量を超える場合、及び前記ユーザの発注数がユーザ権限によって設定されている閾値を超える場合の少なくともいずれか一つに該当するときに、前記発注情報が異常であると判断する、請求項1に記載の物流管理装置。
【請求項3】
各ユーザの前記物品の使用頻度を取得する手段と、
前記第3保管所に対して設定されている輸送対象領域に属する複数のユーザの前記使用頻度に基づいて、第1使用頻度に対応する前記物品を前記第1種類の物品として分類し、前記第1使用頻度より低い第2使用頻度に対応する前記物品を前記第2種類の物品として分類し、前記第2使用頻度より低い第3使用頻度に対応する前記物品を前記第3種類の物品として分類する手段と、をさらに備える請求項1又は2に記載の物流管理装置。
【請求項4】
物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置の制御方法であって、
前記第1種類の物品の発注情報を、前記ユーザから受信し、
前記発注情報を、審査権限を有する者に送信し、
前記審査権限を有する者が前記発注情報を審査して生成した審査情報を取得し、
前記発注情報及び前記審査情報に基づいて、前記発注情報が異常であるか否かを判断し、
前記発注情報が異常であると判断された場合、発注異常情報を前記ユーザに送信する、物流管理装置の制御方法。
【請求項5】
物品を使用するユーザが受け取る第1種類の物品を保管する第1保管所と、複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第2種類の物品を保管する第2保管所と、複数の前記第2保管所のそれぞれが対応する複数の前記第1保管所のそれぞれを利用するユーザに対して輸送する第3種類の物品を保管する第3保管所とを用いる物流システムを管理する物流管理装置の制御プログラムであって、
前記物流管理装置のプロセッサを、
前記第1種類の物品の発注情報を、前記ユーザから受信する手段と、
前記発注情報を、審査権限を有する者に送信する手段と、
前記審査権限を有する者が前記発注情報を審査して生成した審査情報を取得する手段と、
前記発注情報及び前記審査情報に基づいて、前記発注情報が異常であるか否かを判断する手段と、
前記発注情報が異常であると判断された場合、発注異常情報を前記ユーザに送信する手段として機能させる、物流管理装置の制御プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
プロセッサ4bは、分類処理を定期的(例えば四半期ごと)に実行する。また、プロセッサ4bは、新たなユーザが設定された場合、新たな物品が設定された場合、または第1保管所、第2保管所、若しくは第3保管所が新たに設定された場合に、分類処理を実行してもよい。さらに、プロセッサ4bは、サーバ4の管理者による操作に応じて、又はユーザからの要求に応じて、分類処理を実行してもよい。また、プロセッサ4bは、第1種類の物品、第2種類の物品、若しくは第3種類の物品の消費量が所定量に達した時に、分類処理を実行してもよい。なお、プロセッサ4bは、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品を対象にして、同時に分類処理を実行してもよく、物品毎に分類処理を実行してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
さらに、分類手段としてのプロセッサ4bは、物品を、ユーザ毎に、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品として分類する。つまり、ユーザによって、第1種類の物品、第2種類の物品、及び第3種類の物品に分類される物品が異なることがある。例えば、工場にいるユーザに対して第1種類の物品に分類される手袋が、設計企業にいるユーザに対して第3種類の物品に分類されることがある。