IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 利▲亜▼▲徳▼光▲電▼股▲フン▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-LED表示モジュールの製造方法 図1
  • 特開-LED表示モジュールの製造方法 図2
  • 特開-LED表示モジュールの製造方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044665
(43)【公開日】2023-03-30
(54)【発明の名称】LED表示モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20230323BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/33
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146748
(22)【出願日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202111094226.9
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515256350
【氏名又は名称】利▲亜▼▲徳▼光▲電▼股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】鄭偉
(72)【発明者】
【氏名】王孟強
(72)【発明者】
【氏名】馬莉
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA01
5C094BA23
5C094GB01
5G435AA01
5G435BB04
5G435CC09
5G435KK05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】LED表示モジュールの製造方法に於いてランプビーズのランプギャップに存在する空気が完全に排出できず、表示効果に影響を与えるという関連技術における問題を効果的に解決する。
【解決手段】ライトボードの正面周辺に第1エンクロージャを加工し、正面に収容プールを形成するステップS10と、接着剤を収容プール内に充填し、接着剤が充填されたライトボードに対して真空脱泡処理を行うステップS30と、脱泡されたライトボードに対して1回目の硬化処理を行うステップS40と、第1エンクロージャを除去し、ライトボードを収容器具内に入れ、正面を収容器具の底部に向かせ、収容器具内の脱泡接着剤をランプビーズに浸み込ませるステップS50と、ライトボードの背面に収容器具の底部に向かう力を加え、脱泡接着剤をライトボードの正面に浸み込ませるステップS60とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトボードの正面周辺に第1エンクロージャ(10)を加工し、前記ライトボードの正面に収容プールを形成するステップS10と、
接着剤を前記収容プール内に充填し、前記接着剤が充填されたライトボードに対して真空脱泡処理を行い、脱泡されたライトボードを獲得するステップS30と、
前記脱泡されたライトボードに対して1回目の硬化処理を行い、1回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS40と、
前記第1エンクロージャ(10)を除去し、第1エンクロージャが除去された前記ライトボードを収容器具(31)内に入れ、第1エンクロージャが除去された前記ライトボードの正面を、平面部である前記収容器具(31)の底部に向かせ、前記収容器具(31)内の脱泡接着剤を第1エンクロージャが除去された前記ライトボード上のランプビーズ(1)に浸み込ませるステップS50と、
第1エンクロージャが除去された前記ライトボードの背面に前記収容器具(31)の底部に向かう力を加え、前記脱泡接着剤を前記ライトボードの正面に浸み込ませ、浸み込まれたライトボードを獲得するステップS60と、
前記浸み込まれたライトボードに対して2回目の硬化処理を行い、2回目の硬化処理されたライトボードを獲得して、更にLED表示モジュールを獲得するステップS70と、を含むことを特徴とするLED表示モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記ステップS10と前記ステップS30との間において、更に、
前記ライトボードの背面周辺に第2エンクロージャ(20)を加工するステップS20を含むことを特徴とする請求項1に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記ステップS30は、
前記接着剤を前記収容プール内に充填し、真空箱内において前記接着剤が充填されたライトボードに対して真空脱泡処理を行うステップS31と、
前記真空脱泡処理の時間を3分間~10分間にし、前記脱泡されたライトボードを獲得するステップS32と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記ステップS40は、
前記脱泡されたライトボードを硬化室内に配置して前記1回目の硬化処理を行い、前記硬化室内の温度を20℃~40℃の間にするステップS41と、
前記1回目の硬化処理の時間を1時間~4時間の間にし、前記1回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS42と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記ステップS42では、前記1回目の硬化処理されたライトボード上の接着剤の粘度を2000mPa・s~10000mPa・sの間にすることを特徴とする請求項4に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記ステップS50は、
フレキシブルフィルムを使用して前記1回目の硬化処理されたライトボードを収容できる前記収容器具(31)を作製するステップS51と、
前記収容器具(31)内に脱泡接着剤が盛られるように、前記収容器具(31)内に前記脱泡接着剤を充填するステップS52と、
前記第1エンクロージャ(10)を除去し、第1エンクロージャが除去された前記ライトボードを前記収容器具(31)内に入れ、第1エンクロージャが除去された前記ライトボードの正面を前記収容器具(31)の底部に向かせ、前記脱泡接着剤を第1エンクロージャが除去された前記ライトボード上のランプビーズ(1)に浸み込ませるステップS53と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項7】
前記ステップS51では、前記収容器具(31)の底部に前記平面部が形成されるように、前記収容器具(31)を平板(32)に配置することを特徴とする請求項6に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記ステップS60は、
治具(33)を第1エンクロージャが除去された前記ライトボードの背面に配置するステップS61と、
釣り合い重り(34)を前記治具(33)の上方に配置し、第1エンクロージャが除去された前記ライトボードの背面に前記治具(33)が前記収容器具(31)の底部に向かう力を加えるようにし、前記浸み込まれたライトボードを獲得するステップS62と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記ステップS62では、前記釣り合い重り(34)を前記治具(33)の上方に配置し、かつテープを使用して前記釣り合い重り(34)を前記治具(33)に固定し、第1エンクロージャが除去された前記ライトボードの背面に前記治具(33)が前記収容器具(31)の底部に向かう力を加えるようにすることを特徴とする請求項8に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記ステップS70は、
前記浸み込まれたライトボードを硬化室内に配置して前記2回目の硬化処理を行い、前記硬化室内の温度を20℃~100℃の間にするステップS71と、
前記2回目の硬化処理の時間を2時間~24時間の間にし、前記2回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS72と、
前記収容器具(31)、前記平板(32)及び前記2回目の硬化処理されたライトボードの周囲の余分なコロイドを除去し、前記LED表示モジュールを獲得するステップS73と、を含むことを特徴とする請求項7に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記ステップS30では、前記接着剤が前記ランプビーズ(1)の上面を浸み込むことを特徴とする請求項1に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記ライトボードの背面に複数の電子デバイスが設置され、前記治具(33)は支持板及び前記支持板の下面に間隔を置いて設置される複数の支持脚を含み、複数の前記支持脚が複数の前記電子デバイスを回避することを特徴とする請求項8に記載のLED表示モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED表示の技術分野に関し、具体的には、LED表示モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LED表示技術の発展に伴い、LEDディスプレイの用途がますます広まり、LED画素間のピッチがますます小さくなり、使用されるLEDデバイスのサイズもますます小さくなっている。これに応じて、LEDモジュールの衝突防止、防錆、防湿、帯電防止能力がますます高く要求されている。
【0003】
関連技術によるLEDモジュールのパッケージング方法では、LEDランプビーズが装着された回路基板、固体の光透過性接着剤層、光透過性フィルムが順次積層されて配置され、LEDランプビーズが装着された回路基板の一面が光透過性接着剤層に向かい、所定の温度環境で、積層されて配置される回路基板、光透過性接着剤層、光透過性フィルムに圧力を加えることでLEDモジュールを獲得する。
【0004】
しかし、上記のパッケージング過程において、ランプビーズのランプギャップに存在する空気が完全に排出できず、光透過性接着剤層及び光透過性フィルムの屈折率と空気の屈折率とが異なることで、LED表示画面の表面発光が不均一になり、表示効果に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、LED表示モジュールの製造方法を提供し、ランプビーズのランプギャップに存在する空気が完全に排出できず、表示効果に影響を与えるという関連技術における問題を効果的に解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は、LED表示モジュールの製造方法を提供し、ライトボードの正面周辺に第1エンクロージャを加工し、ライトボードの正面に収容プールを形成するステップS10と、接着剤を収容プール内に充填し、接着剤が充填されたライトボードに対して真空脱泡処理を行い、脱泡されたライトボードを獲得するステップS30と、脱泡されたライトボードに対して1回目の硬化処理を行い、1回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS40と、第1エンクロージャを除去し、第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具内に入れ、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面を、平面部である収容器具の底部に向かせ、収容器具内の脱泡接着剤を第1エンクロージャが除去されたライトボード上のランプビーズに浸み込ませるステップS50と、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に収容器具の底部に向かう力を加え、脱泡接着剤をライトボードの正面に浸み込ませ、浸み込まれたライトボードを獲得するステップS60と、浸み込まれたライトボードに対して2回目の硬化処理を行い、2回目の硬化処理されたライトボードを獲得して、更にLED表示モジュールを獲得するステップS70と、を含む。
【0007】
更に、ステップS10とステップS30との間において、LED表示モジュールの製造方法は更に、ライトボードの背面周辺に第2エンクロージャを加工するステップS20を含む。
【0008】
更に、ステップS30は、接着剤を収容プール内に充填し、真空箱内おいて接着剤が充填されたライトボードに対して真空脱泡処理を行うステップS31と、真空脱泡処理の時間を3分間~10分間にし、脱泡されたライトボードを獲得するステップS32と、を含む。
【0009】
更に、ステップS40は、脱泡されたライトボードを硬化室内に配置して1回目の硬化処理を行い、硬化室内の温度を20℃~40℃の間にするステップS41と、1回目の硬化処理の時間を1時間~4時間の間にし、1回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS42と、を含む。
【0010】
更に、ステップS42では、1回目の硬化処理されたライトボード上の接着剤の粘度を2000mPa・s~10000mPa・sの間にする。
【0011】
更に、ステップS50は、フレキシブルフィルムを使用して1回目の硬化処理されたライトボードを収容できる収容器具を作製するステップS51と、収容器具内に脱泡接着剤が盛られるように、収容器具内に脱泡接着剤を充填するステップS52と、第1エンクロージャを除去し、第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具内に入れ、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面を収容器具の底部に向かせ、脱泡接着剤を第1エンクロージャが除去されたライトボード上のランプビーズに浸み込ませるステップS53と、を含む。
【0012】
更に、ステップS51では、収容器具の底部に平面部が形成されるように、収容器具を平板に配置する。
【0013】
更に、ステップS60は、治具を第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に配置するステップS61と、釣り合い重りを治具の上方に配置し、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に治具が収容器具の底部に向かう力を加えるようにし、浸み込まれたライトボードを獲得するステップS62と、を含む。
【0014】
更に、ステップS62では、釣り合い重りを治具の上方に配置し、かつテープを使用して釣り合い重りを治具に固定し、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に治具が収容器具の底部に向かう力を加えるようにする。
【0015】
更に、ステップS70は、浸み込まれたライトボードを硬化室内に配置して2回目の硬化処理を行い、硬化室内の温度を20℃~100℃の間にするステップS71と、2回目の硬化処理の時間を2時間~24時間の間にし、2回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS72と、収容器具、平板及び2回目の硬化処理されたライトボードの周囲の余分なコロイドを除去し、LED表示モジュールを獲得するステップS73と、を含む。
【0016】
更に、ステップS30では、接着剤がランプビーズの上面を浸み込む。
【0017】
更に、ライトボードの背面に複数の電子デバイスが設置され、治具は支持板と、支持板の下面に間隔を置いて設置される複数の支持脚とを含み、複数の支持脚が複数の電子デバイスを回避する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の技術案を利用し、LED表示モジュールの製造方法は、ライトボードの正面周辺に第1エンクロージャを加工し、ライトボードの正面に収容プールを形成するステップS10と、接着剤を収容プール内に充填し、接着剤が充填されたライトボードに対して真空脱泡処理を行い、脱泡されたライトボードを獲得するステップS30と、脱泡されたライトボードに対して1回目の硬化処理を行い、1回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS40と、第1エンクロージャを除去し、第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具内に入れ、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面を、平面部である収容器具の底部に向かせ、収容器具内の脱泡接着剤を第1エンクロージャが除去されたライトボード上のランプビーズに浸み込ませ、このとき、第1エンクロージャが除去されたライトボード上のコロイドと収容器具内の脱泡接着剤が融着し、両者の材質が同じであるため、両者の交点で気泡が発生しにくく、従って2回目の硬化後に得られたコロイド内部に気泡が生じないことを保証するステップS50と、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に収容器具の底部に向かう力を加え、脱泡接着剤をライトボードの正面に浸み込ませ、浸み込まれたライトボードを獲得するステップS60と、浸み込まれたライトボードに対して2回目の硬化処理を行い、2回目の硬化処理されたライトボードを獲得して、更にLED表示モジュールを獲得するステップS70と、を含む。上記のステップS30により、脱泡されたライトボードを獲得し、LED表示モジュールの正面における空気残留を除去して、ランプビーズ表面とコロイド表面との接触による気泡発生の確率を低下させる。更に2回脱泡した接着剤を使用することで、コロイド内部に気泡が生じないことを保証すると同時に、異なる物体の接触による残留気泡の発生確率を大幅に低下させ、ランプビーズのランプギャップに存在する空気の完全な排出に役立ち、LED表示モジュールの表示効果を向上させる。したがって、本願の技術案は、ランプビーズのランプギャップに存在する空気が完全に排出できず、表示効果に影響を与えるという関連技術における問題を効果的に解決する。更に、収容器具の底部が平面部であるので、収容器具の底部に向かう第1エンクロージャが除去されたライトボードの表面が平坦で、凹凸現象がないことを保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の一部を構成する明細書の図面は、本発明をより理解するために提供され、本発明の例示的な実施例及びそれらの説明は、本発明を解釈するために使用されるが、本発明を不当に限定するものではない。
図1】本発明に係るLED表示モジュールの製造方法の実施例のフローチャートを示す。
図2図1のLED表示モジュールの製造方法を利用する場合にライトボードの正面を上向きにしたときの概略構造図を示す。
図3図1のLED表示モジュールの製造方法を利用する場合にライトボードの正面を収容器具の底部に向かせたときの概略構造図を示す。
【符号の説明】
【0020】
1 ランプビーズ、2 ボード本体、10 第1エンクロージャ、20 第2エンクロージャ、31 収容器具、32 平板、33 治具、34 釣り合い重り。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明するが、勿論、説明される実施例は全ての実施例ではなく、本発明の実施例の一部に過ぎない。以下の少なくとも1つの例示的な実施例に対する説明は、実際には例示的なものに過ぎず、決して本発明及びその適用又は使用を限定することを意図するものではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を付与せずに得た他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0022】
ここで使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものに過ぎず、本願に係る例示的な実施形態を限定する意図ではないことに注意すべきである。ここで使用されるように、文脈で別途の明確な説明がない限り、単数形式は複数形式も含み、また、理解すべきこととして、本明細書において用語「含有」及び/又は「含む」を使用する場合、特徴、ステップ、操作、デバイス、組立体及び/又はそれらの組み合わせが存在することを意味する。
【0023】
別に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載された部品及びステップの相対的配置、数式及び数値は本発明の範囲を限定しない。また、説明の便宜上、図面中に示された各部分の寸法は、実際の比率関係に応じて描画されるものではない。当業者に既知の技術、方法及びデバイスについて詳細に説明しない可能性があるが、適切な場合で、前記技術、方法及びデバイスは承認された明細書の一部と見なすべきである。ここで示して説明したすべての例示では、いずれの具体的な値も例示的なものに過ぎず、限定するためのものではないと解釈されるべきである。そのため、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有することができる。類似した符号及びアルファベットは、以下の図面において類似したものを示すため、あるものが1つの図面において定義されると、後の図面においてそれについて更に説明する必要がないことに注意すべきである。
【0024】
図1図3に示すように、本実施例のLED表示モジュールの製造方法は、ライトボードの正面周辺に第1エンクロージャ10を加工し、ライトボードの正面に収容プールを形成するステップS10と、接着剤を収容プール内に充填し、接着剤が充填されたライトボードに対して真空脱泡処理を行い、脱泡されたライトボードを獲得し、第1エンクロージャ10が接着剤を遮断して、接着剤が収容プールの外に流出することを防止することができるステップS30と、脱泡されたライトボードに対して1回目の硬化処理を行い、1回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS40と、第1エンクロージャ10と収容器具31による干渉を防止するために、第1エンクロージャ10を除去し、第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具31内に入れ、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面を、平面部である収容器具31の底部に向かせ、収容器具31内の脱泡接着剤を第1エンクロージャが除去されたライトボード上のランプビーズ1に浸み込ませるステップS50と、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に収容器具31の底部に向かう力を加え、脱泡接着剤をライトボードの正面に浸み込ませ、浸み込まれたライトボードを獲得し、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に収容器具31の底部に向かう力を加え、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面上のコロイドをよりコンパクトにさせるステップS60と、浸み込まれたライトボードに対して2回目の硬化処理を行い、2回目の硬化処理されたライトボードを獲得して、更にLED表示モジュールを獲得するステップS70と、を含む。
【0025】
本実施例の技術案を利用し、ステップS50では、第1エンクロージャ10を除去し、第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具31内に入れ、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面を、平面部である収容器具31の底部に向かせ、収容器具31内の脱泡接着剤を第1エンクロージャが除去されたライトボード上のランプビーズ1に浸み込ませ、このとき、第1エンクロージャが除去されたライトボード上のコロイドと収容器具31内の脱泡接着剤が融着し、両者の材質が同じであるため、両者の交点で気泡が発生しにくく、従って2回目の硬化後に得られたコロイド内部に気泡が生じないことを保証する。ステップS60では、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に収容器具31の底部に向かう力を加え、脱泡接着剤をライトボードの正面に浸み込ませ(ここでライトボードの正面は具体的にボード本体2の正面を指す)、浸み込まれたライトボードを獲得する。ステップS70では、浸み込まれたライトボードに対して2回目の硬化処理を行い、2回目の硬化処理されたライトボードを獲得して、更にLED表示モジュールを獲得する。上記ステップS30により、脱泡されたライトボードを獲得して、LED表示モジュールの正面における空気残留を除去し、ランプビーズ1表面とコロイド表面の接触による気泡発生の確率を低下させる。更に2回脱泡した接着剤を使用することで、コロイド内部に気泡が生じないことを保証すると同時に、異なる物体の接触による残留気泡の発生確率を大幅に低下させ、ランプビーズ1のランプギャップに存在する空気の完全な排出に役立ち、LED表示モジュールの表示効果を向上させる。したがって、本実施例の技術案は、ランプビーズのランプギャップに存在する空気が完全に排出できず、表示効果に影響を与えるという関連技術における問題を効果的に解決する。更に、収容器具31の底部が平面部であるので、収容器具31の底部に向かう第1エンクロージャが除去されたライトボードの表面が平坦で、凹凸現象がないことを保証することができる。本実施例のライトボードは、ボード本体2及びボード本体の正面に設置される複数のランプビーズ1を含む。ボード本体2の背面には複数の電子デバイスを備える。
【0026】
なお、上記「ライトボードの正面」及び「ボード本体2の正面」は、ランプビーズが設置された一面を指す。それに応じて、「ライトボードの背面」及び「ボード本体2の背面」はランプビーズ1が設置されていない一面を指す。
【0027】
本実施例では、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面を下向きに収容器具31内に配置し、第1エンクロージャが除去されたライトボードに収容器具の底部に向かう力を加えることで、得られたLED表示モジュールの正面の平坦性を保証することができる。ライトボードを直接収容器具31内に配置する過程において、脱泡接着剤とランプビーズ1との接触面に気泡が発生しやすく、かつランプボードが逆様に収容器具31内に配置されるため、隣接するランプビーズ1の間の気泡が排出されにくい。従って、まず接着剤を収容プール内に充填し、真空脱泡処理と1回目の硬化処理を行い、ランプビーズ1がすべて内部に気泡のないコロイド内に被覆され、すなわち隣接するランプビーズの間に気泡がないようにし、続いてライトボードを収容器具31内に入れる。このような設置により、LED表示モジュールの正面の平坦性を保証するとともに、隣接するランプビーズ1の間に気泡がないことを保証することができる。
【0028】
第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具31に入れる際に、まず第1エンクロージャが除去されたライトボードの一端を収容器具31内に入れ、続いて第1エンクロージャが除去されたライトボードをゆっくりと降ろすことでそれを完全に収容器具31内に入れ、このようにして、第1エンクロージャが除去されたライトボードを配置する際にライトボード上のコロイドと収容器具31内の脱泡接着剤との接触面に気泡が発生することを回避することができる。
【0029】
ステップ30では、接着剤がランプビーズ1の上面を浸み込む。即ち、接着剤がボード本体の正面における複数のランプビーズ1を完全に覆い、このようにして、ステップS50を行う際に、ライトボードに形成されたコロイドのみが収容器具31内の脱泡接着剤と接触し、ライトボードが収容器具31内の脱泡接着剤と直接接触せず、気泡の発生を効果的に回避することができる。
【0030】
図1図3に示すように、ステップS10とステップS30との間において、LED表示モジュールの製造方法は更に、ライトボードの背面周辺に第2エンクロージャを加工するステップS20を含む。このように、第2エンクロージャ20の設置はライトボードの背面を遮断し、接着剤又は脱泡接着材がライトボードの背面に流れることを防止することができる。
【0031】
具体的に、本実施例では、第1エンクロージャ10と第2エンクロージャ20はいずれもPE、PU又はEVA材料からなるテープであり、第1エンクロージャ10と第2エンクロージャ20はライトボードの周辺に接着して接続されることができる。
【0032】
図1図3に示すように、ステップS30は、接着剤を収容プール内に充填し、接着剤が充填されたライトボード内の気泡を抽出するために、真空箱内において接着剤が充填されたライトボードに対して真空脱泡処理を行うステップS31と、真空脱泡処理の時間を3分間~10分間にし、脱泡されたライトボードを獲得するステップS32と、を含む。このように、3分間~10分間以内の真空脱泡処理で、接着剤が充填されたライトボード内の気泡を最大限に抽出することができる。上記真空脱泡処理の時間は、好ましくは3分又は5分又は8分又は10分である。
【0033】
図1図3に示すように、ステップS40は、脱泡されたライトボードを硬化室内に配置して1回目の硬化処理を行い、硬化室内の温度を20℃~40℃の間にするステップS41と、1回目の硬化処理の時間を1時間~4時間の間にし、1回目の硬化処理されたライトボードを獲得するステップS42と、を含む。このように、ステップS41とステップS42を経て、1回目の硬化処理されたライトボード上の接着剤の粘度がますます大きくなり、粘りのきついコロイドが形成され、このように1回目の硬化処理されたライトボードの正面が下向きに配置される場合、ライトボード上の接着剤はライトボードから落ない。上記硬化室内の温度は、好ましくは20℃又は30℃又は40℃であり、1回目の硬化処理の時間は、好ましくは1時間又は2時間又は3時間又は4時間である。
【0034】
図1図3に示すように、1回目の硬化処理されたライトボード上の接着剤が脱落することなくライトボードの正面にしっかりと付着するように、ステップS42では、1回目の硬化処理されたライトボード上の接着剤の粘度を2000mPa・s~10000mPa・sの間にする。1回目の硬化処理されたライトボード上の接着剤の粘度は、好ましくは2000mPa・s又は4000mPa・s又は6000mPa・s又は8000mPa・s又は10000mPa・sである。
【0035】
図1図3に示すように、ステップS50は、フレキシブルフィルムを使用して1回目の硬化処理されたライトボードを収容できる収容器具31を作製し、即ち、収容器具31の容積が1回目の硬化処理されたライトボードの体積より大きく、1回目の硬化処理されたライトボードが完全に収容器具31内に入ることができるステップS51と、同時に、収容器具31内に気泡が生じないことを確保するために、収容器具31内に脱泡接着剤が盛られるように、収容器具31内に脱泡接着剤を充填するステップS52と、第1エンクロージャ10を除去し、第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具31内に入れ、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面を収容器具31の底部に向かせ、脱泡接着剤を第1エンクロージャが除去されたライトボード上のランプビーズ1に浸み込ませるステップS53と、を含む。このように、第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具31内に入れる過程において、第1エンクロージャが除去されたライトボード上のコロイドと脱泡接着剤とが液体-液体間の接触となり、第1エンクロージャが除去されたライトボード上のコロイドを脱泡接着剤と完全に融合させることができ、したがってLED表示モジュールの正面における空気残留を可能な限り除去して、ランプビーズ1表面とコロイド表面との接触による気泡発生の確率を低下させる。フレキシブルフィルムの材質は、好ましくはPet、PP、PVC、PE又はPSである。このように、フレキシブルフィルムは両面が滑らかであってもよいし、一面が滑らかで一面がつや消しであってもよく、脱泡接着剤及びライトボード上のコロイドの接触面と事前に離型コーティングできることを保証する。具体的に、LED表示モジュール製造の完了後にフレキシブルフィルムと硬化されたコロイドとの分離を容易にするために、フレキシブルフィルムと脱泡接着剤及びライトボード上のコロイドとの接触面(即ち、フレキシブルフィルムの内面)に離型コーティングを設置する。
【0036】
本実施例では、フレキシブルフィルムの内面に離型コーティングが設置されているため、先に接着剤を収容器具31内に入れて真空脱泡処理を行う場合、離型コーティングは真空脱泡処理の過程においてフレキシブルフィルムと分離し、従って、真空脱泡処理された脱泡接着剤を収容器具31内に直接充填する。接着剤を収容プール内に充填する際に、接着剤を事前に脱泡処理したとしても、接着剤とランプビーズ1の表面との接触過程において気泡が非常に容易に発生し、従って、先に接着剤を収容プール内に充填し、続いて真空脱泡処理を行う。
【0037】
関連技術における異なる形状のLED表示モジュールを製造するには、複数の金型を作製する必要があり、コストが比較的高くなる。これに対して、本実施例では、フレキシブルフィルムを使用して製造された収容器具31は、そのフレキシブルフィルムが自由に切断されることができ、金型形状に作製しやすく、コストが低い。
【0038】
図1図3に示すように、第1エンクロージャが除去されたライトボードを収容器具31の底部に入れた後に、第1エンクロージャが除去されたライトボードの正面が収容器具31の底部と平坦に接触できるように、ステップS51では、収容器具31を平板32に配置し、収容器具31の底部を平面部に形成させる。
【0039】
図1図3に示すように、ステップS60は、治具33を第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に配置するステップS61と、釣り合い重り34を治具33の上方に配置し、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に治具33が収容器具31の底部に向かう力を加えるようにし、浸み込まれたライトボードを獲得するステップS62と、を含む。治具33を第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に配置し、釣り合い重り34により収容器具31の底部に向かう力を治具33に均一に加えることによって、2回目の硬化処理されたライトボードの表面のコロイドの平坦と均一を保証することができる。上記治具33は支持板及び支持板の表面に間隔を置いて設置される複数の支持脚を含み、複数の支持脚がライトボード背面の複数の電子デバイスを回避し、すなわち、複数の支持脚はライトボード背面の平面位置に支持される。電子デバイスを回避する前提で可能な限り多くの支持脚を設置し、複数の支持脚を第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に配置させ、釣り合い重り34により収容器具31の底部に向かう力を治具33に均一に加える場合、釣り合い重り34の重力を十分に分散させ、2回目の硬化処理されたライトボードの表面のコロイドの平坦と均一を保証することができる。
【0040】
なお、本実施例の釣り合い重り34の重量はライトボードに加ええる重りの要求に応じて選択されることができる。勿論、その他の実行可能な実施形態では、釣り合い重りに支持脚を直接加工することもでき、このように治具を設置する必要がなくなるが、釣り合い重りに支持脚を直接加工する場合の生産コストが高くなる。
【0041】
図1図3に示すように、ステップS62では、釣り合い重り34を治具33の上方に配置し、釣り合い重り34が治具33の上方から落下することなく治具33の上方に安定的に配置できるように、テープを使用して釣り合い重り34を治具33に固定し、第1エンクロージャが除去されたライトボードの背面に治具33が収容器具31の底部に向かう力を加えるようにする。
【0042】
図1図3に示すように、ステップS70は、浸み込まれたライトボードを硬化室内に配置して2回目の硬化処理を行い、硬化室内の温度を20℃~100℃の間にするステップS71と、2回目の硬化処理の時間を2時間~24時間の間にし、2回目の硬化処理されたライトボードを獲得して、このとき、2回目の硬化処理されたライトボード上のコロイドが既に硬化されており、高い硬度を有するステップS72と、収容器具31、平板32及び2回目の硬化処理されたライトボードの周囲の余分なコロイドを除去し、LED表示モジュールを獲得するステップS73と、を含む。同時に第2エンクロージャとテープも除去する。上記ライトボードの周囲の余分なコロイドの除去方法は、切断方法を用いることができる。上記硬化室内の温度は、好ましくは20℃又は30℃又は40℃又は50℃又は60℃又は70℃又は80℃又は90℃又は100℃である。上記2回目の硬化処理の時間は、好ましくは2時間又は5時間又は8時間又は10時間又は12時間又は15時間又は18時間又は20時間又は24時間である。
【0043】
本発明の説明において、理解すべきこととして、方位詞「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縦方向、垂直、水平」及び「頂、底」等で表す方位又は位置関係は、一般的に図面に示した方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しかつ説明を簡潔にするためのものに過ぎず、逆の説明をしない場合、これらの方位詞は、表された装置又は素子が必ず特定の方位を有するか又は特定の方位で構成し操作されることを指示又は暗示するものではないため、本発明の保護範囲を限定するものとして理解すべきではなく、方位詞「内、外」は各部品自体の輪郭に対する内、外である。
【0044】
説明の便宜上、ここで「…の上」、「…の上方」、「…の上面」、「上側の」等のような空間相対用語を用いて、図面に示した一つのデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明するために用いられる。なお、空間相対用語は、図中に説明したデバイスの方位以外、使用又は操作中の異なる方位も含むことに理解すべきである。例えば、図面中のデバイスが逆転されると、「他のデバイス又は構造の上方」又は「他のデバイス又は構造の上」と説明されたデバイスは、「他のデバイス又は構造の下方」又は「他のデバイス又は構造の下」に位置付けられる。したがって、例示的な用語「…の上方」は、「…の上方」及び「…の下方」の2種の方位を含むことができる。該デバイスも、他の異なる方式で位置付けられてもよく(90度回転又は他の方位に位置する)、かつここで用いられた空間相対説明について対応する解釈を行う。
【0045】
また、説明すべきこととして、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定することは、対応する部品を容易に区別するためのものに過ぎず、特に声明しない限り、上記用語は特殊な意味がないため、本発明の保護範囲を限定するものとして理解すべきではない。
【0046】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明に様々な修正及び変更を行うことができる。本発明の精神及び原則内で行われる任意の修正、均等置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3