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  • 特開-サービス提供システム 図1
  • 特開-サービス提供システム 図2
  • 特開-サービス提供システム 図3
  • 特開-サービス提供システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044697
(43)【公開日】2023-03-31
(54)【発明の名称】サービス提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20230324BHJP
【FI】
G06Q20/40 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152721
(22)【出願日】2021-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】521414922
【氏名又は名称】株式会社O2
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】大橋 悟郎
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】 実店舗でサービスを利用するサービス利用者が、手ぶらで(スマートフォンや財布・カード等を所持していなくても)サービスを利用できることにある。
【解決手段】 サービス利用者(客)が、サービス利用前に予め自身の顔情報及びクレジットカード情報を紐付けて登録する(会員登録)。これによって、入場時には客の顔認証によってクレジットカード情報から入場料が精算される。また、館内でロッカー、自動販売機、飲食、マッサージ、別メニュー(サウナ、岩盤浴等)など、施設やサービスの利用ごとに顔認証を行い、都度クレジットカード情報から精算が行われる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体認証による実店舗でのサービス提供システムであって、
実店舗でのサービス提供時にサービス利用者の生体情報を取得し、登録する利用者情報登録機能と、
サービス利用者からの利用・注文を受け付け、当該利用・注文に関する料金を算出する料金算出機能と、
料金算出機能によって算出された金額を、サービス利用者から取得したキャッシュレス決済情報に基づいてキャッシュレス決済する料金精算機能と、
を備えたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項2】
生体認証による実店舗でのサービス提供システムであって、
サービス提供前に予めサービス利用者の生体情報及びキャッシュレス決済情報を紐付けて登録する利用者情報事前登録機能と、
実店舗でのサービス提供時にサービス利用者の生体情報を取得し、利用者情報事前登録機能に登録されている生体情報から当該サービス利用者を認証する生体認証機能と、
サービス利用者からの利用・注文を受け付け、当該利用・注文に関する料金を算出する料金算出機能と、
料金算出機能によって算出された金額を、利用者情報事前登録機能に登録されたサービス利用者の生体情報と紐付けられたキャッシュレス決済情報に基づいてキャッシュレス決済する料金精算機能と、
を備えたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項3】
実店舗が飲食店であって、情報端末でサービス利用者の生体情報を取得するとともに、注文を受け付けることを特徴とする請求項1又は2記載のサービス提供システム。
【請求項4】
実店舗が入浴施設であって、サービス利用者の生体情報を取得すると入館を許可し、サービス利用者のキャッシュレス決済を完了すると退館を許可することを特徴とする請求項1又は2記載のサービス提供システム。
【請求項5】
生体情報が顔情報であり、生体認証が顔認証であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のサービス提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、生体認証を活用した実店舗におけるサービス提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
実店舗でのサービス提供は、サービス利用者(顧客)とサービス提供者(店員)との間に物を介在することが多かった。
例えば、サービス料金支払いの時には、現金、カード、モバイル端末の授受又は提示がある。
また、サービス利用者がサービス提供者からキーを渡されて、それを持ってサービスを受けることがある(宿泊施設や入浴施設など:特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08-240047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、キャッシュレス化やコロナ禍による衛生的な面から、直接的な物のやりとりを極力減らしていこうという傾向が今後益々進んでいくと思われる。
また、現金やカードなどの精算作業を無くすことにより、従業員と客の工数を減らし、ストレスを軽減することが求められている。
そこで、このような社会情勢や時代に合致したサービスを提供すべく、本願発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の第1の発明は、生体認証による実店舗でのサービス提供システムであって、実店舗でのサービス提供時にサービス利用者の生体情報を取得し、登録する利用者情報登録機能と、サービス利用者からの利用・注文を受け付け、当該利用・注文に関する料金を算出する料金算出機能と、料金算出機能によって算出された金額を、サービス利用者から取得したキャッシュレス決済情報に基づいてキャッシュレス決済する料金精算機能と、を備えたことを特徴とするものである。
第2の発明は、生体認証による実店舗でのサービス提供システムであって、サービス提供前に予めサービス利用者の生体情報及びキャッシュレス決済情報を紐付けて登録する利用者情報事前登録機能と、実店舗でのサービス提供時にサービス利用者の生体情報を取得し、利用者情報事前登録機能に登録されている生体情報から当該サービス利用者を認証する生体認証機能と、サービス利用者からの利用・注文を受け付け、当該利用・注文に関する料金を算出する料金算出機能と、料金算出機能によって算出された金額を、利用者情報事前登録機能に登録されたサービス利用者の生体情報と紐付けられたキャッシュレス決済情報に基づいてキャッシュレス決済する料金精算機能と、を備えたことを特徴とするものである。
第3の発明は、実店舗が飲食店であって、情報端末でサービス利用者の生体情報を取得するとともに、注文を受け付けることを特徴とする同サービス提供システムである。
第4の発明は、実店舗が入浴施設であって、サービス利用者の生体情報を取得すると入館を許可し、サービス利用者のキャッシュレス決済を完了すると退館を許可することを特徴とする同サービス提供システムである。
第5の発明は、生体情報が顔情報であり、生体認証が顔認証であることを特徴とする同サービス提供システムである。
【発明の効果】
【0006】
上記した本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)実店舗でのサービス提供のために「生体認証」を用いることで、サービス利用者を確実に認識できる。そして、生体認証の対象である生体情報と紐付けられたキャッシュレス決済情報からサービス利用の対価を決済できる。これによって、サービス利用者とサービス提供者との間で「物」を介在させずに、サービスの利用と提供が確実に行える。
(2)詳しくは、キャッシュレス決済が行われるので、現金の授受がなくなり、キャッシュレス化につながる。
(3)また、サービス利用者は生体認証で識別されるので、ロッカーキーなどの「物」を用いた不正使用防止手段が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本願発明に係るサービス提供システムの第1実施形態の説明図(1)。
図2】本願発明に係るサービス提供システムの第1実施形態の説明図(2)。
図3】本願発明に係るサービス提供システムの第1実施形態の説明図(3)。
図4】本願発明に係るサービス提供システムの第2実施形態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1図3は、本願発明に係る「サービス提供システム」の第1実施形態を説明する説明図である。
図1図3で図示する第1実施形態では、実店舗を「入浴施設」として説明する。
【0009】
まず、図1及び図2では、システム化された入浴施設で利用されている「IC付きのロッカーキー」を「顔認証」という自分しか持ち歩けない鍵に代えた事例で説明する。
図1に図示するように、まず、サービス利用者である客の入場時(入館時)にタブレット端末で顔認証を行う。これによって当該客の顔情報と入場料が記録されて、ゲートが開き、入場が許可される。
館内では、「ロッカー」「自動販売機」「飲食」「マッサージ」「別メニュー(サウナ、岩盤浴等)」など、施設やサービスの利用ごとに顔認証を行う。そして、入場時に記録された入場料に館内での利用料金が加算されて記録される。
ここで、図2は、顔認証機能付きのロッカーを図示したものである。中央に設けられたタブレットで顔認証を行い、客の利用するロッカーの開閉が制御される。
【0010】
客が入浴施設の利用料金を精算する場合には、タブレット端末で顔認証を行い、当該タブレット端末に客の利用料金が表示されて精算が可能になる。
クレジットカードやキャリア決済等のキャッシュレス決済による精算が完了すれば、客は退場時にタブレット端末で顔認証し、精算済みの人だけゲートが開いて退場できる。
【0011】
この事例によれば、以下の作用・効果がある。
(1)これまでの入浴施設では利用者にカギ(ロッカーキー等)を渡すが、利用者(客)は開放感を求めて来ていることから、カギを身体につけないで持ち歩きする人がいる。或いは、サウナが高温のため、カギが熱くなり、火傷のおそれから外している人もいる。このような理由でカギを身体から外していると、紛失、盗難、他人のロッカーキー(IC付きの場合)で勝手に決済するなどのトラブルがおきやすいが、カギに代えて顔認証を利用することで、このようなトラブルを防ぐことができて、安心して入浴できる。
(2)ロッカーキー自体がなくなるため、他人の使ったロッカーキーに触れなくてもよく(非接触)、紛失も無くなるので、交換に要する費用を削減できる。また、常連客のロッカーの占有(わざとカギを持って帰る)を防げる。
(3)岩盤浴やサウナなど、基本の入湯料+αの施設を利用する場合、追加メニュー利用者の識別ができる。
(4)飲食スペースにおいては、現状、注文を聞いてIC付きロッカーキーに利用情報を記録させて、帰りにまとめて精算を行っているが、本事例ではタブレットでメニューを選択し、顔認証で確定できるので、従業員によるICの読み取りや注文取りが不要になって従業員と客の接触がなくなる。
【0012】
次に、図3では、顔認証を使った会員登録・自動精算について説明する。
図1と異なる点は、サービス利用者(客)が、サービス利用前に予め自身の顔情報及びクレジットカード情報を紐付けて登録するところにある(会員登録)。なお、ここでは、決済手段としてクレジットカードの利用を例に挙げているため、クレジットカード情報を登録しているが、クレジットカード情報の他にもキャリア決済などキャッシュレス決済を行うためのキャッシュレス決済情報を登録できるようにすればよい。
これによって、入場時には客の顔認証によってクレジットカード情報から入場料が精算される。
また、館内で「ロッカー」「自動販売機」「飲食」「マッサージ」「別メニュー(サウナ、岩盤浴等)」など、施設やサービスの利用ごとに顔認証を行い、都度クレジットカード情報から精算が行われる。
退場時にも顔認証を行い、延長料金等の精算があれば行い、ゲートが開き退場(退館)できる。
なお、図3での「精算」とは、顔認証と紐付けられたクレジットカード情報から自動的に精算されるもので、図1での「精算」のようにサービス利用者(客)が自ら精算作業を行うもの(精算機端末を使用しての精算等)ではない。
また、図3では、サービス提供の都度精算を行うようになっているが、最後(退場時)にまとめてでの精算でもよい(図3では都度精算又は最後のまとめ精算のどちらでも可能であることも特徴である)。
【0013】
この事例によれば、サービス利用者側(客)としては、財布やスマートフォンなど完全に何も持たずに入浴施設を利用することができる。
その他の作用・効果は、図1及び図2で説明したものと同じである。
【0014】
図4は、本願発明に係る「サービス提供システム」の第2実施形態を説明する説明図である。
図4で図示する第2実施形態では、実店舗を「飲食店」として説明する。
【0015】
サービス利用者である客は、飲食店の利用前に予め自身の生体情報としての顔情報及びクレジットカード情報をシステム事業者に登録する(1)。
システム事業者は、客のクレジット決済を代行する決済代行会社へ先に登録された客のクレジットカード情報を送り(2)、決済代行会社からシステム事業者へトークンが送られる(3)。
そして、システム事業者の提携する飲食店A,B,C,…に来店した客は、タブレット端末でメニューを選択し、注文する(4)。また、一方で飲食店側では客の顔情報を取得し、システム事業者が確認する(5)。
システム事業者は、確認した顔情報に紐付けられたクレジットカード情報と客の注文額を決済代行会社へ送って照合し(6)、精算が完了する(7,8)。
精算の完了後に、飲食店から客へ注文した品物(料理や飲み物等)が提供される(9)。
【0016】
上記したサービス提供システムによって、以下のような効果を生じる。
(1)サービス利用者側(客)としては、財布やスマートフォンなど完全に何も持たずに来店し、用事を済ませることができる。
(2)サービス提供者側(飲食店)としては、「無銭飲食のリスクを回避できる」「スタッフの工数削減(精算に人を取られない)」「顧客との接触を減らせる」「高級店でも導入しやすい(券売機があると大衆店のイメージになる)」などの効果がある。
(3)システム事業者としては、複数のサービス提供者(飲食店A,B,C,…のように同一業種であってもよいし、異業種であってもよい)をまとめて運用できる(=サービス利用者側としては、加盟店であればどこでも使える)。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本願発明に係るサービス提供システムは、実店舗でサービスを提供するサービス提供者に広く利用できるものである。また、実店舗でサービスを利用するサービス利用者としても、手ぶらで(スマートフォンや財布・カード等を所持していなくても)サービスを利用できる。
図1
図2
図3
図4