(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044718
(43)【公開日】2023-03-31
(54)【発明の名称】計量器付き飲料用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 41/26 20060101AFI20230324BHJP
B65D 47/06 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
B65D41/26
B65D47/06 120
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126028
(22)【出願日】2022-08-08
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2021-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】302024537
【氏名又は名称】伊藤 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100202175
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 静男
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昇
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB13
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC01
3E084GA01
3E084GA08
3E084GB01
3E084GB12
3E084KB01
3E084LA18
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
3E084LE06
(57)【要約】
【課題】粉末健康飲料等の適量を量り、適正濃度、好みの味の飲料を得る飲料用容器を提供する。
【解決手段】蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器により適正濃度、好みの味の飲料を得ることができる。また本体容器の蓋の外側に上下に開口し広口の蓋を貫通し蓋上部の開口部に蓋を有する円筒状飲み口あるいは広口の蓋を貫通し片方の端が本体容器の底に届き、他方の片方の端が蓋の上部に係止する中空チューブであるストロー状飲み口を有する飲料用容器である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなることを特徴とする飲料用容器
【請求項2】
蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器において、上下に開口し広口の蓋を貫通し蓋上部の開口部に蓋を有する円筒状飲み口を本体容器の蓋の外側に備えたことを特徴とする飲料用容器
【請求項3】
蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器において、広口の蓋を貫通し片方の端が本体容器の底に届き、他方の片方の端が蓋の上部に係止する中空チューブである飲み口を備えたことを特徴とする飲料用容器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末スポーツドリンク、健康飲料等用の計量器付き飲料用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康増進のためにウォーキング、ジョギング、サイクリングなどが行われている。例えばマラソン等の運動を行う場合の水分摂取量の目安量は、まず運動開始の20分~40分前に250~500ミリリットルの水分を取り、そして運動中は15分おきにコツプ一杯分、つまり一時間に4回、合計一時間当たり500~1000ミリリットルの水分補給が良いと言われている。この場合には、普通の水では不十分で、必要な成分を含むスポーツドリンクが良い。
また地球温暖化に伴いニュース等でよく見聞きするようになった熱中症予防にも水分補給が重要である。この場合には0・1~0・2パーセントの食塩と4~8パーセントの糖質を含んだ飲料が良い。自分で調製するには1リットルの水、ティスプーン半分の食塩(2グラム)と角砂糖を好みに応じて数個溶かして作ることもできる。
【0003】
市販のペットボトルのスポーツ飲料は一般に濃度が濃く、大量に飲んだ場合に糖分を取りすぎる。また市販のペットボトルを飲料用水筒に移し替えて持ち運ぶ場合は、残ると捨てる方がよく、長時間置くと腐る心配がある。
粉末健康飲料の場合は、空の飲料用容器と粉末飲料と水とを持ち運べば、飲みたい時に、必要な量だけを適正な濃度、好みの味に調整して、健康飲料水を飲むことができる。一回ごとに飲み切ってしまい残さないことによって、飲料用容器は清潔に保てる。
また、人里離れた山の中で自動販売機が無くても、湧き水が有れば、粉末健康飲料を飲料用容器に入れて、適正な濃度、好みの味の健康飲料水を調製し飲むことができる。
【0004】
一般に、健康飲料水は粉末健康飲料をスプーン等で計量し、カップに入れ、水を入れ調製する。そしてサイクリング等に持って行く時は前記の様に調製した健康飲料水を水筒に入れて持ち運び、必要な時に飲む。もっと簡単な操作で短時間に調製できる飲料用容器が有れば重宝される。また、最適な濃度の健康飲料水が得られ、好みの味に調製できる飲料用容器が必要である。
そして、従来、健康飲料水等を長時間置いておくと、容器にカビが生えることがあり、洗う場合にブラシが隅々に届かず、清潔に保てない欠点があつた。
【0005】
先行技術として、計量ロートを上部に備えた容器が発明されている。すなわち上部ロートに粉末等の材料を計量し、下部の水の入った容器に落とす、その後、ロート部分を取り去り、容器に蓋をして、振ることにより混合し抹茶ドリンク等を調製する。しかし、いちいちロート部分を外し容器に蓋をして混合を行う煩わしさの問題点がある(特許文献1)。
【0006】
また、缶コーヒー等を飲む直前に、缶容器内に収納した小容器に入ったミルクなどの添加物を、小容器を破壊して加え、風味の良いコーヒー等を得ることができる発明がされている(特許文献2)。ミルクなどの添加物は予め入れた量しかコーヒー等に加えることが出来ず、量の調整が出来ない。もちろん添加物の種類も限定される。飲料缶へ小容器を設置し、小容器を破って添加物を入れるので使い捨てである。
【0007】
そして、飲み口付き飲料調製用器具及び飲料容器が発明されている(特許文献3)。
上部の第1室に粉末状乳剤を入れ、下部の第2室に水を入れ、飲み口付き飲料調製用器具は、第1室の天面及び底面、第2室の天面を突き通し、第1室と第2室を連通する開口部があり、振って液状乳剤を調製し、上部の飲み口から飲む。
この場合は、第1室の底面、第2室の天面を突き刺し貫通し乳児用飲料を調製するので、毎回底面、天面を張り替える必要がある。
【0008】
また、凹状頂部を備えた飲料容器が発明されている(特許文献4)。
円筒形本体部分は第1の飲料アルコール等を入れ、凹状頂部の第2容器に氷、ソーダ等を入れる。第2容器の底は開閉可能である。
この場合には、予め上部の第2容器には所定量の添加剤等を入れ、第1の本体容器には所定量の飲料等を用意する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003―112760
【特許文献2】特開2002―370746
【特許文献3】特開2017―046908
【特許文献4】特表2017―505736
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般に、健康飲料水は粉末健康飲料をスプーン等で計量し、カップに入れ、水を入れ調製する。そしてサイクリング等に持って行く時は前記の様に調製した健康飲料水を水筒に入れて持ち運び、必要な時に飲む。もっと簡単な操作で短時間に調製できる飲料用容器が必要である。また、最適な濃度の健康飲料水が得られ、好みの味に調製できる、廉価で軽く操作が簡単である飲料用容器が求められている。
そして、従来、健康飲料水等を長時間置いておくと、容器にカビが生えることがあり、洗う場合にブラシが隅々に届かず、清潔に保てない欠点があつた。このためにブラシで洗い易く、清潔に保つためにシンプルな構造の飲料用容器が求められる。
特許文献1の方法は、いちいちロート部分を外し容器に蓋をして混合を行う煩わしさの問題点がある。
特許文献2の場合は、ミルクなどの添加物は予め入れた量しかコーヒーに加えることが出来ず、量の調整が出来ない。もちろん添加物の種類も限定される。飲料缶へ小容器を設置し、小容器を破って添加物を入れるので使い捨てである問題点がある。
特許文献3は、第1室の底面、第2室の天面を突き刺し貫通し乳児用飲料を調製するので、毎回底面、天面を張り替える必要がある問題点がある。
特許文献4の場合には、予め上部の第2容器には所定量添加剤等を入れ、第1の本体容器には所定量の飲料等を用意する必要がある点が問題である。
【0011】
本発明は従来から問題であった点を解決するためになされたものである。すなわち、もっと簡単な操作で短時間に容易に健康飲料水を調製できる廉価で、軽量な飲料用容器が必要である。また、最適な濃度の健康飲料水が得られ、好みの味に調製できる飲料用容器が求められる。
そして、従来、健康飲料等を長時間置いておくと、容器にカビが生えることがあり、洗う場合にブラシが隅々に届かず、清潔に保てない欠点があつた。このことからシンブルな構造の飲料用容器が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決し、目的を達するために鋭意工夫し以下の飲料用容器を発明した。
蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器である。蓋の内側に着いた計量器に粉末健康飲料を所定量入れ、広口の円筒状本体容器に空ける。そして所定量の水を加え、広口の蓋を閉め、容器を振り混合溶解させて健康飲料水を調製する。この時、粉末健康飲料等は計量器に望む量入れる事が出来、一回で不足の場合は、二回、三回計量器に入れ、本体容器に加えることができる。
計量器着き広口蓋は一体成型により製作でき、また接着により、あるいは溶接により製作できる。
広口本体容器と広口の蓋は嵌め込み式あるいはねじ込み式に密閉ができる。
【0013】
そして、蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器において、上下に開口し広口の蓋を貫通し蓋上部の開口部に蓋を有する円筒状飲み口を本体容器の蓋の外側に備えた飲料用容器である。
粉末健康飲料の最適な量を計量器で量り、本体容器に投入し、水を加えて最適な濃度の健康飲料水を得る。サイクリング中などで飲み口の蓋をはずし、飲むことができる。
【0014】
また、蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器において、広口の蓋を貫通し片方の端が本体容器の底に届き、他方の片方の端が蓋の上部に係止する中空チューブである飲み口を備えた飲料用容器である。
粉末健康飲料の最適な量を計量器で量り、本体容器に投入し、水を加えて最適な濃度の健康飲料水を得る。ウォーキング中などで飲み口のチューブを蓋から外し、飲むことができる。
【0015】
本飲料容器の材質は、プラスチック製、アルミニウム、ステンレス、スチール等の金属製、ガラス製等がある。
広口の円筒状本体容器の蓋、円筒状飲み口の蓋は軟質プラスチックで製作され、嵌め込み式のものが使用し易い。
また中空チューブの飲み口も軟質プラスチック製が使用し易い。
【0016】
本発明に係る飲料用容器は、蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器である。蓋の内側に着いた計量器に粉末健康飲料を所定量入れ、広口の円筒状本体容器に空ける。そして所定量の水を加え、広口の蓋を閉め、容器を振り混合溶解させて健康飲料水を調製する。この時、粉末健康飲料等は計量器に望む量入れる事が出来、一回で不足の場合は、二回、三回計量器に入れ、本体容器に加えることができる。すなわち最適濃度、好みの味の健康飲料水が調製できる。
【0017】
蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器は、シンプルな構造であり、使用後はブラシで洗い清潔に保てる。
そして、蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器において、上下に開口し広口の蓋を貫通し蓋上部の開口部に蓋を有する円筒状飲み口を本体容器の蓋の外側に備えた飲料用容器では、上下に開口し広口の蓋を貫通し蓋上部の開口部に蓋を有する円筒状飲み口は飲み口の蓋を外しブラシ等で洗うことができる。
また、蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器において、広口の蓋を貫通し片方の端が本体容器の底に届き、他方の片方の端が蓋の上部に係止する中空チューブである飲み口を備えた飲料用容器でも中空チューブである飲み口は取り外し可能であり、すなわち広口の蓋から抜き取り取り外し綺麗に洗うことができる。従って、使用後はブラシ等で洗浄し、清潔に保つことができる。
【0018】
蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器を備えた広口の蓋と広口の円筒状本体容器とからなる飲料用容器、円筒状飲み口を有する飲料用容器、中空チューブである飲み口を有する飲料用容器のいずれも廉価で、軽量で、飲料水調製の操作が簡単で易しい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の計量器を広口の蓋の内側に備えた広口の飲料用容器を用いれば、適量の粉末健康飲料等を該計量器で計量し、本体容器に投入し、適量の水を加え、要求される濃度の健康飲料水等あるいは自分の好みの味の健康飲料水等を得ることが出来る。本発明の飲料用容器は廉価で、軽量で、健康飲料水等調製の操作が簡単で易しい
また、構造がシンプルであるので、ブラジ等で洗い易く、清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】蓋の内側に計量器を備えた飲料用容器の概略斜視図である。
【
図2】蓋の内側に計量器、蓋の外側に円筒状飲み口を備えた飲料用容器の概略斜視図である。
【
図3】蓋の内側に計量器、蓋の外側に中空チューブの飲み口を備えた飲料用容器概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例を以下に示す。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0022】
図1は、本発明飲料用容器の一実施例の蓋の内側に計量器を備えた飲料用容器の概略斜視図である。
蓋の内側に下方に開口した円筒状計量器2を備えた広口の蓋1と広口の円筒状本体容器6とからなる飲料用容器である。蓋1の内側に着いた計量器2に粉末健康飲料を所定量入れ、広口の円筒状本体容器6に空ける。そして所定量の水を加え、広口の蓋1を閉め、容器を振り混合溶解させて健康飲料水を調製する。あるいは蓋1の内側に着いた計量器2に粉末健康飲料を所定量入れ、所定量の水を加えた広口の円筒状本体容器6に空け混合溶解させる。
この時、粉末健康飲料等は計量器2に望む量入れる事が出来、また不足の場合は二回、三回計量器2に入れ、本体容器6に加えることができる。
また、計量器2で数種類の計量を行い、順次本体容器6に空けて調製することもでき、砂糖、ミルクの入ったコーヒー等も調製できる。
計量器2着き広口蓋1は一体成型により製作でき、また接着により、あるいは融着、溶接により製作できる。
本体容器6と蓋1は嵌め込み式あるいはねじ込み式に密閉ができる。
そして調製された健康飲料水等を飲む時は、広口の蓋1を外し、広口の円筒状本体容器6の上部の容器の縁に直に口を付けて飲むことができる。