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特開2023-44730切断された細長い部材を得るための方法およびシステム
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  • 特開-切断された細長い部材を得るための方法およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044730
(43)【公開日】2023-03-31
(54)【発明の名称】切断された細長い部材を得るための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/06 20060101AFI20230324BHJP
   C03B 17/04 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
C03B33/06
C03B17/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022148236
(22)【出願日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】21197615
(32)【優先日】2021-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ヴィッツマン
(72)【発明者】
【氏名】ウラ トリンクス
【テーマコード(参考)】
4G015
【Fターム(参考)】
4G015FA01
4G015FB03
4G015FC14
(57)【要約】
【課題】細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータをμm範囲まで連続的且つ信頼性高く検査できる改善された方法またはシステムを提供する。
【解決手段】切断された細長いガラス部材を得るための方法であって、以下の段階: 連続した細長いガラス部材を供給する段階; 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得る段階; 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得る段階; 前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得る段階; および前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつける段階を、好ましくはこの順で含む前記方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断された細長いガラス部材(11)を得るための方法であって、以下の段階:
・ 連続した細長いガラス部材(10)を供給する段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得る段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材(10)を切断して、切断された細長いガラス部材(11)を得る段階、
・ 前記切断された細長いガラス部材(11)の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得る段階、および
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつける段階、
を好ましくはこの順で含む、前記方法。
【請求項2】
さらなる段階:
・ 前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータおよび/または前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータを使用して、前記切断された細長いガラス部材(11)を、好ましくは後の製造段階または最終製品で同定する段階、および/または
・ 前記切断された細長いガラス部材(11)を束ねて、切断された細長いガラス部材を含む束(12)を形成する段階、および/または
・ 前記切断された細長いガラス部材(11)から1つ以上の、好ましくは5つ以上の医薬品パッケージを製造し、好ましくは且つ、前記医薬品パッケージを束ねて、医薬品パッケージの束を形成する段階、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
切断された細長いガラス部材(11)を得るための、好ましくは請求項1または2に記載の方法を実施するためのシステム(1)であって、
・ 連続した細長いガラス部材(10)を供給するために構成される供給装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材(10)の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得るために構成される第1の測定装置(21)、
・ 前記連続した細長いガラス部材(10)を切断して、切断された細長いガラス部材(11)を得るために構成される切断装置(24)、
・ 前記切断された細長いガラス部材(11)の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得るために構成される第2の測定装置(22)、および
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるために構成されるコンピュータユニット(20)、
を含む前記システム。
【請求項4】
前記連続した細長いガラス部材(10)が、ダンナー法またはベロー法によって、好ましくはダンナー法によって供給され、
好ましくは且つ、前記連続した細長いガラス部材(10)が連続的に、好ましくは且つ非接触で、好ましくは第1の測定装置(21)を通じて引き抜き装置(23)によって引き抜かれる一方で、1つ以上の連続での幾何学的パラメータが測定される、請求項1から3までのいずれか1項に記載に記載の方法および/またはシステム。
【請求項5】
前記切断された細長いガラス部材(11)が第1の端部、第2の端部、および円筒状の部分を含み、且つ/または
前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点は、それぞれの切断された細長いガラス部材(11)の第1の端部、第2の端部、および/または円筒状の部分の中央、好ましくは前記中央である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法および/またはシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータが、個別での内径、個別での外径、個別での楕円率および/または個別での壁厚を含み、好ましくは個別での内径、個別での外径、個別での楕円率および/または個別での壁厚であり、より好ましくは、個別での内径を含み、より好ましくは個別での内径であり、且つ/または
前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータが、連続での内径、連続での外径、連続での楕円率および/または連続での壁厚であり、より好ましくは、連続での内径I連続を含み、より好ましくは連続での内径I連続であり、且つ/または
前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータが、中央の内径、中央の外径、中央の楕円率および/または中央の壁厚であり、好ましくは中央の内径I中央であり、且つ/または
連続的な測定によって得られる1つ以上の幾何学的パラメータと、1つ以上の点での測定によって得られる1つ以上の幾何学的パラメータとが同じであり、好ましくは連続での内径I連続、および個別での内径、より好ましくは中央の内径I中央である、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法および/またはシステム。
【請求項7】
前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけることが、以下の1つ以上:
・ 回転軸に沿った1つ以上の点での測定に基づき連続的な測定を較正、好ましくは連続的に較正すること、および/または
・ 前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータに基づき前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータを適合、好ましくは連続的に適合させること、および/または
・ 連続的な測定に基づき回転軸に沿った1つ以上の点での測定を較正、好ましくは連続的に較正すること、および/または
・ 前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータに基づき前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータを適合、好ましくは連続的に適合させること、および/または
・ 前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータを、前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータと比較すること、および/または前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータに割り当てること、および/または
・ 前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータを、前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータと比較すること、および/または前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータに割り当てること、および/または
・ 1つ以上のパラメータを結びつけて、前記1つ以上の幾何学的パラメータに関する切断された細長いガラス部材(11)の品質についての情報を得ること
である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法および/またはシステム。
【請求項8】
5つ以上の切断された細長いガラス部材を含む束(12)であって、各々の切断された細長いガラス部材(11)は、
a) 第1の端部、
b) 円筒状の部分、および
c) 第2の端部
を含み、1つ以上の以下の式:
i) (I中央(最大)-I中央(最小))/I中央(平均)≦4.0×10-2[μm/μm]、および/または
ii) (I連続(最大)-I連続(最小))/I中央(平均)≦4.0×10-2[μm/μm]
が満たされ、前記式中、
中央(最大)は、前記束(12)中の全ての切断された細長いガラス部材(11)の円筒状の部分の最大の中央の内径であり、
中央(最小)は、前記束(12)中の全ての切断された細長いガラス部材(11)の円筒状の部分の最小の中央の内径であり、
中央(平均)は、前記束(12)中の全ての切断された細長いガラス部材(11)の円筒状の部分の中央での内径の平均であり、
連続(最大)は、前記束(12)中の任意の1つの切断された細長いガラス部材(11)の円筒状の部分の最大の連続での内径であり、且つ
連続(最小)は、前記束(12)中の前記の1つの切断された細長いガラス部材(11)の円筒状の部分の最小の連続での内径である、
前記束(12)。
【請求項9】
以下の式:
iv) (I中央(最大)-I中央(最小))/I中央(平均)≦b
が満たされ、前記式中、b[μm/μm]は、4.0×10-2、好ましくは3.0×10-2、より好ましくは2.0×10-2、より好ましくは1.0×10-2、より好ましくは8.0×10-3、より好ましくは6.0×10-3、より好ましくは4.0×10-3、より好ましくは2.0×10-3、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは8.0×10-4、より好ましくは6.0×10-4、より好ましくは4.0×10-4、より好ましくは2.0×10-4、より好ましくは1.0×10-4である、請求項8に記載の束(12)。
【請求項10】
以下の式:
iv) (I連続(最大)-I連続(最小))/I中央(平均)≦d
が満たされ、前記式中、d[μm/μm]は、4.0×10-2、好ましくは3.0×10-2、より好ましくは2.0×10-2、より好ましくは1.0×10-2、より好ましくは8.0×10-3、より好ましくは6.0×10-3、より好ましくは4.0×10-3、より好ましくは2.0×10-3、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは8.0×10-4、より好ましくは6.0×10-4、より好ましくは4.0×10-4、より好ましくは2.0×10-4、より好ましくは1.0×10-4である、請求項8または9に記載の束(12)。
【請求項11】
(I中央(最大)-I中央(最小))が、200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下、より好ましくは110μm以下、より好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、より好ましくは80μm以下、より好ましくは70μm以下、より好ましくは65μm以下、より好ましくは60μm以下、より好ましくは55μm以下、より好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下、より好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である、請求項8から10までのいずれか1項に記載の束(12)。
【請求項12】
1つ以上の以下の式:
vii) (I中央(最大)-I中央(平均))≦e
が満たされ、前記式中、eは100μm、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、より好ましくは60μm、より好ましくは50μm、より好ましくは40μm、より好ましくは30μm、より好ましくは20μm、より好ましくは15μm、より好ましくは10μm、より好ましくは5μm、より好ましくは2μmであり、且つ/または、好ましくは且つ
viii) (I中央(平均)-I中央(最小))≦f
が満たされ、前記式中、fは100μm、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、より好ましくは60μm、より好ましくは50μm、より好ましくは40μm、より好ましくは30μm、より好ましくは20μm、より好ましくは15μm、より好ましくは10μm、より好ましくは5μm、より好ましくは2μmである、請求項8から11までのいずれか1項に記載の束(12)。
【請求項13】
前記ガラスがホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、リチウムアルミノシリケート(LAS)ガラス、ソーダライムガラスまたは鉛ガラス、好ましくはホウケイ酸ガラスであり、且つ/または
前記ガラスがASTM E 438および/または欧州薬局方によるタイプIのガラスである、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法、システム(1)および/または束(12)。
【請求項14】
請求項8から12までのいずれか1項に記載の束(12)の1つ以上の切断された細長いガラス部材(11)から製造可能な、好ましくは製造された医薬品パッケージ。
【請求項15】
医薬品パッケージまたは工業用ガラス、好ましくは医薬品パッケージを製造するための、請求項8から12までのいずれか1項に記載の束(12)の1つ以上の切断された細長いガラス部材(11)の使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ガラス管は、医薬品のパッケージ、例えばシリンジおよびカートリッジを製造するために一般的に使用される。それらのシリンジまたはカートリッジは、例えば自己注射器またはウェアラブル送達デバイス、例えばインスリンペンまたはウェアラブルインスリン送達デバイスにおいて使用される。それらの自己注射器またはウェアラブル送達デバイスにおいて、プランジャをシリンジまたはカートリッジ内の特定の距離だけ動かすことによって、投与量の医薬品組成物が投与される。それらの自己注射器またはウェアラブル送達デバイスのサイズを最小化するために、実用的な手段は、そこに取り付けられるシリンジまたはカートリッジのサイズを最小化することである。しかしながら、これは投与数の減少をみちびき、なぜなら、シリンジまたはカートリッジのサイズが低減されると、シリンジまたはカートリッジの容積も低減されるからである。しかしながら、ウェアラブル送達デバイスの交換は不快であり、且つ単一の自己注射器で投与し得る多数回の投与が有利であるため、ウェアラブル送達デバイスの寿命を長くするか、または1つの自己注射器で投与できる投与数を増加する需要がある。これを達成するために、1つの手段は、シリンジまたはカートリッジ内の医療用化合物の濃度を高めて、1回の投与で投与される医薬組成物の体積を低減することである。しかしながら、医薬組成物中の医療用化合物の濃度を著しく高めるためには、シリンジまたはカートリッジ全体の1つ以上の幾何学的パラメータ、例えば内径が、正確に、つまりμm範囲でわかっており、シリンジまたはカートリッジの円筒状の部分に沿って変動せず、且つそれらが交換される際に取り付けられる異なるシリンジまたはカートリッジの間で著しく異ならない必要がある。投与される体積はプランジャの動きによってのみ制御されるので、これは特に該当する。ガラス製の医薬品のパッケージの円筒状の部分は、医薬品のパッケージを製造する際に使用されたガラス管の一部によって定義される。それらのガラス管は一般にダンナー法またはベロー法によって製造され、その際、連続的にガラス管が製造され、次いで長さに切断される。本発明者らは、管が長さに切断される前に、ガラス管全体についてμm範囲で連続的に測定された1つ以上の幾何学的パラメータを特定することが有利であり且つ唯一可能であることを認識し、なぜなら、
・ この時点で、ガラス管は測定のために申し分なく横たわっており、
・ 表面は申し分なく(火炎研磨)、且つ
・ 他の材料との接触が最小、
・ 環境への曝露時間が最短、且つ
・ 長さに切断されていない
ことに起因して、欠陥が最低限であるからである。
【0002】
さらに、μm範囲で管を検査するために必要とされる測定装置は非常に場所を取り、管に沿って非常に狭い領域しか測定できないので、切断された管全体を測定できるようにガラス管の周囲に測定装置を配置することはできない。さらに、切断された管はそれらの回転軸に対して垂直に搬送され、密に詰められた製造ラインを可能にし、切断された管の端部でのさらなる工程段階、つまり火炎研磨または端部を閉じることを可能にする。従って、測定装置の配置はさらなる工程段階を妨げる。連続したガラス管を長さに切断する前に1つ以上の幾何学的パラメータ、例えば内径を測定することの難点は、連続したガラス管がガラス転移温度未満の温度、つまり溶融ガラスが固化する点に達した数秒後しかその管を測定できないことである。さらに、苛酷且つ変動する測定条件(温度、空気の流れ、熱に誘導される屈折の異常)に起因して、測定は長期にわたって安定ではない。従って、本発明者らは、この欠点を解消して、μm範囲で1つ以上の幾何学的パラメータ、例えば内径を連続的且つ信頼性高く測定することを可能にするためには、溶融ガラスが固化する点と、ダンナー法またはベロー法において一般に使用される引き抜き装置との間の点で取り付けられた測定システムが、連続的に較正されなければならないことを認識した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の課題は、細長いガラス部材、好ましくはガラス管の1つ以上の幾何学的パラメータ、好ましくは内径をμm範囲まで連続的且つ信頼性高く検査できる改善された方法またはシステムを提供することである。
【0004】
さらに、本発明の課題は、改善された品質を有する、つまり、少なくとも1つの幾何学的パラメータ、例えば内径が特定の範囲内であり且つ例えばμm範囲で信頼性高く且つ正確に測定される、切断された細長いガラス部材を含む束を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それらの課題および他の課題は、切断された細長いガラス部材を得るための方法であって、以下の段階:
・ 連続した細長いガラス部材を供給する段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得る段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得る段階、
・ 前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得る段階、および
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつける段階、
を好ましくはこの順で含む前記方法によって解決される。
【0006】
連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定するための装置、つまり第1の測定装置は特に限定されない。連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定するための装置、つまり第1の測定装置は、好ましくは欧州出願番号第20195758.6(EP20195758.6)を有する欧州特許出願に記載されるような測定装置であり、前記文献は参照をもって本願内に組み込まれるものとする。切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定するための装置、つまり第2の測定装置は特に限定されない。切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定するための装置、つまり第2の測定装置は、好ましくは欧州特許出願公開第3848701号明細書(EP3848701 (A1))(欧州出願番号EP20150706.8)に記載されるような測定装置であり、前記文献は参照をもって本願内に組み込まれるものとする。
【0007】
特に、連続での幾何学的パラメータの1つ以上と、個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけることによって、連続的な測定をインラインで連続的に調整できる。従って、測定品質が改善され、1つ以上の幾何学的パラメータをμm範囲で信頼性高く測定できる。その結果、改善された品質を有する切断された細長いガラス部材を得ることができる。さらに、1つ以上の幾何学的パラメータを1つの点で2回測定するので、測定の信頼性がさらに改善される。
【0008】
本発明の(好ましい)実施態様において、前記方法は以下の段階:
・ 連続した細長いガラス部材を供給する段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得る段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得る段階、
・ 所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータを示す、切断された細長いガラス部材を選別除去する段階、
・ 前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得る段階、
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけ、好ましくは、所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータを有する前記切断された細長いガラス部材が選別除去されたかどうかを制御する段階、および
・ 好ましくは、所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータおよび/または個別での幾何学的パラメータの1つ以上を示す切断された細長いガラス部材を選別除去する段階
を好ましくはこの順で含む。
【0009】
従って、測定の信頼性を改善でき、ひいては、得られた切断された細長いガラス部材の品質を改善できる。
【0010】
好ましい実施態様において、連続した細長いガラス部材の供給は、以下の段階:
・ 連続した細長いガラス部材をダンナー法またはベロー法によって、好ましくはダンナー法によって供給する段階、および
・ 前記連続した細長いガラス部材を引き抜き装置によって連続的に引き抜く段階
を含み、
好ましくは、前記連続した細長いガラス部材が連続的に引き抜かれる一方で、前記連続的な細長いガラス部材が連続的に測定され、且つ/または
好ましくは、前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータと、前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータとを結びつけるために、引き抜き装置の速度が使用され、且つ/または
前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得ることは、切断装置によって実施され、
好ましくは、1つ以上の連続での幾何学的パラメータと個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるために、切断段階における切断の時点が使用される。
【0011】
従って、測定の信頼性を改善できる。
【0012】
好ましい実施態様において、前記方法はさらなる段階:
・ 前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータおよび/または前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータを使用して、切断された細長いガラス部材を、好ましくは後の製造段階または最終製品で同定する段階、および/または
・ 前記切断された細長いガラス部材を束ねて、切断された細長いガラス部材を含む束を形成する段階、および/または
・ 前記切断された細長いガラス部材から1つ以上の、好ましくは5つ以上の医薬品パッケージを製造し、好ましくは且つ、前記医薬品パッケージを束ねて、医薬品パッケージの束を形成する段階、
を含む。
【0013】
細長いガラス部材から医薬品パッケージを形成するための技術は従来技術において、例えば独国特許第102005038764号明細書(DE102005038764 B3)および独国特許第102006034878号明細書(DE102006034878 B3)において周知である。
【0014】
本発明のさらなる態様は、切断された細長いガラス部材を得るための、好ましくは本願内に記載される方法を実施するためのシステムであって、
・ 連続した細長いガラス部材を供給するために構成される供給装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得るために構成される第1の測定装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得るために構成される切断装置、
・ 前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得るために構成される第2の測定装置、および
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるために構成されるコンピュータユニット、
を含む前記システムである。
【0015】
本発明の(好ましい)実施態様において、切断された細長いガラス部材を得るための、好ましくは本願内に記載される方法を実施するための、且つ/または好ましくは本願内に記載される任意の実施態様によるシステムであって、
・ 連続した細長いガラス部材を供給するために構成される供給装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得るために構成される第1の測定装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得るために構成される切断装置、
・ 所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータを示す切断された細長いガラス部材を選別除去するために構成される選別装置、
・ 前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得るために構成される第2の測定装置、
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるために、好ましくは、所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータを有する前記切断された細長いガラス部材が選別除去されたかどうかを制御するために構成されるコンピュータユニット、および
・ 好ましくは、所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータおよび/または個別での幾何学的パラメータの1つ以上を示す切断された細長いガラス部材を選別除去するためのさらなる選別装置
を含む前記システムが提供される。
【0016】
従って、測定の信頼性を改善でき、ひいては、得られた切断された細長いガラス部材の品質を改善できる。
【0017】
好ましい実施態様において、前記システムはさらに引き抜き装置を含み、前記コンピュータユニットは、連続での幾何学的パラメータの1つ以上と個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるために、引き抜き装置の速度および/または切断段階における切断の時点を使用する。従って、測定の信頼性をさらに改善できる。
【0018】
好ましい実施態様において、連続した細長いガラス部材は、ダンナー法またはベロー法によって、好ましくはダンナー法によって供給され、好ましくは且つ、連続した細長いガラス部材は連続的に、好ましくは且つ非接触で、好ましくは第1の測定装置を通じて引き抜き装置/前記引き抜き装置によって引き抜かれる一方で、1つ以上の連続での幾何学的パラメータが測定される。従って、1つ以上の幾何学的パラメータ、特に内径に関して高い品質を既に有する連続した細長いガラス部材、好ましくはガラス管を供給でき、且つ、1つ以上の幾何学的パラメータ、特に内径に関して高い品質を有する切断された細長いガラス部材を含む束を得るために選別除去されなければならない切断された細長いガラス部材の量が低減される。さらに、現代のダンナー法または現代のベロー法によって生成される全ての関連する1つ以上の幾何学的パラメータの品質が改善されるので、切断された細長いガラス部材の全体的な品質をさらに改善できる。特に、以下に記載されるような高い品質の要件を部分的に有する連続したガラスを供給する現代のダンナー法は当業者に周知であり、例えば「Schott Guide to Glass」(ISBN-10: 9401042306、Springer)内に記載されている。しかしながら、高品質の連続した細長いガラス部材を製造する方法を使用する場合でも、いくつかの理由、例えば不可避のプロセスのばらつき、出発材料中の不純物、天候の変動、周囲温度の変化に起因して、特に1つ以上の特定の幾何学的パラメータ、好ましくは内径に関する品質が常に安定であることを保証することはできず、特にμm範囲では安定ではない。
【0019】
連続した細長いガラス部材の切断方法は特に限定されない。好ましくは、連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得ることは、連続した細長いガラス部材をスクライビングして微細な引っかき傷をつけ、引き続き、その微細な引っかき傷のところで連続した細長いガラス部材を割ることによって連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得ることである。パーティクルが常に発生するとしても、この方法を使用する場合、非常に効率的であり且つ切断不良に起因する不良率が低い。
【0020】
1つ以上の細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点は特に限定されない。好ましくは、切断された細長いガラス部材は第1の端部、第2の端部、および円筒状の部分を含み、且つ/または切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点は、それぞれの切断された細長いガラス部材の第1の端部、第2の端部、および/または円筒状の部分の中央、好ましくは前記中央である。第1の端部および/または第2の端部での1つ以上の幾何学的パラメータの測定は、切断方法(パーティクル)、端部形成方法(凝縮)および搬送(引っかき傷)によって影響を受けることがある。従って、中央での測定が特に好ましい。
【0021】
1つ以上の幾何学的パラメータの測定間の時間は特に限定されない。好ましくは、連続的な測定と、回転軸に沿った1つ以上の点での測定との間の時間は、1年以下、好ましくは30日以下、より好ましくは7日以下、好ましくは1日以下、より好ましくは12時間以下、より好ましくは6時間以下、より好ましくは1時間以下、より好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、より好ましくは5分以下、より好ましくは2分以下である。測定間の時間が長すぎると、円形の細長いガラス部材の中または上にダストの堆積が起きることがあり、測定、特に回転軸に沿った1つ以上の点での(第2の)測定に影響する。特に、前記の時間が1時間以下、好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、より好ましくは5分以下である場合、測定の信頼性を改善できる。好ましい実施態様において、連続的な測定と回転軸に沿った1つ以上の点での測定との間の時間は、5秒以上、好ましくは10秒以上、より好ましくは30秒以上、より好ましくは60秒以上である。
【0022】
幾何学的パラメータの種類は特に限定されない。それは円形の細長いガラス部材の任意の寸法および/または角度であってよい。好ましくは、1つ以上の幾何学的パラメータは内径I、外径、楕円率および/または壁厚を含み、好ましくは内径I、外径、楕円率および/または壁厚であり、より好ましくは内径Iを含むか、より好ましくは内径Iであり、且つ/または
1つ以上の幾何学的パラメータは、2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上、より好ましくは5つ以上の幾何学的パラメータを含む。
【0023】
選択的に、または好ましくは、前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータは、個別での内径、個別での外径、個別での楕円率および/または個別での壁厚を含み、好ましくは個別での内径、個別での外径、個別での楕円率および/または個別での壁厚であり、より好ましくは、個別での内径を含み、より好ましくは個別での内径であり、且つ/または
前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータは、連続での内径、連続での外径、連続での楕円率および/または連続での壁厚であり、より好ましくは、連続での内径I連続を含み、より好ましくは連続での内径I連続であり、且つ/または
前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータは、中央の内径、中央の外径、中央の楕円率および/または中央の壁厚であり、好ましくは中央の内径I中央であり、且つ/または
連続的な測定によって得られる1つ以上の幾何学的パラメータと、1つ以上の点での測定によって得られる1つ以上の幾何学的パラメータとが同じであり、好ましくは連続での内径I連続、および個別での内径、より好ましくは中央の内径I中央である。
【0024】
特に、本願内で記載される方法および/またはシステムを用いて、μm範囲で非常に正確に内径を特定できる。
【0025】
好ましい実施態様において、連続的な測定は干渉計を用いた測定を含み、且つ/または回転軸に沿った1つ以上の点での測定は干渉計を用いた測定を含む。従って、1つ以上の個別での幾何学的パラメータの測定の信頼性を改善できる。
【0026】
前記測定を結びつける手段は特に限定されない。しかしながら、本発明者らは意外なことに、連続での幾何学的パラメータの1つ以上と個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけることが、以下の1つ以上:
・ 回転軸に沿った1つ以上の点での測定に基づき連続的な測定を較正、好ましくは連続的に較正すること、および/または
・ 1つ以上の個別での幾何学的パラメータに基づき1つ以上の連続での幾何学的パラメータを適合、好ましくは連続的に適合させること、および/または
・ 連続的な測定に基づき回転軸に沿った1つ以上の点での測定を較正、好ましくは連続的に較正すること、および/または
・ 1つ以上の連続での幾何学的パラメータに基づき1つ以上の個別での幾何学的パラメータを適合、好ましくは連続的に適合させること、および/または
・ 1つ以上の連続での幾何学的パラメータを、1つ以上の個別での幾何学的パラメータと比較すること、および/または1つ以上の個別での幾何学的パラメータに割り当てること、および/または
・ 1つ以上の個別での幾何学的パラメータを、1つ以上の連続での幾何学的パラメータと比較すること、および/または1つ以上の連続での幾何学的パラメータに割り当てること、および/または
・ 1つ以上のパラメータを結びつけて、1つ以上の幾何学的パラメータに関する切断された細長いガラス部材の品質についての情報を得ること
である場合、測定を著しく改善できることを認識した。
【0027】
好ましい実施態様において、連続での幾何学的パラメータの1つ以上および個別での幾何学的パラメータの1つ以上が本願内に記載されるように測定され且つ結びつけられて、1つ以上の幾何学的パラメータに関する切断された細長いガラス部材の品質についての情報が得られる。
【0028】
特に、値または測定を連続的に較正し且つ/または適合させる、好ましくは較正する、つまり1時間以下毎に、好ましくは1分以下毎に、好ましくは40秒以下毎に、且つ/または、好ましくはまたは、円形の細長いガラス部材の円形の部分の長さの約5倍以下毎に、好ましくは2倍以下毎に較正し且つ/または適合させる、好ましくは較正する場合、測定の信頼性を著しく改善できる。好ましい実施態様において、連続での幾何学的パラメータの1つ以上と個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけることによって、個別での幾何学的パラメータの1つ以上の測定点は、連続での幾何学的パラメータの1つ以上のそれぞれの測定点と常に結びつけられ、つまり、1つ以上の幾何学的パラメータが測定される位置は常に同じである。従って、測定を著しく改善できる。
【0029】
本発明の他の態様は、5つ以上の切断された細長いガラス部材を含む束であって、各々の切断された細長いガラス部材は
a) 第1の端部、
b) 円筒状の部分、および
c) 第2の端部
を含み、1つ以上の以下の式:
i) (I中央(最大)-I中央(最小))/I中央(平均)≦4.0×10-2[μm/μm]、および/または
ii) (I連続(最大)-I連続(最小))/I中央(平均)≦4.0×10-2[μm/μm]
が満たされ、前記式中、
中央(最大)は、前記束中の全ての切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の最大の中央の内径であり、
中央(最小)は、前記束中の全ての切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の最小の中央の内径であり、
中央(平均)は、前記束中の全ての切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の中央の内径の平均であり、
連続(最大)は、前記束中の任意の1つの切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の最大の連続での内径であり、且つ
連続(最小)は、前記束中の前記の1つの切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の最小の連続での内径である、
前記束である。
【0030】
式i)および/またはii)が満たされる場合、改善された品質を有する円形の細長いガラス部材の束が提供される。式i)とii)との両方が満たされる場合(それが好ましい)、前記束の品質をさらに改善できる。
【0031】
パラメータi)の下限値は特に限定されない。しかしながら、前記値が低すぎると、この値に達するための労力が利益を上回る。従って、好ましくは以下の式が満たされる:
iii) a≦(I中央(最大)-I中央(最小))/I中央(平均)
前記式中、a[μm/μm]は、1.0×10-6、好ましくは1.0×10-5、より好ましくは1.0×10-4、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは1.0×10-2である。
【0032】
好ましくは、以下の式が満たされる:
iv) (I中央(最大)-I中央(最小))/I中央(平均)≦b
前記式中、b[μm/μm]は、4.0×10-2、好ましくは3.0×10-2、より好ましくは2.0×10-2、より好ましくは1.0×10-2、より好ましくは8.0×10-3、より好ましくは6.0×10-3、より好ましくは4.0×10-3、より好ましくは2.0×10-3、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは8.0×10-4、より好ましくは6.0×10-4、より好ましくは4.0×10-4、より好ましくは2.0×10-4、より好ましくは1.0×10-4である。従って、束の品質をさらに改善できる。値b[μm/μm]が1.0×10-3、好ましくは8.0×10-4、より好ましくは6.0×10-4、より好ましくは4.0×10-4、より好ましくは2.0×10-4、より好ましくは1.0×10-4である場合、前記束はシリンジおよびカートリッジの製造のために特に適している。
【0033】
パラメータii)の下限値は特に限定されない。しかしながら、前記値が低すぎると、この値に達するための労力が利益を上回る。従って、好ましくは以下の式が満たされる:
v) c≦(I連続(最大)-I連続(最小))/I中央(平均)
前記式中、c[μm/μm]は、1.0×10-6、好ましくは1.0×10-5、より好ましくは1.0×10-4、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは1.0×10-2である。
【0034】
好ましくは、以下の式が満たされる:
iv) (I連続(最大)-I連続(最小))/I中央(平均)≦d
前記式中、d[μm/μm]は、4.0×10-2、好ましくは3.0×10-2、より好ましくは2.0×10-2、より好ましくは1.0×10-2、より好ましくは8.0×10-3、より好ましくは6.0×10-3、より好ましくは4.0×10-3、より好ましくは2.0×10-3、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは8.0×10-4、より好ましくは6.0×10-4、より好ましくは4.0×10-4、より好ましくは2.0×10-4、より好ましくは1.0×10-4である。従って、束の品質をさらに改善できる。値dが1.0×10-3、好ましくは8.0×10-4、より好ましくは6.0×10-4、より好ましくは4.0×10-4、より好ましくは2.0×10-4、より好ましくは1.0×10-4である場合、前記束はシリンジおよびカートリッジの製造のために特に適している。
【0035】
束中の全ての切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の中央の内径の平均I中央(平均)は特に限定されない。好ましくは、I中央(平均)は2mm以上、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上、より好ましくは6mm以上、より好ましくは8mm以上、より好ましくは10mm以上、より好ましくは12mm以上、より好ましくは14mm以上、より好ましくは16mm以上、より好ましくは18mm以上、より好ましくは20mm以上、より好ましくは22mm以上であり、且つ/または、好ましくは且つ、I中央(平均)は100mm以下、好ましくは75mm以下、より好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下、より好ましくは17mm以下、より好ましくは15mm以下、より好ましくは11mm以下、より好ましくは9mm以下、より好ましくは8mm以下、より好ましくは7mm以下、より好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下である。平均I中央(平均)が4mm以上、好ましくは6mm以上、より好ましくは8mm以上、より好ましくは10mm以上、且つ30mm以下、好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下、より好ましくは17mm以下、より好ましくは15mm以下である場合、束はシリンジおよびカートリッジの製造のために特に適している。
【0036】
(I中央(最大)-I中央(最小))についての値は特に限定されない。好ましくは(I中央(最大)-I中央(最小))は、200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下、より好ましくは110μm以下、より好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、より好ましくは80μm以下、より好ましくは70μm以下、より好ましくは65μm以下、より好ましくは60μm以下、より好ましくは55μm以下、より好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下、より好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。従って、束の品質をさらに改善できる。特に、50μm以下、好ましくは45μm以下、より好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下の値が、シリンジおよびカートリッジを製造するため束の適性を改善するために好ましい。
【0037】
(I中央(最大)-I中央(平均))および(I中央(平均)-I中央(最小))についての値は特に限定されない。好ましくは、1つ以上の以下の式が満たされる:
vii) (I中央(最大)-I中央(平均))≦e
前記式中、eは100μm、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、より好ましくは60μm、より好ましくは50μm、より好ましくは40μm、より好ましくは30μm、より好ましくは20μm、より好ましくは15μm、より好ましくは10μm、より好ましくは5μm、より好ましくは2μmであり、且つ/または、好ましくは且つ
viii) (I中央(平均)-I中央(最小))≦f;
前記式中、fは100μm、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、より好ましくは60μm、より好ましくは50μm、より好ましくは40μm、より好ましくは30μm、より好ましくは20μm、より好ましくは15μm、より好ましくは10μm、より好ましくは5μm、より好ましくは2μmである。
【0038】
従って、束の品質をさらに改善できる。連続的な測定のそれぞれの量および頻度は特に限定されない。好ましくは、I連続(最大)および/またはI連続(最小)、および/または1つ以上の幾何学的パラメータは、細長いガラス部材および/または管の回転軸に沿って、20cm以下毎、好ましくは0.01cm~10cm、より好ましくは0.05~2cm、より好ましくは0.1~1cm、より好ましくは1.0mm毎に測定される。従って、束の品質および測定の信頼性をさらに改善できる。
【0039】
本発明によれば、前記束は5つ以上の切断された細長いガラス部材を含む。好ましくは、前記束は、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは25以上、より好ましくは25以上、より好ましくは35以上、より好ましくは50以上、より好ましくは60以上、より好ましくは75以上、より好ましくは90以上、より好ましくは100以上の切断された細長いガラス部材、且つ/または、好ましくは且つ、1000以下、好ましくは800以下、より好ましくは700以下、より好ましくは600以下、より好ましくは500以下、より好ましくは400以下、より好ましくは300以下、より好ましくは200以下、より好ましくは150以下、より好ましくは120以下、より好ましくは100以下の切断された細長いガラス部材を含む、好ましくは示す。束中にある切断された細長いガラス部材が多いほど、特に、前記束が50以上、好ましくは75以上、より好ましくは100以上の切断された細長いガラス部材を含む場合、各々の切断された細長いガラス部材が本願内に記載されるパラメータを満たすことがより困難になる。
【0040】
本発明の(好ましい)実施態様において、切断された細長いガラス部材は、本願内に記載される任意の実施態様による方法および/またはシステムによって検査される。従って、改善された品質を有する束が得られる。
【0041】
好ましい実施態様において、切断された細長いガラス部材の連続での内径および/または好ましくは個別での内径は、本願内に記載される任意の実施態様による方法および/またはシステムによって得ることができ、好ましくは得られる。従って、幾何学的パラメータが信頼性高く測定され、ひいては束の品質を改善できる。
【0042】
1つ以上の幾何学的パラメータが内径である場合、その内径を種々の方法で特定することができる。好ましくは内径Iおよび/または内径I中央(平均)は、細長いガラス部材の回転軸に沿ったそれぞれの点で、好ましくは互いに垂直または等しく分布する内径の2つ以上、好ましくは2~20、より好ましくは2、3、4、5または6つの測定の平均、最大および/または最小、好ましくは平均であり、且つ/またはI中央(最大)およびI連続(最大)はそれぞれ、細長いガラス部材の回転軸に沿ったそれぞれの点で、好ましくは互いに垂直または等しく分布する内径の2つ以上、好ましくは2~20、より好ましくは2、3、4、5または6つの測定の平均、最大および/または最小、好ましくは最大であり、且つ/またはI中央(最小)および/またはI連続(最小)は、細長いガラス部材の回転軸に沿ったそれぞれの点で、好ましくは互いに垂直または等しく分布する内径の2つ以上、好ましくは2~20、より好ましくは2、3、4、5または6つの測定の平均、最大および/または最小、好ましくは最小である。本発明者らは、互いに垂直である2つの値に基づく内径の特定が、細長いガラス部材の回転軸に沿った点での特定の内径を信頼性高く特定するために充分であることを認識した。内径を特定するために2つ以上の内径が使用される場合、信頼性をさらに改善できる。
【0043】
さらに好ましい実施態様において、内径I、好ましくは内径I中央(最大)、内径I中央(最小)、内径I中央(平均)、内径I連続(最大)および/または内径I連続(最小)は、好ましくは以下の式によって特定可能、好ましくは特定される:
ix) I=O-(2×W)
前記式中、外径Oはレーザースキャンまたはテレセントリックラインカメラシステムによって測定可能、好ましくは測定され、且つ
壁厚Wは、干渉計によって、好ましくは外径Oと同じ方向で測定可能、好ましくは測定され、且つ/または
内径I、好ましくは内径I中央(最大)、内径I中央(最小)、内径I中央(平均)、内径I連続(最大)および/または内径I連続(最小)は、干渉計によって測定可能、好ましくは測定される。従って、内径の測定の信頼性をさらに改善でき、且つ内径をμm範囲で信頼性高く特定できる。本発明者らは、特に、干渉計を使用して壁厚、ひいては内径を特定する場合、μm範囲での測定の信頼性をさらに改善できることを認識した。内径を干渉計によって、特に小さな内径(例えば5cm以下、好ましくは3cm以下、より好ましくは2cm以下)について、直接的に測定することもできる。
【0044】
測定において得られる値の数は特に限定されない。好ましくは、各々の切断された細長いガラス部材についての1つ以上の幾何学的パラメータの測定数は、5~1×1010、好ましくは10~105、より好ましくは50~104、より好ましくは100~1000である。従って、品質をさらに改善できる。
【0045】
ガラスは特に限定されない。好ましくは、ガラスはホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、リチウムアルミノシリケート(LAS)ガラス、ソーダライムガラスまたは鉛ガラス、好ましくはホウケイ酸ガラスであり、且つ/またはガラスはASTM E 438および/または欧州薬局方によるタイプIのガラスである。従って、医薬品梱包の製造のために適している高品質の切断された細長いガラス部材を含む束が提供される。
【0046】
ガラスの組成は特に限定されない。好ましくは、ガラスの組成は、質量%で
Si: 30~98%、好ましくは50~90%、より好ましくは70.0~74.0%、および/または
23: 0~30%、好ましくは3~20%、より好ましくは7.0~16.0%、および/または
Al23: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは3.0~6.5%、および/または
2O: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは2.0~7.2%(前記XはNa、K、Liから選択され、好ましくは前記XはNaおよび/またはKである)、および/または
YO: 0~30%、好ましくは0.1~5%、より好ましくは0.5~1.0%(前記YはCa、Mg、Baから選択され、好ましくは前記YはCaおよび/またはMgである)
を含む。
【0047】
さらに好ましい実施態様において、ガラスの組成は、質量%で
Si: 30~98%、好ましくは50~90%、より好ましくは70.0~74.0%、
23: 0~30%、好ましくは3~20%、より好ましくは7.0~16.0%、
Al23: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは3.0~6.5%、
2O: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは2.0~7.2%(前記XはNa、K、Liから選択され、好ましくは前記XはNaおよび/またはKである)、
YO: 0~30%、好ましくは0.1~5%、より好ましくは0.5~1.0%(前記YはCa、Mg、Baから選択され、好ましくは前記YはCaおよび/またはMgである)、および
不可避の不純物
からなる。
【0048】
さらに好ましい実施態様において、ガラスの組成は、質量%で
Si: 20~98%、好ましくは40~75%、より好ましくは50~65%、および/または
23: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは3~9%、および/または
Al23: 0~30%、好ましくは10~20%、より好ましくは13~18%、および/または
2O: 0~30%、好ましくは0~5%、より好ましくは0~3%(前記XはNa、K、Liから選択され、好ましくは前記XはNaおよび/またはKである)、および/または
YO: 0~50%、好ましくは0.1~40%、より好ましくは10~35%(前記YはCa、Mg、Baから選択され、好ましくは前記YはCaおよび/またはMgである)
を含む。
【0049】
さらに好ましい実施態様において、ガラスの組成は、質量%で
Si: 20~98%、好ましくは40~75%、より好ましくは50~65%、
23: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは3~9%、
Al23: 0~30%、好ましくは10~20%、より好ましくは13~18%、
2O: 0~30%、好ましくは0~5%、より好ましくは0~3%(前記XはNa、K、Liから選択され、好ましくは前記XはNaおよび/またはKである)、
YO: 0~50%、好ましくは0.1~40%、より好ましくは10~35%(前記YはCa、Mg、Baから選択され、好ましくは前記YはCaおよび/またはMgである)、および
不可避の不純物
からなる。
【0050】
細長いガラス部材の形状は特に限定されず、好ましくは細長いガラス部材は管またはロッド、好ましくは管であり、且つ/または切断された細長いガラス部材は切断されたガラス管、切断されたガラスロッド、またはガラスの医薬品パッケージであり、且つ/または切断された細長いガラス部材は、第1の端部、円筒状の部分、および/または好ましくは第2の端部を含む切断されたガラス管であり、前記第1の端部および/または第2の端部は、開いているかまたは閉じられており、好ましくは前記第1の端部および第2の端部は開いているかまたは閉じられている。
【0051】
好ましい実施態様において、細長いガラス部材は管またはロッド、好ましくは管であり、前記管またはロッドの長さは特に限定されない。好ましくは、切断された細長いガラス部材は管および/またはロッドであり、且つ/または、好ましくは且つ、第1の端部、第2の端部および円筒状の部分を含み、且つ切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の長さは、1cm以上且つ1000cm以下、好ましくは20cm以上且つ400cm以下、より好ましくは60cm以上且つ300cm以下、より好ましくは100cm以上且つ200cm以下、より好ましくは120cm以上且つ180cm以下である。特に、前記の長さが200cm以下、好ましくは180cm以下である場合、1つ以上の幾何学的パラメータを信頼性高く特定できる。従って、束の品質をさらに改善できる。
【0052】
管の束を使用して、複数の医薬品パッケージを製造できる。それらの医薬品パッケージを、束として梱包してもよい。従って、1つ以上の幾何学的パラメータ、好ましくは内径に関して、同じまたはさらにはより良好な品質を有する束を得ることができ、ここで切断された細長いガラス部材は医薬品パッケージである。従って、好ましい実施態様において、切断された細長いガラス部材は医薬品パッケージであり、且つ/または、好ましくは且つ、第1の端部、第2の端部および円筒状の部分を含み、且つ、切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の長さは1mm以上且つ50cm以下、好ましくは0.5cm以上且つ40cm以下、より好ましくは1.0cm以上且つ30cm以下、より好ましくは2cm以上且つ20cm以下、より好ましくは3cm以上且つ15cm以下、より好ましくは4cm以上且つ12cm以下、より好ましくは5cm以上且つ10cm以下、より好ましくは6cm以上且つ8cm以下である。
【0053】
好ましい実施態様において、細長いガラス部材は外径0.5mm~500mm、好ましくは2mm~63mm、より好ましくは5mm~60mm、より好ましくは6mm~50mmを示す円筒状の部分を含み、且つ/または細長いガラス部材は円筒状の部分を含み、その際、前記円筒状の部分は管であり、且つ壁厚0.001mm~250mm、好ましくは0.1mm~32.5mm、より好ましくは0.2mm~30mm、より好ましくは0.25mm~25mmを示す。従って、内径を信頼性高く特定でき、且つ測定または束の品質がさらに改善される。
【0054】
本発明の他の態様は、本願内に記載される束の1つ以上の切断された細長いガラス部材から製造可能な、好ましくは製造された医薬品パッケージである。
【0055】
本発明のさらなる態様は、医薬品パッケージまたは工業用ガラス、好ましくは医薬品パッケージを製造するための、本願内に記載される束の1つ以上の切断された細長いガラス部材の使用である。
【0056】
医薬品パッケージの種類は特に限定されない。好ましくは、医薬品パッケージはバイアル、アンプル、シリンジおよび/またはカートリッジ、好ましくはシリンジまたはカートリッジである。
【0057】
本願において、方法の好ましい実施態様の全ては、本願内に記載されるシステム、束および使用にも該当し、その逆もまた然りである。
【0058】
本願における不可避の不純物とは、出発材料中に含有され得る不純物、例えばFe、Ti、Zn、Cu、Mn、Coである。好ましくは、全ての不可避の不純物の合計量は、5質量%以下、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。
【0059】
切断された細長いガラス部材は、好ましくは束に梱包される。本願において、束は、切断された細長いガラス部材、好ましくは空の切断された細長いガラス部材、つまり、ガス、例えば空気が充填された切断された細長いガラス部材を流通させるための取引、積み込みまたはパッケージの単位である。例えば、必ずではないが通常、同種の製品は小売りにおいて一緒に注文されるか、または物流において束ねられる場合、束として合わせられる。本発明によれば、切断された細長いガラス部材をスペーサー、例えばプラスチックおよび/または紙のシートによって分離して、またはキャリアプレートに固定して、輸送の間にそれらが互いに接触しないようにすることができる。必ずではないが通常、前記束はプラスチックフィルムによって少なくとも部分的に覆われている。束の例は、DENSOPACK(登録商標)またはSCHOTT iQ(登録商標)プラットフォーム(SCHOTT AG)である。好ましくは、いくつか、例えば2~1000の束、好ましくは20~200の束がパレット上に積み重ねられている。従って、本発明の1つの態様によれば、パレットは、本願内に記載される実施態様による、2~1000の束、好ましくは20~200の束を含む。
【0060】
本願において、円形の細長いガラス部材の円筒状の部分の中央は、円形の細長いガラス部材の円筒状の部分の長さの、中央±10%、好ましくは±7%、より好ましくは±5%、より好ましくは±3%であり、より好ましくは円形の細長いガラス部材の中央である。
【0061】
干渉計は特に限定されない。好ましくは、測定のために干渉CHRocodileシステム(Precitec Optronik GmbH)が使用される。
【0062】
本願において、細長いガラス部材は、円筒状の部分、好ましくは1つだけの円筒状の部分を含む部材である。好ましくは、細長いガラス部材は、円形の細長いガラス部材である。円形の細長いガラス部材の回転軸は、円形の細長いガラス部材の円筒状の部分の回転軸によって定義される。円形の細長いガラス部材の円筒状の部分は中空であってよい。さらには、切断された細長いガラス部材は、開いたおよび/または閉じられた端部、および/または狭まりおよび/または広がりを示し得る。好ましくは、円形の細長いガラス部材は、管またはロッド、好ましくは管である。
【0063】
所定の範囲は任意の範囲であってよい。所定の範囲が例えば、mmでの長さである場合、所定の範囲はmmでの単独の値±30%、好ましくは±20%、より好ましくは±10%、より好ましくは±5%、より好ましくは±3%、より好ましくは±1%であってよい。
【0064】
本願において、溶融ガラスが固化する点は、(切断された)円形の細長いガラス部材の材料の温度が材料のガラス転移温度に達した点である。特段記載されない限り、ガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)によって測定される。
【0065】
本発明の教示を有利なようにどのように設計し且つさらに発展させるかについてはいくつかの方法がある。このために、独立の特許請求項に従属する特許請求項、好ましい実施態様の上記の説明、以下の項目、および図面によって説明される実施態様の以下の例が参照される。2つ以上、例えば2、3、4または5の好ましい実施態様の組み合わせがより好ましい。要約すると、特に好ましい実施態様は以下の項目である。
【0066】
項目1. 切断された細長いガラス部材を得るための方法であって、以下の段階:
・ 連続した細長いガラス部材を、好ましくは供給装置によって、供給する段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを、好ましくは第1の測定装置によって連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得る段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材を、好ましくは切断装置によって切断して、切断された細長いガラス部材を得る段階、
・ 前記切断された細長いガラス部材、好ましくは複数の前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを、好ましくは第2の測定装置によって測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得る段階、および
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを、好ましくはコンピュータユニットによって結びつける段階、
を好ましくはこの順で含む前記方法。
【0067】
項目2. 以下の段階:
・ 連続した細長いガラス部材を供給する段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得る段階、
・ 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得る段階、
・ 所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータを示す切断された細長いガラス部材を選別除去する段階、
・ 前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得る段階、
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけ、好ましくは、所定の範囲内ではない連続での幾何学的パラメータの1つ以上を有する前記切断された細長いガラス部材が選別除去されたかどうかを制御する段階、および
・ 好ましくは、所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータおよび/または個別での幾何学的パラメータの1つ以上を示す切断された細長いガラス部材を選別除去する段階
を好ましくはこの順で含む、項目1に記載の方法。
【0068】
項目3. 連続した細長いガラス部材の供給が、以下の段階:
・ 連続した細長いガラス部材をダンナー法またはベロー法によって、好ましくはダンナー法によって供給する段階、および
・ 前記連続した細長いガラス部材を引き抜き装置によって連続的に引き抜く段階
を含み、
好ましくは、前記連続した細長いガラス部材が連続的に引き抜かれる一方で、前記連続的な細長いガラス部材が連続的に測定され、且つ/または
好ましくは、前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータと、前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータとを結びつけるために、引き抜き装置の速度が使用される、
項目1または2に記載の方法。
【0069】
項目4. 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得ることが、切断装置によって実施され、
好ましくは、前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータと、前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるために、切断段階での切断の時点が使用される、
項目1から3までのいずれか1つに記載の方法。
【0070】
項目5. さらなる段階:
・ 1つ以上の連続での幾何学的パラメータおよび/または1つ以上の個別での幾何学的パラメータを使用して、切断された細長いガラス部材を、好ましくは後の製造段階または最終製品で同定する段階、および/または
・ 前記切断された細長いガラス部材を束ねて、切断された細長いガラス部材を含む束を形成する段階、および/または
・ 前記切断された細長いガラス部材から1つ以上の、好ましくは5つ以上の医薬品パッケージを製造し、好ましくは且つ、前記医薬品パッケージを束ねて、医薬品パッケージの束を形成する段階、
を含む、項目1から4までのいずれか1つに記載の方法。
【0071】
項目6. 切断された細長いガラス部材を得るための、好ましくは項目1から5までのいずれか1つに記載の方法を実施するためのシステムであって、
・ 連続した細長いガラス部材を供給するために構成される供給装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得るために構成される第1の測定装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得るために構成される切断装置、
・ 前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得るために構成される第2の測定装置、および
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるために構成されるコンピュータユニット、
を含む前記システム。
【0072】
項目7. 切断された細長いガラス部材を得るための、好ましくは項目1から5までのいずれか1つに記載の方法を実施するための、且つ/または好ましくは項目6に記載のシステムであって、
・ 連続した細長いガラス部材を供給するために構成される供給装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材の1つ以上の幾何学的パラメータを連続的に測定して、1つ以上の連続での幾何学的パラメータを得るために構成される第1の測定装置、
・ 前記連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得るために構成される切断装置、
・ 所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータを示す切断された細長いガラス部材を選別除去するために構成される選別装置、
・ 前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点で1つ以上の幾何学的パラメータを測定して、1つ以上の個別での幾何学的パラメータを得るために構成される第2の測定装置、
・ 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるための、好ましくは、所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータを有する前記切断された細長いガラス部材が選別除去されたかどうかを制御するために構成されるコンピュータユニット、および
・ 好ましくは、所定の範囲内ではない1つ以上の連続での幾何学的パラメータおよび/または個別での幾何学的パラメータの1つ以上を示す切断された細長いガラス部材を選別除去するためのさらなる選別装置
を含む前記システム。
【0073】
項目8. さらに引き抜き装置を含み、前記コンピュータユニットは、連続での幾何学的パラメータの1つ以上と個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけるために、引き抜き装置の速度および/または切断段階における切断の時点を使用する、項目6または7に記載のシステム。
【0074】
項目9. 前記連続した細長いガラス部材が、ダンナー法またはベロー法によって、好ましくはダンナー法によって供給され、
好ましくは且つ、連続した細長いガラス部材は連続的に、好ましくは且つ非接触で、好ましくは第1の測定装置を通じて引き抜き装置/前記引き抜き装置によって引き抜かれる一方で、1つ以上の連続での幾何学的パラメータが測定される、項目1から8までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0075】
項目10. 連続した細長いガラス部材を切断して切断された細長いガラス部材を得ることが、連続した細長いガラス部材をスクライビングして微細な引っかき傷をつけ、引き続き、その微細な引っかき傷のところで連続した細長いガラス部材を割ることによって連続した細長いガラス部材を切断して、切断された細長いガラス部材を得ることである、項目1から9までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0076】
項目11. 前記切断された細長いガラス部材が第1の端部、第2の端部、および円筒状の部分を含み、且つ/または前記切断された細長いガラス部材の回転軸に沿った1つ以上の点は、それぞれの切断された細長いガラス部材の第1の端部、第2の端部、および/または円筒状の部分の中央、好ましくは前記中央である、項目1から10までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0077】
項目12. 連続的な測定と、回転軸に沿った1つ以上の点での測定との間の時間は、1年以下、好ましくは30日以下、より好ましくは7日以下、好ましくは1日以下、より好ましくは12時間以下、より好ましくは6時間以下、より好ましくは1時間以下、より好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下、より好ましくは5分以下、より好ましくは2分以下である、項目1から11までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0078】
項目13. 前記1つ以上の幾何学的パラメータが、内径I、外径、楕円率および/または壁厚を含み、好ましくは内径I、外径、楕円率および/または壁厚であり、より好ましくは内径Iを含み、より好ましくは内径Iであり、且つ/または
前記1つ以上の幾何学的パラメータが、2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上、より好ましくは5つ以上の幾何学的パラメータを含む、項目1から12までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0079】
項目14. 前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータが、個別での内径、個別での外径、個別での楕円率および/または個別での壁厚を含み、好ましくは個別での内径、個別での外径、個別での楕円率および/または個別での壁厚であり、より好ましくは、個別での内径を含み、より好ましくは個別での内径であり、且つ/または
前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータが、連続での内径、連続での外径、連続での楕円率および/または連続での壁厚であり、より好ましくは、連続での内径I連続を含み、より好ましくは連続での内径I連続であり、且つ/または
前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータが、中央の内径、中央の外径、中央の楕円率および/または中央の壁厚であり、好ましくは中央の内径I中央であり、且つ/または
連続的な測定によって得られる1つ以上の幾何学的パラメータと、1つ以上の点での測定によって得られる1つ以上の幾何学的パラメータとが同じであり、好ましくは連続での内径I連続、および個別での内径、より好ましくは中央の内径I中央である、
項目1から13までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0080】
項目15. 前記連続的な測定が、干渉計を用いた測定を含む、項目1から14までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0081】
項目16. 前記回転軸に沿った1つ以上の点での測定が、干渉計を用いた測定を含む、項目1から15までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0082】
項目17. 前記連続での幾何学的パラメータの1つ以上と前記個別での幾何学的パラメータの1つ以上とを結びつけることが、以下の1つ以上:
・ 回転軸に沿った1つ以上の点での測定に基づき連続的な測定を較正、好ましくは連続的に較正すること、および/または
・ 前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータに基づき前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータを適合、好ましくは連続的に適合させること、および/または
・ 連続的な測定に基づき回転軸に沿った1つ以上の点での測定を較正、好ましくは連続的に較正すること、および/または
・ 前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータに基づき前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータを適合、好ましくは連続的に適合させること、および/または
・ 前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータを、前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータと比較すること、および/または前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータに割り当てること、および/または
・ 前記1つ以上の個別での幾何学的パラメータを、前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータと比較すること、および/または前記1つ以上の連続での幾何学的パラメータに割り当てること、および/または
・ 1つ以上のパラメータを結びつけて、前記1つ以上の幾何学的パラメータに関する切断された細長いガラス部材の品質についての情報を得ること
である、項目1から16までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステム。
【0083】
項目18. 5つ以上の切断された細長いガラス部材を含む束であって、各々の切断された細長いガラス部材は
a) 第1の端部、
b) 円筒状の部分、および
c) 第2の端部
を含み、1つ以上の以下の式:
i) (I中央(最大)-I中央(最小))/I中央(平均)≦4.0×10-2[μm/μm]、および/または
ii) (I連続(最大)-I連続(最小))/I中央(平均)≦4.0×10-2[μm/μm]
が満たされ、前記式中、
中央(最大)は、前記束中の全ての切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の最大の中央の内径であり、
中央(最小)は、前記束中の全ての切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の最小の中央の内径であり、
中央(平均)は、前記束中の全ての切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の中央の内径の平均であり、
連続(最大)は、前記束中の任意の1つの切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の最大の連続での内径であり、且つ
連続(最小)は、前記束中の前記の1つの切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の最小の連続での内径である、
前記束。
【0084】
項目19. 以下の式:
iii) a≦(I中央(最大)-I中央(最小))/I中央(平均)
が満たされ、前記式中、a[μm/μm]は、1.0×10-6、好ましくは1.0×10-5、より好ましくは1.0×10-4、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは1.0×10-2である、項目18に記載の束。
【0085】
項目20. 以下の式:
iv) (I中央(最大)-I中央(最小))/I中央(平均)≦b
が満たされ、前記式中、b[μm/μm]は、4.0×10-2、好ましくは3.0×10-2、より好ましくは2.0×10-2、より好ましくは1.0×10-2、より好ましくは8.0×10-3、より好ましくは6.0×10-3、より好ましくは4.0×10-3、より好ましくは2.0×10-3、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは8.0×10-4、より好ましくは6.0×10-4、より好ましくは4.0×10-4、より好ましくは2.0×10-4、より好ましくは1.0×10-4である、項目18または19に記載の束。
【0086】
項目21. 以下の式:
v) c≦(I連続(最大)-I連続(最小))/I中央(平均)
が満たされ、前記式中、c[μm/μm]は、1.0×10-6、好ましくは1.0×10-5、より好ましくは1.0×10-4、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは1.0×10-2である、項目18から20までのいずれか1つに記載の束。
【0087】
項目22. 以下の式:
vi) (I連続(最大)-I連続(最小))/I中央(平均)≦d
が満たされ、前記式中、d[μm/μm]は、4.0×10-2、好ましくは3.0×10-2、より好ましくは2.0×10-2、より好ましくは1.0×10-2、より好ましくは8.0×10-3、より好ましくは6.0×10-3、より好ましくは4.0×10-3、より好ましくは2.0×10-3、より好ましくは1.0×10-3、より好ましくは8.0×10-4、より好ましくは6.0×10-4、より好ましくは4.0×10-4、より好ましくは2.0×10-4、より好ましくは1.0×10-4である、項目18から21までのいずれか1つに記載の束。
【0088】
項目23. I中央(平均)が、2mm以上、好ましくは3mm以上、より好ましくは4mm以上、より好ましくは6mm以上、より好ましくは8mm以上、より好ましくは10mm以上、より好ましくは12mm以上、より好ましくは14mm以上、より好ましくは16mm以上、より好ましくは18mm以上、より好ましくは20mm以上、より好ましくは22mm以上であり、且つ/または、好ましくは且つ、
中央(平均)が、100mm以下、好ましくは75mm以下、より好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下、より好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下、より好ましくは17mm以下、より好ましくは15mm以下、より好ましくは11mm以下、より好ましくは9mm以下、より好ましくは8mm以下、より好ましくは7mm以下、より好ましくは6mm以下、より好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下である、項目18から22までのいずれか1つに記載の束。
【0089】
項目24. (I中央(最大)-I中央(最小))が、200μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下、より好ましくは110μm以下、より好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下、より好ましくは80μm以下、より好ましくは70μm以下、より好ましくは65μm以下、より好ましくは60μm以下、より好ましくは55μm以下、より好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下、より好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、より好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である、項目18から23までのいずれか1つに記載の束。
【0090】
項目25. 1つ以上の以下の式:
vii) (I中央(最大)-I中央(平均))≦e
が満たされ、前記式中、eは100μm、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、より好ましくは60μm、より好ましくは50μm、より好ましくは40μm、より好ましくは30μm、より好ましくは20μm、より好ましくは15μm、より好ましくは10μm、より好ましくは5μm、より好ましくは2μmであり、且つ/または、好ましくは且つ
viii) (I中央(平均)-I中央(最小))≦f;
前記式中、fは100μm、好ましくは80μm、より好ましくは70μm、より好ましくは60μm、より好ましくは50μm、より好ましくは40μm、より好ましくは30μm、より好ましくは20μm、より好ましくは15μm、より好ましくは10μm、より好ましくは5μm、より好ましくは2μmである、項目18から24までのいずれか1つに記載の束。
【0091】
項目26. I連続(最大)および/またはI連続(最小)、および/または1つ以上の幾何学的パラメータが、細長いガラス部材および/または管の回転軸に沿って、20cm以下毎、好ましくは0.01cm~10cm、より好ましくは0.05~2cm、より好ましくは0.1~1cm、より好ましくは1.0mm毎に測定される、項目18から25までのいずれか1つに記載の束。
【0092】
項目27. 前記束が、5以上、好ましくは10以上、より好ましくは25以上、より好ましくは25以上、より好ましくは35以上、より好ましくは50以上、より好ましくは60以上、より好ましくは75以上、より好ましくは90以上、より好ましくは100以上の切断された細長いガラス部材、且つ/または、好ましくは且つ1000以下、好ましくは800以下、より好ましくは700以下、より好ましくは600以下、より好ましくは500以下、より好ましくは400以下、より好ましくは300以下、より好ましくは200以下、より好ましくは150以下、より好ましくは120以下、より好ましくは100以下の切断された細長いガラス部材を含む、好ましくは示す、項目18から26までのいずれか1つに記載の束。
【0093】
項目28. 好ましくは項目18から27までのいずれか1つに記載の、5つ以上の切断された細長いガラス部材を含む束であって、前記切断された細長いガラス部材が、項目1から17までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステムによって検査される、前記束。
【0094】
項目29. 前記切断された細長いガラス部材の連続での内径、および/または、好ましくはおよび、個別での内径が、項目1から17までのいずれか1つに記載の方法および/またはシステムによって得ることができ、好ましくは得られる、項目18から28までのいずれか1つに記載の束。
【0095】
項目30. 内径Iおよび/または内径I中央(平均)が、細長いガラス部材の回転軸に沿ったそれぞれの点で、好ましくは互いに垂直または等しく分布する内径の2つ以上、好ましくは2~20、より好ましくは2、3、4、5または6つの測定の平均、最大および/または最小、好ましくは平均であり、且つ/または
中央(最大)およびI連続(最大)が、それぞれ、細長いガラス部材の回転軸に沿ったそれぞれの点で、好ましくは互いに垂直または等しく分布する内径の2つ以上、好ましくは2~20、より好ましくは2、3、4、5または6つの測定の平均、最大および/または最小、好ましくは最大であり、且つ/または
中央(最小)および/またはI連続(最小)が、細長いガラス部材の回転軸に沿ったそれぞれの点で、好ましくは互いに垂直または等しく分布する内径の2つ以上、好ましくは2~20、より好ましくは2、3、4、5または6つの測定の平均、最大および/または最小、好ましくは最小である、項目1から29までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0096】
項目31. 内径I、好ましくは内径I中央(最大)、内径I中央(最小)、内径I中央(平均)、内径I連続(最大)および/または内径I連続(最小)が、以下の式:
ix) I=O-(2×W)
によって特定可能、好ましくは特定され、
前記式中、外径Oはレーザースキャンまたはテレセントリックラインカメラシステムによって測定可能、好ましくは測定され、且つ
壁厚Wは、干渉計によって、好ましくは外径Oと同じ方向で測定可能、好ましくは測定され、且つ/または
内径I、好ましくは内径I中央(最大)、内径I中央(最小)、内径I中央(平均)、内径I連続(最大)および/または内径I連続(最小)が、干渉計によって測定可能、好ましくは測定される、項目1から30までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0097】
項目32. 各々の切断された細長いガラス部材についての1つ以上の幾何学的パラメータの測定数が、5~1×1010、好ましくは10~105、より好ましくは50~104、より好ましくは100~1000である、項目1から31までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0098】
項目33. 前記ガラスがホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、リチウムアルミノシリケート(LAS)ガラス、ソーダライムガラスまたは鉛ガラス、好ましくはホウケイ酸ガラスであり、且つ/または前記ガラスがASTM E 438および/または欧州薬局方によるタイプIのガラスである、項目1から32までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0099】
項目34. 前記ガラスの組成が、質量%で
Si: 30~98%、好ましくは50~90%、より好ましくは70.0~74.0%、および/または
23: 0~30%、好ましくは3~20%、より好ましくは7.0~16.0%、および/または
Al23: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは3.0~6.5%、および/または
2O: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは2.0~7.2%(前記XはNa、K、Liから選択され、好ましくは前記XはNaおよび/またはKである)、および/または
YO: 0~30%、好ましくは0.1~5%、より好ましくは0.5~1.0%(前記YはCa、Mg、Baから選択され、好ましくは前記YはCaおよび/またはMgである)
を含む、項目1から33までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0100】
項目35. 前記ガラスの組成が、質量%で
Si: 30~98%、好ましくは50~90%、より好ましくは70.0~74.0%、
23: 0~30%、好ましくは3~20%、より好ましくは7.0~16.0%、
Al23: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは3.0~6.5%、
2O: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは2.0~7.2%(前記XはNa、K、Liから選択され、好ましくは前記XはNaおよび/またはKである)、
YO: 0~30%、好ましくは0.1~5%、より好ましくは0.5~1.0%(前記YはCa、Mg、Baから選択され、好ましくは前記YはCaおよび/またはMgである)、および
不可避の不純物
からなる、項目1から34までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0101】
項目36. 前記ガラスの組成が、質量%で
Si: 20~98%、好ましくは40~75%、より好ましくは50~65%、および/または
23: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは3~9%、および/または
Al23: 0~30%、好ましくは10~20%、より好ましくは13~18%、および/または
2O: 0~30%、好ましくは0~5%、より好ましくは0~3%(前記XはNa、K、Liから選択され、好ましくは前記XはNaおよび/またはKである)、および/または
YO: 0~50%、好ましくは0.1~40%、より好ましくは10~35%(前記YはCa、Mg、Baから選択され、好ましくは前記YはCaおよび/またはMgである)
を含む、項目1から35までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0102】
項目37. 前記ガラスの組成が、質量%で
Si: 20~98%、好ましくは40~75%、より好ましくは50~65%、
23: 0~30%、好ましくは1~15%、より好ましくは3~9%、
Al23: 0~30%、好ましくは10~20%、より好ましくは13~18%、
2O: 0~30%、好ましくは0~5%、より好ましくは0~3%(前記XはNa、K、Liから選択され、好ましくは前記XはNaおよび/またはKである)、
YO: 0~50%、好ましくは0.1~40%、より好ましくは10~35%(前記YはCa、Mg、Baから選択され、好ましくは前記YはCaおよび/またはMgである)、および
不可避の不純物
からなる、項目1から36までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0103】
項目38. 前記細長いガラス部材が管またはロッド、好ましくは管であり、且つ/または
前記切断された細長いガラス部材が切断されたガラス管、切断されたガラスロッド、またはガラスの医薬品パッケージであり、且つ/または
前記切断された細長いガラス部材が第1の端部、円筒状の部分、および/または、好ましくはおよび第2の端部を含む切断されたガラス管であり、前記第1の端部および/または第2の端部は開いているかまたは閉じられており、好ましくは前記第1の端部および第2の端部は開いているかまたは閉じられている、項目1から37までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0104】
項目39. 前記切断された細長いガラス部材が管またはロッドであり、且つ/または、好ましくは且つ、第1の端部、第2の端部および円筒状の部分を含み、且つ
前記切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の長さが1cm以上且つ1000cm以下、好ましくは20cm以上且つ400cm以下、より好ましくは60cm以上且つ300cm以下、より好ましくは100cm以上且つ200cm以下、より好ましくは120cm以上且つ180cm以下である、項目1から38までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0105】
項目40. 前記切断された細長いガラス部材が医薬品パッケージであり、且つ/または、好ましくは且つ、第1の端部、第2の端部および円筒状の部分を含み、且つ
前記切断された細長いガラス部材の円筒状の部分の長さは1mm以上且つ50cm以下、好ましくは0.5cm以上且つ40cm以下、より好ましくは1.0cm以上且つ30cm以下、より好ましくは2cm以上且つ20cm以下、より好ましくは3cm以上且つ15cm以下、より好ましくは4cm以上且つ12cm以下、より好ましくは5cm以上且つ10cm以下、より好ましくは6cm以上且つ8cm以下である、項目1から39までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0106】
項目41. 前記細長いガラス部材が外径0.5mm~500mm、好ましくは2mm~63mm、より好ましくは5mm~60mm、より好ましくは6mm~50mmを示す円筒状の部分を含み、且つ/または
前記細長いガラス部材が円筒状の部分を含み、前記円筒状の部分が管であり、且つ壁厚0.001mm~250mm、好ましくは0.1mm~32.5mm、より好ましくは0.2mm~30mm、より好ましくは0.25mm~25mmを示す、項目1から40までのいずれか1つに記載の方法、システムおよび/または束。
【0107】
項目42. 項目18から41までのいずれか1つに記載の束の1つ以上の切断された細長いガラス部材から製造可能な、好ましくは製造された医薬品パッケージ。
【0108】
項目43. 医薬品パッケージまたは工業用ガラス、好ましくは医薬品パッケージを製造するための、項目18から41までのいずれか1つに記載の束の1つ以上の切断された細長いガラス部材の使用。
【0109】
項目44. 医薬品パッケージがバイアル、アンプル、シリンジおよび/またはカートリッジ、より好ましくはシリンジまたはカートリッジである、項目1から43までのいずれか1つに記載の方法、システム、束、医薬品パッケージおよび/または使用。
【0110】
上述の好ましい実施態様および項目に関し、図面を用いて、教示の一般的に好ましい実施態様およびさらなる展開を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0111】
図1】1つの実施態様によるシステムの模式図。
【0112】
以下の実施態様の説明において、同じ参照番号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0113】
図1は本発明の実施態様によるシステム(1)の模式図を示す。始めに、溶融ガラス(100)が、モーター(101)上に搭載されるダンナーマンドレル(102)上を流れる。その間、モーター(101)はダンナーマンドレル(102)を連続的に回転させる。モーター(101)とダンナーマンドレル(102)とは、溶融ガラス(100)がダンナーマンドレル(102)の下端に達するように傾けられており、そこで溶融ガラスの管が形成される。溶融ガラス(100)の管は特定の位置(103)で冷却し、溶融ガラスの管が固化し、ガラス管(10)、つまり連続した細長いガラス部材(10)が形成される。固体のガラス管(10)を、引き抜き装置(23)によって引き抜く。溶融ガラスが固化する点(103)と引き抜き装置(23)との間の位置で、1つ以上の幾何学的パラメータ、例えば内径を、第1の測定装置(21)によって連続的に測定する一方で、ガラス管(10)を引き抜き装置(23)によって連続的に引き抜く。管が引き抜き装置(23)を通過した後、それを分離、例えば切断装置(24)によって長さに切断して、切断されたガラス管(11)、つまり切断された細長いガラス部材(11)を得る。前記システム1は、1つ以上の幾何学的パラメータが所定の範囲内ではない切断されたガラス管(11)を選別除去する選別装置(25)を含む。引き続き、切断されたガラス管(11)の1つ以上の幾何学的パラメータを、第2の測定装置(22)によって測定する。コンピュータユニット(20)は、第1の測定装置(21)、第2の測定装置(22)、引き抜き装置(23)、および切断装置(24)に接続されて、連続的にそこからのデータを収集する。さらに、コンピュータユニットは第1の測定装置および第2の測定装置を連続的に較正し、且つ所定の範囲内ではない1つ以上の幾何学的パラメータを有する切断された細長いガラス部材(11)が選別装置(25)によって選別除去されたかどうかを制御することもできる。最後に、さらなる選別装置(26)が、所定の範囲内ではない1つ以上の幾何学的パラメータを有する切断された細長いガラス部材(11)を選別除去し、次いで高い品質を有する切断された細長いガラス部材(11)が束(12)に梱包される。
【符号の説明】
【0114】
1 システム
20 コンピュータユニット
21 第1の測定装置
22 第2の測定装置
23 引き抜き装置
24 切断装置
25 選別装置
26 さらなる選別装置
10 連続した細長いガラス部材、例えば連続したガラス管
11 切断された細長いガラス部材、例えば切断された細長いガラス管
12 切断された細長いガラス部材を含む束
100 溶融ガラス
101 モーター
102 ダンナーマンドレル
103 溶融ガラスが固化する点
図1
【外国語明細書】