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特開2023-44736スキル診断装置、スキル診断プログラム及びスキル診断方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044736
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】スキル診断装置、スキル診断プログラム及びスキル診断方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20230327BHJP
【FI】
G06Q10/06 332
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145267
(22)【出願日】2021-09-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】394013002
【氏名又は名称】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野崎 裕嗣
(72)【発明者】
【氏名】砂田 英之
(72)【発明者】
【氏名】大澤 伸行
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】システムやサービスの利用制御を行うために、設定値の点検結果や操作履歴情報を用いてユーザのスキル評価を行うことを目的とする。
【解決手段】操作端末とスキル診断装置からなるシステムであって、スキル診断装置は、操作端末から設定されたシステム機能の設定値を設定値マスタと比較することにより、ユーザとシステム機能毎の設定スキル値を算出する設定スキル値算出部と、操作端末の操作履歴を示す情報である操作ログデータをログレベルマスタと比較することにより、ユーザとシステム機能毎の操作スキル値を算出する操作スキル値算出部と、少なくとも、設定スキル値と操作スキル値とのいずれかに基づき、ユーザとシステム機能毎の総合スキル値を算出する総合スキル値算出部とを備えシステムやサービスの利用制御を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作端末とネットワーク接続された、スキル診断装置であって、
前記操作端末から設定されたシステム機能の設定値を設定値マスタと比較することにより、ユーザと前記システム機能毎の設定スキル値を算出する設定スキル値算出部と、
前記操作端末の操作履歴を示す情報である操作ログデータをログレベルマスタと比較することにより、前記ユーザと前記システム機能毎の操作スキル値を算出する操作スキル値算出部と、
少なくとも、前記設定スキル値と前記操作スキル値とのいずれかに基づき、前記ユーザと前記システム機能毎の総合スキル値を算出する総合スキル値算出部とを備える、
スキル診断装置。
【請求項2】
前記設定値マスタは、
システム設定項目毎に、設定可能な設定値の許容範囲である設定値許容範囲と設定スキル加算値とを定義しており、
前記設定スキル値算出部は、
前記システム設定項目毎に前記システム機能の設定値が前記設定値許容範囲に含まれるかを確認し、
含まれる場合に、前記設定スキル加算値を取得し、
取得した前記設定スキル加算値を前記ユーザと前記システム機能毎の前記設定スキル値として設定する、
請求項1に記載のスキル診断装置。
【請求項3】
前記設定スキル値算出部はさらに、一定期間中の前記設定スキル値の履歴の推移から設定スキル推移値を算出し、算出した前記設定スキル推移値に基づき、前記ユーザと前記システム機能毎の前記設定スキル値を変動させる、
請求項1又は2に記載のスキル診断装置。
【請求項4】
スキル診断装置はさらに、
前記設定スキル値に関連する外部の情報である外部点検結果データを取得する外部点検結果取得部を備え、
前記設定スキル値算出部は、
前記外部点検結果データに応じて前記設定スキル値を変動させる、
請求項1~3のいずれか1項に記載のスキル診断装置。
【請求項5】
前記ログレベルマスタは、
システム機能毎に、ログの種別であるログレベルと操作スキル加算値とを定義しており、
前記操作スキル値算出部は、
前記操作ログデータの前記ログレベルに対応する前記操作スキル加算値を取得し、
取得した前記操作スキル加算値を前記ユーザと前記システム機能毎の前記操作スキル値として設定する、
請求項1又は4のいずれか1項に記載のスキル診断装置。
【請求項6】
前記操作スキル値算出部はさらに、一定期間中の前記操作スキル値の履歴の推移から操作スキル推移値を算出し、算出した前記操作スキル推移値に基づき、前記ユーザと前記システム機能毎の前記操作スキル値を変動させる、
請求項5に記載のスキル診断装置。
【請求項7】
スキル診断装置はさらに、
前記操作スキル値に関連する外部の情報であるユーザ外部スキルデータを取得する外部スキル取得部を備え、
前記操作スキル値算出部は、
前記ユーザ外部スキルデータに応じて前記操作スキル値を変動させる、
請求項6に記載のスキル診断装置。
【請求項8】
前記スキル診断装置はさらに、
前記システム機能の利用に必要な、必要設定スキル値と必要操作スキル値と必要総合スキル値とを定義している利用制御マスタと、
少なくとも、前記設定スキル値と前記必要設定スキル値の比較結果、前記操作スキル値と前記必要設定スキル値との比較結果、前記総合スキル値と前記必要総合スキル値との比較結果のいずれか又は組み合わせを用いて、前記ユーザが利用する前記システム機能を制御するシステム機能利用制御部を備え、
前記システム機能利用制御部は、
前記操作端末から前記システム機能の利用要求を受けた場合に、前記利用要求を受けた前記システム機能の利用可否を判断し、
前記利用要求を受けた前記システム機能が利用可能な場合に、前記システム機能の利用を許可し、
前記利用要求を受けた前記システム機能が利用不可能な場合に、前記システム機能の利用を不許可とする、
請求項1~7のいずれか1項に記載のスキル診断装置。
【請求項9】
前記スキル診断装置は、クラウド上に構築される請求項1~8のいずれか1項に記載のスキル診断装置。
【請求項10】
操作端末から設定されたシステム機能の設定値を設定値マスタと比較することにより、ユーザと前記システム機能毎の設定スキル値を算出する設定スキル診断処理と、
前記操作端末の操作履歴を示す情報である操作ログデータをログレベルマスタと比較することにより、前記ユーザと前記システム機能毎の操作スキル値を算出する操作スキル診断処理と、
少なくとも前記設定スキル値と前記操作スキル値とのいずれかに基づき、ユーザの総合スキル値を算出する総合スキル診断処理と、
前記システム機能の利用に必要な、必要設定スキル値と必要操作スキル値と必要総合スキル値を定義している利用制御マスタと、
少なくとも、前記設定スキル値と前記必要設定スキル値の比較結果、前記操作スキル値と前記必要設定スキル値との比較結果、前記総合スキル値と前記必要総合スキル値との比較結果のいずれかを用いて、前記ユーザが利用する前記システム機能を制御するシステム機能利用制御処理を備える、
スキル診断プログラム。
【請求項11】
設定スキル値算出部が、
操作端末から設定されたシステム機能の設定値を設定値マスタと比較することにより、ユーザと前記システム機能毎の設定スキル値を算出し、
操作スキル値算出部が、
前記操作端末の操作履歴を示す情報である操作ログデータをログレベルマスタと比較することにより、前記ユーザと前記システム機能毎の操作スキル値を算出し、
総合スキル値算出部が、
少なくとも前記設定スキル値と前記操作スキル値とのいずれかに基づき、前記ユーザと前記システム機能毎の総合スキル値を算出し、
システム機能利用制御部が、
前記システム機能の利用に必要な、必要設定スキル値と必要操作スキル値と必要総合スキル値を定義している利用制御マスタと、
少なくとも、前記設定スキル値と前記必要設定スキル値の比較結果、前記操作スキル値と前記必要設定スキル値との比較結果、前記総合スキル値と前記必要総合スキル値との比較結果のいずれかを用いて、前記ユーザが利用する前記システム機能を制御することを特徴とする
スキル診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スキル診断装置、スキル診断プログラム及びスキル診断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、さまざまなデータが人やモノから生成されるようになり、扱うデータ量が増加しただけでなく、データの種類や重要度なども多様化してきている。データを扱う環境も、クラウドサービスなどオンライン環境が普及してきたため、従来のオフライン環境に比べ、情報漏洩などのセキュリティリスクが増してきている。
そのため、システムやサービスの設定は、適切なスキルを持ったユーザが利用環境や利用形態などの様々な条件を踏まえて行うことが重要になっている。
また、クラウドサービスにおいて、操作履歴情報を利用してオンラインストレージへのアクセス制御を行うなどの、操作履歴情報を基にしたサービス利用制御を行う技術がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-139380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、クラウドサービスのサービス利用制御において、ユーザの操作内容に基づき習熟度を算出し、算出した習熟度を基にオンラインストレージに対するアクセス可否を制御している。しかし、例えばパスワード設定において、システム的な制限は特にないが、セキュリティポリシーとして8文字以上が設定条件であるとする。この場合に、パスワード登録操作において、6文字のパスワード設定を許容してしまったとすると、システム的なユーザの操作内容としては問題がないが、利用するサービスのセキュリティポリシーに反することになる。このように、システム的なユーザの操作内容としては問題がないもののセキュリティポリシーに反する、といった過失があった場合に、過失があったユーザの操作内容を習熟度へ反映できないため、過失の有無をアクセス可否の制御に反映できないといった課題がある。
本開示は、システムやサービスの設定を行う場合に前述の課題を解決するためになされたものであり、操作履歴情報に加えて、システムやサービスのセキュリティポリシーに反していないかといった、設定値の点検結果も利用して、システムやサービスの利用制御を行うことができる仕組みの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係るスキル診断装置は、操作端末とスキル診断装置からなるシステムであって、スキル診断装置は、操作端末から設定されたシステム機能の設定値を設定値マスタと比較することにより、ユーザとシステム機能毎の設定スキル値を算出する設定スキル値算出部と、操作端末の操作履歴を示す情報である操作ログデータをログレベルマスタと比較することにより、ユーザとシステム機能毎の操作スキル値を算出する操作スキル値算出部と、少なくとも、設定スキル値と操作スキル値とのいずれかに基づき、ユーザとシステム機能毎の総合スキル値を算出する総合スキル値算出部とを備えシステムやサービスの利用制御を行う。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、システムやサービスの利用制御を行うために、設定値の点検結果や操作履歴情報を用いてユーザのスキル評価を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態1に係るスキル診断システムの構成図。
図2】実施の形態1に係るスキル診断システムの機能構成図。
図3】実施の形態1に係るスキル診断システムのハードウェア構成図。
図4】実施の形態1に係るスキル診断システムのトランザクションデータ構成図。
図5】実施の形態1に係るスキル診断システムのマスタデータ構成図。
図6】実施の形態1に係る設定スキル診断処理のフロー図。
図7】実施の形態1に係る操作スキル診断処理のフロー図。
図8】実施の形態1に係る総合スキル診断処理のフロー図。
図9】実施の形態1に係るシステム機能利用制御処理のフロー図。
図10】実施の形態1の変形例1に係るスキル診断システムのハードウェア構成図。
図11】実施の形態2に係るスキル診断システムの機能構成図。
図12】実施の形態2に係るスキル診断システムのトランザクションデータ構成図。
図13】実施の形態2に係るスキル診断システムのマスタデータ構成図。
図14】実施の形態2に係る設定スキル診断処理のフロー図。
図15】実施の形態2に係る操作スキル診断処理のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
***実施の形態1の構成***
実施の形態1は、スキル診断装置10と操作端末30とからなるスキル診断システム1のシステム構成である。このシステム構成において、ユーザがスキル診断装置10のシステム機能130に対して実施した設定変更にて、変更された設定値を点検して設定スキル値を算出し、スキル診断装置10のシステム機能130の操作履歴情報に基づいてユーザの操作スキル値を算出し、設定スキル値と操作スキル値からユーザの総合スキル値を算出する処理について説明する。
なお、ユーザとは、操作端末30を通してスキル診断装置10のシステム機能130上のシステム機能を利用すると共に、システム機能に対する設定変更を行う、スキル診断装置10の利用者である。
管理者とは、スキル診断装置10の管理を行い、マスタデータの設定変更を行う権限がある人物である。
【0009】
図1は、スキル診断装置10と操作端末30からなるスキル診断システム1の構成図である。
本実施の形態では、スキル診断装置10とネットワーク20と2台の操作端末30a、30bとから構成される。
なお、ネットワーク20に接続されている各機器には、他の機器との通信に必要な情報が保存されており、相互に情報を送受信できるものとする。
【0010】
図2は、スキル診断システム1の機能的な構成を示す機能構成図である。
スキル診断装置10は、設定スキル値算出部101と操作スキル値算出部102と総合スキル値算出部103とシステム機能利用制御部104と通信部105と保存部110とシステム機能130とを備える。保存部110には、スキル診断結果111と操作ログ112とシステム機能設定値113と設定値マスタ121とログレベルマスタ122と利用制御マスタ123とを備える。
設定スキル値算出部101は、システム機能130上のシステム機能に対する設定変更にて変更された設定値を点検して、ユーザの設定スキル値を算出する。
操作スキル値算出部102は、システム機能130上のシステム機能が利用されたり、システム機能130上のシステム機能に対する設定変更が行われたりした際の操作履歴情報に基づき、ユーザの操作スキル値を算出する。本実施の形態では、操作履歴情報はシステム機能130が出力するログとする。
総合スキル値算出部103は、設定スキル値と操作スキル値とから、ユーザの総合スキル値を算出する。
システム機能利用制御部104は、設定スキル値と操作スキル値と総合スキル値とから、ユーザ毎に、システム機能130上のシステム機能の利用可否を制御する。
通信部105は、ネットワーク20を介して繋がる操作端末30と通信を行う。
保存部110は、各種情報を保存する。
システム機能130は、ユーザが利用可能なシステム上の各種機能であり、ユーザにて設定変更を行う。また、システム機能130は、ユーザからシステム機能130上のシステム機能が利用されると、利用時にシステム機能130が出力したログを、操作ログ112へ保存する。さらに、システム機能130は、ユーザにてシステム機能130上のシステム機能の設定変更が行われると、変更された設定値を、システム機能設定値113へ登録する。なお、システム機能130上のシステム機能の設定値は、システム機能130の内部情報として保持したり、設定値ファイルなどの形で保持したりしても良い。
データ構成図については、図4図5を用いて後述するが、主に次のようなデータが保存される。
スキル診断結果111は、ユーザ毎の設定スキル値と操作スキル値と総合スキル値とを保存する。なお、設定スキル値と操作スキル値と総合スキル値とは、数値が高いほど良い結果を表すものとする。
操作ログ112は、システム機能130が出力したログを保存する。
システム機能設定値113は、システム機能130上のシステム機能の設定値を保存する。
設定値マスタ121は、システム機能130上のシステム機能の設定項目毎に、設定可能な設定値の許容範囲を定義する。
ログレベルマスタ122は、システム機能130上のシステム機能毎に、ログの種別を示すログレベルと、ログレベルに応じた操作スキル値に対する加算値とを定義する。
利用制御マスタ123は、システム機能130上のシステム機能毎に、機能利用に必要な、設定スキル値と操作スキル値と総合スキル値とを定義する。
【0011】
操作端末30aおよび30bは、通信部301と入出力部302とを備える。
通信部301は、ネットワーク20を介して繋がるスキル診断装置10と通信を行う。
入出力部302は、ユーザからの入力の受け付けとユーザへの情報の出力とを行う。
【0012】
以上のような構成のスキル診断システム1の各機能は、図3に示したようなハードウェアにより実現される。このハードウェアは、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置401とROM(Read Only Memory)やハードディスク装置等の保存装置402と他のハードウェアとネットワーク20によって接続される通信装置403とキーボードやマウス、スピーカーやディスプレイ等の入出力装置404とがバス接続された構成となっている。なお、CPUは自身にメモリを備えていてもよい。
なお、本実施の形態において、スキル診断装置10は、処理装置401と保存装置402と通信装置403と入出力装置404とを備え、操作端末30aは、処理装置401と保存装置402と通信装置403と入出力装置404とを備え、操作端末30bは、処理装置401と保存装置402と通信装置403と入出力装置404とを備えるものとする。
なお、処理装置401は複数であってもよく、複数の処理装置401が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0013】
図4は、トランザクションデータのデータ構成図である。
なおトランザクションデータとは、マスタデータとは異なり、変動するデータのことを示す。スキル診断結果111は、ユーザを識別するユーザIDとスキル診断を実施したシステム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDと設定スキル値算出用の点検結果値と設定スキル推移値と設定スキル値と操作スキル値算出用の操作診断値と操作スキル推移値と操作スキル値と総合スキル値と診断した日時である診断日時と、の項目からなる。
操作ログ112は、操作ログを記録した日時であるログ日時と操作していたユーザを識別するユーザIDと操作していたシステム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDとログレベルとログレベルに応じた操作スキル値に対する加算値である個別操作診断値と、の項目からなる。
システム機能設定値113は、設定変更を行った日時である設定日時と設定変更を行ったユーザを識別するユーザIDと設定変更を行ったシステム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDと設定変更を行った設定項目を識別するシステム設定項目IDとシステム設定項目に対する設定値のシステム設定値と点検結果に応じた設定スキル値に対する加算値である個別点検結果値と、の項目からなる。
なお、後述するが、スキル診断結果111は、設定スキル値算出部101と操作スキル値算出部102と総合スキル値算出部103とにより変更される。操作ログ112は、システム機能130と操作スキル値算出部102とにより変更される。システム機能設定値113とは、システム機能130と設定スキル値算出部101とにより変更される。
【0014】
図5は、マスタデータのデータ構成図である。
設定値マスタ121は、システム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDとシステム設定項目を識別するシステム設定項目IDとシステム設定項目毎に設定可能な設定値の許容範囲を定義した設定値許容範囲とシステム設定項目に応じた設定スキル値に対する加算値である設定スキル加算値と、の項目からなる。
ログレベルマスタ122は、システム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDと操作ログの種別を示すログレベルとログレベルに応じた操作スキル値に対する加算値である操作スキル加算値と、の項目からなる。
利用制御マスタ123は、システム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDとシステム機能130上のシステム機能利用に必要な設定スキル値を定義した必要設定スキル値とシステム機能130上のシステム機能利用に必要な操作スキル値を定義した必要操作スキル値とシステム機能130上のシステム機能利用に必要な総合スキル値を定義した必要総合スキル値と、の項目からなる。
なお、設定値マスタ121とログレベルマスタ122と利用制御マスタ123とは、予め管理者により設定されているとする。
【0015】
***実施の形態1の動作***
スキル診断システム1の動作について、フロー図を用いて説明する。
図6では、ユーザがスキル診断装置10のシステム機能130に対して実施した設定変更にて、変更された設定値を点検して設定スキル値を算出する、設定スキル診断処理のフローについて説明する。
なお、設定スキル診断処理は、管理者からの設定により、定期的な実行が設定されているものとする。定期実行時には、登録されたスキル診断結果111のデータのうち前回の定期実行時に未処理のデータが取得される。定期実行間隔を1カ月間隔であれば、前回の定期実行時の当日から今回の定期実行時の前日までの1か月間のスキル診断結果111が一定期間中のスキル診断結果111として取得される。本実施の形態では、定期実行間隔を1カ月間隔とする。
【0016】
スキル診断装置10の設定スキル値算出部101は、定期的な実行のタイミングになると処理を開始し、現在日時を取得して一時的な日時情報である処理日時とする。
その後、設定スキル値算出部101は、定期実行間隔期間のデータとして、システム機能設定値113より、設定日時が処理日時の過去1カ月間に含まれるデータを、システム機能設定値データとして取得する。
その後、設定スキル値算出部101は、項目点検処理として、次の処理を行う。
システム機能設定値データのレコードを順次取り出し、取り出したシステム機能設定値レコードのシステム機能IDとシステム設定項目IDを指定して、設定値マスタ121から対応する設定値マスタレコードを取得する。
その後、取得したシステム機能設定値レコードのシステム設定値が、対応する設定値マスタレコードの設定値許容範囲に含まれるかを確認する。
確認の結果含まれる場合は、取得したシステム機能設定値レコードの個別点検結果値に、対応する設定値マスタレコードの設定スキル加算値を設定する。
確認の結果含まれない場合は、取得したシステム機能設定値レコードの個別点検結果値に、0を設定する。
ここまでを一連の項目点検処理とし、この項目点検処理を、システム機能設定値データに含まれる全レコードに対して実行する。
その後、設定スキル値算出部101は、システム機能設定値データのユーザIDとシステム機能ID毎にシステム機能設定値データの項目点検結果値を集計して、ユーザIDとシステム機能ID毎の点検結果値を算出する。
その後、設定スキル値算出部101は、システム機能設定値データのユーザIDとシステム機能IDと算出した点検結果値と処理日時とを、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDと点検結果値と診断日時とに設定し、スキル診断結果111にデータを登録する(ステップS101)。
例えば、システム機能設定値データに、1件目のレコードとして、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」でシステム設定項目IDが「設定項目1」でシステム設定値が「000001」のレコードと、2件目のレコードとして、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」でシステム設定項目IDが「設定項目2」でシステム設定値が「A」のレコードが存在し、設定値マスタデータに、システム機能IDが「機能1」でシステム設定項目IDが「設定項目1」で設定値許容範囲が「000000-999999」で設定スキル加算値が「10」のレコードと、システム機能IDが「機能1」でシステム設定項目IDが「設定項目2」で設定値許容範囲が「A-Z」で設定スキル加算値が「5」のレコードが存在するとする。
この場合に、項目点検処理により、システム機能設定値データの1件目のレコードの項目点検結果値は「10」、2件目のレコードの項目点検結果値は「5」となるため、システム機能設定値データの個別点検結果値を集計して、ユーザIDとシステム機能ID毎の点検結果値を算出すると、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」の点検結果値は「15(=10+5)」となる。
【0017】
続いて、設定スキル値算出部101は、設定スキル推移データとして、一定期間中のスキル診断結果111のデータを取得する。
その後、設定スキル値算出部101は、取得した設定スキル推移データのユーザIDとシステム機能ID毎の設定スキル値と診断日時とから、ユーザIDとシステム機能ID毎の設定スキル推移値を算出する。
その後、設定スキル値算出部101は、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDと診断日時とに、設定スキル推移データのユーザID、システム機能IDと処理日時とを指定してレコードを特定し、特定したスキル診断結果111のレコードの設定スキル推移値に算出した設定スキル推移値を登録し、設定スキル値に、同レコードの点検結果値と設定スキル推移値の加算値を登録する(ステップS102)。
なお、設定スキル推移値は、例えば次のように算出しても良い。
定期実行間隔期間前のデータとして、スキル診断結果111より、診断日時が処理日時の過去1カ月よりも過去のデータを、設定スキル推移データとして取得する。設定スキル推移データの設定スキル値と診断日時の分布から時系列相関係数を算出し、算出した時系列相関係数の10倍を、設定スキル推移値とする。これは、正の相関がみられる場合は、設定スキルが向上しているとみなし、負の相関がみられる場合は、設定スキルが減退しているとみなしている。
例えば、設定スキル推移データを、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」で抽出し、抽出したデータの時系列相関係数が「0.5」の場合、設定スキル推移値は「5(=0.5×10)」となる。
また、スキル診断結果111より設定スキル推移データを取得する際には、取得するデータ件数が多くなりすぎないように、一定の件数や一定の期間で、取得対象データを制限しても良い。
【0018】
図7では、システム機能130の操作履歴情報に基づいてユーザの操作スキル値を算出する、操作スキル診断処理のフローについて説明する。
なお、操作スキル診断処理は、管理者からの設定により、定期的に実行が設定されているものとする。定期実行時には、登録されたスキル診断結果111のデータのうち前回の定期実行時に未処理のデータが取得される。定期実行間隔を1カ月間隔であれば、前回の定期実行時の当日から今回の定期実行時の前日までの1か月間のスキル診断結果111が一定期間中のスキル診断結果111として取得される。本実施の形態では、定期実行間隔を1カ月間隔とする。
【0019】
スキル診断装置10の操作スキル値算出部102は、定期的な実行のタイミングになると処理を開始し、現在日時を取得して一時的な日時情報である処理日時とする。
その後、操作スキル値算出部102は、定期実行間隔期間のデータとして、操作ログ112より、ログ日時が処理日時の過去1カ月間に含まれるデータを、操作ログデータとして取得する。
その後、操作スキル値算出部102は、操作診断処理として、次の処理を行う。
操作ログデータのレコードを順次取り出し、取り出した操作ログレコードのシステム機能IDとログレベルを指定して、ログレベルマスタ122から対応するログレベルマスタレコードを取得する。
その後、取得した操作ログレコードの個別操作診断値に、対応するログレベルマスタレコードの操作スキル加算値を設定する。
ここまでを一連の操作診断処理とし、この操作診断処理を、操作ログデータに含まれる全レコードについて、実行する。
その後、操作スキル値算出部102は、操作ログデータのユーザIDとシステム機能ID毎に操作ログデータの個別操作診断値を集計して、ユーザIDとシステム機能ID毎の操作診断値を算出する。
その後、操作スキル値算出部102は、操作ログデータのユーザIDとシステム機能IDと算出した操作診断値と処理日時とを、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDと操作診断値と診断日時とに設定し、スキル診断結果111に操作診断値を登録する(ステップS201)。
例えば、操作ログデータに、1件目のレコードとして、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」でログレベルが「情報」のレコードと、2件目のレコードとして、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」でログレベルが「警告」のレコードと、3件目のレコードとして、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」でログレベルが「エラー」のレコードが存在し、ログレベルマスタデータに、ログレベルが「情報」で操作スキル加算値が「5」のレコードと、ログレベルが「警告」で操作スキル加算値が「-5」のレコードと、ログレベルが「エラー」で操作スキル加算値が「-10」のレコードが存在するとする。
この場合に、操作診断処理により、操作ログデータの1件目のレコードの個別操作診断値は「5」、2件目のレコードの個別操作診断値は「-5」、3件目のレコードの個別操作診断値は「-10」となるため、操作ログデータの個別操作診断値を集計して、ユーザIDとシステム機能ID毎の操作診断値を算出すると、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」の操作診断値は「-10(=5+(-5)+(-10))」となる。
【0020】
続いて、操作スキル値算出部102は、操作スキル推移データとして、一定期間中のスキル診断結果111のデータを取得する。
その後、操作スキル値算出部102は、取得した操作スキル推移データのユーザIDとシステム機能ID毎の操作スキル値と診断日時とから、ユーザIDとシステム機能ID毎の操作スキル推移値を算出する。
その後、操作スキル値算出部102は、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDと診断日時とに、操作スキル推移データのユーザID、システム機能IDと処理日時とを指定してレコードを特定し、特定したスキル診断結果111のレコードの操作スキル推移値に算出した操作スキル推移値を登録し、操作スキル値に、同レコードの操作診断値と操作スキル推移値の加算値を登録する(ステップS202)。
なお、操作スキル推移値は、例えば次のように算出しても良い。
定期実行間隔期間前のデータとして、スキル診断結果111より、診断日時が処理日時の過去1カ月よりも過去のデータを、操作スキル推移データとして取得する。操作スキル推移データの操作スキル値と診断日時の分布から時系列相関係数を算出し、算出した時系列相関係数の10倍を、操作スキル推移値とする。これは、正の相関がみられる場合は、操作スキルが向上しているとみなし、負の相関がみられる場合は、操作スキルが減退しているとみなしている。
例えば、操作スキル推移データを、ユーザIDが「ユーザ1」でシステム機能IDが「機能1」で抽出し、抽出したデータの時系列相関係数が「-0.5」の場合、設定スキル推移値は「-5(=-0.5×10)」となる。
また、スキル診断結果111より操作スキル推移データを取得する際には、取得するデータ件数が多くなりすぎないように、一定の件数や一定の期間で、取得対象データを制限しても良い。
【0021】
図8では、設定スキル値と操作スキル値から総合スキル値を算出する、総合スキル診断処理のフローについて説明する。
なお、総合スキル診断処理は、管理者からの設定により、定期的に実行が設定されているものとする。本実施の形態では、定期実行間隔を1カ月間隔とする。
【0022】
スキル診断装置10の総合スキル値算出部103は、定期的な実行のタイミングになると処理を開始し、現在日時を取得して一時的な日時情報である処理日時とする。
その後、総合スキル値算出部103は、定期実行間隔期間のデータとして、スキル診断結果111より、設定スキル値に値が設定されていて、診断日時が処理日時の過去1カ月間に含まれるデータを、設定スキル値データとして取得する。
その後、総合スキル値算出部103は、取得した設定スキル値データから、ユーザIDとシステム機能ID毎に、診断日時が最新のデータを抽出し、抽出したデータの、ユーザIDとシステム機能IDと設定スキル値と、からなる、最新設定スキル値データを一時的に作成する(ステップS301)。
なお、定期実行間隔期間中に複数回のスキル診断を実施し、取得したスキル診断結果情報からユーザIDとシステム機能ID毎に複数のデータが抽出される場合には、設定スキル値の平均を最新設定スキル値データのユーザIDとシステム機能ID毎の設定スキル値としても良い。
【0023】
続いて、総合スキル値算出部103は、定期実行間隔期間の有効データとして、スキル診断結果111より、操作スキル値に値が設定されていて、診断日時が処理日時の過去1カ月間に含まれるデータを、操作スキル値データとして取得する。
その後、総合スキル値算出部103は、取得した操作スキル値データから、ユーザIDとシステム機能ID毎に、診断日時が最新のデータを抽出し、抽出したデータの、ユーザIDとシステム機能IDと操作スキル値と、からなる、最新操作スキル値データを一時的に作成する(ステップS302)。
なお、定期実行間隔期間中に複数回のスキル診断を実施し、取得したスキル診断結果情報からユーザIDとシステム機能ID毎に複数のデータが抽出される場合には、操作スキル値の平均を最新操作スキル値データのユーザIDとシステム機能ID毎の操作スキル値としても良い。
【0024】
続いて、総合スキル値算出部103は、作成した最新設定スキル値データのユーザIDとシステム機能IDの組み合わせと、最新操作スキル値データのユーザIDとシステム機能IDの組み合わせとを統合して重複を省き、ユーザIDとシステム機能IDの組み合わせデータを取得する。
その後、総合スキル値算出部103は、ユーザIDとシステム機能IDの組み合わせデータのレコードを順次取り出し、取得したユーザIDとシステム機能IDの組み合わせレコードのユーザIDとシステム機能IDを指定して、最新設定スキル値データレコードと最新操作スキル値レコードをそれぞれ取得する。
その後、取得した最新設定スキル値データレコードの設定スキル値と、最新操作スキル値レコードの操作スキル値とを加算して、総合スキル値を算出する。
ここまでを一連の総合スキル診断処理とし、この総合スキル診断処理を、ユーザIDとシステム機能IDの組み合わせデータに含まれる全レコードについて、実行する。
その後、総合スキル値算出部103は、ユーザIDとシステム機能IDの組み合わせデータのユーザIDとシステム機能IDと算出した総合スキル値と処理日時とを、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDと総合スキル値と診断日時とに設定し、スキル診断結果111にデータを登録する(ステップS303)。
【0025】
図9では、スキル診断結果に基づきユーザが利用できるシステム機能130上のシステム機能を制御する、システム機能利用制御処理のフローについて説明する。
【0026】
操作端末30aの入出力部302が、ユーザからシステム機能130上のシステム機能の利用要求を受けると、入出力部302は通信部301を用いて、要求を行ったユーザのユーザIDと、利用対象システム機能のシステム機能IDとともに、システム機能利用要求とを、スキル診断装置10へ送信する(ステップS401)。
【0027】
通信部105を通してシステム機能利用要求を受けたシステム機能利用制御部104は、利用制御マスタ123のシステム機能IDに、受信したシステム機能IDを指定してレコードを特定し、特定した利用制御マスタデータのレコードを取得する(ステップS402)。
【0028】
続いて、システム機能利用制御部104は、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDとに、受信したユーザIDと受信したシステム機能IDを指定して、設定スキル値に値が設定されていて計測日時が最新のレコードを特定し、特定したスキル診断結果111のレコードの設定スキル値を取得する。その後、システム機能利用制御部104は、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDとに、受信したユーザIDと受信したシステム機能IDを指定して、操作スキル値に値が設定されていて計測日時が最新のレコードを特定し、特定したスキル診断結果111のレコードの操作スキル値を取得する。その後、システム機能利用制御部104は、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDとに、受信したユーザIDと受信したシステム機能IDを指定して、総合スキル値に値が設定されていて計測日時が最新のレコードを特定し、特定したスキル診断結果111のレコードの総合スキル値を取得する(ステップS403)。
【0029】
続いて、システム機能利用制御部104は、取得した設定スキル値と操作スキル値と総合スキル値とを、利用制御マスタデータのレコードの必要設定スキル値と必要操作スキル値と必要総合スキル値とそれぞれ比較し、少なくとも、設定スキル値と必要設定スキル値の比較結果、操作スキル値と必要設定スキル値との比較結果、総合スキル値と必要総合スキル値との比較結果のいずれか又は組み合わせを用いて、システム機能の利用可否を判断する。利用可能な場合、システム機能の利用を許可し、システム機能利用制御部104は、通信部105を用いて、利用可能通知を、操作端末30aへ送信する。
利用不可能な場合、システム機能の利用を不許可とし、システム機能利用制御部104は、通信部105を用いて、利用不可通知を、操作端末30aへ送信する(ステップS404)。
システム機能の利用可否の判断は、取得した設定スキル値が必要設定スキル値より大きく、かつ、取得した操作スキル値が必要操作スキル値より大きく、かつ、取得した総合スキル値が必要総合スキル値より大きい場合は、利用可能と判断し、それ以外の場合は、利用不可能と判断しても良い。
【0030】
通信部301を通して利用不可通知を受けた操作端末30aの入出力部302は、ユーザへ利用不可を通知し、処理を終了する(ステップS405)。
【0031】
通信部301を通して利用可能通知を受けた操作端末30aの入出力部302は、ユーザへ利用可能を通知し、システム機能130上のシステム機能を利用する(ステップS406)。
【0032】
以上が、実施の形態1の動作となる。
なお、本実施の形態では、設定スキル診断処理と操作スキル診断処理と総合スキル診断処理とを定期実行により起動したが、各処理の起動は、ユーザ指定の任意のタイミングで起動したり、例えば操作スキル診断処理の実行後に総合スキル診断処理を実行するよう登録するなど、特定の処理の後続処理として起動したりしても良い。
***実施の形態1の効果***
設定変更作業の点検結果や操作履歴情報の評価結果からユーザのスキルを評価し、評価結果を基にシステム機能130上のシステム機能の利用制御を行うことで、ユーザのスキル不足によるセキュリティ事故の発生を防ぐことができる。
<変形例1>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例1として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例1について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0033】
図10を参照して、変形例1に係るスキル診断システム1の構成を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、処理装置401と保存装置402とに代えて、電子回路405を備える。電子回路405は、処理装置401と保存装置402との機能とを実現する専用の回路である。
【0034】
電子回路405としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC(INTEGRATED CIRCUIT)、GA(GATE ARRAY)、ASIC(APPLICATION SPECIFIC
INTEGRATED CIRCUIT)、FPGA(FIELD-PROGRAMMABLE GATE ARRAY)が想定される。
各機能構成要素を1つの電子回路405で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路405に分散させて実現してもよい。
<変形例2>
変形例2として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0035】
処理装置401と保存装置402と電子回路405とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
<変形例3>
変形例3として、スキル診断装置の一部または全ての各機能構成要素がクラウド上に構築され、クラウドサーバ上で実現されてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2として、ユーザのスキル評価の精度を上げるために、データ連携で取得した外部の関連データを利用してスキルを評価しても良い。この実施の形態2について、実施の形態1と異なる点を説明する。
なお、データ連携は一般的なデータ連携処理の利用を想定し、本実施の形態には特に記載しないものとする。
***実施の形態2の構成***
【0036】
図11は、スキル診断システム1の機能的な構成を示す機能構成図である。
スキル診断装置10は、外部点検結果取得部106と外部スキル取得部107と外部点検結果114とユーザ外部スキル115と外部点検マスタ124と外部スキルマスタ125とを備える。
外部点検結果取得部106は、本システム外の点検結果データをデータ連携により取得して外部点検結果114に保存する。
外部スキル取得部107は、本システム外のユーザ保有スキルデータをデータ連携により取得してユーザ外部スキル115に保存する。
外部点検結果114は、データ連携により取得した本システム外の点検結果データを保存する。
ユーザ外部スキル115は、データ連携により取得した本システム外のユーザ保有スキルデータを保存する。
外部点検マスタ124は、本システム外の点検結果データに応じた、設定スキル値に対する加算値を定義する。
外部スキルマスタ125は、本システム外のユーザ保有スキルデータに応じた、操作スキル値に対する加算値を定義する。
【0037】
図12は、トランザクションデータのデータ構成図である。
外部点検結果114は、点検を実施した日時である点検日時と点検実施時にログインしていたユーザを識別するユーザIDと点検を実施したシステム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDと外部点検の結果である点検結果と点検結果に応じた設定スキル値に対する加算値である個別点検結果値と、の項目からなる。
ユーザ外部スキル115は、ユーザを識別するユーザIDと外部スキルが関連するシステム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDとユーザが取得している外部スキルを識別する外部スキルIDと外部スキルに応じた操作スキル値に対する加算値である個別操作診断値と、の項目からなる。
【0038】
図13は、マスタデータのデータ構成図である。
外部点検マスタ124は、システム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDと、外部点検の結果である点検結果と、点検結果に応じた設定スキル値に対する加算値である設定スキル加算値と、の項目からなる。
外部スキルマスタ125は、システム機能130上のシステム機能を識別するシステム機能IDと、外部スキルを識別する外部スキルIDと、外部スキルに応じた操作スキル値に対する加算値であるスキル加算値と、の項目からなる。
なお、外部点検マスタ124と外部スキルマスタ125とは、予め管理者により設定されているとする。
【0039】
***実施の形態2の動作***
実施の形態2の動作について、フロー図を用いて説明する。
図14では、設定スキル診断処理で算出した設定スキル値に対し外部の点検結果情報を反映させる、設定スキル診断処理のフローについて説明する。
なお、ステップ102までの処理は、実施の形態1と同様である。
【0040】
続いて、設定スキル値算出部101は、定期実行間隔期間のデータとして、外部点検結果114より、点検日時が処理日時の過去1カ月間に含まれるデータを、外部点検結果データとして取得する。
外部点検結果データの件数が1件以上の場合は、ステップS104へ進む。
外部点検結果データの件数が0件の場合は、処理を終了する(ステップS103)。
【0041】
設定スキル値算出部101は、外部点検処理として、次の処理を行う。
外部点検結果データのレコードを順次取り出し、取り出した外部点検結果レコードのシステム機能IDを指定して、外部点検マスタ124から対応する外部点検マスタレコードを取得する。
その後、取得した外部点検結果データの個別点検結果値に、対応する外部点検マスタレコードの設定スキル加算値を設定する。
ここまでを一連の外部点検処理とし、この外部点検処理を、外部点検結果データに含まれる全レコードに対して実行する。
その後、設定スキル値算出部101は、外部点検結果データのユーザIDとシステム機能ID毎に外部点検結果データの個別点検結果値を集計して、ユーザIDとシステム機能ID毎の設定スキル加算集計値を算出する。
その後、設定スキル値算出部101は、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDと診断日時に、外部点検結果情報のユーザIDとシステム機能IDと処理日時を指定してデータを特定し、特定したスキル診断結果111のデータの設定スキル値に、設定スキル加算集計値を加算する(ステップS104)。
【0042】
図15では、操作スキル診断処理で算出した操作スキル値に対し外部のスキル情報を反映させる、操作スキル診断処理のフローについて説明する。
なお、ステップ202までの処理は、実施の形態1と同様である。
【0043】
続いて、操作スキル値算出部102は、ユーザ外部スキル115より、ユーザ外部スキルデータを取得する。
ユーザ外部スキル情報の件数が1件以上の場合は、ステップS204へ進む。
ユーザ外部スキル情報の件数が0件の場合は、処理を終了する(ステップS203)。
【0044】
操作スキル値算出部102は、ユーザ外部スキル取得処理として、次の処理を行う。
ユーザ外部スキルデータのレコードを順次取り出し、取り出したユーザ外部スキルレコードのシステム機能IDと外部スキルIDとを指定して、外部スキルマスタ125から対応する外部スキルマスタレコードを取得する。
その後、取得したユーザ外部スキルデータの個別操作診断値に、対応する外部スキルマスタレコードの操作スキル加算値を設定する。
ここまでを一連のユーザ外部スキル取得処理とし、このユーザ外部スキル取得処理を、ユーザ外部スキルデータに含まれる全レコードに対して実行する。
その後、操作スキル値算出部102は、ユーザ外部スキルデータのユーザIDとシステム機能ID毎に、個別操作診断値を集計して、ユーザIDとシステム機能ID毎の操作スキル加算集計値を算出する。
その後、操作スキル値算出部102は、スキル診断結果111のユーザIDとシステム機能IDと診断日時に、ユーザ外部スキルデータのユーザIDとシステム機能IDと処理日時を指定してデータを特定し、特定したスキル診断結果111のデータの操作スキル値に、操作スキル加算集計値を加算する(ステップS204)。
【0045】
***実施の形態2の効果***
データ連携で取得した外部の関連データを利用することで、ユーザのスキル評価の精度を上げることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 スキル診断システム、10 スキル診断装置、20 ネットワーク、30 操作端末、30a 操作端末、30b 操作端末、101 設定スキル値算出部、102 操作スキル値算出部、103 総合スキル値算出部、104 システム機能利用制御部、105 通信部、106 外部点検結果取得部、107 外部スキル取得部、110 保存部、111 スキル診断結果、112 操作ログ、113 システム機能設定値、114 外部点検結果、115 ユーザ外部スキル、121 設定値マスタ、122 ログレベルマスタ、123 利用制御マスタ、124 外部点検マスタ、125 外部スキルマスタ、130 システム機能、301 通信部、302 入出力部、401 処理装置、402 保存装置、403 通信装置、404 入出力装置、405 電子回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作端末とネットワーク接続された、スキル診断装置であって、
前記操作端末から設定されたシステム機能の設定値を、システム設定項目毎に設定可能な設定値の許容範囲である設定値許容範囲を定義した設定値マスタの前記設定値許容範囲と比較することにより、ユーザと前記システム機能毎の設定スキル値を算出する設定スキル値算出部と、
前記操作端末の操作履歴を示す情報である操作ログデータを、システム機能毎にログの種別であるログレベルを定義したログレベルマスタの前記ログレベルと比較することにより、前記ユーザと前記システム機能毎の操作スキル値を算出する操作スキル値算出部と、
少なくとも、前記設定スキル値と前記操作スキル値とのいずれかに基づき、前記ユーザと前記システム機能毎の総合スキル値を算出する総合スキル値算出部とを備える、
スキル診断装置。
【請求項2】
前記設定値マスタは、設定スキル加算値を定義しており、
前記設定スキル値算出部は、
前記システム設定項目毎に前記システム機能の設定値が前記設定値マスタに定義された前記設定値許容範囲に含まれるかを確認し、
含まれる場合に、前記設定スキル加算値を取得し、
取得した前記設定スキル加算値を前記ユーザと前記システム機能毎の前記設定スキル値
として設定する、
請求項1に記載のスキル診断装置。
【請求項3】
前記設定スキル値算出部はさらに、一定期間中の前記設定スキル値の履歴の推移から設定スキル推移値を算出し、算出した前記設定スキル推移値に基づき、前記ユーザと前記システム機能毎の前記設定スキル値を変動させる、
請求項1又は2に記載のスキル診断装置。
【請求項4】
スキル診断装置はさらに、
前記設定スキル値に関連する外部の情報である外部点検結果データを取得する外部点検
結果取得部を備え、
前記設定スキル値算出部は、
前記外部点検結果データに応じて前記設定スキル値を変動させる、
請求項1~3のいずれか1項に記載のスキル診断装置。
【請求項5】
前記ログレベルマスタは、前記ログレベルに対応する操作スキル加算値を定義しており、
前記操作スキル値算出部は、
前記操作ログデータの前記ログレベルマスタに定義された前記ログレベルに対応する前記操作スキル加算値を取得し、
取得した前記操作スキル加算値を前記ユーザと前記システム機能毎の前記操作スキル値
として設定する、
請求項1又は4のいずれか1項に記載のスキル診断装置。
【請求項6】
前記操作スキル値算出部はさらに、一定期間中の前記操作スキル値の履歴の推移から操作スキル推移値を算出し、算出した前記操作スキル推移値に基づき、前記ユーザと前記システム機能毎の前記操作スキル値を変動させる、
請求項5に記載のスキル診断装置。
【請求項7】
スキル診断装置はさらに、
前記操作スキル値に関連する外部の情報であるユーザ外部スキルデータを取得する外部スキル取得部を備え、
前記操作スキル値算出部は、
前記ユーザ外部スキルデータに応じて前記操作スキル値を変動させる、
請求項6に記載のスキル診断装置。
【請求項8】
前記スキル診断装置はさらに、
前記システム機能の利用に必要な、必要設定スキル値と必要操作スキル値と必要総合スキル値とを定義している利用制御マスタと、
少なくとも、前記設定スキル値と前記必要設定スキル値の比較結果、前記操作スキル値と前記必要設定スキル値との比較結果、前記総合スキル値と前記必要総合スキル値との比較結果のいずれか又は組み合わせを用いて、前記ユーザが利用する前記システム機能を制御するシステム機能利用制御部を備え、
前記システム機能利用制御部は、
前記操作端末から前記システム機能の利用要求を受けた場合に、前記利用要求を受けた
前記システム機能の利用可否を判断し、
前記利用要求を受けた前記システム機能が利用可能な場合に、前記システム機能の利用を許可し、
前記利用要求を受けた前記システム機能が利用不可能な場合に、前記システム機能の利用を不許可とする、
請求項1~7のいずれか1項に記載のスキル診断装置。
【請求項9】
前記スキル診断装置は、クラウド上に構築される請求項1~8のいずれか1項に記載のスキル診断装置。
【請求項10】
操作端末から設定されたシステム機能の設定値を、システム設定項目毎に設定可能な設定値の許容範囲である設定値許容範囲を定義した設定値マスタの前記設定値許容範囲と比較することにより、
ユーザと前記システム機能毎の設定スキル値を算出する設定スキル診断処理と、
前記操作端末の操作履歴を示す情報である操作ログデータを、システム機能毎にログの種別であるログレベルを定義したログレベルマスタの前記ログレベルと比較することにより、前記ユーザと前記システム機能毎の操作スキル値を算出する操作スキル診断処理と、
少なくとも前記設定スキル値と前記操作スキル値とのいずれかに基づき、ユーザの総合スキル値を算出する総合スキル診断処理と、
前記システム機能の利用に必要な、必要設定スキル値と必要操作スキル値と必要総合スキル値を定義している利用制御マスタと、
少なくとも、前記設定スキル値と前記必要設定スキル値の比較結果、前記操作スキル値と前記必要設定スキル値との比較結果、前記総合スキル値と前記必要総合スキル値との比較結果のいずれかを用いて、前記ユーザが利用する前記システム機能を制御するシステム
機能利用制御処理を備える、
スキル診断プログラム。
【請求項11】
設定スキル値算出部が、
操作端末から設定されたシステム機能の設定値を、システム設定項目毎に設定可能な設定値の許容範囲である設定値許容範囲を定義した設定値マスタの前記設定値許容範囲と比較することにより、
ユーザと前記システム機能毎の設定スキル値を算出し、
操作スキル値算出部が、
前記操作端末の操作履歴を示す情報である操作ログデータを、システム機能毎にログの種別であるログレベルを定義したログレベルマスタの前記ログレベルと比較することにより、前記ユーザと前記システム機能毎の操作スキル値を算出し、
総合スキル値算出部が、
少なくとも前記設定スキル値と前記操作スキル値とのいずれかに基づき、前記ユーザと前記システム機能毎の総合スキル値を算出し、
システム機能利用制御部が、
前記システム機能の利用に必要な、必要設定スキル値と必要操作スキル値と必要総合スキル値を定義している利用制御マスタと、
少なくとも、前記設定スキル値と前記必要設定スキル値の比較結果、前記操作スキル値と前記必要設定スキル値との比較結果、前記総合スキル値と前記必要総合スキル値との比較結果のいずれかを用いて、前記ユーザが利用する前記システム機能を制御することを特徴とする
スキル診断方法。