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特開2023-44761コンクリート用骨材の加熱方法及びこれに用いる加熱システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044761
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】コンクリート用骨材の加熱方法及びこれに用いる加熱システム
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/06 20060101AFI20230327BHJP
   B28C 7/00 20060101ALI20230327BHJP
   E01C 19/10 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B28C7/06
B28C7/00
E01C19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152787
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】安部 弘康
(72)【発明者】
【氏名】石川 伸介
(72)【発明者】
【氏名】吉野 玲
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 好幸
【テーマコード(参考)】
2D052
4G056
【Fターム(参考)】
2D052AA04
2D052BA05
2D052DA25
4G056AA04
4G056CA04
4G056CB07
4G056CC33
(57)【要約】
【課題】コンクリート用骨材の加熱方法及システムにおいて、エネルギー効率を良好にしてエネルギーのロスを少なくすること、コンクリート製造工場内で設備を簡素化して設備の維持更新における負荷を低減すること、骨材の水分量を把握しやすくして、コンクリートのフレッシュ性状を安定させること、併せて環境負荷の低減を図ること、を実現する。
【解決手段】本方法及び本システムでは、コンクリート用骨材にマイクロ波の照射により加熱可能な骨材Aを用い、この骨材Aを、コンクリートの製造設備へ送給する過程でマイクロ波発生装置Мによりマイクロ波を照射することにより、加熱する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート材料をコンクリートの製造設備へ送給する過程で前記コンクリート材料に含まれるコンクリート用骨材を加熱装置により加熱するコンクリート用骨材の加熱方法であって、
前記コンクリート用骨材にマイクロ波の照射により加熱することのできる骨材を用い、
前記加熱装置にマイクロ波発生装置を使用して、
当該骨材を前記コンクリートの製造設備へ送給する過程で、当該骨材に前記マイクロ波発生装置によりマイクロ波を照射することにより加熱する、
ことを特徴とするコンクリート用骨材の加熱方法。
【請求項2】
加熱することのできる骨材として、表面水を有する骨材を用いる請求項1に記載のコンクリート用骨材の加熱方法。
【請求項3】
加熱することのできる骨材として、磁性を有する骨材を用いる請求項1又は2に記載のコンクリート用骨材の加熱方法。
【請求項4】
磁性を有する骨材に、電気炉酸化スラグ骨材を採用する請求項3に記載のコンクリート用骨材の加熱方法。
【請求項5】
マイクロ波の照射により加熱することのできるコンクリート用骨材をコンクリートの製造設備へ送給する送給経路上にマイクロ波の漏れを防止するシールドエリアを画成して、前記シールドエリアにマイクロ波発生装置を設置する請求項1乃至4のいずれかに記載のコンクリート用骨材の加熱方法。
【請求項6】
マイクロ波の照射により加熱することのできるコンクリート用骨材をコンクリートの製造設備へ送給する送給経路を、前記骨材を搬送するコンベアと、前記コンベアの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーとにより構成し、前記カバーをマイクロ波を遮断可能な金属材により形成して、前記送給経路上にシールドエリアを画成する請求項5に記載のコンクリート用骨材の加熱方法。
【請求項7】
マイクロ波の照射により加熱することのできるコンクリート用骨材をコンクリートの製造設備へ送給する送給経路を、前記骨材を搬送するコンベアと、前記コンベアの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーとにより構成し、前記カバー内にマイクロ波を遮断可能な金属材からなる中空筒形形状のシールドカバーを配置して、前記送給経路上にシールドエリアを画成する請求項5に記載のコンクリート用骨材の加熱方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のコンクリート用骨材の加熱方法に用いる加熱システムであって、
マイクロ波の照射により加熱することのできるコンクリート用骨材をコンクリートの製造設備へ送給する送給経路上に画成され、マイクロ波の漏れを防止するシールド設備と、
前記シールド設備内に設置され、当該骨材に向けてマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、
により構成されることを特徴とするコンクリート用骨材の加熱システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート用骨材の加熱方法及びこれに用いる加熱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンクリート製造工場では、複数の材料サイロからコンクリート材料を順次取り出して、バッチャープラント上部に設けられた複数の材料貯蔵ビンへ順次供給し、これらの材料貯蔵ビンから各材料を計量、混練して、コンクリートを製造する。この場合、材料サイロの骨材の供給にベルトコンベアなどのコンベアが用いられる。骨材を貯蔵する材料サイロの下にベルトコンベアが水平に設置され、このベルトコンベアとバッチャープラント上部の材料貯蔵ビンとの間にベルトコンベアが斜めに設置されて、骨材がこれらのベルトコンベアにより材料貯蔵ビンへ搬送される(特許文献1参照)。
【0003】
また、コンクリートの製造では、コンクリート材料を混練中に加熱(ホットミキシング)して、50°C-80°Cのコンクリートを型枠ヘ打ち込むことにより、コンクリートの硬化が促進される、ことが知られている(特許文献2、3参照)。
【0004】
この種のホットミキシングには、コンクリート材料の練り混ぜ水に温水を用いる方法、コンクリート材料の練り混ぜ時にミキサー内に高温蒸気を吹き込む方法、骨材などの材料を加熱する方法などが用いられている。このうち、骨材を加熱する方法としては、骨材サイロ内や、骨材を骨材サイロからバッチャープラントの材料貯蔵ビンへ搬送する筒形形状のカバーで覆われたコンベア上で、カバー内に加熱蒸気を満たし、この加熱蒸気で骨材を間接的に加熱することが一般的に行われている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭57-38495号公報
【特許文献2】特開昭51-57708号公報
【特許文献3】特開昭51-86517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、コンクリートのホットミキシングに骨材を蒸気で加熱する方法を用いる場合、次のような問題がある。
(1)この方法では、骨材を直接加熱しないため、エネルギー効率が悪く、ランニングコストが増大する。
(2)特に、骨材をカバーで覆われたコンベア上で加熱蒸気により加熱する方法では、カバーの密閉性が悪いために、カバー内の空間に加熱蒸気を充満させるのにエネルギーのロスが大きく、ランニングコストは増大する。
(3)コンクリートのフレッシュ性状を安定させるために、骨材の水分量を把握することが必要であるところ、蒸気を用いることで、骨材の水分量の管理が難しい。
(4)コンクリート製造工場で蒸気はボイラーや配管などの設備を用いて供給されるため、この設備がコンクリート製造工場内に設置されるが、コンクリート製造工場内の配管が複雑で、この設備の維持更新においても負荷が大きい。
【0007】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種のコンクリート用骨材の加熱方法及びこれに用いる加熱システムにおいて、エネルギー効率を良好にするとともにエネルギーのロスを少なくして、ランニングコストの低減を図ること、コンクリート製造工場内で設備(加熱設備)を簡素化して、設備の維持更新においても負荷を低減すること、骨材の水分量を把握しやすくして、コンクリートのフレッシュ性状を安定させること、併せて環境負荷の低減を図ること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、
コンクリート材料をコンクリートの製造設備へ送給する過程で前記コンクリート材料に含まれるコンクリート用骨材を加熱装置により加熱するコンクリート用骨材の加熱方法であって、
前記コンクリート用骨材にマイクロ波の照射により加熱することのできる骨材を用い、
前記加熱装置にマイクロ波発生装置を使用して、
当該骨材を前記コンクリートの製造設備へ送給する過程で、当該骨材に前記マイクロ波発生装置によりマイクロ波を照射することにより加熱する、
ことを要旨とする。
【0009】
また、このコンクリート用骨材の加熱方法は、次のように具体化される。
(1)加熱することのできる骨材として、表面水を有する骨材を用いる。
(2)加熱することのできる骨材として、磁性を有する骨材を用いる。
この場合、磁性を有する骨材に、電気炉酸化スラグ骨材を採用することが望ましい。
(3)マイクロ波の照射により加熱することのできるコンクリート用骨材をコンクリートの製造設備へ送給する送給経路上にマイクロ波の漏れを防止するシールドエリアを画成して、前記シールドエリアにマイクロ波発生装置を設置する。
(4)マイクロ波の照射により加熱することのできるコンクリート用骨材をコンクリートの製造設備へ送給する送給経路を、前記骨材を搬送するコンベアと、前記コンベアの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーとにより構成し、前記カバーをマイクロ波を遮断可能な金属材により形成して、前記送給経路上にシールドエリアを画成する。
(5)上記(4)に代えて、マイクロ波の照射により加熱することのできるコンクリート用骨材をコンクリートの製造設備へ送給する送給経路を、前記骨材を搬送するコンベアと、前記コンベアの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーとにより構成し、前記カバー内にマイクロ波を遮断可能な金属材からなる中空筒形形状のシールドカバーを配置して、前記送給経路上にシールドエリアを画成するようにしてもよい。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、
上記コンクリート用骨材の加熱方法に用いる加熱システムであって、
マイクロ波の照射により加熱することのできるコンクリート用骨材をコンクリートの製造設備へ送給する送給経路上に画成され、マイクロ波の漏れを防止するシールド設備と、
前記シールド設備内に設置され、当該骨材に向けてマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置と、
により構成される、
ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のコンクリート用骨材の加熱方法及び加熱システムによれば、コンクリート用骨材にマイクロ波の照射により加熱することのできる骨材を用い、当該骨材をコンクリートの製造設備へ送給する過程で、当該骨材にマイクロ波発生装置によりマイクロ波を照射することにより加熱するので、次のような本発明独自の格別な効果を奏する。
(1)骨材を直接加熱することで、エネルギー効率を良好にするとともにエネルギーのロスを少なくして、ランニングコストの低減を図ることができる。
(2)骨材の送給経路上にシールドエリア(シールド設備)を画成してマイクロ波発生装置を設置するだけなので、コンクリート製造工場内で設備を簡素化することができ、設備の維持更新においても負荷を低減することができる。
(3)骨材にマイクロ波を照射して骨材を直接加熱するようにしたことで、骨材の水分量が把握しやすくなり、これによりコンクリートのフレッシュ性状を安定させることができる。
(4)マイクロ波の照射により加熱することのできる骨材に電気炉酸化スラグ骨材などの磁性を有する骨材を用いると、マイクロ波の照射により、骨材に強磁性共鳴と呼ばれる物理現象が起こり、骨材それ自体が発熱するので、この発熱作用によって骨材を加熱することができ、エネルギー効率を高めることができる。この場合、環境配慮型の電気炉酸化スラグ骨材を使用することで、環境負荷の低減を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るコンクリート用骨材の加熱方法及び加熱システムのイメージを示す外観斜視図
図2】同加熱方法及び加熱システムの構成を示す側面図
図3】本発明の第2の実施の形態に係るコンクリート用骨材の加熱方法及び加熱システムの構成を示す側面図
図4】一般的なコンクリート製造工場に同加熱方法及び加熱システムを適用した場合のイメージを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。図1図2に第1の実施の形態を示している。
【0014】
図1に示すように、このコンクリート用骨材の加熱方法(以下、本方法という。)は、コンクリート材料をコンクリートの製造設備へ送給する過程でコンクリート材料に含まれるコンクリート用骨材を加熱装置により加熱するものである。
本方法では、特に、コンクリート用骨材にマイクロ波の照射により加熱することのできる骨材を用い、加熱装置にマイクロ波発生装置を使用して、当該骨材をコンクリートの製造設備へ送給する過程で、当該骨材にマイクロ波発生装置によりマイクロ波を照射することにより加熱する。
【0015】
図2に示すように、本方法では、マイクロ波の照射により加熱することのできる骨材Aとして、表面水を有し、磁性を有する骨材の一つである電気炉酸化スラグ骨材(以下、電気炉酸化スラグ骨材A又は単に骨材Aという。)を採用する。電気炉酸化スラグ骨材Aは、電気炉製鋼所で発生する酸化スラグを1500℃前後の溶解状態から特殊加工し、破砕分級して、粗骨材、細骨材としたもので、天然砂(海砂、山砂)、天然砂利、砕砂や砕石などの天然素材の代替として使用することができる。この電気炉酸化スラグ骨材Aは磁性を持ち、電波(マイクロ波)を吸収して熱に変換する性質を有している。本方法は、電気炉酸化スラグ骨材Aのこの性質を併せて利用する。
なお、電気炉酸化スラグ骨材Aは、自然環境の保護、骨材運搬、重量コンクリート施工による化石燃料削減とCО削減効果が認められ、2005年度に特定調達品目に指定されており、JIS A 5011-4「コンクリート用スラグ骨材-第4部:電気炉酸化スラグ骨材」で規格化されている。また、この電気炉酸化スラグ骨材Aは、天熱骨材の採取禁止、資源の開発制限、骨材の枯渇などの情勢から、環境配慮型の骨材として注目されており、国内の生コンクリート工場で標準化する動きもある。
【0016】
本方法では、この骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路上にマイクロ波の漏れを防止するシールドエリアSを画成して、このシールドエリアS内にマイクロ波発生装置Мを設置する。
【0017】
この場合、電気炉酸化スラグ骨材Aのコンクリートの製造設備への送給経路を、この骨材Aを搬送するコンベアBと、コンベアBの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーCとにより構成する。ここで、コンベアBにはベルトコンベア(以下、ベルトコンベアBという。)を使用し、複数のベルトコンベアBを長さ方向に連結する。カバーCは金属材からなるアーチ形のカバーで、複数のカバーCを各ベルトコンベアB上に被せ付ける。このようにして骨材Aの送給経路を複数のベルトコンベアB及びカバーCによりトンネル状に形成する。なお、カバーCは、アーチ形のカバーに代えて円筒形の金属管を用い、複数の金属管を連結してトンネル状に形成してもよい。この場合、ベルトコンベアBはこの金属管内に挿通配置される。そして、この骨材Aの送給経路の一部にマイクロ波の漏洩を防止するシールドエリアSを画成する。ここでシールドエリアSは、カバーCの一部を特にマイクロ波を遮断可能な鋼材などの金属材により形成してシールドカバーC1とするとともに、このシールドカバーC1で包囲された内部空間の両端、すなわち、骨材Aがこの内部空間に入る一端及びこの内部空間から出る他端にそれぞれ、仕切り用として、マイクロ波を遮断可能な鋼材などの金属材からなるシールドカバーC2を、骨材Aが通過可能に、設置する。かくして、骨材Aの送給経路上の一部に、シールドカバーC1、C2により仕切って、シールドエリアSを形成する。なお、ここではカバーCの一部を鋼材などによりシールドカバーC1としたが、カバーC全体を鋼管などにより形成して、カバーC全体をシールドカバーC1としてもよい。
【0018】
またこの場合、マイクロ波発生装置Мは、特定の周波数を使用する各種の工業用マイクロ波発生機から適宜のものを選定する。マイクロ波発生装置Мは、電気炉酸化スラグ骨材Aの送給経路上のシールドエリアS内に所定の高さに、マイクロ波の照射方向をベルトコンベアB上に向けて設置する。
【0019】
このようにして骨材Aとして使用する電気炉酸化スラグ骨材AをベルトコンベアBによりコンクリートの製造設備へ送給する過程で、その送給経路の一部に設けたシールドエリアSにおいて、電気炉酸化スラグ骨材Aにマイクロ波発生装置Мによりマイクロ波を予め定めた所定の照射強度で所定の照射時間照射する。かくして、シールドエリアS内で電気炉酸化スラグ骨材Aに表面水を有する状態でマイクロ波が照射されると、マイクロ波は骨材Aに吸収され、骨材A自体が発熱する。この発熱作用により骨材Aは直接加熱される。しかして、骨材Aの表面温度は所定の温度まで上昇する。また他面で、磁性を有する電気炉酸化スラグ骨材Aには強磁性共鳴と呼ばれる物理現象が起こり、この強磁性共鳴によって増大する電気炉酸化スラグ骨材Aの内部エネルギーが最終的に発熱を引き起こす。併せて骨材Aは直接加熱される。このように電気炉酸化スラグ骨材Aはそれ自体の発熱作用により、所定の温度に加熱されて、コンクリートの製造設備ヘ供給される。
【0020】
以上説明したように、本方法によれば、マイクロ波の照射により加熱することのできる骨材として、表面水を含み、磁性を有する骨材である電気炉酸化スラグ骨材Aを使用し、この電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する過程でマイクロ波発生装置Мによりマイクロ波を照射して、この骨材Aを直接加熱するので、エネルギー効率を良好にするとともにエネルギーのロスを少なくして、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0021】
また、本方法によれば、この骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路をベルトコンベアBとカバーCとにより形成し、この送給経路の一部にシールドカバーC1、C2によりシールドエリアSを形成し、このシールドエリアS内にマイクロ波発生装置Мを設置することにより、加熱設備を配備するので、加熱設備をコンクリートの製造工場内に簡易に設置することができる。そして、この加熱設備は、従来の蒸気加熱方式の設備のような複雑な配管を不要とするので、コンクリート製造工場内で加熱設備を簡素化することができ、加熱設備の維持更新においても負荷を低減することができる。
【0022】
さらに、本方法によれば、コンクリート製造工場での実施の前に、予め行う実験などにより、電気炉酸化スラグ骨材Aに対するマイクロ波の照射強度や照射時間などとこの骨材Aの水分量とを求めることで、骨材Aの水分量を簡易に把握することができ、骨材Aの水分量を把握しやすくして、コンクリートのフレッシュ性状を安定させることができる。
【0023】
さらに、本方法では、表面水を含む電気炉酸化スラグ骨材Aを用い、この骨材Aにマイクロ波を照射することにより、骨材Aに強磁性共鳴と呼ばれる物理現象を起こして骨材Aそれ自体が発熱するようにし、かかる発熱作用を併せて利用して骨材Aを直接加熱するので、エネルギー効率をより高めることができる。この場合、環境配慮型の電気炉酸化スラグ骨材Aを使用することで、環境負荷の低減を図ることもできる。
【0024】
図1図2に本方法に用いる加熱システム(以下、本システムという。)を併せて示している。本システムは、表面水を含む電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路上に画成され、マイクロ波の漏れを防止するシールド設備Fと、シールド設備F内に設置され、電気炉酸化スラグ骨材Aに向けてマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置Мとにより構成される。
【0025】
本システムでは、電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路は、この骨材Aを搬送するコンベアBと、コンベアBの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーCとにより構成される。そして、カバーCの少なくとも一部はシールド設備Fとしてマイクロ波を遮断可能な金属材により形成される。
【0026】
この場合、コンベアBは一般的なベルトコンベア(以下、ベルトコンベアBという。)で、コンベアフレームb1、コンベアフレームb1の両端及び両端間に水平方向に配設される軸を介して垂直方向に回転可能に支持される複数のコンベアローラーb2、各コンベアローラーb2間に垂直方向に回転可能に巻き掛けられる無端状のコンベアベルトb3と、複数のコンベアローラーb2の一部を駆動ローラーDとして駆動し、コンベアベルトb3を回転駆動する駆動装置(図示省略)などからなる。
なお、駆動装置は図示されない制御盤により制御される。この制御盤の制御により、駆動ローラーDは所定の速度で駆動され又は駆動を停止されてコンベアベルトb3が回転され又は回転を停止され、このコンベアベルトb3上で電気炉酸化スラグ骨材Aが所定の照射強度のマイクロ波を所定の照射時間だけ照射される。また、この制御盤の制御により、駆動ローラーDは正転方向、逆転方向に回転可能であり、コンベアベルトb3を往復動させることにより、電気炉酸化スラグ骨材Aにマイクロ波を所定の照射時間照射することもできる。
【0027】
カバーCは金属材からなるアーチ形のカバーで、複数のカバーCが各ベルトコンベアB上に被せ付けられて形成される。このようにして電気炉酸化スラグ骨材Aの送給経路が複数のベルトコンベアB及びアーチ形のカバーCとによりトンネル状に形成される。なお、カバーCは、アーチ形のカバーに代えて円筒形の金属管を用い、複数の金属管が長さ方向に連結されてトンネル状に形成されてもよい。この場合、ベルトコンベアBはこれら金属管内に挿通配置される。
【0028】
そして、この骨材Aの送給経路の一部にマイクロ波の漏洩を防止するシールド設備Fが画成される。このシールド設備Fは、複数のカバーCのうちの一部のカバーが特にマイクロ波を遮断可能な鋼材や鉄板などの金属材からなるシールドカバーC1により形成され、このシールドカバーC1で包囲された内部空間の両端、すなわち、骨材Aがこの内部空間に入る一端の位置及びこの内部空間から出る他端の位置にそれぞれ、仕切り用として、マイクロ波を遮断可能な鋼材や鉄板などの金属材からなるシールドカバーC2が、この骨材Aを通過可能に配置されて、設置される。かくして、電気炉酸化スラグ骨材Aの送給経路上の一部に、シールドカバーC1、C2により、シールド設備Fが形成される。なお、ここではカバーCの一部をシールドカバーC1としたが、カバーC全体が鋼管などにより形成されて、カバーC全体がシールドカバーC1であってもよい。また、仕切り用の各シールドカバーC2は内部空間を開閉可能に開閉式にして、内部空間の密閉性を高めてもよい。
【0029】
またこの場合、マイクロ波発生装置Мは、既述のとおりで、特定の周波数を使用する各種の工業用マイクロ波発生機から適宜のものが選定される。そして、マイクロ波発生装置Мは、電気炉酸化スラグ骨材Aの送給経路上のシールド設備F内で、所定の高さに配置され、マイクロ波の照射方向をベルトコンベアB上に向けて、設置される。
【0030】
このようにして、表面水を含む電気炉酸化スラグ骨材AがベルトコンベアBによりコンクリートの製造設備へ送給され、この過程において、この送給経路の一部に設置されたシールド設備Fで、電気炉酸化スラグ骨材Aがマイクロ波発生装置Мから予め定められた所定の照射強度で発生されるマイクロ波が予め定められた所定の照射時間だけ照射されるようになっている。
【0031】
かくして、ベルトコンベアB上の電気炉酸化スラグ骨材Aに表面水を有する状態でマイクロ波を所定の照射強度で所定の照射時間だけ照射することにより、骨材Aにマイクロ波を吸収させて、骨材A自体の発熱作用により骨材Aを直接加熱する。しかして、骨材Aの表面温度は所定の温度まで上昇される。同時に、磁性を有する電気炉酸化スラグ骨材Aは強磁性共鳴と呼ばれる物理現象を起こす。すなわち、磁性を有する電気炉酸化スラグ骨材Aにマイクロ波を当てることで、電気炉酸化スラグ骨材Aに電子スビンの動力学運動を生じさせ、電気炉酸化スラグ骨材Aの内部エネルギーが増大する強磁性共鳴を起こす。この強磁性共鳴の下で、マイクロ波のエネルギーが電気炉酸化スラグ骨材Aに効率よく吸収されて、電子スビンの動力学的運動が継続的に誘起され、電気炉酸化スラグ骨材Aの内部エネルギーが大幅に上昇される。この強磁性共鳴によって増大する電気炉酸化スラグ骨材Aの内部エネルギーは熱に変換され、最終的に電気炉酸化スラグ骨材Aそれ自体が発熱する。この発熱作用を併せて、電気炉酸化スラグ骨材Aを直接加熱する。しかして、骨材Aは所定の温度まで上昇される。このようにして電気炉酸化スラグ骨材Aはそれ自体の発熱作用により、所定の温度まで加熱されて、コンクリートの製造設備に供給される。
【0032】
以上説明したように、本システムによれば、表面水を含み、磁性を有する電気炉酸化スラグ骨材Aを使用して、この電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する過程でマイクロ波発生装置Мによりマイクロ波を照射してこの骨材Aを直接加熱するので、エネルギー効率を良好にするとともにエネルギーのロスを少なくして、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0033】
また、本システムによれば、この電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路をベルトコンベアBとカバーCとにより形成し、この送給経路の一部に、シールドカバーC1、C2によりシールド設備Fを形成して、このシールド設備F内にマイクロ波発生装置Мを設置することにより、加熱設備を設けるので、従来の蒸気加熱方式の設備のような複雑な配管がなく、コンクリート製造工場内で加熱設備を簡素化することができ、設備の維持更新においても負荷を低減することができる。
【0034】
さらに、本システムによると、本システムをコンクリート製造工場で実施する前に、本システム又はその模擬システムにより予め行う実験により、電気炉酸化スラグ骨材Aに対するマイクロ波の照射強度や照射時間などとこの骨材Aの水分量を求めることで、この骨材Aのマイクロ波による加熱の下での水分量を把握することができる。したがって、本システムによれば、骨材Aの水分量を把握しやすくすることができ、コンクリートのフレッシュ性状を安定させることができる。
【0035】
また、本システムでは、表面水を含む電気炉酸化スラグ骨材Aを用い、この骨材Aにマイクロ波を照射することにより、骨材Aに強磁性共鳴と呼ばれる物理現象を起こし骨材Aそれ自体を発熱させるようにしており、かかる発熱作用を併せて利用して骨材Aを直接加熱するようにしたので、エネルギー効率をより高めることができる。この場合、環境配慮型の電気炉酸化スラグ骨材Aを使用するので、環境負荷の低減を図ることもできる。
【0036】
図3に第2の実施の形態に係る本方法及び本システムを示している。この実施の形態では、本方法にあっては、表面水を含む電気炉酸化スラグ骨材Aを用い、電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路を、この骨材Aを搬送するコンベアBと、コンベアBの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーCとにより構成する点で、第1の実施の形態と共通し、カバーCをマイクロ波を遮断可能な金属材により形成することで送給経路上にシールドエリアSを画成するものではない点で、第1の実施の形態と異なる。また、本システムにあっては、電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路は、この骨材Aを搬送するコンベアBと、コンベアBの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーCとにより構成される点で、第1の実施の形態と共通し、カバーCがシールド設備Fとしてマイクロ波を遮断可能な金属材により形成されるものではない点で、第1の実施の形態と異なる。
この実施の形態では、第1の実施の形態と共通する構成については第1の実施の形態と同一の符号を付してその重複する説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成についてのみ新たな符号を付して説明を追加する。
【0037】
図3に示すように、本方法では、電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路を、この骨材Aを搬送するコンベアBと、コンベアBの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーCとにより構成する。そして、カバーC内にマイクロ波を遮断可能な金属材からなる中空筒形形状のシールドカバーC3を配置して、骨材Aの送給経路上にシールドエリアSを画成する。
【0038】
この場合、シールドカバーC3をマイクロ波を遮断可能な鋼管などの金属材により、全体としてカバーC内に組み込み配置可能に所定の径で、カバーCの軸方向の長さよりも小さい所定の長さの円筒形又は角筒形に、全体としてトンネル状に形成する。なお、このシールドカバーC3の長さはベルトコンベアB上の骨材Aに対するマイクロ波の照射強度、照射時間などから決定する。そして、このシールドカバーC3をカバーC内の所定の位置に組み込み設置し、この設置位置で、ベルトコンベアBはこのシールドカバーCに通される。
【0039】
本方法により、本システムは、電気炉酸化スラグ骨材Aをコンクリートの製造設備へ送給する送給経路が、この骨材Aを搬送するコンベアBと、コンベアBの周囲を包囲する中空筒形形状のカバーCとにより構成される。そして、カバーC内にシールド設備Fとしてマイクロ波を遮断可能な金属材からなる中空筒形形状のシールドカバーC3が配置される。
【0040】
この場合、シールドカバーC3は、特にマイクロ波を遮断可能な鋼管や鉄管などの金属材からなる外周部C31と、その両端を遮蔽する、マイクロ波を遮断可能な鋼板や鉄板などの金属材からなる端部C32とからなる。なお、各端部C32は外周部C31の内部空間を開閉可能に開閉式としてもよい。
【0041】
なお、マイクロ波発生装置Мは、第1の実施の形態と同様に、このシールドカバーC3内で、所定の高さに配置され、マイクロ波の照射方向をベルトコンベアB上に向けて、設置される。
【0042】
本方法及び本システムを、このようにしても、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0043】
図4に一般的なコンクリート製造工場における本方法及び本システムの適用例を示している。図4に示すように、このコンクリート製造工場では、セメントサイロP1からセメントが、骨材サイロP2から骨材が、それぞれ、バッチャープラントBP上部の複数の材料貯蔵ビンBP1へ供給される。そして、バッチャープラントBPにおいて、材料貯蔵ビンBP1からセメント、各骨材が計量ビンBP2で計量されてミキサーBP3へ投下され、水道設備P3から供給される水、混和剤設備P4から供給される混和剤とともに混練されて、コンクリートを製造する。このコンクリートはミキサーBP3からホッパーBP4を通して排出される。この種のコンクリート製造工場では、骨材サイロP2の骨材がベルトコンベアBによりバッチャープラントBPへ搬送される。この場合、骨材サイロP2の骨材は骨材サイロP2の下に水平に設置されたベルトコンベアB1に取り出され、このベルトコンベアB1とバッチャープラントBP上部の材料貯蔵ビンBP1との間に斜めに架け渡し設置されたベルトコンベアB2に受け渡しされて、骨材がこのベルトコンベアB2により材料貯蔵ビンBP1へ搬送される。
【0044】
図4に示すように、本方法及び本システムは、このコンクリート製造工場において、骨材を搬送するコンベアBを利用して、実施する。このコンクリート製造工場では、骨材サイロP1に設置されたベルトコンベアB1とバッチャープラントBP上部の材料貯蔵ビンBP1との間に複数の金属管からなるカバーCが中間を支柱CPにより支持されて設置され、このカバーC内にベルトコンベアB2が挿通配置される。本方法及び本システムは、このカバーCの一部にシールドカバーC1、C2によりシールドエリアS(シールド設備F)を形成し、このシールドエリアS(シールド設備F)内にマイクロ波発生装置М(図2、3参照)を設置して、マイクロ波加熱方式の設備を組み込むことで、実現する。シールドエリアS(シールド設備F)やマイクロ波発生装置Мについては既述のとおりである。
【0045】
このようにして、このコンクリート製造工場では、骨材サイロP2に貯蔵する電気炉酸化スラグ骨材AをカバーC内のベルトコンベアB2によりバッチャープラントBP上部の材料貯蔵ビンBP1へ送給する過程で、カバーC内でその一部に設置したシールドエリアS(シールド設備F)において、この骨材Aにマイクロ波発生装置Мによりマイクロ波を予め定めた所定の照射強度で所定の照射時間だけ照射する。かくして、既述のとおり、表面水を含む電気炉酸化スラグ骨材Aにマイクロ波を吸収させて、この骨材A自体の発熱作用により骨材Aを直接加熱する。併せて、磁性を有する電気炉酸化スラグ骨材Aに強磁性共鳴現象を起こし、この骨材Aそれ自体の発熱作用によって骨材Aを直接加熱する。しかして骨材Aを所定の温度まで加熱する。
【0046】
このようにすることで、一般的なコンクリート製造工場でも、本方法及び本システムに基く既述のとおりの作用効果を奏することができる。
【0047】
また、本方法は、コンクリート製造工場において、骨材を骨材サイロP2からバッチャープラントBPの材料貯蔵ビンBP1へ搬送するカバーCで包囲されたベルトコンベアBからなる既存の設備を利用して実施することができる。同様に、本システムは、コンクリート製造工場において、骨材を骨材サイロP2からバッチャープラントBPの材料貯蔵ビンBP1へ搬送するカバーCで包囲されたベルトコンベアBからなる既存の設備の一部に、シールドカバーC1、C2によりシールド設備Fを形成してこのシールド設備F内にマイクロ波発生装置Мを設置するだけで、実現することができる。
【0048】
なお、上記各実施の形態では、マイクロ波の照射により加熱可能な骨材に、表面水を有し、磁性を有する電気炉酸化スラグ骨材Aを採用したが、マイクロ波の照射により加熱可能な骨材は、表面水を有する骨材、電気炉酸化スラグ骨材を含む磁性を有する骨材、表面水を含み、磁性を有する骨材から、任意に選択することができる。
コンクリート用骨材にマイクロ波の照射により加熱可能な骨材を用いることで、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
また、上記各実施の形態では、本方法及び本システムをコンクリート製造設備への送給経路上の一部で実施するものとして例示したが、コンクリート製造設備への送給経路上の複数箇所で連続的に又は断続的に実施するものとしてもよい。
このようにすることで、上記各実施の形態と同様の又はそれ以上の作用効果を奏することができる。
【0050】
さらに、上記各実施の形態では、本方法は骨材のコンクリート製造設備への送給経路上で実施されるものとして、本システムは骨材のコンクリート製造設備への送給経路上に備えるものとして、それぞれ、例示したが、本方法はコンクリート製造工場内で加熱専用として実施してもよく、本システムはコンクリート製造工場内に加熱専用設備として備えてもよい。この場合、複数のベルトコンベアを、骨材を循環可能に環状に配列してもよく、複数の骨材を複列にして移送可能に複数列並列に配列してもよい。また、この場合、シールドカバー内に複数のマイクロ波発生装置を骨材の循環方向あるいは移送方向の複数箇所に連続的に又は断続的に設置してもよい。
このようにすることで、骨材の加熱専用設備として、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することもできる。
【符号の説明】
【0051】
A マイクロ波の照射により加熱することのできる骨材(表面水を含む電気炉酸化スラグ骨材)
М マイクロ波発生装置
S シールドエリア
F シールド設備
B コンベア
B1、B2 ベルトコンベア
b1 コンベアフレーム
b2 コンベアローラー
b3 コンベアベルト
D 駆動ローラー
C カバー
C1、C2 シールドカバー
C3 シールドカバー
C31 外周部
C32 端部
CP 支柱
BP バッチャープラント
BP1 材料貯蔵ビン
BP2 計量ビン
BP3 ミキサー
BP4 ホッパー
P1 セメントサイロ
P2 骨材サイロ
P3 水道設備
P4 混和剤設備
図1
図2
図3
図4