(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044811
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】コントローラ
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230327BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230327BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20230327BHJP
H05K 7/20 20060101ALN20230327BHJP
【FI】
G06F1/16 312N
H05K5/02 H
G06F1/16 312D
G06F1/16 312M
G06F1/18 E
H05K7/20 H
H05K7/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152864
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 佳介
【テーマコード(参考)】
4E360
5E322
【Fターム(参考)】
4E360AB02
4E360AB54
4E360CA02
4E360EA12
4E360EA24
4E360EC12
4E360ED02
4E360ED03
4E360GB99
4E360GC02
5E322AA03
5E322AB01
5E322BA01
5E322BB03
(57)【要約】
【課題】機能モジュールに搭載される拡張カードの種類が制限されることを抑制可能なコントローラを提供する。
【解決手段】一つの実施形態に係るコントローラは、ベースユニットと、機能モジュールとを備える。前記ベースユニットは、接続面と、前記接続面に設けられた第1の接続コネクタと、を有する。前記機能モジュールは、拡張カードと、前記拡張カードの少なくとも一部が収容される収容空間が内部に設けられたケースと、前記ケースに設けられるとともに前記接続面に向く端面と、前記収容空間において前記拡張カードに接続される拡張コネクタと、前記拡張コネクタに電気的に接続され、前記端面に設けられ、前記第1の接続コネクタに接続された、第2の接続コネクタと、を有し、前記端面に開口して前記収容空間に連通するとともに前記拡張カードの一部が通ることが可能な第1の貫通孔が前記ケースに設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続面と、前記接続面に設けられた第1の接続コネクタと、を有するベースユニットと、
拡張カードと、前記拡張カードの少なくとも一部が収容される収容空間が内部に設けられたケースと、前記ケースに設けられるとともに前記接続面に向く端面と、前記収容空間において前記拡張カードに接続される拡張コネクタと、前記拡張コネクタに電気的に接続され、前記端面に設けられ、前記第1の接続コネクタに接続された、第2の接続コネクタと、を有し、前記端面に開口して前記収容空間に連通するとともに前記拡張カードの一部が通ることが可能な第1の貫通孔が前記ケースに設けられた、機能モジュールと、
を具備するコントローラ。
【請求項2】
前記拡張カードは、プリント回路板と、当該プリント回路板に取り付けられたスロットカバーと、を有し、
前記ケースは、互いに結合されることで前記収容空間を形成する第1の部材と第2の部材とに分割可能であり、
前記第1の部材は、前記端面を有し、前記第1の貫通孔が設けられ、前記第2の接続コネクタが取り付けられ、前記第1の貫通孔の縁で前記プリント回路板を支持し、
前記第2の部材に前記スロットカバーがネジによって取り付けられた、
請求項1のコントローラ。
【請求項3】
前記拡張コネクタは、前記ケースに対して固定されていない、
請求項2のコントローラ。
【請求項4】
前記ベースユニットに、前記接続面に開口する第2の貫通孔が設けられ、
前記拡張カードは、前記第1の貫通孔及び前記第2の貫通孔を通って前記収容空間と前記ケースの外部とに亘って配置される、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つのコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばプロセスオートメーション又はファクトリオートメーションのシステムにおいて、設備の状態監視及び自動制御のような種々の制御を行うコントローラ(産業用コントローラ)が利用される。コントローラは、種々の機能を実現する機能モジュールを備えることができる。例えば、機能モジュールは、拡張カードを有し、当該拡張カードの機能をコントローラにおいて実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、PCI Express(PCIe)規格に準拠する拡張カードが機能モジュールに搭載される。PCIe規格は、拡張カードについて複数の長さを定めている。いわゆるフルサイズの拡張カードが搭載されると、機能モジュールにおいて当該拡張カードを収容するケースが長くなる。
【0005】
コントローラが配置される空間において、機能モジュールのケースが配置可能な空間が狭い場合がある。この場合、フルサイズの拡張カードが搭載された機能モジュールは、コントローラへの搭載が困難になってしまう。
【0006】
本発明が解決する課題の一例は、機能モジュールに搭載される拡張カードの種類が制限されることを抑制可能なコントローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの実施形態に係るコントローラは、ベースユニットと、機能モジュールとを備える。前記ベースユニットは、接続面と、前記接続面に設けられた第1の接続コネクタと、を有する。前記機能モジュールは、拡張カードと、前記拡張カードの少なくとも一部が収容される収容空間が内部に設けられたケースと、前記ケースに設けられるとともに前記接続面に向く端面と、前記収容空間において前記拡張カードに接続される拡張コネクタと、前記拡張コネクタに電気的に接続され、前記端面に設けられ、前記第1の接続コネクタに接続された、第2の接続コネクタと、を有し、前記端面に開口して前記収容空間に連通するとともに前記拡張カードの一部が通ることが可能な第1の貫通孔が前記ケースに設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る制御盤を概略的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の分解されたコントローラを概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態の機能モジュールを概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の機能モジュールを概略的に示す断面図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係る制御盤を概略的に示す断面図である。
【
図6】
図6は、第2の実施形態の機能モジュールを概略的に示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態の機能モジュールを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、
図1乃至
図4を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る制御盤10を概略的に示す断面図である。制御盤10は、例えば、プロセスオートメーション又はファクトリオートメーションのシステムに含まれ、種々の制御を行う。なお、制御盤10は、他のシステム、装置、又は設備に含まれても良い。
【0011】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、制御盤10の幅に沿って設けられる。Y軸は、制御盤10の奥行に沿って設けられる。Z軸は、制御盤10の高さに沿って設けられる。
【0012】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向(後方向)と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向(前方向)とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向(上方向)と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向(下方向)とを含む。なお、本実施形態における上下前後のような表現は、
図1に示す態様に基づく便宜的なものであり、位置、向き、及び作用を限定するものではない。
【0013】
制御盤10は、筐体11と、コントローラ12とを有する。筐体11は、外殻21と、扉22と、二つのフレーム23と、ブラケット24とを有する。なお、筐体11は、この例に限られない。
【0014】
外殻21は、箱状に形成される。外殻21の内部に、据付空間26が設けられる。据付空間26は、-Y方向における外殻21の端部21aにおいて、外部に開放されている。扉22は、外殻21の端部21aに設けられ、据付空間26を開放可能に塞ぐ。
【0015】
フレーム23は、据付空間26に配置される。ブラケット24は、フレーム23に取り付けられる。ブラケット24に、複数の貫通孔28が設けられる。複数の貫通孔28は、略Z方向に延びる略矩形の断面を有したスリットであり、ブラケット24を略Y方向に貫通している。複数の貫通孔28は、X方向に間隔を介して並べられる。
【0016】
ブラケット24は、コントローラ12を保持する。フレーム23及びブラケット24は、扉22に比較的近い位置にコントローラ12を配置するために、筐体11に設けられる。コントローラ12は、扉22に比較的近い位置に配置されることで、保守点検作業を容易にする。
【0017】
図2は、第1の実施形態の分解されたコントローラ12を概略的に示す斜視図である。
図2に示すように、コントローラ12は、ベースユニット31と、電源ユニット32と、CPUモジュール33と、複数の機能モジュール34と、送風ユニット35とを有する。なお、コントローラ12は、他の部品を有しても良い。
【0018】
ベースユニット31は、支持部材41と、ベース基板42と、複数の接続コネクタ43とを有する。接続コネクタ43は、第1の接続コネクタの一例である。なお、
図2は、複数の接続コネクタ43のうち一つを示す。
【0019】
支持部材41は、例えば、X-Z平面に沿って広がる金属板である。支持部材41は、例えばボルトにより、筐体11のブラケット24に取り付けられる。これにより、コントローラ12は、ブラケット24に取り付けられ、筐体11の内部の据付空間26に収容される。支持部材41は、-Y方向に向く略平坦な取付面41aを有する。なお、取付面41aは、凹凸を有しても良い。
【0020】
ベース基板42は、例えば、X-Z平面に沿って広がるプリント回路板(PCB)である。ベース基板42は、他の基板であっても良い。ベース基板42は、支持部材41の取付面41aに取り付けられる。ベース基板42は、-Y方向に向く略平坦な接続面42aを有する。なお、接続面42aは、凹凸を有しても良い。
【0021】
接続コネクタ43は、ベース基板42の接続面42aに実装される。言い換えると、接続面42aに、接続コネクタ43が設けられる。複数の接続コネクタ43は、X方向に間隔を介して並べられる。
【0022】
ベースユニット31に、複数の貫通孔45が設けられる。貫通孔45は、第2の貫通孔の一例である。貫通孔45は、略Z方向に延びる略矩形の断面を有したスリットであり、支持部材41及びベース基板42を略Y方向に貫通している。このため、貫通孔45は、ベース基板42の接続面42aに開口している。
【0023】
複数の貫通孔45は、X方向に間隔を介して並べられる。ベースユニット31の貫通孔45は、ブラケット24の貫通孔28に連通している。貫通孔45の数は、貫通孔28の数と等しい。なお、貫通孔45は、この例に限られない。
【0024】
電源ユニット32は、ベース基板42の接続面42aに取り付けられる。電源ユニット32は、CPUモジュール33及び機能モジュール34に電力を供給する。例えば、電源ユニット32は、外部交流電源から入力された交流電流を、直流電流に変換する。電源ユニット32は、例えば、ベース基板42に設けられた電源供給配線を通じて、CPUモジュール33及び複数の接続コネクタ43に電気的に接続される。
【0025】
CPUモジュール33は、ベース基板42の接続面42aに取り付けられる。CPUモジュール33は、例えば、中央演算処理装置(CPU)を有し、コントローラ12の全体を制御する。なお、CPUモジュール33は、この例に限られず、他の制御を行っても良い。
【0026】
機能モジュール34は、ベース基板42の接続コネクタ43に接続されることで、ベースユニット31に取り付けられる。機能モジュール34は、コントローラ12において種々の機能を実現することができる。例えば、機能モジュール34は、入出力(I/O)機能、ネットワーク制御機能、又は他の機能を実現する。
【0027】
電源ユニット32、CPUモジュール33、及び複数の機能モジュール34は、X方向に並べられる。電源ユニット32、CPUモジュール33、及び複数の機能モジュール34の配置は、
図1の例に限定されない。
【0028】
図3は、第1の実施形態の機能モジュール34を概略的に示す斜視図である。
図4は、第1の実施形態の機能モジュール34を概略的に示す断面図である。複数の機能モジュール34のうち少なくとも一つは、
図4に示すように、ケース51と、拡張カード52と、拡張コネクタ53と、中継基板54と、ハーネス55と、接続コネクタ56とを有する。拡張カード52は、拡張ボード又は拡張アダプタとも称され得る。接続コネクタ56は、第2の接続コネクタの一例である。
【0029】
ケース51は、略Y方向に延びる略直方体の箱状に形成される。ケース51の内部に、収容空間60が設けられる。収容空間60に、拡張カード52の少なくとも一部と、拡張コネクタ53と、中継基板54と、ハーネス55と、接続コネクタ56の少なくとも一部と、が収容される。
【0030】
ケース51は、Y方向に二分割される。ケース51は、リアケース61と、フロントケース62とに分割可能である。リアケース61は、第1の部材の一例である。フロントケース62は、第2の部材の一例である。
【0031】
リアケース61は、後壁71と、周壁72とを有する。なお、
図3は、後壁71を示すとともに、ケース51の他の部分を二点鎖線で模式的に示している。後壁71は、X-Z平面に沿って広がり、略Z方向に延びる略直方体状の壁である。周壁72は、後壁71の縁から略-Y方向に延び、略四角形の断面を有した筒状に形成される。後壁71は、背面71aと、内面71bとを有する。背面71aは、端面の一例である。
【0032】
本実施形態において、背面71aは、+Y方向におけるケース51の端面である。すなわち、背面71aは、ケース51に設けられる。背面71aは、略平坦に形成され、略+Y方向に向く。また、機能モジュール34がベースユニット31に取り付けられると、背面71aは、ベース基板42の接続面42aに向く。内面71bは、背面71aの反対側に位置する。内面71bは、略平坦に形成され、略-Y方向に向く。内面71bは、収容空間60に面する。
【0033】
後壁71に、貫通孔75が設けられる。貫通孔75は、第1の貫通孔の一例である。すなわち、貫通孔75は、ケース51に設けられる。貫通孔75は、略Z方向に延びる略矩形の断面を有したスリットであり、後壁71を略Y方向(+Y方向、-Y方向)に貫通している。このため、貫通孔75は、背面71a及び内面71bに開口し、収容空間60に連通している。
【0034】
リアケース61に、複数の通気口76が設けられる。通気口76は、例えば、周壁72を貫通し、収容空間60と外部とを連通する。なお、通気口76は、後壁71に設けられても良い。
【0035】
図3に示すように、リアケース61は、支持部77をさらに有する。支持部77は、-Z方向における貫通孔75の端部に設けられる。支持部77は、例えば、Y方向において後壁71よりも厚い略ブロック状に形成され、内面71bから突出している。支持部77は、上面77aと、凹面77bとを有する。凹面77bは、第1の貫通孔の縁の一例である。
【0036】
上面77aは、略平坦に形成され、略+Z方向に向く。凹面77bは、上面77aから略-Z方向に窪んでいる。上面77aと凹面77bとの少なくとも一部は、貫通孔75に面する。上面77aと凹面77bとの少なくとも一部は、貫通孔75の縁に含まれている。すなわち、上面77a及び凹面77bは、貫通孔75の少なくとも一部を形成(規定、区画)する。
【0037】
図4に示すように、フロントケース62は、前壁81と、周壁82とを有する。前壁81は、X-Z平面に沿って広がり、略Z方向に延びる略直方体状の壁である。前壁81は、後壁71から-Y方向に離間している。周壁82は、前壁81の縁から略+Y方向に延び、略四角形の断面を有した筒状に形成される。前壁81は、前面81aと、内面81bとを有する。
【0038】
本実施形態において、前面81aは、-Y方向におけるケース51の端面である。前面81aは、略平坦に形成され、略-Y方向に向く。内面81bは、前面81aの反対側に位置する。内面81bは、略平坦に形成され、略+Y方向に向く。内面81bは、収容空間60に面する。また、内面81bは、間隔を介して後壁71の内面71bに向く。
【0039】
前壁81に、露出孔85が設けられる。露出孔85は、略Z方向に延びる略矩形の断面を有したスリットであり、前壁81を略Y方向に貫通している。このため、露出孔85は、前面81a及び内面81bに開口し、収容空間60に連通している。
【0040】
フロントケース62は、二つの取付部86,87を有する。取付部86は、例えば、前壁81の一部である。取付部86は、例えば、+Z方向における前壁81の端部に設けられる。取付部86に、スリット86aと、ネジ穴86bと、挿通孔86cとが設けられる。
【0041】
スリット86aは、略X方向に延びた溝であり、前壁81の内面81bに開口する。ネジ穴86bは、例えば、露出孔85とスリット86aとの間に設けられ、略Z方向に延びている。挿通孔86cは、例えば、スリット86aと外部との間に設けられ、略Z方向に延びている。挿通孔86cは、ネジ穴86bをケース51の外部に露出させる。
【0042】
取付部87は、-Z方向における前壁81の端部の近傍において、周壁82に設けられる。取付部87に、スリット87aが設けられる。スリット87aは、略X方向に延びた溝であり、収容空間60に連通する。
【0043】
+Y方向におけるフロントケース62の周壁82の端部は、-Y方向におけるリアケース61の周壁72の端部に、例えばネジによって取り付けられる。互いに結合されたリアケース61及びフロントケース62は、箱状のケース51となり、収容空間60を形成(規定、区画)する。
【0044】
拡張カード52は、例えば、ビデオカード、サウンドカード、ネットワークカード、インターフェースカード、又は他の拡張カードである。拡張カード52は、例えば、パーソナルコンピュータの拡張スロットに接続可能である。なお、拡張カード52は、コントローラ12専用の部品であっても良い。
【0045】
拡張カード52は、例えば、PCI規格又はPCI Express(PCIe)規格に準拠した拡張カードである。当該規格は、拡張カード52の長さについて、フルサイズ、ショートサイズ、及びロープロファイルの三種類の長さを定めている。本実施形態の拡張カード52は、フルサイズの拡張カードである。なお、拡張カード52は、この例に限られない。
【0046】
拡張カード52は、プリント回路板(PCB)91と、スロットカバー92と、電子部品93とを有する。拡張カード52は、他の部品をさらに有しても良い。
【0047】
PCB91は、Y-Z平面に沿って広がる板状に形成される。PCB91は、延部95と、端子96とを有する。延部95の少なくとも一部と、端子96とは、収容空間60に収容されている。
【0048】
延部95は、PCB91の一部であり、略Y方向に延びている。すなわち、Y方向における延部95の長さは、X方向における延部95の長さと、Z方向における延部95の長さと、のうち少なくとも一方よりも長い。延部95は、第1の面95aと、第2の面95bと、側面95cとを有する。
【0049】
第1の面95aは、略平坦に形成され、略+X方向に向く。集積回路(IC)のような電子部品93が、第1の面95aに実装される。第2の面95bは、第1の面95aの反対側に位置する。第2の面95bは、略平坦に形成され、-X方向に向く。
【0050】
側面95cは、延部95におけるPCB91の縁である。側面95cは、第1の面95aの縁と第2の面95bの縁との間に設けられる。側面95cは、略-Z方向に向く。
【0051】
端子96は、延部95の側面95cから略-Z方向に突出している。端子96は、PCI規格又はPCIe規格に準拠した方式により通信を行うための端子である。端子96は、延部95の-Y方向における端部95dの近傍に位置する。端部95dは、-Y方向におけるPCB91の端部でもある。
【0052】
第1の実施形態において、Y方向における延部95の長さは、Y方向における収容空間60の長さよりも長い。延部95は、貫通孔75を通って、収容空間60とケース51の外部とに亘って配置される。すなわち、延部95の一部は、ケース51の背面71aから+Y方向に突出している。なお、Y方向において、延部95の長さは、電源ユニット32の長さよりも長く、且つCPUモジュール33の長さよりも長い。
【0053】
Z方向における貫通孔75の長さは、Z方向における延部95の長さよりも長い。また、X方向における貫通孔75の長さは、X方向における延部95の長さと、PCI規格又はPCIe規格によって定められたPCB91に実装可能な電子部品の最大高さと、の合計よりも長い。このため、貫通孔75の縁は、拡張カード52に干渉することを抑制できる。
【0054】
スロットカバー92は、延部95の端部95dに取り付けられる。スロットカバー92は、例えば、金属板である。なお、スロットカバー92は、他の材料により作られても良い。スロットカバー92は、略L字状に形成され、カバー板97と、二つの取付突起98,99とを有する。
【0055】
カバー板97は、X-Z平面に沿って広がる板状に形成され、略Z方向に延びている。カバー板97は、内面97aと、外面97bとを有する。内面97aは、略平坦に形成され、略+Y方向に向く。外面97bは、内面97aの反対側に位置する。外面97bは、略平坦に形成され、略-Y方向に向く。
【0056】
カバー板97は、延部95の端部95dを覆っている。カバー板97の内面97aは、-Y方向における延部95の端部95dに向く。拡張カード52がインターフェースコネクタを有する場合、カバー板97に、当該インターフェースコネクタを露出させる孔が設けられる。また、カバー板97に、発光ダイオード(LED)のような他の部品を露出させる孔が設けられても良い。
【0057】
図3に示すように、取付突起98は、+Z方向におけるカバー板97の端から、略-Y方向に突出している。すなわち、取付突起98は、カバー板97と略直交するように、カバー板97の端から突出している。取付突起98は、X-Y平面に沿って広がる板状に形成される。取付突起98に、当該取付突起98を略Z方向に貫通する切り欠き98aが設けられる。切り欠き98aは、孔であっても良い。
【0058】
取付突起99は、-Z方向におけるカバー板97の端から、略-Z方向に突出している。すなわち、取付突起99は、取付突起98から離間した位置でカバー板97から突出している。取付突起99は、X-Z平面に沿って広がる板状に形成される。また、X方向における取付突起99の長さは、X方向におけるカバー板97の長さよりも短い。
【0059】
図4に示すように、拡張カード52は、露出孔85を塞ぐように、ケース51に取り付けられる。例えば、スロットカバー92のカバー板97が、ケース51の内部から露出孔85を覆う。拡張カード52がインターフェースコネクタを有する場合、当該インターフェースコネクタは、露出孔85を通じてケース51の外部に露出される。
【0060】
スロットカバー92の取付突起99が、取付部87のスリット87aに嵌め込まれる。スリット87aの縁が、取付突起99を支持し、取付突起99がX方向及びY方向に移動することを制限する。
【0061】
スロットカバー92の取付突起98が、取付部86のスリット86aに収容される。これにより、取付突起98の切り欠き98aが、取付部86のネジ穴86b及び挿通孔86cに連通する。例えば、ネジSが挿通孔86c及び切り欠き98aを通って、ネジ穴86bに挿入される。これにより、切り欠き98aを通るネジSが、取付突起98を取付部86に取り付ける。
【0062】
PCB91の延部95が、支持部77の凹面77bの内側に配置される。凹面77bは、延部95の第1の面95a、第2の面95b、及び側面95cに当接して、PCB91を支持することができる。凹面77bは、PCB91を保持し、PCB91がX方向及び-Z方向に移動することを制限する。なお、凹面77bは、PCB91から離間しつつ、例えばPCB91が撓んだ時に当該PCB91を一時的に支持しても良い。また、支持部77を含む貫通孔75の縁は、PCB91に搭載された電子部品93から離間している。
【0063】
以上のように、拡張カード52は、後壁71に設けられた支持部77と、前壁81に設けられた取付部86,87とによって保持される。すなわち、拡張カード52は、Y方向に互いに離間した二つ以上の部分(支持部77及び取付部86,87)によって安定的に保持される。
【0064】
拡張コネクタ53は、PCI規格又はPCIe規格に準拠した拡張スロット(拡張バス)を有する。収容空間60において、拡張カード52の端子96が、拡張コネクタ53に接続される。
【0065】
拡張コネクタ53は、ケース51に対して固定されていない。このため、拡張コネクタ53は、ケース51に対して移動可能であり、収容空間60において複数の位置に配置されることが可能である。
【0066】
拡張コネクタ53は、ケース51に、例えばネジによって取り付けられても良い。この場合、例えば、ケース51に、Y方向に間隔を介して並ぶ複数のネジ穴が設けられる。ネジが当該複数のネジ穴に選択的に挿入されることで、拡張コネクタ53は、収容空間60において複数の位置に配置されることが可能となる。また、拡張コネクタ53は、例えばレールによってY方向に移動可能にケース51に保持されても良い。
【0067】
中継基板54は、例えば、PCBである。なお、中継基板54は、他の基板であっても良い。中継基板54は、Y-Z平面に沿って広がる板状に形成される。中継基板54は、拡張カード52から、X方向に離間している。中継基板54は、例えばネジにより、リアケース61に取り付けられる。
【0068】
ハーネス55は、拡張コネクタ53と中継基板54とを接続する。ハーネス55は、ケーブル又はフレキシブルプリント回路板(FPC)であっても良い。ハーネス55は、中継基板54に対する拡張コネクタ53の移動に応じて撓むことができる。
【0069】
接続コネクタ56は、中継基板54に実装される。接続コネクタ56は、例えば、後壁71を貫通する孔71cを通じて、ケース51の外部に露出される。このため、接続コネクタ56は、ケース51の背面71aに設けられる。
【0070】
接続コネクタ56は、中継基板54及びハーネス55を介して、拡張コネクタ53に電気的に接続される。なお、接続コネクタ56は、この例に限られず、中継基板54を介さずに拡張コネクタ53に接続されても良い。
【0071】
機能モジュール34の接続コネクタ56は、ベースユニット31の接続コネクタ43に接続される。これにより、機能モジュール34がベースユニット31に取り付けられる。電源ユニット32及びCPUモジュール33は、ベースユニット31、接続コネクタ43,56、中継基板54、ハーネス55、及び拡張コネクタ53を介して、拡張カード52に電気的に接続される。
【0072】
拡張コネクタ53は、ハーネス55及び中継基板54を介して、リアケース61に取り付けられる。さらに、接続コネクタ56は、中継基板54を介してリアケース61に取り付けられる。このように、拡張コネクタ53及び接続コネクタ56は、間接的にリアケース61に取り付けられる。なお、拡張コネクタ53及び接続コネクタ56は、直接的にリアケース61に取り付けられても良い。
【0073】
図1に示すブラケット24の貫通孔28と、ベースユニット31の貫通孔45とは、ケース51の貫通孔75に対応した位置に設けられる。このため、機能モジュール34がベースユニット31に取り付けられるとき、拡張カード52の延部95は、ブラケット24の貫通孔28とベースユニット31の貫通孔45とを通る。このため、ブラケット24及びベースユニット31は、拡張カード52に干渉することを抑制できる。
【0074】
図2に示す送風ユニット35は、ベース基板42の接続面42aに取り付けられる。送風ユニット35は、並べられた電源ユニット32、CPUモジュール33、及び複数の機能モジュール34と、Z方向に隣接する。
【0075】
送風ユニット35は、電源ユニット32、CPUモジュール33、及び複数の機能モジュール34に、風を供給する。機能モジュール34において、送風ユニット35が発生させた風は、通気口76を通って収容空間60に導入される。当該風は、拡張カード52を冷却した後、通気口76又は貫通孔75を通って収容空間60の外に排出される。
【0076】
図1に示すように、Y方向において、ベースユニット31と、筐体11の扉22との間の距離は、拡張カード52の長さよりも短い。このため、機能モジュール34が拡張カード52の全体を収容可能なケースを有する場合、当該ケースが扉22に干渉してしまう虞がある。しかし、本実施形態の機能モジュール34は、拡張カード52の一部をケース51の外部に配置することができる。このため、
図1に示すように、機能モジュール34のケース51は、ベースユニット31と扉22との間の空間に配置され得る。
【0077】
Y方向において、機能モジュール34のケース51の長さは、電源ユニット32の長さに略等しく、且つCPUモジュール33の長さに略等しい。なお、Y方向におけるケース51の長さは、電源ユニット32及びCPUモジュール33の長さと異なっても良い。
【0078】
以上説明された第1の実施形態に係るコントローラ12において、拡張カード52は、収容空間60より短い場合もあれば、収容空間60より長い場合もある。本実施形態において、ケース51の背面71aに開口して、拡張カード52の一部が通ることが可能な貫通孔75が、ケース51に設けられる。拡張カード52が収容空間60よりも短い場合、ケース51は当該拡張カード52の全体を収容できる。一方、拡張カード52が収容空間60よりも長い場合、拡張カード52は、貫通孔75を通って部分的にケース51の外部に配置されることで、ケース51に収容されることができる。この場合、ベースユニット31に貫通孔75と連通する貫通孔28,45が設けられることで、貫通孔75から拡張カード52が突出した機能モジュール34は、ベースユニット31に取り付けられることができる。従って、本実施形態のコントローラ12は、拡張カード52が収容空間60より長い場合であっても短い場合であっても、拡張カード52を共通のケース51に収容することができ、ケース51の大きさによって機能モジュール34に搭載される拡張カード52の種類が制限されてしまうことを抑制できる。
【0079】
また、コントローラ12は、例えば制御盤10の筐体11の内部に配置される。当該筐体11の内部において、機能モジュール34を配置可能な空間が限られている場合がある。本実施形態の機能モジュール34は、例えば、拡張カード52の一部が貫通孔75を通ってケース51の外部に配置されることで、ケース51が短く設計されることができる。従って、上記筐体11の内部において、機能モジュール34のケース51を配置可能な空間が狭かったとしても、本実施形態のコントローラ12は、当該空間に機能モジュール34のケース51を配置することができる。一方、上記筐体11の内部において、機能モジュール34のケース51を配置可能な空間が広かった場合は、ケース51が長く設計され、拡張カード52の全体がケース51の収容空間60に収容されても良い。以上より、本実施形態のコントローラ12は、拡張カード52の長さにより機能モジュール34の配置が制約されることを抑制でき、機能モジュール34に搭載される拡張カード52の種類が制限されることを抑制できる。
【0080】
ベースユニット31に、接続面42aに開口する貫通孔45が設けられる。拡張カード52は、貫通孔75及び貫通孔45を通って収容空間60とケース51の外部とに亘って配置される。これにより、本実施形態のコントローラ12は、拡張カード52が収容空間60より長かったとしても、貫通孔75を通る拡張カード52がベースユニット31に干渉することを抑制できる。
【0081】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、
図5乃至
図7を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0082】
図5は、第2の実施形態に係る制御盤10を概略的に示す断面図である。
図5に示すように、第2の実施形態の制御盤10は、筐体11の代わりに、筐体111を有する。筐体111は、以下に説明する点を除き、第1の実施形態の筐体11と同一である。
【0083】
第2の実施形態の筐体111は、フレーム23及びブラケット24の代わりに、フレーム123を有する。フレーム123は、据付空間26に配置される。フレーム123は、例えば、+Y方向における据付空間26の端部(奥)に配置される。
【0084】
図6は、第2の実施形態の機能モジュール134を概略的に示す斜視図である。
図7は、第2の実施形態の機能モジュール134を概略的に示す断面図である。
図6及び
図7に示すように、複数の機能モジュール34は、第1の実施形態の
図3及び
図4に示された機能モジュール34の代わりに、機能モジュール134を有する。
【0085】
第2の実施形態の機能モジュール134は、第1の実施形態のケース51の代わりに、ケース151を有する。ケース151は、フロントケース62の代わりに、フロントケース162を有する。フロントケース162は、第2の部材の一例である。第2の実施形態のフロントケース162は、周壁82の代わりに、周壁182を有する。
【0086】
第2の実施形態の機能モジュール134、ケース151、及びフロントケース162は、上述の点を除き、第1の実施形態の機能モジュール34、ケース51、及びフロントケース62と同一である。また、第2の実施形態の周壁182は、Y方向における長さを除き、第1の実施形態の周壁82と同一である。
【0087】
Y方向において、第2の実施形態の周壁182は、第1の実施形態の周壁82よりも長い。このため、Y方向において、第2の実施形態のケース151及び収容空間60は、第1の実施形態のケース51及び収容空間60よりも長い。
【0088】
Y方向において、第2の実施形態の収容空間60の長さは、拡張カード52の長さよりも長い。第2の実施形態において、拡張カード52の全体が、収容空間60に収容される。なお、拡張カード52の一部が、例えば露出孔85を通じて収容空間60の外部に突出しても良い。
【0089】
リアケース61の支持部77は、拡張カード52の延部95を支持可能なように、後壁71の内面71bから突出している。このため、第2の実施形態においても、支持部77の凹面77bは、延部95を支持する。
【0090】
図5に示すように、Y方向(+Y方向、-Y方向)において、ケース151の長さは、電源ユニット32の長さよりも長く、且つCPUモジュール33の長さよりも長い。なお、Y方向において、ケース151の長さは、電源ユニット32及びCPUモジュール33の長さと同じか、より短くても良い。
【0091】
Y方向において、ベースユニット31と筐体11の扉22との間の距離は、拡張カード52の長さよりも長く、且つケース151の長さよりも長い。このため、機能モジュール134がベースユニット31に取り付けられても、ケース151は、扉22から離間している。すなわち、機能モジュール134のケース151は、ベースユニット31と扉22との間の空間に配置され得る。
【0092】
第2の実施形態の機能モジュール134は、フロントケース162を第1の実施形態のフロントケース62と交換されることで、第1の実施形態の機能モジュール34にされることができる。同様に、第1の実施形態の機能モジュール34は、フロントケース62を第2の実施形態のフロントケース162と交換されることで、第2の実施形態の機能モジュール134にされることができる。
【0093】
第1の実施形態の機能モジュール34と、第2の実施形態の機能モジュール134との間で、拡張カード52、拡張コネクタ53、中継基板54、ハーネス55、接続コネクタ56、及びリアケース61は共通する。コントローラ12は、リアケース61に第1の実施形態のフロントケース62及び第2の実施形態のフロントケース162のいずれかを結合させることで、第1の実施形態の機能モジュール34又は第2の実施形態の機能モジュール134のいずれかを得ることができる。
【0094】
制御盤10において、コントローラ12の位置は規格では定められない。このため、コントローラ12は、第1の実施形態の位置、第2の実施形態の位置、又は他の位置に配置されることがある。また、例えば制御盤10の改造又は更新により、コントローラ12の位置が変更されることがある。コントローラ12は、フロントケース62,162を交換されることで、筐体11に収容可能な機能モジュール34を得ることができる。
【0095】
図4及び
図7に示すように、フロントケース62とフロントケース162とが交換されることで、Y方向における拡張カード52の端子96の位置は変更される。しかし、拡張コネクタ53は、ケース51に固定されていない。このため、拡張コネクタ53は、変更された端子96の位置に応じて容易に移動することができる。
【0096】
以上説明された第2の実施形態のコントローラ12において、電源ユニット32は、ベースユニット31に取り付けられ、機能モジュール134に電力を供給する。拡張カード52の全体が、収容空間60に収容される。接続面42aが向くY方向において、ケース151の長さは、電源ユニット32の長さよりも長い。すなわち、機能モジュール134のケース151は、比較的長く設計される。従って、例えば、制御盤10の筐体11の内部において、機能モジュール134のケース151を配置可能な空間が広かった場合に、ケース151が拡張カード52の全体を保護することができる。
【0097】
また、以上説明された第1の実施形態及び第2の実施形態のコントローラ12において、拡張カード52は、PCB91とスロットカバー92とを有する。ケース51,151は、互いに結合されることで収容空間60を形成するリアケース61とフロントケース62,162とに分割可能である。リアケース61は、貫通孔75が開口する背面71aを有し、拡張コネクタ53に電気的に接続された接続コネクタ56が取り付けられる。すなわち、拡張カード52に接続される拡張コネクタ53、ベースユニット31に接続される接続コネクタ56、そして拡張カード52が通ることが可能な貫通孔75が、リアケース61に備えられる。このため、拡張コネクタ53と、接続コネクタ56と、貫通孔75とを備えるリアケース61は、拡張カード52の長さに拠らずに複数種類の機能モジュール34,134で共通に用いられる、一つのユニットを構成し得る。一方、フロントケース62,162は、拡張コネクタ53及び接続コネクタ56とは別に設けられる。また、フロントケース62,162に、スロットカバー92がネジSにより取り付けられる。このため、フロントケース62,162の形状に応じて、収容空間60における拡張カード52の位置が定まる。このため、形状が異なる複数種類のフロントケース62,162が、共通のリアケース61に組み合わされることで、拡張カード52の位置が異なる複数種類のケース51,151が形成され得る。また、リアケース61は、貫通孔75の縁に含まれる凹面77bでPCB91を支持する。
【0098】
例えば、貫通孔75から遠い位置でスロットカバー92を取り付けられるフロントケース162が、リアケース61に結合される。この場合、拡張カード52の全体が収容空間60に収容されることができる。一方、長いフロントケース162が機能モジュール134の周りの物体に干渉してしまう場合、より貫通孔75に近い位置でスロットカバー92を取り付けられるフロントケース62が、リアケース61に結合される。この場合、長い拡張カード52は、貫通孔75を通って部分的にケース51の外部に配置されることができる。以上のように、本実施形態のコントローラ12は、拡張コネクタ53と、接続コネクタ56と、貫通孔75とを備えるリアケース61を共通化しながら、例えば拡張カード52の長さや機能モジュール34,134の周りの環境に応じたケース51,151に拡張カード52を収容することができる。以上より、本実施形態のコントローラ12は、拡張コネクタ53と、接続コネクタ56と、リアケース61とを共通化することができ、複数種類の機能モジュール34,134を用意することによるコストの増大を抑制できる。
【0099】
拡張コネクタ53は、ケース51,151に対して固定されていない。このため、拡張カード52は、拡張コネクタ53によっては固定されない。一方、拡張カード52のPCB91は、リアケース61の凹面77bに支持される。また、スロットカバー92は、フロントケース62,162にネジSによって取り付けられる。従って、本実施形態のコントローラ12は、拡張コネクタ53がケース51,151に対して固定されていなくても、拡張カード52を安定して保持することができる。例えば、PCB91が撓んだとしても、リアケース61が当該PCB91を安定して支持することができる。
【0100】
以上の第1の実施形態及び第2の実施形態は、拡張カード52がフルサイズである場合について説明した。しかし、拡張カード52は、ショートサイズ又はロープロファイルであっても良い。この場合、第1の実施形態のケース51の収容空間60に、拡張カード52のPCB91の全体が収容され得る。
【0101】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
12…コントローラ、31…ベースユニット、34,134…機能モジュール、42a…接続面、43…接続コネクタ、45…貫通孔、51,151…ケース、52…拡張カード、53…拡張コネクタ、56…接続コネクタ、60…収容空間、61…リアケース、62,162…フロントケース、71a…背面、75…貫通孔、77b…凹面、91…プリント回路板(PCB)、92…スロットカバー、S…ネジ。