(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004489
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】連結溝付き紐を使って制作した荷掛紐
(51)【国際特許分類】
B65D 63/10 20060101AFI20230110BHJP
B65D 63/14 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
B65D63/10 B
B65D63/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106172
(22)【出願日】2021-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】721006172
【氏名又は名称】北村 憲正
(72)【発明者】
【氏名】北村 憲正
【テーマコード(参考)】
3E085
【Fターム(参考)】
3E085BA03
3E085BB05
3E085BG10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、荷造りが終わってから荷物を縛る強さを変更できる荷掛紐を提供する。
【解決手段】長尺状に成型されたゴム状弾性体製の溝を有する伸び縮みする紐で、紐の端部付近を折り返し、重複した部分を密着させ手の力で締め付け及び開放ができる締め付け具により締め付けて紐の両端にリング状部分を形成した荷掛紐。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状に成型されたゴム状弾性体製の伸び縮みする紐を端部近辺で折り返し、重複した部分を手で締め付け可能な締め付け具(3)で締め付けて紐の両端部にリング状部分を形成した荷掛紐。
【請求項2】
前記ゴム状弾性体製の伸び縮みする紐の断面形状は、少なくとも1本の溝を有し(以後、溝の有る面を溝付き面と呼ぶ)、溝の側面(1)の断面形状が溝空洞部分(2)の断面形状と概ね同形状で、溝付き面と溝付き面を向かい合わせ、溝の片方の側面(1)を向かい合う溝の空洞部分(2)に差し込み、
図3のように溝どうしを係合させた時、溝どうしが密着することを特徴とする(以後、この紐を連結溝付き紐と呼ぶ)
【請求項3】
前記手で締め付け可能な締め付け具(3)は、一旦締め付けた後も容易に締め付けの解除が可能で繰り返し使用できることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の荷掛紐。
【請求項4】
前記荷掛紐の両端に形成したリング状部分の片方に、鉤状フック(10)を取り付けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の荷掛紐。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車の荷台に荷物を固定する荷掛紐に関するものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車の荷台に積載した荷物の固定には、細いゴム紐の束を外側から布で被膜したゴム紐を折り返し、重複したゴム紐の端部付近を金具で締め付けてリング状部分を作り、一方の端部のリング状部分に鈎状のフックを取り付けた荷掛紐が利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-282563
【特許文献2】特許第4782881号(P4782881)
【特許文献3】特開2004-276785(P2004-276785A)
【特許文献4】特開2000-355357(P2000-355357A)
【0004】
前記特許文献1の荷紐は、二輪車の荷台に取り付けた後部の荷カゴや前カゴの中の荷物の落下を防ぐための荷紐である。
前記特許文献2の調節板付荷掛紐は、二輪車の荷台に積載した荷物の荷造り作業が終了した後に、調整板を使って荷物を締め付ける力を調整できる荷掛紐である。
前記特許文3のシート留具は、貨物自動車用カバーシート等の鳩目への取付け及びそれからの取り外しが容易迅速に行なえるシート留具である。
前記特許文献4の結束バンドは、一旦結束バンドによって結束した後、容易に結束解除が容易な結束バンドである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の二輪車の荷台に積載した荷物の荷造りは、荷掛紐の一端に設けたリング状部分を荷台下部に設けられた突起に引っ掛けて、最初に引っ掛けた荷台下部突起とは別の荷台下部突起を使って荷掛紐で何度か荷物を縛り付けた後に、荷掛紐のもう一方の端部に取り付けた鈎状のフックを荷台突起又は荷台フレーム又は荷物を縛った荷掛紐の途中に引っ掛けて荷物を固定する。しかしながら、荷物の大小、多寡によっては、鈎状フックに適度な張力がかかる場所に鈎状フックを引っ掛けることができない。鉤状フックにかかる張力が弱いと、走行中の荷物の振動を抑えられず荷崩れを起こしてしまう。適度な力で荷物を縛り付けるには、最初から荷造りをやり直して荷物を縛る荷掛紐の経路を変更して張力の調整が必要である。しかしながら、荷造りをやり直しても適度な張力に調整するのは容易ではない。本発明は、一旦荷造りが終わった後で荷物を縛る強さを変更できる荷掛紐を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の長尺状に成型されたゴム状弾性体製の伸び縮みする紐を端部近辺で折り返し、重複した部分を手で締め付け可能な締め付け具(3)で締め付けて紐の両端部にリング状部分を形成した荷掛紐。
【0007】
請求項2記載のゴム状弾性体製の伸び縮みする紐の断面形状は、少なくとも1本の溝を有し(以後、溝の有る面を溝付き面と呼ぶ)、溝の側面(1)の断面形状が溝空洞部分(2)の断面形状と概ね同形状で、溝付き面と溝付き面を向かい合わせ、溝の片方の側面(1)を向かい合う溝の空洞部分(2)に差し込み、溝どうしを係合させた時、溝どうしが密着することを特徴とする(以後、この紐を連結溝付き紐と呼ぶ)請求項1記載の荷掛紐。
【0008】
請求項3記載の手で締め付け可能な締め付け具(3)は、一旦締め付けた後も容易に締め付けの解除が可能で繰り返し使用できることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の荷掛紐。
【0009】
請求項4記載の荷掛紐の両端に形成したリング状部分の片方に、鉤状フック(10)を取り付けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の荷掛紐。
【発明の効果】
【0010】
従来の荷掛紐では、紐同士を結束するために双方の紐を金具で締め付けて結束するのが一般的であった。金具の締め付けには工具を使用しているため、工具が無ければ締め付けを緩めることも追加することもできなかった。本発明の荷掛紐は、荷掛紐の両端部にリング状部分を形成するための結束部分を手の力で締め付けたり緩めたりできる締め付け具(3)を使用している。締め付け部分を締め付けたり緩めたりできるので、荷造りが完了し本発明の荷掛紐の両端が固定されている状態で、結束部分の締め付け具(3)の締め付けを緩めて締め付け具(3)を片手で保持しながら、リングを形成している連結溝付き紐の紐端部(B)を締め付け力が強くなる方向(以後、張力強化方向と呼ぶ)に引っ張ることで荷物を締め付ける力を強くすることができる。
【0011】
本発明にかかる連結溝付き紐は、ゴム状弾性体製なので引き延ばした時、ポアソン効果により引き延ばした方向と直角方向にひずみが生じ紐の断面形状が小さくなる。締め付け具で締め付けている部分の連結溝付き紐を引延ばして紐の断面形状が小さくなれば、容易に手の力で締め付け具の締め付け径を小さくする事ができる。紐を引き伸ばす力を緩め断面形状が元の大きさに戻ろうとする時、締め付け径が小さい程発生する摩擦力は大きくなる。
【0012】
荷物を締め付ける力を強くするために、紐端部(B)を張力強化方向に引っ張り締め付け力を強くした時、締め付け具(3)で発生する摩擦力よりも、締め付け力が強いと紐を引き伸ばす力を緩めた時、紐端部(B)が引き戻され締め付け力も弱くなってしまう。強い締め付け力を維持するためには、締め付け具(3)の紐端部(B)側の隣に新たな締め付け具を追加して締め付けることで摩擦力を増加させる事ができる。紐を引き伸ばす力を緩めても紐端部(B)が引き戻されない程度まで締め付け具を追加し締め付けることで、荷物を縛り付ける力は紐を引き伸ばした力と概ね同じ強さになる。
【0013】
本発明の荷掛紐のリング状部分を作るための結束は、紐の溝付き面を内側にして折り返し溝付き面と溝付き面を向かい合わせ、溝の側面(1)を向かい合う溝の空洞部分(2)に差し込み、
図3のように溝どうしを係合させ溝と溝を密着させるので、凹凸の無い面どうしを密着させるよりも密着面積が広くなる。密着面に発生する摩擦力は、密着面の垂直抗力が同じならば密着面積に比例する。溝どうしを密着させた部分を締め付けることで、凹凸の無い面どうしを密着させて締め付けるよりも大きな摩擦力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る連結溝付き紐の溝付き面を下向けにした状態の斜視図である。
【
図2】本発明に係る連結溝付き紐の溝付き面を上向けにした状態の斜視図である。
【
図3】本発明に係る連結溝付き紐の溝付き面どうしを密着させて締め付け具で締め付けた状態の斜視図である。
【
図5】本発明の荷掛紐を使って二輪車の荷台に荷物を固定した状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明にかかる連結溝付き紐を使って制作した荷紐を使って、トラックの荷台にトラックシートを固定した状態の斜視図である。
【
図7】溝の側面および溝の空洞部分の断面形状がキノコ型の連結溝付き紐の溝付き面を下向きにした状態の斜視図である。
【
図8】溝の側面および溝の空洞部分の断面形状がキノコ型の連結溝付き紐の溝付き面を上向きにした状態の斜視図である。
【
図9】溝の側面および溝の空洞部分の断面形状がキノコ型の連結溝付き紐どうしを密着させた状態の斜視図である。
【
図10】紐の断面形状が略半円形で弦に対応する部分に複数に溝がある連結溝付き紐の溝付き面を下向きにした状態の斜視図である。
【
図11】紐の断面形状が略半円形で弦に対応する部分に複数に溝がある連結溝付き紐の溝付き面を上向きにした状態の斜視図である。
【
図12】紐の断面形状が略半円形で弦に対応する部分に複数に溝がある連結溝付き紐の溝付き面どうしを密着させた状態の斜視図である。
【
図13】紐の断面形状が略半円形で弦に対応する部分に複数に溝がある連結溝付き紐を折り返し、溝付き面どうしを密着させて締め付け具(3)で締め付けた状態の斜視図である。
【
図15】ホースクリップの取り外し方法の説明図である。
【
図16】連結溝付き紐を使ってタープを設営した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の第1実施例を、
図4および
図5を参照しながら説明する。
図4は、連結溝付き紐の端部近辺を溝付き面を内側にして折り返し、溝付き面どうしを向かい合わせ溝側面(1)を向かい合う溝付き面の溝の空洞部分(2)に挿入して密着させ、締め付け具(3)で縛り付けて連結溝付き紐の端部にリング状部分を作った状態の斜視図である。
【0016】
連結溝付き紐の両端に作ったリング状部分の片方には、鉤状フック(10)を取りつける。鉤状フック(10)を取り付けたリング状部分(A)をフック側リング(A)と呼ぶこととする。もう一方の鉤状フック(10)を取り付けないリング状部分(C)を固定側リング(C)と呼ぶこととする。
【0017】
本発明の荷掛紐の両端の折り返し点を互いに反対方向に引っ張り直線状に伸ばした時、一方の折り返した点から他方の折り返し点までの長さを荷掛紐有効長さと呼ぶこととする。荷掛紐有効長さは、結束部分の締め付け具(3)の締め付けを緩め、締め付け具(3)を片手で保持しながら紐端部(B)をフック側リング(A)が小さくなる方向(以後、張力強化方向と呼ぶ)に引っ張ることで荷掛紐有効長さは短くなる。
【0018】
本荷掛紐を使って二輪車の荷台に荷物を固定する手順を、
図5を参照しながら説明する。荷台に荷物を載せ固定側リング(C)を荷台下部突起6に引っ掛け、荷台下部突起6とは別の荷台下突起に本荷掛紐を掛けながら何度か荷物を荷台に縛りつけ、最後に鉤状フック(10)を荷台突起又は荷台フレームに引っ掛けて荷物を固定する。
【0019】
鉤状フック(10)を荷台突起又は荷台フレームに引っ掛けた時、荷物を縛り付ける力が弱いと走行中の荷物の振動を抑えきれず荷崩れを起こす事が懸念される。荷物を縛り付ける力を強くするためには、フック側リング(A)の締め付け具(3)の締め付けを緩め、締め付け具(3)を片手で保持しながらフック側リング(A)の紐端部(B)を張力強化方向に引っ張ることで荷物を縛り付ける力を強くすることができる。
【0020】
前記の方法で荷物を締め付ける力を強くした時、紐端部(B)を引っ張る力を緩めると張力強化方向とは逆の方向に紐端部(B)が引き戻され、荷物の締め付け力も弱くなってしまう。荷物の締め付け力を強いまま維持するためには、締め付け具(3)の締め付けを強くして摩擦力を大きくする必要がある。鉤状フック(10)を荷台に掛けたまま紐端部(B)を張力強化方向に引き延ばすと、ポアソン効果により引き延ばされた方向と直角方向にひずみが生じ紐の断面形状が小さくなる。断面形状が小さくなれば手の力で締め付け具(3)を増し締めして締め付け径を小さくすることができる。締め付け径が小さくなった状態で引き伸ばす力を緩めて断面形状が元の大きさに戻る時に摩擦力が増加する。
【0021】
締め付け具(3)を増し締めして摩擦力を増加させても摩擦力が不足する場合には、紐端部(B)が張力強化方向と逆の方向に引き戻され荷物を締め付ける力も弱くなってしまう。摩擦力を増加させるためには、締め付け具(3)近辺の重複部分の紐端部(B)側の位置に別の締め付け具を追加し、紐端部(B)を張力強化方向に引き延ばして紐の断面形状を小さくした状態で追加した締め付け具を締め付ける。各締め付け具の締め付け力が同じならば、発生する摩擦力の合計は、締め付け具の数に比例して増加する。追加締め付けする締め付け具は、あらかじめ本荷掛紐の途中の重複しない部分に仮止めしておいても良い。
【0022】
固定側リング(C)については、あらかじめ本荷掛紐の両端を固定し固定側リング(C)側の紐端部を手で力いっぱい引き延ばしても締め付け部分の紐が動かない程度の摩擦力が得られるよう十分な数の締め付け具で十分に締め付けおく。
【0023】
この発明の第2実施例のトラックシート(T)をトラックの荷台に本発明にかかる連結溝付き紐で固定する手順を
図6を参照しながら説明する。連結溝付き紐の端部をトラックシート(T)の鳩目穴(H)に通して、溝付き面を内側にして折り返し、紐の重複部分の溝付き面どうしを向い合せ、溝の側面(1)を向かい合う溝付き面の溝の空洞部分(2)に挿入して密着させ締め付け具(3)で締め付けて鳩目穴(H)に連結溝付き紐を取り付ける。
【0024】
鳩目穴(H)に通した端部とは反対側の端部についても、上記と同様な方法でリング状を部分を作成しトラック荷台下突起(9)に引っ掛ける。
【0025】
トラックシートを引っ張る張力が弱いとシートが風に煽られて捲れる事が懸念される。トラックシートを引っ張る張力を強くするためには、鳩目穴(H)に通して折り返して重複部分を締め付けている締め付け具(3)を手で保持しながら、紐端部(B)を張力強化方向に引き延ばすことで張力が強くなる。しかしながら、紐端部(B)を引っ張る力を緩めると張力強化方向とは逆の方向に紐端部(B)が引き戻されシートを引っ張る張力も弱くなる。
【0026】
シートを引っ張る張力を強いまま維持するためには、締め付け具(3)の締め付けを強くして摩擦力を大きくする必要がある。紐端部(B)を張力強化方向に引き延ばすことで、ポアソン効果により引き延ばされた方向と直角方向にひずみが生じ紐の断面形状が小さくなる。断面形状が小さくなれば手の力で容易に締め付け具(3)を増し締めして締め付け径を小さくすることでことができる。締め付け具(3)の締め付け径を小さくすることで、引き伸ばす力を緩めて連結溝付き紐の断面形状が元の大きさに戻ろうとする時に摩擦力が増加する。
【0027】
前記のように締め付け具(3)を増し締めして摩擦力を増加させても、シートを引っ張る張力が弱い場合には、締め付け具(3)近辺の重複部分の紐端部(B)側の位置に別の締め付け具を追加し、紐端部(B)を張力強化方向に引き延ばして紐の断面形状を小さくして追加した締め付け具を締め付ける。各締め付け具の締め付け力が同じならば、トータルの摩擦力は締め付け具数に比例するので、風に煽られてもシートが捲れない程度の張力になるまで締め付け具を追加し締め付ける。追加して締め付けする締め付け具は、あらかじめ本荷掛紐の重複しない途中部分に仮止めしておいても良い。
【0028】
図7は、紐の断面形状が略U字型で溝の側面および溝の空洞部分の断面形状がキノコ型の連結溝付き紐の斜視図で、
図9のように溝の片側側面を向かい合う溝の空洞部分に差し込んだ時の密着面は、左右方向に加え上下方向の密着面が発生するので、同じ力で締め付けた時の摩擦力はさらに増加する。
【0029】
図10は、紐の断面形状が略半円形で弦に対応する部分に複数の溝を有し、溝の凸部の断面形状と隣接する凹部の空洞部分の形状が概ね同形状で、
図12のように溝付き面と溝付き面をできるだけ密着面が多くなるように密着させれば凹凸の無い平面どうしを密着させるより密着面積は多くなる。
【0030】
請求項3記載の手で締め付け可能な締め付け具(3)は、特許文献3のような手で締め付け可能で、簡単な操作で締め付けを緩める事ができる結束バンドが利用できる。また、結束バンド以外に
図14のようなプラスチック製で、手で噛み合わせ部を締め付け可能で、
図15のように噛み合わせ部を手でずらす事により簡単に取り外し可能なホースクリップを利用することもできる。
【0031】
この発明の第3実施例のキャンプ等で使用するタープを連結溝付き紐を使って設営する手順を
図16を参照しながら説明する。紐の断面形状が略半円形で弦に対応する部分に複数の溝を有する
図13のような連結溝付き紐の端部を溝付き面を内側にして折り返し、紐の重複部分をできるだけ密着面が多くなるように溝付き面の凸部を向かい合う溝付き面の凹部に挿入して密着させ締め付け具で縛り付けて連結溝付き紐の両端部にリング状部分を作成してタープ用張り網(以後、本張り網と呼ぶ)を制作する。
【0032】
タープに取り付けられたポール用鳩目穴をポール(P1)の先端金具(PT)に通す。本張り綱の片方のリング状部分を先端金具(PT)に引っ掛け、もう一方のリング状部分をポール固定用ペグ(21)に引っ掛ける。同様の方法で、もう一本の本張り綱の片方のリング状部分をポール(P1)の先端金具(PT)に引っ掛けもう一方のリング状部分をポール用ペグ(22)に引っ掛ける。
【0033】
もう一方のポール(P2)も同様の方法で、タープに取り付けられたポール用鳩目穴をポール(P2)の先端金具に差し込み、2本の本張り綱でポール(P2)の先端金具と別のポール用ペグ2か所に引っ掛けて固定する。
【0034】
タープに設けられたポール用以外の鳩目穴については、連結溝付き紐の端部を通して溝付き面を内側にして折り返して重複部分を締め付け具で締め付けて、ポール用以外の各鳩目穴に連結溝付き紐を取り付ける。タープのポール用以外の各鳩目穴に取り付けた連結溝付き紐のタープに取り付けていない方の端部については、溝付き面を内側にして折り返し重複部分を締め付け具で締め付けてリング状部分を作成し、地面に打ち込んだペグ(タープ用)に引っ掛ける。
【0035】
タープを設営した段階で、タープとペグをつないでいる連結溝付き紐に適度な張力がかかっていないと、風によりタープがはためいて騒音が発生し、ひどい場合にはポール先端に引っ掛けた本張り綱がはずれてポールが倒れてしまう。ポール先端と地上に打ち付けたペグを適度な張力でつなぐためには、地面に打ち付けたペグに引っ掛けているリング状部分の締め付け具を緩めて、張力強化方向に紐端部を引き伸ばし、紐断面が小さくなった状態で締め付け具を締め付けて、適度な張力と釣り合うよう締め付け部分の摩擦力を強くする。
【0036】
タープを設営する際に張り綱に必要な張力はそれ程大きくないので、張り綱の断面形状は略半円形で弦部分に溝が無いゴム状弾性体製の伸び縮みする紐でもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 : 溝側面
2 : 溝空洞部分
3 : 締め付け具
4 : 締め付け具
5 : 締め付け具
10: 鈎状フック
A : フック側リング
B : 紐端部
C : 固定側リング
N : 荷台
6 : 荷台下部突起
7 : 荷台下部突起
8 : 荷台下部突起
T : トラックシート
H : 鳩目穴
9 : トラック荷台下突起
M : タープ
P1: ポール
P2: ポール
PT: ポール先端金具
21: ペグ(ポール固定用)
22: ペグ(ポール固定用)
23: ペグ(タープ用)
24: ペグ(タープ用)