(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023044907
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】免震又は制振機構
(51)【国際特許分類】
F16F 15/04 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
F16F15/04 E
F16F15/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153023
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】391039494
【氏名又は名称】株式会社エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 与幸
【テーマコード(参考)】
3J048
【Fターム(参考)】
3J048AA07
3J048AD12
3J048BE13
3J048CB21
3J048DA01
(57)【要約】
【課題】 免震又は制振する免震又は制振機構を提供しようとする。
【解決手段】
従来の免震又は制振する免震又は制振機構にかわって、架台本体とレール部材とを有する架台と、台車本体と車軸と転動体とを有する台車と、を備え、前記車軸の前記転動体を貫通し回転自在に支持する部分である外周部が回転軸心の延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの外径であるN(N=2、3・・・)個の車軸外径を持ち、前記転動体の前記車軸に貫通され支持される部分である内周部が回転軸心の延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの内径であるN(N=2、3・・・)個の転動体内径を持ち、前記転動体が前記転動面を前記レール面に接して転動し前記外周部と前記内周部とが摺動して前記レール部材に案内され前記特定方向に沿って移動する、ものとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被支持体を支持し特定方向の移動を免震又は制振する免震又は制振機構であって、
架台本体と該架台本体に固定され上から見て特定方向に延びたレール面を形成するレール部材とを有する架台と、
台車本体と上から見て回転軸心を特定方向に直交する方向に延ばし該台車本体に支持される車軸と該車軸に回転軸心の周りに回転自在に支持され円周状の転動面を前記レール面に接して案内され前記特定方向に移動自在に転動できる転動体とを有する台車と、
を備え、
前記架台または前記台車の一方が被支持体を支持し、
前記車軸の前記転動体を貫通し回転自在に支持する部分である外周部が回転軸心の延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの外径であるN(N=2、3・・・)個の車軸外径を持ち、
前記転動体の前記車軸に貫通され支持される部分である内周部が回転軸心の延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの内径であるN(N=2、3・・・)個の転動体内径を持ち、
前記転動体が前記転動面を前記レール面に接して転動し前記外周部と前記内周部とが摺動して前記レール部材に案内され前記特定方向に沿って移動する、
ことを特徴とする免震又は制振機構。
【請求項2】
前記転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝を形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【請求項3】
前記転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝を形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【請求項4】
前記転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体をもつ、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【請求項5】
前記転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体をもつ、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【請求項6】
前記転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体とN個の部分転動体にはまされるN-1個のスラストワッシャとをもつ、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【請求項7】
前記転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体とN個の部分転動体にはまされるN-1個のスラストワッシャとをもつ、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【請求項8】
上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従って前記特定方向に直交する向きに沿って変化する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちの一つに記載の免震又は制振機構。
【請求項9】
上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従ってN個の前記部分転動面の一方の前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の他方の前記部分転動面を支持する位置との間で変化する、
ことを特徴とする請求項8に記載の免震又は制振機構。
【請求項10】
上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従ってN個の前記部分転動面のひとつの前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の他のひとつの前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の複数の前記部分転動面を支持する位置との間で変化する、
ことを特徴とする請求項9に記載の免震又は制振機構。
【請求項11】
前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有し、
前記レール面部材が前記基礎部材に交換可能に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項10に記載の免震又は制振機構。
【請求項12】
前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有し、
基礎面が平面であり、
特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見てレール面が前記レール面を転動する転動体の有る側に曲率中心をもつ円弧に沿って湾曲する、
ことを特徴とする請求項11に記載の免震又は制振機構。
【請求項13】
前記転動体が前記転動面を形成する転動体本体と摩擦材ででき該転動体本体に固定されて前記内周部を形成する摩擦部材とを有する、
ことを特徴とする請求項12に記載の免震又は制振機構。
【請求項14】
前記車軸が前記台車本体に支持される車軸本体と摩擦材ででき前記車軸本体に固定されて前記外周部を形成する摩擦部材とを有する、
ことを特徴とする請求項13に記載の免震又は制振機構。
【請求項15】
前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有し、
基礎面が平面であり、
特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見てレール面が前記レール面を転動する転動体の有る側に曲率中心をもつ円弧に沿って湾曲する、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【請求項16】
前記転動体が前記転動面を形成する転動体本体と摩擦材ででき該転動体本体に固定されて前記内周部を形成する摩擦部材とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【請求項17】
前記車軸が前記台車本体に支持される車軸本体と摩擦材ででき前記車軸本体に固定されて前記外周部を形成する摩擦部材とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震又は制振機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被支持体を支持する免震または制振機構に係る。特に、被支持体を支持し特定方向の移動を免震又は制振する免震又は制振機構に関する。
【背景技術】
【0002】
単体または複数の被支持体を支持するために免震又は制振機構を使用することがある。
例えば、被支持体と支持体のいずれか一方側に対して所定の軸線周りにのみ転動可能に支持される転動体と、被支持体と支持体の他方側に取り付けてあって転動体と接触して転動方向に延びる案内部材とを包含し、被支持体は支持体に対して水平方向に相対運動する場合転動体の転動する軸線と案内部材に固定した水平面間の距離は最も小さい基準位置より少なくとも所定範囲で転動体が転動すると徐々に大きくなる装置が用いられる。
車輪は、車軸と転動体で構成される。
車軸の外周部が転動体の内周部に貫通し、車軸が転動体を回転軸心のまわりに回転自在に支持する。
この様にすると車輪が基準位置から水平移動するにつれて基準位置に戻ろうとする復元力が発生し、いわゆる振動系におけるバネ要素の働きをする。
転動体と車軸との間にブッシュ等の摩擦部材を挿入すると、いわゆる振動系におけるダンパー要素の働きをする。
地震等が発生し、支持体に振動加速度が作用すると、バネ要素とダンパー要素とが振動エネルギーを吸収し減衰させ、被支持体に作用する加速度を抑制できる。
【0003】
バネ要素とダンパー要素との特性を選択することにより所望の振動特性を選ぶことができる。
上記の構造に比べて、より減衰特性の優れた免震または制振機構の提供が要望されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡単な構成でより免震機能または制振機能を発揮できる免震又は制振機構を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る被支持体を支持し特定方向の移動を免震又は制振する免震又は制振機構であって、架台本体と該架台本体に固定され上から見て特定方向に延びたレール面を形成するレール部材とを有する架台と、台車本体と上から見て回転軸心を特定方向に直交する方向に延ばし該台車本体に支持される車軸と該車軸に回転軸心の周りに回転自在に支持され円周状の転動面を前記レール面に接して案内され前記特定方向に移動自在に転動できる転動体とを有する台車と、を備え、前記架台または前記台車の一方が被支持体を支持し、前記車軸の前記転動体を貫通し回転自在に支持する部分である外周部が回転軸心の延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの外径であるN(N=2、3・・・)個の車軸外径を持ち、前記転動体の前記車軸に貫通され支持される部分である内周部が回転軸心の延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの内径であるN(N=2、3・・・)個の転動体内径を持ち、前記転動体が前記転動面を前記レール面に接して転動し前記外周部と前記内周部とが摺動して前記レール部材に案内され前記特定方向に沿って移動する、ものとした。
【0006】
上記本発明の構成により、架台が、架台本体と該架台本体に固定され上から見て特定方向に延びたレール面を形成するレール部材とを有する。台車が、台車本体と上から見て回転軸心を特定方向に直交する方向に延ばし該台車本体に支持される車軸と該車軸に回転軸心の周りに回転自在に支持され円周状の転動面を前記レール面に接して案内され前記特定方向に移動自在に転動できる転動体とを有する。前記架台または前記台車の一方が被支持体を支持する。前記車軸の前記転動体を貫通し回転自在に支持する部分である外周部が回転軸心の延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの外径であるN(N=2、3・・・)個の車軸外径を持つ。前記転動体の前記車軸に貫通され支持される部分である内周部が回転軸心の延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの内径であるN(N=2、3・・・)個の転動体内径を持つ。前記転動体が前記転動面を前記レール面に接して転動し前記外周部と前記内周部とが摺動して前記レール部材に案内され前記特定方向に沿って移動する。
その結果、車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に摺動し、特定方向に沿って移動するに従っていわゆる振動系におけるダンパー要素の働きを実現する。
【0007】
以下に、本発明の実施形態に係る免震又は制振機構を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0008】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は、前記転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝を形成される。
上記の実施形態の構成により、前記転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝を形成される。
その結果、溝に沿って転動体が弾性変形が容易になり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動するにしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素の働きを実現する。
【0009】
本発明の実施形態に免震又は制振機構は、前記転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝を形成される。
上記の実施形態の構成により、前記転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝を形成される。
その結果、溝に沿って転動体が弾性変形が容易になり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素の働きを実現する。
【0010】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は、前記転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体をもつ。
上記の実施形態の構成により、前記転動体のN個の部分転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できる。
その結果、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素の働きを実現する。
【0011】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は、前記転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体をもつ。
上記の実施形態の構成により、前記転動体のN個の部分転動体が、前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できる。
その結果、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素の働きを実現する。
【0012】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は、前記転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体とN個の部分転動体にはまされるN-1個のスラストワッシャとをもつ。
上記の実施形態の構成により、
前記転動体のN個の部分転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できる。前記転動体のN-1個のスラストワッシャが、N個の部分転動体にはまされる。
その結果、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素の働きを実現する。
【0013】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は、前記転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体とN個の部分転動体にはまされるN-1個のスラストワッシャとをもつ。
上記の実施形態の構成により、前記転動体のN個の部分転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できる。前記転動体のN-1個のスラストワッシャが、N個の部分転動体にはまされる。
その結果、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素の働きを実現する。
【0014】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は、上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従って前記特定方向に直交する向きに沿って変化する。
上記の実施形態の構成により、上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従って前記特定方向に直交する向きに沿って変化する。
その結果、特定方向に沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素の働きを実現する。
【0015】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は、上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従ってN個の前記部分転動面の一方の前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の他方の前記部分転動面を支持する位置との間で変化する。
上記の実施形態の構成により、上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従ってN個の前記部分転動面の一方の前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の他方の前記部分転動面を支持する位置との間で変化する。
その結果、特定方向に沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素の働きを実現する。
【0016】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は、上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従ってN個の前記部分転動面のひとつの前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の他のひとつの前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の複数の前記部分転動面を支持する位置との間で変化する、
上記の実施形態の構成により、上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記レール部材が前記転動体の前記転動面に接触して前記転動体を支持する箇所である支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従ってN個の前記部分転動面のひとつの前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の他のひとつの前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の複数の前記部分転動面を支持する位置との間で変化する。
その結果、特定方向に沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素の働きを実現する。
【0017】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は上から見て、前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有し、前記レール面部材が前記基礎部材に交換可能に取り付けられる、
上記の実施形態の構成により、前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有する。前記レール面部材が前記基礎部材に交換可能に取り付けられる。
その結果、いわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素のダンピング性能を容易に変更できる。
【0018】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は上から見て、前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有し、
基礎面が平面であり、特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見てレール面が転動体の有る側に曲率中心をもつ円弧に沿って湾曲する、
上記の実施形態の構成により、前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有する。基礎面が平面である。特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見てレール面が転動体の有る側に曲率中心をもつ円弧に沿って湾曲する。
その結果、いわゆる振動系のばね要素を実現できる。
【0019】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は上から見て、前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有し、特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見て基礎面が前記レール面を転動する転動体の有る側に曲率中心をもつ円弧に沿って湾曲し、レール面部材が一定の厚みをもつ板状部材である、
上記の実施形態の構成により、前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面を形成する基礎部材と該基礎部材の基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有する。特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見て基礎面が前記レール面を転動する転動体の有る側に曲率中心をもつ円弧に沿って湾曲する。レール面部材が一定の厚みをもつ板状部材である。
その結果、いわゆる振動系のばね要素を実現できる。
【0020】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は上から見て、前記転動体が前記転動面を形成する転動体本体と摩擦材ででき該転動体本体に固定されて前記内周部を形成する摩擦部材とを有する。
上記の実施形態の構成により、前記転動体が前記転動面を形成する転動体本体と摩擦材ででき該転動体本体に固定されて前記内周部を形成する摩擦部材とを有する。
その結果、いわゆる振動系のダンパー要素のダンパー性能が安定する。
【0021】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機構は上から見て、前記車軸が前記台車本体に支持される車軸本体と摩擦材ででき前記車軸本体に固定されて前記外周部を形成する摩擦部材とを有する。
上記の実施形態の構成により、前記車軸が前記台車本体に支持される車軸本体と摩擦材ででき前記車軸本体に固定されて前記外周部を形成する摩擦部材とを有する。
その結果、いわゆる振動系のダンパー要素のダンパー性能が安定する。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係る免震又は制振機構は、その構成により、以下の効果を有する。
レール部材をもつ架台または車軸に支持される転動体をもつ台車の一方が被支持体を支持し、車軸が外周部に回転軸心の延びる方向に沿って段違いになったN個の車軸外形をもち、転動体が内周部に回転軸心の延びる方向に沿って段違いになったN個の転動体内径をもち、前記転動体が前記転動面を前記レール面に接して転動し前記外周部と前記内周部とが摺動して前記レール部材に案内され前記特定方向に沿って移動する様にしたので、車軸のN個の車軸外形をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に摺動し、特定方向に沿って移動するにしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
前記転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝を形成される様にしたので、溝に沿って転動体が弾性変形が容易になり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動するにしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
前記転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝を形成される様にしたので、溝に沿って転動体が弾性変形が容易になり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
前記転動体のN個の部分転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できる様にしたので、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
前記転動体のN個の部分転動体が、前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できる様にしたので、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
前記転動体のN個の部分転動体が前記転動面を前記内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転でき、前記転動体のN-1個のスラストワッシャが、N個の部分転動体にはまされる様にしたので、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
前記転動体のN個の部分転動体が前記転動面を前記外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心に沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転でき、前記転動体のN-1個のスラストワッシャが、N個の部分転動体にはまされる様にしたので、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向に沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従って前記特定方向に直交する向きに沿って変化する様にしたので、特定方向に沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素を実現できる。
前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従ってN個の前記部分転動面の一方の前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の他方の前記部分転動面を支持する位置との間で変化する様にしたので、特定方向に沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素を実現できる。
上から見て、前記転動体が前記レール部材の上を移動できるストローク内で、前記支持箇所の位置が前記特定方向に沿って移るに従ってN個の前記部分転動面のひとつの前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の他のひとつの前記部分転動面を支持する位置とN個の前記部分転動面の複数の前記部分転動面を支持する位置との間で変化する様にしたので、特定方向に沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素を実現できる。
レール面を形成する前記レール部材が基礎面をもつ前記基礎部材に交換可能に取り付けられる様にしたので、いわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素のダンピング性能を容易に変更できる。
前記レール部材が当該架台本体に固定され平面の基礎面を形成する基礎部材と基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール部材とを有し、特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見てレール面が転動体の有る側に曲率中心をもつ円弧に沿って湾曲する様にしたので、いわゆる振動系のばね要素を実現できる。
前記レール部材が当該架台本体に固定され基礎面が前記レール面を転動する転動体の有る側に曲率中心をもつ円弧に沿って湾曲する基礎面を形成する基礎部材と基礎面に当接して支持され前記レール面を形成するレール面部材とを有し、レール部材が一定の厚みをもつ板状部材である様にしたので、いわゆる振動系のばね要素を実現できる。
前記転動体が前記転動面を形成する転動体本体と摩擦材ででき該転動体本体に固定されて前記内周部を形成する摩擦部材とを有する様にしたので、いわゆる振動系のダンパー要素のダンパー性能が安定する。
前記車軸が前記台車本体に支持される車軸本体と摩擦材ででき前記車軸本体に固定されて前記外周部を形成する摩擦部材とを有する様にしたので、いわゆる振動系のダンパー要素のダンパー性能が安定する。
従って、簡単な構成でより免震機能または制振機能を発揮できる免震又は制振機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の全体図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の部分図その1である。
【
図3】本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の部分図その2である。
【
図4】本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の部分図その3である。
【
図5】本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の部分図その4である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を、説明する。
最初に、本発明の実施形態に係る免震又は制振機器を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の全体図である。
図2は、本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の部分図その1である。
図3は、本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の部分図その2である。
図4は、本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の部分図その3である。
図5は、本発明の実施形態に係る免震又は制振機構の部分図その4である。
【0025】
本発明の実施形態に係る免震又は制振機器は、被支持体50を支持し特定方向の移動を免震又は制振する機器である。
本発明の実施形態に係る免震又は制振機器は、架台100と台車200とで構成される。
架台100または台車200の一方が被支持体を支持する。
図1に、台車200が被支持体50を支持する様子がしめされる。
【0026】
架台100は、架台本体110とレール部材120とで構成される。
架台100は、架台本体110と複数のレール部材120とで構成されてもよい。
図1に、架台100が1つの架台本体110と2つのレール部材120とで構成される様子が示される。
【0027】
台車200は、台車本体210と車軸220と転動体230とで構成される
台車200は、台車本体210と複数の車軸220と複数の転動体230とで構成されてもよい。
1つの車軸220が1つの転動体230を回転軸心のまわりに回転自在に支持する。
図1に、台車200が1つの台車本体210と4つの車軸220と4つの転動体230とで構成される様子が示される。
【0028】
架台本体110は、架台100の主要構造体である。
レール部材120は、架台本体110に固定され上から見て特定方向Xに延びたレール面Sを形成する部材である。
【0029】
台車本体210は、台車200の主要構造体である。
車軸220は、上から見て回転軸心Zを特定方向Xに直交する方向に延ばし台車本体210に支持されるものである。
転動体230は、車軸220に回転軸心Zの周りに回転自在に支持され円周状の転動面Hをレール面Sに接して案内され特定方向Xに移動自在に転動できるものである。
【0030】
車軸220の外周部Kが、回転軸心Zの延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの外径であるN(N=2、3・・・)個の車軸外径r1、r2、・・を持つ。
ここで、外周部Kは、転動体230を貫通し回転自在に支持する部分である。
転動体230の内周部Lが、回転軸心Zの延びる方向に沿って段違いになった少なくとも2つの内径であるN(N=2、3・・・)個の転動体内径q1、q2、・・・を持つ。
ここで、内周部Lは車軸220に貫通され支持される部分である。
車軸220の外周部Kが転動体230の内周部Lを摺動自在に支持する。
車軸220の外周部のN個の転動体内径q1、q2、・・・を持つ部分が転動体230の内周部LのN個の転動体内径q1、q2、・・・をもつ部分を各々に摺動自在に支持する。
転動体230が、転動面Hをレール面Sに接して転動し、外周部Kと内周部Lとが摺動して、レール部材120に案内され特定方向Xに沿って移動する。
図3(A)(B)(C)に、車軸220の外周部Kが、回転軸心Zの延びる方向に沿って段違いになった2つの外径である車軸外径r1、r2を持ち、転動体230の内周部Lが、回転軸心Zの延びる方向に沿って段違いになった2つの内径である転動体内径q1、q2を持つ様子が示される。車軸220の外周部の2個の転動体内径q1、q2を持つ部分が転動体230の内周部Lの2個の転動体内径q1、q2をもつ部分を各々に摺動自在に支持する様子が示される。
【0031】
転動体230が、転動面Hを内周部LのN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝Mを形成されてもよい。
例えば、転動体230が、転動面Hを内周部LのN個の転動体内径の段違いになった位置に回転軸心Zに沿って略一致する位置で回転軸心Zに沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝Mを形成される。
図3(B)に、転動体230が、転動面Hにおける内周部LのN個の転動体内径q1、q2の段違いになった位置に対応する位置に、回転軸心Zに沿って2個の部分転動面H1、H2に分ける円周状に延びる溝Mを形成されている様子が示される。
【0032】
転動体230が、転動面Hを外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝Mを形成されてもよい。
例えば、 転動体230が、転動面Hを外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に回転軸心Zに沿って略一致する位置で回転軸心Zに沿ってN個の部分転動面に分ける円周状に延びる溝Mを形成される。
図3(B)に、転動体230が、転動面Hにおける外周部のN個の車軸外径r1、r2の段違いになった位置に対応する位置に、回転軸心Zに沿って2個の部分転動面H1、h2に分ける円周状に延びる溝Mを形成される様子が示される。
【0033】
転動体230が、転動面Hを内周部LのN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体をもってもよい。
例えば、転動体230が、転動面Hを内周部LのN個の転動体内径の段違いになった位置に回転軸心Zに沿って略一致する位置で回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体をもつ。
図3(C)に、転動体230が、転動面Hを内周部Lの2個の転動体内径q1、q2の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面である2個の部分転動面H1、H2を各々に形成し互いに自由に回転できる2個の部分転動体231、232をもつ様子が示される。
【0034】
転動体230が、転動面Hで外周部KのN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で、回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体をもってもよい。
例えば、転動体230が、転動面Hで外周部KのN個の車軸外径の段違いになった位置に回転軸心Zに沿って略一致する位置で、回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体をもつ。
図3(C)に、 転動体230が、転動面Hを外周部Kの2個の車軸外径r1、r2の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面である2個の部分転動面H1、h2を各々に形成し互いに自由に回転できる2個の部分転動体231、232をもつ様子が示される。
【0035】
転動体230が、転動面Hを内周部LのN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体と・・・N個の部分転動体にはまされるN-1個のスラストワッシャとをもっていてもよい。
図3(C)に、転動体230が、転動面Hを内周部Lの2個の転動体内径q1、q2の段違いになった位置に対応する位置で、回転軸心Zに沿って分ける面である2個の部分転動面H1、h2を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体231、232とN個の部分転動体231、232にはまされる1個のスラストワッシャ231cとをもつ様子が示される。
【0036】
転動体230が、転動面Hを外周部KのN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面を各々に形成し互いに自由に回転できるN個の部分転動体とN個の部分転動体にはまされるN-1個のスラストワッシャとをもっていてもよい。
図3(C)に、転動体230が、転動面Hを外周部Kの2個の車軸外径r1、r2の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面である2個の部分転動面H1、H2を各々に形成し互いに自由に回転できる2個の部分転動体231、232と2個の部分転動体231、232にはまされる1個のスラストワッシャ231cとをもつ様子が示される。
【0037】
上から見て、転動体230がレール部材120の上を移動できるストローク内で、支持箇所Pの位置が特定方向Xに沿って移るに従って特定方向Xに直交する向きに沿って変化する。
支持箇所Pは、レール部材120が転動体230の転動面Kに接触して転動体230を支持する箇所である。
支持箇所Pから外れた箇所は、レール部材120が転動体230の転動面Kに接触しない。
【0038】
上から見て、転動体230がレール部材120の上を移動できるストローク内で、支持箇所Pの位置が特定方向に沿って移るに従ってN個の部分転動面の一方の部分転動面を支持する位置とN個の部分転動面の他方の部分転動面を支持する位置との間で変化してもよい。
【0039】
上から見て、転動体230がレール部材120の上を移動できるストローク内で、支持箇所Pの位置が特定方向Xに沿って移るに従ってN個の部分転動面のひとつの部分転動面を支持する位置とN個の部分転動面の他のひとつの部分転動面を支持する位置とN個の部分転動面の複数の部分転動面を支持する位置との間で変化してもよい。
図2に、支持箇所Pの位置が特定方向Xに沿って移るに従って2個の部分転動面H1、H2のひとつの部分転動面を支持する位置とN個の部分転動面H1、H2の他のひとつの部分転動面を支持する位置と2個の部分転動面H1、H2の複数の部分転動面H1、H2を支持する位置との間で変化する様子が示される。
【0040】
レール部材120が基礎部材121とレール面部材122とで構成されてもよい。
基礎部材121は、架台本体110に固定され基礎面Bを形成する部材である。
レール面部材122は、基礎部材の基礎面Bに当接して支持されレール面Sを形成する部材である。
レール面部材122が基礎部材121に交換可能に取り付けられてもよい。
レール面部材122が基礎部材121にボルトオンで交換可能に取り付けられてもよい。
【0041】
基礎面Bが平面であり、 特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見てレール面Sがレール面を転動する転動体の有る側に曲率中心Qをもつ円弧に沿って湾曲してもよい。
図4(A)に、基礎面Bが平面であり、 特定方向に直交する水平軸に視線を沿わせて見てレール面Sがレール面Sを転動する転動体230の有る側に曲率中心Qをもつ円弧に沿って湾曲している様子が示される。
【0042】
特定方向Xに直交する水平軸に視線を沿わせて見て、基礎面Bがレール面Sを転動する転動体230の有る側に曲率中心Qをもつ円弧に沿って湾曲し、レール面部材122が一定の厚みをもつ板状部材であってもよい。
図4(B)に、特定方向Xに直交する水平軸に視線を沿わせて見て、基礎面Bがレール面Sを転動する転動体230の有る側に曲率中心Qをもつ円弧に沿って湾曲し、レール面部材122が一定の厚みをもつ板状部材である様子がしめされる。
【0043】
転動体230が、転動体本体230aと摩擦部材230bとで構成されてもい。
転動体本体230aは転動面Hを形成する部材である。
摩擦部材230bは、摩擦材ででき転動体本体230aに固定されて内周部Lを形成する部材である。
転動体230が転動体本体230aと摩擦部材230bとで構成され、車軸220が車軸本体220aで構成されてもよい。
この場合、摩擦部材230bと車軸本体220aとが摺動して、摩擦力を生ずる。
【0044】
車軸220が、車軸本体220aと摩擦部材220bとで構成されてもよい。
車軸本体220aは、台車本体210に支持される部材である。
摩擦部材220bとは、摩擦材ででき車軸本体220aに固定されて外周部Kを形成する部材である。
転動体230が転動体本体230aで構成され、車軸220が車軸本体220aと摩擦部材220bとで構成されてもよい。
この場合、転動体本体230aと摩擦部材220bとが摺動して、摩擦力を生ずる。
【0045】
転動体230が、転動体本体230aと摩擦部材230bとで構成され、車軸220が、車軸本体220aと摩擦部材220bとで構成されてもよい。
この場合、摩擦部材230bと摩擦部材220bとが摺動して、摩擦力を生ずる。
【0046】
上述のとおり、本発明の実施実施形態に係る免震又は制振機構を用いれば、以下の効果を有する。
レール部材120をもつ架台100または車軸220に支持される転動体をもつ台車200の一方が被支持体を支持し、外周部に回転軸心Zの延びる方向に沿って段違いになったN個の車軸外形をもつ車軸220が内周部に回転軸心Zの延びる方向に沿って段違いになったN個の転動体内径をもつ転動体230を回転自在に支持し、転動体230が転動面Hをレール面Sに接して転動し外周部と内周部とが摺動してレール部材120に案内され特定方向Xに沿って移動する様にしたので、車軸220のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体230のN個の転動体内径をもつ内周部に摺動し、特定方向Xに沿って移動するにしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
転動体230が転動面Hを内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿ってN個の部分転動面Hに分ける円周状に延びる溝Mを形成される様にしたので、溝Mに沿って転動体230が弾性変形が容易になり、摺動する車軸220のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体230のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向Xに沿って移動するにしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
転動体230が転動面Hを外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿ってN個の部分転動面Hに分ける円周状に延びる溝Mを形成される様にしたので、溝Mに沿って転動体230が弾性変形が容易になり、摺動する車軸220のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体230のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向Xに沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
転動体230のN個の部分転動体が転動面Hを内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面Hを各々に形成し互いに自由に回転できる様にしたので、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸220のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体230のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向Xに沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
転動体230のN個の部分転動体が、転動面Hを外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面Hを各々に形成し互いに自由に回転できる様にしたので、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸220のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体230のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向Xに沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
転動体230のN個の部分転動体が転動面Hを内周部のN個の転動体内径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面Hを各々に形成し互いに自由に回転でき、転動体230のN-1個のスラストワッシャが、N個の部分転動体にはまされる様にしたので、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸220のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体230のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向Xに沿って移動にしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
転動体230のN個の部分転動体が転動面Hを外周部のN個の車軸外径の段違いになった位置に対応する位置で回転軸心Zに沿って分ける面であるN個の部分転動面Hを各々に形成し互いに自由に回転でき、転動体230のN-1個のスラストワッシャが、N個の部分転動体にはまされる様にしたので、N個の部分転動体が容易に傾き易くなり、摺動する車軸220のN個の車軸外径をもつ外周部が転動体230のN個の転動体内径をもつ内周部に接し、特定方向Xに沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンパー要素を実現できる。
転動体230がレール部材120の上を移動できるストローク内で、支持箇所Pの位置が特定方向Xに沿って移るに従って特定方向Xに直交する向きに沿って変化する様にしたので、特定方向Xに沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素を実現できる。
転動体230がレール部材120の上を移動できるストローク内で、支持箇所Pの位置が特定方向Xに沿って移るに従ってN個の部分転動面Hの一方の部分転動面H1、H2・・を支持する位置とN個の部分転動面H1、H2・・の他方の部分転動面Hを支持する位置との間で変化する様にしたので、特定方向Xに沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素を実現できる。
上から見て、転動体230がレール部材120の上を移動できるストローク内で、支持箇所Pの位置が特定方向Xに沿って移るに従ってN個の部分転動面H1、H2・・のひとつの部分転動面H1、H2・・を支持する位置とN個の部分転動面H1、H2・・の他のひとつの部分転動面H1、h2・・を支持する位置とN個の部分転動面H1、H2・・の複数の部分転動面H1、H2・・を支持する位置との間で変化する様にしたので、特定方向Xに沿って移動するのにしたがっていわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素を実現できる。
レール面Sを形成するレール部材120が基礎面Bをもつ基礎部材121にボルトオンで交換可能に取り付けられる様にしたので、いわゆる振動系におけるダンピング機能の変化するダンパー要素のダンピング性能を容易に変更できる。
レール部材120が架台本体110に固定され平面の基礎面Bを形成する基礎部材121と基礎面Bに当接して支持されレール面Sを形成するレール部材120とを有し、特定方向Xに直交する水平軸に視線を沿わせて見てレール面Sが転動体230の有る側に曲率中心Qをもつ円弧に沿って湾曲する様にしたので、いわゆる振動系のばね要素を実現できる。
レール部材120が架台本体110に固定され基礎面Bがレール面Sを転動する転動体230の有る側に曲率中心Qをもつ円弧に沿って湾曲する基礎面Bを形成する基礎部材121と基礎面Bに当接して支持されレール面Sを形成するレール部材120とを有し、レール部材120が一定の厚みをもつ板状部材である様にしたので、いわゆる振動系のばね要素を実現できる。
転動体230が転動面Hを形成する転動体本体230aと摩擦材ででき転動体本体230aに固定されて内周部を形成する摩擦本体230bとを有する様にしたので、いわゆる振動系のダンパー要素のダンパー性能が安定する。
車軸220が台車本体210に支持される車軸本体220aと摩擦材ででき車軸本体220aに固定されて外周部を形成する摩擦部材220bとを有する様にしたので、いわゆる振動系のダンパー要素のダンパー性能が安定する。
【0047】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
X 特定方向
Z 回転軸心
S レール面
H 転動面
H1、H2 部分転動面
K 外周部
L 内周部
R 曲率半径
P 支持箇所
M 溝
B 基礎面
Q 曲率中心
r1 第一車軸外径
r2 第二車軸外径
q1 第一転動体内径
q2 第二転動体内径
50 被支持体
100 架台
110 架台本体
120 レール部材
121 基礎部材
122 レール面部材
200 台車
210 台車本体
220 車軸
220a 車軸本体
220b 摩擦部材
230 転動体
230a 転動体本体
230b 摩擦部材
231 第一部分転動体
231a 第一部分転動体本体
231b 第一摩擦部材
232 第二部分転動体
232a 第二部分転動体本体
232b 第二摩擦部材
231c スラストワッシャ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】