(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045000
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/80 20180101AFI20230327BHJP
【FI】
G16H50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153164
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】521385541
【氏名又は名称】田中 実
(72)【発明者】
【氏名】田中 実
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】オフィスビルや商業施設などの対象空間へ入場しようとする入場者に対して、感染のおそれを高い精度で判定し入場管理をする。
【解決手段】入場者による特定区域への入場の可否を判定する情報処理システムであって、前記入場者の感染症対策に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された感染症対策に関する情報と前記入場者の情報とを紐づけしたコード情報として出力する出力部と、前記出力部によって出力されたコード情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られたコード情報に基づいて、前記入場者の入場の可否を判定する判定部とを有する
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場者による特定区域への入場の可否を判定する情報処理システムであって、
前記入場者の感染症対策に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された感染症対策に関する情報と前記入場者の情報とを紐づけしたコード情報として出力する出力部と、
前記出力部によって出力されたコード情報を読み取る読取部と、
前記読取部によって読み取られたコード情報に基づいて、前記入場者の入場の可否を判定する判定部と
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記入場者の感染症対策に関する情報を定期的に取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記入場者の感染症対策に関する情報として、該入場者に対して接種されたワクチンの有効性に関する情報を含む情報を取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記入場者に関する基礎情報を記憶する記憶部と、
前記読取部によって読み取られたコード情報と前記記憶部に記憶された前記入場者に関する基礎情報とを照合する照合部とをさらに備え、
前記判定部は、前記読取部によって読み取られたコード情報と前記照合部の照合結果とに基づき、前記入場者の入場の可否を判定することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記判定部によって入場可能と判定された場合に前記入場者が入場を許可された者であることを表示する入場許可情報を発行する発行部をさらに備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記入場者の体温を計測する検温部をさらに備え、
前記判定部は、前記読取部によって読み取られたコード情報と前記検温部によって計測された前記入場者の体温に関する情報とに基づいて、前記入場者の入場の可否を判定する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理システム。
【請求項7】
入場者による特定区域への入場の可否を判定する情報処理方法であって、
前記入場者の感染症対策に関する情報を取得し、
取得された感染症対策に関する情報と前記入場者の情報とを紐づけしたコード情報として出力し、
出力されたコード情報を読み取り、
読み取られたコード情報に基づいて、前記入場者の入場の可否を判定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを入場者による特定区域への入場の可否を判定する手段として機能させるための情報処理プログラムであって、
前記入場者の感染症対策に関する情報を取得する手段と、
取得された感染症対策に関する情報と前記入場者の情報とを紐づけしたコード情報として出力する手段と、
出力されたコード情報を読み取る手段と、
読み取られたコード情報に基づいて、前記入場者の入場の可否を判定する手段と
を備えることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルや店舗等への入場時においては、感染症への対策の一環として、入場者に対する検温や入場者の手に除菌剤・消毒剤などを噴霧して減菌処理を行うなどの対応が実施されている。具体的には、例えば特許文献1に記載のように入場者に対して入場時の検温を促す対応が行われている。
【0003】
このような入場時における対策をとることによって、感染の症状があらわれた人やウィルス等が手に付着した人の有無を事前にチェックすることができるので、オフィスなどの館内における感染症等の拡散を抑制する効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ウィルス等に感染していたとしても発熱などの自覚症状がない場合には、入場時に検温を行ったとしても感染のおそれの有無をチェックすることができず、館内における感染対策を十分にとることができないという課題があった。
【0006】
一方、感染のリスクがないこと或いはリスクが低いことを示す指標として、感染症のワクチン接種の実績や、いわゆる陰性証明と呼ばれる医療機関などで発行される感染していないことの証明などが知られている。これらの情報を活用した入場管理も考えられるが、情報管理や情報の信頼性の判定などに課題があった。
【0007】
本発明は、オフィスビルや商業施設などの対象空間へ入場しようとする入場者に対して、感染のおそれを高い精度で判定し入場管理をすることのできる情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、入場者による特定区域への入場の可否を判定するシステムであって、前記入場者の感染症対策に関する情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された感染症対策に関する情報と前記入場者の情報とをコード情報として出力する出力部と、前記出力部によって出力されたコード情報を読み取る読取部と、前記読取部によって読み取られたコード情報に基づいて、前記入場者の入場の可否を判定する判定部とを有する。
【0009】
また本発明の他の態様に係る情報処理方法は、入場者による特定区域への入場の可否を判定する方法であって、前記入場者の感染症対策に関する情報を取得し、取得された感染症対策に関する情報と前記入場者の情報とをコード情報として出力し、出力されたコード情報を読み取り、読み取られたコード情報に基づいて、前記入場者の入場の可否を判定する。
【0010】
また本発明の他の態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータを入場者による特定区域への入場の可否を判定する手段として機能させるためのプログラムであって、前記入場者の感染症対策に関する情報を取得する手段と、取得された感染症対策に関する情報と前記入場者の情報とをコード情報として出力する手段と、出力されたコード情報を読み取る手段と、読み取られたコード情報に基づいて、前記入場者の入場の可否を判定する手段とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によれば、ウィルス等の感染のおそれの低い入場者を高い精度で判定することにより、館内での感染リスクを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施の形態に係る情報処理システムによって実行される情報処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムについて詳細に説明する。
【0014】
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム1は、外部情報データベース2から取得する感染症に関する情報に基づいて入場者(以下「ユーザ」という)のオフィスビル等の館内への入場可否を判定するためのシステムである。
【0015】
情報処理システム1は、ユーザの情報端末装置100と入場管理装置200と検温装置300とゲート装置400との間の情報通信により実現される。情報処理システム1は、情報端末装置100を構成する取得部110と記憶部120と出力部130と、入場管理装置200を構成する読取部210と記憶部220と照合部230と判定部240と指令部250と発行部260と、検温装置300と、ゲート装置400とを有している。また、これらの構成部は、例えばサーバやパーソナルコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0016】
取得部110は、情報端末装置100に設けられ、外部サーバ2から感染症に関する情報を取得する。取得部110による情報取得は、例えば、API(Application Programming Interface)認証を行うことによって実行される。情報取得はこれに限られず、種々の方法によってユーザ認証が行われることにより実行される態様を適用することができる。
【0017】
感染症に関する情報は、ユーザがウィルス等の感染リスクがないこと或いはリスクが低いことを示す情報であり、例えば、ワクチンの接種実績に関する情報や医療機関等によって発行される感染していないことを示す陰性証明等に関する情報である。
【0018】
ワクチンの接種実績に関する情報には、例えば、ワクチンの有効性に関する情報が含まれる。感染症対策に摂取されるワクチンは一般に有効期間を有するため、一度接種したとしても有効期間経過後はワクチン接種による感染リスクの抑制効果が失われている。そこで本実施の形態では、取得部110がワクチンの有効性に関する情報を取得する態様を提供することもできる。
【0019】
またワクチンの接種実績に関する情報には、例えば、ワクチンの接種回数や接種日からの経過日数に関する情報が含まれる。ワクチンの種類によっては、ワクチンが有効に作用するために複数回の接種が必要であり、接種後も一定日数経過した後でなければワクチンが有効に作用しない場合もある。そこで本実施の形態では、取得部110がワクチンの接種回数や接種日からの経過日数に関する情報を取得する態様を提供することもできる。
【0020】
陰性証明等に関する情報には、例えば、陰性証明の発行日や陰性証明発行日からの経過日数などが含まれる。陰性証明等は医療機関によって発行された時点においては、完成リスクがない或いはリスクが低いことの証明として高い信頼度を有するが、発行日からの経過日数が増えるほど一般的には信頼度が低下すると考えられる。そこで本実施の形態では、取得部110が陰性証明の発行日や陰性証明発行日からの経過日数に関する情報を取得する態様を提供することもできる。
【0021】
取得部110は感染症に関する情報として上記のような各種情報を取得することができるが、当該情報を1回で取得してもよく、複数回にわたって取得してもよい。感染症に関する情報が時間の経過とともに変化する情報である場合には、取得部110は定期的に当該情報を取得することにより最新の情報を取得することができる。
【0022】
記憶部120は、情報端末装置100に設けられ、取得部110によって取得された感染症に関する情報を記憶する。取得部110が複数回にわたって情報を取得する場合には、記憶部120は過去の記憶情報を更新して最新の情報を記憶する。記憶部120の態様はこれに限られず、取得部110が複数回にわたって情報を取得する場合にすべての情報を時系列的に記憶する態様にも適用することができる。
【0023】
また記憶部120は入場者であるユーザの情報を記憶する。ユーザの情報は、ユーザ個人を特定するための情報であり、ユーザの氏名、住所、電話番号、勤務先に関する情報などが挙げられる。例えば、ユーザの勤務先が入居するオフィスビルに入場する場合には、上記情報に加えユーザがその従業員であることを示す特定のID情報が含まれていてもよい。
【0024】
記憶部120に記憶されるユーザの情報は、取得部110によって取得される感染症に関する情報に含まれるユーザに関する情報と紐づけされる。このような紐づけは、例えば情報端末装置100に搭載されている専用のアプリケーションによって実現される。なおアプリケーションは、上記取得部110による情報の取得も実現することができる。
【0025】
なお記憶部120は、必ずしも情報端末装置100に備えられたものに限らない。記憶部120は、情報端末装置100の外部に設けられ、通信ネットワークを介して情報端末装置100から送信された情報を記憶する態様にも適用することができる。
【0026】
出力部130は、情報端末装置100に設けられ、出力部110によって取得され、記憶部120に記憶されたユーザの感染症に関する情報と該ユーザの情報とを紐づけしたコード情報として出力する。コード情報は、コード情報は、例えば、QRコード(登録商標)やバーコードなどであり、入場管理装置200の読取部210によって読み取られるために情報端末装置100の表示画面上に視覚的に出力される。なおコード情報は、視覚的に出力されるものに限られず、RFID(Radio Frequency Identification)などの非接触で読み取られる情報であってもよい。
【0027】
出力部130によって視覚的に表示されるコード情報は、例えば上記専用のアプリケーションの動作によって情報端末装置100の表示画面上に表示される。
【0028】
読取部210は、入場管理装置200に設けられ、出力部130によって出力されたコード情報を読み取る。読取部210としては、一般的に知られているコードリーダー装置によって実現されたものを適用することができる。またコード情報がRFIDなどの非接触で読み取られる情報である場合には、RFIDリーダー装置によって実現されたものを適用することができる。
【0029】
記憶部220は、読取部210によって読み取られたコード情報と照合するためのユーザの基礎情報を記憶する。記憶部220に記憶されるユーザの基礎情報は、例えば、ユーザの氏名や所属先の情報など、ユーザが特定区域への入場できる対象者であるかを判定するために必要な情報である。
【0030】
照合部230は、読取部210によって読み取られたコード情報を記憶部230に記憶された情報と照合する。読取部210によって読み取られる情報にはユーザの感染症に関する情報が含まれているが、この感染症に関する情報が入場するための要件を満たすものであっても、入場しようとする特定区域への入場が認められない者である場合には入場を拒絶する必要がある。照合部230は、主としてコード情報に含まれるユーザの情報と記憶部220に記憶されるユーザの情報との照合を実行する。
【0031】
判定部240は、読取部210によって読み取られたコード情報と照合部230によって照合された照合結果、さらに後述する検温装置300によるユーザの検温結果に基づいて、ユーザの入場の可否を判定する。
【0032】
判定部240は、コード情報に含まれる感染症に関する情報について、ワクチンの接種実績に関する情報に基づいてユーザがウィルス等の感染リスクがない若しくはリスクが低いか否かを判定する。また判定部240は、照合部230によって照合された照合結果に基づき、ユーザが入場しようとする特定区域への入場が認められた対象者であるか否かを判定する。さらに判定部240は、検温装置300による検温の結果、ユーザの体温が正常値範囲にあるか否かを判定する。
【0033】
指令部250は、判定部240による判定の結果、ユーザが入場可能である判定された場合にゲート装置400に対してゲートを開放する指令を実行する。具体的には、判定部240によって、ユーザがウィルス等の感染リスクがない若しくはリスクが低いと判定され、ユーザが入場しようとする特定区域への入場が認められた対象者であると判定され、ユーザの体温が正常値範囲であると判定された場合に指令部250が当該指令を実行する。
【0034】
発行部260は、判定部240によって入場可能と判定された場合に入場者であるユーザが入場を許可された者であることを表示する入場許可情報を発行する。発行部260は、例えばユーザが保有する情報端末装置100の表示画面上に表示される入場許可情報を発行する。ユーザは発行された入場許可情報に基づき自身が適正に入場を許可された者であることを証明することができる。
【0035】
なお発行部260は上記態様に限られず、プリンタなどの印刷装置によってシールなどとして印刷される入場許可情報を発行するものであってもよい。この場合には、ユーザは印刷された入場許可情報を身に付けることによって入場を許可された者であることを証明することができる。
【0036】
検温装置300は、オフィスビルの館内などの特定区域に入場しようとする入場者であるユーザの体温を計測するための装置である。検温装置300によって計測される体温は、ユーザの健康状態を測る指標として使用される。検温装置300による検温の方法は特に限定されるものではなく、さまざまな検温手段を適用することができる。例えば、検温装置300は、人体から放射される赤外線を検知するサーマルカメラを用いて非接触で来店者の体温を計測する。検温装置300は、ユーザが自身の額や腕をサーマルカメラに近づけることにより体温計測を実施し、計測した体温値をディスプレイ上に表示したり音声で通知したりすることにより、体温に関する情報をユーザに知らせる。
【0037】
また検温装置300による検温結果は、入場管理装置200の判定部240に送信され、ユーザの入場可否判定に活用される。
【0038】
ゲート装置400は、オフィスビルなどの建物の入口付近に設置されており、例えば、館内の特定区域とその外部エリアとを繋ぐ境界において不特定の者が特定区域内に侵入することを妨げるように、開閉制御されたゲート(扉)を設けた構成を有している。なおゲート装置400はこのような構成に限られない。例えば、物理的なゲート(扉)を設けずに、入場の許可を与える認証情報をユーザに提供するなど、何らかの手段によってユーザが特定区域に入場することを可能にするものであれば適用することができる。
【0039】
またゲート装置400は、例えば入場管理装置200と一体に構成されたものであり、ゲート装置400にはユーザの情報端末装置100を近づけることにより情報端末装置100の表示画面に表示されたコード情報を読み取るための読取部210が設けられている。
【0040】
外部サーバ2は、ユーザの個人情報と当該ユーザの感染症に関する情報とを格納しており、通信ネットワークWを介してユーザが保有する情報端末装置100との間で情報の送受信が行われる。外部サーバ2は、医療機関や国・地方自治体の情報データベースと連携しており、これらの情報データベースから各ユーザの個人情報と紐づいた感染症に関する情報を逐次取得することができる。外部サーバ2が各情報データベースを取得する方法やタイミングに制限はなく、あらゆる取得態様を適用することができる。
【0041】
(情報処理手順の説明)
図3を用いて、本実施の形態に係る情報処理装置により実行される処理の一例について説明する。
【0042】
まず、ユーザによる情報端末装置100の操作により、取得部110が外部サーバ2からユーザの感染症に関する情報を取得する(ステップS1)。取得された感染症に関する情報はユーザの情報とともに記憶部120に記憶される。
【0043】
次に、ユーザによる情報端末装置100の操作により、出力部130が、記憶部120に記憶された情報、すなわち取得部110によって取得された感染症対策に関する情報とユーザの情報とを紐づけしたコード情報を出力する(ステップS2)。出力されたコード情報は、情報端末装置100の表示画面上に表示される。
【0044】
次に、ユーザが情報端末装置100をゲート装置400の読取部210に近づけることにより、読取部210が情報端末装置100の表示画面上に表示されたコード情報を読み取る(ステップS3)。
【0045】
次に、照合部230が読取部210によって読み取られたコード情報を記憶部230に記憶された情報と照合する(ステップS4)。
【0046】
次に、判定部240が読取部210によって読み取られたコード情報と照合部230によって照合された照合結果および検温装置300によるユーザの検温結果に基づいて、ユーザの入場の可否を判定する(ステップS5)。
【0047】
判定の結果、ユーザが入場可能な要件、すなわちユーザがウィルス等の感染リスクがない若しくはリスクが低く、ユーザが入場しようとする特定区域への入場が認められた対象者であり、ユーザの体温値が正常範囲である場合には、入場可能と判定する。一方、ユーザが入場可能な要件を満たさない場合には入場不可と判定し、処理を終了する。
【0048】
次に、指令部250が判定部240の判定結果(入場可能の判定)に基づいてゲート装置400に対してゲート開放の指令を行う(ステップS6)。ゲート装置400は指令部250からの指令に基づきゲートを開放し、ユーザの特定区域への入場するためにゲートの通過を許容する(ステップS7)。
【0049】
また、判定部240によって入場可能と判定された場合には、発行部260が入場者であるユーザが入場を許可された者であることを表示する入場許可情報を発行する(ステップS8)。なおステップS8の処理は、ステップS7の後に実行される必要はなく、ステップS5において判定部240によってユーザの入場を許可する判定が行われた後に実行されてもよい。
【0050】
本実施の形態に係る構成によれば、医療機関や国・地方自治体の情報データベースと連携した外部サーバ2から感染症に関する情報を取得し、取得された感染症に関する情報とユーザの情報との紐づけしたコード情報に基づいて、特定区域に入場しようとする入場者(ユーザ)の入場可否を判定する。このような構成とすることにより、ウィルス等の感染のおそれの低い入場者を高い精度で判定することにより、館内での感染リスクを効果的に抑制することができる。
【0051】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。
【0052】
上記実施の形態では、入場者(ユーザ)が入場する特定区域をオフィスビルなどの館内を想定しこの館内への入口付近に設置されたゲート装置と通過するための処理として説明をしたがこれに限られるものではない。例えば、ホテルサービスにおいて、ユーザがチェックイン手続きを行うタイミングで、ユーザの情報端末装置の表示画面に表示されたコード情報が読み取られ、上記実施の形態で示された同様の判定処理により、ユーザが特定区域(ホテルの客室)へ入場することの可否を判定する態様に適用することができる。この場合、入場可能と判定された場合には、ユーザはチェックインが可能となり客室への入室が許容される。
【符号の説明】
【0053】
1 情報処理システム
2 外部サーバ
100 情報端末装置
110 取得部
120 記憶部
130 出力部
200 入場管理装置
210 読取部
220 記憶部
230 照合部
240 判定部
250 指令部
260 発行部
300 検温装置
400 ゲート装置