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▶ 遠藤 豊道の特許一覧

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  • 特開-表面凹凸状壁構造 図1
  • 特開-表面凹凸状壁構造 図2
  • 特開-表面凹凸状壁構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004502
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】表面凹凸状壁構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20230110BHJP
   E04F 13/14 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
E04F13/08 E
E04F13/08 A
E04F13/14 103A
E04F13/08 H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106203
(22)【出願日】2021-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】513131660
【氏名又は名称】遠藤 豊道
(74)【代理人】
【識別番号】100097629
【弁理士】
【氏名又は名称】竹村 壽
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 豊道
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA51
2E110AB04
2E110AB23
2E110BA03
2E110BB22
2E110CA04
2E110DA02
2E110DA08
2E110DC21
2E110GA32W
2E110GA33Y
2E110GA34X
2E110GB02W
2E110GB16Y
2E110GB24Y
2E110GB42W
2E110GB45W
(57)【要約】
【課題】凹凸のある表面に対して密着性が高く、しかも、磁性特性の高い内装フィルムを用いた壁構造を提供する。
【解決手段】建築物内部をリホームする際に、下地基材30上に形成されたタイル20の上に内装フィルム10を密着して被覆形成する。内装フィルム10は、合成樹脂(塩化ビニール)シート11の裏面にスチールシート13が接着されて磁気特性を有しているため洗面具等の物を載せるマグネットを吸着させることができる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏ボード、モルタルなどの下地基材上に配列したタイル列と、前記タイル列上に被覆形成された合成樹脂シートからなる内装フィルムとから構成され、前記内装フィルムには、前記合成樹脂シート裏面にスチールシートが接着されていることを特徴とする建築物の壁構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物内部をリホームするに際して、表面がタイルで構成される下地基材上に内装フィルムを施す壁構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、公共建築物、住宅、幼稚園、保育所等の建築物は、必要に応じて内部のリホームを行い、建築物の寿命を長くしている。リホームによって、建築物内部の壁面や床面などの表面を新しい内装材に張り替え、以前と異なる環境にすることが出来る。さらに、近年では、エレベータのような磁性材料から構成された壁面を有する建築物内部の構造物の表面にマグネットシートを取付けた表面部材を磁力により貼り付けて壁面を構成する施工方法が知られている。
【0003】
出願人は、先に、短時間に簡単に施工が出来るマグネットシートを用いた内装施工方法に係る発明について出願した(特許文献1参照)。これは、合成樹脂シートとマグネットシートとから構成された内装シート及び磁性材料から構成された下地シートを用意し、建築物内部の床面又は壁面の所定の領域の内装を施す領域を定め、これら内装を施す領域の表面上に形成された下地シート上に内装シートを磁力により取付ける方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-253849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のリホームでは、例えば、壁面を改修する場合、まず、古い壁紙を剥がして取り去り、下地を露出させる。そして、その上に壁面表面を保護する合成樹脂シートからなる内装表面材(以下、内装フィルムという)を粘着剤により貼り付けるという施工方法を通常用いている。表面がタイルで形成された壁構造では、タイル列を残したままで、その表面に内装フィルムを施してリホームする。
内装フィルムは、商業施設や住宅の壁面、天井、タイル壁、浴室、トイレなどの下地基材上に施される。しかし、露出した下地基材は必ずしも平坦ではない。壁面、天井、浴室等はフラットな面が主であるが、タイル壁は表面が凹凸であり、フラットではない。タイル壁の場合、石膏ボード、モルタルなどの下地基材上に接着剤を用いてタイルを並べて貼り付ける。タイル間の継ぎ目(目地)は、接着剤が上がって来ず、壁面表面は、凹凸になっている。
【0006】
内装フィルムは、このような凹凸のある表面に貼り付けても接着性が良くなく、密着させるのが困難であった。そこで、凹凸面でも密着性の良い製品が開発された。これは、合成樹脂シートの裏面に、アルミシートを貼り付けて内装フィルムの密着性を高めるものである(スリーエムジャパン株式会社製)。
【0007】
本発明は、このような事情によりなされたもので、凹凸のある表面に対して密着性が高く、しかも、磁性特性の高い内装フィルムを用いた壁構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の壁構造の一態様は、石膏ボード、モルタルなどの下地基材上に配列したタイル列と、前記タイル列上に被覆形成された合成樹脂シートからなる内装フィルムとから構成され、前記内装フィルムには、前記合成樹脂シート裏面にスチールシートが接着されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、建築物内部をリホームする場合に、下地基材上に形成されたタイルの上に内装フィルムを密着して被覆形成することが出来、更に、内装フィルムが磁気特性を有しているので、洗面具等の物を載せるマグネットを吸着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る内装表面材(内装フィルム)の斜視図。
図2】実施例1に係る内装フィルムをタイルが形成された下地基材上に貼り付ける施工方法を説明する平面図。
図3】実施例1に係る内装フィルムの密着性を説明する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施例を参照して発明の実施の形態を説明する。
【実施例0012】
この実施例の壁面構造は、図3に示すように、建築物内部の壁面を構成し、石膏ボード、モルタルなどの下地基材30と、下地基材30上に接着剤31によって接合された複数のタイル20と、複数のタイル20を被覆するように、下地基材30上に内装フィルム10を構成する接着剤層12により接合された内装フィルム10とからなる。
【0013】
図1に示すように、内装フィルム10は、前記下地基材に接着剤層12により接着されたスチールシート13と、このスチールシート13に接着された合成樹脂(塩化ビニール)シート11とから構成されている。内装フィルム10は、合成樹脂シート11の下面に形成された接着剤層(図示しない)をスチールシート13の表面に貼り付けて形成し、内装フィルム10は、スチールシート13の下面に形成された接着剤層12により、タイルを被覆し、下地基材上に貼り付けて固定する。スチールシート13は、0.4mm厚(0.3~0.5mm)が適当である。
【0014】
次に、図2及び図3を参照して、壁構造の形成方法を説明する。
建築物内部の壁面を構成する石膏ボード、モルタルなどの下地基材30上にはタイル20が形成されている(図3参照)。
タイル壁は表面が凹凸であり、フラットではない。タイル壁の場合、石膏ボード、モルタルなどの下地基材上に接着剤を用いてタイルを並べて貼り付ける。タイル間の継ぎ目(目地)は、接着剤が上がって来ず、壁面表面は凹凸になっている。
【0015】
図2には建築物の壁面に囲まれた1室の1つの壁面が示されている。壁面にはタイル20が形成されており、表面は、凹凸状になっている(図2(a))。まず、表面の汚れを落とし、次に、内装フィルム10を凹凸状の壁面表面に密着させて貼り付けて前記1室の壁を完成させる(図2(b))。
磁性を有する内装フィルムが、容易に建築物の所定領域の部屋に壁面を形成することが出来る。部屋の内装フィルム10が形成された壁面には、マグネットが吸着され、小物などを支持する容器が形成される。
【0016】
以上、本発明の内装シート及び下地基材を用いた施工方法によれば、短時間に簡単に施工が出来る。建築物内部をリホームする場合に、下地基材上に形成されたタイルの上に内装フィルムを密着して被覆形成することが出来、更に、内装フィルムが磁気特性を有しているので、洗面具等の物を載せるマグネットを吸着させることができる。
【符号の説明】
【0017】
10・・・内装表面材(内装フィルム)
11・・・合成樹脂シート
12・・・接着剤層
13・・・スチールシート
20・・・タイル
30・・・下地基材
31・・・接着剤

図1
図2
図3