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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045114
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】清掃装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 1/02 20060101AFI20230327BHJP
   A47L 11/38 20060101ALI20230327BHJP
   B08B 1/00 20060101ALI20230327BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A47L1/02
A47L11/38
B08B1/00
B08B3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153342
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000229689
【氏名又は名称】日本ビソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】松山 貞信
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA31
3B116AB54
3B116BA03
3B116BA23
3B116BA35
3B116BB21
3B116BB62
3B116BB72
3B201AA31
3B201AB54
3B201BA03
3B201BA23
3B201BA35
3B201BB21
3B201BB72
3B201CB01
(57)【要約】
【課題】清掃対象面の清掃性を高めることが可能となる、清掃装置を提供すること。
【解決手段】清掃装置1は、清掃対象面に対して清掃水を散水するための散水部10と、清掃対象面に付着した清掃水を拭きとるための第1スクイジゴム20と、散水部10によって散水された清掃水が飛散することを抑制しながら、第1スクイジゴム20によって拭きとられた清掃水を回収するための第2スクイジゴム30と、第2スクイジゴム30によって回収された清掃水を吸引するための吸引部50と、第1スクイジゴム20と第2スクイジゴム30との相互間において散水部10の散水側水路11及び吸引部50の吸引側水路51の各々と連通するように設けられた中空空間部80であり、散水部10による清掃水の散水及び吸引部50による清掃水の吸引を補助する中空空間部80と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上下方向に略沿った清掃対象面を清掃するための清掃装置であって、
前記清掃対象面に対して清掃水を散水するための散水手段であり、前記清掃対象面側から反対側に至るように設けられた散水側水路を有する散水手段と、
前記清掃対象面に付着した前記清掃水を拭きとるための第1スクイジゴムと、
前記第1スクイジゴムと間隔を隔てて設けられ、且つスペーサを介して前記第1スクイジゴムと接続された第2スクイジゴムであり、前記散水手段によって散水された前記清掃水が飛散することを抑制しながら、前記第1スクイジゴムによって拭きとられた前記清掃水を回収するための第2スクイジゴムと、
前記第2スクイジゴムによって回収された前記清掃水を吸引するための吸引手段であり、前記散水手段よりも下方に位置し、且つ前記清掃対象面側から反対側に至るように設けられた吸引側水路を有する吸引手段と、
前記第1スクイジゴムと前記第2スクイジゴムとの相互間において前記散水側水路及び前記吸引側水路の各々と連通するように設けられた中空空間部であり、前記散水手段による前記清掃水の散水、又は/及び前記吸引手段による前記清掃水の吸引を補助する中空空間部と、
を備える清掃装置。
【請求項2】
前記散水側水路の幅又は/及び前記吸引側水路の幅を、当該清掃装置の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭くした、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記第2スクイジゴムの厚さを、前記第1スクイジゴムの厚さよりも薄くした、
請求項1又は2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記第1スクイジゴム及び前記第2スクイジゴムが前記清掃対象面に対して押圧された際に、前記第1スクイジゴム及び前記第2スクイジゴムの曲がりを抑制するための抑制手段を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記吸引手段は、
前記第2スクイジゴムの前記清掃対象面側に1つ以上設けられる第1吸引口であり、前記清掃水を吸引するための第1吸引口、又は/及び
少なくとも当該清掃装置の下端部に設けられる第2吸引口であり、前記清掃水を吸引するための第2吸引口を備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の清掃装置。
【請求項6】
当該清掃装置が上下反転して使用される際に、前記散水手段が前記吸引手段として機能し、且つ前記吸引手段が前記散水手段として機能するように、前記散水手段及び前記吸引手段を構成した、
請求項1から5のいずれか一項に記載の清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高層ビルの窓ガラスを清掃するための技術の一つとして、一対のスクイジと、一対のスクイジ間に設けられた肉厚なスポンジとを窓ガラスへ押し当て、給水パイプから洗浄液をスポンジを介して給水しながら、一対のスクイジ及びスポンジを水平方向へ摺動させると共に、一対のスクイジによって掻き集められた汚水をスポンジを介して吸引パイプで吸引する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-329067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術においては、上述したように、給水パイプから洗浄液をスポンジを介して給水すると共に、汚水をスポンジを介して吸引パイプで吸引するので、洗浄液の吸水又は汚水の吸引がスポンジによって阻害されることにより、洗浄液の吸水又は汚水の吸引を効果的に行うことが難しくなるおそれがあった。具体的には、洗浄液又は汚水が一対のスクイジの下端部より窓ガラスを伝って滴り落ちることで、洗浄液又は汚水の拭き残しが生じるおそれがあった。よって、窓ガラスの如き清掃対象面の清掃性を高める観点からは、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、清掃対象面の清掃性を高めることが可能となる、清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の清掃装置は、少なくとも上下方向に略沿った清掃対象面を清掃するための清掃装置であって、前記清掃対象面に対して清掃水を散水するための散水手段であり、前記清掃対象面側から反対側に至るように設けられた散水側水路を有する散水手段と、前記清掃対象面に付着した前記清掃水を拭きとるための第1スクイジゴムと、前記第1スクイジゴムと間隔を隔てて設けられ、且つスペーサを介して前記第1スクイジゴムと接続された第2スクイジゴムであり、前記散水手段によって散水された前記清掃水が飛散することを抑制しながら、前記第1スクイジゴムによって拭きとられた前記清掃水を回収するための第2スクイジゴムと、前記第2スクイジゴムによって回収された前記清掃水を吸引するための吸引手段であり、前記散水手段よりも下方に位置し、且つ前記清掃対象面側から反対側に至るように設けられた吸引側水路を有する吸引手段と、前記第1スクイジゴムと前記第2スクイジゴムとの相互間において前記散水側水路及び前記吸引側水路の各々と連通するように設けられた中空空間部であり、前記散水手段による前記清掃水の散水、又は/及び前記吸引手段による前記清掃水の吸引を補助する中空空間部と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の清掃装置は、請求項1に記載の清掃装置において、前記散水側水路の幅又は/及び前記吸引側水路の幅を、当該清掃装置の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭くした。
【0008】
請求項3に記載の清掃装置は、請求項1又は2に記載の清掃装置において、前記第2スクイジゴムの厚さを、前記第1スクイジゴムの厚さよりも薄くした。
【0009】
請求項4に記載の清掃装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の清掃装置において、前記第1スクイジゴム及び前記第2スクイジゴムが前記清掃対象面に対して押圧された際に、前記第1スクイジゴム及び前記第2スクイジゴムの曲がりを抑制するための抑制手段を備える。
【0010】
請求項5に記載の清掃装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の清掃装置において、前記吸引手段は、前記第2スクイジゴムの前記清掃対象面側に1つ以上設けられる第1吸引口であり、前記清掃水を吸引するための第1吸引口、又は/及び少なくとも当該清掃装置の下端部に設けられる第2吸引口であり、前記清掃水を吸引するための第2吸引口を備える。
【0011】
請求項6に記載の清掃装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載の清掃装置において、当該清掃装置が上下反転して使用される際に、前記散水手段が前記吸引手段として機能し、且つ前記吸引手段が前記散水手段として機能するように、前記散水手段及び前記吸引手段を構成した。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の清掃装置によれば、第1スクイジゴムと第2スクイジゴムとの相互間において散水側水路及び吸引側水路の各々と連通するように設けられた中空空間部であり、散水手段による清掃水の散水、又は/及び吸引手段による清掃水の吸引を補助する中空空間部と、を備えるので、従来技術(一対のスクイジの間に設けられた肉厚なスポンジを介して洗浄液の給水や汚水の吸引を行う技術)に比べて、散水手段による清掃水の散水、又は/及び吸引手段による清掃水の吸引を効果的に行うことができ、清掃装置の清掃性(例えば、清掃水の拭き残しを抑制すること等)を高めることができる。
【0013】
請求項2に記載の清掃装置によれば、散水側水路の幅又は/及び吸引側水路の幅を、当該清掃装置の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭くしたので、清掃水の散水力及び吸引力を高めることができ、清掃装置の清掃性を一層高めることができる。
【0014】
請求項3に記載の清掃装置によれば、第2スクイジゴムの厚さを、第1スクイジゴムの厚さよりも薄くしたので、第2スクイジゴムの厚さを、第1スクイジゴムの厚さよりも厚くした場合に比べて、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムが清掃対象面に対して押圧された際に、中空空間部の幅を確保しやすくなることから、吸引手段による清掃水の吸引を補助しやすくなるため、清掃水の吸引力を確保しやすくなる。また、第2スクイジゴムを清掃対象面に対して押圧した際の清掃対象面への負荷を比較的低減でき、第2スクイジゴムによる清掃対象面の損傷の発生を回避しやすくなる。
【0015】
請求項4に記載の清掃装置によれば、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムが清掃対象面に対して押圧された際に、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムの曲がりを抑制するための抑制手段を備えるので、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムが清掃対象面に対して押圧された際に、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムの曲がりを抑制でき、清掃装置の使用性を確保しやすくなる。
【0016】
請求項5に記載の清掃装置によれば、吸引手段は、第2スクイジゴムの清掃対象面側に1つ以上設けられる第1吸引口であり、清掃水を吸引するための第1吸引口、又は/及び少なくとも当該清掃装置の下端部に設けられる第2吸引口であり、清掃水を吸引するための第2吸引口を備えるので、第2スクイジゴムによって回収された清掃水を効果的に吸引でき、清掃水の吸引漏れを抑制できる。
【0017】
請求項6に記載の清掃装置によれば、当該清掃装置が上下反転して使用される際に、散水手段が吸引手段として機能し、且つ吸引手段が散水手段として機能するように、散水手段及び吸引手段を構成したので、清掃装置を上下反転しても使用でき、清掃装置の使用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る清掃装置の正面図である。
図2図1の平面図である(一部図示省略)。
図3図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。
図4図1のB-B矢視断面図である(一部図示省略)。
図5図2のC-C矢視断面図である。
図6図3のD-D矢視断面図である。
図7】清掃装置の使用状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る清掃装置の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、少なくとも上下方向に略沿った清掃対象面を清掃するための清掃装置に関するものである。
【0021】
ここで、「清掃対象面」とは、構造物の面(例えば、壁面、ガラス面等)のうち、清掃される対象となる面を意味し、例えば、構造物の外面又は内面のうち、上下方向に略沿った外面又は内面、傾斜した外面又は内面等を含む概念であるが、実施の形態では、構造物の外面のうち、上下方向に略沿ったガラス面として説明する。
【0022】
また、「構造物」の具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、オフィスビル、商業施設、公共施設、及びアパートやマンションの如き集合住宅等の建築構造物や、橋梁、トンネル、ダム等の土木構造物を含む概念であるが、実施の形態では、オフィスビルとして説明する。
【0023】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0024】
(構成)
最初に、実施の形態に係る清掃装置の構成について説明する。
【0025】
以下の説明では、図1のX方向を清掃装置の左右方向(-X方向を清掃装置の左方向、+X方向を清掃装置の右方向)、図2のY方向を清掃装置の前後方向(+Y方向を清掃装置の前方向、-Y方向を清掃装置の後方向)、図1のZ方向を清掃装置の上下方向(+Z方向を清掃装置の上方向、-Z方向を清掃装置の下方向)と称する。
【0026】
清掃装置1は、図7の清掃対象面SC(具体的には、構造物のガラス面)を清掃するための装置である。この清掃装置1は、図示しない清掃用ゴンドラに設けられた移動部(図示省略)に対して取り付けられており、図1から図3に示すように、散水部10、第1スクイジゴム20、第2スクイジゴム30、スペーサ40、吸引部50、抑制部60、及びカバー部70を備えている。
【0027】
ここで、「移動部」は、上記清掃用ゴンドラに設けられたフレーム部(図示省略)に対して、清掃装置1を水平方向に略沿って移動させる移動手段であり、例えば公知の多関節ロボットや公知の移動装置を用いて構成されており、上記フレーム部に対して摺動部材(図示省略)を介して水平方向(具体的には、清掃対象面SCに略沿った水平方向)に略沿って移動可能に設置されている。
【0028】
(構成-散水部)
図1に戻り、散水部10は、清掃対象面SCに対して清掃水(図示省略)を散水するための散水手段である。この散水部10は、図1に示すように、清掃装置1の上方側に設けられており、散水側水路11及び散水側接続部12を備えている。
【0029】
ここで、「清掃水」とは、清掃対象面SCを清掃するための水であり、例えば、水道水、又は水道水に洗剤を混ぜたもの等が該当する。
【0030】
(構成-散水部-散水側水路)
散水側水路11は、清掃水を清掃対象面SC側に向けて流すための水路である。この散水側水路11は、後述の散水側スペーサ41及び後述の中央スペーサ43によって形成された空間部であり、清掃対象面SC側から反対側に至るように設けられており、具体的には、図1に示すように、清掃対象面SC側(図1では、右側)に向かうにつれて下方に至るように傾斜して設けられている。
【0031】
(構成-散水部-散水側接続部)
散水側接続部12は、散水側水路11と散水用ホース13(図1では、想像線で示す)とを接続するための散水側接続手段である。この散水側接続部12は、例えば略筒状である公知のホース用接続具を用いて構成され、図1に示すように、散水側水路11よりも清掃対象面SC側とは反対側(図1では左側)に設けられている。具体的には、図5に示すように、散水側接続部12と散水側水路11とが連通するように散水側接続部12と隣接して設けられている。
【0032】
ここで、「散水用ホース13」とは、供給装置(図示省略)から供給される清掃水を散水側水路11に送るためのホースであり、例えば公知のホースを用いて構成されている。
【0033】
なお、散水部10の構成の詳細については後述する。
【0034】
(構成-第1スクイジゴム)
図2に戻り、第1スクイジゴム20は、清掃対象面SCに付着した清掃水を拭きとるためのスクイジゴムである。この第1スクイジゴム20は、例えば長尺な公知の清掃用スクイジゴムで構成されており、図2図3に示すように、散水側水路11よりも前方側において、当該第1スクイジゴム20の長手方向が上下方向に略沿うように設けられている。
【0035】
また、第1スクイジゴム20の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0036】
すなわち、第1スクイジゴム20の正面形状については、略長方形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略楕円形状等に設定してもよい。
【0037】
また、第1スクイジゴム20の左右方向の長さについては、散水側水路11の左右方向の長さよりも長く設定している。
【0038】
また、第1スクイジゴム20の上下方向の長さについては、清掃対象面SCの大きさに応じた長さに設定しており、例えば、清掃装置1の上下方向の長さと略同一に設定してもよい。
【0039】
また、第1スクイジゴム20の厚さ(図2では、前後方向の長さ)については、所望の耐圧性を有する厚さに設定している。
【0040】
なお、第1スクイジゴム20の構成の詳細については後述する。
【0041】
(構成-第2スクイジゴム)
第2スクイジゴム30は、散水部10によって散水された清掃水が飛散することを抑制しながら、第1スクイジゴム20によって拭きとられた清掃水を回収するためのスクイジゴムである。この第2スクイジゴム30は、例えば長尺な公知の清掃用スクイジゴムで構成され、第1スクイジゴム20と間隔を隔てて設けられている。具体的には、図2図3に示すように、散水側水路11よりも後方側において、当該第2スクイジゴム30の長手方向が上下方向に略沿うように設けられている。
【0042】
また、第2スクイジゴム30の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0043】
すなわち、第2スクイジゴム30の正面形状については、略長方形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略楕円形状等に設定してもよい。
【0044】
また、第2スクイジゴム30の左右方向の長さについては、散水側水路11の左右方向の長さよりも長く設定しており、例えば、第1スクイジゴム20の左右方向の長さよりも短く(又は、第1スクイジゴム20の左右方向の長さ以上の長さ)に設定してもよい。
【0045】
また、第2スクイジゴム30の上下方向の長さについては、清掃対象面SCの大きさに応じた長さに設定しており、例えば、第2スクイジゴム30の上下方向の長さと略同一に設定してもよい。
【0046】
また、第2スクイジゴム30の厚さ(図2では、前後方向の長さ)については、所望の耐圧性を有する厚さに設定している。
【0047】
なお、第2スクイジゴム30の構成の詳細については後述する。
【0048】
(構成-スペーサ)
図1に戻り、スペーサ40は、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30を支持するものであり、散水側水路11、吸引側水路51、及び後述の中空空間部80を形成するためのものである。このスペーサ40は、例えばゴム製のスペーサ材を用いて構成されており、図1図3に示すように、第1スクイジゴム20と第2スクイジゴム30との相互間の隙間G(例えば、1mmから2mm程度の隙間G)において、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30の各々と当接するように設けられ、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30に対して接着剤等によって接続されている。
【0049】
また、図1に示すように、スペーサ40は、散水側スペーサ41、吸引側スペーサ42、及び中央スペーサ43を備えている。
【0050】
(構成-スペーサ-散水側スペーサ)
散水側スペーサ41は、散水部10側に設けられており、具体的には、図4図5に示すように、上記隙間Gの上端部に設けられている。
【0051】
また、散水側スペーサ41の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0052】
すなわち、散水側スペーサ41の正面形状については、略四角形状に設定している。
【0053】
また、散水側スペーサ41の左右方向の長さについては、散水側水路11の左右方向の長さと略同一に設定している。
【0054】
また、散水側スペーサ41の上下方向の長さについては、散水側水路11の上下方向の長さよりも短く設定している。
【0055】
また、散水側スペーサ41の厚さ(図4では、前後方向の長さ)については、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30を支持可能であり、且つ清掃対象面SCにおいて清掃水の拭き残しが生じることを抑制可能な厚さに設定している。
【0056】
(構成-スペーサ-吸引側スペーサ)
図1に戻り、吸引側スペーサ42は、吸引部50側に設けられており、具体的には、図1に示すように、上記隙間Gの下端部に設けられている。
【0057】
また、吸引側スペーサ42の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、散水側スペーサ41の形状及び大きさと略同一に設定している。
【0058】
(構成-スペーサ-中央スペーサ)
中央スペーサ43は、散水側スペーサ41と吸引側スペーサ42との間に設けられており、具体的には、図1に示すように、上記隙間Gの上端部の近傍から下端部の近傍に至るように設けられている。
【0059】
また、中央スペーサ43の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0060】
すなわち、中央スペーサ43の正面形状については、略長方形に設定している。
【0061】
また、中央スペーサ43の左右方向の長さについては、散水側水路11の左右方向の長さと略同一に設定している。
【0062】
また、中央スペーサ43の上下方向の長さについては、散水側水路11の上下方向の長さよりも長く設定しており、具体的には、散水側スペーサ41(又は吸引側スペーサ42)の上下方向の長さよりも長く、且つ第1スクイジゴム20(又は第2スクイジゴム30)の上下方向の長さよりも短く設定している。
【0063】
また、中央スペーサ43の厚さ(図4では、前後方向の長さ)については、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30を支持可能であり、且つ清掃対象面SCにおいて清掃水の拭き残しが生じることを抑制可能な厚さに設定している。
【0064】
(構成-吸引部)
図1に戻り、吸引部50は、第2スクイジゴム30によって回収された清掃水を吸引するための吸引手段である。この吸引部50は、図1に示すように、清掃装置1の下方側に設けられており、吸引側水路51及び吸引側接続部52を備えている。
【0065】
(構成-吸引部-吸引側水路)
吸引側水路51は、清掃水を清掃対象面SC側とは反対側に向けて流すための水路である。この吸引側水路51は、吸引側スペーサ42及び中央スペーサ43によって形成された空間部であり、清掃対象面SC側から反対側に至るように設けられており、具体的には、図1図6に示すように、清掃対象面SC側(図1では、右側)に向かうにつれて上方に至るように傾斜して設けられている。
【0066】
(構成-吸引部-吸引側接続部)
吸引側接続部52は、吸引側水路51と吸引用ホース53(図1では、想像線で示す)とを接続するための吸引側接続手段である。この吸引側接続部52は、例えば略筒状である公知のホース用接続具を用いて構成され、図1に示すように、吸引側水路51よりも清掃対象面SC側とは反対側(図1では左側)に設けられており、具体的には、吸引側接続部52と吸引側水路51とが連通するように吸引側接続部52と隣接して設けられている。
【0067】
ここで、「吸引用ホース53」とは、吸引側水路51によって回収された清掃水を回収装置(図示省略)に送るためのホースであり、例えば公知のホースを用いて構成されている。
【0068】
なお、吸引部50の構成の詳細については後述する。
【0069】
(構成-抑制部)
抑制部60は、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30が清掃対象面SCに対して押圧された際に、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30の曲がりを抑制するための抑制手段であり、図1から図3に示すように、第1抑制部61及び第2抑制部62を備えている。
【0070】
(構成-抑制部-第1抑制部)
第1抑制部61は、第1スクイジゴム20の曲がりを抑制するためのものである。この第1抑制部61は、例えば長尺な樹脂製の板状体にて形成されており、第1スクイジゴム20の前面と直接当接するように設けられている。具体的には、図2図3に示すように、第1スクイジゴム20よりも前方側において、当該第1抑制部61の長手方向が上下方向に略沿うように設けられている。
【0071】
また、第1抑制部61の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0072】
すなわち、第1抑制部61の正面形状については、略長方形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略楕円形状等に設定してもよい。
【0073】
また、第1抑制部61の左右方向の長さについては、第1スクイジゴム20の左右方向の長さよりも短く設定している。
【0074】
また、第1抑制部61の上下方向の長さについては、第1スクイジゴム20の上下方向の長さと略同一に設定してもよい。
【0075】
また、第1抑制部61の厚さ(図2では、前後方向の長さ)については、第1スクイジゴム20の曲がりを抑制可能な厚さに設定しており、例えば、2mm程度に設定してもよい。
【0076】
(構成-抑制部-第2抑制部)
第2抑制部62は、第2スクイジゴム30の曲がりを抑制するためのものである。この第2抑制部62は、例えば長尺な樹脂製の板状体にて形成されており、第2スクイジゴム30の前面と直接当接するように設けられてもよい)。具体的には、図2図3に示すように、第2スクイジゴム30よりも後方側において、当該第2抑制部62の長手方向が上下方向に略沿うように設けられている。
【0077】
また、第2抑制部62の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、第1抑制部61の形状及び大きさと略同一に設定している。
【0078】
このような抑制部60により、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30が清掃対象面SCに対して押圧された際に、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30の曲がりを抑制でき、清掃装置1の使用性を確保しやすくなる。
【0079】
(構成-カバー部)
図1に戻り、カバー部70は、第1スクイジゴム20、第2スクイジゴム30、及び抑制部60を支持しながらカバーするためのカバー手段であり、図1から図3に示すように、第1カバー部71及び第2カバー部72を備えている。
【0080】
(構成-カバー部-第1カバー部)
第1カバー部71は、第1スクイジゴム20及び第1抑制部61の前面を覆うためのものである。この第1カバー部71は、例えば長尺な鋼製の板状体(一例として、ステンレス製の板状体)にて形成されており、パッキン材75を介して第1抑制部61の前面と間接的に当接するように設けられている(又は、第1抑制部61の前面と直接当接するように設けられてもよい)。具体的には、図2図3に示すように、第1抑制部61よりも前方側において、当該第1カバー部71の長手方向が上下方向に略沿うように設けられている。
【0081】
また、第1カバー部71の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0082】
すなわち、第1カバー部71の正面形状については、略長方形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略楕円形状等に設定してもよい。
【0083】
また、第1カバー部71の左右方向の長さについては、第1抑制部61の左右方向の長さよりも短く設定している。
【0084】
また、第1カバー部71の上下方向の長さについては、第1抑制部61の上下方向の長さと略同一に設定してもよい。
【0085】
また、第1カバー部71の厚さ(図2では、前後方向の長さ)については、第1スクイジゴム20、第2スクイジゴム30、及び抑制部60を支持可能な厚さに設定しており、例えば、1mm程度に設定してもよい。
【0086】
(構成-カバー部-第2カバー部)
第2カバー部72は、第2スクイジゴム30及び第2抑制部62を覆うためのものである。この第2カバー部72は、例えば長尺な鋼製の板状体(一例として、ステンレス製の板状体)にて形成されており、第2抑制部62の後面と直接当接するように設けられている(あるいは、パッキン材75を介して第2抑制部62の後面と間接的に当接するように設けられてもよい)。具体的には、図2図3に示すように、第2抑制部62よりも後方側において、当該第2カバー部72の長手方向が上下方向に略沿うように設けられている。
【0087】
また、第2カバー部72の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、第2抑制部62の形状及び大きさと略同一に設定している。
【0088】
また、カバー部70による第1スクイジゴム20、第2スクイジゴム30、及び抑制部60の支持方法については任意であるが、実施の形態では、接続部73を用いて、第1カバー部71、第1抑制部61、第1スクイジゴム20、中央スペーサ43、第2スクイジゴム30、第2抑制部62、及び第2カバー部72を接続することにより、支持している。
【0089】
具体的には、図2図5に示すように、接続部73は、第1カバー部71、第1抑制部61、第1スクイジゴム20、中央スペーサ43、第2スクイジゴム30、第2抑制部62、及び第2カバー部72の各々に形成された挿通孔73cに挿通する第1接続部73a(例えば、公知のクランプボルト等)と、第1接続部73aが挿通孔73cに挿通された挿通状態を保持する第2接続部73b(例えば、公知のナット等)とを備えており、当該挿通状態で第1接続部73aに対して第2接続部73b(例えば、公知のナット等)を接続することにより、支持している(すなわち、スペーサ40を介して第1スクイジゴム20と第2スクイジゴム30を接続することにより、支持している)。
【0090】
(構成-第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムの構成の詳細)
図1に戻り、次に、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30の構成の詳細について説明する。ただし、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0091】
まず、実施の形態では、図1から図3に示すように、第1スクイジゴム20と第2スクイジゴム30との相互間には、中空空間部80が設けられている。
【0092】
(構成-第1スクイジゴム及び第2スクイジゴム30の構成の詳細-中空空間部)
中空空間部80は、散水部10による清掃水の散水、又は/及び吸引部50による清掃水の吸引を補助するものである。
【0093】
ここで、「清掃水の散水、又は/及び清掃水の吸引を補助する」とは、例えば、清掃水の散水時に、清掃水が清掃対象面SCに直接あたるように清掃水を誘導しやすくすること、又は/及び、清掃水の吸引時に、第2スクイジゴム30によって回収された清掃水を吸引側水路51まで誘導しやすくすること等が該当する。
【0094】
この中空空間部80は、長尺な空間部であり、上記隙間G内において、散水側水路11及び吸引側水路51の各々と連通するように設けられている。具体的には、図1に示すように、中空空間部80は、散水側水路11及び吸引側水路51よりも清掃対象面SC側(図1では、右側)において、中空空間部80の長手方向が上下方向に略沿うように配置されている。また、中空空間部80の上端部が散水側水路11の清掃対象面SC側の端部と接続され、且つ中空空間部80の下端部が吸引側水路51の清掃対象面SC側の端部と接続されている。
【0095】
また、中空空間部80の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0096】
すなわち、中空空間部80の正面形状については、略長方形状に設定している。
【0097】
また、中空空間部80の左右方向の長さについては、散水側水路11(又は吸引側水路51)の左右方向の長さよりも短く設定しており、例えば、9mm程度に設定してもよい。
【0098】
また、中空空間部80の前後方向の長さについては、散水部10による清掃水の散水及び吸引部50による清掃水の吸引を補助可能な長さに設定している。具体的には、散水側水路11(又は吸引側水路51)の前後方向の長さと略同一(又はそれよりも長く)設定しており、例えば、1mmから2mm程度に設定してもよい。
【0099】
また、中空空間部80の上下方向の長さについては、第1スクイジゴム20(又は第2スクイジゴム30)の上下方向の長さと略同一に設定している。
【0100】
このような中空空間部80により、従来技術(一対のスクイジの間に設けられた肉厚なスポンジを介して洗浄液の給水や汚水の吸引を行う技術)に比べて、散水部10による清掃水の散水、及び吸引部50による清掃水の吸引を効果的に行うことができ、清掃装置1の清掃性(例えば、清掃水の拭き残しを抑制すること等)を高めることができる。
【0101】
また、実施の形態では、図2から図4に示すように、第2スクイジゴム30の厚さは、第1スクイジゴム20の厚さよりも薄く設定されている。
【0102】
例えば、第1スクイジゴム20の厚さが2mm程度に設定されている場合には、第2スクイジゴム30の厚さは、1mm程度に設定されてもよい。
【0103】
これにより、第2スクイジゴム30の厚さを、第1スクイジゴム20の厚さよりも厚くした場合に比べて、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30が清掃対象面SCに対して押圧された際に、中空空間部80の幅(図2では、前後方向の長さ)を確保しやすくなることから、吸引部50による清掃水の吸引を補助しやすくなるため、清掃水の吸引力を確保しやすくなる。また、第2スクイジゴム30を清掃対象面SCに対して押圧した際の清掃対象面SCへの負荷を比較的低減でき、第2スクイジゴム30による清掃対象面SCの損傷の発生を回避しやすくなる。
【0104】
(構成-散水部及び吸引部の構成の詳細)
次に、散水部10及び吸引部50の構成の詳細について説明する。ただし、散水部10及び吸引部50は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0105】
まず、実施の形態では、散水側水路11の幅(図4では、前後方向の長さ)及び吸引側水路51の幅(図4では、前後方向の長さ)が、清掃装置1の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭く設定されている。
【0106】
具体的には、図4に示すように、散水側水路11の幅については、散水側水路11の上端部の幅が散水側水路11の下端部の幅よりも短く設定されている。例えば、散水側水路11の上端部の幅が2mmに設定され、散水側水路11の下端部の幅が1mmに設定されてもよい。また、吸引側水路51の幅については、吸引側水路51の下端部の幅が散水側水路11の上端部の幅よりも短く設定されている。例えば、吸引側水路51の上端部の幅が1mmに設定され、吸引側水路51の下端部の幅が2mmに設定されてもよい。
【0107】
この場合には、図4に示すように、散水側スペーサ41の厚さ(図4では、前後方向の長さ)は、中央スペーサ43の厚さ(図4では、前後方向の長さ)よりも厚く設定されると共に、吸引側スペーサ42の厚さ(図2では、前後方向の長さ)は、中央スペーサ43の厚さよりも厚く設定される。
【0108】
このような設定により、清掃水の散水力及び吸引力を高めることができ、清掃装置1の清掃性を一層高めることができる。
【0109】
図1に戻り、また、実施の形態では、図1図6に示すように、吸引部50は、第1吸引口54及び第2吸引口55を備えている。
【0110】
このうち、第1吸引口54は、清掃水を吸引するための開口であり、第2スクイジゴム30の清掃対象面SC側(図6では、右側)に1つ以上設けられている。具体的には、図6に示すように、第2スクイジゴム30の清掃対象面SC側の端部のうち下端部分及びその近傍部分を切り欠くことにより複数設けられている(図6では、複数の第1吸引口54が相互に間隔を隔てて上下方向に沿って並設されている)。
【0111】
また、第2吸引口55は、清掃水を吸引するための開口であり、少なくとも清掃装置1の下端部に設けられている。具体的には、図6に示すように、吸引側スペーサ42の下端部のうち清掃対象面SC側の部分を切り欠くことにより設けられている。
【0112】
このような第1吸引口54及び第2吸引口55により、第2スクイジゴム30によって回収された清掃水を効果的に吸引でき、清掃水の吸引漏れを抑制できる。
【0113】
図1に戻り、さらに、実施の形態では、清掃装置1が上下反転して使用される際に、散水部10が吸引部50として機能し、且つ吸引部50が散水部10として機能するように、散水部10及び吸引部50は構成されている。
【0114】
具体的には、図1図5図6に示すように、散水側水路11が図1の対称軸ASを回転軸として反転された際に、当該散水側水路11の位置、形状、及び大きさが、吸引側水路51の位置、形状、及び大きさと略一致するように、散水側水路11は構成されている。また、吸引側水路51が図1の対称軸ASを回転軸として反転された際に、当該吸引側水路51の位置、形状、及び大きさが、散水側水路11の位置、形状、及び大きさと略一致するように、吸引側水路51は構成されている。さらに、図5に示すように、散水部10は、第2スクイジゴム30の清掃対象面SC側の端部のうち上端部分及びその近傍部分を切り欠くことにより設けられる複数の第1吸引口54と、散水側スペーサ41の上端部のうち清掃対象面SC側の部分を切り欠くことにより設けられる第2吸引口55と、を備えている。
【0115】
なお、「対称軸AS」とは、実施の形態では、図1に示すように、第1スクイジゴム20(又は第2スクイジゴム30)の上下方向の中心点と重なるように位置する水平軸(図1では、左右方向に沿った水平軸)として説明する。
【0116】
このような構成により、清掃装置1を上下反転しても使用でき、清掃装置1の使用性を高めることができる。
【0117】
(清掃装置の作用について)
続いて、清掃用ゴンドラに設けられた移動部に取り付けられた清掃装置1の作用について説明する。
【0118】
すなわち、図7に示すように、清掃装置1の第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30の各々における清掃対象面SC側の端部が清掃対象面SCに対して押圧された状態で、散水部10による清掃水の散水及び吸引部50による清掃水の吸引が行われながら、移動部が水平方向(図7では、前後方向)に略沿って移動されることにより、清掃対象面SCが清掃される。
【0119】
この場合において、中空空間部80によって、散水部10による清掃水の散水が補助されると共に、吸引部50による清掃水の吸引が補助されることから、当該清掃水の散水、及び当該清掃水の吸引を効果的に行うことができる。
【0120】
また、第2スクイジゴム30の厚さが、第1スクイジゴム20の厚さよりも薄く設定されていると共に、吸引部50が第1吸引口54及び第2吸引口55を備えているので、吸引部50による清掃水の吸引を補助しやすくなる。
【0121】
さらに、散水側水路11の幅及び吸引側水路51の幅が、清掃装置1の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭く設定されているので、清掃水の散水力及び吸引力を高めることができる。
【0122】
以上のことから、清掃装置1の清掃性を高めることができ、例えば、清掃対象面SCにおいて清掃水の拭き残しが生じることを抑制することが可能となる。
【0123】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、第1スクイジゴム20と第2スクイジゴム30との相互間において散水側水路11及び吸引側水路51の各々と連通するように設けられた中空空間部80であり、散水部10による清掃水の散水及び吸引部50による清掃水の吸引を補助する中空空間部80と、を備えるので、従来技術(一対のスクイジの間に設けられた肉厚なスポンジを介して洗浄液の給水や汚水の吸引を行う技術)に比べて、散水部10による清掃水の散水及び吸引部50による清掃水の吸引を効果的に行うことができ、清掃装置1の清掃性(例えば、清掃水の拭き残しを抑制すること等)を高めることができる。
【0124】
また、散水側水路11の幅及び吸引側水路51の幅を、清掃装置1の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭くしたので、清掃水の散水力及び吸引力を高めることができ、清掃装置1の清掃性を一層高めることができる。
【0125】
また、第2スクイジゴム30の厚さを、第1スクイジゴム20の厚さよりも薄くしたので、第2スクイジゴム30の厚さを、第1スクイジゴム20の厚さよりも厚くした場合に比べて、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30が清掃対象面SCに対して押圧された際に、中空空間部80の幅を確保しやすくなることから、吸引部50による清掃水の吸引を補助しやすくなるため、清掃水の吸引力を確保しやすくなる。また、第2スクイジゴム30を清掃対象面SCに対して押圧した際の清掃対象面SCへの負荷を比較的低減でき、第2スクイジゴム30による清掃対象面SCの損傷の発生を回避しやすくなる。
【0126】
また、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30が清掃対象面SCに対して押圧された際に、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30の曲がりを抑制するための抑制部60を備えるので、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30が清掃対象面SCに対して押圧された際に、第1スクイジゴム20及び第2スクイジゴム30の曲がりを抑制でき、清掃装置1の使用性を確保しやすくなる。
【0127】
また、吸引部50は、第2スクイジゴム30の清掃対象面SC側に1つ以上設けられる第1吸引口54であり、清掃水を吸引するための第1吸引口54、及び少なくとも清掃装置1の下端部に設けられる第2吸引口55であり、清掃水を吸引するための第2吸引口55を備えるので、第2スクイジゴム30によって回収された清掃水を効果的に吸引でき、清掃水の吸引漏れを抑制できる。
【0128】
また、清掃装置1が上下反転して使用される際に、散水部10が吸引部50として機能し、且つ吸引部50が散水部10として機能するように、散水部10及び吸引部50を構成したので、清掃装置1を上下反転しても使用でき、清掃装置1の使用性を高めることができる。
【0129】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0130】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0131】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0132】
(清掃装置について)
上記実施の形態では、清掃装置1が、抑制部60、カバー部70、及びパッキン材75を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、抑制部60、カバー部70、又は/及びパッキン材75を省略してもよい。
【0133】
(散水部及び吸引部について)
上記実施の形態では、散水側水路11の幅及び吸引側水路51の幅が、清掃装置1の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭く設定されていると説明したが、これに限らず、例えば、散水側水路11の幅又は/及び吸引側水路51の幅が、均一に設定されてもよい。
【0134】
また、上記実施の形態では、散水部10及び吸引部50の各々が、第1吸引口54及び第2吸引口55を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第1吸引口54又は/及び第2吸引口55を省略してもよい。
【0135】
また、上記実施の形態では、清掃装置1が上下反転して使用される際に、散水部10が吸引部50として機能し、且つ吸引部50が散水部10として機能するように、散水部10及び吸引部50は構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、清掃装置1が上下反転して使用される際に、散水部10が吸引部50として機能せず、且つ吸引部50が散水部10として機能しないように、散水部10及び吸引部50が構成されてもよい。一例として、散水側水路11(又は吸引側水路51)が図1の対称軸ASを回転軸として反転された際に、当該散水側水路11の位置、形状、及び大きさが、吸引側水路51(又は散水側水路11)の位置、形状、及び大きさと略一致しないように、散水側水路11及び吸引側水路51が構成されてもよい。
【0136】
(第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムについて)
上記実施の形態では、第2スクイジゴム30の厚さが、第1スクイジゴム20の厚さよりも薄く設定されていると説明したが、これに限らず、例えば、第2スクイジゴム30の厚さが、第1スクイジゴム20の厚さと略同一又はそれよりも厚く設定されてもよい。
【0137】
(中空空間部について)
上記実施の形態では、中空空間部80が、散水部10による清掃水の散水及び吸引部50による清掃水の吸引を補助すると説明したが、これに限らない。例えば、散水部10による清掃水の散水又は吸引部50による清掃水の吸引のいずれか一方のみを補助してもよい。一例として、散水部10による清掃水の散水のみを補助する場合には、中空空間部80の上端部の前後方向の長さが、散水側水路11の前後方向の長さと略同一(又はそれよりも長く)設定され、中空空間部80の下端部の前後方向の長さが、吸引側水路51の前後方向の長さよりも短く設定されてもよい。
【0138】
(付記)
付記1の清掃装置は、少なくとも上下方向に略沿った清掃対象面を清掃するための清掃装置であって、前記清掃対象面に対して清掃水を散水するための散水手段であり、前記清掃対象面側から反対側に至るように設けられた散水側水路を有する散水手段と、前記清掃対象面に付着した前記清掃水を拭きとるための第1スクイジゴムと、前記第1スクイジゴムと間隔を隔てて設けられ、且つスペーサを介して前記第1スクイジゴムと接続された第2スクイジゴムであり、前記散水手段によって散水された前記清掃水が飛散することを抑制しながら、前記第1スクイジゴムによって拭きとられた前記清掃水を回収するための第2スクイジゴムと、前記第2スクイジゴムによって回収された前記清掃水を吸引するための吸引手段であり、前記散水手段よりも下方に位置し、且つ前記清掃対象面側から反対側に至るように設けられた吸引側水路を有する吸引手段と、前記第1スクイジゴムと前記第2スクイジゴムとの相互間において前記散水側水路及び前記吸引側水路の各々と連通するように設けられた中空空間部であり、前記散水手段による前記清掃水の散水、又は/及び前記吸引手段による前記清掃水の吸引を補助する中空空間部と、を備える。
【0139】
付記2の清掃装置は、付記1に記載の清掃装置において、前記散水側水路の幅又は/及び前記吸引側水路の幅を、当該清掃装置の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭くした。
【0140】
付記3の清掃装置は、付記1又は2に記載の清掃装置において、前記第2スクイジゴムの厚さを、前記第1スクイジゴムの厚さよりも薄くした。
【0141】
付記4の清掃装置は、付記1から3のいずれか一項に記載の清掃装置において、前記第1スクイジゴム及び前記第2スクイジゴムが前記清掃対象面に対して押圧された際に、前記第1スクイジゴム及び前記第2スクイジゴムの曲がりを抑制するための抑制手段を備える。
【0142】
付記5の清掃装置は、付記1から4のいずれか一項に記載の清掃装置において、前記吸引手段は、前記第2スクイジゴムの前記清掃対象面側に1つ以上設けられる第1吸引口であり、前記清掃水を吸引するための第1吸引口、又は/及び少なくとも当該清掃装置の下端部に設けられる第2吸引口であり、前記清掃水を吸引するための第2吸引口を備える。
【0143】
付記6の清掃装置は、付記1から5のいずれか一項に記載の清掃装置において、当該清掃装置が上下反転して使用される際に、前記散水手段が前記吸引手段として機能し、且つ前記吸引手段が前記散水手段として機能するように、前記散水手段及び前記吸引手段を構成した。
【0144】
(付記の効果)
付記1に記載の清掃装置によれば、第1スクイジゴムと第2スクイジゴムとの相互間において散水側水路及び吸引側水路の各々と連通するように設けられた中空空間部であり、散水手段による清掃水の散水、又は/及び吸引手段による清掃水の吸引を補助する中空空間部と、を備えるので、従来技術(一対のスクイジの間に設けられた肉厚なスポンジを介して洗浄液の給水や汚水の吸引を行う技術)に比べて、散水手段による清掃水の散水、又は/及び吸引手段による清掃水の吸引を効果的に行うことができ、清掃装置の清掃性(例えば、清掃水の拭き残しを抑制すること等)を高めることができる。
【0145】
付記2に記載の清掃装置によれば、散水側水路の幅又は/及び吸引側水路の幅を、当該清掃装置の上下方向の端部側から中央側に向かうにつれて狭くしたので、清掃水の散水力及び吸引力を高めることができ、清掃装置の清掃性を一層高めることができる。
【0146】
付記3に記載の清掃装置によれば、第2スクイジゴムの厚さを、第1スクイジゴムの厚さよりも薄くしたので、第2スクイジゴムの厚さを、第1スクイジゴムの厚さよりも厚くした場合に比べて、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムが清掃対象面に対して押圧された際に、中空空間部の幅を確保しやすくなることから、吸引手段による清掃水の吸引を補助しやすくなるため、清掃水の吸引力を確保しやすくなる。また、第2スクイジゴムを清掃対象面に対して押圧した際の清掃対象面への負荷を比較的低減でき、第2スクイジゴムによる清掃対象面の損傷の発生を回避しやすくなる。
【0147】
付記4に記載の清掃装置によれば、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムが清掃対象面に対して押圧された際に、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムの曲がりを抑制するための抑制手段を備えるので、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムが清掃対象面に対して押圧された際に、第1スクイジゴム及び第2スクイジゴムの曲がりを抑制でき、清掃装置の使用性を確保しやすくなる。
【0148】
付記5に記載の清掃装置によれば、吸引手段は、第2スクイジゴムの清掃対象面側に1つ以上設けられる第1吸引口であり、清掃水を吸引するための第1吸引口、又は/及び少なくとも当該清掃装置の下端部に設けられる第2吸引口であり、清掃水を吸引するための第2吸引口を備えるので、第2スクイジゴムによって回収された清掃水を効果的に吸引でき、清掃水の吸引漏れを抑制できる。
【0149】
付記6に記載の清掃装置によれば、当該清掃装置が上下反転して使用される際に、散水手段が吸引手段として機能し、且つ吸引手段が散水手段として機能するように、散水手段及び吸引手段を構成したので、清掃装置を上下反転しても使用でき、清掃装置の使用性を高めることができる。
【符号の説明】
【0150】
1 清掃装置
10 散水部
11 散水側水路
12 散水側接続部
13 散水用ホース
20 第1スクイジゴム
30 第2スクイジゴム
40 スペーサ
41 散水側スペーサ
42 吸引側スペーサ
43 中央スペーサ
50 吸引部
51 吸引側水路
52 吸引側接続部
53 吸引用ホース
54 第1吸引口
55 第2吸引口
60 抑制部
61 第1抑制部
62 第2抑制部
70 カバー部
71 第1カバー部
72 第2カバー部
73 接続部
73a 第1接続部
73b 第2接続部
73c 挿通孔
75 パッキン材
80 中空空間部
AS 対称軸
G 隙間
SC 清掃対象面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7