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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045116
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】用紙搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/00 20060101AFI20230327BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B65H5/00 B
B65H7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153345
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】川井 宗明
【テーマコード(参考)】
3F048
3F101
【Fターム(参考)】
3F048AB01
3F048BA10
3F048BB05
3F048DA06
3F048DC08
3F048DC12
3F048EB21
3F101AB06
3F101AB19
3F101LA01
3F101LB01
(57)【要約】
【課題】センサが用紙を検出する妨げとなる異物の堆積を抑制する。
【解決手段】駆動ローラ13が停止し用紙搬送経路R上で用紙が搬送されていないと、下段のラック22に連結された用紙検出センサ25が、上下の搬送ガイド11,12のセンサ用開口29,30から搬送方向Xに沿ってずれた位置に配置される。この位置では、用紙検出センサ25の上方に下搬送ガイド12のセンサ用開口30が存在しないので、用紙の非搬送時に、用紙搬送経路Rから落下した紙粉等の異物が用紙検出センサ25のセンサ面25aに堆積することが抑制される。下段のラック22が待機位置と移動限界位置との間を移動すると、用紙検出センサ25のセンサ面25aがクリーニングブラシ26のワイプによりクリーニングされる。このクリーニングにより、センサ面25aの汚れを落とし、用紙検出センサ25による用紙の誤検出を低減することができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動方向への回転により用紙搬送経路上で用紙を搬送方向に搬送する用紙搬送ローラと、
前記用紙搬送ローラに回転動力源からの前記駆動方向への回転力を、回転量分伝達する動力伝達部と、
前記動力伝達部が前記駆動方向に回転することで、前記搬送方向に沿って互いに逆向きに移動する上段及び下段ラックと、
前記下段ラックに取り付けられ前記用紙搬送経路上の用紙を検出する用紙センサと、
前記下段ラックの前記移動に基づいて、前記用紙センサのセンサ面をクリーニングするクリーニングブラシと、
前記上段ラックの前記移動に基づいて、前記クリーニングブラシを梳いてクリーニングする櫛歯ブレードと、
前記櫛歯ブレードのクリーニングによる除去物を回収する回収ダクトと、
を備える用紙搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の用紙搬送経路において、用紙有無を検知するセンサに紙粉等の汚れが付着するとセンサから発せられる光が遮られるため正常な検知が出来なくなり誤検知となる。特許文献1では、センサの検出面を覆う透明シートを無端ベルト状として回転させ、検出面からずれた位置で、透明シートの表面をブラシで掃いて、透明シート上の紙粉を取り除く構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-343787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、透明シートの表面をブラシが掃くことで透明シートが帯電し、透明シート自身が印刷機内を浮遊する紙粉を静電気で引き寄せて堆積させてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、センサが用紙を検出する妨げとなる異物の堆積を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一つの態様による用紙搬送装置は、
駆動方向への回転により用紙搬送経路上で用紙を搬送方向に搬送する用紙搬送ローラと、
前記用紙搬送ローラに回転動力源からの前記駆動方向への回転力を、回転量分伝達する動力伝達部と、
前記動力伝達部が前記駆動方向に回転することで、前記搬送方向に沿って互いに逆向きに移動する上段及び下段ラックと、
前記下段ラックに取り付けられ前記用紙搬送経路上の用紙を検出する用紙センサと、
前記下段ラックの前記移動に基づいて、前記用紙センサのセンサ面をクリーニングするクリーニングブラシと、
前記上段ラックの前記移動に基づいて、前記クリーニングブラシを梳いてクリーニングする櫛歯ブレードと、
前記櫛歯ブレードのクリーニングによる除去物を回収する回収ダクトと、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、センサが用紙を検出する妨げとなる異物の堆積を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、本発明の実施形態に係る用紙搬送装置の概略構成を示す正面図である。
図1B図1Bは、図1Aの用紙搬送装置の下方から見た斜視図である。
図1C図1Cは、図1Aの用紙搬送装置の上方から見た斜視図である。
図1D図1Dは、図1Aの上段及び下段のラックが待機位置にあるときの用紙搬送装置の要部を上方から見た斜視図である。
図2図2は、図1Aの上段及び下段のラックが待機位置と移動限界位置との中間位置にあるときの用紙搬送装置の正面図である。
図3A図3Aは、図1Aの上段及び下段のラックが移動限界位置にあるときの用紙搬送装置の正面図である。
図3B図3Bは、図1Aの上段及び下段のラックが移動限界位置にあるときの用紙搬送装置の上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
図1Aに示す本実施形態の用紙搬送装置1は、例えば、不図示の画像形成装置において、印刷部に用紙をするのに用いることができる。印刷部は、例えば、インクジェット方式、電子写真方式、孔版印刷方式等、公知の種々の方式によるものを用いることができる。
【0012】
用紙搬送装置1は、搬送する用紙(図示せず)をガイドする上下の搬送ガイド11,12と、両搬送ガイド11,12間の用紙をニップして搬送方向Xに搬送する駆動ローラ13及び従動ローラ14とを有している。用紙搬送装置1は、駆動ローラ13の回転が伝達されるトルクリミッタ15及びピニオンギア16を有している。
【0013】
図1Bに示すように、駆動ローラ13は2つある。両駆動ローラ13,13は、共通の回転軸17に取り付けられている。両駆動ローラ13,13及び回転軸17は、下搬送ガイド12の下方に配置されている。両駆動ローラ13,13は、不図示の駆動源から回転軸17に伝達される回転力により回転する。
【0014】
下搬送ガイド12は、2つのローラ用開口部18,18を有している。各ローラ用開口部18には各駆動ローラ13の一部がそれぞれ挿入されている。各ローラ用開口部18に挿入された各駆動ローラ13の一部は、図1Aに示すように、上下の搬送ガイド11,12間の用紙搬送経路R上に進出している。
【0015】
図1Cに示すように、従動ローラ14は2つある。両従動ローラ14,14は、共通の回転軸19に取り付けられている。両従動ローラ14,14及び回転軸19は、上搬送ガイド11の上方に配置されている。
【0016】
上搬送ガイド11は、2つのローラ用開口部20,20を有している。各ローラ用開口部20には各従動ローラ14の一部がそれぞれ挿入されている。各ローラ用開口部20に挿入された各従動ローラ14の一部は、図1Aに示すように、用紙搬送経路R上に進出している。各従動ローラ14は、対応する各駆動ローラ13に所定のニップ圧で圧接されており、各駆動ローラ13の回転に従動して回転する。
【0017】
トルクリミッタ15は、設定トルク内の回転力を駆動ローラ13からピニオンギア16に伝達する。ピニオンギア16は、トルクリミッタ15を介して駆動ローラ13から伝わる回転力により、駆動ローラ13と同じ方向に回転する。
【0018】
用紙搬送装置1は、ピニオンギア16に噛合された上段及び下段の2つのラック21,22と、各ラック21,22を付勢する上段及び下段の2つの戻しバネ23,24とをさらに有している。
【0019】
上段のラック21は、図1Bに示すガイドレール21aにより、搬送方向Xに沿って移動可能に支持されている。ピニオンギア16が、用紙を搬送方向Xに搬送する駆動方向Aに回転すると、上段のラック21は、搬送方向Xにおけるガイドレール21aの上流側のストッパ21bに当接する待機位置から下流側のストッパ21cに当接する移動限界位置に向けて移動する。
【0020】
下段のラック22は、ガイドレール22aにより、搬送方向Xに沿って移動可能に支持されている。ピニオンギア16が駆動方向Aに回転すると、下段のラック22は、搬送方向Xにおけるガイドレール22aの下流側のストッパ22bに当接する待機位置から上流側のストッパ22cに当接する移動限界位置に向けて移動する。
【0021】
上段の戻しバネ23は、上段のラック21に接続されている。上段の戻しバネ23は、上段のラック21を、移動限界位置から待機位置に向かう戻し方向に付勢する。駆動ローラ13及びピニオンギア16が駆動方向Aに回転していない状態では、上段のラック21は、上段の戻しバネ23の付勢力により、ガイドレール21aのストッパ21bに当接する待機位置に配置される。
【0022】
下段の戻しバネ24は、下段のラック22に接続されている。下段の戻しバネ24は、下段のラック22を、移動限界位置から待機位置に向かう戻し方向に付勢する。駆動ローラ13及びピニオンギア16が駆動方向Aに回転していない状態では、下段のラック22は、下段の戻しバネ24の付勢力により、ガイドレール22aのストッパ22bに当接する待機位置に配置される。
【0023】
駆動ローラ13が駆動方向Aに回転して、ピニオンギア16が駆動方向Aに回転すると、上段及び下段のラック21,22が、待機位置から移動限界位置に移動してストッパ21b,22bに当接し、移動限界位置から先に動けなくなる。上段及び下段のラック21,22が移動限界位置から先に動けなくなると、その後に駆動ローラ13が駆動方向Aに回転し続けた際に、駆動ローラ13からトルクリミッタ15に加わる回転トルクが設定トルクを上回る。
【0024】
上段及び下段のラック21,22が移動限界位置に達した後、駆動ローラ13が駆動方向Aに回転し続けても、駆動ローラ13の回転はピニオンギア16に伝わらず、上段及び下段のラック21,22は移動限界位置で停止したままとなる。
【0025】
図1Aの用紙搬送装置1は、また、下段のラック22に連結された用紙検出センサ25と、下搬送ガイド12に取り付けられたクリーニングブラシ26とを有している。用紙搬送装置1は、さらに、上段のラック21に連結された櫛歯プレート27と、下段のラック22に連結された回収ダクト28とを有している。
【0026】
用紙検出センサ25は、例えば、用紙搬送経路Rに向けて照射した検出波により、用紙搬送経路R上の用紙の有無を検出する。用紙検出センサ25は、例えば、反射型の光学センサで構成することができる。用紙検出センサ25は、例えば、透過型の光学センサの発光部又は受光部であってもよい。用紙検出センサ25を透過型の光学センサとする場合、用紙検出センサ25と対をなす透過型の光学センサの受光部又は発光部が、上下の搬送ガイド11,12を挟んで用紙検出センサ25と対向する位置に配置される。光学式ではない例えば超音波式の非接触センサを用いて、用紙検出センサ25を構成してもよい。
【0027】
図1Cに示すように、上搬送ガイド11は、センサ用開口29を有している。センサ用開口29は、下段のラック22が移動限界位置にあるときに、図1Aの用紙検出センサ25のセンサ面25aに対向する位置に形成されている。下搬送ガイド12も、センサ用開口30を有している。センサ用開口30は、下段のラック22が移動限界位置にあるときに、用紙検出センサ25のセンサ面25aに対向する位置に形成されている。
【0028】
下搬送ガイド12のセンサ用開口30は、用紙検出センサ25の検出波を用紙搬送経路Rに到達させるために形成されている。上搬送ガイド11のセンサ用開口29は、用紙搬送経路Rのセンサ用開口30の位置を通過する用紙が存在しないときに、用紙検出センサ25の検出波を上搬送ガイド11が反射して、用紙検出センサ25が用紙を誤検出するのを防ぐために形成されている。
【0029】
クリーニングブラシ26は、ピニオンギア16の回転による下段のラック22の待機位置及び移動限界位置間の移動中に、図2に示すように、下段のラック22と共に移動する用紙検出センサ25のセンサ面25aをワイプしてクリーニングする。このクリーニングにより、センサ面25aに付着した紙粉等の異物をセンサ面25aから除去することができる。除去された異物は、クリーニングブラシ26がワイプした領域の外に掃き出され、あるいは、センサ面25aからクリーニングブラシ26に転移してクリーニングブラシ26に付着する。
【0030】
図1Dに示すように、櫛歯プレート27は、ステー27aにより上段のラック21に連結されている。上段のラック21が待機位置から移動限界位置に移動すると、図3A及び図3Bに示すように、櫛歯プレート27は、用紙検出センサ25のセンサ面25aをワイプしクリーニングした後のクリーニングブラシ26を梳いてクリーニングする。櫛歯プレート27は、紙粉等が付着しにくいフッ素系樹脂又は帯電防止材料を素材として形成してもよい。
【0031】
櫛歯プレート27がクリーニングブラシ26をクリーニングする位置では、図3Aに示すように、ステー27aが用紙検出センサ25のセンサ面25aの上方に位置する。ステー27aには、図3Bに示すように、センサ用開口27bが形成されている。
【0032】
センサ用開口27bは、上段のラック21が移動限界位置にあるときに、図3Aに示す上下の搬送ガイド11,12のセンサ用開口29,30と用紙検出センサ25のセンサ面25aとの間の位置に配置される。この位置に配置されたセンサ用開口27bは、用紙検出センサ25のセンサ面25aを、下搬送ガイド12のセンサ用開口30を介して、用紙搬送経路Rに露出させ、用紙検出センサ25による用紙搬送経路R上の用紙の検出を可能にする。
【0033】
回収ダクト28は、下段のラック22が待機位置から移動限界位置側に移動すると、用紙検出センサ25のセンサ面25aをクリーニングした後のクリーニングブラシ26の下方に移動する。クリーニングブラシ26の下方で回収ダクト28は、櫛歯プレート27によりクリーニングブラシ26から梳き落とされた紙粉等の除去物を回収する。
【0034】
回収ダクト28には、不図示の弾性体チューブを介して吸引ファン(図示せず)が接続されている。回収ダクト28に回収された除去物は、吸引ファンにより吸引されてダストボックス(図示せず)等に回収される。不図示の弾性体チューブは、途中で枝分かれして回収ダクト28以外の吸引箇所にも接続されていてもよい。
【0035】
以上に説明した本実施形態の用紙搬送装置1では、用紙搬送経路R上で用紙を搬送するために、駆動ローラ13が駆動方向Aに回転すると、上段及び下段のラック21,22が待機位置から移動限界位置に向けて移動する。この移動中に、下段のラック22に連結された用紙検出センサ25のセンサ面25aが、下搬送ガイド12に取り付けられたクリーニングブラシ26によってクリーニングされる。
【0036】
このクリーニングの際にクリーニングブラシ26に付着したセンサ面25aの紙粉等の異物は、上段のラック21に連結された櫛歯プレート27によって梳き落とされる。梳き落とされた異物は、上段及び下段のラック21,22が移動限界位置に達した際に、下段のラック22に連結されてクリーニングブラシ26の下方に移動した回収ダクト28によって回収される。
【0037】
上段及び下段のラック21,22が移動限界位置に達した際に、用紙検出センサ25は、センサ面25aが上下の搬送ガイド11,12のセンサ用開口29,30に対向する位置に配置される。この位置にセンサ面25aが配置された用紙検出センサ25は、センサ用開口29,30に向けて照射した検出波により、用紙搬送経路R上を搬送される用紙を、センサ用開口29,30の位置で検出する。
【0038】
用紙搬送経路Rにおける用紙の搬送が終了し、駆動ローラ13の駆動方向Aへの回転が停止すると、移動限界位置の上段及び下段のラック21,22が、上段及び下段の戻しバネ23,24の付勢力により待機位置に戻される。移動限界位置から待機位置への下段のラック22の移動中にも、用紙検出センサ25のセンサ面25aがクリーニングブラシ26によってクリーニングされる。
【0039】
上段及び下段のラック21,22が移動限界位置から待機位置に移動すると、ピニオンギア16、トルクリミッタ15及び駆動ローラ13が、駆動方向Aとは逆方向に回転する。トルクリミッタ15がワンウェイクラッチを内蔵している場合は、ピニオンギア16だけが逆方向に回転し、トルクリミッタ15及び駆動ローラ13は回転せず停止したままとなる。
【0040】
本実施形態では、駆動ローラ13が停止し用紙搬送経路R上で用紙が搬送されていないと、下段のラック22に連結された用紙検出センサ25が、上下の搬送ガイド11,12のセンサ用開口29,30から搬送方向Xに沿ってずれた図1Aの位置に配置される。この位置では、用紙検出センサ25の上方に下搬送ガイド12のセンサ用開口30が存在しないので、用紙の非搬送時に、用紙搬送経路Rから落下した紙粉等の異物が用紙検出センサ25のセンサ面25aに堆積することが抑制される。この抑制により、用紙の搬送時に、センサ面25aの汚れによって用紙搬送経路R上の用紙が用紙検出センサ25で誤検出されるのを低減することができる。
【0041】
本実施形態の用紙搬送装置1では、駆動ローラ13の回転により用紙搬送経路R上で用紙が搬送されていると、下段のラック22に連結された用紙検出センサ25が、上下の搬送ガイド11,12のセンサ用開口29,30に対向する図3Aの位置に配置される。この位置では、用紙検出センサ25のセンサ面25aが上下の搬送ガイド11,12のセンサ用開口29,30に対向するので、用紙搬送経路R上を搬送される用紙を用紙検出センサ25で検出することができる。
【0042】
本実施形態の用紙搬送装置1では、下段のラック22が待機位置と移動限界位置との間を移動すると、用紙検出センサ25のセンサ面25aがクリーニングブラシ26のワイプによりクリーニングされる。このクリーニングにより、センサ面25aの汚れを落とし、用紙検出センサ25による用紙の誤検出を低減することができる。
【0043】
本実施形態の用紙搬送装置1では、上段のラック21が移動限界位置に移動すると、櫛歯プレート27がクリーニングブラシ26を梳いてクリーニングする。このクリーニングにより、クリーニングブラシ26に紙粉等の異物が溜まってセンサ面25aのクリーニング機能が損なわれるのを低減させることができる。
【0044】
本実施形態の用紙搬送装置1では、下段のラック22が移動限界位置に移動すると、クリーニングブラシ26の下方に回収ダクト28が移動し、櫛歯プレート27がクリーニングブラシ26から梳き落とした異物を回収する。この回収により、クリーニングブラシ26から梳き落とされた異物が周辺に散乱して、用紙検出センサ25のセンサ面25aに再付着する等の状況が発生するのを低減することができる。
【0045】
なお、本発明は上記の実施形態のままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。さらに、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
[付記]
【0046】
以上に説明した実施形態によって、以下に示す態様の発明が開示される。
【0047】
即ち、一つの態様の発明として、
駆動方向への回転により用紙搬送経路上で用紙を搬送方向に搬送する用紙搬送ローラと、
前記用紙搬送ローラに回転動力源からの前記駆動方向への回転力を、回転量分伝達する動力伝達部と、
前記動力伝達部が前記駆動方向に回転することで、前記搬送方向に沿って互いに逆向きに移動する上段及び下段ラックと、
前記下段ラックに取り付けられ前記用紙搬送経路上の用紙を検出する用紙センサと、
前記下段ラックの前記移動に基づいて、前記用紙センサのセンサ面をクリーニングするクリーニングブラシと、
前記上段ラックの前記移動に基づいて、前記クリーニングブラシを梳いてクリーニングする櫛歯ブレードと、
前記櫛歯ブレードのクリーニングによる除去物を回収する回収ダクトと、
を備える用紙搬送装置が開示される。
【0048】
そして、上記態様による発明によれば、用紙センサが用紙を検出する妨げとなる異物が用紙センサのセンサ面に堆積するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 用紙搬送装置
11 上搬送ガイド
12 下搬送ガイド
13 駆動ローラ
14 従動ローラ
15 トルクリミッタ
16 ピニオンギア
17,19 回転軸
18,20 ローラ用開口部
21 上段のラック
22 下段のラック
21a,22a ガイドレール
21b,21c,22b,22c ストッパ
23 上段の戻しバネ
24 下段の戻しバネ
25 用紙検出センサ
25a センサ面
26 クリーニングブラシ
27 櫛歯プレート
27a ステー
27b,29,30 センサ用開口
28 回収ダクト
A 駆動方向
R 用紙搬送経路
X 搬送方向
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B