(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045334
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】高電圧放水装置及び高電圧レーザー放射装置
(51)【国際特許分類】
A01M 29/24 20110101AFI20230327BHJP
【FI】
A01M29/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153678
(22)【出願日】2021-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】591266401
【氏名又は名称】湯田 哲
(72)【発明者】
【氏名】湯田 哲
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA02
2B121DA02
2B121DA04
2B121DA10
2B121DA11
2B121DA23
2B121EA21
2B121FA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気柵、ワナ、猟銃、追い払い花火、追い払い音響装置等を使用せずに、安全に、確実に、容易に、短時間で有害鳥獣を追い払い、捕獲できる装置の提供。
【解決手段】(ロ)において、コックCを開けると、電気伝導性液体Bが対象物Hに向かって落ちる。(ニ)のように、放水した電気伝導性液体Vが対象体Hに到着、金属製ノズルDと対象体Hと接続状態となり、高電圧発生装置Fにより放電端子F1、F2の高電圧放電Yは金属製ノズルDから、対象体Hに到達同時に電気ショックが伝わる。これで有害鳥獣の追い払い、威嚇、電気ショックにより麻痺させ捕獲も可能とする。(ヘ)において、プラズマ化用ガスの入った小型ボンベNを開放、ジェットノズルから対象体に向かってガスが放射されガスVは対象体Hに到着、レーザー光がそのガス分子をプラズマ化し、高電圧放電(スパーク)はプラズマを伝わり対象体に達し、電気ショックを与えることを可能とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図1の(ロ)において、コックCを開けると、電気伝導性液体Bが対象物Hに向かって落ち(ハ)、その電気伝導性液体は対象物Hに到着、金属製ノズルDと電気伝導性液体液Oと対象体Hは、接続状態、連結状態となる。(ニ)この時点でスイッチZを入れ高電圧発生装置を作動、高電圧電流が放電端子F1、F2が金属製ノズルDを挟んで高電圧放電Yを開始、その放電電流(高電圧スパーク)が、対象体Hに伝わり、対象体Hに電気ショックを与えることを可能とする装置。
【請求項2】
図1の(ヘ)において、プラズマ化用ガスの入った小型ボンベNの開閉弁を開放するとジェットノズルから対象体Hに向かってガスが放射、噴霧されガスV1は対象体Hに到着、ガスが対象体Hにかかった状態で高出力レーザーMが作動、そのガス体の中をレーザー光線Iが通過する際に、プラズマ化現象を誘発し、電気伝導性が急増したプラズマとレーザー光に沿って、高電圧放電による高電圧電流スパークが対象体Hに伝わることで、対象体Hに電気ショックを与えることを可能とする装置。
【請求項3】
図1の(ト)において、開閉コックTを開けると高圧ガスRが、タンクP内の電気伝導性液体Sが押し出そうとしている。この状態で開閉電磁弁Q(トリガー、引き金等)を開放するとノズルDから電気伝導性液体Sが放射される。ここで放電を開始するとその電気伝導液剤を高電圧電流が伝わり、対象体に電気ショックを与える装置。
【請求項4】
図1の(チ)において、高電圧放電の全電流を対象体H方向のみに流し最大効果を得るため、電流がタンク内の電気伝導性液体B方向に流れ電気ロスが発生しないよう、コイル管U内の電気伝導性液体とタンク内電気伝導性液体Sを分離するために、電磁開閉弁Q1を開放、ノズルから放水開始、対象体に命中した時点で電磁弁Q1を閉じ、同時に圧縮空気の電磁開閉弁Q2を開放すると圧縮空気がコイル管内の電気伝導性液体を継続して押し出し続ける。水は分離され電流は本体方向に流れず、すでに高電圧放電を開始しているので、このコイル管内の放射液体がなくなるまでの一定時間、高電圧電流が対象体に伝わり電気ショックを与え続けることを可能とする装置。
【請求項5】
図1の(リ)において、全電流を対象体Hのみに流し最大効果を得るため、タンクP1には電気の通さない純水を入れ、タンクP2には電気伝導性液体(高濃度の食塩水、レモン水など電気伝導性液体、電気を通す液体)を入れ、電磁開閉弁Q3、Q4を同時に開放するとそれらの液体は管内では混合され、結果的に電気伝導性液体となり金属製ノズルDから放水開始。同時に放電を開始しているので、電気伝導性液体を高電圧電流が伝わり、対象体に電気ショックを与え続けることを可能とする装置。
【請求項6】
図1の(ホ)において、これは放電することなく、開閉コックKを開放すると別々の2本の金属製ノズルから電気伝導液剤が、対象体Hに直接落下、接触しそれを伝わって高電圧電流が対象体に電気ショックを直接与える事を可能とする装置。また、この2本の電極の内1本を、地面にアース、他方を金属製放射ノズルに接続、その一本の放水、対象体Hに到着、地面が他の電極になっているので、電気ショックを直接与える事を可能とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
全世界的に、有害鳥獣被害が年々増加しています。農作物の被害のみならず、人間が生活する住宅街にも出現、人間の生活の安全を脅かしている。通学中の子ども達や農作業中の高齢者などにも危害を加える事件も発生しています。
有害鳥獣からの被害防止のための電気柵で農地の周りの設置が主流になっています。電気柵の設置は、人も動物と同じようにその電気柵を回避し遠回りしなくてはならなく、人間の行動そのものも制限され日常生活の障害となっています。結果的には、人間も大きな電気柵というオリに閉じ込められているようなものです。その電気柵に人が誤って触れ高電圧の電気ショックを受けケガをする事故なども発生しています。特に高齢者や子供が被害者になっています。これらの事件を少なくするための対応策が様々実施されているが、決定的な成果は得られていません。猟銃免許取得者数も減少、狩猟免許を持った捕獲者の高齢化も問題となっています。電気柵、ワナ、猟銃、追い払い花火、追い払い音響装置等を使用せずに、いかに安全に、確実に、容易に、短時間で有害鳥獣を追い払い、捕獲できる装置が求められています。
【背景技術】
【0002】
クマやイノシシが住宅街に出没した場合、住宅街で発見された場合、サツマタや捕獲用ネットなどを使って、警察、消防署員、地元猟友会や消防団など大勢により捕獲することになるが、かなりの労力と多くの時間を要している。
有害鳥獣被害防止の夜間パトロールを実施中でも、その被害現場に遭遇、有害鳥獣を発見しても猟銃の夜間発砲は禁止されているので、追い払うぐらいで何もできない。有害鳥獣への対応の農地を電気柵を設置が主流ですが、電気柵の設置は、人も動物と同じようにその電気柵を回避し遠回りしなくてはならなく、人間の行動そのものも制限され日常生活の障害となっています。結果的には、人間も大きな電気柵というオリに閉じ込められているようなものです。有害鳥獣の追い払い用花火(ロケット花火:有害獣のいる方向に飛び大きな爆発音で有害獣を)を使用した場合、その花火の火が山林、原野に燃え移り山林火災になる事もあります。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
全世界的に、有害鳥獣被害が年々増加しています。農作物の被害のみならず、人間が生活する住宅街にまで及んで人間生活の安全を脅かしている。通学中の子ども達がサル、イノシシから危害を受け大けがした事件も発生しています。住宅街にクマやイノシシが住宅街に出没した場合、住民への危険を防ぐため警察、消防署員、地元猟友会や消防団など出動し、サツマタ、ネット、麻酔銃などでを使い、大勢で捕獲するようになり、その祭、有害獣からの反撃で大けがをする事件も発生しています。有害鳥獣への対応として農地全体への電気柵設置が主流ですが、電気柵の設置は、人も動物と同じようにその電気柵を回避し遠回りしなくてはならなく、人間の行動そのものをも制限し日常生活の障害となっています。結果的には、人間も大きなオリに閉じ込められているようなものです。その電気柵に人が誤って触れ高電圧の電気ショックでの事故も発生しています。特に高齢者や子供が被害者となっています。電気柵を広大な農地に大規模な範囲を電気柵を設置するにも、大きな資材代や大きな労力が必要となります。当然その電気柵の維持管理のためにも労力を必要になります。被害防止の夜間パトロールにおいても、有害鳥獣を発見しても、猟銃の夜間発砲は禁止されているため何もできません。有害鳥獣の追い払い用花火(ロケット花火:有害獣のいる方向に飛び大きな爆発音で有害獣を追い払う花火)を使用した場合、山林や草やぶにその花火の火が燃え移り大きな山林火災になる事もあり使用上の問題もあります。電気柵、ワナ、猟銃、追い払い花火、追い払い音響装置等を使用せずに、いかに安全に、確実に、容易に、短時間で有害鳥獣を追い払い、捕獲できる装置が求められています。
【課題を解決するための手段】
【0004】
図1の(ロ)において、コックCを開けると、電気伝導性液体Bが対象体Hに向かって落ちます。図(ニ)のように、放水した電気伝導性液体Bが対象体Hに到着、金属製ノズルDと対象体Hは電気伝導性液体Vによって接続状態、連結状態にあります。ここで高電圧発生装置Fを作動させるためにスイッチZをオンにすると高電圧が発生し放電端子F1、F2が金属製ノズルDを挟んで放電Yを開始します。その高電圧放電電流(高電圧スパーク)は、放水状態の電気伝導性液体Vを伝わり対象体Hに到達し、高電圧電気ショックを与えることが可能となり、追い払いや一時麻痺させ、その間での捕獲も可能とします。
図1の(ヘ)において、プラズマ化用ガスの入った小型ボンベNの開閉弁を開放するとジェットノズルから対象体に向かってガスが放射されガスは対象体Hに到着、ガスが対象体に噴霧、かかった状態V。同時にスイッチZ1をONにすると、高出力レーザー発生器Mと高電圧圧政装置Fが同時に作動、レーザー光放射と高電圧放電が開始する。電気伝導性ガスにレーザーが通過中、レーザー光の高エネルギーがガス分子をプラズマ化し、電気伝導性が急増したレーザー光とプラズマは対象体にも到達、高電圧放電(スパーク)はその通電性プラズマを伝わり対象体に達し、電気ショックが対象体H伝わり本考案の目的が達成される。
【発明の効果】
【0005】
住宅街に有害獣が現れた場合、有害獣から反撃によって大ケガをしないような安全な距離を保ち、本考案の装置から放射される高電圧伝導性液体によって、有害獣に電気ショックを与え、追い払うことができる。更に捕獲が必要な場合には、その高電圧放電時間を継続、電気ショック継続時間を調整、一時的に有害獣の動きを麻痺させ。その間に捕獲が可能となります。これまで有害獣を追い払うために使った花火を使用せず、本考案の装置で容易に有害鳥獣を追い払うことを可能とする。夜間パトロールで有害鳥獣に被害遭遇、有害獣を発見した場合でも、猟銃の代わりに、本考案の装置によって有害獣に電気ショックを与え追い払うことも、捕獲することも可能となる。前記のように、本考案の装置で、追い払いや捕獲が進むことによって、住宅街に近づけば捕獲されるという危険意識が、有害獣に本能的に身についていくことで住宅街やこ農地に近づかなくなる。もし住宅街で有害獣が発見された場合でもピンポイントで追い払いや捕獲することが可能となる。この本考案の装置を、
図1の(ソ)のようにドローンに搭載し、ジンバル装置(カメラを安定して一定方向に向ける装置)のカメラと一緒に取りつけ、ドローンで有害鳥獣に接近、モニターカメラで有害鳥獣を確認しながら、本装置を作動させ有害鳥獣に直接的に高電圧電気ショックを与えることが可能となり、追い払いや一時麻痺させ、その間での捕獲も可能とします。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【符号の説明】
【0007】
A:電気伝導性液体の入ったタンク
B:電気伝導性液体(食塩水、レモン水など電気伝導性液体、電気を通す液体)
C:開閉コック
D:金属製ノズル(高電圧電気を液体に流す部品)
E:高電圧放電端子(2極間のスパークと同時にノズルDにも放電する)
F:高電圧発生装置
G:電池
H:対象体(電気ショックによって追い払い、威嚇、あるいは一時麻痺させ確保する有害鳥獣など)
I:高出力レーザー
J:タンクを二分割し、2つの液を分離できるタンク(2電極使用時)
K:2つの開閉コックを同時に操作できるコック
L:液体注入口及び密閉キャップ(耐圧性キャップ)
M:高出力レーザー発振器
N:プラズマ化用ガス小型ボンベ(レーザーによってプラズマ化し通電、放電し易いガス)
O:液体用ポンプ(ギアポンプ等)
P:密閉タンク
P1:純水(不純物が無く電気を通さない水)
P2:電気伝導性液体(高濃度の食塩水、レモン水など電気伝導性液体、電気を通す液体)、純水P1と混合され希釈されるので高濃度の必要がある)
Q:開閉電磁弁(トリガー、引き金等)
Q1:電気伝導性液体開閉電磁弁
Q2:高圧ガス(圧縮空気)開閉電磁弁(コイル管内の液体を押し出し放射する)
Q3:開閉電磁弁(高濃度電気伝導性液体放出用)
Q4:開閉電磁弁(純水放出用)
R:高圧ガス(圧縮空気)ボンベ
R1:高圧ガス(カプセル内の液剤を押し出すためのガス)
S:電気伝導性液体(食塩水、レモン水など電気伝導性液体、電気をよく通す液体)
T:高圧ガス開閉コック
U:コイル管(この管内に放射液体が一定時間、高電圧電気(電気ショック)が対象体に伝わり効果がでるまでの時間)、対象体に命中、接触継続時間を保持するため、放水時間を継続できる液量が内在するための管)
W:高圧ガスと伝導性液体が一つの耐圧性缶(カプセル)
V:放射された電気伝導性液体
V1:プラズマ化用ガス(レーザーによってプラズマ化し、伝導性の高く放電し易いガス)
X:対象体方向に流れ対象体に電気ショックを与える高電圧電気の流れ
Y:高電圧放電(スパーク)
Z:高電圧発生装置を作動させるスイッチ、Z1:高電圧発生装置と高出力レーザー発振器を作動させるスイッチ
【0008】
(イ) 本考案装置の作動原理、部品配置、立面図
(ロ) 本考案装置の断面図。タンク内には、電気伝導性液体が入っている状態。開閉コックは閉じ、高出圧発生装置もOFF
(ハ) 開閉コックCを開放、電気伝導性液体Vが放出開始
(二) 電気伝導性液体Vが対象体Hに到達、金属製ノズルD(高電圧電気を液体に流す部品)と対象体Hが連続状態、この状態で高電圧発生装置が作動、放電YによってノズルDを伝わりXのように電気伝導液体を伝わり対象体に電気ショックを与えている
(ホ) これは放電することなく、開閉コックKを開放すると高電圧電流が別々の2本の電気伝導性液体に直接流れていき、直接的に対象体に電気ショックを与える装置の実施例
(ヘ) これはプラズマ化用ガス(レーザーによってプラズマ化し通電、放電し易いガス)ボンベNが対象体に向け放射され同時に高出力レーザーがそのガス体の中を通過する際に、プラズマ化現象を誘発し、放電によるスパークがそのプラズマを伝わり対象体に電気ショックを与える装置、実施例
(ト) 開閉コックTを開けると高圧ガスRが、タンクP内の電気伝導性液体Sが押し出す状態保持。ここで電磁開閉弁Q(トリガー、引き金等)を開放するとノズルDから電気伝導液液体が放射される。ここで放電を開始するとその電気伝導液剤に高電圧電流が伝わり、対象体に電気ショックを与えることを可能とする実施例
(チ) 高電圧放電の電圧、スパーク電圧を対象体の個体の大きさにより高くなると、電気伝導性液体タンクS内にも大きな電気が流れ、その分電気ロスとなる。更に本体装置の故障の原因ともなりうる。全部の電流を対象体方向にのみ流すため電気伝導液剤をタンク内Sと分離するため、放水を開始し、対象体に命中した時点でQの電磁弁を閉じると同時に圧縮空気の電磁開閉弁Q4を開放すると圧縮空気がコイル管内の電気伝導性液体を継続して押し出す。その時点で、放射中の液体とタンク内Sの液体は分離している。この時の放電は本体方向には流れず、この管内に放射液体がなくなるまでの一定時間、高電圧電気電気ショック)が対象体方向にのみ、高電圧放電エネルギーの全部が伝わり電気ショックを与えている装置
(リ) (チ)と同様、本体装置を高電圧放電から守り、放電エネルギー(スパーク)を対象体のみに流す目的で、タンクP1には電気の通さない純水を入れ、P2には電気伝導性液体(高濃度の食塩水、レモン水など電気伝導性液体、電気を通す液体)、電磁弁Q3、Q4を同時に開放すると同時にそれぞれ液剤が管内で混合され、電気伝導性液体となり外部にノズルから放出する。そこで放電を開始するとその電気伝導性液体を高電圧電流が伝わり、対象体に電気ショックを与える装置
(ヌ) 高圧ガスと伝導性液体が一つの耐圧性缶(カプセル)Wに納めている、リボルバー式弾倉、マガジン式弾倉で収納し、連続放射を可能としている実施例
(タ) 圧縮ガス、高圧ボンベを使用せず、液体用ポンプ(ギアポンプ等)Oにより、液体を直接的に外部に放出する実施例
(レ) 仕組み・構造説明(ト)を、現場で使用する場合の部品配置の例、電気伝導性液体P、圧縮ガスR、電池カートリッジGなどワンタッチで脱着することで、屋外での使用を可能とした実施例
(ヨ) 仕組み・構造説明(リ)を、現場で使用する場合の部品配置の例。電池、圧縮ガス、純水P1、電気伝導性濃縮液体P1全てがカートリッジによって、ワンタッチ脱着可能で、屋外使用での実施例
(ソ) 本考案の装置を、ドローンに搭載、ジンバル装置(ドローン本体が複雑に動いても、カメラを撮影する方向に安定しぶれることなく向け続けることを可能とする装置)に取りつけ対象体である有害鳥獣へ放水、電気ショックを与えるている実施例
【0009】