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特開2023-45343シェアスペース端末及びシェアスペース管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045343
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】シェアスペース端末及びシェアスペース管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230327BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20230327BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153692
(22)【出願日】2021-09-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年12月9日にウェブサイトPRTIMESにIoTソリューション「SMASSO」をプレスリリース掲載 (刊行物等) 令和2年12月17日にウェブサイトPRTIMESにIoT空間環境ソリューション「SMASSO-f」をプレスリリース掲載 (刊行物等) 令和3年3月31日にウェブサイトPRTIMESにIoT無人化ソリューション「SMASSO」をプレスリリース掲載 (刊行物等) 令和3年4月6日にウェブサイトPRTIMESにIoTシェアリングスペース向け無人化ソリューション「SMASSO」をプレスリリース掲載 (刊行物等) 令和3年4月13日にウェブサイトPRTIMESに「SMASSO-fL」をプレスリリース掲載 (刊行物等) 令和3年5月6日にウェブサイトPRTIMESに「SMASSO-fL」をプレスリリース掲載 (刊行物等) 令和3年5月19日にウェブサイトPRTIMESに空間無人化ソリューション「SMASSO」をプレスリリース掲載 (刊行物等) 令和3月9月9日に株式会社クルトンに販売 (刊行物等) 令和3年4月20日に富山ランニングクラブに販売 (刊行物等) 令和3年5月20日に富山ランニングクラブに販売 (刊行物等) 令和3年6月12日に株式会社オリバーに販売 (刊行物等) 令和3年7月17日に株式会社泉パークタウンサービスに販売 (刊行物等) 令和3年7月27日に日本商事株式会社に販売
(71)【出願人】
【識別番号】521103831
【氏名又は名称】株式会社スペースコネクト
(71)【出願人】
【識別番号】511012662
【氏名又は名称】NetCONNECT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(72)【発明者】
【氏名】福西 佐允
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼永 隆也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】確実にシェアスペースの不正な時間外利用を防止する高い管理性と既設の機器に対する別途の機能設定を不要とする高い導入容易性とを有するシェアスペース端末を提供する。
【解決手段】シェアスペースS内に配置されるシェアスペース端末2は、シェアスペースSの予約開始時刻ts直前の第1の所定時刻t0に生成される点灯指令及びシェアスペースSの予約終了時刻te直後の第2の所定時刻t4に生成される消灯指令をクラウドサーバ4の照明指令部422から受信する無線通信部24と、シェアスペースSに設置された照明機器5の給電配線を接続又は遮断するためのスイッチ回路25と、点灯指令の受信に応じて給電配線を接続するようにスイッチ回路25を制御し、消灯指令の受信に応じて給電配線を遮断するようにスイッチ回路25を制御するスイッチ制御部262とを含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェアスペース内に配置されるシェアスペース端末であって、
前記シェアスペースの予約開始時刻直前の第1の所定時刻に生成される点灯指令及び前記シェアスペースの予約終了時刻直後の第2の所定時刻に生成される消灯指令をクラウドサーバの照明指令部から受信する無線通信部と、
前記シェアスペースに設置された照明機器の給電配線を接続又は遮断するためのスイッチ回路と、
前記点灯指令の受信に応じて前記給電配線を接続するように前記スイッチ回路を制御し、前記消灯指令の受信に応じて前記給電配線を遮断するように前記スイッチ回路を制御するスイッチ制御部と
を備えるシェアスペース端末。
【請求項2】
シェアスペース内に配置されるシェアスペース端末であって、
前記シェアスペースの予約開始時刻及び予約終了時刻を含む予約情報をクラウドサーバから受信する無線通信部と、
前記予約開始時刻直前の第1の所定時刻に点灯指令を生成し、前記予約終了時刻直後の第2の所定時刻に消灯指令を生成する照明指令部と、
前記シェアスペース内の照明機器の給電配線を接続又は遮断するためのスイッチ回路と、
前記点灯指令の生成に応じて前記給電配線を接続するように前記スイッチ回路を制御し、前記消灯指令の生成に応じて前記給電配線を遮断するように前記スイッチ回路を制御するスイッチ制御部と
を備えるシェアスペース端末。
【請求項3】
前記予約終了時刻から前記第2の所定時刻までの差分時間が30分以下である、請求項1又は2に記載のシェアスペース端末。
【請求項4】
前記予約終了時刻から前記第2の所定時刻までの差分時間が5分以下である、請求項3に記載のシェアスペース端末。
【請求項5】
前記第1の所定時刻から前記予約開始時刻までの差分時間が30分以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のシェアスペース端末。
【請求項6】
前記第1の所定時刻から前記予約開始時刻までの差分時間が10分以下である、請求項5に記載のシェアスペース端末。
【請求項7】
前記照明指令部は、前記予約終了時刻前の所定の退室誘導時刻に、前記照明機器の点消灯を一時的に反転させるように消灯指令又は点灯指令を生成するように構成された請求項1から6のいずれか一項に記載のシェアスペース端末。
【請求項8】
前記照明指令部が、前記予約開始時刻に一時的に消灯指令を生成するように構成された請求項1から7のいずれか一項に記載のシェアスペース端末。
【請求項9】
前記シェアスペースの利用者による押下又はタッチ操作を受け付けてスイッチ操作信号を出力するスイッチボタンをさらに備え、
前記照明指令部は、前記予約開始時刻又は前記第1の所定時刻以降でかつ前記予約終了時刻又は前記第2の所定時刻以前の期間において、前記照明機器が点灯状態にある場合には前記スイッチ操作信号に応じて消灯指令を生成し、前記照明機器が消灯状態にある場合には前記スイッチ操作信号に応じて点灯指令を生成するように構成された、請求項1から8のいずれか一項に記載のシェアスペース端末。
【請求項10】
前記照明指令部は、前記第1の所定時刻前の期間又は前記第2の所定時刻後の期間において、前記スイッチ操作信号に応じて、所定の仮点灯期間だけ点灯指令を生成するように構成された、請求項9に記載のシェアスペース端末。
【請求項11】
前記仮点灯期間は5秒以上1分以下である、請求項10に記載のシェアスペース端末。
【請求項12】
前記照明指令部は、前記第1の所定時刻前の期間又は前記第2の所定時刻後の期間において、前記コンソール画面上の特定の操作に応じて生成された特定操作信号に応じて、所定の強制点灯期間だけ前記点灯指令を生成するように構成された、請求項9~11のいずれか一項に記載のシェアスペース端末。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のシェアスペース端末と、
前記クラウドサーバと
を含むシェアスペース管理システム。
【請求項14】
前記シェアスペース端末は、
前記シェアスペース内の所定の環境成分を検知して環境レベルを出力する環境センサと、
前記環境レベルを前記クラウドサーバに送信する無線通信部と
をさらに備え、
前記クラウドサーバは、
前記環境レベルが所定の閾値を超えた場合に作動指令を生成する換気指令部を備え、
前記スイッチ回路はさらに、前記シェアスペースに設置された換気扇の給電配線を接続又は遮断するように構成され、前記スイッチ制御部は、前記換気指令部から前記無線通信部を介して受信された作動指令に応じて前記給電配線を接続するように前記スイッチ回路を制御するように構成された、請求項13に記載のシェアスペース管理システム。
【請求項15】
前記環境成分は、二酸化炭素である、請求項14に記載のシェアスペース管理システム。
【請求項16】
前記環境成分は、一酸化炭素、二酸化窒素又は揮発性有機化合物である、請求項14に記載のシェアスペース管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェアスペース端末及びそれを用いたシェアスペース管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、会議室のリソース予約システムを開示する。このシステムは、リソースの予約に関する予約情報を記憶する会議室管理サーバを含むサーバシステムと、サーバシステムから予約情報を取得して表示する会議室端末とを有する。会議室端末は、リソースごとに設置され、予約情報の表示方法を設定した設定情報に応じて変更され、会議室管理サーバから取得した予約情報の表示内容を表示する。会議室端末は、会議管理サーバからの要求に応じて、会議開始時刻に電子機器の電源をオンし、会議終了時刻に電子機器の電源をオフする。電子機器は会議室で使用され得る各種のオフィス機器であり、電子黒板、複合機、プロジェクタ、デジタルサイネージ又はデジタルカメラである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-87424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような貸し会議室などのシェアスペースに関するシステムでは、通常は予約された使用時間に応じて利用料金が決まる。したがって、利用料金を支払わない不正な時間外利用は、防止されるべきである。特許文献1のシステムでは、例えば、会議室の予約終了時刻が過ぎると会議室内のオフィス機器がオフされて使用不可となり、利用者は会議終了時刻を認識するとともに円滑な会議を継続できなくなることを認識し得る。しかし、利用者はオフィス機器を使用できなくてもその場に居座って会議を継続することは可能である。したがって、上記システムは、予約時間外にオフィス機器を使用不可としても会議室の不正な時間外利用を確実に防止できるとは限らない。また、上記システムは、該当するオフィス機器に遠隔オン/オフ操作のための機能設定を要し、その導入のハードルが高い。
【0005】
そこで、本発明は、確実にシェアスペースの不正な時間外利用を防止する高い管理性と既設の機器に対する別途の機能設定を不要とする高い導入容易性とを有するシェアスペース端末及びシェアスペース管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様による、シェアスペース内に配置されるシェアスペース端末は、シェアスペースの予約開始時刻直前の第1の所定時刻に生成される点灯指令及びシェアスペースの予約終了時刻直後の第2の所定時刻に生成される消灯指令をクラウドサーバの照明指令部から受信する無線通信部と、シェアスペースに設置された照明機器の給電配線を接続又は遮断するためのスイッチ回路と、点灯指令の受信に応じて給電配線を接続するようにスイッチ回路を制御し、消灯指令の受信に応じて給電配線を遮断するようにスイッチ回路を制御するスイッチ制御部とを備える。
【0007】
本発明の第2の態様による、シェアスペース内に配置されるシェアスペース端末は、シェアスペースの予約開始時刻及び予約終了時刻を含む予約情報をクラウドサーバから受信する無線通信部と、予約開始時刻直前の第1の所定時刻に点灯指令を生成し、予約終了時刻直後の第2の所定時刻に消灯指令を生成する照明指令部と、シェアスペース内の照明機器の給電配線を接続又は遮断するためのスイッチ回路と、点灯指令の生成に応じて給電配線を接続するようにスイッチ回路を制御し、消灯指令の生成に応じて給電配線を遮断するようにスイッチ回路を制御するスイッチ制御部とを備える。
【0008】
上記第1及び第2の態様によると、シェアスペースの予約利用に関して、シェアスペース端末は、予約開始時刻直前に給電配線を接続して照明機器を点灯させ、予約終了時刻直後に給電配線を遮断して照明機器を消灯させる。これにより、シェアスペースでは、実質的に予約時間外に消灯状態となり、利用者は不正に利用を継続することができない。したがって、確実にシェアスペースの不正な時間外利用を防止する高い管理性と既設の機器に対する別途の機能設定を不要とする高い導入容易性とを有するシェアスペース端末が実現される。第1の態様では、シェアスペース端末が簡素な構成で実現される。第2の態様では、照明機器の点灯及び消灯の動作について逐次的な無線通信が不要であるため、シェアスペースの利用中に通信障害が発生しても、確実に上記の点消灯動作による効果を得ることができる。なお、本開示において、特定の時刻の「直前」及び「直後」は、当該特定の時刻と実質的に同じ時刻を含むものとする。
【0009】
上記第1及び第2の態様において、予約終了時刻から第2の所定時刻までの差分時間が30分以下であることが好ましい。この差分時間が0分であれば、予約時間後利用を不可として高い管理性を実現することができる。一方、この差分時間が0分超30分以下であれば、ある程度以上の管理性を担保しつつも、予約時間後に多少の利用猶予時間を設けてシェアスペースをユーザフレンドリなものにすることができる。なお、管理性とユーザフレンドリネスの両立を考慮して、上記差分時間は5分以下が特に好ましい。
【0010】
上記第1及び第2の態様において、第1の所定時刻から予約開始時刻までの差分時間が30分以下であることが好ましい。この差分時間が0分であれば、予約時間前利用を不可として高い管理性が実現される。一方、この差分時間が0分超30分以下であれば、利用者の入室及び集合といった多少の予約時間前利用を許容してシェアスペース外での待ち利用者を減少させることができ、周囲への騒音、往来の妨害などの原因を解消することができる。これにより、管理性を担保しつつも、シェアスペースに関する円滑な運用が実現され得る。なお、管理性と円滑な運用の両立を考慮して、上記差分時間は10分以下が特に好ましい。
【0011】
上記第1及び第2の態様において、照明指令部は、予約終了時刻前の所定の退室誘導時刻に、照明機器の点消灯を一時的に反転させるように消灯指令又は点灯指令を生成するように構成される。これにより、照明機器は一時的に点滅することになり、この点滅によって利用者に視覚的かつ直感的に予約終了時刻の切迫を報知し、予約時間終了に向けた利用者の退室準備を促すことができる。
【0012】
上記第1及び第2の態様において、照明指令部は、予約開始時刻に一時的に消灯指令を生成するように構成される。これにより、照明機器は一時的に点滅することになり、この点滅によって利用者に視覚的かつ直感的に予約開始時刻を報知することができる。
【0013】
上記第1及び第2の態様において、シェアスペース端末は、シェアスペースの利用者による押下又はタッチ操作を受け付けてスイッチ操作信号を出力するスイッチボタンをさらに備える。照明指令部は、予約開始時刻又は第1の所定時刻以降でかつ予約終了時刻又は第2の所定時刻以前の期間において、照明機器が点灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて消灯指令を生成し、照明機器が消灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて点灯指令を生成するように構成される。これにより、利用時間内においては、利用者によるマニュアル操作を受け付けることができ、シェアスペースの利便性が高まる。
【0014】
上記第1及び第2の態様において、照明指令部は、第1の所定時刻前の期間又は第2の所定時刻後の期間において、スイッチ操作信号に応じて、所定の仮点灯期間だけ点灯指令を生成するように構成される。これにより、シェアスペースの管理者(スタッフ)による見回り、利用者による忘れ物回収などのための一時的な時間外利用が可能となり、シェアスペースの利便性又は安全性が高まる。なお、一時的な時間外利用の趣旨から、仮点灯期間は、10秒以上1分以下であることが好ましい。
【0015】
上記第1及び第2の態様において、照明指令部は、第1の所定時刻前の期間又は第2の所定時刻後の期間において、コンソール画面上の特定の操作に応じて生成された特定操作信号に応じて、所定の強制点灯期間だけ点灯指令を生成するように構成される。これにより、シェアスペースにおいて、清掃員、保守員などの作業スタッフによる時間外作業が可能となるとともに、管理者はこの作業スタッフの作業時間を管理することができる。
【0016】
本発明の第3の態様は、上記第1又は第2の態様のシェアスペース端末と、上記クラウドサーバとを含むシェアスペース管理システムである。上記シェアスペース端末が含まれるので、シェアスペース管理システムは、確実にシェアスペースの不正な時間外利用を防止する高い管理性を有するとともに既設の機器に対する別途の機能設定を不要とする高い導入容易性を有する。
【0017】
上記第3の態様において、シェアスペース端末は、シェアスペース内の所定の環境成分を検知して環境レベルを出力する環境センサと、環境レベルをクラウドサーバに送信する第2無線通信部とをさらに備える。クラウドサーバは、環境レベルが所定の閾値を超えた場合に作動指令を生成する換気指令部を備える。スイッチ回路はシェアスペースに設置された換気扇の給電配線を接続又は遮断するように構成され、スイッチ制御部は換気指令部から無線通信部を介して受信された作動指令に応じて給電配線を接続するようにスイッチ回路を制御する。これにより、環境レベルの悪化に応じて換気扇が作動され、シェアスペースの快適性が保持される。
【0018】
上記第3の態様において、環境成分は、例えば、二酸化炭素である。これにより、利用者の密集に起因するシェアスペースの衛生環境悪化が回避される。また、環境成分は、例えば、一酸化炭素、二酸化窒素又は揮発性有機化合物である。これにより、利用者の人体以外に起因するシェアスペースの衛生環境悪化が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態によるシェアスペース管理システムのブロック図である。
図2】第1の実施形態によるシェアスペース端末の筐体の斜視図である。
図3】第1の実施形態によるシェアスペース端末の正面図である。
図4】第1の実施形態によるシェアスペース端末の一配線例を示す回路図である。
図5】第1の実施形態によるシェアスペース端末の他の配線例を示す回路図である。
図6A】第1の実施形態によるシェアスペース端末の背面図及び側面図である。
図6B】第1の実施形態によるシェアスペース端末の側面部分断面図である。
図7A】第1の実施形態におけるシェアスペース端末のコンソール画面の一例を示す図である。
図7B】第1の実施形態における携帯端末の表示画面の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態によるシェアスペース管理システムの動作タイムラインの一例を示す図である。
図9A図8の動作タイムラインにおけるシェアスペース端末のコンソール画面の一例を示す図である。
図9B図8の動作タイムラインにおける携帯端末の表示画面の一例を示す図である。
図9C図8の動作タイムラインにおけるシェアスペース端末のコンソール画面の一例を示す図である。
図9D図8の動作タイムラインにおけるシェアスペース端末のコンソール画面の一例を示す図である。
図10】第2の実施形態によるシェアスペース管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
図1に、本発明の第1の実施形態によるシェアスペース管理システム1(以下、「システム1」という)のブロック図を示す。システム1は、シェアスペースS内に配置されたシェアスペース端末2、及びこのシェアスペース端末2と無線LANルータ3を介して無線通信可能に接続されるクラウドサーバ4(クラウドサービス)を含む。本実施形態では、シェアスペースSは貸し会議室であり、シェアスペースSには照明機器5及び換気扇6が設置されている。システム1は、シェアスペースSに在室する利用者の携帯端末7及びシェアスペースSの遠隔に位置し得る管理者端末8とインターネットなどの通信ネットワークNを介して協働することができる。また、システム1は、通信ネットワークNを介して、googleカレンダー(登録商標)などの適宜のスケジュール管理アプリAと連携することができる。なお、図1においては、一対のシェアスペースS及びシェアスペース端末2を示すが、システム1には複数対のシェアスペースS及びシェアスペース端末2が存在し得る。
【0021】
概略として、システム1において、シェアスペースSの予約利用について、クラウドサーバ4において利用時間の予約開始時刻及び予約終了時刻が規定される。シェアスペース端末2は、予約開始時刻の直前に照明機器5の給電配線を接続して照明機器5を点灯させ、予約終了時刻の直後に照明機器5の給電配線を遮断して照明機器5を消灯させる。
【0022】
図2に、シェアスペース端末2の筐体20の斜視図を示す。筐体20は、水平方向に長手方向を有し、長手方向に垂直な断面が略垂直三角形の三角柱状を有する。筐体20は、底面20a、底面20aに垂直な背面20b、及び底面20aと背面20bを結ぶ前面20cを有する。底面20a、背面20b及び前面20cのそれぞれの接続部分は、丸みを帯びた縁で連続する。筐体20の水平方向端部である両側面20d及び20eは、略垂直三角形をなす。筐体20の長手方向長さは、概ね30cm~40cm、好ましくは35.8cm±1cmである。筐体20の高さ(鉛直方向長さ)は、概ね15cm~20cm、好ましくは17.1cm±1cmである。筐体20の奥行き(厚み)は、概ね8cm~10cm、好ましくは9.3cm±0.5cmである。ただし、筐体20の外寸は、上記に限定されない。なお、シェアスペース端末2は、壁掛けタイプ、載置タイプなどであり得るので、背面20bに壁取付け用構造物が設けられてもよいし、底面20aに脚(四隅の突起、四隅の滑り止めゴムなど)が設けられてもよい。
【0023】
図3に、シェアスペース端末2の正面図(前面20c)を示す。シェアスペース端末2は、コンソール画面21、物理スイッチ部22及びセンサ部23を有する。なお、本実施形態では、前面20cにおいて、左から、コンソール画面21、物理スイッチ部22及びセンサ部23が配置されているが、これらの配列又は配置は図示するものに限定されない。
【0024】
コンソール画面21は、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイなどであり、状況に応じて必要な情報表示を行うとともに利用者のタッチ操作を受け付ける。コンソール画面21は、シェアスペースSの予約情報に関して、現時刻表示21a、予約終了時刻表示21b、延長利用案内表示21c及び残り時間表示21d(以下、これらをオブジェクト21a~21dともいう)として表示する。また、コンソール画面21は、シェアスペースSの環境情報に関して、騒音レベル表示21e、CO濃度表示21f(又は不図示の湿度表示21h)及び温度表示21gを表示する(以下、これらをオブジェクト21e~21hともいう)。また、コンソール画面21は、照明機器5及び換気扇6の動作情報に関して、照明ソフトスイッチ21i及び換気ソフトスイッチ21jをアイコン表示する(以下、これらをオブジェクト21i及び21jともいう)。さらに、コンソール画面21は、画像コード表示21kを表示する(以下、「オブジェクト21k」ともいう)。
【0025】
延長利用案内表示21cには、当該シェアスペース端末2が配置されるシェアスペースSの延長利用について最大利用可能な時刻が表示される。この最大利用可能な時刻は、当日中の時刻であるものとする。シェアスペースSの延長利用が可能でない場合には、延長利用案内表示21cには「不可」が表示される。
【0026】
残り時間表示21dの値は予約終了時刻表示21bの値から現時刻表示21aの値を減算した値であり、この残り時間が60分以下となった場合に表示され、残り時間(単位:分)がカウントダウン表示される。また、残り時間表示21dは、図示するように、所定の円グラフとともに表示される。このグラフの円周は、60分に対応する。グラフの現在値を示す移動端(太線円周の下端)は、反時計回りに移動して最上位置(0時の位置)を終点とする。なお、現在値を示す移動端は、時計回りに移動して最上位置(12時の位置)を終点としてもよい。また、残り時間が1分以下となった場合には、円周を60秒に対応させ、残り時間(単位:秒)がカウントダウン表示されるようにしてもよい。
【0027】
照明ソフトスイッチ21iは、照明機器5が点灯状態にある場合と消灯状態にある場合とで白黒反転して表示される。例えば、照明機器5が点灯状態にある場合には黒基調の表示が適用され、照明機器5が消灯状態にある場合には白基調の表示が適用される。同様に、換気ソフトスイッチ21jは、換気扇6が作動状態にある場合と停止状態にある場合とで白黒反転して表示される。例えば、換気扇6が作動状態にある場合には黒基調の表示が適用され、換気扇6が停止状態にある場合には白基調の表示が適用される。
【0028】
画像コード表示21kに表示される画像コードは、好ましくは、QRコード(登録商標)DataMatrix(登録商標)、VeriCode(登録商標)などの2次元コードであり、本実施形態ではQRコードが採用される。ただし、画像コードがバーコードなどの1次元コードであっても本実施形態は実施可能である。また、図示するように、画像コード表示21kは、携帯端末7による画像コードの読み取りを誘導する表示を含んでいてもよい。他のオブジェクトについては後述する。
【0029】
物理スイッチ部22は、照明物理スイッチ22a及び換気物理スイッチ22bを含む。照明物理スイッチ22aは利用者の押下操作に応じて照明操作信号を出力し、換気物理スイッチ22bは利用者の押下操作に応じて換気操作信号を出力する。これらの操作信号は、クラウドサーバ4に送信される。なお、照明物理スイッチ22aには、照明機器5の現動作状態(点灯又は消灯)を示すLEDなどの表示ランプ22cが設けられ、換気物理スイッチ22bには、換気扇6の現動作状態(作動又は停止)を示すLEDなどの表示ランプ22dが設けられる。表示ランプ22cの点灯/消灯は、照明機器5の点灯/消灯に対応してもよいし、照明機器5の消灯/点灯に対応してもよい。表示ランプ22dの点灯/消灯は、換気扇6の作動/停止に対応してもよいし、換気扇6の停止/作動に対応してもよい。
【0030】
なお、定義として、照明ソフトスイッチ21i、照明物理スイッチ22a、換気ソフトスイッチ21j及び換気物理スイッチ22bを総称してスイッチボタンというものとする。また、照明ソフトスイッチ21iに対するタッチ操作、照明物理スイッチ22aの押下操作、換気ソフトスイッチ21jに対するタッチ操作及び換気物理スイッチ22bの押下操作を総称してスイッチ操作といい、スイッチ操作によって出力される信号を総称してスイッチ操作信号というものとする。
【0031】
センサ部23は、環境センサ23a(厳密には、図示されるのは環境センサ23aのための空気取込み孔)及び人感センサ23bを含む。環境センサ23aは、空気取込み孔から取得された空気における環境レベルを検知及び出力する。環境センサ23a及び人感センサ23bの詳細については後述する。
【0032】
図1に戻り、シェアスペース端末2の各部を説明する。シェアスペース端末2は、コンソール画面21、物理スイッチ部22、センサ部23、無線通信部24、スイッチ回路25、制御部26、メモリ27及びスピーカ28を有する。コンソール画面21、物理スイッチ部22、センサ部23、無線通信部24、スイッチ回路25、制御部26、メモリ27及びスピーカ28及びは、必要な信号又、データ又は電力のやり取りが可能な態様でバスなどを介して適宜相互接続されている。
【0033】
センサ部23の環境センサ23aは、騒音センサ231、温湿度センサ232、COセンサ233及び空気品質(IAQ(Indoor Air Quality))センサ234を含む。環境センサ23aによって、シェアスペースS内の各種環境レベルが特定される。なお、環境センサとして、大気圧を検知する気圧センサが採用されてもよい。検知環境レベルを示す検知信号は、無線通信部24(無線通信部243)から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ4に送信される。
【0034】
騒音センサ231は、音圧を検知し、音圧から変換された騒音レベル(デシベル)(以下、「検知騒音レベル」という)を出力する。騒音センサ231は、人の声の周波数域などの所定の周波数域(例えば、約100~2000Hz)における音圧を検知するように構成されてもよい。検知騒音レベルを示す検知信号は、無線通信部243から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ4に送信される。
【0035】
温湿度センサ232は、温度及び湿度を検知し、温度値及び湿度値(以下、「検知温度」、「検知湿度」又は「検知温湿度」という)を出力する。なお、温湿度センサ232は、温度のみを検知して温度値を出力する温度センサであってもよいし、湿度のみを検知して湿度値を出力する湿度センサであってもよい。検知温度及び検知湿度を示す検知信号は、無線通信部243から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ4に送信される。
【0036】
COセンサ233は、NDIR(Non Dispersive InfraRed)方式によって二酸化炭素(CO)を検知してCO濃度(以下、「検知CO濃度」という)を出力する。CO濃度の増加は、人の呼吸に起因し得るので、人の密集状態の指標となり得る。検知CO濃度を示す検知信号は、無線通信部243から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ4に送信される。
【0037】
IAQセンサ234は、汚染物質を検知してその濃度(以下、「検知汚染レベル」という)を出力する。検知される汚染物質は、一酸化炭素(CO)、二酸化窒素(NO)又は揮発性有機化合物(VOC)である。汚染物質の発生源は、特にタバコの煙、あるいは、ホルムアルデヒド、アスベスト、粉塵、排気ガス、カーペット、塗料、接着剤、家具、建材などからのVOC、ペットのふけ、カビ、バクテリア、殺虫剤、除草剤などである。検知汚染レベルを示す検知信号は、無線通信部243から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ4に送信される。
【0038】
センサ部23の人感センサ23bは、赤外線人感センサであり、シェアスペースS(又はその所定検知エリア)における人体の在/不在を検出する。人感センサ23bは、人体の存在を検知すると在信号を出力し、それ以外の場合(すなわち、人体が不在の場合)には不在信号を出力する。なお、在信号/不在信号は、それぞれハイレベル信号/ローレベル信号であってもよいし、ローレベル信号/ハイレベル信号であってもよいし、信号出力有り/無し、信号出力無し/有りであってもよいし、UART信号であってもよい。本開示において、在信号/不在信号をまとめて人感検知信号というものとする。人感検知信号は、無線通信部243から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ4に送信される。
【0039】
無線通信部24は、無線通信部241~243を含む。無線通信部241、242及び243は、それぞれコンソール画面21、物理スイッチ部22及びセンサ部23に対応する。無線通信部241~243は、統合されて1つの無線通信部を構成してもよいし、3個の別個の無線通信部であってもよい(本実施形態では、後者が採用される)。無線通信部241~243の各々は、制御部26などの通信制御の下で又は自律的に無線LANルータ3と無線通信する。無線通信部241~243の各々は、本実施形態ではWi-Fi(登録商標)通信を行うためのWi-Fiユニットであり、例えば、2.4GHz(802.11b/g/n)で動作するWi-Fiデバイスである。
【0040】
無線通信部241によって、コンソール画面21上の操作に起因する操作信号(画面操作信号)が、クラウドサーバ4に送信される。この操作信号は、照明ソフトスイッチ21i及び換気扇ソフトスイッチ21jからのスイッチ操作信号を含む。また、無線通信部241によって、コンソール指令及び音声出力指令が、クラウドサーバ4から受信される。無線通信部242によって、照明物理スイッチ22a又は換気物理スイッチ22bからのスイッチ操作信号(物理スイッチ操作信号)が、クラウドサーバ4に送信される。また、無線通信部242によって、後述のスイッチ指令(点灯指令、消灯指令、作動指令及び停止指令)が、クラウドサーバ4から受信される。無線通信部243によって、センサ部23からの検知信号(センサ検知信号)が、クラウドサーバ4に送信される。
【0041】
このように、コンソール画面21、物理スイッチ部22及びセンサ部23に対して別個のWi-Fiユニットが設けられることにより、無線通信状態に関する診断が可能となる。例えば、クラウドサーバ4において、画面操作信号、物理スイッチ操作信号及びセンサ検知信号のうちの一部が受信されない場合には、無線LANルータ3及び通信ネットワークNは正常であるが、不受信の信号に対応する無線通信部又はそれが属する部分に故障があるものと推定される。また、クラウドサーバ4において、画面操作信号、物理スイッチ操作信号及びセンサ検知信号の全てが受信されない場合には、無線LANルータ3の故障又は通信ネットワークNにおける通信障害が推定される。
【0042】
スイッチ回路25は、交流電源AC(例えば、商用電源)と照明機器5及び換気扇6との間に接続される。スイッチ回路25は、制御部26(スイッチ制御部262)の制御下で、交流電源ACと照明機器5との間の給電配線を接続/遮断し、交流電源ACと換気扇6との間の給電配線を接続/遮断する。
【0043】
図4に、スイッチ回路25に関する一配線例の回路図を示す。スイッチ回路25は、リレースイッチからなり、交流電源AC側の端子251~254、照明機器5に接続される端子255、及び換気扇6に接続される端子256を有する。なお、端子251、252及び253は相互に接続されている。端子252と端子255との間の経路はスイッチSW5によって開閉され、端子251と端子256との間の経路はスイッチSW6によって開閉される。
【0044】
交流電源ACの非接地側の配線L1は、プラグ受け91(いわゆるコンセント)の非接地(ホット)側端子に接続される。交流電源ACの接地側の配線L2は、照明機器5の一方の接続端子、換気扇6の一方の接続端子、及びプラグ受け91の接地(コールド)側端子に接続される。照明機器5の他方の接続端子は配線L5を介して端子255に接続され、換気扇6の他方の接続端子は配線L6を介して端子256に接続される。端子251は配線L3を介して差込みプラグ92の非接地側端子に接続され、端子254は配線L4を介して差込みプラグ92の接地側端子に接続される。以下、差込みプラグ92がプラグ受け91に正しく接続されているものとして説明を行う。
【0045】
スイッチSW5の開閉及びスイッチSW6の開閉は、制御部26(スイッチ制御部262)によって個別に制御される。スイッチSW5がオン(閉成)されている場合、照明機器5は交流電源ACから給電配線(L1、L3、L5及びL2)を介して給電されて点灯する。一方、スイッチSW5がオフ(開放)されている場合、照明機器5は交流電源ACから遮断されて消灯する。同様に、スイッチSW6がオン(閉成)されている場合、換気扇6は交流電源ACから給電配線(L1、L3、L6及びL2)を介して給電されて作動する。一方、スイッチSW6がオフ(開放)されている場合、換気扇6は交流電源ACから遮断されて停止する。
【0046】
図5に、スイッチ回路25に関する他の配線例の回路図を示す。図4の回路と同様の構成には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。スイッチ回路25には、単相コンダクタ94が接続される。非接地側の配線L1及び接地側の配線L2は、単相ブレーカ93を介して交流電源ACに接続される。配線L1は、スイッチ回路25の端子251及び単相コンダクタの端子941に接続される。配線L2は、換気扇6の一方の端子、スイッチ回路25の端子254、並びに単相コンダクタ94の入力端子942及び制御端子944に接続される。換気扇6の他方の端子は、配線L6を介して端子256に接続される。端子255は配線L5を介して単相コンダクタ94の制御端子943に接続される。単相コンダクタ94の出力端子945及び946は、配線L51及び52を介して照明機器5に接続される。以下、単相ブレーカ93が投入(通電)状態にあるものとして説明を行う。
【0047】
スイッチSW5の開閉及びスイッチSW6の開閉は、制御部26(スイッチ制御部262)によって個別に制御される。スイッチSW5がオンされている場合、単相コンダクタ94において、制御端子943及び944が交流電源ACから給電され、入力端子941と出力端子945との間及び入力端子942と出力端子946との間が接続される。これにより、照明機器5は、交流電源ACから給電配線(L1、L51、L2及びL52)を介して給電されて点灯する。一方、スイッチSW5がオフされている場合、単相コンダクタ94の制御端子943が給電されず、入力端子941及び942と出力端子945及び946との間がオフされ、照明機器5は交流電源ACから遮断されて消灯する。また、図4の場合と同様に、スイッチSW6がオンされている場合、換気扇6は交流電源ACから給電配線(L1、L6及びL2)を介して給電されて作動する。一方、スイッチSW6がオフされている場合、換気扇6は交流電源ACから遮断されて停止する。
【0048】
このように、図5の構成では、照明機器5への負荷電流がスイッチ回路25を通過しないため、スイッチ回路25又はシェアスペース端末2の電流容量を増加させなくても比較的大規模な照明機器群の点灯/消灯が可能となる。また、コンダクタ94の適宜の選択、拡張により、コンセントの配線、小型~大型空調機などのオン/オフ制御も可能となる。なお、図1のブロック図は図4の回路構成に対応するが、当業者であれば、図4の回路構成の代わりに図5の回路構成を図1のブロック図に適用できるはずである。
【0049】
図6Aに、シェアスペース端末2の背面図(背面20b)及び側面図(側面20d)を示す(図4の配線に対応する)。図6Bに、シェアスペース端末2の背面20bが壁面Wに取付けられた場合の側面部分断面図を示す。背面20bには、配線のための凹部20g及び壁取付けのための孔20hが設けられる。凹部20gは、テーパー状を有し、上方側から下方側(底面20a側)にかけて奥行(水平方向の凹部深さ)が増加する。したがって、底面20aは、切欠き部を有する。図6Bに示すように、壁面Wには照明機器5及び換気扇6の壁スイッチ用の壁穴Whがあり、凹部20gが壁穴Whに対応するようにシェアスペース端末2が壁面Wに取付けられる。このようにしてシェアスペース端末2が壁面Wに取り付けられた場合に、凹部20gの下方は底面20a内で開放され、凹部20gの上方は壁面Wと背面20bによって閉塞される。
【0050】
凹部20gには、接続端子台25a及び25bが配置される。接続端子台25aはAC電源側の端子251及び端子254(不図示)を有し、接続端子台25bは負荷側の端子255及び端子256(不図示)を有する。したがって、図4に示す配線の場合には、接続端子台25aに配線L3及びL4が挿入接続され、接続端子台25bに配線L5及び配線L6が接続される。図6Bに示すように、配線L3及びL4は接続端子台25aから底面20aの切欠き部を通って壁面Wの外部下方に延在し、配線L5及びL6は接続端子台25bから壁穴Whを通って壁面Wの内部に延在する。なお、配線L3及びL4も壁面Wの内部に配線されてもよい。図5に示す配線の場合には、接続端子台25aに配線L1及びL2が挿入接続され、接続端子台25bに配線L5及び配線L6が接続される。図5の場合の配線L1及びL2は、壁面Wの内側に配線され得る。なお、図4に示す配線において、複数系統の照明機器5が存在する場合、それぞれの系統の配線L5が接続端子台25bの端子255(不図示)にまとめて接続される。図5に示す配線において、複数の照明機器5が存在する場合、それぞれの系統の配線L51及びL52が単相コンダクタ94の出力端子945及び946に接続されるので、スイッチ回路25の接続端子台25bの端子255(不図示)に接続される配線は配線L5のみである。
【0051】
凹部20gには、シェアスペース端末2の動作電源供給のための電源コネクタ29(差込み口)も設けられる。電源コネクタ29には、AC/DCアダプタのDC電源ジャック(不図示)が挿入される。これにより、シェアスペース端末2にDC電圧が供給され、筐体20内部の適宜の定電圧回路(不図示)を介して各部に動作電源が供給される。なお、本実施形態では、シェアスペース端末2はDC電源で動作するように構成されるが、シェアスペース端末2の内部にAC/DCコンバータが配置される場合には、電源コネクタ29にはAC電圧(例えば、壁コンセントからの商用電源)が供給される。この場合、電源コネクタ29は省略されてACケーブルがシェアスペース端末2に直接接続され得る。このACケーブルと配線L3及びL4は、物理的又は電気的に束ねられて1本のACケーブルとして配線されてもよい。あるいは、筐体20内部にバッテリが設けられ、シェアスペース端末2の動作電源がそのバッテリから供給されてもよい。この場合、電源コネクタ29は不要である。
【0052】
図1に戻り、シェアスペース端末2の各部をさらに説明する。制御部26は、コンソール制御部261、スイッチ制御部262及び音声出力制御部263を含む。制御部26は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどのCPU及びその周辺回路を含む。本実施形態では1つの制御部26が図示されているが、制御部26はコンソール画面21、物理スイッチ部22及びセンサ部23に対応するブロックに分割されてもよい。制御部26は、上記の各部の機能以外にも一般的な各種機能(時計機能、計時機能、通信制御機能、演算処理機能など)を適宜実行し得る。メモリ27は、プログラムなどを記憶するROM、及びデータ、プログラムなどを一時的に記憶するRAMを含む。なお、図1においては、メモリ27は制御部26に含まれているが、メモリ27は制御部26の外部にあってもよい。
【0053】
コンソール制御部261は、クラウドサーバ4から無線LANルータ3及び無線通信部241を介して取得されるコンソール指令に基づく画面をコンソール画面21に表示させる。コンソール指令によって、オブジェクト21a~21kのうちのいずれを表示するかの選択、表示される各オブジェクトの表示内容(数値、白黒反転など)、選択されたオブジェクトの配置などが指定される。
【0054】
スイッチ制御部262は、クラウドサーバ4から無線LANルータ3及び無線通信部242を介して取得されるスイッチ指令に基づいて、スイッチ回路25の各スイッチの開閉を制御する。スイッチ指令は、スイッチSW5をオンして照明機器5を点灯させるための点灯指令、スイッチSW5をオフして照明機器5を消灯させるための消灯指令、スイッチSW6をオンして換気扇6を作動させるための作動指令、及びスイッチSW6をオフして換気扇6を停止させる停止指令を含む。
【0055】
音声出力制御部263は、クラウドサーバ4から無線LANルータ3及び無線通信部241~243のいずれか(例えば、無線通信部241、以下同じ)を介して取得される音声出力指令に基づいて、スピーカ28からの音声出力を制御する。音声出力指令は、詳細を後述するように、案内メッセージのための案内用音声出力指令及び警告メッセージのための警告用音声出力指令を含む。
【0056】
無線LANルータ3は、シェアスペース端末2(無線通信部241~243)及び携帯端末7(通信部71)と無線接続可能に構成され、インターネットなどの通信ネットワークNを介してクラウドサーバ4(通信部41)と通信可能に構成される。無線LANルータ3とシェアスペース端末2及び携帯端末7とは、Wi-Fi通信(2.4GHz)によって接続される。すなわち、無線LANルータ3は、無線通信部241~243とWi-Fi通信可能なWi-Fiルータである。無線LANルータ3とクラウドサーバ4とは3G、4G、LTEなどによって接続され、必要に応じて無線LANルータ3と通信ネットワークNとの間にモデムが接続されてもよい。
【0057】
クラウドサーバ4は、通信部41、処理部42及びデータベース43を有する。通信部41は、通信ネットワークNと有線又は無線で通信することができる。すなわち、クラウドサーバ4は、通信部41によって通信ネットワークNを介して管理者端末8及びスケジュール管理アプリAと通信し、通信ネットワークN及び無線LANルータ3を介してシェアスペース端末2及び携帯端末7と通信することができる。データベース43は、シェアスペース端末2、携帯端末7などから送信される信号に含まれるデータを蓄積する。
【0058】
処理部42は、予約管理部420、表示処理部421、照明指令部422、換気指令部423、警告処理部424、音声案内処理部425及びデータ処理部426を含む。処理部42は、クラウドサーバ4内の各部の統括制御、通信部41の通信制御など、一般的なクラウドサーバの処理機能も実行し得る。言い換えると、処理部42は、各部420~426の機能以外の一般的な各種機能(時計機能、計時機能、通信制御機能、演算処理機能など)を適宜実行し得る。
【0059】
予約管理部420は、利用者の携帯端末又はパーソナルコンピュータ(PC)にシェアスペースSの予約ウェブサイトを提供し、予約ウェブサイトに対するユーザ入力から予約情報を決定する。したがって、予約管理部420は、シェアスペースSについての現在及び将来の予約情報を保持している。予約管理部420は、外部のスケジュール管理アプリAと連携して、本開示に示すような時間管理を行うことができる。ただし、このようなスケジュール管理アプリケーションは、処理部42に含まれてもよい。予約管理部420は、予約情報から、予約利用時間の予約開始時刻ts及び予約終了時刻teを取得し、予約開始時刻tsに付随する時刻t0、並びに予約終了時刻teに付随する時刻t1~t4及び必要に応じて時刻taを生成する。時刻t0~t4及びtaについて以下に説明する。
【0060】
予約開始時刻tsに付随する時刻t0は、予約開始時刻ts以前に照明機器5を点灯させるための点灯時刻である。時刻t0から予約開始時刻tsまでの差分時間T0-sは、例えば、0~30分程度であり、好ましくは0~10分程度(例えば、0分超~10分程度)、より好ましくは5~10分程度である。差分時間T0-sが0分の場合、利用時間前のシェアスペースSの使用が不可となり、高い管理性が実現される。一方、差分時間T0-sが0分超の場合、利用時間前であっても利用者の入室及び集合を多少は許容し、シェアスペースS外での待ち利用者(付近に対する騒音、他の利用者の往来の妨害の原因ともなり得る)を減少させることができる。これにより、管理性を担保しつつも、シェアスペースSに関する円滑な運用が実現され得る。
【0061】
予約終了時刻teに付随する時刻t1は、予約終了時刻te前に予約終了時刻teの到来を予告するための終了予告時刻である。時刻t1から予約終了時刻teまでの差分時間T1-eは、5~15分程度であり、好ましくは、10分程度である。これは、利用者に会議の締めを促し、その円滑な退室準備を促すものである。
【0062】
予約終了時刻teに付随する時刻t2は、予約終了時刻te前に利用者の退室(又は退出、以下同じ)を促すための退室誘導時刻である。時刻t2から予約終了時刻teまでの差分時間T2-eは、1~10分程度であり、好ましくは、5分程度である。これは、利用者の円滑な退室準備を促すものである。
【0063】
予約終了時刻teに付随する時刻t3は、予約終了時刻te以前に予約時刻の到来を案内する終了案内時刻である。時刻t3から予約終了時刻teまでの差分時間T3-eは、0分~1分程度であり、好ましくは、1分程度である。これは、利用者の即座の退室を促すものである。
【0064】
予約終了時刻teに付随する時刻t4は、予約終了時刻te以後に照明機器5を消灯させるための消灯時刻である。予約終了時刻teから消灯時刻t4までの差分時間Te-4は、0~30分程度であり、好ましくは0~5分程度(例えば0分超~5分程度)、より好ましくは5分程度である。差分時間Te-4は、不正な予約時間後利用の防止の観点から0分(すなわち、te=t4)が望ましい。ただし、後に利用予約が入っていない場合などには多少の利用猶予時間を設けてもよく、管理性を担保しつつもシェアスペースSをユーザフレンドリなものにするため、30分以内程度としてもよい。
【0065】
予約終了時刻teに付随する時刻taは、予約終了時刻teの前に延長利用の予約を促すための延長案内時刻である。ただし、予約終了時刻te以降にそのシェアスペースSの予約が入っている場合には、時刻taは生成されず、又は生成されたとしても使用されない。時刻taから予約終了時刻teまでの差分時間Ta-eは、15分程度であればよく、終了予告時刻t1よりも前であることが望ましい。
【0066】
表示処理部421は、予約管理部420によって生成された各時刻及び延長利用可否の情報、コンソール画面21又は物理スイッチ部22からのスイッチ操作信号、並びにセンサ部23からの検知信号に基づいてコンソール指令を生成する。このコンソール指令によってコンソール画面21のオブジェクト21a~21jが形成される。また、表示指令部421は、コンソール画面21から画像コード表示21kを撮像した携帯端末7に対して携帯端末用コンソール指令を生成する。なお、画像コード表示21kに表示される画像コードは、予約時間(予約開始時刻ts~予約終了時刻te)に固有の画像コードである。言い換えると、異なる予約時間に対しては異なる画像コードが適用及び表示される。したがって、所与の画像コードは、該当する予約時間中にのみ有効なものである。
【0067】
また、表示処理部421は、シェアスペースSの利用時間外には、コンソール画面21を待機設定(例えば、ブラックアウト)させるためのコンソール指令を生成する。利用時間外であっても、シェアスペース端末2の人感センサ23bから人体在信号が送信された場合又はコンソール画面21へのタッチ検知を示す操作信号が送信された場合には、表示処理部421は所定の待機画面を表示するためのコンソール指令を生成する。コンソール指令は通信部41からシェアスペース端末2(無線通信部241)に送信され、携帯端末用コンソール指令は通信部41から携帯端末7(通信部71)に送信される。
【0068】
図7A及び図7Bに、コンソール指令を受けたシェアスペース端末2のコンソール画面21の一例及び対応する携帯端末用コンソール指令を受けた携帯端末7の表示画面74の一例をそれぞれ示す。図7Aに示すように、コンソール画面21には、現時刻表示21a、延長利用案内表示21c、残り時間表示21d、騒音レベル表示21e、CO濃度表示21f、温度表示21g、照明ソフトスイッチ21i、換気ソフトスイッチ21j及び画像コード表示21kのオブジェクトが表示されている。一方、図7Bに示すように、表示画面74には、現時刻表示74a、延長利用案内表示74c、残り時間表示74d、騒音レベル表示74e、CO濃度表示74f、温度表示74g、照明ソフトスイッチ74i及び換気ソフトスイッチ74jのオブジェクトが表示される。なお、オプションとして他の機能(例えば、空調制御)のためのオブジェクト74mが表示されてもよい。
【0069】
ここで、オブジェクト21a、21c、21d、21e、21f、21g、21i及び21jの各形状は、対応するオブジェクト74a、74c、74d、74e、74f、74g、74i及び74jの各形状とそれぞれ同一(相似)である。なお、図7A及び図7Bの例では表示されていないが、コンソール画面21に予約終了時刻表示21b又は湿度表示21hが表示される場合には、表示画面74にも同一形状の予約終了時刻表示又は湿度表示のオブジェクトが表示される。これにより、利用者において、表示画面74乃至は携帯端末7を介したコンソール画面21乃至はシェアスペース端末2へのリンク感が高まり、操作性が高まる。
【0070】
携帯端末7の表示画面74は、タッチパネルであり、利用者のタッチ操作を受け付ける。表示画面74における各オブジェクトへの操作(特に、照明ソフトスイッチ74i又は換気ソフトスイッチ74jへのスイッチ操作)は、コンソール画面21における対応のオブジェクトへの操作(特に、照明ソフトスイッチ21i又は換気ソフトスイッチ21jへのスイッチ操作)に同期する。これにより、利用者は、コンソール画面21に非接触で、各オブジェクトを操作できることになる。したがって、コンソール画面21を介した不特定多数の利用者間の間接的な接触(他の利用時間の利用者との間接的な接触も含む)を回避することができ、感染症防止の観点など衛生上好ましい。また、表示画面74において、延長利用案内表示74cへのタッチに応じて、延長利用予約及び決済を行うための画面が表示される。これにより、利用者は、携帯端末7を用いて容易に利用延長の手続を行うことができる。
【0071】
なお、携帯端末7が横向きに保持される場合(表示画面74の長手方向が水平方向に向く場合)には、オブジェクト74a~74jの配列又は配置がオブジェクト21a~21jの配列又は配置と同一であってもよい。また、携帯端末7がタブレット端末である場合には、タブレット端末の保持方向にかかわらず、オブジェクト74a~74jの配列又は配置がオブジェクト21a~21jの配列又は配置と同一であってもよい。あるいは、本実施形態とは異なり、コンソール画面21が縦長の画面である場合、携帯端末7が縦向きに保持される場合(表示画面74の長手方向が鉛直方向に向く場合)には、オブジェクト74a~74jの配列又は配置がオブジェクト21a~21jの配列又は配置と同一であってもよい。これにより、利用者において、表示画面74乃至は携帯端末7からのコンソール画面21乃至はシェアスペース端末2へのリンク感が一層高まり、操作性がさらに高まる。
【0072】
照明指令部422は、予約管理部420によって生成された各時刻、又はシェアスペース端末2(照明ソフトスイッチ21i又は照明物理スイッチ22a)から送信されたスイッチ操作信号に基づいて、点灯指令及び消灯指令を生成する。生成された点灯指令又は消灯指令は、通信部41からシェアスペース端末2(無線通信部242)に送信される。
【0073】
具体的には、点灯時刻t0に、照明指令部422は、点灯指令を生成する。予約開始時刻tsに、照明指令部422は、一時的に短時間の消灯指令を生成する。これにより、スイッチ制御部262は、スイッチ回路25のスイッチSW5を一時的にオフするので、照明機器5は一時的に消灯し、すなわち、点滅又は瞬きすることになる。この点滅又は瞬きにより、利用者は、予約開始時刻tsの到来を視覚的かつ直感的に認識することができる。退室誘導時刻t2に、照明指令部422は、照明機器5の点消灯状態を反転するように、一時的に短時間の消灯指令又は点灯指令を生成する。具体的には、照明機器5が点灯状態にある場合には一時的な消灯指令が生成され、照明機器5が消灯状態にある場合(プロジェクタ使用時など)には一時的な点灯指令が生成される。この点滅又は瞬きにより、利用者は、予約終了時刻teの切迫を視覚的かつ直感的に認識することができる。これらの点滅又は瞬きは単発で行われてもよいし、連続的に複数回にわたって(すなわち、点灯と消灯の間の複数回の往復)行われてもよい。消灯時刻t4に、照明指令部422は、消灯指令を生成する。
【0074】
また、利用時間内の期間において、照明指令部422は、照明機器5が点灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて消灯指令を生成し、照明機器5が消灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて点灯指令を生成する(すなわち、点灯と消灯を反転させる)。なお、利用時間内の期間とは、点灯時刻t0又は予約開始時刻tsから予約終了時刻te又は消灯時刻t4までの間の期間をいい、予約時間内の期間とは、予約開始時刻tsから予約終了時刻teまでの間の期間をいうものとする。
【0075】
一方、利用時間外の期間には、照明指令部422は、スイッチ操作信号に応じて、仮点灯期間だけ一時的に点灯指令を生成する。なお、利用時間外とは、点灯時刻t0前の期間又は消灯時刻t4後の期間であり、予約時間外とは、予約開始時刻ts前の期間又は予約終了時刻te後の期間のことをいうものとする。この仮点灯期間は、例えば、10秒以上1分以下であり、好ましくは20秒~40秒程度であり、さらに好ましくは30秒程度である。この仮点灯期間は、シェアスペースSの管理者(スタッフ)による見回り、利用者による忘れ物回収などのために一時的に照明を与えるものである。ここで、表示処理部421は、コンソール画面21に仮点灯期間の残り時間を(例えば、残り時間表示21dによって)カウントダウン表示させてもよい。これにより、スタッフ又は一時的利用者は、現点灯が仮点灯であることを認識し得る。また、スタッフ又は一時的利用者は、消灯までの猶予時間を知ることができるので、その猶予時間内で落ち着いて行動することができる。
【0076】
また、照明指令部422は、利用時間外の期間において、コンソール画面21の特定の操作に応じて生成された特定操作信号に応じて、所定の強制点灯期間だけ点灯指令を生成するように構成され得る。上記の特定操作は、例えば、コンソール画面21の所定箇所のタッチ操作である。この所定箇所のタッチ操作は、1箇所の空白箇所に対するタッチ操作として定義されてもよいし、複数の空白箇所、複数のオブジェクト又は空白箇所及びオブジェクトの組合せに対するの同時のタッチ操作、短時間内での連続的タッチ操作などとして定義されてもよい。これにより、シェアスペースSにおいて、清掃員、保守員などの作業スタッフによる時間外作業(清掃、メンテナンスなど)が可能となる。なお、消灯時は、利用時間内の消灯と同様に、照明ソフトスイッチ21iへのタッチ操作により消灯指令が生成される。また、管理者は、管理者端末8において、この場合の点灯指令及び消灯指令のログから、作業スタッフの作業時間を管理することができる。
【0077】
換気指令部423は、シェアスペース端末2(換気ソフトスイッチ21j又は換気物理スイッチ22b)から送信されたスイッチ操作信号又はシェアスペース端末2(環境センサ23a)から送信された信号が示す環境レベルに基づいて、作動指令又は停止指令を生成する。あるいは、シェアスペース端末2からのスイッチ操作信号の有無又は環境レベルにかかわらず、換気指令部423は、定期換気として、定期的(例えば、30分毎)に所定期間(例えば、5分間)にわたって作動指令を生成してもよい。生成された作動指令又は停止指令は、通信部41からシェアスペース端末2(無線通信部242)に送信される。
【0078】
換気指令部423は、スイッチ操作信号に応じて、換気扇6が作動状態にある場合には停止指令を生成し、換気扇6が停止状態にある場合には作動指令を生成する(すなわち、作動と停止を反転させる)。
【0079】
また、換気指令部423は、COセンサ233からの検知COレベルがCO閾値(例えば、1000ppm)を超えた場合に作動指令を生成し、その後、COセンサ233からの検知COレベルがCO閾値を下回った場合に停止指令を生成する。なお、換気扇6の頻繁な作動と停止の反復を回避するために、換気指令部423は、検知COレベルがCO上昇閾値を超えた場合に作動指令を生成し、検知COレベルがCO低下閾値を下回った場合に停止指令を生成するようにしてもよい(CO上昇閾値>CO低下閾値)。あるいは、COセンサ233の検知間隔又は検知信号の送信間隔を比較的長く設定してもよい。
【0080】
さらに、換気指令部423は、IAQセンサ234からの検知汚染レベルが汚染閾値(例えば、VOCについて1100ppb)を超えた場合に作動指令を生成し、その後、IAQセンサ234からの検知汚染レベルが汚染閾値を下回った場合に停止指令を生成する。なお、換気扇6の頻繁な作動と停止の反復を回避するために、換気指令部423は、検知汚染レベルが汚染上昇閾値を超えた場合に作動指令を生成し、検知汚染レベルが汚染低下閾値を下回った場合に停止指令を生成するようにしてもよい(汚染上昇閾値>汚染低下閾値)。あるいは、IAQセンサ234の検知間隔又は検知信号の送信間隔を比較的長く設定してもよい。
【0081】
警告処理部424は、騒音センサ231から送信された信号が示す検知騒音レベルが騒音警告条件を満たす場合に、シェアスペース端末2のスピーカ28から警告メッセージを発するための警告用音声出力指令を生成する。警告用音声出力指令は、「もう少し静かにお願いします!」などの警告メッセージである。また、警告メッセージには、「〇〇デシベルを超えています」などの客観的指標に基づくメッセージが付加されてもよく、これにより警告の説得力が担保され得る。生成された音声出力指令は、通信部41からシェアスペース端末2(無線通信部241)に送信される。これにより、音声出力制御部263によって、スピーカ28から上記警告メッセージが音声出力される。ここで、騒音警告条件とは、連続時間(例えば、3秒)における騒音レベルの累積値が警告閾値(例えば、85dB)を超えること、騒音レベルのピーク値が所定閾値を超えることなどである。
【0082】
また、警告処理部424は、上記の警告を発した場合には、その旨を管理者の端末(例えば、管理者端末8)にメールなどで通知することができる。これにより、管理者は、利用者の携帯端末7又はシェアスペースSに配置された固定電話に電話をかけ、その利用者に迅速かつ直接に静粛要請を行うことができる。
【0083】
また、警告処理部424は、検知COレベルがCO閾値を超えた場合又は検知汚染レベルが汚染閾値を超えた場合、スピーカ28からの音声による警告を行うための音声出力指令を生成し得る。この警告メッセージは、単に各検知レベルの増加を伝達するものであってもよいし、換気扇6による換気を促すものであってもよい。
【0084】
音声案内処理部425は、予約管理部420によって生成された各時刻に基づいて、案内用音声出力指令を生成する。生成された音声出力指令は、通信部41からシェアスペース端末2(無線通信部241)に送信される。これにより、シェアスペース端末2の音声出力制御部263によって、スピーカ28から上記警告メッセージが音声出力される。
【0085】
具体的には、音声案内処理部425は、予約開始時刻tsに、予約開始時刻到来のメッセージ(例えば、「開始時間となりました。QRコードをスキャンしてください」)を音声出力するための音声出力指令を生成する。また、音声案内処理部425は、終了予告時刻t1に、終了予告メッセージ(例えば、「あと10分で終了です」)をスピーカ28から音声出力させるための対応の音声出力指令を生成する。また、音声案内処理部425は、退室誘導時刻t2に、予約終了時刻切迫のメッセージ(例えば、「間もなく終了時間です。速やかなご退室をお願い致します」)を音声出力するための音声出力指令を生成する。さらに、音声案内処理部425は、終了案内時刻t3には、予約終了のメッセージ(例えば、「ご利用ありがとうございました」)を音声出力するための音声出力指令を生成する。
【0086】
データ処理部426は、データベース43とともに、シェアスペース端末2から受信された信号の有無又はその信号が示す検知レベルに基づいて、管理者端末8の入出力I/F84に各種データのグラフィカル表示又は数値表示を提供する。グラフィカル表示又は数値表示は、選択項目のリアルタイムでのモニタリング結果、過去のモニタリング結果の統計などを含む。選択項目は、騒音(騒音センサ231の検知結果)、動作検知(人感センサ23bの検知結果)、温度(温湿度センサ232の検知結果)、湿度(温湿度センサ232の検知結果)、CO濃度(COセンサ233の検知結果)及び空気汚染レベル(IAQセンサ234の検知結果)の1つ以上を含む。また、これらのグラフィカル表示又は数値表示には、シェアスペース端末2からの各操作信号の受信履歴及びクラウドサーバ4からシェアスペース端末2への各指令の送信履歴が組み合わされてもよい。
【0087】
照明機器5は、一般に、LED照明器具、蛍光灯照明器具などである。本実施形態では照明機器5が点滅さされることから、本実施形態は点滅耐性の高いLED照明器具に特に適する。照明機器5は、点灯回路及び光源(双方とも不図示)を含む。点灯回路の一方の入力端は交流電源ACにスイッチ回路25を介して接続され、他方の入力端は交流電源ACに直接接続される(図4及び図5参照)。点灯回路は、一般的な照明用安定器であり、交流電源ACからの入力交流電圧を所定の出力電流に変換してその出力電流を光源に供給する。例えば、光源がLEDである場合、点灯回路は整流回路及びDC/DCコンバータを備える電子安定器である。また、光源が放電灯である場合、点灯回路は整流回路及びDC/ACコンバータを備える電子安定器又は銅鉄コイルを備える磁気式安定器である。また、点灯回路及び光源は、一体化されて電球形照明器具を形成してもよい。
【0088】
換気扇6は、一般に、室内の空気と室外の空気を交換する換気装置である。換気扇6は、駆動回路及びモータ(双方とも不図示)を含む。駆動回路の一方の入力端は交流電源ACにスイッチ回路25を介して接続され、他方の入力端は交流電源ACに直接接続される(図4及び図5参照)。駆動回路は、一般的なモータ駆動回路であり、交流電源ACからの入力交流電圧を所定のAC電流又はDC電流に変換してその出力電流をファンのモータに供給する(すなわち、ファンが回転する)。
【0089】
なお、照明機器5及び換気扇6以外にも、接続端子台25b(図6参照)に加えて拡張接続端子台(及びそれに含まれる拡張端子)を設けることにより、他の機器(特に、既設の機器)が接続され得る。他の機器とは、シェアスペースSの外部(例えば、外壁面)に設置されるモニタ(シェアスペースS内の人の在/不在、予約情報などを表示するディスプレイ)、シェアスペースSのドアに設置される電子錠などである。この場合も、他の機器については、クラウドサーバ4(処理部42)からの対応のスイッチ指令に応じて給電配線が接続又は遮断される。例えば、利用時間内に、スイッチ指令として表示オン指令が生成され、上記モニタが給電されて表示状態となる。一方、利用時間外に、スイッチ指令として表示オフ指令が生成され、上記モニタは給電されずにシャットダウンされる。また、利用時間内に、スイッチ指令として施錠指令が生成され、上記電子錠が給電されて施錠(又は施錠/解錠操作可能)状態となる。一方、利用時間外に、スイッチ指令として解錠指令が生成され、上記電子錠は給電されずに解錠される。
【0090】
携帯端末7は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどの一般的な情報通信デバイスである。携帯端末7は、通信部71、CPU72、メモリ73、表示画面74及びカメラ75を備える。通信部71は、無線LANルータ3及びクラウドサーバ4(通信ネットワークN及び通信部41)と通信可能な一般的な通信手段である。CPU72及びメモリ73は、一般的なコンピュータを構成するプロセッサ及びメモリであり、メモリ73には必要なアプリケーションのプログラムが既にインストールされているものとし、CPU72はそのプログラムを実行可能であるものとする。表示画面74は、上述したようにタッチパネルからなる入出力インターフェースである。
【0091】
管理者端末8は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)などである。管理者端末8は、通信部81、CPU82、メモリ83及び入出力インターフェース(I/F)84を備える。通信部81は、通信ネットワークNを介して無線LANルータ3及びクラウドサーバ4と通信可能な一般的な通信手段である。CPU82及びメモリ83は、一般的なコンピュータを構成するプロセッサ及びメモリであり、メモリ83には必要なアプリケーションのプログラムが既にインストールされているものとし、CPU82はそのプログラムを実行可能であるものとする。入出力I/F84は、管理者端末8がスマートフォン又はタブレットである場合にはタッチパネルであり、管理者端末8がPCである場合には表示デバイス(モニタ)及び入力デバイス(キーボード、マウス、マイクロフォンなど)である。
【0092】
管理者は、管理者端末8からクラウドサーバ4にアクセスし、クラウドサーバ4上で各種設定を設定又は変更することができる。例えば、予約管理部420において、点灯時刻t0と予約開始時刻tsとの差分時間、並びに終了予告時刻t1、退室誘導時刻t2、終了案内時刻t3及び消灯時刻t4と予約終了時刻teとの差分時間が設定又は変更可能である。表示処理部421において、コンソール画面21の表示内容(オブジェクト21a~21kのいずれを表示するかの選択)が設定又は変更可能である。照明指令部422において、予約開始時刻ts又は退室誘導時刻t2の一時的消灯指令(照明機器5の点滅)の要否が設定又は変更可能である。また、照明指令部422において、点灯指令又は消灯指令がマニュアル的に生成可能である。換気指令部423において、CO閾値及び検知レベルの補正値、並びに汚染検知警告(検知汚染レベルに基づく警告用音声出力指令の生成)の要否、汚染閾値が設定又は変更可能である。また、換気指令部423では、定期換気(換気扇6の定期的な作動)の要否、人感検知信号による自動換気(CO検知に基づく換気扇6の作動)の要否などが設定又は変更可能である。また、換気指令部423において、作動指令又は停止指令がマニュアル的に生成可能である。
【0093】
また、警告処理部424において、騒音警告(検知騒音レベルに基づく警告用音声出力指令の生成)の要否、騒音警告を発出した旨を管理者への通知の要否、騒音警告条件及び検知レベルの補正値が設定又は変更可能である。さらに、管理者が、入出力インターフェース84を介して、警告処理部424における警告メッセージの内容を設定又は変更できるようにしてもよい。あるいは、管理者が、入出力インターフェース84を介して警告メッセージを実質的にリアルタイムで、すなわち、キーボードからのテキスト入力、又はマイクロフォンからの音声入力及び音声認識処理によって設定又は変更できるようにしてもよい。また、処理部42の適宜の機能部分において、特定の検知レベルに基づく何らかの室内異常検知の際のメール通知の要否及び利用時間外入室検知の際のメール通知の要否が設定又は変更可能である。
【0094】
次に、システム1のタイムライン動作について説明する。図8に、システム1の動作タイムラインの一例を示す。なお、本例の予約情報では、予約開始時刻が14:00であり、予約終了時刻が15:00であるものとする。また、このシェアスペースSは15:00以降の時間帯について18:30まで予約がなく、延長利用が可能であるものとする。
【0095】
点灯時刻t0は、本例では予約開始時刻tsの5分前の13:55である。点灯時刻t0において、スイッチ制御部262は、点灯指令に従ってスイッチ回路25のスイッチSW5をオンして照明機器5を点灯させる。この時点において、コンソール制御部261は、システム1、シェアスペース端末2又はシェアスペースSに関するロゴなどを含む準備画面をコンソール画面21に表示させる。この時点で、前予約の終了時刻前である場合には、照明機器5は既に点灯されているので点灯指令は生成されない。また、コンソール画面21は、前予約に関する画面の表示を継続する。
【0096】
予約開始時刻tsにおいて、スイッチ制御部262は、一時的な消灯指令に従ってスイッチ回路25のスイッチSW5を一時的にオフして照明機器5を点滅させる。予約開始時刻tsにおいて、コンソール制御部261は、コンソール指令に従って図9Aに示す画面2101をコンソール画面21に表示させる。この画面2101において、現時刻表示21aは「14:00」を示し、延長利用案内表示21cは「18:30」を示し、残り時間表示21dは「01:00」を示す(「00:60」又は「00:59」であってもよい)。騒音レベル表示21e、温度表示21g及び湿度表示21hは、それぞれ「62dB」、「24℃」及び「50%」を示す。照明ソフトスイッチ21iは点灯状態を示し、換気ソフトスイッチ21jは停止状態を示す。予約開始時刻tsにおいて、音声出力制御部263は、案内用音声出力指令に従って「開始時間となりました。QRコートをスキャンしてください」などの音声メッセージをスピーカ28から出力させる。
【0097】
利用者が、携帯端末7のカメラ75を用いて画面2101の画像コード表示21kをスキャン(撮像)すると、携帯端末7のCPU72は、クラウドサーバ4が提供するウェブサイトにアクセスする。表示処理部421が生成した携帯端末用コンソール指令によって図9Bに示す画面7401が、表示画面74に表示される。画面7401に表示されるオブジェクト群は、画面2101のオブジェクト群から画像コード表示21kを除いたものを含む。
【0098】
その後、シェアスペース利用中においては(後述の終了案内時刻t3又は予約終了時刻teまで)、シェアスペース端末2のコンソール画面21及び携帯端末7の表示画面74は、それぞれ画面2101及び画面7401の形態を維持し、現時刻表示21a及び残り時間表示21dの数値は時間とともに変化する。また、騒音レベル表示21e、温度表示21g及び湿度表示21h、照明ソフトスイッチ21i又は換気ソフトスイッチ21jにおいて発生する変化は、画面2101と画面7401の間で同期される。
【0099】
延長案内時刻taにおいて、コンソール制御部261は、コンソール指令に従って、図9Cに示す画面2102をコンソール画面21に表示させる。画面2102には、残り時間表示21d(「00:15」)、延長利用案内表示21c(「18:30」)及び拡大された画像コード(QRコード)21k´が表示され、QRコード21k´ともに「延長をご希望の場合は、QRコードを携帯電話でスキャンしてください。」などの延長を促すメッセージが表示される。このメッセージは、スピーカ28から音声出力されてもよい。
【0100】
本例では、利用者は、画面2102のQRコード21k´をスキャン(撮像)しなかったものとする。すなわち、延長利用予約は行われず、当初の予約終了時刻teが適用される。
【0101】
終了予告時刻t1は、本例では予約終了時刻teの10分前の14:50である。終了予告時刻t1において、音声出力制御部263は、案内用音声出力指令に従って「あと10分で終了です」などの音声メッセージをスピーカ28から出力させる。
【0102】
退室誘導時刻t2は、本例では予約終了時刻teの5分前の14:55である。退室誘導時刻t2において、スイッチ制御部262は、一時的な消灯指令に従ってスイッチ回路25のスイッチSW5を一時的にオフして照明機器5を点滅させる。なお、照明機器5が消灯状態にある場合には、スイッチ制御部262は、一時的な点灯指令に従ってスイッチ回路25のスイッチSW5を一時的にオンして照明機器5を点滅させる。音声出力制御部263は、案内用音声出力指令に従って「間もなく終了時間です。速やかなご退室をお願い致します」などの音声メッセージをスピーカ28から出力させる。
【0103】
終了案内時刻t3は、本例では、予約終了時刻teの1分前の14:59である。終了案内時刻t3において、音声出力制御部263は、案内用音声出力指令に従って「ご利用ありがとうございました。照明はあと5分で消灯します」などの音声メッセージをスピーカ28から出力させる。なお、利用者のスイッチ操作によって照明機器5が既に消灯されている場合には、上記音声メッセージは「ご利用ありがとうございました」のみとなる。終了案内時刻t3又は予約終了時刻teにおいて、コンソール制御部261は、コンソール指令に従って図9Dに示す画面2103をコンソール画面21に表示させる。画面2103には、上記ロゴ、現時刻表示21a、騒音レベル表示21e、温度表示21g及び湿度表示21h、照明ソフトスイッチ21i又は換気ソフトスイッチ21jが表示される。携帯端末7の表示画面74には、例えば、現時刻、上記ロゴ、及び「ご利用ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」などのメッセージが表示される。この時点で、コンソール画面21と表示画面74との同期は解かれる。
【0104】
消灯時刻t4は、本例では、予約終了時刻teの5分後の15:05である。消灯時刻t4において、スイッチ制御部262が、消灯指令に従ってスイッチ回路25のスイッチSW5をオフして照明機器5を消灯させる。
【0105】
なお、予約時間内に(例えば、延長案内時刻ta後に)、利用者が画面2102のQRコード21k´をスキャンした場合(かつ携帯端末7に表示される別途の画面において延長予約について決済が完了した場合)、延長利用予約が確定する。これに伴い、延長された新たな予約終了時刻teに基づいて新たな時刻t1~t4が再設定される。したがって、新たな時刻t1~t4及び当初の時刻taに基づいて、上記と同様の動作が実行される。ただし、延長案内時刻taは、その後の他の利用者の予約状況によって変化し得る。
【0106】
なお、予約終了時刻teの直後に他の予約が入っている場合には、コンソール画面21(画面2101)の延長利用案内表示21c及び表示画面74(画面7401)の延長利用案内表示74cは「不可」となる。また、延長案内時刻taは採用されず、画面2102も表示されない。この場合、時刻t4における消灯は行われず、時刻t3における音声出力も消灯に言及しないものとなる。
【0107】
<第1の実施形態の総括>
以上のように、本実施形態のシェアスペース端末2は、シェアスペースSの予約開始時刻ts直前の時刻t0に生成される点灯指令及びシェアスペースSの予約終了時刻te直後の時刻t4に生成される消灯指令をクラウドサーバ4の照明指令部422から受信する無線通信部24(242)と、シェアスペースSに設置された照明機器5の給電配線を接続又は遮断するためのスイッチ回路25と、点灯指令の受信に応じて給電配線を接続するようにスイッチ回路25を制御し、消灯指令の受信に応じて給電配線を遮断するようにスイッチ回路25を制御するスイッチ制御部262とを備える。
【0108】
このように、シェアスペースSの予約利用に関して、シェアスペース端末2は、予約開始時刻ts直前に給電配線を接続して照明機器5を点灯させ、予約終了時刻te直後に給電配線を遮断して照明機器5を消灯させる。これにより、シェアスペースSでは、実質的に予約時間外に消灯状態となり、利用者は不正に利用を継続することができない。したがって、本実施形態によると、確実にシェアスペースの不正な時間外利用を防止する高い管理性と既設の機器に対する別途の機能設定を不要とする高い導入容易性とを有するシェアスペース端末2及びシステム1が実現される。
【0109】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、点灯指令及び消灯指令がクラウドサーバ4において生成されてシェアスペース端末2に送信される構成を示したが、第2の実施形態では、点灯指令及び消灯指令がシェアスペース端末2において生成される構成を示す。
【0110】
図10に、本実施形態によるシェアスペース管理システム1のブロック図を示す。なお、本実施形態において、第1の実施形態(図1参照)の構成要素と同様の構成要素には同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。第1の実施形態のシステム1では照明指令部422がクラウドサーバに配置されていたのに対し、本実施形態のシステム1では照明指令部422の機能の一部が照明指令部264としてシェアスペース端末2の制御部26に配置される。予約管理部420は、予約情報から取得した予約開始時刻ts、予約終了時刻te、点灯時刻t0、退室誘導時刻t2及び消灯時刻t4を通信部41からシェアスペース端末2の無線通信部242に送信する。
【0111】
制御部26は、コンソール制御部261、スイッチ制御部262、音声出力制御部263及び照明指令部264を含む。照明指令部264は、クラウドサーバ4から無線通信部242を介して受信された予約開始時刻ts、予約終了時刻te、点灯時刻t0、退室誘導時刻t2及び消灯時刻t4をメモリ27に記憶する。そして、照明指令部264は、点灯時刻t0に点灯指令を生成し、予約開始時刻tsに一時的に短時間の消灯指令を生成し、退室誘導時刻t2に一時的に短時間の消灯指令又は点灯指令を生成し、消灯時刻t4に消灯指令を生成する。スイッチ制御部262は、照明指令部264から生成される点灯指令又は消灯指令に基づいて、スイッチ回路25のスイッチSW5を開閉する。これにより、スイッチ制御部262は、点灯時刻t0にスイッチSW5をオンし、予約開始時刻tsに一時的にスイッチSW5をオフし、退室誘導時刻t2にスイッチSW5を一時的にオフ又はオンし、消灯時刻t4にスイッチSWをオフする。したがって、本実施形態における動作タイムラインは、図8に示したものと同様である。
【0112】
なお、スイッチ操作信号に対する点灯指令及び消灯指令の生成は、第1の実施形態のシステム1と同様に照明指令部422によって行われる。ただし、スイッチ操作信号がクラウドサーバ4から照明指令部264に転送されて、照明指令部264においてスイッチ操作信号から点灯指令又は消灯指令が生成されてもよい。いずれの場合であっても、予約時間内の期間において、照明機器5が点灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて消灯指令が生成され、照明機器5が消灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて点灯指令が生成される(すなわち、点灯と消灯が反転される)。
【0113】
<第2の実施形態の総括>
以上のように、本実施形態のシェアスペース端末2は、シェアスペースSの予約開始時刻ts及び予約終了時刻teを含む予約情報をクラウドサーバ4から受信する無線通信部24(242)と、予約開始時刻ts直前の時刻t0に点灯指令を生成し、予約終了時刻te直後の時刻t4に消灯指令を生成する照明指令部264と、シェアスペースS内の照明機器5の給電配線を接続又は遮断するためのスイッチ回路25と、点灯指令の生成に応じて給電配線を接続するようにスイッチ回路25を制御し、消灯指令の生成に応じて給電配線を遮断するようにスイッチ回路25を制御するスイッチ制御部262とを備える。
【0114】
このように、本実施形態でも、シェアスペース端末2は、予約開始時刻ts直前に給電配線を接続して照明機器5を点灯させ、予約終了時刻te直後に給電配線を遮断して照明機器5を消灯させる。これにより、シェアスペースSでは、実質的に予約時間外に消灯状態となり、利用者は不正に利用を継続することができない。したがって、本実施形態によっても、確実にシェアスペースの不正な時間外利用を防止する高い管理性を有するとともに既設の機器に対する別途の機能設定が不要な高い導入容易性を有するシェアスペース端末2及びシステム1が実現される。また、照明機器5の点灯及び消灯の動作について逐次的な無線通信が不要であるため、シェアスペースSの利用中に通信障害が発生しても、確実に上記の点消灯動作による効果を得ることができる。
【0115】
<第1及び第2の実施形態の共通事項の総括>
予約終了時刻teから消灯時刻t4までの差分時間Te-4は30分以下であることが好ましい。差分時間Te-4が0分であれば、予約時間後利用を不可として高い管理性を実現することができる。一方、差分時間Te-4が0分超30分以下であれば、ある程度以上の管理性を担保しつつも、予約時間後に多少の利用猶予時間を設けてシェアスペースSをユーザフレンドリなものにすることができる。なお、管理性とユーザフレンドリネスの両立を考慮して、上記差分時間は5分以下が特に好ましい。
【0116】
点灯時刻t0から予約開始時刻tsまでの差分時間T0-sは30分以下であることが好ましい。差分時間T0-sが0分であれば、予約時間前利用を不可として高い管理性を実現することができる。一方、差分時間T0-sが0分超30分以下であれば、利用者の入室及び集合といった多少の予約時間前利用を許容してシェアスペースS外での待ち利用者を減少させることができ、周囲への騒音、往来の妨害などの原因を解消することができる。これにより、管理性を担保しつつも、シェアスペースSに関する円滑な運用が実現され得る。なお、管理性と円滑な運用の両立を考慮して、上記差分時間は10分以下が好ましい。
【0117】
照明指令部422又は264は、予約終了時刻te前の所定の退室誘導時刻t2に照明機器5の点消灯を一時的に反転させるように消灯指令又は点灯指令を生成するように構成される。これにより、照明機器5は点滅することになり、この点滅によって利用者に視覚的かつ直感的に予約終了時刻の切迫を報知し、予約時間終了に向けた利用者の退室準備を促すことができる。
【0118】
照明指令部422又は264は、予約開始時刻tsに一時的に消灯指令を生成するように構成される。これにより、照明機器5の点滅によって利用者に視覚的かつ直感的に予約開始時刻を報知することができる。
【0119】
シェアスペース端末2は、シェアスペースSの利用者による押下又はタッチ操作を受け付けてスイッチ操作信号を出力するスイッチボタンをさらに備える。照明指令部422又は264は、予約開始時刻ts又は時刻t0以降でかつ予約終了時刻te又は時刻t4以前の期間において、照明機器5が点灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて消灯指令を生成し、照明機器5が消灯状態にある場合にはスイッチ操作信号に応じて点灯指令を生成するように構成される。これにより、利用時間内においては、利用者によるマニュアル操作を受け付けることができ、シェアスペースSの利便性が高まる。
【0120】
照明指令部422又は264は、点灯時刻t0前の期間又は消灯時刻t4後の期間において、スイッチ操作信号に応じて、仮点灯期間だけ点灯指令を生成するように構成される。これにより、シェアスペースSの管理者(スタッフ)による見回り、利用者による忘れ物回収などのための一時的な時間外利用が可能となり、シェアスペースSの利便性又は安全性が高まる。なお、一時的な時間外利用の趣旨から、仮点灯期間は、5秒以上1分以下であることが好ましい。
【0121】
照明指令部422又は264は、点灯時刻t0前の期間又は消灯時刻t4後の期間において、コンソール画面21上の特定の操作に応じて生成された特定操作信号に応じて、所定の強制点灯期間だけ点灯指令を生成するように構成される。これにより、シェアスペースSにおいて、清掃員、保守員などの作業スタッフによる時間外作業が可能となるとともに、管理者はこの作業スタッフの作業時間を管理することができる。
【0122】
シェアスペース端末2は、シェアスペースS内の所定の環境成分を検知して環境レベルを出力する環境センサ23aと、環境レベルをクラウドサーバ4に送信する無線通信部243とをさらに備える。クラウドサーバ4は、環境レベルが所定の閾値を超えた場合に作動指令を生成する換気指令部423を備える。スイッチ回路25はシェアスペースSに設置された換気扇6の給電配線を接続又は遮断するように構成され、スイッチ制御部262は、換気指令部423から無線通信部242を介して受信された作動指令に応じて給電配線を接続するようにスイッチ回路25を制御する。これにより、環境レベルの悪化に応じて換気扇6が作動され、シェアスペースSの快適性が保持される。
【0123】
環境成分は、例えば、二酸化炭素である。これにより、利用者の密集に起因するシェアスペースSの衛生環境悪化が回避される。また、環境成分は、例えば、一酸化炭素、二酸化窒素又は揮発性有機化合物である。これにより、利用者の人体以外(例えば、タバコの煙など)に起因するシェアスペースSの衛生環境悪化が回避される。
【0124】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0125】
(1)シェアスペースSに関する変形
上記各実施形態ではシェアスペースSが貸し会議室である場合を示したが、シェアスペース端末2及びシェアスペース運用システム1は、照明を必要とする時間貸し可能なあらゆる空間に適用可能である。例えば、シェアスペースSは、シェアリングジム、シェアブース、シェアオフィス、シェアスタジオ、貸し自習室、貸し飲食スペースなどであってもよい。
【0126】
(2)通信規格に関する変形
上記各実施形態では、無線通信部24(241~243)と無線LANルータ3とがWi-Fi通信を行う構成を示したが、同様の無線通信機能を実現可能なものであれば、現存する又は将来に開発される他の通信規格が採用されてもよい。例えば、本実施形態では2.4GHz帯のWi-Fi通信が採用されたが、5GHz帯のWi-Fi通信が採用されてもよい。また、無線通信部24にモバイルSIMを使用してもよく、この場合、シェアスペース端末2と通信ネットワークN(クラウドサーバ4)が直接的に無線通信接続されるので無線LANルータ3は不要となる。また、携帯端末7は、シェアスペースS内部に位置していても、無線LANルータ3を介さずに通信ネットワークNと直接通信してもよい。
【0127】
(3)消灯時刻後の照明機器5の動作態様についての変形
上記各実施形態では、消灯時刻t4に照明機器5が消灯され、消灯時刻t4後にその消灯状態が維持される構成を示した。一方、消灯時刻t4に照明機器5が消灯された後に、照明機器5が点滅されるようにしてもよい。これにより、不正な時間外利用者にとっては一層居づらい環境がもたらされる。この点滅動作は、例えば、時刻t4後にクラウドサーバ4で受信される人感センサ23bからの在信号に応じて、照明指令部422が点灯指令と消灯指令を反復的(例えば、数秒間隔で)にシェアスペース端末2に送信することによって実行され得る。
【0128】
(4)コンソール画面21に関する変形
上記各実施形態では、コンソール画面21がタッチパネルからなる構成を示したが、タッチパネルではなく表示のみを行うディスプレイであってもよい。この場合、携帯端末7の表示画面74に表示されるオブジェクト(照明ソフトスイッチ74i、換気ソフトスイッチ74jなど)の操作によって所望の操作が実行される。
【0129】
(5)騒音警告に関する変形1
上記各実施形態では、検知騒音レベルが警告閾値を超えた場合の騒音警告として、警告メッセージが音声出力される構成を示したが、コンソール画面21の表示が変化するように構成されてもよい。例えば、騒音警告として、警告処理部424及び表示処理部421が、コンソール画面21に騒音レベル表示21e(例えば、騒音レベル表示21eのみ)を拡大表示させてもよい。また、利用者が携帯端末7によって画像コード表示21kをスキャンした後であれば、騒音警告として、警告処理部424及び表示処理部421は、その表示画面74に騒音レベル表示74e(例えば、騒音レベル表示74eのみ)を拡大表示させてもよい。また、警告処理部424は、これと併せて携帯端末7を振動(バイブレーション)させてもよい。また、警告処理部424及び表示処理部421は、拡大前又は拡大後の騒音レベル表示21e又は74eを点滅表示させるようにしてもよい。これにより、利用者において、騒音レベルが増加したことへの認識が一層高まる。
【0130】
(6)騒音警告に関する変形2
上記各実施形態では、検知騒音レベルが警告閾値を超えた場合の騒音警告として、警告メッセージが音声出力される構成を示した。一方、延長案内時刻ta前に発出された警告メッセージが所定回数を超えた場合には、延長利用が可能であったとしても延長利用案内を行わない構成としてもよい。例えば、上記の場合、警告処理部424及び表示処理部421は、延長利用の可否にかかわらず、コンソール画面21の延長利用案内表示21cを「不可」として表示させてもよいし、延長利用案内表示21c自体を表示させなくてもよい。これに伴って、表示処理部421は、延長案内時刻taに表示されるはずであった画面(図9Cの画面2102)を表示させない。また、画像コード21kが携帯端末7によってスキャンされた後であっても、表示画面74の延長利用案内表示74cを「不可」として表示させてもよいし、延長利用案内表示74c自体を表示させなくてもよい。これにより、騒音トラブルの原因となり得る利用者の延長利用が阻止され、付近の他のシェアスペースSの利用者の快適な利用が確保される。
【0131】
(6)騒音警告に関する変形3
上記各実施形態では、警告要否及び警告閾値が変更可能な固定値である構成を示したが、付近の他のシェアスペースSの利用状況に応じて警告要否又は警告閾値が可変となる構成としてもよい。例えば、予約された対象シェアスペースS1の付近の(例えば、隣接する)シェアスペースS2が空室である場合には、警告処理部424は対象シェアスペースS1についての警告要否を不要とし又は警告閾値を上昇させるようにしてもよい。したがって、対象シェアスペースS1の1つの利用時間帯においても、付近のシェアスペースS2の利用状況によって、警告要否又は警告閾値が自動変更され得る。なお、付近のシェアスペースS2が空室か否かは、予約管理部420から得られる予約情報又は人感センサ23bの検知結果から判別可能である。これにより、付近のシェアスペースS2が空室の場合など、実害が生じない範囲で対象シェアスペースS1の利用者の騒音を許容してその活発な議論、円滑なコミュニケーションなどを促進することができる。
【符号の説明】
【0132】
1 シェアスペース管理システム
2 シェアスペース端末
20 筐体
21 コンソール画面
22 物理スイッチ部
23 センサ部
23a 環境センサ
23b 人感センサ
231 騒音センサ
232 温湿度センサ
233 COセンサ
234 IAQセンサ
24、241、242、243 無線通信部
25 スイッチ回路
26 制御部
261 コンソール制御部
262 スイッチ制御部
263 音声出力制御部
264 照明指令部
27 メモリ
28 スピーカ
29 電源コネクタ
3 無線LANルータ
4 クラウドサーバ
41 通信部
42 処理部
420 予約管理部
421 表示処理部
422 照明指令部
423 換気指令部
424 警告処理部
425 音声案内処理部
426 データ処理部
43 データベース
5 照明機器
6 換気扇
7 携帯端末
8 管理者端末
A スケジュール管理アプリ
L1~L6、L51、L52 配線(給電配線)
N 通信ネットワーク
S シェアスペース
SW5、SW6 スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10