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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045350
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】動物用トイレ
(51)【国際特許分類】
   A01K 23/00 20060101AFI20230327BHJP
   A01K 1/01 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
A01K23/00 Z
A01K1/01 801H
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153700
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】321000026
【氏名又は名称】株式会社大貴
(74)【代理人】
【識別番号】100179327
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 憲正
(72)【発明者】
【氏名】吉永 隼士
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101AA20
2B101BB04
2B101CA08
2B101GB06
2B101GB08
(57)【要約】
【課題】フードの内部空間に悪臭が籠りにくい動物用トイレを提供する。
【解決手段】動物用トイレ1は、本体部10、フード20、及び送風機30を備えている。本体部10は、底面部10a及び側面部10bを有する箱状をしている。フード20は、本体部10を上方から覆うように設けられている。フード20は、動物の出入口22を有している。送風機30は、フード20の内部空間20cに設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部及び側面部を有する箱状の本体部と、
動物の出入口を有し、前記本体部を上方から覆うフードと、
前記フードの内部空間に設けられた送風機と、
を備えることを特徴とする動物用トイレ。
【請求項2】
請求項1に記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、前記フードに取り付けられている動物用トイレ。
【請求項3】
請求項2に記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、前記フードの側面部に取り付けられている動物用トイレ。
【請求項4】
請求項3に記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、前記フードの前記側面部における前記出入口に対向する領域に取り付けられている動物用トイレ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、水平方向に風を送るように設けられている動物用トイレ。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、斜め上方に風を送るように設けられている動物用トイレ。
【請求項7】
請求項1乃至4の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、斜め下方に風を送るように設けられている動物用トイレ。
【請求項8】
請求項2に記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、前記フードの天井部に取り付けられている動物用トイレ。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機の送風方向は、可変である動物用トイレ。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記動物が当該動物用トイレに出入りしたことを検知するセンサを備え、
前記送風機は、前記センサに連動してオン/オフの切替えが自動で行われるように制御される動物用トイレ。
【請求項11】
請求項10に記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、前記動物が当該動物用トイレに入ったことを前記センサが検知したときにオンになるように制御される動物用トイレ。
【請求項12】
請求項10に記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、前記動物が当該動物用トイレから出たことを前記センサが検知したときにオンになるように制御される動物用トイレ。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の動物用トイレにおいて、
前記送風機は、前記動物が当該動物用トイレから出たことを前記センサが検知してから一定時間経過した後にオフになるように制御される動物用トイレ。
【請求項14】
請求項10乃至13の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記センサは、前記内部空間における前記動物の動きを検知する人感センサである動物用トイレ。
【請求項15】
請求項10乃至13の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記センサは、前記本体部に加わる重量の変化を検知する重量センサである動物用トイレ。
【請求項16】
請求項1乃至15の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記本体部の前記底面部上に配設され、吸水性を有する複数の粒状体を備える動物用トイレ。
【請求項17】
請求項16に記載の動物用トイレにおいて、
前記各粒状体は、
粒状に成形された芯部と、
接着性材料を含有し、前記芯部を覆う被覆部と、を有している動物用トイレ。
【請求項18】
請求項17に記載の動物用トイレにおいて、
前記芯部及び前記被覆部は、何れも有機物を主材料としている動物用トイレ。
【請求項19】
請求項1乃至15の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記動物の尿を通過させる貫通孔を有し、前記本体部内を上下に区画する仕切部を備える動物用トイレ。
【請求項20】
請求項19に記載の動物用トイレにおいて、
前記仕切部上に配設され、疎水性を有する複数の粒状体を備える動物用トイレ。
【請求項21】
請求項19又は20に記載の動物用トイレにおいて、
前記仕切部は、前記本体部に固定されていない動物用トイレ。
【請求項22】
請求項21に記載の動物用トイレにおいて、
前記本体部は、前記側面部から当該本体部の内側に突出するように設けられた突出部を有し、
前記仕切部は、前記突出部上に載置されている動物用トイレ。
【請求項23】
請求項19乃至22の何れかに記載の動物用トイレにおいて、
前記仕切部の下方に配設され、前記貫通孔を通過した前記尿を吸収する吸水性シートを備える動物用トイレ。
【請求項24】
請求項23に記載の動物用トイレにおいて、
前記吸水性シートが収容される引出部を備え、
前記本体部の前記側面部には、開口が形成されており、
前記引出部は、前記側面部の前記開口を通じて前記本体部に対して抜き挿しすることが可能である動物用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の動物用トイレとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載の動物用トイレは、箱状の本体部、及び本体部を上方から覆うフードを備えている。本体部には、排泄物を処理するための粒状体が敷設される。かかる動物用トイレにおいて動物は、フードの内部空間に入って粒状体上に排泄する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-103456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の動物用トイレにおいては、本体部の上方がフードで覆われているため、粒状体が本体部の外にこぼれにくいという利点がある。しかしながら、その反面、フードの内部空間に排泄物の悪臭が籠りやすいという問題がある。内部空間に籠った悪臭は、動物に不快感を与え、動物が動物用トイレでの排泄を嫌がる要因となりかねない。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フードの内部空間に悪臭が籠りにくい動物用トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による動物用トイレは、底面部及び側面部を有する箱状の本体部と、動物の出入口を有し、上記本体部を上方から覆うフードと、上記フードの内部空間に設けられた送風機と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この動物用トイレにおいては、フードの内部空間に送風機が設けられている。送風機により、フードの内部空間の空気を出入口を通じて動物用トイレの外部に排出することが可能となる。このため、当該内部空間に排泄物の悪臭が籠りにくくすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フードの内部空間に悪臭が籠りにくい動物用トイレが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明による動物用トイレの第1実施形態を示す斜視図である。
図2図1のII-II線に沿った端面図である。
図3】フード20の側面部20bの領域R1について説明するための図である。
図4】粒状体40を示す模式図である。
図5】本発明による動物用トイレの第2実施形態を示す斜視図である。
図6図5のVI-VI線に沿った部分端面図である。
図7】本体部50を示す端面図である。
図8】本体部50を示す正面図である。
図9】本体部50を示す平面図である。
図10】仕切部52を示す平面図である。
図11】引出部54を示す斜視図である。
図12】送風機30の一変形例を説明するための端面図である。
図13】送風機30の他の変形例を説明するための端面図である。
図14】送風機30の他の変形例を説明するための端面図である。
図15】送風機30の他の変形例を説明するための端面図である。
図16】送風機30の他の変形例を説明するための端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
【0011】
図1は、本発明による動物用トイレの第1実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1のII-II線に沿った端面図である。動物用トイレ1は、本体部10、フード20、送風機30、及び複数の粒状体40を備えている。本体部10は、底面部10a及び側面部10bを有する箱状をしている。本実施形態において本体部10は、略直方体状をしている。本体部10の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
【0012】
フード20は、本体部10を上方から覆うように設けられている。フード20は、天井部20a及び側面部20bを有している。天井部20aは、平板状をしており、本体部10の底面部10aと平行に配置されている。天井部20aの平面形状は、略矩形である。側面部20bは、動物用トイレ1の前方、後方、右側方及び左側方の各々に設けられている。各側面部20bの上端は、天井部20aに接続されている。各側面部20bの下端付近は、本体部10の側面部10bの上端と嵌合するように、鉤型に成形されている。
【0013】
フード20は、動物の出入口22を有している。出入口22は、動物用トイレ1を使用する動物(例えば、猫又は犬)が当該動物用トイレ1に出入りするための出入口であり、側面部20bに形成されている。詳細には、出入口22は、動物用トイレ1の前方に設けられた側面部20bに形成されている。他の3つの側面部20b、及び天井部20aには、開口が形成されていない。フード20の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
【0014】
図2からわかるように、送風機30は、フード20の内部空間20cに設けられている。内部空間20cは、天井部20a及び側面部20bで囲まれた空間である。送風機30は、フード20の内面に取り付けられている。本実施形態において送風機30は、フード20の側面部20bに取り付けられている。具体的には、送風機30は、側面部20bにおける出入口22に対向する領域R1(図3参照)に取り付けられている。ここで、領域R1は、動物用トイレ1の後方に設けられた側面部20bに出入口22を正射影して得られる領域である。
【0015】
送風機30は、内部空間20cに気流を生じさせて、内部空間20cの空気の少なくとも一部を出入口22を通じて動物用トイレ1の外に排出する機能を有している。送風機30は、羽根車、及び羽根車が収容されたケーシングを有している。本実施形態において送風機30は、羽根車の回転軸に平行な風を生成する軸流型の送風機である。図2に矢印で示すように、送風機30は、出入口22に向けて、水平方向に風を送るように設けられている。すなわち、送風機30の送風方向は、水平である。
【0016】
送風機30のオン/オフの切替えは、スイッチ(図示せず)により手動で切り替えることができる。スイッチは、例えば、フード20(天井部20a又は側面部20b)の外面に設けられる。送風機30を動作させるための電源としては、コンセントを用いてもよいし、電池を用いてもよい。
【0017】
動物用トイレ1は、動物が動物用トイレ1に出入りしたことを検知するセンサを備えていてもよい。その場合、送風機30は、センサに連動してオン/オフの切替えが自動で行われるように制御されることが好ましい。センサとしては、例えば、人感センサ又は重量センサを用いることができる。人感センサは、赤外線等により内部空間20cにおける動物の動きを検知する。人感センサは、例えば、フード20(天井部20a又は側面部20b)の内面に設けられる。重量センサは、本体部10に加わる重量の変化を検知する。具体的には、重量センサは、本体部10の底面部10aに加わる重量(後述する粒状体40の重さは除く。)が閾値以上であるか否かを検知する。閾値は、本体部10内に溜まる排泄物の重さよりも大きく、かつ動物用トイレ1を使用する動物の体重よりも小さい値に設定される。重量センサは、例えば、本体部10の底面部10aに設けられる。
【0018】
例えば、送風機30は、動物が動物用トイレ1に入ったことをセンサが検知したときにオンになるように制御されてもよい。あるいは、送風機30は、動物が動物用トイレ1から出たことをセンサが検知したときにオンになるように制御されてもよい。また、送風機30は、動物が動物用トイレ1から出たことをセンサが検知してから一定時間(例えば5~30分)経過した後にオフになるように制御されてもよい。送風機30の制御回路は、フード20に内蔵されることが好ましい。例えば、側面部20bを外板(側面部20bの外面を構成する板)及び内板(側面部20bの内面を構成する板)からなる二重構造とし、それらの間の空間に制御回路を配置することが考えらえる。
【0019】
本体部10の底面部10a上には、排泄物(主に尿)を処理するための複数の粒状体40が配設される。動物用トイレ1の使用時、動物は、フード20の内部空間20c内で粒状体40に直接乗った状態で粒状体40上に排泄する。各粒状体40は、吸水性を有しており、排泄物を吸収する。
【0020】
粒状体40が吸水性を有するというには、次の試験により測定される液通過率が80%未満であることが必要である。まず、内径10cm、目開き1mmの篩に50g相当の粒状体40(サンプル)を入れる。篩の下には、空のビーカーを設置する。そして、サンプルに対し、外筒の内径3cm、筒先の内径4mmのシリンジ(テルモ社製60mlシリンジ)を用いて、30mlの水を10秒かけて滴下する。1分間放置した後、ビーカー内の水量を計測する。計測した水量の滴下した水量(30ml)に対する割合をもって液通過率とする。すなわち、ビーカー内の水量が24ml未満であれば、液通過率が80%未満となるため、粒状体40が吸水性を有するといえる。
【0021】
図4は、粒状体40を示す模式図である。各粒状体40の粒径は、例えば、5mm以上20mm以下である。ここで、粒状体40の粒径は、粒状体40を内包しうる最小の球の直径として定義される。各粒状体40は、芯部42及び被覆部44を有している。芯部42は、粒状に成形されている。かかる粒状の形状としては、例えば、球、円柱、楕円体等が挙げられる。芯部42は、排泄物を吸水及び保水する機能を有する。芯部42は、有機物を主材料とすることが好ましい。ここで、芯部42の主材料とは、芯部42を構成する1又は2以上の材料のうち、当該芯部42に占める重量割合が最大のものをいう。有機物としては、例えば、紙類、茶殻、プラスチック類又はオカラを用いることができる。
【0022】
紙類は、パルプを主体とする材料をいう。紙類としては、例えば、通常の紙の他にも、塩ビ壁紙分級物(塩ビ壁紙を分級することにより得られる紙)、フラッフパルプ、製紙スラッジ、パルプスラッジ等が挙げられる。プラスチック類としては、例えば、紙おむつ分級物(紙おむつを分級することにより得られるプラスチック)を用いてもよい。オカラは、乾燥オカラであることが好ましい。
【0023】
被覆部44は、芯部42を覆っている。被覆部44は、芯部42の表面の全体を覆っていてもよいし、芯部42の表面の一部のみを覆っていてもよい。被覆部44は、排泄物を吸収した粒状体40どうしを接着させて固まりにする機能を有する。被覆部44も、有機物を主材料とすることが好ましい。被覆部44の主材料の定義は、芯部42の主材料の定義と同様である。被覆部44は、接着性材料を含有している。接着性材料としては、例えば、吸水性ポリマー、澱粉、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、又はデキストリンを用いることができる。吸水性ポリマーは、例えばポリアクリル酸ナトリウムである。
【0024】
粒状体40は、例えば次のようにして形成することができる。まず、造粒装置を用いて芯部材料(芯部42を構成する材料)を造粒することにより、芯部42を形成する。造粒装置としては、例えば押出造粒機を用いることができる。造粒に先立って、芯部材料には、粉砕、混練、加水等の前処理が必要に応じて行われる。次に、コーティング装置等を用いて、各芯部42の表面に粉状の被覆材料(被覆部44を構成する材料)を付着させることにより、被覆部44を形成する。被覆材料の付着は、例えば、散布又は噴霧により行うことができる。その後、篩分け(分粒)、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。以上により、複数の粒状体40が形成される。
【0025】
動物用トイレ1の効果を説明する。動物用トイレ1においては、フード20の内部空間20cに送風機30が設けられている。送風機30により、フード20の内部空間20cの空気を出入口22を通じて動物用トイレ1の外に排出することが可能となる。このため、内部空間20cに排泄物の悪臭が籠りにくくすることができる。したがって、内部空間20cに悪臭が籠りにくい動物用トイレ1が実現されている。
【0026】
また、送風機30の風により、排泄物で濡れた粒状体40の乾燥を促進することができる。このことは、当該粒状体40からの悪臭の発生自体を緩和するのに寄与する。
【0027】
送風機30は、フード20に取り付けられている。これにより、動物用トイレ1に対して送風機を後付けしなくても、排気機能を具備した動物用トイレ1を実現することができる。
【0028】
送風機30は、フード20の側面部20bにおける出入口22に対向する領域に取り付けられている。これにより、出入口22に向かう気流を内部空間20cの広範囲に生成しやすくなる。このように広範囲に気流を生成することにより、内部空間20cに滞留する悪臭を減らすことができる。
【0029】
送風機30は、水平方向に風を送るように設けられている。これにより、内部空間20cの空気を出入口22を通じて動物用トイレ1の外に効率良く排出することができる。
【0030】
送風機30が上述のセンサに連動してオン/オフの切替えが自動で行われるように制御される場合、人(飼い主)が手動で操作しなくても、適切なタイミングで送風機30のオン/オフを切り替えることが可能となる。
【0031】
送風機30が動物が動物用トイレ1に入ったことをセンサが検知したときにオンになるように制御される場合、排泄中にも排気が行われるため、動物がより快適に排泄することができる。
【0032】
送風機30が動物が動物用トイレ1から出たことをセンサが検知したときにオンになるように制御される場合、排泄直後の悪臭を内部空間20cから排出することができる。一方、排泄中には排気が行われないため、動物が送風機30の動作に伴う音や風を嫌がる場合であっても、安心して排泄することができる。
【0033】
送風機30が動物が動物用トイレ1から出たことをセンサが検知してから一定時間経過した後にオフになるように制御される場合、送風機30が必要以上に長時間動作するのを防ぐことができるため、節電に資する。
【0034】
上記センサが人感センサである場合、動物が動物用トイレ1に出入りしたことを検知するセンサを低コストで実現することができる。
【0035】
上記センサが重量センサである場合、動物が動物用トイレ1に出入りしたことを高精度で検知するセンサを実現することができる。
【0036】
本体部10の底面部10a上に、吸水性を有する複数の粒状体40が配設されている。この場合、粒状体40が排泄物を吸収して閉じ込めるため、排泄物の悪臭が内部空間20cに漂うのを緩和することができる。
【0037】
各粒状体40は、芯部42に加えて、接着性材料を含有する被覆部44を有している。これにより、排泄物を吸収した複数の粒状体40からなる固まりが得られるため、本体部10から使用済みの粒状体40のみを取り除くことが容易になる。ただし、粒状体40が芯部42及び被覆部44からなる複層構造(二層構造)を有することは、必須でない。粒状体40は、芯部42のみからなる単層構造を有していてもよい。
【0038】
芯部42及び被覆部44が何れも有機物を主材料とする場合、焼却処分に適した粒状体40を得ることができる。この場合、使用済みの粒状体40を可燃ゴミとして捨てやすくなるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
(第2実施形態)
【0039】
図5は、本発明による動物用トイレの第2実施形態を示す斜視図である。また、図6は、図5のVI-VIに沿った部分端面図である。動物用トイレ2は、フード20、送風機30、本体部50、仕切部52、引出部54、複数の粒状体60、及び吸水性シート70を備えている。フード20及び送風機30の構成は、第1実施形態で説明したとおりである。なお、図6においては、フード20及び送風機30を示していない。本体部50は、底面部50a及び側面部50bを有する箱状をしている。本実施形態において本体部50は、略直方体状をしている。本体部50の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
【0040】
仕切部52は、板状をしており、底面部50aと平行に配置されている。仕切部52は、全体的に厚みの等しい1枚の板からなる。仕切部52は、本体部50(側面部50b)の上端及び後述する吸水性シート70の双方から離間した位置に設けられている。これにより、仕切部52は、本体部50内を上下に区画している。すなわち、本体部50の内部空間は、仕切部52によって、上部空間S1と下部空間S2とに区画されている。仕切部52は、動物の尿を通過させる貫通孔53を有している。仕切部52は、本体部50に固定されておらず、本体部50に対して着脱可能である。仕切部52の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
【0041】
本体部50は、側面部50bから本体部50の内側に突出するように設けられた突出部50cを有している。突出部50cは、突起であってもよいし、突条であってもよい。突出部50cは、側面部50bと一体に成形されてもよいし、側面部50bと別々に成形された後に側面部50bに取り付けられてもよい。突出部50cの突出長さ(当該突出部50cが設けられた側面部50bの内面に垂直な方向の長さ)は、例えば5mm以上15mm以下である。仕切部52は、突出部50c上に載置されている。
【0042】
引出部54は、側面部50bに形成された開口51を通じて、本体部50に対して抜き挿しすることが可能である。引出部54には、吸水性シート70が収容される。引出部54の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラスチックを用いることができる。
【0043】
仕切部52上には、排泄物を処理するための複数の粒状体60が配設される。動物用トイレ2の使用時、動物は、フード20の内部空間20c内で粒状体60に直接乗った状態で粒状体60上に排泄する。各粒状体60は、疎水性を有している。すなわち、粒状体60は、排泄物を全く吸収しないか、あるいは吸収するとしても殆ど吸収しない性質を有する。粒状体60が疎水性を有するというには、上述した試験により測定される液通過率が80%以上であることが必要である。
【0044】
粒状体60は、粒状に成形されている。粒状体60の粒径は、例えば、5mm以上20mm以下である。粒状体60は、有機物を主材料とすることが好ましい。有機物としては、例えば、紙類、茶殻、プラスチック類又はオカラを用いることができる。
【0045】
紙類としては、上述したものの他、例えば、印画紙又は剥離紙を用いてもよい。プラスチック類としては、上述したものの他、例えばアルミ蒸着フィルムを用いてもよい。粒状体60の材料として疎水性を有しない材料を用いる場合、当該材料に対して予め疎水処理(撥水処理)を施してもよい。
【0046】
粒状体60を構成する材料は、1つのみであってもよいし、2つ以上であってもよい。前者の場合、粒状体60を構成する材料は、上述の主材料のみということになる。後者の場合、粒状体60は、主材料と他の材料との混合物によって構成されることになる。他の材料としては、例えば、石膏又は重曹が挙げられる。石膏又は重曹を加えることにより、粒状体60の疎水性を高めることができる。石膏又は重曹の量は、例えば、粒状体60の全体に対して5重量%以上50重量%未満である。
【0047】
粒状体60は、例えば、次の方法により製造することができる。まず、造粒装置を用いて被造粒材料(粒状体60を構成する材料)を造粒することにより、粒状体60となる造粒物を形成する。造粒装置としては、例えば押出造粒機を用いることができる。造粒物には、必要に応じて疎水処理を施してもよい。疎水処理は、例えば、造粒物の表面を疎水剤(撥水剤)でコーティングすることにより行うことができる。疎水処理を行わない場合、造粒時に被造粒材料に加わる圧力を高めることにより、造粒物内に隙間が極力生じないようにすることが好ましい。かかる隙間は、粒状体60の内部に尿等の水分が浸入する経路となるからである。造粒に先立って、被造粒材料には、粉砕、混錬、加水等の前処理が必要に応じて行われる。また、造粒後には、篩分け(分粒)、乾燥等の後処理が必要に応じて行われる。
【0048】
仕切部52の下方には、吸水性シート70が配設される。本実施形態において吸水性シート70は、引出部54に収容された状態で本体部50内に配設されている。吸水性シート70は、仕切部52の貫通孔53を通過した尿を吸収する。
【0049】
動物用トイレ1の使用時、粒状体60上に排泄された尿は、粒状体60どうしの隙間を通り抜けて下方へと流れる。当該尿は、仕切部52の貫通孔53を通じて、上部空間S1から下部空間S2へと移動し、吸水性シート70に吸収される。
【0050】
以下、図7図11を参照しつつ、動物用トイレ2の各部の構成を詳細に説明する。図7図8及び図9は、それぞれ、本体部50を示す端面図、正面図及び平面図である。図7及び図8に示すように、本体部50の側面部50bには、引出部54を抜き挿しするための開口51が形成されている。開口51は、底面部50aの近傍に位置し、横長の長方形状をしている。開口51の横方向(図8の左右方向)の長さは、本体部50の内側の横幅に略等しく、例えば20cm以上40cm以下である。開口51の縦方向(図8の上下方向)の長さは、例えば2cm以上5cm以下である。また、図9に示すように、本実施形態において突出部50cは、平面視で側面部50bの内面の全周にわたって環状に設けられた突条からなる。
【0051】
図10は、仕切部52を示す平面図である。仕切部52には、複数の貫通孔53が形成されている。貫通孔53は、仕切部52において、二次元的に配列されている。貫通孔53は、尿を通過させる一方で、粒状体60を通過させない程度の大きさ及び形状をしている。貫通孔53の径は、例えば2mm以上4mm以下である。
【0052】
図11は、引出部54を示す斜視図である。引出部54は、底板54a、前板54b、先板54c、及び一対の側板54dを有している。底板54aの大きさは、容器50の底面部50aの大きさに略等しい。前板54bは、開口51と略同一の形状及び大きさをしている。前板54bには、把手55が取り付けられている。
【0053】
動物用トイレ2の効果を説明する。動物用トイレ2においては、フード20の内部空間20cに送風機30が設けられている。送風機30により、フード20の内部空間20cの空気を出入口22を通じて動物用トイレ2の外に排出することが可能となる。このため、内部空間20cに排泄物の悪臭が籠りにくくすることができる。したがって、内部空間20cに悪臭が籠りにくい動物用トイレ2が実現されている。
【0054】
動物の尿を通過させる貫通孔53を有し、本体部50内を上下に区画する仕切部52が設けられている。これにより、仕切部52の下方の空間(下部空間S2)に尿を溜めることができるため、尿の悪臭が内部空間20cに漂うのを緩和することができる。
【0055】
仕切部52上に、疎水性を有する複数の粒状体60が配設されている。この場合、粒状体60上に排泄された尿の大部分は、粒状体60に吸収されずに、粒状体60どうしの隙間を透過することになる。これにより、尿を仕切部52まで円滑に導くことができる。
【0056】
仕切部52は、本体部50に固定されていない。この場合、本体部50に対する仕切部52の着脱が容易になる。
【0057】
仕切部52は、突出部50c上に載置されている。これにより、本体部50に固定することなく仕切部52を本体部50内の所定の位置に留めておくことができる。
【0058】
仕切部52の下方には、吸水性シート70が配設されている。これにより、下部空間S2に溜まった尿を吸水性シート70内に閉じ込めることができる。このため、尿の悪臭が内部空間20cに漂うのを一層緩和することができる。
【0059】
本体部50に対して抜き挿しすることが可能な引出部54が設けられている。これにより、使用済みの吸水性シート70を新しいものと交換する作業を楽に行うことができる。動物用トイレ2のその他の効果は、動物用トイレ1と同様である。
【0060】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。上記実施形態においては、送風機30が水平方向に風を送るように設けられている場合を例示した。しかし、送風機30は、例えば図12に示すように、斜め上方に風を送るように設けられてもよい。その場合、フード20の天井部20a付近に悪臭が滞留しにくくすることができる。あるいは、送風機30は、例えば図13に示すように、斜め下方に風を送るように設けられてもよい。その場合、送風機30の風が粒状体40にあたりやすくなるため、排泄物で濡れた粒状体40の乾燥を一層促進することができる。
【0061】
上記実施形態においては、送風機30の送風方向が一定である場合を例示した。しかし、送風機30の送風方向は、可変であってもよい。例えば、羽根車の回転軸を可動にすることにより、送風方向が可変である送風機30を実現することができる。このとき、回転軸が水平の状態(図2参照)、回転軸が斜め上向きの状態(図12参照)及び回転軸が斜め下向きの状態(図13参照)の全てが、可動域に含まれることが好ましい。かかる3つの状態が可動域に含まれる場合、送風機30は、「水平方向に風を送るように設けられている場合」、「斜め上方に風を送るように設けられている場合」及び「斜め下方に風を送るように設けられている場合」の全てに該当する。このように送風機30の送風方向を可変にすることにより、内部空間20cの広範囲に気流を生成しやすくなる。
【0062】
上記実施形態においては、送風機30がフード20の側面部20bの領域R1(出入口22に対向する領域)に取り付けられている場合を例示した。しかし、送風機30は、側面部20bにおける領域R1以外の領域に取り付けられてもよい。あるいは、送風機30は、例えば図14図16に示すように、天井部20aに取り付けられてもよい。図14において送風機30は、鉛直下向きに風を送るように設けられている。図15において送風機30は、斜め下方に風を送るように設けられている。図16において送風機30は、水平方向に風を送るように設けられている。このように送風機30を天井部20aに取り付けることは、動物が送風機30に接触しにくくするのに有利である。
【符号の説明】
【0063】
1 動物用トイレ
2 動物用トイレ
10 本体部
10a 底面部
10b 側面部
20 フード
20a 天井部
20b 側面部
20c 内部空間
22 出入口
30 送風機
40 粒状体
42 芯部
44 被覆部
50 本体部
50a 底面部
50b 側面部
50c 突出部
51 開口
52 仕切部
53 貫通孔
54 引出部
55 把手
60 粒状体
70 吸水性シート
S1 上部空間
S2 下部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16