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  • 特開-建具を含む外観構造 図1
  • 特開-建具を含む外観構造 図2
  • 特開-建具を含む外観構造 図3
  • 特開-建具を含む外観構造 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045366
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】建具を含む外観構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/00 20060101AFI20230327BHJP
   E06B 3/70 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
E06B3/00 C
E06B3/70 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153734
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】井手 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】福永 梨紗
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016HA10
2E016JA11
2E016JC01
2E016KA05
2E016LA01
2E016LB03
(57)【要約】
【課題】統一感のある建具を含む外観構造を提供する。
【解決手段】建具を含む外観構造100は、建物の壁部101に設けられる外壁1と、壁部101に形成された開口102に設けられる枠体20と、枠体20に開閉可能に設けられる建具本体30と、を有する建具2と、を備え、外壁1は、屋外側に面して配置される外壁意匠材11を有し、建具本体30は、屋外側に面して配置される建具意匠材31を有し、外壁意匠材11と建具意匠材31とは、同一である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁部に設けられる外壁と、
前記壁部に形成された開口に設けられる枠体と、前記枠体に開閉可能に設けられる建具本体と、を有する建具と、を備え、
前記外壁は、屋外側に面して配置される外壁意匠材を有し、
前記建具本体は、屋外側に面して配置される建具意匠材を有し、
前記外壁意匠材と前記建具意匠材とは、同一である建具を含む外観構造。
【請求項2】
前記外壁意匠材及び前記建具意匠材は、金属サィデイングパネルである請求項1に記載の建具を含む外観構造。
【請求項3】
前記外壁意匠材及び前記建具意匠材は、窯業サィデイングパネルである請求項1に記載の建具を含む外観構造。
【請求項4】
前記外壁意匠材及び前記建具意匠材は、
屋外側に面して配置される鋼板と、
前記鋼板の屋外側を向く面に設けられる化粧モールと、を有する請求項1に記載の建具を含む外観構造。
【請求項5】
前記枠体は、
上下方向に延びる縦枠を有し、
前記外壁は、前記縦枠の少なくとも一部の屋外側に重なって配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の建具を含む外観構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具を含む外観構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、玄関ドア等の建具は、建物に形成された開口に設けられる枠体と、枠体内に開閉可能に設けられる建具本体と、を備えている(下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-25212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建具まわりに設けられる外壁と建具とは、それぞれ別々に設計されていて、統一感のある仕上げにならないという問題点がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、統一感のある建具を含む外観構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る建具を含む外観構造は、建物の壁部に設けられる外壁と、前記壁部に形成された開口に設けられる枠体と、前記枠体に開閉可能に設けられる建具本体と、を有する建具と、を備え、前記外壁は、屋外側に面して配置される外壁意匠材を有し、前記建具本体は、屋外側に面して配置される建具意匠材を有し、前記外壁意匠材と前記建具意匠材とは、同一である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一実施形態に係る建具を含む外観構造を屋外側から見た正面図。
図2図1のII-II線断面図。
図3】第二実施形態に係る建具を含む外観構造の水平断面図。
図4】第三実施形態に係る建具を含む外観構造の水平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態に係る建具を含む外観構造について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態に係る建具を含む外観構造100は、外壁1と、建具2と、を備えている。
【0009】
以下の説明において、屋外側と屋内側とを結ぶ方向を屋内外方向と称する。屋内外方向に直交し水平面に沿う方向を幅方向と称する。幅方向のうち、建具が設けられる開口の中心に向かう方向を幅方向の内側と称し、反対側を幅方向の外側と称する。
【0010】
図2に示すように、外壁1は、建物の壁部101の屋外側に設けられている。外壁1は、外壁意匠材11と、外壁裏鋼板16と、外壁パネル断熱材17と、を有している。
【0011】
外壁意匠材11は、外壁意匠鋼板(鋼板)12と、化粧モール13と、を有している。外壁意匠鋼板12は、板状に形成されている。外壁意匠鋼板12の板厚方向は、屋内外方向を向いている。外壁意匠鋼板12は、外壁1の屋外側に面して配置されている。化粧モール13は、外壁意匠鋼板12における屋外側を向く面12aに設けられている。化粧モール13は、上下方向に長い直方体をしている。図1に示すように、化粧モール13は、外壁意匠鋼板12の上下方向の略全長に設けられている。化粧モール13は、幅方向に間隔をあけて複数配置されている。化粧モール13は、アルミニウム等の金属材料で形成されている。
【0012】
図2に示すように、外壁裏鋼板16は、外壁意匠鋼板12の屋内側に外壁意匠鋼板12と間隔をあけて配置されている。外壁裏鋼板16は、板状に形成されている。外壁裏鋼板16の板厚方向は、屋内外方向を向いている。
【0013】
外壁パネル断熱材17は、外壁意匠鋼板12と外壁裏鋼板16との間に設けられている。外壁パネル断熱材17は、例えば発泡ポリスチレン等の発泡材で形成されている。
【0014】
建物の壁部101には、屋内外方向に貫通する開口102が形成されている。建具2は、開口102に設けられている。建具2は、枠体20と、ドア本体(建具本体)30と、を有している。建具2は、例えば建物の玄関用の建具であるが、設置箇所は限定されない。
【0015】
枠体20は、一対の縦枠21,21と、上枠(不図示)と、を有している。縦枠21は、上下方向に延びている。縦枠21は、壁部101に固定されている。上枠は、幅方向に延びている。上枠は、縦枠21,21の上端部どうしを連結している。一対の縦枠21及び上枠によって、三方枠が形成されている。
【0016】
外壁1は、縦枠21における幅方向の外側の部分(以下、「外側部」と称する)22の屋外側に重なって配置されている。これによって、屋外側から見ると、縦枠21の外側部22は外壁1で隠れて見えず、縦枠21における外側部22以外の部分(以下、「内側部」と称する)23が見える。外壁1の幅方向の端部1aに沿って設けられた端部材19が、外側部22と内側部23との境界となる。
【0017】
ドア本体30は、枠体20内に開閉可能に設けられる。ドア本体30は、上下方向に長い略長方形の板状である。ドア本体30は、ドア意匠材(建具意匠材)31と、ドア裏鋼板36と、ドアパネル断熱材37と、を有している。
【0018】
ドア意匠材31は、ドア意匠鋼板(鋼板)32と、化粧モール33と、を有している。ドア意匠鋼板32は、板状に形成されている。ドア意匠鋼板32の板厚方向は、屋内外方向を向いている。ドア意匠鋼板32は、ドア本体30の屋外側に面して配置されている。化粧モール33は、ドア意匠鋼板32における屋外側を向く面32aに設けられている。化粧モール33は、上下方向に長い直方体をしている。図1に示すように、化粧モール33は、ドア意匠鋼板32の上下方向の略全長に設けられている。化粧モール33は、幅方向に間隔をあけて複数配置されている。化粧モール33は、アルミニウム等の金属材料で形成されている。
【0019】
図2に示すように、ドア裏鋼板36は、ドア意匠鋼板32の屋内側にドア意匠鋼板32と間隔をあけて配置されている。ドア裏鋼板36は、板状に形成されている。ドア裏鋼板36の板厚方向は、屋内外方向を向いている。ドアパネル断熱材37は、ドア意匠鋼板32とドア裏鋼板36との間に設けられている。ドアパネル断熱材37は、例えば発泡ポリスチレン等の発泡材で形成されている。
【0020】
外壁1とドア本体30とにおいて、外壁意匠材11とドア意匠材31とは同一の部材で構成されている。外壁意匠材11の外壁意匠鋼板12とドア意匠材31のドア意匠鋼板32とは、同一の化粧シート等の同一の表面仕上げである。外壁意匠材11の化粧モール13とドア意匠材31の化粧モール33とは、同一の化粧シート等の同一の表面仕上げである。外壁意匠材11とドア意匠材31とは同一の部材で構成されていなくても、少なくとも表面仕上げが同一であればよい。
【0021】
このように構成された建具を含む外観構造100では、外壁1の屋外側に面して配置される外壁意匠材11と建具2の屋外側に面して配置されるドア意匠材31とは、同一の表面仕上げである。これによって、屋外側から見て統一感のあるデザインを実現することができる。
【0022】
建具を含む外観構造100では、外壁意匠材11及びドア意匠材31は、鋼板12,32の屋外側を向く面に設けられる化粧モール13,33が設けられた構成であるため、デザイン性を高めることができる。
【0023】
建具を含む外観構造100では、外壁1が建具2の縦枠21の外側部22の屋外側に重なって配置されているため、縦枠21が目立たずスッキリした洗練されたデザインを実現できる。
【0024】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る建具を含む外観構造について、主に図3を用いて説明する。下記に示す実施形態の説明において、前述した部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0025】
図3に示すように、本実施形態では、外壁1Aは、外壁意匠材14を有している。外壁意匠材14は、金属サィデイングパネルである。外壁意匠材14は、表面が鋼板14aで形成され、内部に断熱材14bが設けられた構成である。外壁意匠材14の屋外側を向く外面14cには、内部に凹む凹部14dが形成されている。これによって、外壁意匠材14の外面14cには凹凸形状が形成されている。
【0026】
ドア本体30Aは、ドア意匠材(建具意匠材)34と、ドア裏鋼板36と、ドアパネル断熱材37と、を有している。ドア意匠材34は、金属サィデイングパネルである。ドア意匠材34と外壁意匠材14とは、同一の材料で形成され、同一の表面仕上げである。ドア意匠材34の構成は、外壁意匠材14の構成と同一であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】
このように構成された建具を含む外観構造100Aでは、外壁1Aの屋外側に面して配置される外壁意匠材14と建具2Aの屋外側に面して配置されるドア意匠材34とは、同一の表面仕上げである。これによって、屋外側から見て統一感のあるデザインを実現することができる。
【0028】
建具を含む外観構造100Aでは、従来外壁に用いられていた金属サイディングパネルをドア本体30Aの屋外側に面して設けて、外壁1Aと建具2Aとで統一感を実現することができる。また、ドア意匠材34は金属サィデイングパネルであるため、ドア本体30Aの重量をドア意匠材が窯業材で構成されたものよりも軽くすることができ、荷扱い及び吊込み性等の施工性が良い。
【0029】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係る建具を含む外観構造について、主に図4を用いて説明する。
【0030】
図4に示すように、本実施形態では、外壁1Bは、外壁意匠材15を有している。外壁意匠材15は、窯業サィデイングパネルである。外壁意匠材15は、板状に形成されている。外壁意匠材15の板厚方向は、屋内外方向を向いている。
【0031】
ドア本体30Bは、ドア意匠材(建具意匠材)35と、ドア裏鋼板36と、ドアパネル断熱材37と、を有している。ドア意匠材35は、窯業サィデイングパネルである。ドア意匠材35と外壁意匠材15とは、同一の材料で形成され、同一の表面仕上げである。
【0032】
このように構成された建具を含む外観構造100Bでは、外壁1Bの屋外側に面して配置される外壁意匠材15と建具2Bの屋外側に面して配置されるドア意匠材35とは、同一の表面仕上げである。これによって、屋外側から見て統一感のあるデザインを実現することができる。
【0033】
建具を含む外観構造100Bでは、従来外壁に用いられていた窯業サィデイングパネルをドア本体30Bの屋外側に面して設けて、外壁1Bと建具2Bとで統一感を実現することができる。また、ドア意匠材35を窯業サイディングパネルすることで表面意匠を凸凹に表現しやすくなり、陰影及び立体感がある高意匠が実現できる。
【0034】
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0035】
上記に示す実施形態では、外壁1は建具2の縦枠21の少なくとも一部の屋外側に重なって配置されているが、これに限られない。外壁1は建具2の縦枠21の少なくとも一部の屋外側に重なって配置されていなくてもよい。
【0036】
外壁意匠材と建具意匠材とは同一であれば、外壁意匠材及び建具意匠材の材料、表面仕上げの種類は適宜設定可能である。
【符号の説明】
【0037】
1,1A,1B…外壁
2,2A,2B…建具
11,14,15…外壁意匠材
12…外壁意匠鋼板(鋼板)
13…化粧モール
20…枠体
21…縦枠
30…ドア本体(建具本体)
31,34,35…ドア意匠材(建具意匠材)
32…ドア意匠鋼板(鋼板)
33…化粧モール
100,100A、100B…建具を含む外観構造
101…壁部
102…開口
図1
図2
図3
図4