(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045374
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】風力選別機用監視装置及び風力選別機用過負荷防止装置
(51)【国際特許分類】
B07B 4/02 20060101AFI20230327BHJP
B29B 17/02 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B07B4/02
B29B17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153748
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】519367706
【氏名又は名称】株式会社エコ・マイニング
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(72)【発明者】
【氏名】相田 辰
(72)【発明者】
【氏名】宮内 富士雄
(72)【発明者】
【氏名】櫻庭 拓
【テーマコード(参考)】
4D021
4F401
【Fターム(参考)】
4D021FA02
4D021GA02
4D021GA12
4D021GA27
4D021GA29
4D021HA10
4F401AA27
4F401CA28
4F401FA03Y
4F401FA04Y
4F401FA20X
4F401FA20Y
(57)【要約】
【課題】廃プラスチックを選別処理する風力選別機において、廃プラスチック又は軽量プラスチックの流れの滞りを、早期に検知できる技術を提供する。
【解決手段】廃プラスチック(11)を、軽量プラスチック(15)とその他(16)とに選別する風力選別機(10)に付設され、ダクト(12)を流れる廃プラスチック(11)又は軽量プラスチック(15)を監視する風力選別機用監視装置(30)であって、この監視装置(30)は、ダクト(12)の側面に設ける第1の窓(31)と、この第1の窓(31)と同軸になるようにダクト(12)の側面に設ける第2の窓(32)と、第1の窓(31)の外に配置され投光が第1の窓(31)を通過しダクト(12)内を横断し第2の窓(32)を通過する投光手段(34)とからなることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃プラスチックを、軽量プラスチックとその他とに選別する風力選別機に、付設される装置であり、
ダクトを流れる前記廃プラスチック又は前記軽量プラスチックを監視する風力選別機用監視装置であって、
この監視装置は、前記ダクトに設ける第1の窓と、この第1の窓と同軸になるように前記ダクトに設ける第2の窓と、前記第1の窓の外に配置され投光が前記第1の窓を通過し前記ダクト内を横断し前記第2の窓を通過する投光手段と、からなることを特徴とする風力選別機用監視装置。
【請求項2】
請求項1記載の風力選別機用監視装置であって、
前記第2の窓は、前記投光手段による前記投光を均一に拡散し前記ダクトを流れる前記廃プラスチック又は前記軽量プラスチックをシャープに投影するために、透明なプラスチック板の外面にしぼ加工を施したものと、透明なプラスチック板の外面に半透明のフィルムを貼りつけたものと、透明なプラスチック板の外側に半透明のフィルタを備えたものと、透明なプラスチック板の外面に光を弱める塗膜を付したものと、透明ではあるが色が着いたプラスチック板と、の何れかであることを特徴とする風力選別機用監視装置。
【請求項3】
ダクトと、このダクトの途中に廃プラスチックを投入する廃プラスチックフィーダと、この廃プラスチックフィーダを駆動するフィーダモータと、前記ダクトに風を送るファンと、このファンを駆動するファンモータとを備え、前記廃プラスチックを、軽量プラスチックとその他とに選別する風力選別機に、付設される装置であり、
前記フィーダモータと前記ファンモータの少なくとも一方が、過負荷状態になることを防止する風力選別機用過負荷防止装置であって、
この過負荷防止装置は、前記ダクトに設ける第1の窓と、この第1の窓と同軸になるように前記ダクトに設ける第2の窓と、前記第1の窓の外に設けられ投光が前記第1の窓を通過し前記ダクト内を横断し前記第2の窓を通過する投光手段と、前記ファンモータの回転速度を制御するファンモータ回転制御手段と前記フィーダモータの回転速度を制御するフィーダモータ回転制御手段の少なくとも一方と、からなることを特徴とする風力選別機用過負荷防止装置。
【請求項4】
請求項3記載の風力選別機用過負荷防止装置であって、
前記第2の窓は、前記投光手段による前記投光を均一に拡散し前記ダクトを流れる前記廃プラスチック又は前記軽量プラスチックをシャープに投影するために、透明なプラスチック板の外面にしぼ加工を施したものと、透明なプラスチック板の外面に半透明のフィルムを貼りつけたものと、透明なプラスチック板の外側に半透明のフィルタを備えたものと、透明なプラスチック板の外面に光を弱める塗膜を付したものと、透明ではあるが色が着いたプラスチック板と、の何れかであることを特徴とする風力選別機用過負荷防止装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4記載の風力選別機用過負荷防止装置であって、
前記過負荷防止装置は、前記第2の窓の外に配置され前記第2の窓に映る前記廃プラスチックの影又は前記軽量プラスチックの影を撮像する撮像手段を、さらに備えていることを特徴とする風力選別機用過負荷防止装置。
【請求項6】
請求項5記載の風力選別機用過負荷防止装置であって、
前記撮像手段の撮像情報に基づいて視野の面積及び前記影の面積を求める面積計算部と、前記視野の面積を分母とし前記影の面積を分子として得られる影面積比計算部とを、この影面積比計算部で計算した影面積比をしきい値と比較する比較部と、前記影面積比が前記しきい値を超えたときに前記ファンモータ回転制御手段を制御して前記ファンモータの回転速度を増加するファン強化部とを、さらに備えていることを特徴とする風力選別機用過負荷防止装置。
【請求項7】
請求項5記載の風力選別機用過負荷防止装置であって、
前記撮像手段の撮像情報に基づいて視野の面積及び前記影の面積を求める面積計算部と、前記視野の面積を分母とし前記影の面積を分子として得られる影面積比計算部とを、この影面積比計算部で計算した影面積比が前記しきい値を超えたときに前記フィーダモータ回転制御手段を制御して前記フィーダモータの回転速度を減少するフィーダ弱め部とを、さらに備えていることを特徴とする風力選別機用過負荷防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力選別機に付設する監視装置及び過負荷防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図13は従来の風力選別機の原理図である。
ファン101により、ダクト102に上向きに風(空気)が流れている。この風の流速はV1である。
フィーダ103により、廃プラスチック104がダクト102の途中に投入される。
廃プラスチック104は、種々のプラスチックの混合物である。加えて、廃プラスチック104には、微量であるが金属屑や小石が混じっている。
【0003】
軽量プラスチック105の落下速度(浮遊速度)は、V1より小さい。そのため、軽量プラスチック105は、上へ流れる。
一方、重いプラスチック106や金属屑や小石の落下速度(浮遊速度)は、V1より大きい。そのため、金属屑や小石と共に重いプラスチック106は、落下する。
以上により、軽量プラスチック105とその他(金属屑や小石と共に重いプラスチック106)が選別される。
【0004】
このように風の力で廃プラスチックを選別する風力選別機の具体的構造は、種々提案されてきた(例えば、特許文献1(
図3)参照)。
【0005】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図14は従来の風力選別機の具体的な構造を説明する図である。
風力選別機110は、ファン101と、ジグザク形状のダクト102と、スクリューコンベア等のフィーダ103と、サイクロンセパレータ111とを主たる構成要件とする。
ファン101はファンモータ112で駆動され、フィーダ103はフィーダモータ113で駆動される。
【0006】
廃プラスチック104は、フィーダ103により、ダクト102に投入される。ファン101で送られる風により、選別された軽量プラスチック105はサイクロンセパレータ111へ送られる。残り(金属屑や石と共に重いプラスチック106)は下へ排出される。
【0007】
ところで、廃プラスチック104は、種々のプラスチックの混合物である上に、表面が不可避的に汚れている。
稀ではあるが、汚れが接着作用を発揮して、混合物の一部が塊になることがある。特に、ダクト102が、ジグザク形状である場合、軽量プラスチック105がダクト102の内壁に衝突し、この衝突が繰り返されるため、塊の出現頻度が高まる。
この塊が大きく成長すると、廃プラスチック104又は軽量プラスチック105の流れが滞る。
【0008】
流れが滞ると、ファンモータ112への負荷が増加し、流れが著しく滞ると、ファンモータ112は過負荷状態となる。
流れが著しく滞ると、ファンモータ112に加えてフィーダモータ113への負荷が増加しフィーダモータ113も過負荷状態となる。
【0009】
一般に、ファンモータ112は、モータ保護機構として、サーマルリレー112Aを備え、フィーダモータ113もサーマルリレー113Aを備えている。
サーマルリレー112A、113Aはバイメタルを主要素とする安全スイッチであり、設定温度以下ではスイッチオンで、設定温度を超えるとスイッチオフになる。スイッチオフは、ブレーカーが落ちることやヒューズが溶断することに相当する。
【0010】
過負荷状態になるとモータ112、113は発熱して、サーマルリレー112A、113Aがスイッチオフとなり、通電を遮断する。遮断により、モータ112、113が保護される。
以上により、風力選別機110のダメージは回避される。
【0011】
ただし、モータ112、113の主要素であるモータケース(モータハウジング)は丈夫な鋳物で出来ているため、熱容量が大きく、温度変化は緩慢になる。そのため、異常状態になってからサーマルリレー112A、113Aが通電を遮断するまでには、かなりの時間を要する。この間にダメージが深刻化する。
すなわち、サーマルリレー112A及び/又はサーマルリレー113Aが異常を検知したときには、いわゆる「重故障」となり、回復処置に時間と費用が嵩む。
【0012】
そこで、廃プラスチック104又は軽量プラスチック105の流れの滞りを、早期に検知できる技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、廃プラスチックを選別処理する風力選別機において、廃プラスチック又は軽量プラスチックの流れの滞りを、早期に検知できる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、
図1に示すように、ダクト102に開口を設け、そこに透明なアクリル板115を嵌めた。その他の符号は
図13と同じであるため、
図13の符号を流用し、詳細な説明は省略する。
【0016】
アクリル板115を通して、ダクト102の内部を観察してみた。
最初は、軽量プラスチック105が視認できた。しかし、時間が経過すると、汚れがアクリル板115の内面に付着し、見えにくくなった。さらに、時間が経過すると、汚れが堆積し、増々見えにくくなった。
【0017】
対策として、アクリル板115を外して清掃し、再度取付けた。しかし、清掃中はファン101を止めなければならない。ファン101を止めると、生産性の低下をきたす。加えて、アクリル板115の着脱と清掃作業も作業員の負担となる。
【0018】
さらなる対策を検討する中で、本発明者らは「影絵」の原理に着目した。
図2に示すように、障子紙121とライト122の間に、物123を置くと、ライト122の光線124により、障子紙121に明るい部分125と影の部分126とができる。
【0019】
障子紙121は汚れたアクリル板に相当する。汚れたアクリル板は半透明のアクリル板に相当する。そのため、アクリル板の汚れの程度に拘わらず、アクリル板で影の部分126、すなわち軽量プラスチックの影が検知できることに、気づいた。
【0020】
図3に示すように、風力選別機10は、ダクト12と、このダクト12の途中に廃プラスチック11を投入する廃プラスチックフィーダ13と、ダクト12に風を送るファン14とを備え、軽量プラスチック15を上へ選別し、金属屑や小石と共に重いプラスチック16を下へ選別する。
【0021】
図2で述べた知見に基づき、風力選別機10に、風力選別機用監視装置30(以下、監視装置30と記載する。)を付設してみた。
監視装置30の詳細を、
図4に基づいて説明する。
【0022】
図4に示すように、監視装置30は、ダクト12に設ける第1の窓31と、この第1の窓31と同軸になるように且つ第1の窓31に対面するようにダクト12に設ける第2の窓32と、この第1の窓31の外に配置され投光33が第1の窓31を通過しダクト12内を横断し第2の窓32を通過する投光手段34とからなる。
なお、同軸になるようにとは、1本の軸に第1の窓31と第2の窓32とが、所定の間隔を置いて配置されていることを意味する。
【0023】
第1の窓31及び第2の窓32は、安価で透明なアクリル板が好適であるが、ポリカーボネートやガラスであってもよい。
投光手段34は、種類や形式は任意であるが、工事現場で使用するリフレクター(反射鏡付き)投光器であってもよい。リフレクター投光器は入手が容易で安価である。リフレクター投光器のバルブはフィラメント球の他、LED球(発光ダイオード球)であってもよい。
【0024】
好ましくは、投光手段34は、防塵カバーを兼ねる円錐形のステー35でダクト12に支持させる。ステー35には、熱が籠らないように、空気入口36と空気出口37が複数個設けられている。
塵埃の無い、又は少ない環境に投光手段34が置かれるときには、ステー35は、単なる脚(4本脚)であってもよい。
また、ダクト12からの振動を嫌うときには、投光手段34は、ダクト12とは別に置かれた構造体(建屋、歩廊など)に支持させてもよい。
【0025】
図5(a)、(b)は
図4の5矢視図である。
図5(a)に示すように、第2の窓32を見ると、正常時には、明るい部分38と影の部分39とか、ある比率で存在していた。
縦がaで横がaである視野の面積は、a×aとなる。この視野における影の部分39の面積和を、影の面積とする。影の面積は、画像解析法により、求めることができる。
視野の面積(a×a)を分母とし、影の面積(面積和)を分子とすることで、影面積比が容易に計算できる。
【0026】
図5(b)に示すように、第2の窓32を見ると、異常時には、明るい部分38が少なく、影の部分39が多くなっていた。
明るい部分38と影の部分39との明度差が十分に大きいため、
図5(a)と
図5(b)において、第2の窓32の内面が汚れていても、影面積比は正確に計算できる。
図5(a)と
図5(b)との間に、しきい値を設定する。このしきい値と影面積比とを比較することにより、正常と異常との識別が可能となる。
【0027】
上述したように、本発明者らは、第2の窓32が完全に透明なアクリル板よりは、障子紙を模したような半透明なアクリル板が適していることを見出した。すなわち、光を弱める程度の半透明のアクリル板は、完全に透明なアクリル板よりも汚れの影響を受けにくいことを見出した。
半透明のアクリル板の具体例を、
図6に基づいて説明する。
【0028】
図6(a)~(c)において、「内側」はダクト42内、「外側」はダクト42外を示す。
図6(a)に示すように、第2の窓32の外面が、粗面41である。粗面41はしぼ加工、梨地加工、ブラスト加工などで形成することができる。
しぼは、織物や皮革の表面に現れるような微細な凹凸模様を意味する。
梨地は、果物の一種である梨(なし)の表面の微細な凹凸模様を意味する。
ブラストは砂の粒を吹き付けることで出現する微細な凹凸模様を意味する。
以上により、透明なアクリル板は半透明になる。
【0029】
また、
図6(b)に示すように、第2の窓32は、透明なプラスチック板42の外面に、光を弱めるフィルム、具体的には半透明のフィルム43を貼り付けたものであってもよい。フィルム43は、塗装膜であってもよい。また、フィルム43は、光を弱める着色フィルムでもよい。
【0030】
また、
図6(c)に示すように、第2の窓32は、透明なプラスチック板42と、この透明なプラスチック板42の外側に配置した光を弱めるフィルタ、具体的には半透明なフィルタ44とで、構成してもよい。
また、図面は省略するが、第2の窓32は、透明なブラスチック42よりは光を弱める作用を発揮する着色したプラスチックであってもよい。
【0031】
すなわち、第2の窓を半透明にすることにより、投光手段による投光を均一に拡散しダクトを流れる廃プラスチック又は軽量プラスチックをよりシャープに投影することができる。
【0032】
以上の知見から、以下に述べる発明が完成した。
請求項1に係る発明は、廃プラスチックを、軽量プラスチックとその他とに選別する風力選別機に、付設される装置であり、
ダクトを流れる前記廃プラスチック又は前記軽量プラスチックを監視する風力選別機用監視装置であって、
この監視装置は、前記ダクトに設ける第1の窓と、この第1の窓と同軸になるように前記ダクトに設ける第2の窓と、前記第1の窓の外に配置され投光が前記第1の窓を通過し前記ダクト内を横断し前記第2の窓を通過する投光手段と、からなることを特徴とする。
【0033】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の風力選別機用監視装置であって、
前記第2の窓は、前記投光手段による前記投光を均一に拡散し前記ダクトを流れる前記廃プラスチック又は前記軽量プラスチックをシャープに投影するために、透明なプラスチック板の外面にしぼ加工を施したものと、透明なプラスチック板の外面に半透明のフィルムを貼りつけたものと、透明なプラスチック板の外側に半透明のフィルタを備えたものと、透明なプラスチック板の外面に光を弱める塗膜を付したものと、透明ではあるが色が着いたプラスチック板と、の何れかであることを特徴とする。
【0034】
請求項3に係る発明は、ダクトと、このダクトの途中に廃プラスチックを投入する廃プラスチックフィーダと、この廃プラスチックフィーダを駆動するフィーダモータと、前記ダクトに風を送るファンと、このファンを駆動するファンモータとを備え、前記廃プラスチックを、軽量プラスチックとその他とに選別する風力選別機に、付設される装置であり、
前記フィーダモータと前記ファンモータの少なくとも一方が、過負荷状態になることを防止する風力選別機用過負荷防止装置であって、
この過負荷防止装置は、前記ダクトに設ける第1の窓と、この第1の窓と同軸になるように前記ダクトに設ける第2の窓と、前記第1の窓の外に設けられ投光が前記第1の窓を通過し前記ダクト内を横断し前記第2の窓を通過する投光手段と、前記ファンモータの回転速度を制御するファンモータ回転制御手段と前記フィーダモータの回転速度を制御するフィーダモータ回転制御手段の少なくとも一方と、からなることを特徴とする。
【0035】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の風力選別機用過負荷防止装置であって、
前記第2の窓は、前記投光手段による前記投光を均一に拡散し前記ダクトを流れる前記廃プラスチック又は前記軽量プラスチックをシャープに投影するために、透明なプラスチック板の外面にしぼ加工を施したものと、透明なプラスチック板の外面に半透明のフィルムを貼りつけたものと、透明なプラスチック板の外側に半透明のフィルタを備えたものと、透明なプラスチック板の外面に光を弱める塗膜を付したものと、透明ではあるが色が着いたプラスチック板と、の何れかであることを特徴とする。
【0036】
請求項5に係る発明は、請求項3又は請求項4記載の風力選別機用過負荷防止装置であって、
前記過負荷防止装置は、前記第2の窓の外に配置され前記第2の窓に映る前記廃プラスチックの影又は前記軽量プラスチックの影を撮像する撮像手段を、さらに備えていることを特徴とする。
【0037】
請求項6に係る発明は、請求項5記載の風力選別機用過負荷防止装置であって、
前記撮像手段の撮像情報に基づいて視野の面積及び前記影の面積を求める面積計算部と、前記視野の面積を分母とし前記影の面積を分子として得られる影面積比計算部とを、この影面積比計算部で計算した影面積比をしきい値と比較する比較部と、前記影面積比が前記しきい値を超えたときに前記ファンモータ回転制御手段を制御して前記ファンモータの回転速度を増加するファン強化部とを、さらに備えていることを特徴とする。
【0038】
請求項7に係る発明は、請求項5記載の風力選別機用過負荷防止装置であって、
前記撮像手段の撮像情報に基づいて視野の面積及び前記影の面積を求める面積計算部と、前記視野の面積を分母とし前記影の面積を分子として得られる影面積比計算部とを、この影面積比計算部で計算した影面積比が前記しきい値を超えたときに前記フィーダモータ回転制御手段を制御して前記フィーダモータの回転速度を減少するフィーダ弱め部とを、さらに備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
請求項1に係る発明では、風力選別機用監視装置は、第1の窓と、第2の窓と、第1の窓の外に配置され投光が第1の窓を通過しダクト内を横断し第2の窓を通過する投光手段とで構成する。
第2の窓を、影絵遊びの障子紙に見立てる。ダクト内を流れる廃プラスチック又は軽量プラスチックは、第2の窓に影となって表示される。第2の窓が、廃プラスチックの汚れで汚されても、影の形成には殆ど影響がない。
【0040】
影の部分がしきい値を超えて多くなると異常と識別することができる。この識別は容易に且つ迅速に行える。
よって、本発明により、廃プラスチックを選別処理する風力選別機において、廃プラスチック又は軽量プラスチックの流れの滞りを、早期に検知できることが可能となる。
【0041】
また、第1の窓及び第2の窓は、安価で入手が容易なアクリル板が採用できる。投光手段は、安価で入手が容易な工事現場用のリフレクター投光器が採用できる。
したがって、本発明により、極めて構造が簡単で、安価な風力選別機用監視装置が提供される。
【0042】
請求項2に係る発明では、第2の窓は、投光手段による投光を均一に拡散しダクトを流れる廃プラスチック又は軽量プラスチックをシャープに投影するために、半透明にした。
透明よりは半透明の方が、影絵の影をシャープに形成することができる。
また、透明よりは半透明の方が、汚れの影響を受けない。
【0043】
請求項3に係る発明では、風力選別機用過負荷防止装置は、第1の窓と、第2の窓と、第1の窓の外に配置され投光が第1の窓を通過しダクト内を横断し第2の窓を通過する投光手段と、ファンモータ回転制御手段とフィーダモータ回転制御手段との少なくとも一方とで構成する。
請求項1と同様に、第2の窓を、影絵遊びの障子紙に見立てる。ダクト内を流れる廃プラスチック又は軽量プラスチックは、第2の窓に影となって表示される。第2の窓が、廃プラスチックの汚れで汚されても、影の形成には殆ど影響がない。
影の部分が多くなると異常と識別することができる。
【0044】
異常と識別したときには、ファンモータ回転制御手段を増速制御して、流れを促し、流れの滞留を強制的に解消する。この解消により、ファンモータが過負荷状態になることが防止される。
または、異常と識別したときには、フィーダモータ回転制御手段を減速制御して、廃プラスチックの投入量を減らし、流れの滞留を是正する。この是正により、フィーダモータが過負荷状態になることが防止される。
よって、本発明により、廃プラスチックを選別処理する風力選別機において、廃プラスチック又は軽量プラスチックの流れの滞りを早期に解消し、過負荷の防止を図ることができる。
【0045】
また、第1の窓及び第2の窓は、安価で入手が容易なアクリル板が採用できる。投光手段は、安価で入手が容易な工事現場用のリフレクター投光器が採用できる。
したがって、本発明により、極めて構造が簡単で、安価な風力選別機用過負荷防止装置が提供される。
【0046】
請求項4に係る発明では、第2の窓は、投光手段による投光を均一に拡散しダクトを流れる廃プラスチック又は軽量プラスチックをシャープに投影するために、半透明にした。
透明よりは半透明の方が、影絵の影をシャープに形成することができる。
また、透明よりは半透明の方が、汚れの影響を受けない。
【0047】
請求項5に係る発明では、過負荷防止装置に、第2の窓に映る影を撮像する撮像手段を、さらに備えた。撮像をモニターで目視することができる。
モニターは、現場よりは格段に環境状況が良好な部屋(運転室や管理室)に置くことができる。
作業員が直接第2の窓を監視することに比べて、遠隔監視が可能となり、好ましい。
【0048】
請求項6に係る発明では、撮像情報に基づいて影の面積比を計算し、この計算値がしきい値を超えたら、ファンモータの回転速度を増加して、ダクト内流れの滞りを解消し、解消した後にファンモータの回転速度を通常に戻す。
無人で、過負荷防止を図ることができる。
【0049】
請求項7に係る発明では、撮像情報に基づいて影の面積比を計算し、この計算値がしきい値を超えたら、フィーダモータの回転速度を減少して、ダクトへの廃プラスチックの投入量を減らし、ダクト内流れの滞りを解消する。解消した後にフィーダモータの回転速度を通常に戻す。
無人で、過負荷防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明完成前の風力選別機用監視装置を説明する図である。
【
図3】本発明に係る風力選別機用監視装置を備えた風力選別機の原理図である。
【
図4】本発明に係る風力選別機用監視装置の原理図である。
【
図7】本発明に係る風力選別機用過負荷防止装置の原理図である。
【
図8】風力選別機用過負荷防止装置の変更例を説明する図である。
【
図10】過負荷防止方法を説明するフロー図である。
【
図11】別の過負荷防止方法を説明するフロー図である。
【
図12】本発明を気送管に適用した例を説明する図である。
【
図14】従来の風力選別機の具体的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例0052】
図7に示すように、風力選別機10は、廃プラスチックを適当な大きさに破砕する破砕機17と、次工程へ定まった量の軽量プラスチックを供給する定量供給機18との間に配置される。定量供給機18は上部に集塵機19を備えている。集塵機19はファン14へ供給する循環空気からダストを除去する役割を果たす。
【0053】
風力選別機10は、廃プラスチック11又は軽量プラスチック15を流すダクト12と、このダクト12の途中に設けた投入口12aへ廃プラスチック11を投入する廃プラスチックフィーダ13と、この廃プラスチックフィーダ13を駆動するフィーダモータ13Aと、ダクト12に風を送るファン14と、このファン14を駆動するファンモータ14Aとを備える。
【0054】
加えて、風力選別機10は、フィーダモータ13Aとファンモータ14Aの少なくとも一方が、過負荷状態になることを防止する風力選別機用過負荷防止装置50(以下、過負荷防止装置50と記載する。)を備えている。
【0055】
過負荷防止装置50は、ダクト12に設ける第1の窓31と、この第1の窓31と同軸になるようにダクト12に設ける第2の窓32と、第1の窓31の外に設けられ投光が第1の窓31を通過しダクト12内を横断し第2の窓32を通過する投光手段34と、ファンモータ14Aの回転速度を制御するファンモータ回転制御手段51とを備えている。
【0056】
ファンモータ回転制御手段51は、第1ボリューム52を回すことで、ファンモータ14Aの回転速度を変更(増減)することができる。
ファンモータ回転制御手段51は、ファンモータ14Aが交流モータであれば、VVVF(電圧と周波数を可変制御する)インバータが好適である。
【0057】
好ましくは、過負荷防止装置50に、フィーダモータ13Aの回転速度を制御するフィーダモータ回転制御手段53を追加する。
フィーダモータ回転制御手段53は、第2ボリューム54を回すことで、フィーダモータ13Aの回転速度を変更(増減)することができる。
フィーダモータ回転制御手段53も、フィーダモータ13Aが交流モータであれば、VVVF(電圧と周波数を可変制御する)インバータが好適である。
【0058】
好ましくは、第2の窓32の外に配置され第2の窓32に映る軽量プラスチック15の影を撮像する撮像手段55及び撮像情報を表示するモニター56をに備える。撮像手段55は、CCDカメラが好適である。
なお、第1の窓31及び第2の窓32は、ダクト12内を廃プラスチック11が流れる部位に設けてもよい。このときは、撮像手段55は第2の窓32に映る廃プラスチック11の影を撮像する。
【0059】
作業員は、定期的又は随時モニター56を監視する。モニター56に、
図5(b)に示す画像が表示されたときには、第1ボリューム52を操作して、ファンモータ14Aの回転数を上げる。
この操作で
図5(a)の画像に戻らないときには、第2ボリューム54を操作して、フィーダモータ13Aの回転速度を下げる。この操作により、ダクト12への廃プラスチック11の投入量が低下するため、
図5(a)の画像に戻すことができる。
【0060】
なお、撮像手段55及びモニター56が省かれている場合は、作業員は直接第2の窓32を目視し、適宜第1ボリューム52や第2ボリューム54を操作する。
【0061】
以上に述べた作業員の負担を軽減するために、さらなる自動化を図った変更実施例を、以下に説明する。
図8に示すように、過負荷防止装置50に、撮像手段55の撮像情報に基づいて、ファンモータ回転制御手段51及び/又はフィーダモータ回転制御手段53を制御する制御部60を、さらに備えている。その他の構成要素は
図7と同じであるため、
図7の符号を流用して、詳細な説明は省略する。
【0062】
ファンモータ14Aの運転状態を表示する要素として、「ファン通常」ランプ61と「ファン強化」ランプ62を備えてもよい。
ファンモータ14Aが通常の回転速度であるときに「ファン通常」ランプ61を点灯させ、「ファン強化」ランプ62を消灯させる。
異常時には、「ファン強化」ランプ62を点灯させ、「ファン通常」ランプ61を消灯させる。
【0063】
また、フィーダモータ13Aの運転状態を表示する要素として、「フィーダ通常」ランプ63と「フィーダ弱」ランプ64を備えてもよい。フィーダモータ13Aが通常の回転速度であるときに「フィーダ通常」ランプ63を点灯させ、異常時に「フィーダ弱」ランプ64を点灯させる。
【0064】
なお、これらの運転表示をモニター56に表示することで、ランプ61~64を省いてもよい。
また、ファン強化時やフィーダ弱時に、ブザーを鳴らして、作業員へ注意を喚起するようにしてもよい。
【0065】
図9に示すように、制御部60は、撮像情報に基づいて視野の面積(
図5(a)に示すa×a)及び影(
図5(a)、符号39)の面積(面積和)を求める面積計算部65と、視野の面積(a×a)を分母とし影の面積を分子として得られる影面積比計算部66と、この影面積比計算部66で計算した影面積比をしきい値と比較する比較部67と、影面積比がしきい値を超えたときにファンモータ回転制御手段51を制御してファンモータ14Aの回転速度を増加するファン強化部68と、影面積比がしきい値を超えたときにフィーダモータ回転制御手段53を制御してフィーダモータ13Aの回転速度を減少するフィーダ弱め部69と、ファン強化部68とフィーダ弱め部69の両方又は一方へ情報を送るスイッチ部71とからなる。
【0066】
すなわち、スイッチ部71は、外部からの指令に基づいて、ファン強化部68のみを選択する、若しくはフィーダ弱め部69のみを選択する、又はファン強化部68とフィーダ弱め部69の両方を選択する。
【0067】
スイッチ部71でファン強化部68のみが選択されたときの制御フローの一例を、
図10で説明する。
図10のST01(ステップ番号01、以下同じ)で、影面積比に係るしきい値B1を予め設定する。
一定時間(例えば、0.1秒又は1.0秒)毎に影面積比B2を読み込み(ST02)、蓄積する(ST03)。
この蓄積は所定時間(例えば、10秒又は100秒)経過するまで続ける(ST04)。
【0068】
ST04で所定時間が経過したと判断されると、影面積比B2は例えば100個蓄積されている。100個の影面積比B2を加算し、総個数(100)で割ることにより、影面積比B2の算術平均値B2mを求める(ST05)。
【0069】
平均値を使用する理由は、次の通りである。
ダクトを流れる軽量プラスチックは、その量が刻々変動する。この変動にしきい値を超える影面積比B2が含まれる。影面積比B2がしきい値を超える度に、ファンモータを変速すると、変速頻度が高まり、いわゆるチャタリング(通常→増速→通常→増速→・・・を短い時間で繰り返すこと。)が起こり、ファンモータに無理が掛かる。
このチャタリングを防止するために、例えば100個の影面積比B2を平均化した。平均値であれば、変動の影響はほぼ解消される。
【0070】
ST06で、平均値B2mがしきい値B1を超えたか否かを調べる。
否であれば、ファンモータは通常の回転速度が維持される、又は増速が解消されて通常の回転速度とされ(ST07)、蓄積した影面積比B2及び計算したB2mをリセット(キャンセル)し(ST08)、「ファン通常」ランプを点灯して「ファン強化」ランプを消灯し(ST09)、ST02へ戻る。
【0071】
ST06で、平均値B2mがしきい値B1を超えたと判定されたときには、影面積比B2及び計算したB2mをリセット(キャンセル)し(ST10)、ファンモータを増速し(ST11)、「ファン通常」ランプを消灯して「ファン強化」ランプを点灯し(ST12)、ST02へ戻る。
【0072】
ファンモータを増速する(回転速度を上げる)と、滞留気味である軽量プラスチックが、強制的に押し流される。ファンモータ増速は、ST06で否になるまで継続される。この継続より、
図5(b)に近似する状態が、
図5(a)の状態に戻ることが期待される。
ST06で、否(平均値B2mがしきい値B1以下)になると、ST07でファンモータの回転速度が増速から通常に戻される。
【0073】
次に、
図9のスイッチ部71でフィーダ弱め部69のみが選択されたときの制御フローの一例を、
図11で説明する。
図11に示すST21~ST26は、
図10に示すST01~ST06と同じであるため、
図10での説明を援用する。
【0074】
ST26で、平均値B2mがしきい値B1を超えたか否かを調べる。
否であれば、フィーダモータは通常の回転速度が維持される、又は減速が解消されて通常の回転速度とされ(ST27)、蓄積した影面積比B2及び計算したB2mをリセット(キャンセル)し(ST28)、「フィーダ通常」ランプを点灯して「フィーダ弱」ランプを消灯し(ST29)、ST02へ戻る。
【0075】
ST26で、平均値B2mがしきい値B1を超えたと判定されたときには、影面積比B2及び計算したB2mをリセット(キャンセル)し(ST30)、フィーダモータを減速し(ST31)、「フィーダ通常」ランプを消灯して「フィーダ弱」ランプを点灯し(ST32)、ST02へ戻る。
【0076】
フィーダモータを減速する(回転速度を下げる)と、軽量プラスチックの投入量が減少する。この減少はST26で否になるまで継続される。この継続より、
図5(b)に近似する状態が、
図5(a)の状態に戻ることが期待される。
ST26で、否(平均値B2mがしきい値B1以下)になると、ST27でフィーダモータの回転速度が減速から通常に戻される。
【0077】
図9のスイッチ部71でファン強化部68とフィーダ弱め部69の両方が選択されたときは、
図10と
図11を合成した制御フローとなるため、図示及び説明は省略する。
【0078】
なお、
図8で示した風力選別機10の運転方法(制御方法)は、
図10、
図11に限定されるものではなく、
図10及び/又は
図11を適宜変更することは差し支えない。要は、風力選別機10の無人運転(自動運転)が可能となるような制御フローであればよい。
【0079】
以上に述べた監視装置30又は過負荷防止装置50は、風力選別機10に好適ではあるが、汎用の気送管に付設することは差し支えない。具体的な一例を
図12に基づいて説明する。
【0080】
図12(a)に示すように、気送管80は、ダクト12と、このダクト12に風を送るファン14と、ダクト12の途中に設けられるホッパ81と、このホッパ81とダクト12との間に配置されるロータリバルブ82とからなる。
【0081】
ロータリバルブ82は、間欠的に回される弁軸83に羽根状の仕切り84が等ピッチ(この例では90°ピッチ)で設けられている。この例では、仕切り84により4つの室85が区画形成される。
破砕された廃プラスチック11は、ホッパ81から落下して、ある室85へ溜められる。弁軸83を180°回すと溜めた廃プラスチック11がダクト12内へ落下する。
【0082】
弁軸83の回転中、複数の仕切り84がシール作用を発揮するため、ダクト12内の風がホッパ81側へ抜けることはない。
以上により、廃プラスチック11は、ダクト12内を空気で輸送される。
【0083】
ところで、廃プラスチック11は、汚れが接着剤の役割を果たし塊になることがある。
加えて、ダクト12は、直線であることが理想とされるが、現実には曲がり部12bが途中に設けられる。塊は曲がり部12bでせき止められて、滞留し、成長する。滞留すると、ファンモータ14Aへの負荷が増大し、その対策が望まれる。
【0084】
対策として、気送管80の必要な場所(例えば、曲がり部12bの一次側)に、本発明の監視装置30又は過負荷防止装置50を付設する。一次側とは、上流側を意味し、この例では曲がり部12bのファン14側を意味する。
【0085】
図12(b)は、
図12(a)のb-b断面図である。
ダクト12は、上面と2つの側面と底面とを有する角筒である。
一方の側面に監視装置30の構成要素である第1の窓31を設け、この第1の窓31の外側に投光手段34を設け、他方の側面に第2の窓32を設ける。
【0086】
作業員が目視する場合、上面や底面よりも、側面の方が見やすい。
また、ダクト12が水平に配置されると、底面が最も汚れる。底面より汚れにくい側面に第1の窓31と第2の窓32を設けることが推奨される。
一方、ダクト12が縦や斜めに配置されるときには、任意の面に第1の窓31と第2の窓32を設ける。
【0087】
以上の構成は次のように纏めることができる。
廃プラスチックを空気で輸送する気送管に付設される装置であり、
ダクトを流れる前記廃プラスチックを監視する気送管用監視装置であって、
この監視装置は、前記ダクトに設ける第1の窓と、この第1の窓と同軸になるように前記ダクトに設ける第2の窓と、前記第1の窓の外に配置され投光が前記第1の窓を通過し前記ダクト内を横断し前記第2の窓を通過する投光手段と、からなることを特徴とする。
【0088】
図12(c)は、監視装置30の代わりに過負荷防止装置50を設けたときの断面図である。
ダクト12は、水平に置かれている場合、底面が最も汚れ、上面は最も汚れない。
この過負荷防止装置50では、底面に第2の窓32を設け、上面に第1の窓31を設ける。第1の窓31は比較的透明性が保たれるため、第1の窓31の上方に設けた投光手段34から比較的強い投光33をダクト12内へ照射することができる。
一方、第2の窓32は透明よりは半透明が好まれるため、底面に配置する。第2の窓32の下に撮像手段55を配置する。
【0089】
過負荷防止装置50のその他の構成要素は、
図7~
図10を準用して、詳細な説明は省略する。
ただし、
図7は、過負荷防止装置50から、フィーダモータ回転制御手段53及び第2ボリューム54を除いた上で、準用する。
【0090】
また、
図8は、過負荷防止装置50から、フィーダモータ回転制御手段53、「フィーダ通常」ランプ63、及び「フィーダ弱」ランプ64を除いた上で、準用する。
また、
図9は、スイッチ部71、フィーダ弱め部69、フィーダモータ回転制御手段53及びサーマルリレー13Aを除いた上で、準用する。
また、
図10は全てを準用する。
【0091】
以上の構成は次のように纏めることができる。
ダクトと、このダクトの途中に廃プラスチックを投入するホッパと、前記ダクトに風を送るファンと、このファンを駆動するファンモータとを備える気送管に、付設される装置であり、
前記ファンモータが、過負荷状態になることを防止する気送管用過負荷防止装置であって、
この過負荷防止装置は、前記ダクトに設ける第1の窓と、この第1の窓と同軸になるように前記ダクトに設ける第2の窓と、前記第1の窓の外に設けられ投光が前記第1の窓を通過し前記ダクト内を横断し前記第2の窓を通過する投光手段と、前記ファンモータの回転速度を制御するファンモータ回転制御手段と、からなることを特徴とする。
【0092】
尚、本発明の第2の窓32は、半透明のプラスチック板の他、透明なプラスチック板、透明なガラス板であってもよい。透明な板は汚れると半透明になるからである。
【0093】
本発明の監視装置又は過負荷防止装置は、破砕された廃プラスチックを選別する風力選別機に好適である。
10…風力選別機、11…廃プラスチック、12…ダクト、13…廃プラスチックフィーダ、13A…フィーダモータ、14…ファン、14A…ファンモータ、15…軽量プラスチック、16…その他(金属屑や小石を含む重いプラスチック)、30…風力選別機用監視装置(監視装置)、31…第1の窓、32…第2の窓、33…投光、34…投光手段、39…影の部分(影)、41…粗面、42…透明なプラスチック板、43…半透明のフィルム、44…半透明のフィルタ、50…風力選別機用過負荷防止装置(過負荷防止装置)、51…ファンモータ回転制御手段、53…フィーダモータ回転制御手段、55…撮像手段、56…モニター、60…制御部、65…面積計算部、66…影面積比計算部、67…比較部、68…ファン強化部、69…フィーダ弱め部。