(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023045411
(43)【公開日】2023-04-03
(54)【発明の名称】包装袋連続体を使用した給袋方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/12 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
B65B43/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153800
(22)【出願日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】水谷 晃
(72)【発明者】
【氏名】宮部 祐樹
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA07
3E030BA01
3E030BA02
3E030BB02
3E030BB05
3E030BC02
3E030CA02
3E030CB01
3E030DA01
3E030DA07
3E030EA01
3E030EB01
3E030GA04
(57)【要約】
【課題】包装袋連続体を扱うことで品質を保証でき袋ロスを最小限に抑えることができ、包装部側への給袋を省人化または無人化できると共に給袋装置を簡素化できコストを著しく低減できると共に、省スペース化により大容量給袋包装にも適する包装袋連続体を使用した給袋方法を提供する。
【解決手段】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法は、包装袋連続体送り機構11により包装袋連続体Sを搬送する搬送工程と、切断機構12により包装袋連続体Sを包装袋a毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構13により切断機構12にて切断された包装袋aを包装部側に受け渡す受け渡し工程を有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋連続体送り機構により包装袋連続体を搬送する搬送工程と、切断機構により前記包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構により前記切断機構にて切断された前記包装袋を包装部側に受け渡す受け渡し工程を有していることを特徴とする包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項2】
前記搬送工程では、前記包装袋連続体に対して充填前処理を施すための充填前処理工程が行われる請求項1に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項3】
前記搬送工程では、滞留機構により前記包装袋連続体を滞留させる工程が行われる請求項1または2に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項4】
前記搬送工程では、前記包装袋連続体に打ち抜き加工工程が行われる請求項1ないし3のいずれかに記載の給袋方法。
【請求項5】
前記搬送工程では、前記包装袋連続体は当該包装袋連続体が折り畳まれた包装袋連続体収納部から繰り出される請求項1ないし4のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項6】
前記搬送工程では、前記包装袋連続体はとぐろ巻きされ繰り出される請求項1ないし4のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項7】
前記搬送工程では、前記包装袋連続体はつづら折りされ繰り出される請求項1ないし4のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項8】
前記搬送工程では、前記包装袋連続体はロール状に巻回した包装袋連続体用ボビンから繰り出される請求項1ないし4のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項9】
前記受け渡し工程では、前記切断機構により切断された前記包装袋を包装袋積載マガジンに積載する積載工程が行われる請求項1ないし8のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項10】
前記受け渡し工程では、前記包装袋を位置決めするための位置決め工程が行われる請求項1ないし9のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項11】
前記受け渡し工程では、包装袋回転機構により前記包装袋の姿勢を補正変更する補正変更工程が行われる請求項1ないし10のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項12】
前記搬送工程では、第2切断機構により前記包装袋連続体を搬送方向に沿って複数に分割する工程が行われる請求項1ないし11のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項13】
前記搬送工程では、搬送方向に沿って分割された前記包装袋連続体の端辺部を切断に伴ってシールする工程が行われる請求項12に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項14】
前記切断工程では、複数の前記切断機構により前記包装袋連続体が複数の前記包装袋に切断される請求項1ないし13のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項15】
前記受け渡し工程では、複数の前記包装袋を同時に前記包装部側に受け渡す請求項14に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【請求項16】
前記包装袋連続体は、隣接する包装袋が溶着されて連続体に構成されているものである請求項1ないし15のいずれかに記載の包装袋連続体を使用した給袋方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機等へ包装袋を供給する方法として好適な包装袋連続体を使用した給袋方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、包装機等へ包装袋を供給する装置としては、各種包装工程を行う包装機内に順次包装袋を供給する給袋装置が多用されている(例えば特開2016-55904号公報)。この給袋装置は、一般的には箱に収納された一枚一枚の包装袋を人手やロボット等を使用して取り出し順次コンベア上に並べて搬送して包装機に供給している。他方、製袋包装機は、製袋部においてロール状に巻かれた包装用フィルムから包装袋を作製し順次包装部側に供給している。さらに、製袋機は包装袋を作製し箱詰めして給袋装置や給袋包装機に供給している。
【0003】
しかし、従来の給袋装置や給袋包装機では、箱に収納された一枚一枚の包装袋を取り出して順次コンベア上に並べる必要であり、また、包装袋の大容量化に伴い、設置スペースの増大化やコスト高が懸案となっている。製袋包装機でも包装袋の大容量化に伴い、製袋部の設置スペースの増大化が問題となっている。さらに、製袋機で作製され箱詰めされた包装袋は、給袋装置や給袋包装機のコンベア上に並べる作業が必要でコスト高の要因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、包装部側への給袋を省人化または無人化できると共に給袋装置を簡素化できコストを著しく低減できると共に、省スペース化により大容量給袋包装にも適する包装袋連続体を使用した給袋方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するものは、包装袋連続体送り機構により包装袋連続体を搬送する搬送工程と、切断機構により前記包装袋連続体を包装袋毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構により前記切断機構にて切断された前記包装袋を包装部側に受け渡す受け渡し工程を有していることを特徴とする包装袋連続体を使用した給袋方法である(請求項1)。
【0007】
前記搬送工程では、前記包装袋連続体に対して充填前処理を施すための充填前処理工程が行われることが好ましい(請求項2)。前記搬送工程では、滞留機構により前記包装袋連続体を滞留させる工程が行われることが好ましい(請求項3)。前記搬送工程では、前記包装袋連続体に打ち抜き加工工程が行われることが好ましい(請求項4)。前記搬送工程では、前記包装袋連続体は当該包装袋連続体が折り畳まれた包装袋連続体収納部から繰り出されることが好ましい(請求項5)。前記搬送工程では、前記包装袋連続体はとぐろ巻きされ繰り出されるものであってもよい(請求項6)。前記搬送工程では、前記包装袋連続体はつづら折りされ繰り出されるものであってもよい(請求項7)。前記搬送工程では、前記包装袋連続体はロール状に巻回した包装袋連続体用ボビンから繰り出されるものであってもよい(請求項8)。前記受け渡し工程では、前記切断機構により切断された前記包装袋を包装袋積載マガジンに積載する積載工程が行われることが好ましい(請求項9)。前記受け渡し工程では、前記包装袋を位置決めするための位置決め工程が行われることが好ましい(請求項10)。前記受け渡し工程では、包装袋回転機構により前記包装袋の姿勢を補正変更する補正変更工程が行われることが好ましい。前記搬送工程では、第2切断機構により前記包装袋連続体を搬送方向に沿って複数に分割する工程が行われてもよい(請求項12)。前記搬送工程では、搬送方向に沿って分割された前記包装袋連続体の端辺部を切断に伴ってシールする工程が行われることが好ましい(請求項13)。前記切断工程では、複数の前記切断機構により前記包装袋連続体が複数の前記包装袋に切断されてもよい(請求項14)。前記受け渡し工程では、複数の前記包装袋を同時に前記包装部側に受け渡すものであってもよい(請求項15)。前記包装袋連続体は、隣接する包装袋が溶着されて連続体に構成されているものであってもよい(請求項16)。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装部側への給袋を省人化または無人化できると共に給袋装置を簡素化できコストを著しく低減できると共に、省スペース化により大容量給袋包装にも適した給袋方法となる。
請求項2に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装部側における包装工程数を軽減することで包装部側をより省スペース化できる。
請求項3に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装部側でトラブルが発生しても包装袋連続体送り機構を同時停止させる必要がなく、包装袋連続体の送り量も適宜調整できる。
請求項4に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、搬送工程で包装袋連続体に打ち抜き加工を施して所望な包装袋を作製することができる。
請求項5に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装袋連続体が包装袋連続体収納部内にコンパクトに収納されると共に、包装袋連続体収納部からスムースに包装袋連続体を繰り出すことができる。
請求項6に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装袋連続体をコンパクト化し、省スペース化した状態から繰り出すことができる。
請求項7に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装袋連続体をコンパクト化し、省スペース化した状態から繰り出すことができる。
請求項8に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装袋連続体用ボビンから包装袋連続体を繰り出すことで、包装袋連続体をコンパクト化し、省スペース化した状態から繰り出すことができる。
請求項9に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、切断され包装袋連続体から個々に分離された包装袋を段積みしてストックすることで、包装部側への受け渡しのタイミングを調整することができる。
請求項10に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装袋を包装部側に受け渡す前に包装部側で位置ずれが生じないように位置調整することができる。
請求項11に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装袋の傾きを補正(微調整)、または包装袋の向きを変更(縦を横に)することができる。
請求項12に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、包装袋連続体の搬送に伴って複数の包装袋連続体に分割することができる。
請求項13に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、分割した包装袋連続体の端辺部を分割しながらシールして袋状にすることができる。
請求項14に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、複数の包装袋を同時に包装部側に供給して、複数の包装袋に同時に同一包装工程を行うことができる。
請求項15に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、複数の包装袋を同時に包装部側に供給して、複数の包装袋に同時に同一包装工程を行うことができる。
請求項16に記載の包装袋連続体を使用した給袋方法によれば、様々な包装袋を包装袋連続体に構成して包装部側へ給袋することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の一実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図2】袋形態の異なる他の包装袋連続体を説明するための斜視図である。
【
図3】袋形態の異なる他の包装袋連続体を説明するための斜視図である。
【
図4】袋形態の異なる他の包装袋連続体を説明するための斜視図である。
【
図5】袋形態の異なる他の包装袋連続体を説明するための斜視図である。
【
図6】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図7】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図8】袋形態の異なる他の包装袋連続体を説明するための斜視図である。
【
図9】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図10】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図11】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図12】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図13】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図14】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図15】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図16】本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法の他の実施例を説明するための斜視概略図である。
【
図17】包装袋連続体の他の実施例を説明するための斜視図である。
【
図18】包装袋連続体の他の実施例を説明するための斜視図である。
【
図19】包装袋連続体の他の実施例を説明するための正面図である。
【
図20】包装袋連続体の他の実施例を説明するための正面図である。
【
図21】包装袋連続体の他の実施例を説明するための正面図である。
【
図22】包装袋連続体の他の実施例を説明するための正面図である。
【
図23】包装袋連続体の他の実施例を説明するための説明図であり、(a)は包装袋の斜視図であり、(b)は包装袋連続体の側面図である。
【
図24】包装袋連続体の他の実施例を説明するための説明図であり、(a)は包装袋の斜視図であり、(b)は包装袋連続体の正面図である。
【
図25】包装袋連続体の他の実施例を説明するための正面図である。
【
図26】包装袋連続体の他の実施例を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、包装袋連続体送り機構11により包装袋連続体Sを搬送する搬送工程と、切断機構12により包装袋連続体Sを包装袋a毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構13により切断機構12にて切断された包装袋aを包装部側に受け渡す受け渡し工程を有し、包装袋連続体Sから個々の包装袋を切断して包装部側に給袋することで、人手やロボット等により箱から包装袋を取り出して順次コンベア上を並べる必要もなく、製袋する装置も不要で、包装袋連続体を扱うことで品質を保証でき袋ロスを最小限に抑えることができ、包装機への給袋を省人化または無人化できると共に装置を簡素化できコストを著しく低減できると共に、省スペース化により大容量給袋包装にも適した包装袋連続体を使用した給袋方法を実現した。
【実施例0011】
本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法を
図1に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の包装袋連続体Sを使用した給袋方法は、包装袋連続体送り機構11により包装袋連続体Sを搬送する搬送工程と、切断機構12により包装袋連続体Sを包装袋a毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構13により切断機構12にて切断された包装袋aを包装部側に受け渡す受け渡し工程を有している。以下、各工程について順次詳述する。
【0012】
この実施例の包装袋連続体Sを使用した給袋方法を適用した給袋装置Qを備えた給袋包装機Pは、包装袋aの袋口を開口して被包装物を充填し施封する装置であり、8つのステーション1~8においてそれぞれ、包装袋aを供給する給袋工程(ステーション1)、上部開口部を開口する袋開き工程(ステーション2)、袋底部を拡張させると共に被包装物を包装袋a内に充填し、被包装物に振動を与える袋底拡張・充填・底振動工程(ステーション3)、被包装物を包装袋a内に押し込むと共に被包装物に振動を与える押し込み・底振動工程(ステーション4)、噛み込みを検知すると共に空袋を機外排出する噛み込み検知・空袋排出工程(ステーション5)、袋口付近を水平方向にトップシールをすると共に包装袋a内のエア抜きを行うトップシール・エアー抜き工程(ステーション6)、トップシールが冷却される冷却シール工程(ステーション7)、被包装物が包装された包装袋aを機外に排出する製品排出工程(ステーション8)を繰り返し行い、被包装物を充填した包装袋a(製品)を量産する装置である。
【0013】
具体的には、ステーション1では、順次移動(間欠、連続を問わない。)してくるグリップ対gに包装袋aが吊り下げ状に把持される。ステーション2では、吸盤(図示しない)が包装袋aの上部開口部付近の両面から吸着して袋口を開口する。ステーション3では、袋底部を拡張させると共に被包装物を充填漏斗(図示しない)から包装袋a内に充填し、袋底部を振動片(図示しない)により振動させて被包装物を均す。ステーション4では、被包装物を包装袋a内に押し込むと共に被包装物に振動を与える。ステーション5では、被包装物の噛み込みの有無が検出されると共に空袋を機外排出する。ステーション6では、包装袋aの袋口付近を水平方向にトップシールをすると共に包装袋aを押圧して包装袋a内のエア抜きを行われる。ステーション7では、トップシールを施した箇所を冷却処理する。ステーション8では、被包装物が包装された包装袋aを製品として機外に排出する。
【0014】
なお、この実施例では、本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法をロータリー方式の給袋包装機に適用しているが、本発明が適用される給袋包装機はこれに限定されるものではなく、製袋包装機以外の給袋包装機は広く包含され、例えばトラック方式の給袋包装機や直線移動方式の給袋包装機等も包含される。また、袋把持部がグリップ対以外で構成された給袋包装機等も包含される。さらに、各包装ステーションの内容およびステーション数は上記に限定されるものではなく、包装袋または被包装物等に応じて適宜設計変更可能である。
【0015】
この給袋包装機Pでは、垂直方向に延在する間欠回転軸(図示しない)を回転自由に支持するスタンド(図示しない)を機台(図示しない)上に設け、その間欠回転軸の上部に取り付けられた移動体(円盤状回転体)10の周囲には、包装袋aを掴着又は釈放するための8対のグリップ対(袋把持部)gが回転軸(間欠回転、連続回転を問わない。)を中心として等角度間隔で放射方向に突出するように設けられている。給袋包装機Pは給袋工程において給袋装置Qによって包装袋aの袋取りを行い、ステーション1へ順次移動(間欠回転、連続回転を問わない。)してくるグリップ対(袋把持部)gに対して包装袋aが垂直姿勢で吊り下げ状に支持されるよう給袋する。すなわち、給袋装置Qはステーション1にてグリップ対(袋把持部)gに包装袋aを順次供給する。
【0016】
また、本願において「包装袋連続体」とは、切断して分離すると包装工程または包装機において個々の包装袋として被包装物を充填し施封可能な包装袋、または/および機外(給袋装置の外部または給袋包装機の外部)にて予め作製された包装袋の長尺状連続体を広く包含する概念である。例えば、製袋機にて作製された包装袋の長尺状連続体(プリメイド袋の連続体)の他、個々の包装袋を溶着により長尺状の連続体としたものなども広く包含される。また、連続させる方向としては、包装袋の長さ方向に連続させたもの、包装袋の幅方向に連続させたもの、包装袋の長さ方向に連続させることに加え、包装袋連続体の幅方向にも連続させたものなども「包装袋連続体」の概念に包含される。
【0017】
さらに、本願において「包装部側」とは、給袋装置単独の場合は包装機を意味し、給袋包装機の場合は、包装部、ステーション1に順次移動してくる袋把持部(例えばグリップ対)または給袋するためのステーション1を意味し、さらに包装工程を行う外部を広く包含する概念である。
【0018】
包装袋連続体送り機構11は、包装袋連続体Sを包装部側(下流側)に送るためのものであり、この実施例の包装袋連続体送り機構11は、上流側に設けられた第1包装袋連続体送り14と、下流側に設けられた第2包装袋連続体送り15とを有している。
【0019】
そして、包装袋連続体送り機構11により包装袋連続体Sを搬送する搬送工程では、第1包装袋連続体送り14と第2包装袋連続体送り15がそれぞれ一対の送りローラーを有しており、これら各一対の送りローラーをサーボモーター装置(図示せず)により駆動回転、回転速度調整及び停止作動させることで包装袋連続体Sが適宜、包装工程が行われる側(下流側)に送られる。
【0020】
包装袋連続体Sを構成する単位包装袋の袋形態として、
図1に示した実施例では平袋aであるが、これに限定されるものではなく、切断して分離すると包装工程または包装機において個々の包装袋として被包装物を充填し施封可能なものは広く包含され、例えば
図2に示した中央に長さ方向にミシン目kを備えた2連袋a2、
図3に示したホールパンチh付き平袋a3(この平袋a3はホールパンチhをマークセンサ16で検知する。)、
図4に示したチャック付きスタンド袋a4、
図5に示したガゼット袋a5、四方袋、三方袋、チャック付きガゼット袋、フラットボトル、チャック付きフラットボトルなどであってもよい。
【0021】
なお、包装袋連続体Sを構成する単位包装袋の袋形態の相違は、各単位包装袋に印刷されたレジマークmをマークセンサ16が検知することにより認識され、制御部(図示しない)はマークセンサ16からの出力信号に基づいて、給袋包装機P内の各種装置を袋形態に応じて制御する。マークセンサがないものについては袋ピッチ送り制御がされる。
【0022】
また、この実施例の搬送工程では、前記包装袋連続体に対して充填前処理を施すための充填前処理工程が行われる。
この充填前処理としては、例えば、印字装置17により包装袋連続体Sに印字する印字工程、または包装袋連続体Sへの印字を検査する印字検査工程等である。給袋工程でこれらの工程を行うことにより、包装部側における包装工程数を削減することができ包装機をより省スペース化できる。ただし、本願における充填前処理工程は、印字工程、印字検査工程に限定されるものではなく、包装袋連続体Sに対して充填前処理を行う工程を広く包含する。
【0023】
この実施例の搬送工程では、必要に応じて滞留機構19により包装袋連続体Sを滞留させる工程が行われる。この工程により、包装部側でトラブルが発生しても包装袋連続体送り機構11を同時停止させる必要がなく、包装袋連続体Sの送り量も適宜調整できる。
【0024】
具体的には、滞留機構19は、内部に包装袋連続体Sを貯えて滞留させるよう作用させる機構であり、上方側に設けられた固定ローラー群20と昇降可能に設けられたテンションローラー群21(バッファ用ダンサーローラー群)を有し、昇降装置(例えばサーボモーター)によってテンションローラー群21を降下させると、固定ローラー群20とテンションローラー群21との離隔距離が増加して包装袋連続体Sの蛇行路が形成されることで滞留可能に構成されている。
【0025】
そして、例えば包装工程におけるトラブルが解消されると、第2包装袋連続体送り15が下流側への送りを再開し、それに伴ってテンションローラー群21が下流側から順次上昇し初期位置に戻り始める。全てのテンションローラー群21が初期位置に戻ると通常の連続送り運転が再開されるよう制御される。
【0026】
この実施例の搬送工程では、包装袋連続体Sに打ち抜き加工工程が行われる。この工程により、搬送工程で包装袋連続体Sに打ち抜き加工を施して所望な包装袋を作製することができる。
【0027】
具体的には、給袋装置Qは包装袋連続体Sに打ち抜き加工を施すための打ち抜き加工装置(例えばパンチ)22を有しており、これにより、包装袋連続体Sに例えばRカット、ホールパンチ、ベースノッチ等の打ち抜き加工を施して所望な包装袋を作製することができる。
【0028】
この実施例の搬送工程では、包装袋連続体Sは当該包装袋連続体Sが折り畳まれた包装袋連続体収納部23から繰り出される。これにより、包装袋連続体Sが包装袋連続体収納部23内にコンパクトに収納されると共に、包装袋連続体収納部23からスムースに包装袋連続体Sを繰り出すことができる。
【0029】
具体的には、この実施例の包装袋連続体収納部23は上端が開口した有底箱体であり、包装袋連続体Sはこの包装袋連続体収納部23内に折り畳まれて収納されており、第1包装袋連続体送り14により包装袋連続体収納部23外へ繰り出され下流側に送られる。
【0030】
切断機構12により包装袋連続体Sを包装袋a毎に切断する切断工程では、包装袋連続体送り機構11(具体的には、第2包装袋連続体送り15)により送られる包装袋連続体が切断機構12により包装袋a毎に切断される。この工程により、連続した包装袋が搬送方向(送り方向)に直交する方向に切断され一枚ずつ分離される。
【0031】
なお、この実施例における切断機構12は、包装袋連続体Sの搬送方向(送り方向)に直交する方向に沿って設けられたカッターを有しており、このカッターが上下動することにより、包装袋連続体Sを切断するものであるが、これに限定されるものではなく、包装袋連続体Sを裁断して個々の包装袋aに順次分離可能なものであれば、例えば溶断機構等どのような切断機構によってもよい。
【0032】
包装袋受け渡し機構13により切断機構12にて切断された包装袋aを包装部側に受け渡す受け渡し工程では、切断機構12により切断された包装袋aを包装袋積載マガジン24に積載する積載工程が行われる。この工程により、切断され包装袋連続体Sから個々に分離された包装袋aを段積みしてストックすることで、包装部側への受け渡しのタイミングを調整することができる。
【0033】
この実施例の受け渡し工程では、包装袋aを位置決めするための位置決め工程が行われる。この工程により、包装袋aを包装部側に受け渡す前に、包装部側で包装袋aの位置ずれが生じないように調整することができる。
【0034】
具体的には、この実施例の給袋装置Qは、包装袋積載マガジン24の下流側に、包装袋aを位置決めするための位置決め機構25を有しており、位置決め機構25は、包装袋aを載置する位置決め台26と、包装袋aの幅方向に内外に移動可能に設けられた一対の幅方向位置決め板27と、包装袋aの長さ方向に内外に移動可能に設けられた長さ方向位置決め板28とを有している。そして、一対の幅方向位置決め板27および長さ方向位置決め板28は往復動機構(図示しない)によりそれぞれ、位置決め台26上に載置された包装袋aを幅方向の両側および長さ方向の一方側から内側に向かって(包装袋aに向かって)移動して包装袋aを位置決めする。
【0035】
なお、切断機構12から包装袋積載マガジン24への包装袋aの移送は、一対の吸盤29aを備え昇降可能かつ水平移動可能に構成された第1移送機構29により行われ、包装袋積載マガジン24から位置決め機構25への移送は、一対の吸盤30aを備え昇降可能かつ水平移動可能に構成された第2移送機構30により行われる。
【0036】
さらに、この実施例の受け渡し工程は、包装袋aをステーション1においてグリップ対gに順次受け渡すためのものであり、第1袋捕捉部31により位置決め台26上で位置決めされた包装袋aを捕捉する第1捕捉工程と、第2袋捕捉部32により第1袋捕捉部31により保持された包装袋aを受け取った後、グリップ対gへ受け渡すための第2捕捉工程が行われる。
【0037】
第1捕捉工程では、包装袋aを捕捉して回動させ垂直姿勢とする回動アーム(袋捕捉パイプ:図示しない)と、回動アームの下端部に設けられ包装袋aを上面側から吸着する一対の吸盤33とを有した第1袋捕捉部31により、位置決め台26上で位置決めされた包装袋aを捕捉する。
【0038】
なお、第1袋捕捉部31は、回動アームの下端部に設けられた一対の吸盤33にて捕捉された包装袋aの高さを補正するための高さ補正機構34を有している。
【0039】
この高さ補正機構34は、吸盤33にて捕捉され垂直姿勢で吊り下げ状に支持される包装袋aの中に、グリップ対(袋把持部)gに把持される際の高さが低いものから高いものまで存在することから、グリップ対(袋把持部)gに把持される前に、回動アームの下端部に設けられた吸盤33の高さを調整可能として、個々の包装袋aの爪上高さ(グリップ対gより上の部分の長さ:包装袋aの種類による爪上高さも含む。)を調整する。
【0040】
第2捕捉工程では、第1袋捕捉部5の回動アームにより垂直姿勢に支持された包装袋aを受け取るために挟持可能に構成された一対の掴み部35と、一対の掴み部35によって捕捉された包装袋aをグリップ対gまで移送するための袋移送部36とを有した第2袋捕捉部32により、第1袋捕捉部31により保持された包装袋aを受け取った後、グリップ対gへ受け渡す。
【0041】
以上のように、この実施例の包装袋連続体Sを使用した給袋方法は、包装袋連続体送り機構11により包装袋連続体Sを搬送する搬送工程と、切断機構12により包装袋連続体Sを包装袋a毎に切断する切断工程と、包装袋受け渡し機構13により切断機構12にて切断された包装袋aを包装部側に受け渡す受け渡し工程を有し、包装袋連続体Sから個々の包装袋aを切断して給袋するため、人手やロボット等により箱から包装袋を取り出して順次コンベア上を並べる必要もなく、製袋する装置も不要で、包装部側への給袋を省人化または無人化できると共に給袋装置を簡素化できコストを著しく低減できると共に、省スペース化により大容量給袋包装にも適した給袋方法となる。
【0042】
つぎに、
図6に示した本発明の包装袋連続体を使用した給袋方法について説明する。
この実施例の包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q2を備えた給袋包装機P2における給袋方法)と
図1に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Qを備えた給袋包装機Pにおける給袋方法)との基本的相違は、この実施例の包装袋連続体を使用した給袋方法の受け渡し工程が、切断機構12により切断された包装袋aを包装袋積載マガジン24に積載する積載工程と、位置決め機構25による包装袋aを位置決めするための位置決め工程とを有さず、包装袋回転機構37により包装袋aの傾きを補正し、または包装袋aの向きを変更する補正変更工程を有する点である。給袋装置Qを備えた給袋包装機Pと同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0043】
この補正変更工程では、包装袋回転機構37が一対の吸盤38aを備え、包装袋aを吸着して保持した状態で、昇降、水平移動および回転可能に構成された包装袋保持機構38と、包装袋aの姿勢(傾きまたは向き)を検知するためのカメラ39とを有しており、制御部はカメラ39の画像に基づいて包装袋aの傾きまたは向きを包装袋保持機構38にて回転制御することで補正または変更する。その後、給袋装置Qを備えた給袋包装機Pと同様、第1袋捕捉部31にて包装袋aを受け取った後、第2袋捕捉部32によりグリップ対(袋把持部)gへ受け渡す。
【0044】
さらに、
図7に示した包装袋連続体を使用した給袋方法について説明する。
この実施例の包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q3を備えた給袋包装機P3における給袋方法)と前述した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Qを備えた給袋包装機Pにおける給袋方法)との基本的相違は、給袋装置Qを備えた給袋包装機Pが、包装袋連続体Sが長さ方向に複数の包装袋aの連続体で幅方向には単数のものを使用するのに対して、給袋装置Q3を備えた給袋包装機P3は、包装袋連続体S2が幅方向に複数の包装袋を有する包装袋a6の連続体を使用する点である。この相違により、給袋装置Q3を備えた給袋包装機P3は包装袋連続体S2を搬送方向に沿って複数に分割するための第2切断機構40を有し、この第2切断機構40が搬送方向に沿って分割した包装袋連続体S2の端辺部を切断に伴ってシールするシール機構41を有し、包装袋受け渡し機構13が複数分設けられ、各包装ステーション1~8において複数の包装袋aに各包装工程が同時に行われるように複数のグリップ対gが同時に各包装ステーション1~8を移動するよう構成されている。給袋装置Qを備えた給袋包装機Pと同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0045】
そして、給袋装置Q3を備えた給袋包装機P3における搬送工程では、第2切断機構40により包装袋連続体Sを搬送方向に沿って複数に分割する工程が行われると共に、搬送方向に沿って分割された包装袋連続体Sの端辺部を切断に伴ってシールする工程が行われる。
【0046】
具体的には、この実施例の第2切断機構40は超音波による切断機構であり、包装袋連続体S2の搬送に伴って包装袋連続体S2の一面側(上面側)で回転するホーン側回転体42と、包装袋連続体S2の他面側(下面側)で回転するアンビル側回転体43とを有し、ホーン側回転体42は中央に回転刃42aを有し、アンビル側回転体43は中央に回転刃42aに噛合する環状凹部43aを有している。
【0047】
そして、包装袋連続体S2の搬送に伴ってホーン側回転体42とアンビル側回転体43が回転すると、超音波による振動エネルギーによって、回転刃42aと環状凹部43a間では包装袋連続体S2の搬送に沿って包装袋連続体S2が切断され複数(この実施例では2つであるが3以上でもよい)に分割されると共に、回転刃42aと環状凹部43aの両側では溶着(シール)されるように構成されている。これにより、分割した包装袋連続体の端辺部を分割しながらシールして袋状にすることができる。
【0048】
なお、この実施例では、包装袋連続体S2がセンターシールを有しない平袋a6の連続体であるため、切断(カット)と共に切断された包装袋連続体S2の端辺部をシールするシール機構41(この実施例では、回転刃42aと環状凹部43aの両側において対向する面同士)が必要であるが、
図8に示すように、センターシールcを有する平袋a7の連続体を使用する場合はシール機構のない第2切断機構であってもよい。また、第2切断機構は超音波によるものに限定されず、包装袋連続体の搬送に伴って切断可能なものであればどのようなものでもよく、例えばカッターのみのものや超音波以外の溶断機構によるものでもよい。
【0049】
図9に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q4を備えた給袋包装機P4における給袋方法)について説明する。
この実施例の給袋装置Q4を備えた給袋包装機P4と前述した給袋装置Q3を備えた給袋包装機P3との相違は、この実施例の給袋装置Q4を備えた給袋包装機P4が包装袋aを位置決めするための位置決め機構25を複数有している点である。給袋装置Q3を備えた給袋包装機P3と同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0050】
具体的には、この実施例の給袋装置Q4を備えた給袋包装機P4は、給袋装置Q4が並設された2つの位置決め機構25を有しており、これにより、包装袋aを包装部側に受け渡す前に、包装部側で位置ずれが生じないように2枚の包装袋aを位置決めする位置決め工程が行われる。この実施例の位置決め機構25は、切断手段12の下流側に設けられており、包装袋aを載置する位置決め台26と、包装袋aの幅方向に内外に移動可能に設けられた一対の幅方向位置決め板27と、包装袋a6の長さ方向に内外に移動可能に設けられた長さ方向位置決め板28とを有している。そして、一対の幅方向位置決め板27および長さ方向位置決め板28は往復動機構(図示しない)によりそれぞれ位置決め台26上に載置された包装袋aを幅方向の両側および長さ方向の一方側から内側に向かって(包装袋aに向かって)移動して包装袋aを位置決めするように構成されている。
【0051】
図10に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q5を備えた給袋包装機P5の給袋方法)について説明する。
この実施例の給袋装置Q5を備えた給袋包装機P5と前述した給袋装置Q3を備えた給袋包装機P3との主たる相違は、この実施例の給袋装置Q5を備えた給袋包装機P5における受け渡し工程が、垂下する包装袋連続体S2を切断手段12により切断して包装袋aを作製する切断工程の後、それらの包装袋aを垂直姿勢の状態でグリップ対gに受け渡す点である。給袋装置Q3を備えた給袋包装機P3と同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0052】
図11に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6の給袋方法)について説明する。
この実施例の給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6と、前述した給袋装置Qを備えた給袋包装機P(
図1に示した給袋包装機P)との基本的な相違は、給袋装置Qを備えた給袋包装機Pが包装袋連続体Sを構成する包装袋aの袋口が横方向に向く状態で送られるのに対して、給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6は、搬送工程において包装袋連続体Sを構成する包装袋aの袋口が上方向(垂直方向)を向く状態で送られる点と、搬送工程において包装袋連続体Sがとぐろ巻きされた状態から繰り出される点である。給袋装置Qを備えた給袋包装機Pと同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0053】
具体的には、給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6は、包装袋連続体送り機構11も切断機構12も垂直方向に延在するように設けられている。これにより、包装袋受け渡し機構13によってステーション1側に包装袋aを受け渡す際も包装袋aの向きを変更する必要がなく装置自体をより簡素化およびコンパクト化することができる。また、包装袋連続体Sをとぐろ巻きされた状態から繰り出すことで、包装袋連続体Sをコンパクト化し、省スペース化した状態から繰り出すことができる。
【0054】
図12に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q7を備えた給袋包装機P7の給袋方法)について説明する。
この実施例の給袋装置Q7を備えた給袋包装機P7と前述した給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6との基本的な相違は、給袋装置Q7を備えた給袋包装機P7が複数(この実施例では2つ)の切断機構12を有し、包装袋受け渡し機構13も切断機構12の個数に対応して複数分(この実施例では2つ)有しており、複数の包装袋受け渡し機構13により複数(この実施例では2つ)の包装袋aが同時にステーション1側に受け渡されて、複数の包装袋aに対して同時に同一包装工程を行われるように構成されている点である。すなわち、この実施例の給袋方法は、切断工程が、包装袋連続体Sを構成する包装袋aの袋口が上方向(垂直方向)を向く状態で、複数の包装袋aが分離されるように切断が行われる点と、受け渡し工程が、袋口が上方向(垂直方向)を向いた垂直姿勢の複数の包装袋aに対して行われる点に特徴がある。給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6と同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0055】
図13に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q8を備えた給袋包装機P8の給袋方法)について説明する。
この実施例の給袋装置Q8を備えた給袋包装機P8と前述した給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6との基本的な相違は、給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6の搬送工程では、包装袋連続体Sがとぐろ巻きされた状態から繰り出されるのに対して、給袋装置Q8を備えた給袋包装機P8の搬送工程では、包装袋連続体Sはつづら折りされた状態から繰り出される点である。これにより、包装袋連続体Sをコンパクト化し省スペース化した状態から繰り出すことができる。給袋装置Q6を備えた給袋包装機P6と同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0056】
図14に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q9を備えた給袋包装機P9の給袋方法)について説明する。
この実施例の給袋装置Q9を備えた給袋包装機P9と前述した給袋装置Qを備えた給袋包装機Pとの基本的な相違は、給袋装置Qを備えた給袋包装機Pがロータリー式給袋包装機であるのに対して、この実施例の給袋装置Q9を備えた給袋包装機P9はトラック式給袋包装機である点である。そして、給袋方法の主たる相違としては、給袋包装機P9の給袋装置Q9における受け渡し工程が、切断機構12により切断された包装袋aを包装袋積載マガジン24に積載する積載工程と、位置決め機構25による包装袋aを位置決めするための位置決め工程とを有していない点である。給袋装置Qを備えた給袋包装機Pと同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0057】
図15に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q10を備えた給袋包装機P10の給袋方法)について説明する。
この実施例の給袋装置Q10を備えた給袋包装機P10と前述した給袋装置Q9を備えた給袋包装機P9との相違は、給袋装置Q9を備えた給袋包装機P9が、包装袋連続体収納部23内に包装袋連続体Sが折り畳まれて収納されており、第1包装袋連続体送り14により包装袋連続体収納部23外へ繰り出され下流側に送られるように構成されているのに対して、給袋装置Q10を備えた給袋包装機P10は、給袋装置Q10がロール状に巻回した包装袋連続体Sを繰り出すための包装袋連続体用ボビン44を有しており、第1包装袋連続体送り14により下流側に送られるように構成されている点である。これにより、給袋装置Q10を備えた給袋包装機P10における搬送工程では、包装袋連続体Sはロール状に巻回されコンパクトに巻回された包装袋連続体用ボビン44から繰り出すことができる。
【0058】
図16に示した包装袋連続体を使用した給袋方法(給袋装置Q11を備えた給袋包装機P11の給袋方法)について説明する。
この実施例の給袋装置Q11を備えた給袋包装機P11と前述した給袋装置Q9を備えた給袋包装機P9との相違は、給袋装置Q9を備えた給袋包装機P9が一つの切断機構12を有し、包装袋受け渡し機構13も一つであるのに対して、この実施例の給袋装置Q11を備えた給袋包装機P11は、複数(この実施例では4つ)の切断機構12を有し、包装袋受け渡し機構13も切断機構12の個数に対応して複数(この実施例では4つ)有しており、複数(この実施例では4つ)の包装袋受け渡し機構13により複数(この実施例では4つ)の包装袋aが同時にステーション1に受け渡されて、複数の包装袋aに対して同時に同一包装工程を行われるように構成されている点である。すなわち、この実施例の給袋装置Q11を備えた給袋包装機P11は、切断工程では、複数(この実施例では4つ)の切断機構12により同時に複数(この実施例では4つ)の包装袋aに切断され、受け渡し工程では、複数(この実施例では4つ)の包装袋受け渡し機構13により複数(この実施例では4つ)の包装袋aが同時にステーション1に順次間欠移動して来る複数(この実施例では4つ)のグリップ対gに受け渡される。給袋装置Q9を備えた給袋包装機P9と同一構成については同一符号を付し説明を省略する。
【0059】
さらに、
図17ないし
図26に示した本発明で使用される包装袋連続体の他の実施例について順次説明する。
これらの包装袋連続体S3ないしS12は、いずれも隣接する包装袋aが溶着されて連続体に構成されているものである。このように、隣接する包装袋a同士の端部同士を溶着(好ましくは溶着部dにて部分溶着)することにより、異形な包装袋を含め、様々な包装袋を包装袋連続体に構成して包装部側へ給袋することができる。なお、溶着は接合後でも溶融部dを外観で判別できないことから切断すれば包装袋aとしてそのまま使用することができる。溶着の方法はどのようなものでもよいが、例えば高周波溶着、熱溶着、超音波溶着などが挙げられる。
【0060】
具体的には、
図17に示した包装袋連続体S3は、ガゼット袋aを長さ方向に加え幅方向にも連続させたものであり、隣接する包装袋aの端辺部同士は、長さ方向では離隔して3つの溶着部dにて溶着され、幅方向では離隔して2つの溶着部dにて溶着されて包装袋連続体S3が構成されている。そして、包装袋連続体S3は、包装袋aの長さ方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q3にて下流側に搬送すると、第2切断機構40にて長さ方向に沿って設けられた3つの溶着部dが切断され、その後、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた2つの溶着部dが切断され個々の包装袋(ガゼット袋)aが形成される。個々の包装袋(ガゼット袋)aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側(この実施例では、順次間欠移動してくるグリップ対)に受け渡される。
【0061】
図18に示した包装袋連続体S4は、ガゼット袋aを幅方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの幅方向の端辺部同士は、離隔した2つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S4が構成されている。そして、包装袋連続体S4は、包装袋aの幅方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた2つの溶着部dが切断され個々の包装袋(ガゼット袋)aが形成される。個々の包装袋(ガゼット袋)aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側(この実施例では、順次間欠移動してくるグリップ対)に受け渡される。
【0062】
図19に示した包装袋連続体S5は、上部の正面形状が楕円状に形成されチャック付きタイプの異形の包装袋aを幅方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの幅方向の端辺部同士は、離隔した2つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S5が構成されている。そして、包装袋連続体S5は、包装袋aの幅方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた2つの溶着部dが切断され個々の包装袋aが形成される。個々の包装袋aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側に受け渡される。
【0063】
図20に示した包装袋連続体S6は、包装袋連続体S5と同様、上部の正面形状が楕円状に形成されチャック付きタイプの異形の包装袋aを長さ方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの幅方向の端辺部同士は、1つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S6が構成されている。そして、包装袋連続体S6は、包装袋aの長さ方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた1つの溶着部dが切断されて個々の包装袋aが形成される。個々の包装袋aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側に受け渡される。
【0064】
図21に示した包装袋連続体S7は、上部の一側方に注ぎ口fを備えた異形の包装袋aを長さ方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの幅方向の端辺部同士は1つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S7が構成されている。そして、包装袋連続体S7は、包装袋aの長さ方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた1つの溶着部dが切断されて個々の包装袋aが形成される。個々の包装袋aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側に受け渡される。
【0065】
図22に示した包装袋連続体S8は、合掌(背貼り)タイプの包装袋aを幅方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの幅方向の端辺部同士は離隔した2つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S8が構成されている。そして、包装袋連続体S8は、包装袋aの幅方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた2つの溶着部dが切断され個々の包装袋aが形成される。個々の包装袋aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側に受け渡される。なお、この実施例の包装袋連続体S8は合掌(背貼り)タイプの包装袋aを幅方向に連続させたものであるが、長さ方向、または長さ方向および幅方向に複数の合掌(背貼り)タイプの包装袋aを溶着させて連続体に構成したものも包装袋連続体の範疇に包含される。
【0066】
図23に示した包装袋連続体S9は、包装袋(合掌(背貼り)タイプのガゼット袋)aを長さ方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの長さ方向の端辺部同士は離隔した2つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S9が構成されている。そして、包装袋連続体S9は包装袋aの長さ方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた2つの溶着部dが切断され個々の包装袋aが形成される。個々の包装袋aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側に受け渡される。なお、この実施例の包装袋連続体S9は包装袋aを長さ方向に連続させたものであるが、幅方向、長さ方向および幅方向に包装袋aを溶着させて連続体に構成したものも包装袋連続体の範疇に包含される。
【0067】
図24に示した包装袋連続体S10は、包装袋(ガゼット角底自立袋)aを長さ方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの長さ方向の端辺部同士は、離隔した2つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S9が構成されている。そして、包装袋連続体S10は包装袋aの長さ方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた2つの溶着部dが切断され個々の包装袋aが形成される。個々の包装袋aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側に受け渡される。なお、この実施例の包装袋連続体S10は包装袋aを長さ方向に連続させたものであるが、幅方向、または長さ方向および幅方向に包装袋aを溶着させて連続体に構成したものも包装袋連続体の範疇に包含される。
【0068】
図25に示した包装袋連続体S11は、包装袋(片三方シール袋)aを長さ方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの長さ方向の端辺部同士は離隔した2つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S11が構成されている。そして、包装袋連続体S11は、包装袋aの長さ方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた2つの溶着部dが切断され個々の包装袋aが形成される。個々の包装袋aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側に受け渡される。なお、この実施例の包装袋連続体S11は包装袋aを長さ方向に連続させたものであるが、幅方向、または長さ方向および幅方向に包装袋aを溶着させて連続体に構成したものも包装袋連続体の範疇に包含される。
【0069】
図26に示した包装袋連続体S12は、包装袋(キャップe付きボトルタイプの異形包装袋)aを幅方向に連続させたものであり、隣接する包装袋aの幅方向の端辺部同士は、離隔した2つの溶着部dにて部分的に溶着されて包装袋連続体S12が構成されている。そして、包装袋連続体S12は、包装袋aの幅方向を進行方向として例えば前述した給袋装置Q9にて下流側に搬送すると、切断機構12にて幅方向に沿って設けられた2つの溶着部dが切断され個々の包装袋aが形成される。個々の包装袋aは、包装袋受け渡し機構13により包装部側に受け渡される。なお、この実施例の包装袋連続体S12は包装袋aを幅方向に連続させたものであるが、長さ方向、または長さ方向および幅方向に包装袋aを溶着させて連続体に構成したものも包装袋連続体の範疇に包含される。
【0070】
なお、これら本願において列挙した包装袋連続体は例示であり、それら以外の包装袋が長さ方向または/および幅方向に溶着されて連続体に構成されたものは広く本願における包装袋連続体の範疇に包含される。