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  • 特開-レンズユニット 図1
  • 特開-レンズユニット 図2A
  • 特開-レンズユニット 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023004543
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】レンズユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20230110BHJP
【FI】
G02B7/02 B
G02B7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021106297
(22)【出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 優太
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AB06
2H044AB12
2H044AJ07
(57)【要約】
【課題】レンズの半径方向の移動や傾斜を抑制することができ、良好な光学特性を維持することできるレンズユニットを提供する。
【解決手段】レンズユニット1は、前方レンズ面111の半径方向外側に形成された傾斜面112と、後方レンズ面113の半径方向外側に形成された当接面114とを有する第1レンズ11と、レンズ11~15を保持するレンズバレル20とを備える。レンズバレル20は、第1レンズ11の当接面114に当接可能な支持面251を有する第1の支持部25を含む。レンズユニット1は、第1レンズ11をレンズバレル20の支持面251に向けて押圧する第1の押圧部材31を備える。第1の押圧部材31は、第1レンズ11の傾斜面112に当接可能な押圧面311を有する当接部312を含む。第1の押圧部材31の当接部312とレンズバレル20の第1の支持部25とは光軸Pの方向に並んで配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレンズ面と、前記第1のレンズ面の半径方向外側に形成された傾斜面と、光軸に沿って前記第1のレンズ面とは反対側に位置する第2のレンズ面と、前記第2のレンズ面の半径方向外側に形成された当接面とを有するレンズと、
前記レンズを保持するレンズバレルであって、前記レンズの前記当接面に当接可能な支持面を有する支持部を含むレンズバレルと、
前記レンズを前記レンズバレルの前記支持面に向けて押圧する押圧部材であって、前記レンズの前記傾斜面に当接可能な押圧面を有する当接部を含む押圧部材と
を備え、
前記押圧部材の前記当接部と前記レンズバレルの前記支持部とは前記光軸の方向に並んで配置される、
レンズユニット。
【請求項2】
前記レンズバレルの前記支持部の半径方向内側に配置される封止部材をさらに備える、請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記レンズバレルは、前記封止部材の半径方向内側に位置するフランジ部をさらに含み、
前記封止部材は、前記レンズバレルの前記支持部と前記フランジ部との間に形成された凹部に配置される、請求項2に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記レンズバレルの前記フランジ部と前記レンズの前記当接面との間には間隙が形成される、請求項3に記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記レンズバレルは、前記押圧部材の前記当接部の外周面が嵌合する内周面を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のレンズユニット。
【請求項6】
前記レンズの外周面は、前記レンズバレルの前記内周面に嵌合する、請求項5に記載のレンズユニット。
【請求項7】
前記押圧部材は、雄ネジが形成されたネジ部をさらに含み、
前記レンズバレルは、前記押圧部材の前記ネジ部の前記雄ネジが螺合する雌ネジ部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズユニットに係り、特にレンズとこれを保持するレンズバレルとを有するレンズユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、撮像装置に組み込まれているレンズユニットは、レンズと、レンズを保持するレンズバレルと、レンズをレンズバレルに押し付けて固定する固定部材とを含んでいる(例えば、特許文献1参照)。このようなレンズユニットにおいては、撮像装置の落下や外力によって衝撃が加わった場合に、レンズバレルに対してレンズが移動してしまうことが考えられる。例えば、従来のレンズユニットにおいては、固定部材が光軸に垂直な平面でレンズを押圧しているために、衝撃が加わった場合にレンズがレンズバレルに対して半径方向に移動しやすい。また、従来のレンズユニットにおいては、レンズがレンズバレルに保持される部分が、レンズが固定部材によって押圧される部分よりも半径方向内側に位置しているため、レンズにモーメントが作用し易く、衝撃が加わった場合にレンズがレンズバレルに対して傾きやすい。このように、レンズがレンズバレルに対して半径方向に移動したり傾いたりすると、レンズの破損や光学特性の劣化が問題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-24388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、レンズの半径方向の移動や傾斜を抑制することができ、良好な光学特性を維持することできるレンズユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、レンズの半径方向の移動や傾斜を抑制することができ、良好な光学特性を維持することできるレンズユニットが提供される。このレンズユニットは、第1のレンズ面と、上記第1のレンズ面の半径方向外側に形成された傾斜面と、光軸に沿って上記第1のレンズ面とは反対側に位置する第2のレンズ面と、上記第2のレンズ面の半径方向外側に形成された当接面とを有するレンズと、上記レンズを保持するレンズバレルとを備える。上記レンズバレルは、上記レンズの上記当接面に当接可能な支持面を有する支持部を含む。上記レンズユニットは、上記レンズを上記レンズバレルの上記支持面に向けて押圧する押圧部材をさらに備える。上記押圧部材は、上記レンズの上記傾斜面に当接可能な押圧面を有する当接部を含む。上記押圧部材の上記当接部と上記レンズバレルの上記支持部とは上記光軸の方向に並んで配置される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態におけるレンズユニットを示す断面図である。
図2A図2Aは、図1に示すレンズユニットの前方部分分解斜視図である。
図2B図2Bは、図1に示すレンズユニットの後方部分分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係るレンズユニットの実施形態について図1から図2Bを参照して詳細に説明する。図1から図2Bにおいて、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図2Bにおいては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態におけるレンズユニット1を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態のレンズユニット1は、5枚のレンズ11~15と、これらのレンズ11~15を保持するレンズバレル20と、第1の押圧部材31と、第2の押圧部材32と、第3の押圧部材33と、第2レンズ12と第3レンズ13との間に配置されるスペーサ40及び絞り部材41とを含んでいる。なお、本実施形態では、便宜的に、図1における-X方向を「前」又は「前方」といい、+X方向を「後」又は「後方」ということとする。
【0009】
レンズバレル20は、第1レンズ11の外周面115が嵌合する第1の内周面21と、第1の内周面21よりも径が小さく、第2レンズ12、スペーサ40、及び絞り部材41のそれぞれの外周面が嵌合する第2の内周面22と、第2の内周面22よりも径が小さく、第3レンズ13の外周面が嵌合する第3の内周面23と、第3の内周面23よりも径が大きく、第4レンズ14及び第5レンズ15のそれぞれの外周面が嵌合する第4の内周面24とを有している。また、レンズバレル20は、第1レンズ11の後方に位置する第1の支持部25と、第1の支持部25の半径方向内側に形成されたフランジ部26と、第3の内周面23と第4の内周面24との間に位置する第2の支持部27とを有している。
【0010】
レンズバレル20の+X方向側の端部の内周面には、第3の押圧部材33の外周に形成された雄ネジ(図示せず)に螺合する雌ネジ部201が形成されている。第3の押圧部材33の雄ネジをレンズバレル20の雌ネジ部201に螺合させることで、第3の押圧部材33が第5レンズ15を-X方向に押圧し、これにより第5レンズ15が第4レンズ14を第2の支持部27に向けて押圧するようになっている。
【0011】
レンズバレル20のフランジ部26の内周面には、第2の押圧部材32の外周に形成された雄ネジ(図示せず)に螺合する雌ネジ部202が形成されている。第2の押圧部材32の雄ネジをレンズバレル20の雌ネジ部202に螺合させることで、第2の押圧部材32が第2レンズ12を+X方向に押圧し、これにより第2レンズ12がスペーサ40、絞り部材41、及び第3レンズ13を第2の支持部27に向けて押圧するようになっている。
【0012】
レンズバレル20の第1の支持部25の半径方向内側には、レンズバレル20の内部空間を封止するOリング50(封止部材)が配置されている。このような封止部材は、例えば第1レンズ11の外周縁とレンズバレル20の第1の内周面21との間に配置することも可能であるが、その場合には、組立時に第1レンズ11の外周縁が封止部材に引っ掛かって封止部材に傷が付き、封止部材の封止性能が低下することが考えられる。これに対して、本実施形態では、封止部材としてのOリング50が、第1レンズ11の外周縁とレンズバレル20の第1の内周面21との間ではなく、第1レンズ11の後方、かつ、レンズバレル20の第1の支持部25の半径方向内側に配置されているため、組立時に第1レンズ11の外周縁がOリング50に引っ掛かることがなく、Oリング50に傷が付きにくい。このため、Oリング50の封止性能を良好に維持することができる。
【0013】
図2Aは、レンズユニット1の前方部分分解斜視図、図2Bは、後方部分分解斜視図である。図2A及び図2Bに示すように、第1レンズ11は、前方レンズ面111(第1のレンズ面)と、前方レンズ面111の半径方向外側に形成された傾斜面112と、光軸Pに沿って前方レンズ面111の反対側に位置する後方レンズ面113(第2のレンズ面)と、後方レンズ面113の半径方向外側に形成された当接面114とを有している。本実施形態における当接面114は光軸Pに対して垂直に延びている。
【0014】
レンズバレル20の第1の支持部25は、第1レンズ11の当接面114に当接する支持面251を有している。図2A及び図2Bに示すように、第1の押圧部材31は、第1レンズ11をレンズバレル20の支持面251に向けて押圧する円環状の部材である。この第1の押圧部材31は、第1レンズ11の傾斜面112に当接可能な押圧面311を有する当接部312と、外周に雄ネジ(図示省略)が形成されたネジ部313とを有している。
【0015】
レンズバレル20の-X方向側の端部の内周面には、第1の押圧部材31のネジ部313の雄ネジに螺合する雌ネジ部203が形成されている。第1の押圧部材31のネジ部313の雄ネジをレンズバレル20の雌ネジ部203に螺合させることで、第1の押圧部材31の当接部312の押圧面311が第1レンズ11の傾斜面112に当接して第1レンズ11を+X方向に押圧し、これにより第1レンズ11の当接面114がレンズバレル20の第1の支持部25の支持面251により支持される。このように、第1の押圧部材31のネジ部313とレンズバレル20の雌ネジ部203との螺合によって、確実に第1レンズ11を第1の支持部25に向けて押圧することができる。
【0016】
本実施形態では、第1の押圧部材31の当接部312の押圧面311が第1レンズ11の傾斜面112に当接して第1レンズ11を押圧するようになっているので、第1の押圧部材31の押圧力が半径方向の力に変換されて第1レンズ11に作用することとなる。このため、第1レンズ11には全周にわたって半径方向の力が常に作用することとなり、レンズユニット1に衝撃が加わった場合においても第1レンズ11が半径方向に動きにくい。
【0017】
図1及び図2Aに示すように、レンズバレル20の第1の支持部25とフランジ部26との間には周方向に延びる凹部28が形成されており、上述したOリング50はこの凹部28内に配置されている。このため、Oリング50の半径方向内側にはレンズバレル20のフランジ部26が位置することとなる。したがって、水圧などによってOリング50に半径方向外側から内側に向かって力が作用しても、Oリング50がレンズバレル20のフランジ部26に支持されることとなり、Oリング50の脱落を抑制することができる。
【0018】
ここで、図1に示すように、第1の押圧部材31の当接部312とレンズバレル20の第1の支持部25とは光軸Pの方向に並んで配置されている。これにより、第1の押圧部材31によって押圧される第1レンズ11の部分とレンズバレル20の第1の支持部25によって支持される第1レンズ11の部分とが光軸Pの方向に沿った同一線上に位置することとなる。このため、第1の押圧部材31の押圧力により第1レンズ11にモーメントや曲げ応力が生じにくく、レンズユニット1に衝撃が加わった場合においても第1レンズ11が傾きにくい。
【0019】
以上のように、本実施形態においては、第1の押圧部材31の当接部312の押圧面311が第1レンズ11の傾斜面112に当接して第1レンズ11を押圧するようになっているため、レンズユニット1に衝撃が加わった場合においても第1レンズ11が半径方向に動きにくくなっている。また、第1の押圧部材31の当接部312とレンズバレル20の第1の支持部25とは光軸Pの方向に並んで配置されているため、レンズユニット1に衝撃が加わった場合においても第1レンズ11が傾きにくくなっている。このように、本実施形態によれば、第1レンズ11の半径方向の移動や傾斜を抑制することができるので、レンズユニット1の光学特性を良好に維持することができる。
【0020】
ここで、レンズバレル20のフランジ部26の前面261は第1レンズ11の当接面114から離れており、レンズバレル20のフランジ部26と第1レンズ11の当接面114との間には間隙が形成されている。このようにレンズバレル20のフランジ部26と第1レンズ11の当接面114との間に間隙を形成することで、第1レンズ11の当接面114がレンズバレル20の第1の支持部25に確実に当接することとなるため、第1レンズ11が傾くことがより効果的に抑制される。
【0021】
また、本実施形態では、レンズバレル20の第1の内周面21に第1の押圧部材31の当接部312の外周面314と第1レンズ11の外周面115の両方が嵌合するようになっている。このように、第1の押圧部材31の当接部312と第1レンズ11とを同じ内周面21に嵌合させることにより、第1の押圧部材31と第1レンズ11とを精度良く同軸上に配置することができる。なお、第1の押圧部材31の当接部312と第1レンズ11とを同じ内周面21に嵌合させる必要は必ずしもなく、第1の押圧部材31の当接部312及び第1レンズ11の一方のみをレンズバレル20の内周面に嵌合させてもよいし、第1の押圧部材31の当接部312及び第1レンズ11を異なる内周面に嵌合させてもよい。
【0022】
本実施形態では、第1レンズ11の傾斜面112は、+X方向に向かって次第に外径が大きくなる円錐面となっており、これに対応して、第1の押圧部材31の当接部312の押圧面311は、+X方向に向かって次第に内径が大きくなる円錐面となっているが、第1レンズ11の傾斜面112及び第1の押圧部材31の当接部312の押圧面311の形状はこれに限られるものではない。例えば、第1レンズ11の傾斜面112の外径及び第1の押圧部材31の当接部312の押圧面311の内径が+X方向に向かって次第に小さくなっていてもよい。また、これらの傾斜面112及び押圧面311を円錐面以外の曲面により構成してもよい。
【0023】
本実施形態では、第1レンズ11の半径方向の移動や傾斜を抑制することを中心に述べたが、上述した第1レンズ11の半径方向の移動や傾斜を抑制する構成は、他のレンズ12~15にも適用できるものである。
【0024】
なお、本明細書において使用した用語「前」、「後」、「前方」、「後方」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において使用されているのであり、装置の相対的な位置関係によって変化するものである。
【0025】
以上述べたように、本発明の一態様によれば、レンズの半径方向の移動や傾斜を抑制することができ、良好な光学特性を維持することできるレンズユニットが提供される。このレンズユニットは、第1のレンズ面と、上記第1のレンズ面の半径方向外側に形成された傾斜面と、光軸に沿って上記第1のレンズ面とは反対側に位置する第2のレンズ面と、上記第2のレンズ面の半径方向外側に形成された当接面とを有するレンズと、上記レンズを保持するレンズバレルとを備える。上記レンズバレルは、上記レンズの上記当接面に当接可能な支持面を有する支持部を含む。上記レンズユニットは、上記レンズを上記レンズバレルの上記支持面に向けて押圧する押圧部材をさらに備える。上記押圧部材は、上記レンズの上記傾斜面に当接可能な押圧面を有する当接部を含む。上記押圧部材の上記当接部と上記レンズバレルの上記支持部とは上記光軸の方向に並んで配置される。
【0026】
このような構成によれば、押圧部材の押圧面がレンズの傾斜面に当接してレンズを押圧するようになっているので、押圧部材の押圧力が半径方向の力に変換されてレンズに作用することとなる。このため、レンズには半径方向の力が常に作用することとなり、レンズユニットに衝撃が加わった場合においてもレンズが半径方向に動きにくい。
【0027】
また、押圧部材の当接部とレンズバレルの支持部とが光軸の方向に並んで配置されているため、押圧部材によって押圧されるレンズの部分とレンズバレルの支持部によって支持されるレンズの部分とが光軸の方向に沿った同一線上に位置することとなる。このため、押圧部材の押圧力によりレンズにモーメントや曲げ応力が生じにくくなっており、レンズユニットに衝撃が加わった場合においてもレンズが傾きにくい。
【0028】
このように、上述した構成によれば、レンズの半径方向の移動や傾斜を抑制することができるので、レンズユニットの光学特性を良好に維持することができる。
【0029】
上記レンズユニットは、上記レンズバレルの上記支持部の半径方向内側に配置される封止部材をさらに備えることが好ましい。このような封止部材は、例えばレンズの外周縁とレンズバレルの内周面との間に配置することも可能であるが、その場合には、組立時にレンズの外周縁が封止部材に引っ掛かって封止部材に傷が付き、封止部材の封止性能が低下することが考えられる。このため、封止部材をレンズバレルの支持部の半径方向内側に配置することで、組立時にレンズの外周縁が封止部材に引っ掛かることがなく、封止部材に傷が付きにくい。このため、封止部材の封止性能を良好に維持することができる。
【0030】
上記レンズバレルは、上記封止部材の半径方向内側に位置するフランジ部をさらに含んでいてもよい。この場合において、上記封止部材は、上記レンズバレルの上記支持部と上記フランジ部との間に形成された凹部に配置されていてもよい。このように、レンズバレルの支持部とフランジ部との間に形成された凹部に封止部材を配置することで、封止部材の半径方向内側にはレンズバレルのフランジ部が位置することとなる。このため、水圧などによって封止部材に半径方向外側から内側に向かって力が作用しても、封止部材がレンズバレルのフランジ部に支持されることとなり、封止部材の脱落を抑制することができる。
【0031】
上記レンズバレルの上記フランジ部と上記レンズの上記当接面との間には間隙が形成されることが好ましい。このようにレンズバレルのフランジ部とレンズの当接面との間に間隙を形成することで、レンズの当接面がレンズバレルの支持部に確実に当接することとなるため、レンズが傾くことがより効果的に抑制される。
【0032】
上記レンズバレルは、上記押圧部材の上記当接部の外周面が嵌合する内周面を有することが好ましい。この場合において、上記レンズの外周面が、上記レンズバレルの上記内周面に嵌合することが好ましい。このように、押圧部材の当接部とレンズとを同じ内周面に嵌合させることにより、押圧部材とレンズとを精度良く同軸上に配置することができる。
【0033】
上記押圧部材は、雄ネジが形成されたネジ部をさらに含んでいてもよい。この場合において、上記レンズバレルは、上記押圧部材の上記ネジ部の上記雄ネジが螺合する雌ネジ部を有していてもよい。このように、押圧部材のネジ部とレンズバレルの雌ネジ部との螺合によって、確実にレンズを支持部に向けて押圧することができる。
【0034】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1 レンズユニット
11 第1レンズ
12 第2レンズ
13 第3レンズ
14 第4レンズ
15 第5レンズ
20 レンズバレル
21 第1の内周面
22 第2の内周面
23 第3の内周面
24 第4の内周面
25 第1の支持部
26 フランジ部
27 第2の支持部
28 凹部
31 第1の押圧部材
32 第2の押圧部材
33 第3の押圧部材
40 スペーサ
41 絞り部材
50 Oリング(封止部材)
111 前方レンズ面(第1のレンズ面)
112 傾斜面
113 後方レンズ面(第2のレンズ面)
114 当接面
115 外周面
201~203 雌ネジ部
251 支持面
311 押圧面
312 当接部
313 ネジ部
314 外周面
P 光軸
図1
図2A
図2B