特開 2023-45484 毛髪化粧料

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023045484

(43)【公開日】2023-04-03

(54)【発明の名称】毛髪化粧料

(51)【国際特許分類】

   A61K 8/46 20060101AFI20230327BHJP

   A61K 8/39 20060101ALI20230327BHJP

   A61Q 5/06 20060101ALI20230327BHJP

   A61Q 5/12 20060101ALI20230327BHJP

   A61K 8/86 20060101ALI20230327BHJP

【ＦＩ】

A61K8/46

A61K8/39

A61Q5/06

A61Q5/12

A61K8/86

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021153924

(22)【出願日】2021-09-22

(71)【出願人】

【識別番号】000135324

【氏名又は名称】株式会社ノエビア

(72)【発明者】

【氏名】丹後 弘隆

【テーマコード（参考）】

4C083

【Ｆターム（参考）】

4C083AC102

4C083AC172

4C083AC181

4C083AC182

4C083AC711

4C083AC712

4C083AC791

4C083AC792

4C083AD111

4C083AD112

4C083AD131

4C083AD132

4C083BB05

4C083CC32

4C083CC33

4C083DD08

4C083DD47

4C083EE06

4C083EE07

4C083EE28

4C083EE29

(57)【要約】

【課題】
本発明は、泡吐出タイプの容器に充填しても目詰まりしにくく、毛髪に柔軟性とツヤ、潤いを与える効果に優れた毛髪化粧料を提供することを課題とする。
【解決手段】
スルホコハク酸エステル系アニオン界面活性剤及びポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを含有する毛髪化粧料。また、さらにトリメチルグリシン、ホスホリルコリン基含有重合体を含有する毛髪化粧料。
【選択図】 なし

【特許請求の範囲】

【請求項1】

スルホコハク酸エステル系アニオン界面活性剤及びポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを含有する毛髪化粧料。

【請求項2】

さらにトリメチルグリシンを含有する請求項１に記載の毛髪化粧料。

【請求項3】

さらに、ホスホリルコリン基含有重合体を含有する請求項１又は請求項２に記載の毛髪化粧料。

【請求項4】

泡吐出容器に充填されている、請求項１～３の１項に記載の毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、毛髪化粧料に関する。

【背景技術】

【0002】

毛髪は、紫外線、ドライヤーの熱、ブラッシング、洗髪などの影響によって損傷し、指通りが悪化しやすい。さらに近年、パーマやヘアカラー、ブリーチなどの利用が一般化する反面、これらの化学処理に伴うパサつきやハリの低下などの毛髪のダメージも問題となっている。従来から、毛髪のダメージを抑制し、毛髪の感触を向上させるために、様々な毛髪化粧料が開示されている（特許文献１、特許文献２）。
毛髪にハリ・コシやまとまり感を与える技術は年々進歩しているものの、より良好な効果を有する毛髪化粧料及びより使用感の良い毛髪化粧料が求められており、更なる進歩が望まれている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第６５３９０７１号公報

【特許文献2】特許第６４３３３７２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

本発明は、泡吐出タイプの容器に充填しても目詰まりしにくく、毛髪に柔軟性とツヤ、潤いを与える効果に優れた毛髪化粧料を提供することを課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本発明は下記のとおりである。
（１）
スルホコハク酸エステル系アニオン界面活性剤及びポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを含有する毛髪化粧料。
（２）
さらにトリメチルグリシンを含有する（１）に記載の毛髪化粧料。
（３）
さらに、ホスホリルコリン基含有重合体を含有する（１）又は（２）に記載の毛髪化粧料。
（４）
泡吐出容器に充填されている、（１）～（３）の１に記載の毛髪化粧料。

【発明の効果】

【0006】

本発明は、泡吐出タイプの容器に充填しても目詰まりしにくく、毛髪に柔軟性とツヤ、潤いを与える効果に優れた毛髪化粧料を提供することができる。

【発明を実施するための形態】

【0007】

本発明で用いるスルホコハク酸エステル系アニオン界面活性剤は、スルホコハク酸とエステル結合したアニオン界面活性剤であれば、特に制限されずに使用することができる。具体的には、スルホコハク酸ジエステル系アニオン界面活性剤として、スルホコハク酸ジアミル、スルホコハク酸ジイソデシル、スルホコハク酸ジイソステアリル、スルホコハク酸ジオレイル、スルホコハク酸ジエチルヘキシル、スルホコハク酸ジカプリル、スルホコハク酸ジステアリル、スルホコハク酸ジセチル、スルホコハク酸ジトリデシル、スルホコハク酸ジラウリル及びこれらの塩等が、スルホコハク酸モノエステル系アニオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸及びこれらの塩等が挙げられる。

【0008】

スルホコハク酸エステル系アニオン界面活性剤は、本発明の毛髪化粧料全量に対し、合計０．０１～０．５質量％の配合量が好ましい。配合量が０．０１質量％未満であると、十分な毛髪柔軟化効果が得られない場合がある。０．５質量％を超えると、泡吐出容器に充填した際に目詰まりの原因となる場合がある。

【0009】

スルホコハク酸エステル系アニオン界面活性剤は市販のものを用いることができる。例えば、スルホコハク酸（Ｃ１２－１４）パレス－２Ｎａ（化粧品表示名称）としては、ビューライト ＥＳＳ三洋化成工業社製）、コハクール Ｌ－４００（東邦化学工業社製）等が、スルホコハク酸ラウレス２Ｎａ（化粧品表示名称）としては、ＲＥＷＯＰＯＬ ＳＢ ＦＡ ３０ Ｂ（Ｅｖｏｎｉｋ Ｏｐｅｒａｔｉｏｎｓ社製）、ビューライト ＬＳＳ（三洋化成工業社製）、リカマイルド ＥＳ－１００（新日本理化社製）、リカマイルド ＥＳ－２００（新日本理化社製）等が、スルホコハク酸ジエチルヘキシルＮａ（化粧品表示名称）としては、ＮＩＫＫＯＬ ＯＴＰ－７５（日光ケミカルズ株式会社製）、ＴＥＧＯ Ｓｕｌｆｏｓｕｃｃｉｎａｔｅ ＤＯ ７５（Ｅｖｏｎｉｋ Ｏｐｅｒａｔｉｏｎｓ社製）、リカサーフ Ｇ－３０（新日本理化社製）等が例示される。
本発明の毛髪化粧料においては、低刺激性と、泡吐出容器に充填した際に目詰まりのしにくさの点からスルホコハク酸（Ｃ１２－１４）パレス－２Ｎａ、スルホコハク酸ラウレス２Ｎａから選択される１種又は２種を用いることが好ましく、さらには、スルホコハク酸（Ｃ１２－１４）パレス－２Ｎａを用いることが最も好ましい。

【0010】

本発明で用いるポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルは特に限定されないが、例えば、ポリオキシプロピレン（９）ジグリセリルエーテル（阪本薬品工業社製、ＳＹ－ＤＰ９）、ポリオキシプロピレン（１４）ジグリセリルエーテル（阪本薬品工業社製、ＳＹ－ＤＰ１４Ｔ）が挙げられる。

【0011】

ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルは、本発明の毛髪化粧料全量に対し、合計１～１０質量％の配合量が好ましい。配合量が１質量％未満であると、十分な毛髪柔軟化効果が得られない場合がある。１０質量％を超えると、泡吐出容器に充填した際に目詰まりの原因となる場合がある。

【0012】

本発明の毛髪化粧料には、トリメチルグリシンを配合することができる。トリメチルグリシンを配合することにより、毛髪補修効果が期待される。トリメチルグリシンを配合する場合、その配合量は、本発明の毛髪化粧料全量に対し、合計１～１０質量％の配合量が好ましい。

【0013】

本発明の毛髪化粧料には、ホスホリルコリン基含有重合体を配合することができる。ホスホリルコリン基含有重合体を配合することにより、毛髪化粧料に帯電防止効果を付与することができる。

【0014】

ホスホリルコリン基含有重合体は、化粧料に配合し得るものであればいずれのものも使用することができ、１種を単独で、又は２種以上を併用して組み合わせて使用してもよい。かかるホスホリルコリン基含有重合体としては、具体的には、化粧品成分表示名称として、ポリクオタニウム－５１（２－メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体）、ポリクオタニウム－６５（２－メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ナトリウム共重合体）、ポリクオタニウム－６４（２－メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・２－ヒドロキシ－３－メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム共重合体）、ポリクオタニウム－６１（２－メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体）等が挙げられる。本発明においては、その帯電防止効果の点からポリクオタニウム－６１を用いることが好ましい。

【0015】

ホスホリルコリン基含有重合体を配合する場合その配合量は、本発明の毛髪化粧料全量に対し、０．００１～０．５質量％配合することが好ましい。

【0016】

本発明の毛髪化粧料は、上述の毛髪化粧料を泡吐出機構を備えた容器に充填して用いることが好ましい。泡吐出機構を備えた容器とは、噴射剤を使用するエアゾール型の泡吐出容器以外のノンエアゾール（ノンガスともいう）型のものを意味し、吐出容器内に充填された毛髪化粧料と、空気とを混合して多孔質膜を通過させることにより泡沫状に吐出することができる容器である。具体的には、ポンプフォーマーやスクイズフォーマー等を例示することができる。

【0017】

また、吐出容器内部の多孔質膜は、一つ又は複数設けられ、その膜の孔数は特に限定されないが、キメ細かな泡質にする観点から、１００～４００メッシュが好ましく、１５０～３００メッシュのものを用いるのがより好ましい。

【0018】

本発明の毛髪化粧料は、上述の成分の他に、通常の毛髪化粧料に用いられる任意成分を、本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。具体的には、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤等を挙げることができる。

【0019】

本発明の毛髪化粧料は、常法により製造することができる。剤型としては、液状、クリーム状等の剤型とすることができ、泡吐出容器以外にも、エアゾール容器、ポリ容器、アルミチューブ容器、パウチ容器などの各種容器に充填される。

【0020】

本発明の毛髪化粧料は、リーブオントリートメント、整髪剤などの製品にすることができる。

【実施例0021】

以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、これにより、本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は、特に断りのない限り質量％である。

【0022】

表１に、本発明の実施例及び比較例にかかる毛髪化粧料の処方を示す。毛髪化粧料は定法に従い調製し、使用評価用ポンプフォーマー（タケモト製、１００メッシュ×２００メッシュの２枚）に充填し、評価に供した。

【0023】

使用感評価（毛髪の柔軟性、ツヤ、潤い、使用性）
専門パネラー３名による使用テストを行った。まず、各パネラーが日常使用しているシャンプーで十分洗髪後リンス処理を行い、ドライヤーで乾燥させてから、表１に示す毛髪化粧料を適量塗布し、髪全体に馴染ませた。下記の判定基準に従って、毛髪の柔軟性、ツヤ、潤い、使用性について、絶対評価を行い、合議により判定を行った。
＜判定基準＞
○：良い
△：どちらともいえない
×：悪い

【0024】

【表1】

【0025】

表１に示すように、本発明の毛髪化粧料は、毛髪の柔軟性、ツヤ、潤い、使用性に優れたものであった。